JPH09250945A - シリコン単結晶のねじれ振動検知装置及びねじれ振動検知方法並びにそれを用いた単結晶の製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶のねじれ振動検知装置及びねじれ振動検知方法並びにそれを用いた単結晶の製造方法

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JPH09250945A
JPH09250945A JP8059770A JP5977096A JPH09250945A JP H09250945 A JPH09250945 A JP H09250945A JP 8059770 A JP8059770 A JP 8059770A JP 5977096 A JP5977096 A JP 5977096A JP H09250945 A JPH09250945 A JP H09250945A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】単結晶の多結晶化とネック部からの破断、落下
を防止したシリコン単結晶の製造方法の提供。 【解決手段】シリコン単結晶育成チャンバーの外部に
配置されチャンバー内の結晶の回転を検知するカメラ3
と、カメラからの信号を処理して記憶する記憶装置22
と、カメラからの信号を記憶装置の信号と比較して単結
晶6 の異常振動の発生を判断する演算処理装置21とを具
備するシリコン単結晶の異常振動検知装置。 上記の検知装置で新たに出力された信号の時間間隔
と平均値との偏差が特定値を超えたとき単結晶に異常振
動が発生したと判断するシリコン単結晶の異常振動検知
方法。 上記のおよびにより求めた異常振動の判断信号を
シリコン回転駆動装置12に入力し、その回転速度を変え
ることにより異常振動を回避するシリコン単結晶の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シリコン単結晶
の引上げにおいて、単結晶に発生する異常振動を検知す
る装置および検知方法ならびにそれらを用いたシリコン
単結晶の製造方法に関し、特にシリコン単結晶引き上げ
中の多結晶化および結晶のネック部からの破断による落
下事故を防止することのできる引上げ方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】シリコン単結晶を製造するには、高純度
シリコン原料を減圧下のアルゴン雰囲気で溶融し、種結
晶を用いて上方に引き上げながら凝固させる方法が多用
されている。
【0003】図4は、引き上げながら凝固させるシリコ
ン単結晶の製造装置を示す縦断面図である。図中の符号
2 はシリコン単結晶6 の引上げ雰囲気を減圧して調整す
るチャンバーであり、チャンバーの内部には二重構造の
溶融坩堝13が配置され、坩堝の外側にはこれを囲んで誘
導加熱コイルなどで構成された加熱用ヒーター14が、更
にその外側に断熱材で円筒状に構成された保温壁15が配
設されている。溶融坩堝内にはヒーターにより溶融され
た結晶育成用原料、つまりシリコン原料の溶融液16が収
容されている。その溶融液の表面に引上げ軸11の先端に
種結晶保持具10によって取り付けた種結晶9 の下端を接
触させ、この種結晶を上方に引き上げることによって、
その下端に溶融液が凝固したシリコン単結晶6 を成長さ
せていく。このとき溶融坩堝は回転軸17で、シリコン単
結晶は引上げ軸の上部に設けた回転駆動装置12によっ
て、お互いに反対方向に回転させられる。
【0004】単結晶は、先ず種結晶の先端に直径2〜10
mm、長さ50〜300 mmのネック部8 を成長させ、無転位の
単結晶とした後、溶融液の温度、引上げ速度、結晶の回
転速度および坩堝の回転速度などを調整して所定の直径
まで拡大し、その直径で所定の長さまで育成して製造さ
れる。所定の直径で胴長を所定の長さまで育成するとき
にも、溶融液の温度、引上げ速度、結晶の回転速度およ
び坩堝の回転速度などの調整が必要である。
【0005】これらの調整のほか、結晶に回転中心の偏
心が起こると、単結晶の成長が途中で途絶え、多結晶化
する現象(以下、これを「DF切れ」という)が発生
し、引上げを中断することになる。
【0006】チャンバー内は、約 10 torr に減圧さ
れ、ガス供給口18からアルゴンガスを供給し、シリコン
溶融液の表面から発生するSiO ガスおよびカーボン坩堝
やヒーターから発生するCOガスなどをアルゴンガスとと
もにガス排出口19から排出する。SiO ガスやCOガスなど
の凝縮不純物が単結晶育成界面7 に取り込まれると、D
F切れが発生する。
【0007】近年、直径の大きなシリコン単結晶の要望
が多くなり、引き上げられるシリコン単結晶の直径が大
径化される傾向にある。8インチまたは12インチに大径
化されると、DF切れの発生による単結晶の歩留りの低
下、およびネック部での破断による落下事故が発生する
