JPH08169796A - 単結晶引き上げ装置 - Google Patents

単結晶引き上げ装置

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Publication number
JPH08169796A
JPH08169796A JP31615494A JP31615494A JPH08169796A JP H08169796 A JPH08169796 A JP H08169796A JP 31615494 A JP31615494 A JP 31615494A JP 31615494 A JP31615494 A JP 31615494A JP H08169796 A JPH08169796 A JP H08169796A
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JP
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single crystal
crucible
pulling
shaft
side member
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JP31615494A
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English (en)
Inventor
Takayuki Kubo
高行 久保
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 るつぼ31、るつぼの支持軸39、単結晶引
き上げ軸34、単結晶引き上げ軸34に取り付けられた
種結晶保持治具17等を備えた単結晶引き上げ装置にお
いて、種結晶保持治具17が引き上げ軸固定側部材17
aと種結晶固定側部材17bとに分割され、これら両部
材間に、所定値以上のトルクが作用するとすべりを生じ
るすべり機構17dが介装されている単結晶引き上げ装
置。 【効果】 単結晶36と固体層38とが固着した場合に
おいて、単結晶引き上げ軸34とるつぼ支持軸39との
回転方向あるいは回転数の差により発生する所定値以上
のトルクは、すべり機構17dにより吸収されることと
なり、単結晶引き上げ軸34や単結晶36等におけるね
じれの発生が防止される。その結果、装置の破損事故や
単結晶36の落下事故の発生を未然に防止することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体材料とし
て使用されるシリコン単結晶を成長させる単結晶引き上
げ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】単結晶を成長させるには種々の方法があ
るが、その一つにチョクラルスキー法(以下、CZ法と
記す)がある。図9は従来のCZ法に用いられる単結晶
引き上げ装置を模式的に示した断面図であり、図中31
はるつぼを示している。
【0003】このるつぼ31は、有底円筒形状の石英製
の内層保持容器31aと、この内層保持容器31aの外
側に嵌合された同じく有底円筒形状の黒鉛製の外層保持
容器31bとから構成されており、るつぼ31は図中の
矢印方向に所定の速度で回転する支持軸39に支持され
ている。このるつぼ31の外側には抵抗加熱式のヒータ
32が同心円状に配置されており、るつぼ31内にはこ
のヒータ32により溶融させた単結晶用原料の溶融液3
3が充填されている。また、るつぼ31の中心軸上には
引き上げ棒あるいはワイヤー等からなる引き上げ軸34
が吊設されており、この引き上げ軸34の先に種結晶保
持治具37を介して取り付けられた種結晶35を溶融液
33の表面に接触させ、引き上げ軸34を支持軸39と
同一軸心で同方向または逆方向に所定の速度で回転させ
ながら引き上げることにより、溶融液33を凝固させて
単結晶36を成長させている。
【0004】ところで、半導体の単結晶36をこの引き
上げ方法で引き上げる場合、単結晶36の電気抵抗率や
電気伝導型を調整するために、引き上げ前に溶融液33
