JPH09248882A - 防湿シート及び、それを用いて製造した化粧板 - Google Patents

防湿シート及び、それを用いて製造した化粧板

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JPH09248882A
JPH09248882A JP6115496A JP6115496A JPH09248882A JP H09248882 A JPH09248882 A JP H09248882A JP 6115496 A JP6115496 A JP 6115496A JP 6115496 A JP6115496 A JP 6115496A JP H09248882 A JPH09248882 A JP H09248882A
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嘉平 村田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ドアーや扉などの基材の吸湿、放湿による伸
縮、反り等の変形を防止することのできる防湿シート、
防湿化粧板を提供する。 【解決手段】紙間強化紙10の片面に、絵柄層11や保
護層12を形成し、そのもう1方の面に、接着樹脂層1
3、無機材料を用いた防湿層14、合成樹脂フイルム1
5、接着樹脂層16及び紙層17を形成した防湿シート
(図1)と、該シートから絵柄層11や保護層12を除
いた防湿シート(図3)を木質基材20の両側へ貼り合
せて防湿化粧板(図2)を作成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内扉、キッチン
扉、収納扉、襖などに用いられる化粧シート及び化粧板
に関し、詳しくは湿度、温度変化などによつて発生する
反りを防止する機能を有する防湿シート、絵柄層及び保
護層を有する防湿シート及び防湿化粧板に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、室内扉、キッチン扉、収納扉、襖
などにおいて、湿度、温度の関係で使用中に徐々に反り
が発生することがあった、そこで反りを防ぐために扉な
どの建具の表裏面に、同じ材質のシートを用いて片方に
反らないようにしたもの、建具の枠体に金属製の支持体
を使用する、或いは化粧板の裏面側に防湿性能を有する
シート、例えば塩化ビニルシートや金属箔などを貼り合
わせる、等の対策がとられている。
【0003】すなわち、特公平4−7948号公報によ
れば、クラフト紙/ポリエチレンシート/クラフト紙か
らなる構成の防湿シートを板状体の裏面に貼着した内装
材が公知である、この目的は、内装材から壁構造への湿
気の漏洩を防止し、壁内での結露の発生を回避すること
にある。また、特開平6−272455号公報により、
非透水性、非透湿性シートを木質ボードの両面に貼着
し、その木質ボードを木質基材からなる芯材の両面に貼
り合わせ、反りを防止した扉の製造方法が提案されてい
【0004】しかしながら、前述の防湿層として塩化ビ
ニルやポリエチレンを使用した場合には、ある程度、反
りを防止することはできるが、厳しい環境(高温多湿)
で長期間使用された場合には、反りが発生してしまうた
め、不十分であるとされている、又、アルミニュームな
どの金属箔を使用した場合には、防湿性は十分であり、
反り防止はできるが、フラツシユドアー加工の際に高周
波を使用して接着を行うことがあり、使用不可となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点に鑑みなされたもので、その目的とするとこ
ろは、室内扉、キッチン扉、収納扉などにおいて、厳し
い温度、湿度の環境条件でも反りを防止できる、防湿シ
ート、絵柄層及び保護層を有する防湿シート及び防湿化
粧板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の防湿シートは、
紙基材上に、接着樹脂層と無機物質を含む防湿層と合成
樹脂フイルムと接着樹脂層と紙層を設けて成ることを特
徴とするものである。
【0007】また、本発明の防湿シートは、前記防湿シ
ートの片面に、絵柄層及び保護層を形成したことを特徴
とするものである。
【0008】また、本発明の防湿化粧板は、木質基材の
片面に、前記絵柄層及び保護層を有する防湿シートを、
もう一方の面に、前記絵柄層及び保護層のない防湿シー
トを貼付けてなることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を実施の形態に基づき詳細
に説明すれば、本発明の防湿シート(図1)は、紙基材
10の片面に絵柄層11及び保護層12を形成し、該基
材10のもう1方の面上に、接着樹脂層13と無機物質
を含む防湿層14と合成樹脂フイルム15と接着樹脂層
16と紙層17を設けて成るものである。
【0010】また、本発明の防湿化粧板(図2)は、上
記絵柄層11及び保護層12を有する防湿シート(図
1)と、絵柄層11及び保護層12のない防湿シート
(図3)を、木質基材20の両面に貼付けてなるもので
ある。
【0011】前記紙基材10または紙層17としては、
20〜50g/m2 の薄葉紙、紙間強化紙、片艶クラフ
ト、純白ロールを用いることができる。
【0012】また、前記絵柄層11のインキの樹脂バイ
ンダーとしては、ニトロセルロース等のセルロース誘導
体(セルロースの0H基の一部をのこしたものも含
む)、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール及
びそれらにイソシアネート化合物を混合したものや、ア
クリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体を用いることができる。
【0013】また、保護層12としては、水酸基(−0
H)を有するポリエステル系、アクリル系、ポリエーテ