ことになる。
【0008】通常、シリコン単結晶の引き上げ中は、シ
リコン融液と結晶との育成界面7 をチャンバーの側壁に
設けた覗き窓5 からカメラ装置1 (図ではCCDカメラ
装置)によって監視しており、DF切れが発生すると引
上げを中止する。このため、残湯の処理やDF切れによ
る単結晶の歩留り低下という問題があり、これを防止す
ることが、特に、大径化された単結晶の引上げにおいて
は重要課題である。
【0009】DF切れの発生を防止するには、単結晶育
成界面に異物を取り込まれなくすることであり、この対
策については種々提案、実施されている。その一つに結
晶育成界面での結晶の回転中心の偏心をなくする方法と
して、引上げを剛体の軸で行う装置がある。
【0010】このような剛体の引上げ軸を配設した装置
を用い、シリコン単結晶の引上げ中に発生するDF切れ
やネック部での破断による落下事故の発生は、共振によ
るねじれ振動であると考えられている。そしてこれを防
止する装置として、特開平5-221785号公報が開示されて
いる。これは、引上げ軸と種結晶または種結晶保持具と
の間に緩衝装置または破断を回避する装置を配置し、引
き上げ中の結晶の振動、特にねじれ振動を軽減させるこ
とを狙ったものである。この緩衝装置は、ある値以上の
ねじれ負荷がかかったときスリップするもので、1つの
共振点によるねじれ振動を回避することができるが、引
き上げ中の結晶には複数の共振点が発生するので、その
緩衝装置に合致した振動が発生しなければ有効に働かな
いという欠点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、引上
げ軸による単結晶の引き上げ中に発生するあらゆる振動
を検知する装置およびその検知方法、ならびに単結晶の
多結晶化とネック部の破断による落下事故とを防止する
ことのできるシリコン単結晶の製造方法を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、シリコン単
結晶のDF切れとネック部の破断による落下の原因につ
いて種々研究した結果、引上げ軸、単結晶のネック部お
よび直胴部がバネ系を形成し、ねじれ振動が発生し、結
晶育成界面の偏心による移動振幅が大きくなり、単結晶
のDF切れおよびネック部の破断を引き起こしているこ
とを見いだし、本発明を完成した。本発明の要旨は、図
1に示す下記の異常振動検知装置およびの異常振動
検知方法ならびにのシリコン単結晶の製造方法にあ
る。
【0013】シリコン単結晶育成チャンバー2 の外部
に配置されチャンバー内の結晶の回転を検知するカメラ
装置1 と、カメラ装置からの信号を処理して記憶する記
憶装置22と、カメラ装置からの信号を前記記憶装置の信
号と比較して単結晶6 の異常振動の発生を判断する演算
処理装置21とを、具備するシリコン単結晶の異常振動検
知装置。
【0014】回転するシリコン単結晶のシーム部をカ
メラ装置で検知し、シーム部を検知して出力される信号
の時間間隔を記憶装置に記憶し、その平均値を求め、新
たに出力された信号の時間間隔を前記平均値と比較し、
その偏差が特定値を超えたとき単結晶に異常振動が発生
したと判断するシリコン単結晶の異常振動検知方法。
【0015】シリコン原料を減圧された不活性雰囲気
中で溶融し、剛体の引上げ軸11の先端に固定した種結晶
9 によって軸芯を中心として回転させながら上方に引き
上げ、溶融液16を凝固させるシリコン単結晶の製造方法
において、回転するシリコン単結晶6 のシーム部61をカ
メラ装置で検知し、シーム部を検知して出力される信号
の時間間隔を記憶装置22に記憶し、その平均値を求め、
新たに出力された信号の時間間隔を前記平均値と比較
し、その偏差が特定値を超えたとき単結晶に異常振動が
発生したと判断し、その判断信号をシリコン回転駆動装
置12に入力し、その回転速度を変えることを特徴とする
シリコン単結晶の製造方法。
【0016】上記のシーム部を検出する位置は、シリコ
ン単結晶の直胴部周囲に発生するエッジ部64とするのが
望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、ねじれ振動の振幅増加
による単結晶直胴部の周速度の変化をCCDカメラで検
出し、この検知信号を処理して結晶に共振が発生したこ
とを判断し、その判断信号出力を結晶の回転駆動装置に
入力し、その回転速度を変えることによって共振点をは
ずし、ねじれ振動を沈静化させる方法である。引上げ中
の単結晶の回転速度は、1〜30 rpm であるので共振点
をはずすには数分間 1 rpm だけ変化(増減)させれば
よい。
【0018】図1は、単結晶のシーム部を検知し、単結
晶の回転速度を制御する方法を説明するための図であ
り、(a) はシーム部を検知する状況を示す側面図と単結
晶の回転速度を制御するブロック図、(b) はシーム部を
検知する状況を上からみた平面図である。図において、
