JPH09246102A - チップ状固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

チップ状固体電解コンデンサの製造方法

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JPH09246102A
JPH09246102A JP8047179A JP4717996A JPH09246102A JP H09246102 A JPH09246102 A JP H09246102A JP 8047179 A JP8047179 A JP 8047179A JP 4717996 A JP4717996 A JP 4717996A JP H09246102 A JPH09246102 A JP H09246102A
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JP
Japan
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metal layer
cathode
layer
conductive adhesive
capacitor element
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Application number
JP8047179A
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English (en)
Inventor
Kenji Uenishi
謙次 上西
Sumio Nishiyama
澄夫 西山
Tetsuya Koyabu
哲也 小藪
Hiromichi Moriyama
博通 森山
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気特性ならびに外観形状の歩留まりにおい
て優れたチップ状固体電解コンデンサを容易に量産する
ことができるチップ状固体電解コンデンサの製造方法を
提供することを目的とする。 【解決手段】 金属層24の接続面に導電性接着剤25
を塗布する工程と、導電性接着剤25により金属層24
をコンデンサ素子21における陰極層23に接続する工
程を有し、金属層24の接続面に導電性接着剤25を塗
布する工程において、導電性接着剤25の充填容器33
を一定温度に保持する恒温装置32を設けたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はチップ状固体電解コ
ンデンサの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の軽薄短小化と面実装技
術の進展からチップ部品が急増している。チップ状固体
電解コンデンサにおいても小型大容量化が進展する中で
チップ部品自身の一層の小型化が要求されている。
【0003】以下に従来のチップ状固体電解コンデンサ
について説明する。図4は従来のチップ状固体電解コン
デンサの断面図であり、また図5(a),(b),
(c),(d)は図4に示すチップ状固体電解コンデン
サのコンデンサ素子に接続される金属層の接続方法を説
明するための概略工程図である。
【0004】図4において、1はコンデンサ素子で、こ
のコンデンサ素子1は弁作用金属であるタンタル金属粉
末を成形焼結した多孔質の陽極体より陽極導出線2を導
出させ、かつこの多孔質の陽極体の表面に一般的な方法
で誘電体酸化被膜、電解質層、コロイダルカーボン層を
順次形成し、その後、銀塗料よりなる陰極層3を形成す
ることにより構成している。4は金属層であり、この金
属層4は丸状に伸ばされた銀線を利用して円柱状部4a
と、この円柱状部4aより大径の径大部4bを金型加工
で成形したものである。そしてこの金属層4における径
大部4bをコンデンサ素子1の陰極層3における陽極導
出線2の引き出し面と対向する対向面3aに位置させ
て、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を主成分とする
ペースト状の導電性接着剤5で装着し、その後、ペース
ト状の導電性接着剤5を熱硬化させることにより陰極導
出層6を構成している。
【0005】続いて、陽極導出線2が片側に引き出され
るように金属層4と導電性接着剤5とで構成される陰極
導出層6を含むコンデンサ素子1を、トランスファーモ
ールドにより樹脂成形され、かつ完成品の長さ寸法より
長い外装樹脂7で被覆し、その後、外装樹脂7における
陽極導出線2の陽極導出面7aと対向する面の一部を除
