JPH0925046A - 両面粘着テープの粘着剤層の転写方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 剥離紙を有する両面粘着テープの粘着剤層を
コアの周面に転写する方法及び装置。 【構成】 転写ロール（１）の外周面に接して搬送され
ている剥離紙を有する両面粘着テープ（T1）の剥離紙上
に一定長さ毎に切断担持されている粘着剤層を、転写ロ
ールに対向配置されているコア（３）の外周面に、その
始端から終端に向けて順次押圧転写する際、該粘着剤層
の終端部は、両面粘着テープの搬送を止めた状態で、転
写中のコア（３）を両面粘着テープの搬送方向に一定距
離移動させることにより、剥離紙上の後続する粘着剤層
の先端縁から引き離しながらコア（３）の残りの外周面
に押圧転写することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、両面粘着剤層が剥
離紙面に担持されている両面粘着テープから、両面粘着
剤層のみを所定長さに切断して被着体面に転写するため
の方法と、該方法を実施するための装置に関する。特に
本発明は、連続層として供給される剥離紙上の両面粘着
剤層から、該粘着剤層のみを所定長さに切断（ハーフカ
ット）し、該所定長さの粘着剤層を、巻取りテープ体の
巻芯すなわちコアの外周面のような基材面に転写するた
めの方法と装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】紙、プラスチック、布等からなるテープ
状材料の巻取り体や、インクリボン、熱転写用リボン等
を製造するための巻取り作業は、それらのテープ状材料
の巻始め端部をコアの外周面上に固定してから行われる
のが普通である。かかる巻取り作業に使用されるコアと
しては、その外周面にあらかじめテープ状材料の巻始め
端部を差し込み固定するための溝を形成したものが知ら
れているが、溝にテープ状材料の巻始め端部を正確に平
行に差し込み固定する作業が難しいのみならず、巻始め
の際に加わる引張力によって該端部が溝から外れて空回
りをし、巻取り作業ができないなどのトラブルが発生す
るという問題がある。

【０００３】コア等の外周面にテープ状材料の巻始め端
部を固定する別の手段として、該コア等の外周面にテー
プなどの巻始め端部を片面粘着テープで貼着固定するこ
とも行われている。しかし、この方法の場合にも、テー
プ状材料の端部に生じた僅かなしわや該端部の僅かなず
れが、最終の巻姿に目だった歪みを与える結果となるこ
とから、熟練した作業者を常時養成し、確保しておかな
ければならないという問題がある。

【０００４】特開昭６４−６９４７０号公報には、上記
のような片面粘着テープを使用する作業の困難さを解決
する方法として、巻芯又はコアの外周面に熱転写インク
フィルムの巻始め端部を両面粘着テープで接着固定する
方法が開示されている。この方法によれば、フィルムの
巻始め端部を、しわの発生がなく、また巻取り作業中に
該端部が外れることがないようにしっかりとコア外周面
上に、正確に貼着固定することが可能である。しかし、
上記公報には、両面粘着テープを正確に、かつ迅速に該
コア外周面上に配置するための具体的な方法については
開示されるところがない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、巻芯又はコ
アにテープ状材料を均一かつ確実に巻取ることができる
ように、巻芯又はコアの外周面上にテープ材料の巻始め
先端部をしっかりと正確に貼着固定するために必要な両
面粘着剤層を、手動又は自動的にかつ連続的にコア又は
巻芯の外周面上に供給する方法と装置を提供することを
目的とするものである。また、本発明は、剥離紙を有す
る両面粘着テープから巻芯又はコアへ該両面粘着剤層の
みを、所定長さもしくは幅で正確に押圧転写することの
できる方法と装置を提供することを目的とするものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明は、回転する転写ロールの外周面に接して搬
送されている両面粘着テープの剥離紙面に所定長さ毎に
切断されて担持されている両面粘着剤層を、該転写ロー
ルに対向配置されていて、該転写ロールと反対方向に回
転する被転写コア外周面に、その始端から終端に向けて
順次押圧転写し、その際、該所定長さの両面粘着剤層の
終端部は、該両面粘着テープの搬送を止めた状態で、該
コアを該両面粘着テープの搬送方向に所定距離移動させ
ることによって引っ張り、剥離紙上の後続する所定長さ
の粘着剤層の先端縁から引き離しながら被転写コア外周
面の残りの面に押圧転写することを特徴とする、剥離紙
上の両面粘着剤層の転写方法に関するものである。