符号3 はCCDカメラ、20は演算装置21と記憶装置22か
らなる演算処理装置、23は引上げ軸の回転速度制御装置
24と同引上げ速度制御装置25からなる回転駆動制御盤で
ある。
【0019】CCDカメラ装置は公知の装置であり、前
述の図4に示すように、チャンバー2 の外部に設けら
れ、CCDカメラ3 とX−Yテーブル4 から構成されて
いる。図1に示すようにCCDカメラは、チャンバーの
肩部に設けられた覗き窓を通して単結晶6 の直胴部62ま
たは育成界面7 のシーム部61を走査する。
【0020】(1) 共振により発生する振動について説明
する。
【0021】図2は、ネック部をバネとする単結晶の振
動の形態を示す図であり、(a) および(b) はネック部が
つる巻き状のバネとなるねじれ振動を示す図である。
【0022】単結晶6 は、直径2〜10mmのネック部8 、
種結晶および保持具10を介して引上げ軸11で引上げ軸の
中心を中心として回転しながら引き上げられている。引
上げ軸、ネック部および単結晶部は、ネック部をバネと
する振動が発生する。
【0023】単結晶は、引上げ軸で引上げ軸の中心を中
心として回転駆動させられているので、単結晶にはネッ
ク部を介して一方向の回転駆動力が作用している。しか
し、引上げ軸、ネック部および単結晶部の振動系の固有
振動数と引上げ軸の回転速度とが一致すると、共振現象
が生じ、単結晶にはねじれ振動が発生する。これにより
育成中の融液界面に乱れが生じ、DF切れが発生する。
また、結晶の成長が進み、単結晶の胴長が長くなるとネ
ック部から破断、落下することになる。
【0024】この共振現象は、単結晶の引上げ中、多い
場合で3回発生する。即ち、ネック部から所定の直径ま
で成長させた前後に2回と、胴長がほぼ所定の長さまで
成長したときに1回発生する。ネック部から所定の直径
まで成長させた直後には、DF切れが発生し、胴長がほ
ぼ所定の長さまで成長したときには、ねじれ振動が発生
し、DF切れおよび破断、落下することが多い。
【0025】(2) 共振が発生した時点の検出方法につい
て説明する。
【0026】図1において、シーム61とは単結晶に発生
する晶癖線のことで、単結晶の肩部から直胴部にかけて
ひれ状に発達するもので、4本ないし6本がほぼ等間隔
に形成される。
【0027】シーム部の検知は、図1において破線矢印
で示すように、CCDカメラ3 をシーム部61と直胴部62
に焦点を合わせる方法と、単結晶6 と溶融液16との境界
にできる比較的明るいメニスカスリング部63に焦点を合
わせる方法とがある。いずれの方法も融液のゆらぎによ
りCCDカメラのピーク出力は複数個存在するため、例
えばストロボ方式などを採用して、この中から1点を識
別特定するのが望ましい。なお、CCDカメラには、一
次元CCDカメラまたは二次元CCDカメラが用いられ
る。
【0028】図3は、CCDカメラでシーム部を検知し
たときの出力の時間経過を示す図であり、(a) は正常な
回転をしているときのシーム検知出力、(b) は共振によ
るねじれ振動が発生したときのシーム検知出力を示す図
である。
【0029】図1において破線矢印で示すように、CC
Dカメラ3 によりシーム部61を検出したとき、結晶の揺
れ、液面のゆらぎによる反射光の変化などにより輝度に
差が生じるので図3(a)および(b) に示すように出力信号
にも差が生じる。単結晶が正常な回転をしているときに
は、図3(a)に示すように、CCDカメラのシーム検知出
力(A,B,C,D) の時間間隔はほぼ等間隔に現れる。しか
し、共振により単結晶にねじれ振動が発生すると、CC
Dカメラのシーム検知出力の間隔は、図3(b)に示すよう
にA-B,C-D 間で短く、B-C,D-A 間で長く、不規則にな
る。従って、シーム検知出力の時間間隔が不規則になっ
た時点を、共振が発生したと判断する。
【0030】(3) 単結晶に共振が発生したと判断し、そ
の共振を回避する方法について説明する。
【0031】図1において、所定の直径に育成された単
結晶の直胴部に、破線矢印で示すようにCCDカメラの
焦点を合わせ、シーム部を検知し、その検知出力時間間
隔を演算処理装置20の記憶装置22に記憶させる。例えば
図3(a)に示す線図は、単結晶に4本のシームが存在する
場合を示し、各出力時間間隔はほぼ等間隔に現れている
ので、演算装置21では単結晶が正常に回転していると判
断する。なお、図では各シームでの出力を区別するため
出力値の大きさを故意に変化させて、符号A〜Dを付し
て表現している。
【0032】つづいて入力されるシーム検知出力時間間
隔は演算装置に入力され、記憶装置の記憶した間隔と演
算装置により比較される。そして図3(b)に示すA-B 間の
ように検知出力時間間隔が小さい場合、またはB-C 間の
ようにその間隔が大きい場合には、単結晶にねじれ振動
が発生し、共振が発生したと判断する。
【0033】演算処理装置20で単結晶に共振が発生した
と判断すると、回転駆動制御盤23の回転速度制御装置24
