JPH08194938A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH08194938A
JPH08194938A JP7024767A JP2476795A JPH08194938A JP H08194938 A JPH08194938 A JP H08194938A JP 7024767 A JP7024767 A JP 7024767A JP 2476795 A JP2476795 A JP 2476795A JP H08194938 A JPH08194938 A JP H08194938A
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JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
recording medium
aminoquinone
binder
magnetic recording
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JP7024767A
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English (en)
Inventor
Akira Horiguchi
晃 堀口
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗布型の磁気記録媒体に関するものであり、
特に良好な電磁変換特性を長期にわたり保持でき、なお
かつ、磁性塗膜の走行性、保存耐久性に優れた高密度記
録可能な磁気記録媒体を提供すること。 【構成】 磁性層の結合剤成分中の少なくとも一つの樹
脂組成中に、下記一般式(1−1),(1−2)で表さ
れるアミノキノン構造のうち少なくとも一方のアミノキ
ノン構造を構成単位に含有させる。さらに、結合剤のガ
ラス転移点Tgを−40〜+40℃とする。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗布型の磁気記録媒体に
関するものであり、特に良好な電磁変換特性を長期にわ
たり保持できると共に、各種耐久性に優れた高密度記録
可能な磁気記録媒体を提供することを目的としている。
【0002】
【従来の技術】塗布型の磁気記録媒体においては、結合
剤(バインダー樹脂)と磁性粉とを混合した磁性塗料を
支持体上に塗布し、磁性層を形成している。バインダー
樹脂は単独の樹脂ではなく種々の樹脂を混合したものが
用いられることが多い。従来のバインダー樹脂はメタル
粉等の金属磁性粉に対する防錆性に乏しく、防錆性を磁
性粉の表面処理に委ねているがいまだ十分ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近、バインダー樹脂
に防錆性の高いアミノキノン化合物を導入し、磁性粉の
防錆性に優れたバインダー樹脂が開発されつつある。し
かし、これらのバインダー樹脂は防錆性には優れていて
も、磁気記録媒体の磁性層に使用した場合には、分散
性、塗膜接着性、走行性、耐久性を満足するものが得ら
れていないのが現状である。また、高密度記録可能な磁
気記録媒体には、近年、高い磁気特性を維持すると共
に、繰返し使用での記録済み信号の出力低下を防止する
ため、塗膜の走行性・耐久性向上が要求されている。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するものであ
って、アミノキノン化合物を導入し磁性粉の防錆性を向
上させたものであって、なおかつ、耐久性に優れた磁気
記録媒体を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで上記課題を解決す
るために本発明は、アミノキノン化合物を導入する結合
剤のガラス転移点Tgに着目したものであり、支持体
に、強磁性体粉を含有する磁性層を塗布してなる磁気記
録媒体において、前記磁性層の結合剤成分中の少なくと
も一つの樹脂組成中に、下記一般式(1−1),(1−
2)で表されるアミノキノン構造のうち少なくとも一方
のアミノキノン構造を構成単位に含み、かつ、前記結合
剤のガラス転移点Tgが−40〜+40℃(または+4
0〜+100℃、または+100〜+150℃)である
ことを特徴とする磁気記録媒体を提供するものである。
【0006】
【化1】
【0007】
【実施例】本発明は、非磁性の支持体に、強磁性体粉を
含有する磁性層を塗布してなる磁気記録媒体であって、
前記磁性層の結合剤(バインダー樹脂)成分中の少なく
とも一つの樹脂組成中に、上記一般式(1−1),(1
