JP2005082433A - 単結晶製造装置及び固化接触監視方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】育成中の単結晶と他の固化した融液との接触あるいは近接を簡便かつ確実に判定することができ、既存の装置にも大幅な改造をせずに低コストで適用することができる単結晶製造装置及び固化接触監視方法を提供する。
【解決手段】多結晶原料を収容するルツボ3と、該ルツボを囲繞するように配置され前記ルツボ内に収容された多結晶原料を加熱溶融して原料融液にするヒータ5と、前記ルツボ内の原料融液から単結晶を引上げる引上げ手段9,12と、育成中の単結晶の直径値を計測する直径計測手段17と、該直径計測手段により計測した直径値に基づき単位時間又は引上げ長さ当たりの直径変化率を算出する演算手段21と、該演算手段により算出された直径変化率が予め設定された基準値を超えたときに、育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液とが近接または接触したと判定する固化接触監視手段22とを具備していることを特徴とする単結晶製造装置1。
【選択図】図1
【解決手段】多結晶原料を収容するルツボ3と、該ルツボを囲繞するように配置され前記ルツボ内に収容された多結晶原料を加熱溶融して原料融液にするヒータ5と、前記ルツボ内の原料融液から単結晶を引上げる引上げ手段9,12と、育成中の単結晶の直径値を計測する直径計測手段17と、該直径計測手段により計測した直径値に基づき単位時間又は引上げ長さ当たりの直径変化率を算出する演算手段21と、該演算手段により算出された直径変化率が予め設定された基準値を超えたときに、育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液とが近接または接触したと判定する固化接触監視手段22とを具備していることを特徴とする単結晶製造装置1。
【選択図】図1
Description
本発明は、チョクラルスキー法(CZ法)による単結晶製造時に、主に原料融液表面の固化に伴い、育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液との近接または接触を判定する固化接触監視機能を有する単結晶製造装置及び固化接触監視方法に関する。
一般に、CZ法を用いてシリコン単結晶を製造する場合、反応容器(チャンバ)内のルツボに多結晶原料を収容し、上方から吊るされたワイヤの下端に種結晶を取り付ける。そして、ルツボを囲繞するように配置されたヒータによって加熱しながらルツボを回転させるとともに、加熱溶融された原料融液に種結晶を浸漬あるいは接触させる。次いで、ワイヤを回転させながら徐々に巻き上げることにより原料融液から単結晶を成長させながら引上げることができる。
結晶成長は、具体的には、まず融液と種結晶を接触させた際に生じる転位を除去するために縮径する工程(絞り部形成)と、それに引き続き所定の直径まで拡径する工程(コーン部形成)と、その直径で引き続き結晶成長させる工程(直胴部形成)と、最後に成長を終了するために所定直径から縮径する工程(丸め部形成)とからなる。そして、これらの工程を経て育成された単結晶を原料融液から切り離して結晶成長を終了する。
なお、育成の間、成長条件としてルツボ回転、不活性ガス流量、炉内圧等をフィードフォワードまたはフィードバック制御にてコントロールするとともに、単結晶の直径を計測しながら引上げ速度やヒータパワーにフィードバックすることで単結晶の形状を制御し、結果として製品部分(直胴部)がほぼ円柱状となる単結晶を得ることができる。
ところが、例えばCZ法によるシリコン単結晶の製造では、単結晶の引上げ時に、ルツボ内のシリコン融液表面でルツボ壁から単結晶成長界面に向けて意図しない固化が張り出したり、固化物が浮遊したりするなど、育成中の単結晶以外のところで融液の固化が発生する場合がある。このような固化は、操業条件によっては、ルツボ内の融液の温度バランスが崩れ、ルツボ内の融液温度が部分的に低下したり、異物が核となって発生すると考えられる。そして、融液表面で育成中の単結晶以外の固化した融液(固化物)が成長単結晶に接触すると(本発明ではこのような接触を「固化接触」と呼ぶ)、単結晶が有転位化するのみならず単結晶の落下等のトラブルを引き起こし、これにより引上げ装置を損傷するおそれがある。
融液の固化を防ぐため、融液固化の発生の可能性が高い条件の時には、予めヒータパワーを高める等のフィードフォワード制御で液温調整を行うが、それでも断熱材やヒータの劣化により融液表面の固化が発生する場合がある。そのため、一定時間毎に作業員が直接炉内を目視するなどしてシリコン単結晶の成長状況、特に、融液表面の固化発生状況を監視する必要がある。
一方、固化接触を機械的に検出する方法として、引上げ軸(ワイヤー)にトルクセンサを設け、トルク変動により検出する方法(特許文献1参照)や、引上げ軸の回転数を検出するためのセンサ等を設け、単結晶の回転数に基づいて検出する方法(特許文献2参照)、また、育成中の単結晶の重量を計測し、異常重量増加により検出する方法(特許文献3参照)等が開示されている。