去して陰極導出面7bに金属層4の一部を露出させて陰
極導出層6を表出させる。
【0006】その後、陽極導出線2、陰極導出面7bお
よび外装樹脂7の表面をブラスト研磨することにより、
それぞれの表面を物理的に粗面化する。そして陽極導出
線2を所定寸法に切断し、その後、PH10〜12のア
ルカリ液で脱脂後、外装樹脂7の前記ブラスト研磨によ
り物理的に粗面化された表面に、さらにエッチング液で
化学的に粗面化を施し、その後、無電解めっきの前処理
となるパラジウムの触媒付与を行い、次に陽極導出線2
と陰極導出層6を含む外装樹脂7の表面にニッケル被膜
を形成するため無電解ニッケルめっき液に浸漬して無電
解めっきをした後、選択的に電極形成を行って陽極金属
層8と陰極金属層9を形成し、更に陽極金属層8と陰極
金属層9の半田付けを確保するために、陽極側半田層1
0、陰極側半田層11を形成していた。
【0007】次に、金属層4の接続方法について図5
(a),(b),(c),(d)を用いて説明する。図
5(a),(b),(c),(d)において、まず
(a)の工程で、直径0.4mmの丸状に伸ばされた銀
線を金型(図示せず)に供給し、そしてこの銀線の先端
部のみを成形金型で叩いて円柱状部4aより大径の径大
部4bを加工する。その後、(b)の工程で、加工部を
除いて銀線の先端の径大部4bに導電性接着剤5を塗布
する。この塗布順序について詳しく説明すると、まず回
転ローラ11に導電性接着剤5を供給し、ローラ軸12
を中心に回転ローラ11を図中の矢印D方向に回転させ
ることにより、スキージ13によって導電性接着剤5が
常時均一な厚みになるように矯正されて一定厚みとな
る。この導電性接着剤5の厚みが均一になった状態で加
工部を除いて銀線の先端、つまり径大部4bの底部に導
電性接着剤5を塗布する。
【0008】この塗布においては、銀線を図中の矢印E
方向に回転ローラ11まで下げて導電性接着剤5を径大
部4bの底部に塗布し、そしてこの導電性接着剤5が塗
布された後に回転ローラ11から銀線を図中の矢印F方
向に引き上げ、その後、銀線を所望寸法に切断して金属
層4を形成する。この切断後の金属層4をコンデンサ素
子1に装着する前の状態を示したものが(c)の工程
で、この装着前の状態では、導電性接着剤5が0.10
〜0.30mg塗布された状態となっており、また金属
層4はコンデンサ素子1の陰極層3における対向面3a
のほぼ中心に位置するように機械的に制御されて保持さ
れており、この保持状態で、図中の矢印G方向に金属層
4の先端部を押圧手段14により加圧する。そして押圧
手段14が図中の矢印H方向に上がった状態、つまり押
圧を終了した状態を示したものが(d)の工程である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の製造方法では、次のような課題を有していた。
【0010】(1) ペースト状の導電性接着剤5を塗
布する作業環境等の室温変化により導電性接着剤5の粘
度が変化するとともに導電性接着剤5の塗布量のバラツ
キが発生する。この導電性接着剤5の塗布量において、
塗布量が少ない場合は電気的な接続に不安が残るため、
塗布量を多く塗布できるようにスキージ13を設定して
いる。このように塗布量を多く塗布できるようにスキー
ジ13を設定しているため、塗布量が少ない場合の接続
不良は発生しないが、塗布量が多い場合、例えば導電性
接着剤5が0.20mg以上塗布されたときなどは外観
形状の露出不良が発生していた。すなわち、導電性接着
剤5の塗布量が多い場合は、金属層4の径大部4bの底
部に塗布された導電性接着剤5が、加圧すると径大部4
bの周面に滲み出し、そしてこの滲み出しが金属層4を
装着する陰極層3における対向面3aの寸法よりも大き
くなると、外装樹脂7より導電性接着剤5が露出して外
観形状不良が発生していた。
【0011】(2) 図5(c)の工程において金属層
4が陰極層3における対向面3aのほぼ中心に位置する
ように機械的に制御されて保持されている状態で、図中
の矢印G方向に金属層4の先端部を押圧手段14により
垂直に押圧するときに、コンデンサ素子1の取り付け寸
法(図中のJ寸法)は、5.50mmの中心値に対して
±0.15mm程度の寸法バラツキがある。このときJ
寸法が中心値よりマイナスの5.35mmの場合は、コ
ンデンサ素子1への押圧力が100g以下であり、また
J寸法が中心値よりプラスの5.65mmの場合は、約
500gになる。この垂直方向の押圧力が約200gを
越えた場合はコンデンサ素子1の誘電体酸化被膜へ影響
し、電気特性の漏れ電流(LC)不良が発生していた。