−2)で表されるアミノキノン構造のうち少なくとも一
方のアミノキノン構造を構成単位に含み、かつ、前記結
合剤のガラス転移点Tgが−40〜+40℃(または+
40〜+100℃、または+100〜+150℃)であ
ることを特徴とする。
【0008】用いられる金属強磁性体粉末としては公知
の材料を用いることができるが、例えばγ−FeOx
(x=1.33〜1.5)、Co変性γ−FeOx(x
=1.33〜1.5)、FeまたはNiまたはCoを主
成分(75%以上)とする強磁性合金微粉末、バリウム
フェライト、ストロンチウムフェライトなどの六方晶フ
ェライト等が使用できる。これらの強磁性体粉には所定
の原子以外にAl,Si,S,Sc,Ti,V,Cr,
Cu,Y,Mo,Rh,Pd,Ag,Sn,Sb,T
e,Ba,Ta,W,Re,Au,Hg,Pb,Bi,
La,Ce,Pr,Nd,P,Co,Mn,Zn,N
i,Sr,B等の原子を含んでもよい。
【0009】バインダー樹脂に含有される、一般式(1
−1),(1−2)で表されるアミノキノン構造の含有
量は、バインダー樹脂全組成に対し(全結合剤に対
し)、0.01〜40wt%、望ましくは0.1〜30wt
%である。また、分散性をさらに高めるための官能基と
して公知の極性基を導入してもよい。一般式(1−
1),(1−2)において、Nを第三級アミン形態をと
る窒素とすれば、磁性粉に対する防錆性の点で特に有効
である。
【0010】磁性層を塗布する支持体については特に指
定はないが、表面粗さが20nm以下、望ましくは15
nm以下のものがよい。これは支持体の表面粗さが磁性
層の表面粗さに影響を及ぼすためである。同様の理由で
磁性層に用いる添加剤に対しても表面性に影響のないも
のを選ぶ必要がある。磁気記録媒体の製法に関しては、
従来公知の製法を用いて作製することが可能であるが、
分散に関しては分散初期に塗料粘度の高い状態でニーデ
ィングを行う、いわゆる“固練り”を行うことが望まし
い。表面性を形成するカレンダー工程においても良好な
表面を得るための方法、例えば、スティールカレンダー
処理等の手法をとることも望ましい。
【0011】バインダー樹脂に用いる樹脂としては磁気
記録媒体に使用可能な公知の樹脂が使用可能である。例
えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニ
ル系共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル
共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、ポ
リビニルブチラール、セルロース誘導体、フェノール樹
脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、
シリコン樹脂等があげられる。
【0012】前記一般式(1−1),(1−2)のアミ
ノキノン構造は、下記一般式(3),(4)等のアミノ
キノンモノマーにより、バインダー樹脂に導入される。
(なお、式中のR1 は前記一般式(1−1)中と同一内
容)
【0013】
【化2】
【0014】アミノキノンモノマーの具体的な例として
次の様なものがあげられる。
【0015】
【化3】
【0016】次に、アミノキノン構造をバインダー樹脂
の一組成であるポリウレタン樹脂に導入する方法につい
て説明する。なお、ポリウレタン樹脂は、ポリオールと
ジイソシアネートとさらに必要に応じて鎖延長剤とか
ら、それ自体公知の製造方法によって製造できる。 (1)ポリエステルポリオール等の出発原料としてジカ
ルボン酸成分の一部に用いる方法。
【0017】
【化4】
【0018】(2)ポリエステルポリオール等の出発原
料としてジオール成分の一部に用いる方法。
【0019】
【化5】
【0020】(3)ジオール成分の一部としてポリオー
ルと共に多価イソシアネートにて縮合反応、及び付加反
応させて得る方法。
【0021】
【化6】
【0022】導入方法として上記の方法が考えられる
が、他の手法にて導入しても問題はない。本発明におい
て、ポリウレタン樹脂製造に用いられるアミノキノン構
造を有しないポリオール成分としては、ポリエーテルジ
オール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオ
ール、ポリカプロラクトンジオールのようなものであ
り、他のポリウレタン製造に公知なものでもよい。ジイ
ソシアネート成分としては、2,4 −、2,6 −トリレンジ
イソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テト
ラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート等公知のジイソシアネート化合物、若しくはそれら
のポリアルコールとの反応生成物などであり、イソシア
ネート類の縮合により生成したポリイソシアネートであ
ってもよい。鎖延長剤としては公知の多価アルコール、
脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン等があげられる。
【0023】なお、アミノキノン構造をポリウレタン樹
脂に導入する方法について述べたが、特にポリウレタン
樹脂に限定されるものではない。本発明におけるアミノ
キノン構造を導入した樹脂の全結合剤中における比率は
5から90wt%が望ましい。磁性層中には、潤滑剤等
の公知の添加剤を含有させても問題ない。潤滑剤として
は、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコーン等の液状潤滑
剤があげられる。
【0024】以下、具体的な実施例について説明する。
ここでは、磁気記録媒体として、バックコート層を有す
磁気テープ(DAT用テープ)を作成した。まず、バイ
ンダー樹脂のガラス転移点Tgが−40〜+40℃の実
施例について説明する。表1に実施例で使用するバイン
ダー樹脂に用いる各種樹脂を示す。なお、表1中のアミ
ノキノン構造Aとは、一般式(1−1)においてR1 を
CH3 としたものであり、Bとは一般式(1−1)にお
いてR1 をHとしたものであり、Cとは一般式(1−
2)においてR2 を−CH2 −CH2 −としたものであ
る。
【0025】
【表1】
【0026】また、表2に実施例1〜7、比較例1〜3
に用いるバインダー用樹脂の種類(表1記載のもの)と
添加量(重量部)を示す。
【0027】
【表2】
【0028】 <実施例、比較例に用いる磁性塗料の組成> 強磁性合金粉末 100重量部 (組成:Fe 94%、Ni 2% 抗磁力:1600 Oe 比表面積:55m2 /g, 長軸長:0.2μm) 結合剤(下記3つのバインダーの添加量(重量部)は表2参照のこと) ・ポリウレタン(表1記載のもの) ・塩化ビニル樹脂(表1記載のもの) ・ニトロセルロース (旭化成製 BTH1/2) その他添加剤 ・パルミチン酸イソアミル 2重量部 ・αーアルミナ 3重量部 ・メチルエチルケトン 100重量部 ・シクロヘキサノン 100重量部
【0029】上記混合物をニーディング処理後サンドミ
ルにより混合、分散した後、コロネートL(日本ポリウ
レタン製)を4重量部加え撹拌して磁性塗料を作成し、
支持体に塗布し磁性層を形成した。また、支持体の磁性
層を設けた面とは反対側の面にカーボンブラックを主成
分とするバックコート層を設けた。支持体にはPETフ
ィルムを用いた。こうして作成したフィルム状媒体を幅
3.81mmに裁断し、試料用の磁気テープ(DAT用
テープ)とした。
【0030】試料用磁気テープの電磁変換特性の測定に
はDATデッキ(日本ビクター製:XD−Z505)を
使用した。この測定はデッキのヘッドアンプを一部改造
して行った。その改造点は、ヘッドアンプを改造して外
部からヘッドに直接信号が入力するようにした点と、ヘ
ッドの入出力信号を直接測定できるようにした点であ
る。
【0031】試料用磁気テープについて、次の測定・評
価を行なった。経時安定性の評価は、60℃90%RH
の環境下で30日間の保存試験を行い、飽和磁束密度B
mの初期値との比較(- ΔBm)にて評価した。出力低下
測定は、上記DATデッキを用いて7MHzの正弦波信
号を記録し再生出力を測定後、20℃60%RHの環境
下で100回走行後の再生出力の劣化を調べたものであ
る。ヘッド汚れ評価は前記100回走行後のヘッドの状
態を観察したもので、表2中の○は汚れ無し、△は汚れ
有り、×はヘッドクロッグのことを意味する。
【0032】接着強度測定は磁気テープの磁性層に粘着
テープを均一に貼り付けて引き剥した時に要した力で示
した。60℃90%RHの環境下で30日間の保存試験
の前後で測定を行なった。(塗膜接着性の評価に相当) バインダー樹脂のガラス転移点Tgの測定は、磁性層に
含まれるバインダー樹脂(硬化剤も含む)と同じ組成比
率の混合樹脂のみのTgを測定したものである。上記の
評価結果を前記表2に併せて示した。
【0033】表2の結果から、バインダー樹脂中にアミ
ノキノン構造を含まない比較例3は、高温高湿保存後の
飽和磁束密度Bmの低下(- ΔBm)が、アミノキノン構
造を含む例(実施例1〜7、比較例1,2)に比べて非
常に大きい。これは、バインダー樹脂の磁性粉に対する
防錆性が低いためと考える。バインダー樹脂のガラス転
移点Tgが−45℃と低い比較例1は、塗膜接着力は高