に信号を送り、回転速度制御装置から回転駆動装置12に
出力して、単結晶の回転速度を現状の回転速度から1 r
pmまたは2 rpm変更(回転速度を大きくしてもよく、ま
た小さくしてもよい)すると共振が回避される。その状
態で約5分間保持すると、単結晶の成長がすすみ、元の
回転速度でも共振が発生しなくなることが多いので、元
の回転速度に復するのが望ましい。
【0034】(4) 共振が発生したと判断する他の方法に
ついて説明する。
【0035】結晶の回転によるシーム検知出力時間間
隔を演算処理装置30の記憶装置32にそれぞれ記憶し、そ
れ以降に入力されるシーム検知出力時間間隔を前記記憶
された間隔(後述の平均値)と比較し、その差が±10%
の範囲内にあるときには、結晶は正常に回転していると
判断する。正常に回転していると判断したデータは、記
憶データに加算され平均値を求める。
【0036】さらに、それ以降に入力されるシーム検
知出力時間間隔を前記記憶された平均時間間隔と比較
し、その差が±10%の範囲を超える場合には、結晶はね
じれ振動が発生し、共振が発生していると判断する。な
お、共振の回避法は、前述したとおりである。
【0037】
【実施例】図1に示すような異常信号検知装置を配設し
たシリコン単結晶製造装置を用い、100 kgの多結晶シリ
コンを溶融し、直径が200mm で長さが 1000 mmの単結晶
を製造した。単結晶製造装置の引上げ軸の直径は 70 mm
であった。育成する単結晶のネック部の目標直径を6m
m、ネック部の目標長さを200 mm、肩部の拡大目標直径
を200 mmとして、計算機制御によって所定の形状に形成
した。その後、回転速度を15 rpm、引上げ速度を0.8 mm
/分としてCCDカメラによる結晶の異常振動検知装置
を作動させ、単結晶直胴部の引上げ試験を開始した。
【0038】CCDカメラを作動させてから1時間後お
よび3時間後に、CCDカメラは2回の異常を検出し、
引上げ軸の回転速度をいずれも 16rpm に自動的に変更
した。また、直胴部の長さが800 mmとなった時点で3回
目の異常を検出し、引上げ軸の回転速度を16rpm に変更
した。
【0039】比較例として、CCDカメラを作動させな
いで引上げ試験をおこなったところ、肩部の形成から2
時間後に多結晶化したことが、覗き窓からのモニターテ
レビによって確認されたので、引上げを中止した。
【0040】このように、本発明の異常振動検知装置に
より単結晶の共振によるねじれ振動を検知し、単結晶の
回転速度を変化させることによって、DF切れやネック
部での破断による落下事故を防止できることがわかっ
た。
【0041】
【発明の効果】本発明のCCDカメラによる単結晶の異
常振動検知装置を用い、異常振動検知方法をシリコン単
結晶の製造に採用すれば、転位の発生によるDF切れや
ネック部からの破断、落下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単結晶のシーム部を検知し、単結晶の回転速度
を制御する方法を説明するための図であり、(a) はシー
ム部を検知する状況を示す側面図と単結晶の回転速度を
制御するブロック図、(b) はシーム部を検知する状況を
上からみた平面図である。
【図2】ネック部をバネとする単結晶の振動の形態を示
す図であり、(a) および(b) はネック部がつる巻き状の
バネとなるねじれ振動を示す図である。
【図3】CCDカメラでシーム部を検知したときの出力
の時間経過を示す図であり、(a) は正常な回転をしてい
るときのシーム検知出力、(b) は共振によるねじれ振動
が発生したときのシーム検知出力を示す図である。
【図4】引き上げながら凝固させるシリコン単結晶の製
造装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1.CCDカメラ装置 2.チャンバー 3.CCDカメラ 4.X−Yテーブル 5.覗き窓 6.単結晶 7.育成界面 8.ネック部 9.種結晶 10.種結晶保持具 11.引上げ軸 12.回転駆動装置 13.溶融坩堝 14.加熱用ヒーター 15.保温壁 16.溶融液 17.回転軸 18.ガス供給口 19.ガス排出口 20.演算処理装置 21.演算装置 22.記憶装置 23.回転駆動制御盤 24.回転速度制御装置 25.引上げ速度制御装置 61.シーム部 62.直胴部 63.メニスカスリング部 64.エッジ部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】シリコン単結晶のねじれ振動検知装置及
びねじれ振動検知方法並びにそれを用いた単結晶の製造
方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シリコン単結晶
の引上げにおいて、単結晶に発生する異常振動のうちね
じれ振動を検知する装置および検知方法ならびにそれら