【０００７】また本発明は、剥離紙を有する両面粘着テ
ープを巻回したリール部と、該リール部から引き出され
た両面粘着テープの粘着剤層のみを一定長さに切断する
カッター部と、該カッター部から引き出された両面粘着
テープの粘着剤層を被転写コア周面に押圧転写するため
の転写ロールと、該転写ロールに対向配置され、先端部
に回転フリーに該コアを配置したターレットアームと、
該ターレットアームを載置した移動可能な載置台と、粘
着剤層を転写した残りの剥離紙を前記一定長さの粘着剤
層に相当する長さだけ巻き取りロール側に送り出す送り
出しロールとを備え、前記送り出しロールで前記一定長
さの剥離紙を送りだしたのちに前記ターレットアームを
該剥離紙送りだし方向に一定距離移動させる載置台移動
装置と、該ターレットアームを回転させて転写済みコア
を転写位置外に移動させるとともに、新らしい被転写コ
アを前記転写位置にセットするためのターレットアーム
回転装置とを備えたことを特徴とする、剥離紙を有する
両面粘着テープの粘着剤層の転写装置に関するものであ
る。

【０００８】さらに、本発明は、転写中の粘着剤層の終
端縁が転写位置近傍の所定位置に到達したことを検知す
る検知機構と、該検知機構からの指令に基づいて前記両
面粘着テープの剥離紙送りだしロールを作動させて両面
粘着テープの剥離紙の搬送を一時停止させ、ついで搬送
を再開させる剥離紙送りだしロールと、前記ターレット
アームを前記載置台ごと該剥離紙の送りだし方向に所定
距離往復移動させる移動装置と、前記ターレットアーム
を所定角度回転させて後続する新しい被転写コアを転写
ロールに対向する転写位置に配置させるターレットアー
ム回転装置とを備えていることを特徴とする、前記の剥
離紙上の両面粘着剤層の自動転写装置に関するものであ
る。

【０００９】本発明の方法及び装置において、その外周
面に両面粘着剤層が供給される巻芯又はコアとしては、
その外周面上に種々の材料からなるテープ体を巻取り、
巻出して使用するために使用されるものであれば紙製、
合成樹脂製、木製等の区別なくどのようなものも対象と
することができる。たとえば、紙製、合成樹脂製、布製
のテープ体のほか、これらのテープ体を基材として、そ
の片面又は両面に各種の塗布層、たとえばインク層、熱
転写インク層等を設けたインクリボンの巻取り体に使用
される巻芯又はコアであってもよい。

【００１０】本発明の方法及び装置で使用される剥離紙
を有する両面粘着テープは、剥離紙の片面に連続した粘
着剤層を有していて、カッターによる該粘着剤層側から
のハーフカットによって該粘着剤層のみを所定寸法に切
断できるものである。該粘着剤層の切断寸法は、転写さ
れる巻芯又はコアの外周に巻回できる長さ、又はその長
さより僅かに短い長さが好ましい。この長さが長すぎる
と、粘着剤層の巻き初めと巻き終わり端部の重なり部分
ができ、該重なり部分の盛り上がりがテープ体を巻終わ
った際の巻姿においても盛り上がりとなることから好ま
しくない。

【００１１】本発明の方法及び装置において、剥離紙を
有する両面粘着テープから両面粘着剤層を巻芯又はコア
外周面へ転写する工程は、その剥離紙側が転写ロールに
接して案内されている剥離紙を有する両面粘着テープの
粘着剤層を、該転写ロールに対向配置されていて、該転
写ロールと同一速度で、反対方向に回転している巻芯又
はコアの外周面に押圧して、その始端から終端に向かっ
て順次転写する工程からなっている。