温高湿保存前後とも優れているものの、ヘッドクロッグ
が発生しており、実用的には走行性、記録再生特性面に
大きな問題を抱えている。一方、バインダー樹脂のガラ
ス転移点Tgが+43℃と高い比較例2は、塗膜接着力
が弱く、特に高温高湿保存後の塗膜接着力の劣化が各実
施例に比べて大きい。
【0034】これに対し、アミノキノン構造を含み、バ
インダー樹脂のガラス転移点Tgが−31〜+34℃の
範囲である実施例1〜7は、高温高湿保存後においても
飽和磁束密度Bmの低下が極めて少ないと共に、大きな
塗膜接着力を保持でき(即ち塗膜耐久性に優れ)、さら
に100回走行後のヘッド汚れも少ない。上述のことよ
り、アミノキノン化合物を導入し磁性粉の防錆性を向上
させて良好な電磁変換特性を長期にわたり保持でき、な
おかつ、保存耐久性(特に塗膜耐久性)に優れた磁気記
録媒体とするためには、バインダー樹脂(即ち磁性層の
結合剤)のガラス転移点Tgを−40〜+40℃とすれ
ばよいことがわかる。
【0035】次に、バインダー樹脂のガラス転移点Tg
を+40〜+100℃とした実施例について説明する。
表3に実施例で使用するバインダー樹脂に用いる樹脂を
示す。なお、表3中のアミノキノン構造Aとは、一般式
(1−1)においてR1 をCH3 としたものであり、B
とは一般式(1−1)においてR1 をHとしたものであ
り、Cとは一般式(1−2)においてR2 を−CH2
CH2 −としたものである。
【0036】
【表3】
【0037】また、表4に実施例1〜7、比較例1〜3
(実施例ナンバー、比較例ナンバーは表2とダブルが表
2に示したものとは異なるものである。)に用いるバイ
ンダー用樹脂の種類(表3記載のもの)と添加量(重量
部)を示す。
【0038】
【表4】
【0039】実施例、比較例に用いる磁性塗料の組成及
び試料用磁気テープの製造方法は前記したものと同一で
ある。試料用磁気テープの測定・評価の結果を表4に併
せて示した。試料用磁気テープの測定・評価のうち、経
時安定性の評価(- ΔBm)、出力低下測定、及びガラス
転移点Tgの測定は表2の場合と同様にして行なった。
走行性の指標である磁性塗膜表面動摩擦係数(μk )の
測定は、60℃90%RHの環境下で30日間の保存試
験を行い、保存前(初期値)と保存後との値を測定し
た。そして、走行性の保存の程度を評価した。また、光
沢度は磁性塗料塗布直後の磁性層の光沢度をスガ試験機
(株)製デジタル変角光沢度計を用いて測定した。この
光沢度は、一般に分散性の代用値として使用される測定
項目である。
【0040】表4の結果から、バインダー樹脂中にアミ
ノキノン構造を含まない比較例3は、高温高湿保存後の
飽和磁束密度Bmの低下が、アミノキノン構造を含む例
(実施例1〜7、比較例1,2)に比べて非常に大き
い。これは、バインダー樹脂の磁性粉に対する防錆性が
低いためと考える。バインダー樹脂のガラス転移点Tg
が+34℃と低い比較例1は、動摩擦係数(μk )の初
期値が実施例1〜7よりも大きく、高温高湿保存により
動摩擦係数がさらに増加する。(高温高湿保存により走
行性が劣化する) 一方、バインダー樹脂のガラス転移点Tgが+112℃
と高い比較例2は、繰り返し走行後の出力低下が実施例
に比べて大きい。また、比較例2は光沢度が低い(これ
は、分散性に難があることを示している)。
【0041】これに対し、アミノキノン構造を含み、バ
インダー樹脂のガラス転移点Tgが+43〜+92℃の
範囲である実施例1〜7は、高温高湿保存後においても
飽和磁束密度Bmの低下が極めて少ないと共に、動摩擦
係数μk の上昇も少なく(即ち、走行性の保存性に優
れ)、また、繰り返し走行による出力低下も少なく、光
沢度も良好(即ち分散性が良好)である。上述のことよ
り、アミノキノン化合物を導入し磁性粉の防錆性を向上
させて良好な電磁変換特性を長期にわたり保持でき、な
おかつ、保存性(特に走行性能の保存性)に優れると共
に、磁性層の分散性に優れた磁気記録媒体とするために
は、バインダー樹脂(即ち磁性層の結合剤)のガラス転
移点Tgを+40〜+100℃とすればよいことがわか
る。
【0042】次に、バインダー樹脂のガラス転移点Tg
を+100〜+150℃とした実施例について説明す
る。表5に実施例で使用するバインダー樹脂に用いる樹
脂を示す。なお、表5中のアミノキノン構造Aとは、一
般式(1−1)においてR1 をCH3 としたものであ
り、Bとは一般式(1−1)においてR1 をHとしたも
のであり、Cとは一般式(1−2)においてR2 を−C
2 −CH2 −としたものである。
【0043】
【表5】
【0044】また、表6に実施例1〜7、比較例1〜3
(実施例ナンバー、比較例ナンバーは表2、表4とダブ