を用いたシリコン単結晶の製造方法に関し、特にシリコ
ン単結晶引き上げ中の多結晶化および結晶のネック部か
らの破断による落下事故を防止することのできる引上げ
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリコン単結晶を製造するには、高純度
シリコン原料を減圧下のアルゴン雰囲気で溶融し、種結
晶を用いて上方に引き上げながら凝固させる方法が多用
されている。
【0003】図4は、引き上げながら凝固させるシリコ
ン単結晶の製造装置を示す縦断面図である。図中の符号
2 はシリコン単結晶6 の引上げ雰囲気を減圧して調整す
るチャンバーであり、チャンバーの内部には二重構造の
溶融坩堝13が配置され、坩堝の外側にはこれを囲んで誘
導加熱コイルなどで構成された加熱用ヒーター14が、更
にその外側に断熱材で円筒状に構成された保温壁15が配
設されている。溶融坩堝内にはヒーターにより溶融され
た結晶育成用原料、つまりシリコン原料の溶融液16が収
容されている。その溶融液の表面に引上げ軸11の先端に
種結晶保持具10によって取り付けた種結晶9 の下端を接
触させ、この種結晶を上方に引き上げることによって、
その下端に溶融液が凝固したシリコン単結晶6 を成長さ
せていく。このとき溶融坩堝は回転軸17で、シリコン単
結晶は引上げ軸の上部に設けた回転駆動装置12によっ
て、お互いに反対方向に回転させられる。
【0004】単結晶は、先ず種結晶の先端に直径2〜10
mm、長さ50〜300 mmのネック部8 を成長させ、無転位の
単結晶とした後、溶融液の温度、引上げ速度、結晶の回
転速度および坩堝の回転速度などを調整して所定の直径
まで拡大し、その直径で所定の長さまで育成して製造さ
れる。所定の直径で胴長を所定の長さまで育成するとき
にも、溶融液の温度、引上げ速度、結晶の回転速度およ
び坩堝の回転速度などの調整が必要である。
【0005】これらの調整のほか、結晶に回転中心の偏
心が起こると、単結晶の成長が途中で途絶え、多結晶化
する現象(以下、これを「DF切れ」という)が発生
し、引上げを中断することになる。
【0006】チャンバー内は、約 10 torr に減圧さ
れ、ガス供給口18からアルゴンガスを供給し、シリコン
溶融液の表面から発生するSiO ガスおよびカーボン坩堝
やヒーターから発生するCOガスなどをアルゴンガスとと
もにガス排出口19から排出する。SiO ガスやCOガスなど
の凝縮不純物が単結晶育成界面7 に取り込まれると、D
F切れが発生する。
【0007】近年、直径の大きなシリコン単結晶の要望
が多くなり、引き上げられるシリコン単結晶の直径が大
径化される傾向にある。8インチまたは12インチに大径
化されると、DF切れの発生による単結晶の歩留りの低
下、およびネック部での破断による落下事故が発生する
ことになる。
【0008】通常、シリコン単結晶の引き上げ中は、シ
リコン融液と結晶との育成界面7 をチャンバーの側壁に
設けた覗き窓5からカメラ装置1 (図ではCCDカメラ
装置)によって監視しており、DF切れが発生すると引
上げを中止する。このため、残湯の処理やDF切れによ
る単結晶の歩留り低下という問題があり、これを防止す
ることが、特に、大径化された単結晶の引上げにおいて
は重要課題である。
【0009】DF切れの発生を防止するには、単結晶育
成界面に異物を取り込まれなくすることであり、この対
策については種々提案、実施されている。その一つに結
晶育成界面での結晶の回転軸の振れ、すなわち、回転中
心の偏心をなくする方法があり、その方法として振れが
発生しやすいワイヤー引上げ軸に替えて、図4に示すよ
うに、単結晶の引上げを剛体の引上げ軸で行う装置があ
る。ところが、このような装置を用いる場合でも、DF
切れの発生がある。
【0010】このような剛体の引上げ軸を配設した装置
を用い、シリコン単結晶の引上げ中に発生するDF切れ
やネック部での破断による落下事故の発生は、共振によ
るネック部でのねじれ振動であると考えられている。そ
してこれを防止する装置として、特開平5-221785号公報
が開示されている。これは、引上げ軸と種結晶または種
結晶保持具との間に緩衝装置または破断を回避する装置
を配置し、引き上げ中の結晶の振動、特にねじれ振動を
軽減させることを狙ったものである。この緩衝装置は、
ある値以上のねじれ負荷がかかったときスリップするも
ので、1つの共振点によるねじれ振動を回避することが
できるが、引き上げ中の結晶には複数の共振点が発生す
るので、その緩衝装置に合致した振動が発生しなければ
有効に働かないという欠点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、引上
げ軸による単結晶の引き上げ中に発生する異常振動のう
ちねじれ振動を検知する装置およびその検知方法、なら
びに単結晶の多結晶化とネック部の破断による落下事故