【0012】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、電気特性ならびに外観形状の歩留まりにおいて優れ
たチップ状固体電解コンデンサを容易に量産することが
できるチップ状固体電解コンデンサの製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のチップ状固体電解コンデンサの製造方法は、
一端が表出するように陽極導出線を埋設した弁作用金属
からなる陽極体に誘電体酸化被膜と電解質層および陰極
層を設けて構成したコンデンサ素子と、このコンデンサ
素子の陽極導出線の引き出し面と対向する面に設けら
れ、かつ金属層と導電性接着剤とからなる陰極導出層
と、前記陽極導出線および金属層の一部が表出するよう
に前記コンデンサ素子と陰極導出層を被覆する外装樹脂
と、この外装樹脂の陽極導出面および陰極導出面に形成
された陽極金属層および陰極金属層とを備えるととも
に、前記金属層の接続面に導電性接着剤を塗布する工程
と、前記導電性接着剤により金属層を前記コンデンサ素
子における陰極層に接続する工程を有し、前記金属層の
接続面に導電性接着剤を塗布する工程において、前記導
電性接着剤の充填容器を一定温度に保持する恒温装置を
設けたもので、この製造方法によれば、電気特性ならび
に外観形状の歩留まりにおいて優れたチップ状固体電解
コンデンサを容易に量産することができるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、一端が表出するように陽極導出線を埋設した弁作用
金属からなる陽極体に誘電体酸化被膜と電解質層および
陰極層を設けて構成したコンデンサ素子と、このコンデ
ンサ素子の陽極導出線の引き出し面と対向する面に設け
られ、かつ金属層と導電性接着剤とからなる陰極導出層
と、前記陽極導出線および金属層の一部が表出するよう
に前記コンデンサ素子と陰極導出層を被覆する外装樹脂
と、この外装樹脂の陽極導出面および陰極導出面に形成
された陽極金属層および陰極金属層とを備えるととも
に、前記金属層の接続面に導電性接着剤を塗布する工程
と、前記導電性接着剤により金属層を前記コンデンサ素
子における陰極層に接続する工程を有し、前記金属層の
接続面に導電性接着剤を塗布する工程において、前記導
電性接着剤の充填容器を一定温度に保持する恒温装置を
設けたもので、この製造方法によれば、周囲環境温度に
よって粘度が激しく変化するペースト状の導電性接着剤
を一定の温度に保って粘度を安定させることができるた
め、前記導電性接着剤の吐出量も安定したものが得ら
れ、これにより、電気特性ならびに外観形状の歩留まり
において優れたチップ状固体電解コンデンサを容易に量
産することができるものである。
【0015】請求項2に記載の発明は、一端が表出する
ように陽極導出線を埋設した弁作用金属からなる陽極体
に誘電体酸化被膜と電解質層および陰極層を設けて構成
したコンデンサ素子と、このコンデンサ素子の陽極導出
線の引き出し面と対向する面に設けられ、かつ金属層と
導電性接着剤とからなる陰極導出層と、前記陽極導出線
および金属層の一部が表出するように前記コンデンサ素
子と陰極導出層を被覆する外装樹脂と、この外装樹脂の
陽極導出面および陰極導出面に形成された陽極金属層お
よび陰極金属層とを備えるとともに、前記導電性接着剤
を前記コンデンサ素子における陰極層に塗布する工程
と、前記導電性接着剤により前記金属層をコンデンサ素
子における陰極層に接続する工程を有し、前記導電性接
着剤を前記コンデンサ素子における陰極層に塗布する工
程において、前記導電性接着剤の充填容器を一定温度に
保持する恒温装置を設けたもので、この製造方法によれ
ば、周囲環境温度によって粘度が激しく変化するペース
ト状の導電性接着剤を一定の温度に保って粘度を安定さ
せることができるため、前記導電性接着剤の吐出量も安
定したものが得られ、これにより、電気特性ならびに外
観形状の歩留まりにおいて優れたチップ状固体電解コン
デンサを容易に量産することができるものである。
【0016】請求項3に記載の発明は、一端が表出する
ように陽極導出線を埋設した弁作用金属からなる陽極体
に誘電体酸化被膜と電解質層および陰極層を設けて構成
したコンデンサ素子と、このコンデンサ素子の陽極導出
線の引き出し面と対向する面に設けられ、かつ金属層と
導電性接着剤とからなる陰極導出層と、前記陽極導出線
および金属層の一部が表出するように前記コンデンサ素
子と陰極導出層を被覆する外装樹脂と、この外装樹脂の
陽極導出面および陰極導出面に形成された陽極金属層お