【００１２】上記の両面粘着剤層の転写が所定長さの粘
着剤層の終端部近傍に至ると、両面粘着テープの搬送
は、その終端部の僅かな長さの部分が未だ剥離紙に粘着
して残っている状態で停止され、同時に、巻芯又はコア
側が該終端部を引っ張りながら剥離紙の巻取り方向に向
けて移動され、該粘着剤層の終端部は後続する粘着剤層
の始端から引き離されながら剥離紙面から巻芯又はコア
の外周面に押圧転写されることとなる。その結果、所定
長さにハーフカットされている粘着剤層は、その終端を
転写するに際して、該終端部に極めて接近して配置され
ている後続の粘着剤層の始端部に転写中の被転写コア面
が触れて該後続粘着剤層始端部をピックアップすること
がなく、引き続いて転写位置にセットされる巻芯又はコ
ア外周面へ後続する粘着剤層をその始端から正確に巻き
付け転写することができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】上記した本発明の方法及び装置を
添付の図面に記載した本発明の一実施例である装置を参
照してさらに詳細に説明する。図１は、本発明の両面粘
着剤層の転写装置の側面図である。図中、符号１は転写
ロール、２はターレットアーム、３はコア、４はターレ
ット軸、５は剥離紙付き両面粘着テープ繰り出しロー
ル、６はハーフカッター機構、７はカッター、８は受け
台、９は剥離紙付き両面粘着テープ案内ロール、１０は
剥離紙案内ロール、１１は剥離紙送りだしロール、１２
は剥離紙巻取りリール、１３はサーボモーター、１４は
押圧ロールをそれぞれ示す。

【００１４】図１の装置では、まず両面粘着テープ繰り
出しロール５から繰り出される剥離紙付き両面粘着テー
プＴ１は、案内ロール９を経てカッター機構６に入り、
カッター７と受け台８の間を通る際に両面粘着剤層のみ
が所定長さにハーフカットされる。所定長さに切断され
た両面粘着剤層を担持した剥離紙はついでゴムロールか
らなる転写ロール１の外周面に接して案内され、ターレ
ット軸４に回転可能に支持されているターレットアーム
２の先端部に、転写ロール１と反対方向に回転可能に取
り付けられているコアの外周面に粘着剤層を転写した
後、剥離紙Ｔ２として案内ロール１０、サーボモーター
１３に接続されている剥離紙送りだしロール１１と押圧
ロール１４とによりニップされた状態で所定長さ送り出
され、巻取りロール１２に送られて巻取られる。

【００１５】転写ロール１はフリー回転のゴムロールか
らなる圧着ロールであり、剥離紙に担持されている所定
長さの両面粘着剤層は、転写ロール１と対向配置されて
いるコア３との間を通りながら該コアの外周面にその始
端から順次押圧転写される。この所定長さの両面粘着剤
層の転写がその終端に近づいた所定の段階で、サーボモ
ーター１３を停止させることによって、剥離紙送りだし
ロール１１を止め、両面粘着テープの搬送を停止させ
る。

【００１６】上記の操作において、所定長さの両面粘着
テープ層の転写がその終端に近づいた所定の段階とは、
転写中の両面粘着剤層の終端の切断縁が、ゴムロールで
ある転写ロール１と転写先のコアの外周面とが一定の幅
をもって弾性的に面接触している部分の接触終端縁に所
定の距離に近づいた段階を意味している。この状態でテ
ープの移動を停止させ、コアを先端部に保持しているタ
ーレットアームを、図示されていない載置台移動装置に
より載置台１５ごと両面粘着テープの送り方向に移動さ
せると、剥離紙上に残存する転写中の両面粘着剤層の終
端部はコアに転写されている粘着剤層部分に引っ張ら
れ、後続する両面粘着剤層の始端から引き離された状態
で転写中のコアの残りの外周面に押圧転写される。

【００１７】転写中の両面粘着テープ層の転写が終了し
たら、ターレットアーム２を回転させながら、載置台１
５ごともとの位置に復帰させて、待機しているつぎの新
しいコアを転写位置にセットする。ついで、サーボモー
ター１３を作動させ、剥離紙の送りだしと巻取りを再開
し、両面粘着テープの移動と、新しいコアへの両面粘着
剤層の転写が行われる。両面粘着テープの転写が終了し
たコアはターレットアームから取り外され、新しいコア
が取り付けられる。