とを防止することのできるシリコン単結晶の製造方法を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、シリコン単
結晶のDF切れとネック部の破断による落下の原因につ
いて種々研究した結果、引上げ軸、単結晶のネック部お
よび直胴部がバネ系を形成し、ねじれ振動が発生し、単
結晶の周速度が変化することによって、単結晶のDF切
れおよびネック部の破断を引き起こしていることを見い
だし、本発明を完成した。本発明の要旨は、図1に示す
下記のねじれ振動検知装置およびのねじれ振動検知
方法ならびにのシリコン単結晶の製造方法にある。
【0013】シリコン単結晶育成チャンバー2 の外部
に配置されチャンバー内の結晶の回転を検知するカメラ
装置1 と、カメラ装置からの信号を処理して記憶する記
憶装置22と、カメラ装置からの信号を前記記憶装置の信
号と比較して単結晶6 のねじれ振動の発生を判断する演
算処理装置21とを、具備するシリコン単結晶のねじれ振
動検知装置。
【0014】回転するシリコン単結晶のシーム部をカ
メラ装置で検知し、シーム部を検知して出力される信号
の時間間隔を記憶装置に記憶し、その平均値を求め、新
たに出力された信号の時間間隔を前記平均値と比較し、
その偏差が特定値を超えたとき単結晶にねじれ振動が発
生したと判断するシリコン単結晶のねじれ振動検知方
法。
【0015】シリコン原料を減圧された不活性雰囲気
中で溶融し、剛体の引上げ軸11の先端に固定した種結晶
9 によって軸芯を中心として回転させながら上方に引き
上げ、溶融液16を凝固させるシリコン単結晶の製造方法
において、回転するシリコン単結晶6 のシーム部61をカ
メラ装置で検知し、シーム部を検知して出力される信号
の時間間隔を記憶装置22に記憶し、その平均値を求め、
新たに出力された信号の時間間隔を前記平均値と比較
し、その偏差が特定値を超えたとき単結晶にねじれ振動
が発生したと判断し、その判断信号をシリコン回転駆動
装置12に入力し、その回転速度を変えることを特徴とす
るシリコン単結晶の製造方法。
【0016】上記のシーム部を検出する位置は、シリコ
ン単結晶の直胴部周囲に発生するエッジ部64とするのが
望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、ねじれ振動の振幅増加
による単結晶直胴部の周速度の変化をCCDカメラで検
出し、この検知信号を処理して結晶に共振が発生したこ
とを判断し、その判断信号出力を結晶の回転駆動装置に
入力し、その回転速度を変えることによって共振点をは
ずし、ねじれ振動を沈静化させる方法である。引上げ中
の単結晶の回転速度は、1〜30 rpm であるので共振点
をはずすには数分間 1 rpm だけ変化(増減)させれば
よい。
【0018】図1は、単結晶のシーム部を検知し、単結
晶の回転速度を制御する方法を説明するための図であ
り、(a) はシーム部を検知する状況を示す側面図と単結
晶の回転速度を制御するブロック図、(b) はシーム部を
検知する状況を上からみた平面図である。図において、
符号3 はCCDカメラ、20は演算装置21と記憶装置22か
らなる演算処理装置、23は引上げ軸の回転速度制御装置
24と同引上げ速度制御装置25からなる回転駆動制御盤で
ある。
【0019】CCDカメラ装置は公知の装置であり、前
述の図4に示すように、チャンバー2 の外部に設けら
れ、CCDカメラ3 とX−Yテーブル4 から構成されて
いる。図1に示すようにCCDカメラは、チャンバーの
肩部に設けられた覗き窓を通して単結晶6 の直胴部62ま
たは育成界面7 のシーム部61を走査する。
【0020】(1) 共振により発生する振動について説明
する。
【0021】図2は、ネック部をバネとする単結晶の振
動の形態を示す図であり、(a) および(b) はネック部が
つる巻き状のバネとなるねじれ振動を示す図である。
【0022】単結晶6 は、直径2〜10mmのネック部8 、
種結晶および保持具10を介して引上げ軸11で引上げ軸の
中心を中心として回転しながら引き上げられている。こ
のとき、引上げ軸、ネック部および単結晶の直胴部は、
ネック部をバネとする振動が発生する。すなわち、図2
に示すように、単結晶の周速度を変化させるような振動
が発生する。
【0023】単結晶は、引上げ軸で引上げ軸の中心を中
心として回転駆動させられているので、単結晶にはネッ
ク部を介して一方向の回転駆動力が作用している。しか
し、引上げ軸、ネック部および単結晶部の振動系の固有
振動数と引上げ軸の回転速度とが一致すると、共振現象
が生じ、単結晶にはねじれ振動が発生する。これにより
育成中の融液界面に乱れが生じ、DF切れが発生する。
また、図2の(a)はネック部形成直後の状態を示してい
るが、(b)に示すように、結晶の成長が進み単結晶の胴
長が長くなると、DF切れ発生のみでなくネック部から
破断、落下することになる。
【0024】この共振現象は、単結晶の引上げ中、多い
場合で3回発生する。すなわち、ネック部から所定の直