よび陰極金属層とを備えるとともに、前記導電性接着剤
により金属層を前記コンデンサ素子における陰極層に接
続する工程を有し、この工程において弾性体を介して前
記金属層をコンデンサ素子の陰極側に押圧するようにし
たもので、この製造方法によれば、弾性体の存在によ
り、前記コンデンサ素子への押圧は、コンデンサ素子の
誘電体酸化被膜へ影響しない押圧力となるため、電気特
性の漏れ電流(LC)不良が発生するということはなく
なるものである。
【0017】以下、本発明の実施の形態について添付図
面に基づいて説明する。図1は本発明のチップ状固体電
解コンデンサの構成を示した断面図であり、図2
(a),(b),(c),(d)は図1に示すチップ状
固体電解コンデンサのコンデンサ素子に接続される金属
層の接続方法の一実施の形態を示した概略工程図であ
る。
【0018】図1において、21はコンデンサ素子で、
このコンデンサ素子21は弁作用金属であるタンタル金
属粉末を成形焼結した多孔質の陽極体より陽極導出線2
2を導出させ、かつこの多孔質の陽極体の表面に一般的
な方法で誘電体酸化被膜、電解質層、コロイダルカーボ
ン層を順次形成し、その後、銀塗料よりなる陰極層23
を形成することにより構成している。24は金属層であ
り、この金属層24は丸状に伸ばされた銀線を利用して
円柱状部24aと、この円柱状部24aより大径の径大
部24bを金型加工で成形したものである。そしてこの
金属層24における径大部24bをコンデンサ素子21
の陰極層23における陽極導出線22の引き出し面と対
向する対向面23aに位置させて、熱可塑性樹脂あるい
は熱硬化性樹脂を主成分とするペースト状の導電性接着
剤25で装着し、その後、ペースト状の導電性接着剤2
5を熱硬化させることにより陰極導出層26を構成して
いる。このとき、熱硬化させた導電性接着剤25は銀塗
料よりなる陰極層23の対向面23aの寸法よりも小さ
くなるように構成することによって、外装樹脂27の側
面側から露出して外観不良にならないようにしている。
【0019】続いて、陽極導出線22が片側に引き出さ
れるように金属層24と導電性接着剤25とで構成され
る陰極導出層26を含むコンデンサ素子21を、トラン
スファーモールドにより樹脂成形され、かつ完成品の長
さ寸法より長い外装樹脂27で被覆し、その後、外装樹
脂27における陽極導出線22の陽極導出面27aと対
向する面の一部を除去して陰極導出面27bに金属層2
4の一部を露出させて陰極導出層26を表出させる。
【0020】その後、陽極導出線22、陰極導出面27
bおよび外装樹脂27の表面をブラスト研磨することに
より、それぞれの表面を物理的に粗面化する。そして陽
極導出線22を所定寸法に切断し、その後、PH10〜
12のアルカリ液で脱脂後、外装樹脂27の前記ブラス
ト研磨により物理的に粗面化された表面に、さらにエッ
チング液で化学的に粗面化を施し、その後、無電解めっ
きの前処理となるパラジウムの触媒付与を行い、次に陽
極導出線22と陰極導出層26を含む外装樹脂27の表
面にニッケル被膜を形成するため無電解ニッケルめっき
液に浸漬して無電解めっきをした後、選択的に電極形成
を行って陽極金属層28と陰極金属層29を形成する。
更に陽極金属層28と陰極金属層29の半田付けを確保
するために、陽極側半田層30、陰極側半田層31を形
成する。
【0021】次に、金属層24の接続方法について図2
(a),(b),(c),(d)を用いて説明する。こ
の図2(a),(b),(c),(d)において、まず
(a)の工程で、直径0.4mmの丸状に伸ばされた銀
線を機械化されたチャック治具により金型(図示せず)
に供給し、銀線の長さ寸法を0.6mmに切断する。そ
の後、この切断された銀線の先端部のみを成形金型で叩
いて、円柱状部24aより大径の径大部24bを有する
リベット状の金属層24を加工する。そして、(b)の
工程で、恒温装置32に搭載した注射器型の充填容器
(以下、シリンジと呼ぶ)33内に充填された導電性接
着剤25をエアー吐出器(図示せず)からの瞬時のエア
ー圧力によって吐出させる。この場合、シリンジ33内
のピストン33aが図中の矢印Q方向に動いて1回の吐
出量分が突き上げられ、そしてシリンジ33の先端に取
り付けた注射針33bから導電性接着剤25を吐出させ
注射針33bの先端で保持する。この保持状態で恒温装
置32に搭載したシリンジ33が図中の矢印K方向に移
動すると、金属層24における径大部24bの底部に
0.09〜0.11mgの導電性接着剤25が塗布され
る。そしてこの塗布が終了した後は、図中のL方向に恒