【００１８】上記した転写装置における転写作業は、両
面粘着剤層を転写するコアの種類に応じて予め設定され
た寸法に剥離紙上の粘着剤層のみをハーフカットするよ
うにカッター機構をセットし、転写位置における転写中
の粘着剤層の終端縁の位置が所定位置に到達したことを
自動的に検知する検知機構を設け、該検知機構による検
知信号に基づいて、ターレットアーム載置台の往復動
作、ターレットアームの回転動作、剥離紙送りだしロー
ル用のサーボモーター１３の制御動作などの一連のシー
ケンシャルな動作を自動的に制御して行うことが好まし
い。本発明の転写装置における転写ロール１は、硬質ゴ
ムのような弾性体を表面に有する回転フリーの弾性ロー
ルであり、押圧ロール１４は、常時は剥離紙送り出しロ
ール１１にスプリングなどにより押圧されている回転フ
リーの弾性ロールである。

【００１９】

【発明の効果】上記した本発明の転写装置を用いた方法
によれば、巻芯又はコアの外周面に均一な粘着剤層を形
成することができる。特に、剥離紙上にハーフカットの
切り込みを設けるだけで形成される狭い間隔のみで後続
する所定長さの粘着剤層と隔離されているに過ぎないに
もかかわらず、転写中の粘着剤層の後部端縁の転写が、
後続する粘着剤層の先端部から引き離された状態でおこ
なわれるために、転写中のコア面が後続粘着剤層の先端
部に触れて該粘着剤層の先端部をピックアップすること
に起因するトラブルは生起しないし、粘着剤層を接近し
た状態で剥離紙上に配置することができるため、剥離紙
上に連続した両面粘着剤層を設けた通常の両面粘着テー
プをそのまま使用することも可能であり、さらに、通常
の両面粘着テープを使用した場合でも粘着剤層を無駄な
く有効に利用することができる。

【００２０】以上、本発明を巻芯又はコアの外周面に粘
着剤層を供給する方法と装置について説明したが、本発
明は、前記装置におけるコア等の供給装置であるターレ
ットアームに代えて、種々のシート状物を転写位置に供
給することができる装置を用いることによって、シート
状体面への所定寸法の粘着剤層の転写装置としても適用
することは可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の転写装置を示す側面図である。

【符号の説明】

１：転写ロール、２：ターレットアーム、３：コア、
４：ターレット軸、５：剥離紙付き両面粘着テープ繰り
出しロール、６：ハーフカッター機構、７：カッター、
８：受け台、９：剥離紙付き両面粘着テープ案内ロー
ル、１０：剥離紙案内ロール、11: 剥離紙送りだしロー
ル、１２：剥離紙巻取りリール、１３：サーボモータ
ー、１４：押圧ロール、１５：載置台

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転する転写ロールの外周面に接して搬
   送されている剥離紙を有する両面粘着テープの剥離紙上
   に一定長さ毎に切断担持されている粘着剤層を、該転写
   ロールに対抗配置されていて、該転写ロールと反対方向
   に回転するコア外周面に、その始端から終端に向けて順
   次押圧転写し、その際、該粘着剤層の終端部は、該両面
   粘着テープの搬送を止めた状態で、該転写中のコアを該
   両面粘着テープの剥離紙の搬送方向に一定距離移動させ
   ることにより、剥離紙上の後続する一定長さの粘着剤層
   の先端縁から引き離しながら該コア外周面の残りの面に
   押圧転写することを特徴とする、剥離紙を有する両面粘
   着テープの粘着剤層の転写方法。
2. 【請求項２】 剥離紙を有する両面粘着テープを巻回し
   たリール部と、該リール部から引き出された両面粘着テ
   ープの剥離紙を残してその粘着剤層のみを一定長さに切
   断するカッター部と、該カッター部から引き出された両
   面粘着テープの粘着剤層を被転写コア周面に押圧転写す
   るための転写ロールと、該転写ロールに対向配置され、
   先端部に回転フリーに該コアを配置したターレットアー
   ムと、該ターレットアームを載置した移動可能な載置台
   と、粘着剤層を転写した残りの剥離紙を前記一定長さの
   粘着剤層に相当する長さだけ巻き取りロール側に送り出
   す送り出しロールとを備え、前記送り出しロールで前記
   一定長さの剥離紙を送り出したのちに前記ターレットア
   ームを該剥離紙送り出し方向に一定距離移動させる載置
   台移動装置と、該ターレットアームを回転させて転写済
   みコアを転写位置外に移動させるとともに、新しい被転
   写コアを前記転写位置にセットするためのターレットア
   ーム回転装置とを備えたことを特徴とする、剥離紙を有
   する両面粘着テープの粘着剤層の転写装置。