径まで成長させた前後に2回と、胴長がほぼ所定の長さ
まで成長したときに1回発生する。ネック部から所定の
直径まで成長させた直後には、DF切れが発生し、胴長
がほぼ所定の長さまで成長したときには、ねじれ振動が
発生し、DF切れおよび破断、落下することが多いのは
上述の通りである。
【0025】(2) 共振が発生した時点の検出方法につい
て説明する。
【0026】図1において、シーム61とは単結晶に発生
する晶癖線のことで、単結晶の肩部から直胴部にかけて
ひれ状に発達するもので、4本ないし6本がほぼ等間隔
に形成される。
【0027】シーム部の検知は、図1において破線矢印
で示すように、CCDカメラ3 をシーム部61と直胴部62
に焦点を合わせる方法と、単結晶6 と溶融液16との境界
にできる比較的明るいメニスカスリング部63に焦点を合
わせる方法とがある。いずれの方法も融液のゆらぎによ
りCCDカメラのピーク出力は複数個存在するため、例
えばストロボ方式などを採用して、この中から1点を識
別特定するのが望ましい。なお、CCDカメラには、一
次元CCDカメラまたは二次元CCDカメラが用いられ
る。
【0028】図3は、CCDカメラでシーム部を検知し
たときの出力の時間経過を示す図であり、(a) は正常な
回転をしているときのシーム検知出力、(b) は共振によ
るねじれ振動が発生したときのシーム検知出力を示す図
である。
【0029】図1において破線矢印で示すように、CC
Dカメラ3 によりシーム部61を検出したとき、結晶の揺
れ、液面のゆらぎによる反射光の変化などにより輝度に
差が生じるので図3(a)および(b) に示すように出力信号
にも差が生じる。単結晶が正常な回転をしているときに
は、図3(a)に示すように、CCDカメラのシーム検知出
力(A,B,C,D) の時間間隔はほぼ等間隔に現れる。しか
し、共振により単結晶にねじれ振動が発生すると、CC
Dカメラのシーム検知出力の間隔は、図3(b)に示すよう
にA-B,C-D 間で短く、B-C,D-A 間で長く、不規則にな
る。従って、シーム検知出力の時間間隔が不規則になっ
た時点を、共振が発生したと判断する。
【0030】(3) 単結晶に共振が発生したと判断し、そ
の共振を回避する方法について説明する。
【0031】図1において、所定の直径に育成された単
結晶の直胴部に、破線矢印で示すようにCCDカメラの
焦点を合わせ、シーム部を検知し、その検知出力時間間
隔を演算処理装置20の記憶装置22に記憶させる。例えば
図3(a)に示す線図は、単結晶に4本のシームが存在する
場合を示し、各出力時間間隔はほぼ等間隔に現れている
ので、演算装置21では単結晶が正常に回転していると判
断する。なお、図では各シームでの出力を区別するため
出力値の大きさを故意に変化させて、符号A〜Dを付し
て表現している。
【0032】つづいて入力されるシーム検知出力時間間
隔は演算装置に入力され、記憶装置の記憶した間隔と演
算装置により比較される。そして図3(b)に示すA-B 間の
ように検知出力時間間隔が小さい場合、またはB-C 間の
ようにその間隔が大きい場合には、単結晶にねじれ振動
が発生し、共振が発生したと判断する。
【0033】演算処理装置20で単結晶に共振が発生した
と判断すると、回転駆動制御盤23の回転速度制御装置24
に信号を送り、回転速度制御装置から回転駆動装置12に
出力して、単結晶の回転速度を現状の回転速度から1 r
pmまたは2 rpm変更(回転速度を大きくしてもよく、ま
た小さくしてもよい)すると共振が回避される。その状
態で約5分間保持すると、単結晶の成長がすすみ、元の
回転速度でも共振が発生しなくなることが多いので、元
の回転速度に復するのが望ましい。
【0034】(4) 共振が発生したと判断する他の方法に
ついて説明する。
【0035】結晶の回転によるシーム検知出力時間間
隔を演算処理装置20の記憶装置22にそれぞれ記憶し、そ
れ以降に入力されるシーム検知出力時間間隔を前記記憶
された間隔(後述の平均値)と比較し、その差が±10%
の範囲内にあるときには、結晶は正常に回転していると
判断する。正常に回転していると判断したデータは、記
憶データに加算され平均値を求める。
【0036】さらに、それ以降に入力されるシーム検
知出力時間間隔を前記記憶された平均時間間隔と比較
し、その差が±10%の範囲を超える場合には、結晶はね
じれ振動が発生し、共振が発生していると判断する。な
お、共振の回避法は、前述したとおりである。
【0037】
【実施例】図1に示すようなねじれ信号検知装置を配設
したシリコン単結晶製造装置を用い、100 kgの多結晶シ
リコンを溶融し、直径が200mm で長さが 1000 mmの単結
晶を製造した。単結晶製造装置の引上げ軸の直径は 70
mmであった。育成する単結晶のネック部の目標直径を6
mm、ネック部の目標長さを200 mm、肩部の拡大目標直径
を200 mmとして、計算機制御によって所定の形状に形成