しかしながら、これらの方法は複雑であったり、特別な検出手段を必要とするために装置費用が著しく上昇する上に感度が必ずしも高くないなど、実用的でないという問題がある。また、既存の引上げ装置に対応させるには装置を大幅に改造する必要があり、改造のための費用や時間の面で効率的でないとう問題もある。
さらに、上記の方法では、トルク値、回転数あるいは重量の変化に基づいて接触を検出あるいは判定するため、固化物が比較的小さい場合には判定し難いという問題がある。また、固化物が育成中の単結晶に近接したことまでは判定することはできず、接触による単結晶の落下を防ぐには十分でない。
さらに、上記の方法では、トルク値、回転数あるいは重量の変化に基づいて接触を検出あるいは判定するため、固化物が比較的小さい場合には判定し難いという問題がある。また、固化物が育成中の単結晶に近接したことまでは判定することはできず、接触による単結晶の落下を防ぐには十分でない。
そこで、本発明は、育成中の単結晶と他の固化した融液との接触あるいは近接を簡便かつ確実に判定することができ、既存の装置にも大幅な改造をせずに低コストで適用することができる単結晶製造装置及び固化接触監視方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、チョクラルスキー法により原料融液から単結晶を引上げる単結晶製造装置であって、少なくとも、多結晶原料を収容するルツボと、該ルツボを囲繞するように配置され前記ルツボ内に収容された多結晶原料を加熱溶融して原料融液にするヒータと、前記ルツボ内の原料融液から単結晶を引上げる引上げ手段と、育成中の単結晶の直径値を計測する直径計測手段と、該直径計測手段により計測した直径値に基づき単位時間又は引上げ長さ当たりの直径変化率を算出する演算手段と、該演算手段により算出された直径変化率が予め設定された基準値を超えたときに、育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液とが近接または接触したと判定する固化接触監視手段とを具備していることを特徴とする単結晶製造装置が提供される(請求項1)。
このように育成中の単結晶の直径値を計測し、直径変化率に基づいて単結晶以外の固化した融液との近接または接触を判定する装置とすれば、固化接触を簡便にかつ確実に判定を行うことができる。また、このような単結晶製造装置であれば、既存の装置に対して大幅に改造せずに低コストで適用し、安全性の高い装置とすることができる。
また、本発明に係る単結晶製造装置は、前記固化接触監視手段により育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液との近接または接触を判定したときに、警報を発する警報吹鳴手段(請求項2)、また、予め設定されたシーケンスに基づき自動で炉内保全を実施する制御手段を備えていることが好ましい(請求項3)。
このように警報を発する警報吹鳴手段や、自動で炉内保全を実施する制御手段を備えた装置とすれば、オペレータが常に監視する必要はなく、オペレータの負担を大幅に軽減したり、あるいはオペレータを不要または減員することができる。
このように警報を発する警報吹鳴手段や、自動で炉内保全を実施する制御手段を備えた装置とすれば、オペレータが常に監視する必要はなく、オペレータの負担を大幅に軽減したり、あるいはオペレータを不要または減員することができる。
また、前記直径計測手段としては、光学的直径計測手段とすることが好ましく(請求項4)、特に、育成中の単結晶の形状を制御するために用いられるものを適用することができる(請求項5)。
CZ法による通常の単結晶製造装置には、所望の結晶形状とするための光学的直径計測手段が設けられており、これを本発明で直径変化率を算出するための直径計測手段として兼用するものとすれば、効率的であるし、安価なものとなる。
CZ法による通常の単結晶製造装置には、所望の結晶形状とするための光学的直径計測手段が設けられており、これを本発明で直径変化率を算出するための直径計測手段として兼用するものとすれば、効率的であるし、安価なものとなる。
さらに本発明によれば、チョクラルスキー法により原料融液から単結晶を引上げる際、育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液との近接または接触を判定する方法であって、育成中の単結晶の直径値を計測し、計測した直径値に基づき単位時間又は引き上げ長さ当たりの直径変化率を算出し、算出された直径変化率が予め設定された基準値を超えたときに、育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液とが近接又は接触したと判定することを特徴とする固化接触監視方法が提供される(請求項6)。
このように直径変化率に基づいて固化接触を監視すれば、固化接触を簡便かつ確実に判定することができる。
このように直径変化率に基づいて固化接触を監視すれば、固化接触を簡便かつ確実に判定することができる。
前記直径値の計測を、光学的直径計測手段により行うことができ(請求項7)、さらにこの場合、前記直径変化率を算出するための直径値として、育成中の単結晶の形状を制御するために計測する直径値を利用することができる(請求項8)。