中に不純物を添加することが多い。しかし通常のCZ法
においては、単結晶36と溶融液33との間に生じるい
わゆる偏析現象に起因して、単結晶36の成長軸方向に
関して均一な電気抵抗率を有する単結晶36が得られな
いという問題があった。
【0005】前記偏析現象とは、単結晶36の凝固の際
に、単結晶36と溶融液33との界面における単結晶3
6の不純物濃度と溶融液33の不純物濃度とが一致しな
いことをいうが、実効偏析係数Ke(単結晶36の不純
物濃度/溶融液33の不純物濃度)は1より小さくなる
場合が多い。この場合、単結晶36が成長するとともに
前記偏析現象のために溶融液33の不純物濃度が次第に
高くなるので、単結晶36の不純物濃度も次第に高くな
り、電気抵抗率が小さくなってくる。従って前記方法で
成長させた単結晶36には、一部電気抵抗率に関し基準
を満たさないものが製造されてしまい、歩留まりが低く
なる。
【0006】そこで、上記した偏析現象の発生に起因し
た電気抵抗率の歩留りの低下を防止し、前記電気抵抗率
に関する歩留まりを上げる単結晶引き上げ方法として溶
融層法が開発されている。
【0007】図10は、前記溶融層法に用いられる単結
晶引き上げ装置を模式的に示した断面図である。この溶
融層法の基本的な特徴は、図9と同様に構成されたるつ
ぼ31内において、単結晶用原料をヒータ32で溶融さ
せて、上層には溶融液33を、下層には固体層38を形
成し、単結晶36の成長とともに、固体層38を次第に
溶出させることによって、溶融液33の不純物濃度を一
定に保つことにある。装置の構成は前記CZ法に用いら
れる装置と同様であり、単結晶36の引き上げ方法も上
記した過程を除いてはCZ法による引き上げ方法とほぼ
同様である。
【0008】前記溶融層法には、溶融液33の不純物濃
度を一定に保つ方法として異なる二つの方法、すなわち
溶融層厚一定法及び溶融層厚変化法が提案されている。
この溶融層厚一定法として、不純物を含有しない固体層
38を単結晶36の引き上げに伴って溶融させつつ、溶
融液33の体積を一定に保ち、溶融液33には不純物を
連続的に添加して溶融液33の不純物濃度を一定に保つ
方法があり、特公昭34−8242号公報、特公昭62
−880号公報及び実公平3−7405号公報等に前記
した方法が開示されており、また固体層38中に先に不
純物を含有させておき、溶融液33には不純物を添加せ
ず、不純物を含有した固体層38を単結晶36の引き上
げに伴って溶融させつつ溶融液33の体積を一定に保
ち、溶融液33の不純物濃度をほぼ一定に保つ方法が、
特公昭62−880号公報及び特開昭63−25298
9号公報に開示されている。
【0009】溶融層厚変化法は、意図的に溶融液33の
体積を変化させることにより、単結晶36の引き上げ中
に不純物を添加することなく溶融液33の不純物濃度を
一定に保つ方法であり、特開昭61−205691号公
報、特開昭61−205692号公報、特開昭61−2
15285号公報、及び特公平3ー79320号公報に
開示されている。
【0010】上記した二つの溶融層法において、溶融液
33の層の厚みの制御は、発熱体としてのヒータ32の
長さやパワー、るつぼ31の位置や深さ及びヒータ32
の外側に周設され、るつぼ31下部の熱移動を促進する
保温筒42の形状及び材質を、適切に選択することによ
り行われている。
【0011】上記したように、溶融層法においては溶融
液33の不純物濃度をほぼ一定に保つことができるの
で、電気抵抗率に関する歩留まりを改善することができ
るという利点がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記溶
融層法における単結晶引き上げ装置においては、るつぼ
31下部に固体層38が形成された状況下で単結晶36
の引き上げが行われるため、るつぼ31下部の固体層3
8が単結晶36の引き上げ中に成長し、固体層38と溶
融液33との通常の界面より単結晶36側に向かって固
体層38が成長し、凸形状の固体層38が形成される場
合がある。このような固体層38は、例えばヒータ32
位置を上げることにより固体層38を増加させた時な