ル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物等
のポリオールプレポリマーとイソシアネート化合物を混
合して、架橋硬化してなる樹脂層を用いることができ
る。
【0014】また、接着樹脂層13及び接着樹脂層16
としては、酢酸ビニル系接着剤、ウレタン系接着剤、エ
ポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、合成ゴム系接着
剤、繊維素系接着剤等を用いることができる、また、ポ
リエチレン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポ
リプロピレン等を用いてエクストルーダーコーテイング
法により防湿層14と紙基材10または合成樹脂フイル
ム15と紙層17を貼合せることもできる。
【0015】また、無機物質を含む防湿層14として
は、ケイ素酸化物(SiOx x=1〜2)、酸窒化ケイ
素(SiOx y 、x=0.6〜0.8、y=0.7〜
0.9)、酸化マグネシウム(MgO)、アルミニウム
酸化物(Al2 3 ) 等の無機酸化物や金属酸化物の無
機材料を、真空蒸着法やスパツタリング、イオンプレー
ティングまたは、プラズマ活性化化学反応蒸着法等で合
成樹脂フイルム15上へ薄膜形成を行うことができる。
【0016】合成樹脂フイルム15としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、塩化ビニリデンコートのポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアセタ
ール、ポリカーボネート、ポリエステル、塩化ビニリデ
ンコートのポリエステル、エチレンビニルアルコール共
重合体、を用いることができる。
【0017】木質基材20としては、合板、パーティク
ルボード、中密度繊維板(MDF)、ハードボード等を
用いることができる。
【0018】
【実施例1】図1に基づき、防湿シートの実施例を説明
する、坪量30g/m2 の紙間強化紙10(天間特殊製
紙(株)製)の片面に、ニトロセルロース系インキ(東
洋インキ製造(株)製)により絵柄層を印刷し、その絵
柄層上にアクリルウレタン樹脂保護層12(2液硬化タ
イプ、東洋インキ製造(株)製)を6g/m2 (DR
Y)の厚みに塗布し化粧コート紙を得た。
【0019】合成樹脂フイルム15として、ポリエステ
ル12μ(ルミラー、東レ(株)製)に、真空蒸着法で
700オングストロームの厚さの二酸化ケイ素(SiO
2 )防湿層14を形成した。
【0020】次に、ポリエチレンとエチレン−アクリル
酸エチル共重合体を1:1にブレンド品を用いて15μ
の厚みでエクストルーダーコーテイング法により、前記
化粧コート紙の絵柄層のない面と二酸化ケイ素防湿層1
4及び合成樹脂フイルム15と紙層17を貼合せて防湿
化粧シートを作成した。
【0021】次に、厚さ2.5mmの中密度繊維強化板
(MDF)の両面に前記防湿化粧シートと防湿シート
(図3)(前記防湿化粧シートの絵柄層11と保護層1
2のないシート)を、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤
にて貼合せて防湿化粧板(図2)を作成した。
【0022】比較例として二酸化ケイ素(SiO2 )防
湿層14のない防湿化粧シートと防湿シート(前記防湿
化粧シートの防湿層14がなく、絵柄層11や保護層1
2のないシート)を、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤
にて貼合せて防湿化粧板(図4)を作成した。
【0023】実施例1と比較例の防湿化粧板の透湿度
(g/m2 ・24hour)を測定したところ、本発明
の実施例1の透湿度は1.5で比較例の透湿度は17.
5であった。
【0024】
【発明の効果】本発明の防湿化粧板は、無機物質から成
る防湿層があるため、防湿性能が高く、従来のポリエチ
レンやポリエステルなどを防湿層としたものと比較する
と10数倍である、そのため、厳しい環境下でも化粧板
にそりを生じさせることが少ない。また、本発明の防湿
化粧板の防湿層は、無機酸化物や金属酸化物の無機材料
であり、従来のアルミニウム等の金属てはないため、フ
ラッシュ加工などで高周波加工の際も、放電などのトラ
ブルをおこすことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の絵柄層11及び保護層12を有する防
湿シートを断面で表した説明図である。
【図2】本発明の防湿化粧板を断面で表した説明図であ
る。
【図3】本発明の絵柄層11及び保護層12のない防湿
シートを断面で表した説明図である。
【図4】比較例としての防湿化粧板を断面で表した説明
図である。
【符号の説明】
10…紙基材 11…絵柄層 12…保護層 13…接着樹脂層 14…無機物質を含む防湿層 15…合成樹脂フイルム 16…接着樹脂層 17…紙層 20…木質基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E06B 3/82 E06B 3/82

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙基材上に、接着性樹脂層と無機物質を含
    む防湿層と合成樹脂フイルムと接着性樹脂層と紙層を設
    けて成ることを特徴とする防湿シート。
  2. 【請求項2】前記防湿シートの片面に、絵柄層及び保護
    層を形成したことを特徴とする請求項1に記載の防湿シ
    ート。
  3. 【請求項3】木質基材の片面に、前記絵柄層及び保護層
    を有する防湿シートを、もう一方の面に、前記絵柄層及
    び保護層のない防湿シートを貼付けてなることを特徴と
    する請求項1及び請求項2に記載の化粧板。
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