直径値の計測を光学的直径計測手段により行えば、直径値を精度良く計測することができ、特に、結晶の形状制御のために計測する直径値を利用すれば、より効率的である。
直径値の計測を光学的直径計測手段により行えば、直径値を精度良く計測することができ、特に、結晶の形状制御のために計測する直径値を利用すれば、より効率的である。
また、前記直径変化率の基準値を2段階に設定し、育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液との近接及び接触をそれぞれ判定することもできる(請求項9)。
このように2段階の基準値により単結晶と固化物との近接及び接触をそれぞれ判定するようにすれば、単結晶の落下等をより確実に防ぐことができる。
このように2段階の基準値により単結晶と固化物との近接及び接触をそれぞれ判定するようにすれば、単結晶の落下等をより確実に防ぐことができる。
本発明によれば、育成中のシリコン単結晶の直径値を計測し、この直径計測値に基づき単位時間又は引き上げ長さ当たりの直径変化率を算出する。そして、この直径変化率が予め設定された基準値を超えたときに、育成中のシリコン単結晶が固化した融液表面と近接あるいは接触したものと即座に判定することができる。従って、シリコン単結晶の接触に伴う単結晶落下による装置の損傷を未然に防止することができて安全性が向上し、また、接触状態の発生を監視するオペレータの負担を軽減できるとともに、人員の削減をすることが可能となり、製造コストの低減及び歩留りの向上にもつながる。
以下、本発明について、添付の図面に基づいてより具体的に説明する。図1は本発明に係る単結晶引上装置の一例の概略を示している。この装置1は、ステンレス製のメインチャンバー2とプルチャンバー8とを有し、メインチャンバー2内では石英製のルツボ3が支持軸4によって上下動自在に支持されている。ルツボ3の周囲には炭素材から成る円筒状のヒータ5が配され、さらにヒータ5の周囲には断熱材6が配置されている。
メインチャンバー2の上部にはガラス窓15が設けられており、その外側にはガラス窓15を通じて育成中の単結晶19の直径を計測するための光学式直径計測手段としてCCDカメラ17が設けられている。
メインチャンバー2の上部にはガラス窓15が設けられており、その外側にはガラス窓15を通じて育成中の単結晶19の直径を計測するための光学式直径計測手段としてCCDカメラ17が設けられている。
一方、プルチャンバー8は、メインチャンバー2上に同心的に立設されており、引き上げられた単結晶19を収容し、且つ取り出すための空間を形成する。また、プルチャンバー8の上方には、単結晶引上げ手段として巻上装置9が設けられており、巻上装置9のボックス10は、それ自体がプルチャンバー8に対して回転可能に取り付けられている。また、ボックス10内には、不図示の駆動手段によって回転駆動される巻上ドラム11が回転自在に収容されている。そして、巻上ドラム11にはワイヤー12が巻回されており、ワイヤー12の下端には種保持具13により種結晶14が取り付けられている。
また、この装置1には、CCDカメラ17により計測した直径値に基づき、単位時間(引上げ長さ)当たりの直径変化率を算出する演算手段21と、演算手段21により算出された直径変化率が予め設定された基準値を超えたときに、育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液とが近接または接触したと判定する固化接触監視手段22が備えられている。さらに、固化接触監視手段22により固化接触と判定されたときに、警報を発する警報吹鳴手段23と、予め設定されたシーケンスに基づき自動で炉内保全を実施する制御手段24が備えられている。なお、演算手段21や固化接触監視手段22、制御手段24としては、例えばコンピュータ、モニター等を適用できる。
この装置1を用いて単結晶19を引き上げる際には、両チャンバー2,8の間に介在するアイソレーションバルブ7が開けられてメインチャンバー2とプルチャンバー8とが連通され、ガス供給管16からAr等の不活性ガスが供給されるとともにガス排気管18から排気され、両チャンバー2,8内は減圧下の不活性ガスで満たされる。
また、ルツボ3内には原料として多結晶シリコンが収容され、この多結晶原料はヒータ5によって加熱溶融されて多結晶融液20となる。その後、巻上ドラム11からワイヤー12が徐々に下げられ、その下端に取り付けられた種結晶14がルツボ3内の多結晶融液20に浸漬(接触)される。
また、ルツボ3内には原料として多結晶シリコンが収容され、この多結晶原料はヒータ5によって加熱溶融されて多結晶融液20となる。その後、巻上ドラム11からワイヤー12が徐々に下げられ、その下端に取り付けられた種結晶14がルツボ3内の多結晶融液20に浸漬(接触)される。
ルツボ3がモータ25により支持軸4を介して所定の速度で回転駆動される一方、ワイヤー12は巻上ドラム11にゆっくり巻き取られるとともに軸回転される。これにより、種結晶14に続いて単結晶19が成長しながら引き上げられ、絞り部、コーン部に続いて直胴部が形成されることになる。