ど、引き上げ条件が極端に変わる場合などにおいて単結
晶36と固着した状態になることがあり、単結晶36と
固体層38とが固着した状態のまま引き上げを続行する
と、単結晶引き上げ軸34や種結晶保持治具37等単結
晶引き上げ装置の破損や、単結晶36のネック部の破損
による単結晶36の落下等の事故が発生する危険性があ
るといった課題があった。
【0013】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、単結晶と固体層とが固着した場合において所定値以
上のトルクが発生するのを防止することができ、その結
果、装置の破損事故や単結晶の落下事故等の発生を未然
に防止することができる単結晶引き上げ装置を提供する
ことを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る単結晶引き上げ装置(1)は、るつぼ、
該るつぼの支持軸、単結晶引き上げ軸、該単結晶引き上
げ軸に取り付けられた種結晶保持治具等を備えた単結晶
引き上げ装置において、前記種結晶保持治具が引き上げ
軸固定側部材と種結晶固定側部材とに分割され、これら
両部材間に、所定値以上のトルクが作用するとすべりを
生じるすべり機構が介装されていることを特徴としてい
る。
【0015】また、上記目的を達成するために本発明に
係る単結晶引き上げ装置(2)は、るつぼ、該るつぼの
支持軸、単結晶引き上げ軸、該単結晶引き上げ軸に取り
付けられた種結晶保持治具等を備えた単結晶引き上げ装
置において、前記るつぼの底部に嵌合する前記支持軸の
先端部が先細形状となっていることを特徴としている。
【0016】
【作用】本発明に係る単結晶引き上げ装置(1)によれ
ば、種結晶保持治具が引き上げ軸固定側部材と種結晶固
定側部材とに分割され、これら両部材間に、所定値以上
のトルクが作用するとすべりを生じるすべり機構が介装
されているため、単結晶と固体層とが固着した場合にお
いて、単結晶引き上げ軸とるつぼ支持軸との回転方向あ
るいは回転数の違いにより発生する所定値以上のトルク
は、前記すべり機構により吸収されることとなり、前記
種結晶引き上げ軸や単結晶等におけるねじれの発生が防
止される。
【0017】また、本発明に係る単結晶引き上げ装置
(2)によれば、るつぼの底部に嵌合する支持軸の先端
部が先細形状となっているため、単結晶と固体層とが固
着した場合において、るつぼ底部に固着した固体層と共
に、単結晶引き上げ軸の上昇によりるつぼが少しでも上
昇すると、るつぼとるつぼ支持軸とが分離し、それぞれ
が独立して滑り回転することとなる。このため、単結晶
引き上げ軸とるつぼ支持軸との回転数あるいは回転方向
の違いによる所定値以上のトルクは発生しないこととな
り、前記単結晶引き上げ軸や単結晶等におけるねじれの
発生が防止される。
【0018】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る単結晶引き上
げ装置の実施例、及び比較例を図面に基づいて説明す
る。なお、ここでは従来例と同一の機能を有する構成部
品には同一の符合を付すこととする。また、図10に示
した従来の単結晶引き上げ装置を比較例として用いて実
験を行った。
【0019】図1は、実施例1に係る単結晶引き上げ装
置を示した模式的断面図であり、図中17は種結晶保持
治具を示している。図2は種結晶保持治具17の模式的
拡大図であり、種結晶保持治具17は引き上げ軸固定側
部材17a及び種結晶固定側部材17bを含んで構成さ
れている。種結晶固定側部材17bの下端部には種結晶
固定部17cが形成され、引き上げ軸固定側部材17a
と種結晶固定側部材17bとの間には所定値以上のトル
クが作用するとすべりを生じるすべり機構17dが介装
されている。すべり機構17dはボールベアリング部1
7e、このボールベアリング部17eを支持し、種結晶
固定側部材17bにボルト止めされた支持部材17f、
及びすべりトルクを調節するために引き上げ軸固定側部
材17aに螺合された締め付け部材17gから構成さ
れ、単結晶引き上げ軸34は円板部材34aを介して引
き上げ軸固定側部材17aに固定されている。その他の