ルが表2、表4に示したものとは異なるものである。)
に用いるバインダー用樹脂の種類(表5記載のもの)と
添加量(重量部)を示す。
【0045】
【表6】
【0046】実施例、比較例に用いる磁性塗料の組成及
び試料用磁気テープの製造方法は前記したものと同一で
ある。試料用磁気テープの測定・評価の結果を表6に併
せて示した。試料用磁気テープの測定・評価のうち、経
時安定性の評価(- ΔBm)、及びガラス転移点Tgの測
定は表2の場合と同様にして行なった。走行性の指標で
ある磁性塗膜表面動摩擦係数(μk )の測定は、走行前
の値と、上記DATデッキを用いて20℃60%RHの
環境下で100回走行後の値とを測定した。そして、走
行耐久性を評価した。さらに、耐摩耗性の評価を100
回走行後の磁性塗膜の削れを観察することで行なった。
(評価は○、△、×の3段階)
【0047】表6の結果から、バインダー樹脂中にアミ
ノキノン構造を含まない比較例3は、高温高湿保存後の
飽和磁束密度Bmの低下が、アミノキノン構造を含む例
(実施例1〜7、比較例1,2)に比べて非常に大き
い。これは、バインダー樹脂の磁性粉に対する防錆性が
低いためと考える。バインダー樹脂のガラス転移点Tg
が+92℃と低い比較例2は、100回走行後の動摩擦
係数μk の増加が実施例に比べて大きく、磁性塗膜にス
ジ状の削れが見られた。(走行耐久性に難あり。) バインダー樹脂のガラス転移点Tgが+160℃と高い
比較例1は、走行後の動摩擦係数μk の増加は小さいも
のの、磁気テープのカッピングに伴いエッジダメージを
受けており、テープがワカメ状になっていた。
【0048】これに対し、アミノキノン構造を含み、バ
インダー樹脂のガラス転移点Tgが+103〜+145
℃の範囲である実施例1〜7は、高温高湿保存後におい
ても飽和磁束密度Bmの低下が極めて少ないと共に、繰
り返し走行後の動摩擦係数μk の上昇も少なく、磁性塗
膜の耐摩耗性にも優れている。(即ち走行耐久性が良
好) 上述のことより、アミノキノン化合物を導入し磁性粉の
防錆性を向上させて良好な電磁変換特性を長期にわたり
保持でき、なおかつ、走行耐久性に優れた磁気記録媒体
とするためには、バインダー樹脂(即ち磁性層の結合
剤)のガラス転移点Tgを+100〜+150℃とすれ
ばよいことがわかる。
【0049】
【発明の効果】以上の通り、本発明になる磁気記録媒体
は、アミノキノン化合物を導入し磁性粉の防錆性を向上
させて良好な電磁変換特性を長期にわたり保持でき、な
おかつ耐久性に優れている。
【0050】磁性層の結合剤のガラス転移点Tgを−4
0〜+40℃としたものは、耐久性のうち特に磁性層塗
膜耐久性(塗膜接着性)に優れ、ガラス転移点Tgを+
40〜+100℃としたものは、耐久性のうち特に保存
耐久性に優れると共に、磁性層の分散性に優れている。
また、ガラス転移点Tgを+100〜+150℃とした
ものは、耐久性のうち特に走行耐久性、耐摩耗性に優れ
ている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体に、強磁性体粉を含有する磁性層を
    塗布してなる磁気記録媒体において、前記磁性層の結合
    剤成分中の少なくとも一つの樹脂組成中に、下記一般式
    (1−1),(1−2)で表されるアミノキノン構造の
    うち少なくとも一方のアミノキノン構造を構成単位に含
    み、かつ、前記結合剤のガラス転移点Tgが−40〜+
    40℃であることを特徴とする磁気記録媒体。 【化1】
  2. 【請求項2】支持体に、強磁性体粉を含有する磁性層を
    塗布してなる磁気記録媒体において、前記磁性層の結合
    剤成分中の少なくとも一つの樹脂組成中に、上記一般式
    (1−1),(1−2)で表されるアミノキノン構造の
    うち少なくとも一方のアミノキノン構造を構成単位に含
    み、かつ、前記結合剤のガラス転移点Tgが+40〜+
    100℃であることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】支持体に、強磁性体粉を含有する磁性層を
    塗布してなる磁気記録媒体において、前記磁性層の結合
    剤成分中の少なくとも一つの樹脂組成中に、上記一般式
    (1−1),(1−2)で表されるアミノキノン構造の
    うち少なくとも一方のアミノキノン構造を構成単位に含
    み、かつ、前記結合剤のガラス転移点Tgが+100〜
    +150℃であることを特徴とする磁気記録媒体。
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