このようにして単結晶19を育成する場合、引上げ中のシリコン単結晶19の直径は、CCDカメラ17により常時計測され、計測された直径値に基づいて引上げ速度やヒータパワーにフィードバック制御が行われる。すなわち、巻上ドラム11によるシリコン単結晶19の引上げ速度制御と、多結晶融液20を加熱するヒータ5のパワー制御によりシリコン単結晶19の形状制御が行われ、直胴部の直径をほぼ均一に保ちながら単結晶19の育成を行うことができる。
しかし、育成中、融液表面において、育成している単結晶19とは別に、ルツボ3の壁面から意図せぬ融液20の固化が生じたり、固化物が浮遊する場合がある。そして育成中の単結晶19が他の固化した融液と接触(固化接触)すると、単結晶が有転位化するとともに急激な負荷により絞り部が破断するなどして落下するおそれがある。特に近年ルツボが大口径しており、このような固化発生がより頻発するようになっている。
そこで、このような固化接触を監視するため、本発明では、CCDカメラ17により計測した育成中の単結晶19の直径値に基づき、形状制御とは別に、単位時間(引上げ長さ)当たりの直径変化率を算出する。このとき、融液の固化が発生せず、形状制御により単結晶19の直径が一定に保たれていれば、直径変化率が大きく変化することはない。しかし、ルツボ壁面から融液の固化が発生するなどして固化物が育成中の単結晶19に近接あるいは接触すると、CCDカメラ17を通じて結晶直径が異常拡径したものと認識される。従って、演算手段21により算出された直径変化率が予め設定された基準値を超えたときに、育成中の単結晶19と他の固化した融液とが近接または接触したと判定することができる。
なお、上記のように直径変化率を算出するための直径計測手段としては、本来、直胴部等の形状制御用であるCCDカメラ17とは別に設けても良いが、この形状制御用のCCDカメラ17を兼用し、単結晶の形状を制御するために計測する直径値を利用すれば効率的であり、コストを一層低く抑えることができる。
図2は、本発明者が行った実験において、図1に示したような装置1を用いて実際にシリコン単結晶を引上げたときの直径変化率ΔDの推移を示したグラフであり、図3は直径値の推移を示したグラフである。
図2で横軸は単結晶の引上げ長さ(直胴部)を示し、縦軸は算出された直径変化率ΔDを示している。実験では、単結晶の直径は8インチ(200mm)であり、直径変化率ΔDを算出する単位時間は12秒とした。また、図中の破線は基準値であり、1.5mm/12秒である。そして、直径変化率ΔDが基準値を30秒以上連続して超えた場合に、育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液とが接触したと判定することとした。
図2で横軸は単結晶の引上げ長さ(直胴部)を示し、縦軸は算出された直径変化率ΔDを示している。実験では、単結晶の直径は8インチ(200mm)であり、直径変化率ΔDを算出する単位時間は12秒とした。また、図中の破線は基準値であり、1.5mm/12秒である。そして、直径変化率ΔDが基準値を30秒以上連続して超えた場合に、育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液とが接触したと判定することとした。
図2で示したA区間では直径変化率ΔDが基準値の範囲内を推移しており、結晶成長状態を正常と判断して結晶成長を継続している。しかし、単結晶の引上げ長さが155mm付近で直径変化率ΔDが突如上昇し、基準値を30秒以上にわたって超えたため(B地点)、育成中のシリコン単結晶が固化した融液と接触したと判定した。なお、図3からも、結晶長さが155mm付近で直径値が急激に上昇していることがわかる。
このように本発明に係る単結晶製造装置1を用いることで、育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液との接触を簡便かつ確実に判定することができる。
このように本発明に係る単結晶製造装置1を用いることで、育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液との接触を簡便かつ確実に判定することができる。
固化接触監視手段22により固化接触と判定されたときには、警報吹鳴手段23により警報が発せられる。警報によりオペレータは固化接触等の異常が発生したことを知ることができ、育成の中止等、適切な処置をとることができる。
また、図1の装置1では、炉内保全を実施する制御手段24が備えられているため、警報によりオペレーターに固化接触を知らせるとともに、予め設定されたシーケンスに基づき自動で炉内保全を実施することもできる。
また、図1の装置1では、炉内保全を実施する制御手段24が備えられているため、警報によりオペレーターに固化接触を知らせるとともに、予め設定されたシーケンスに基づき自動で炉内保全を実施することもできる。
炉内保全のシーケンスの具体例としては、警報発報後、一定時間経過した後もオペレーターによる警報リセットまたは引上げ停止がなされなかったときに、巻上ドラム11の回転とワイヤ12の回転を停止してシリコン単結晶19の育成を中止する。次に、ヒータ5への供給パワーを増加し、多結晶融液20を加熱する。そして、再度巻上ドラム11を通常の結晶成長の場合よりも高速回転させることでシリコン単結晶19を急速に上昇させる。