部分の構成は図10に示した従来のものと同様であるの
で、ここではその説明を省略する。
【0020】このように構成された装置を用いて単結晶
36の引き上げを行った場合、単結晶36と固体層38
との固着が発生し、単結晶引き上げ軸34とるつぼ支持
軸39との回転方向あるいは回転速度の違いにより引き
上げ軸固定側部材17aと種結晶固定側部材17bとの
間に所定値以上のトルクが生じると、すべり機構17d
が作動することにより、引き上げ軸固定側部材17aと
種結晶固定側部材17bの回転方向及び回転速度は互い
に独立することとなる。ここで、所定値以上のトルクと
は、溶融液33の粘性が単結晶36に及ぼす回転力をは
るかに超えるものであり、例えば単結晶36と固体層3
8との固着により生じる回転力等を意味するものとす
る。
【0021】以下に、上記装置を用いて単結晶長が11
00mmの単結晶を引き上げた結果を図3に基づいて説
明する。引き上げ条件を下記の表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】引き上げ方法としては、ヒータ32を85
kwに設定し、いったん原料を全融させた後、ヒータ3
2を75kwに調整し、るつぼ31下部に固体層38を
成長させた。その後、種結晶35の下端を溶融液33の
表面に浸漬し、坩堝31及び単結晶引き上げ軸34を、
坩堝31の回転数/単結晶引き上げ軸34の回転数=1
0rpm/10rpmとしてそれぞれ逆方向に回転させ
つつ、単結晶36を引き上げた。
【0024】そして、単結晶36と固体層38とを固着
させるため、ヒータ32の出力を低下させて固体層38
の量を増加させ、ヒータ32の出力を低下させた分、単
結晶36直径のバランスをとるために単結晶36の引き
上げ速度を1mm/minから1.5mm/minに上
げた。
【0025】図3は、単結晶36と固体層38との固着
発生前後を通じて測定された、単結晶引き上げ軸34へ
の指令回転数と、引き上げ軸固定側部材17a直上で実
測された実測回転数との相対差を示したグラフであり、
図中、実線Aは実施例1に係る単結晶引き上げ装置を用
いて測定したグラフを、破線Bは比較例に係る単結晶引
き上げ装置を用いて測定したグラフをそれぞれ示してい
る。なお、図中、点線Cは、固着発生時点を示すもので
ある。
【0026】図3から明らかなように、比較例に係る単
結晶引き上げ装置においては単結晶36と固体層38と
の固着発生直後において前記指令回転数と実測回転数と
の相対差が20rpmにまで急増し、この結果、単結晶
保持治具37及び単結晶引き上げ軸34に所定値以上の
トルクが作用し、単結晶引き上げ軸34が破断した。一
方実施例に係る単結晶引き上げ装置においては単結晶3
6と固体層38との固着発生後も前記指令回転数と実測
回転数との相対差は0rpmであり、この結果、引き上
げ軸固定側部材17aと種結晶固定側部材17bとの間
及び単結晶引き上げ軸34に所定値以上のトルクが作用
することがないので、単結晶引き上げ軸34の破断は生
じなかった。
【0027】上記したように、実施例1に係る単結晶引
き上げ装置においては、種結晶保持治具17が引き上げ
軸固定側部材17aと種結晶固定側部材17bとに分割
され、これら両部材間に、所定値以上のトルクが作用す
るとすべりを生じるすべり機構17dが介装されている
ため、単結晶36と固体層38とが固着した場合におい
て、単結晶引き上げ軸34とるつぼ支持軸39との回転
方向あるいは回転数の差により発生する所定値以上のト
ルクは、すべり機構17dにおいて吸収され、引き上げ
軸固定側部材17aと種結晶固定側部材17bとがそれ
ぞれ独立して回転することとなり、種結晶保持治具17
等のねじれが防止される。その結果、装置の破損事故や
単結晶36の落下事故の発生を未然に防止することがで
きる。
【0028】図4は、実施例2に係る単結晶引き上げ装
置を示した模式的断面図であり、図中59はるつぼ支持
軸を示している。図5は従来例におけるるつぼ支持軸3
9の上端部近傍、図6は実施例2におけるるつぼ支持軸
59の上端部近傍の模式的拡大断面を示しており、るつ