した。その後、回転速度を15 rpm、引上げ速度を0.8 mm
/分としてCCDカメラによる結晶のねじれ振動検知装
置を作動させ、単結晶直胴部の引上げ試験を開始した。
【0038】CCDカメラを作動させてから1時間後お
よび3時間後に、CCDカメラは2回のねじれ振動を検
出し、引上げ軸の回転速度をいずれも 16rpm に自動的
に変更した。また、直胴部の長さが800 mmとなった時点
で3回目のねじれ振動を検出し、引上げ軸の回転速度を
16rpm に変更した。
【0039】比較例として、CCDカメラを作動させな
いで引上げ試験をおこなったところ、肩部の形成から2
時間後に多結晶化したことが、覗き窓からのモニターテ
レビによって確認されたので、引上げを中止した。
【0040】このように、本発明のねじれ振動検知装置
により単結晶の共振によるねじれ振動を検知し、単結晶
の回転速度を変化させることによって、DF切れやネッ
ク部での破断による落下事故を防止できることがわかっ
た。
【0041】
【発明の効果】本発明のCCDカメラによる単結晶のね
じれ振動検知装置を用い、ねじれ振動検知方法をシリコ
ン単結晶の製造に採用すれば、転位の発生によるDF切
れやネック部からの破断、落下を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】単結晶のシーム部を検知し、単結晶の回転速度
を制御する方法を説明するための図であり、(a) はシー
ム部を検知する状況を示す側面図と単結晶の回転速度を
制御するブロック図、(b) はシーム部を検知する状況を
上からみた平面図である。
【図2】ネック部をバネとする単結晶の振動の形態を示
す図であり、(a) および(b) はネック部がつる巻き状の
バネとなるねじれ振動を示す図である。
【図3】CCDカメラでシーム部を検知したときの出力
の時間経過を示す図であり、(a) は正常な回転をしてい
るときのシーム検知出力、(b) は共振によるねじれ振動
が発生したときのシーム検知出力を示す図である。
【図4】引き上げながら凝固させるシリコン単結晶の製
造装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】 1.CCDカメラ装置 2.チャンバー 3.CCDカメラ 4.X−Yテーブル 5.覗き窓 6.単結晶 7.育成界面 8.ネック部 9.種結晶 10.種結晶保持具 11.引上げ軸 12.回転駆動装置 13.溶融坩堝 14.加熱用ヒーター 15.保温壁 16.溶融液 17.回転軸 18.ガス供給口 19.ガス排出口 20.演算処理装置 21.演算装置 22.記憶装置 23.回転駆動制御盤 24.回転速度制御装置 25.引上げ速度制御装置 61.シーム部 62.直胴部 63.メニスカスリング部 64.エッジ部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン単結晶育成チャンバーの外部に配
    置されチャンバー内の結晶の回転を検知するカメラ装置
    と、カメラ装置からの信号を処理して記憶する記憶装置
    と、カメラ装置からの信号を前記記憶装置の信号と比較
    して単結晶の異常振動の発生を判断する演算処理装置と
    を具備することを特徴とするシリコン単結晶の異常振動
    検知装置。
  2. 【請求項2】回転するシリコン単結晶のシーム部をカメ
    ラ装置で検知し、シーム部を検知して出力される信号の
    時間間隔を記憶装置に記憶し、その平均値を求め、新た
    に出力された信号の時間間隔を前記平均値と比較し、そ
    の偏差が特定値を超えたとき単結晶に異常振動が発生し
    たと判断することを特徴とするシリコン単結晶の異常振
    動検知方法。
  3. 【請求項3】シリコン原料を減圧された不活性雰囲気中
    で溶融し、剛体の引上げ軸の先端に固定した種結晶によ
    って軸芯を中心として回転させながら上方に引き上げ、
    溶融液を凝固させるシリコン単結晶の製造方法におい
    て、回転するシリコン単結晶のシーム部をカメラ装置で
    検知し、シーム部を検知して出力される信号の時間間隔
    を記憶装置に記憶し、その平均値を求め、新たに出力さ
    れた信号の時間間隔を前記平均値と比較し、その偏差が
    特定値を超えたとき単結晶に異常振動が発生したと判断
    し、その判断信号をシリコン回転駆動装置に入力し、そ
    の回転速度を変えることを特徴とするシリコン単結晶の
    製造方法。
  4. 【請求項4】上記シーム部を検知する位置は、シリコン
    単結晶の直胴部周囲に発生するエッジ部であることを特
    徴とする請求項3に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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