このようなシーケンスにより、育成した単結晶19がルツボ壁面等から固化した融液と接触した後、多結晶融液2から切り離す一連の作業を自動で実施することができる。
このようなシーケンスにより、育成した単結晶19がルツボ壁面等から固化した融液と接触した後、多結晶融液2から切り離す一連の作業を自動で実施することができる。
このように本発明の装置1を用い、形状制御に使用されているCCDカメラ17により計測された直径値を利用して直径変化率ΔDを演算し、その演算値と設定された基準値を常時比較することで、育成中のシリコン単結晶の接触状態を即座に判定(検知)することができる。そして、警報発報、さらに炉内安全のシーケンス制御により自動的に且つ速やかに育成を中止することができる。その結果、シリコン単結晶の接触に伴う単結晶落下による装置の損傷等の不具合を未然に防止でき、また、接触状態の発生を監視するオペレータの負担を大幅に軽減したり、オペレータを不要若しくは減員することが可能となり、製造コストの低減及び歩留りの向上につながることになる。
なお、上記の説明で示した直径変化率の算出単位時間や基準値、あるいは炉内保全シーケンスは一例であり、引上げ条件等に応じて適宜設定すれば良い。例えば直径変化率の算出単位時間については12秒である必要はなく、30秒あるいは1分であっても良いし、12秒より短く設定しても良い。
また、図1の装置1では、光学系17に検出された直径値に基づいているため、育成中のシリコン単結晶と融液表面の固化の接触前にその危険を予測することも可能である。すなわち、固化物が育成中の単結晶に近接した段階でCCDカメラで捕らえて直径が増加したものと判定し、固化接触の前に警報を発し、さらに炉内保全を実施することもできる。固化接触の前にこれらの措置をとれば、シリコン単結晶の接触に伴う単結晶落下による装置の損傷を未然に且つより確実に防止することができる。
さらに、直径変化率の基準値を2段階に設定し、育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液との近接及び接触をそれぞれ判定するようにしても良い。例えば、算出した直径変化率が小さい基準値を超えたときには、固化した融液表面が育成中のシリコン単結晶に近接したと判断して警報を発し、大きい基準値を超えたときには、接触状態であると判断して別の警報を発するとともに炉内保全を実施する方法が考えられる。
以上のように、本発明では、育成中の単結晶の直径値を計測し、直径変化率が一定の基準値を超えたときに固化接触が生じたものと判定することができる。そして、直径計測手段としては、既存の装置に標準的に備えられている形状制御用のCCDカメラ等を利用することもできる。従って、装置本体を大きく改造する必要もなく、計測した直径値に基づいて直径変化率を演算する演算手段等を設けることで、本発明の装置を簡便にかつ低コストで実現し、安全性の高い装置とすることができる。演算手段21や固化接触監視手段22、制御手段24等は、単結晶の直径制御や操業条件を制御するコンピュータに、制御ソフトを入力することによって兼用することも可能である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、本発明に係る単結晶製造装置としては、図1に示した構成に限定されず、融液に磁場を印加するためメインチャンバーの周囲に磁石を備えたものとしても良いし、直径変化率の演算手段、固化接触監視手段、警報手段はそれぞれ別体とせず、一体的に設けても良い。また、直径計測手段としてはCCDカメラに限定されず、育成中の単結晶の直径を計測することができるものであれば全て使用できる。
1…単結晶製造装置、 2…メインチャンバー、 3…ルツボ、 4…支持軸、
5…ヒータ、 6…断熱材、 7…アイソレーションバルブ、 8…プルチャンバー、
9…巻上げ装置、 10…ボックス、 11…巻上げドラム、 12…ワイヤー、
13…種保持具、 14…種結晶、 15…ガラス窓、 16…ガス供給管、
17…CCDカメラ、 18…ガス排気管、 19…単結晶、 20…原料融液、
21…演算手段、 22…固化接触監視手段、 23…警報吹鳴手段、
24…制御手段。
5…ヒータ、 6…断熱材、 7…アイソレーションバルブ、 8…プルチャンバー、
9…巻上げ装置、 10…ボックス、 11…巻上げドラム、 12…ワイヤー、
13…種保持具、 14…種結晶、 15…ガラス窓、 16…ガス供給管、
17…CCDカメラ、 18…ガス排気管、 19…単結晶、 20…原料融液、
21…演算手段、 22…固化接触監視手段、 23…警報吹鳴手段、
24…制御手段。
Claims (9)