ぼ支持軸59は、先端部59aが図に示すように先細形
状となっている。その他の部分の構成は図10に示した
従来のものと同様であるので、ここではその説明を省略
する。
【0029】このように構成された装置を用いて単結晶
36の引き上げを行った場合、単結晶36と固体層38
との固着が発生し、単結晶引き上げ軸34の上昇によ
り、固着した固体層38と共にるつぼ51が少しでも上
昇すると、るつぼ51とるつぼ支持軸59とが分離し、
それぞれが独立して滑り回転をすることとなり、単結晶
引き上げ軸34の回転数、換言すればるつぼ51の回転
数と、るつぼ支持軸59の回転数の相対差による所定値
以上のトルクは発生しないこととなる。
【0030】以下に、上記装置を用いて単結晶長が11
00mmの単結晶を引き上げた結果を図7に基づいて説
明する。引き上げ条件は上記の表1に示した通りであ
り、固体層38の形成方法及び単結晶36の引き上げ方
法は、前記実施例1の場合と同様に行った。
【0031】図7は、単結晶36と固体層38との固着
発生前後を通じて測定された、るつぼ31、51の回転
数と、るつぼ支持軸39、59の回転数との相対差を示
したグラフであり、図中、実線Aは実施例2に係る単結
晶引き上げ装置を用いて測定したグラフを、破線Bは比
較例に係る単結晶引き上げ装置を用いて測定したグラフ
をそれぞれ示している。なお、図中、点線Cは、固着発
生時点を示すものである。
【0032】図7から明らかなように、比較例に係る単
結晶引き上げ装置においては単結晶36と固体層38と
の固着発生後もるつぼ31とるつぼ支持軸39とが摩擦
力により固定され、前記るつぼ31とるつぼ支持軸39
との回転数の相対差は0rpmのままであった。これに
より単結晶引き上げ軸34及び単結晶36に所定値以上
のトルクが作用し、結果として単結晶引き上げ軸34の
破断を生じ、単結晶36の落下を生じた。一方実施例2
に係る単結晶引き上げ装置においては単結晶36と固体
層38との固着発生後にるつぼ51とるつぼ支持軸59
との回転数の相対差は0rpmから20rpmに変化
し、その後は20rpmの一定の回転数差を保持してそ
れぞれが独立して回転した。これは、単結晶36と固体
層38との固着発生時にるつぼ51とるつぼ支持軸59
とが分離し、それぞれが独立して回転し始めたことを示
している。この結果、単結晶引き上げ軸34に所定値以
上のトルクが作用することがないので、単結晶引き上げ
軸34の破断は生じなかった。
【0033】上記したように、実施例2に係る単結晶引
き上げ装置においては、るつぼ51の底部に嵌合する支
持軸59の先端部が先細形状となっているため、単結晶
36と固体層38とが固着した場合において、単結晶引
き上げ軸34の上昇により、固着した固体層38と共に
るつぼ51が少しでも上昇すると、るつぼ51とるつぼ
支持軸59とが分離し、それぞれが独立して滑り回転す
ることとなり、単結晶引き上げ軸34の回転数、換言す
ればるつぼ51の回転数と、るつぼ支持軸59の回転方
向あるいは回転数との違いによる所定値以上のトルクは
発生しないこととなり、種結晶保持治具37等のねじれ
が防止される。その結果、装置の破損事故や単結晶36
の落下事故の発生を未然に防止することができる。
【0034】なお、上記実施例2に係る単結晶引き上げ
装置にあっては、るつぼ支持軸19の先端部の形状を図
6に示すような円錐形状としたが、何らこれに限定され
るものではなく、先細形状であれば、図8に示す実施例
3のように半球形状であってもよい。また、上記実施例
においては、シリコン単結晶を成長させる場合について
述べているが、何らこれに限定されるものではなく、さ
らに別の実施例ではシリコン以外の単結晶の引き上げに
も適用可能である。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る単結晶
引き上げ装置(1)においては、種結晶保持治具が引き
上げ軸固定側部材と種結晶固定側部材とに分割され、こ
れら両部材間に、所定値以上のトルクが作用するとすべ
りを生じるすべり機構が介装されているため、単結晶と
固体層とが固着した場合において、単結晶引き上げ軸と
るつぼ支持軸との回転方向あるいは回転数の差により発
生する所定値以上のトルクは、すべり機構により吸収さ
れることとなり、前記単結晶引き上げ軸や単結晶等にお
けるねじれの発生が防止される。その結果、装置の破損
事故や単結晶の落下事故の発生を未然に防止することが
できる。
【0036】また、本発明に係る単結晶引き上げ装置
(2)においては、るつぼの底部に嵌合する支持軸の先
端部が先細形状となっているため、単結晶と固体層とが
固着した場合において、固着した固体層と共に、単結晶
引き上げ軸の上昇によりるつぼが少しでも上昇すると、
るつぼとるつぼ支持軸とが分離し、それぞれが独立して
滑り回転することとなる。このため、単結晶引き上げ軸
とるつぼ支持軸との回転数あるいは回転方向の違いによ
る所定値以上のトルクは発生しないこととなり、前記単
結晶引き上げ軸や単結晶等におけるねじれの発生が防止
される。その結果、装置の破損事故や単結晶の落下事故
の発生を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る単結晶引き上げ装置を示
した模式的断面図である。
【図2】実施例に係る単結晶引き上げ装置の単結晶保持
治具を示した模式的拡大断面図である。
【図3】単結晶と固体層との固着発生前後を通じて測定
された、単結晶引き上げ軸への指令回転数と、引き上げ
軸固定側部材及び単結晶保持治具上で実測された実測回
転数との差を示したグラフである。
【図4】別の実施例に係る単結晶引き上げ装置を示した
模式的拡大図である。
【図5】従来例に係る単結晶引き上げ装置の要部を示し
た模式的拡大断面図である。
【図6】実施例に係る単結晶引き上げ装置の要部を示し
た模式的拡大断面図である。
【図7】単結晶と固体層との固着発生前後を通じて測定
された、るつぼの回転数と、るつぼ支持軸の回転数との
差を示したグラフである。
【図8】さらに別の実施例に係る単結晶引き上げ装置の
要部を示す模式的拡大断面図である。
【図9】従来のCZ法に用いられる単結晶引き上げ装置
を模式的に示した断面図である。
【図10】従来の溶融層法に用いられる単結晶引き上げ
装置を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
17、37 種結晶保持治具 17a 引き上げ軸固定側部材 17b 種結晶固定側部材 31、51、81 るつぼ 34 単結晶引き上げ軸 39、59、89 るつぼの支持軸

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 るつぼ、該るつぼの支持軸、単結晶引き
    上げ軸、該単結晶引き上げ軸に取り付けられた種結晶保
    持治具等を備えた単結晶引き上げ装置において、前記種
    結晶保持治具が引き上げ軸固定側部材と種結晶固定側部
    材とに分割され、これら両部材間に、所定値以上のトル
    クが作用するとすべりを生じるすべり機構が介装されて
    いることを特徴とする単結晶引き上げ装置。
  2. 【請求項2】 るつぼ、該るつぼの支持軸、単結晶引き
    上げ軸、該単結晶引き上げ軸に取り付けられた種結晶保
    持治具等を備えた単結晶引き上げ装置において、前記る
    つぼの底部に嵌合する前記支持軸の先端部が先細形状と
    なっていることを特徴とする単結晶引き上げ装置。
JP31615494A 1994-12-20 1994-12-20 単結晶引き上げ装置 Pending JPH08169796A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31615494A JPH08169796A (ja) 1994-12-20 1994-12-20 単結晶引き上げ装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011073952A (ja) * 2009-10-02 2011-04-14 Shin Etsu Handotai Co Ltd 単結晶製造装置
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