- チョクラルスキー法により原料融液から単結晶を引上げる単結晶製造装置であって、少なくとも、多結晶原料を収容するルツボと、該ルツボを囲繞するように配置され前記ルツボ内に収容された多結晶原料を加熱溶融して原料融液にするヒータと、前記ルツボ内の原料融液から単結晶を引上げる引上げ手段と、育成中の単結晶の直径値を計測する直径計測手段と、該直径計測手段により計測した直径値に基づき単位時間又は引上げ長さ当たりの直径変化率を算出する演算手段と、該演算手段により算出された直径変化率が予め設定された基準値を超えたときに、育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液とが近接または接触したと判定する固化接触監視手段とを具備していることを特徴とする単結晶製造装置。
- 前記固化接触監視手段により育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液との近接または接触を判定したときに、警報を発する警報吹鳴手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の単結晶製造装置。
- 前記固化接触監視手段により育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液との近接または接触を判定したときに、予め設定されたシーケンスに基づき自動で炉内保全を実施する制御手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の単結晶製造装置。
- 前記直径計測手段が、光学的直径計測手段であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の単結晶製造装置。
- 前記直径計測手段は、育成中の単結晶の形状を制御するために用いられるものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の単結晶製造装置。
- チョクラルスキー法により原料融液から単結晶を引上げる際、育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液との近接または接触を判定する方法であって、育成中の単結晶の直径値を計測し、計測した直径値に基づき単位時間又は引上げ長さ当たりの直径変化率を算出し、算出された直径変化率が予め設定された基準値を超えたときに、育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液とが近接又は接触したと判定することを特徴とする固化接触監視方法。
- 前記直径値の計測を、光学的直径計測手段により行うことを特徴とする請求項6に記載の固化接触監視方法。
- 前記直径変化率を算出するための直径値として、育成中の単結晶の形状を制御するために計測する直径値を利用することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の固化接触監視方法。
- 前記直径変化率の基準値を2段階に設定し、育成中の単結晶と該単結晶以外の固化した融液との近接及び接触をそれぞれ判定することを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の固化接触監視方法。
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JP2003315268A Pending JP2005082433A (ja) | 2003-09-08 | 2003-09-08 | 単結晶製造装置及び固化接触監視方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005082433A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007045685A (ja) * | 2005-08-12 | 2007-02-22 | Sumco Techxiv株式会社 | 単結晶製造装置及び方法 |
JP2010195627A (ja) * | 2009-02-25 | 2010-09-09 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | 単結晶製造装置および単結晶の製造方法 |
CN114481303A (zh) * | 2022-01-12 | 2022-05-13 | 苏州天准科技股份有限公司 | 一种拉晶状态监测装置及拉晶设备 |
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2003
- 2003-09-08 JP JP2003315268A patent/JP2005082433A/ja active Pending
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JP2007045685A (ja) * | 2005-08-12 | 2007-02-22 | Sumco Techxiv株式会社 | 単結晶製造装置及び方法 |
JP2010195627A (ja) * | 2009-02-25 | 2010-09-09 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | 単結晶製造装置および単結晶の製造方法 |
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