温装置32に搭載したシリンジ33を復帰させる。次
に、(c)の工程で径大部24bの底部に導電性接着剤
25が塗布された状態で金属層24をコンデンサ素子の
陰極層23における対向面23aに装着する。
【0022】ここで、金属層24に導電性接着剤25を
塗布する順序について説明すると、まず恒温装置32は
一般的に市販されているサーモモジュールと呼ばれてい
るもので、2枚の薄板の金属電極の間にp型半導体とn
型半導体が挟みこまれており、直流電流を流すと一方か
ら吸熱、他方から発熱するという動作原理をなすもので
ある。このような動作原理の恒温装置32を用いて導電
性接着剤25が充填されたシリンジ33を任意の設定温
度に恒温すれば、夏場と冬場における室温の温度差、あ
るいは一日中稼働させたときの一日の室温変化での最高
室温と最低室温との温度差等においても常時シリンジ3
3内の導電性接着剤25は任意に設定した温度で一定に
なるものである。例えば恒温装置32の任意設定温度を
20℃とした場合に、室温が前記設定温度の20℃より
高い場合は、恒温装置32に搭載されたシリンジ33内
の導電性接着剤25は、動作原理の吸熱により冷却され
て20℃近傍になる。また室温が前記設定温度の20℃
より低い場合は、恒温装置32に搭載されたシリンジ3
3内の導電性接着剤25は、動作原理の発熱により20
℃近傍で保温される。このように、室温の周囲環境温度
によって粘度が激しく変化する導電性接着剤25をある
一定温度に保つとともに、ある一定温度における粘度に
保ち、そしてこの一定した粘度の導電性接着剤25は、
エアー吐出器からのエアー圧力でピストン33aが突き
上げられることにより、安定した吐出量で図2(b)に
示すように、金属層24における径大部24bの底部に
塗布されるものである。
【0023】次に図2(c)の工程で導電性接着剤25
が0.09〜0.11mg塗布された状態の金属層24
をコンデンサ素子21の陰極層23における対向面23
aに装着するが、この装着は、陰極層23における対向
面23aのほぼ中心に位置するように金属層24が機械
的に制御されて保持されている状態で、図中の矢印M方
向に金属層24の先端部を押圧手段34に取り付けたス
ポンジ状のゴムからなる弾性体35によって押圧するこ
とにより行っている。この場合、コンデンサ素子21の
取り付け寸法(図中のJ寸法)が、5.35〜5.65
mmの範囲でバラツキが発生しても、コンデンサ素子2
1への押圧力を常に100g以下になるように弾性体3
5を構成するゴム材料を選定して、この弾性体35を押
圧手段34に設置することにより、コンデンサ素子21
の誘電体酸化被膜へ影響しない押圧力とすることができ
る。すなわち、電気特性(特に漏れ電流)に影響する1
00g以上の余分な押圧力のみをスポンジ状のゴムから
なる弾性体35自身が撓んで吸収するようにすれば、金
属層24への垂直方向の押圧力は必ず100g以下にな
るため、コンデンサ素子21の誘電体酸化被膜への影響
はなくなるとともに、押圧力が100g以下の押圧で金
属層24と陰極層23における対向面23aとの界面に
電気的導通を行うための導電性接着剤25が介在される
ことになり、そしてこの100g以下の押圧力により電
気的接続には不必要な導電性接着剤25は径大部24b
の周囲に滲み出る。
【0024】図2(d)は金属層24の装着が終了した
状態を示したもので、この状態でペースト状の導電性接
着剤25を熱硬化させることによりコンデンサ素子21
に金属層24と導電性接着剤25とからなる陰極導出層
26を構成している。そして熱硬化させた導電性接着剤
25の滲み出る部分は銀塗料よりなる陰極層23におけ
る対向面23aの寸法よりも小さく形成されることにな
るために、外装樹脂27の側面側から露出することはな
くなる。
【0025】図3(a),(b),(c),(d)は図
1に示すチップ状固体電解コンデンサのコンデンサ素子
に接続される金属層の接続方法の他の実施の形態を示し
たもので、この図3(a),(b),(c),(d)に
おいて、まず(a)の工程で、直径0.4mmの丸状に
伸ばされた銀線を機械化されたチャック治具により金型
(図示せず)に供給し、銀線の長さ寸法を0.6mmに
切断する。その後、この切断された銀線の先端部のみを
成形金型で叩いて、円柱状部24aより大径の径大部2
4bを有するリベット状の金属層24を加工する。そし
て、(b)の工程で、恒温装置32に搭載したシリンジ
33内に充填された導電性接着剤25をエアー吐出器
(図示せず)からの瞬時のエアー圧力によって吐出させ
る。この場合、シリンジ33内のピストン33aが図中
の矢印Q方向に動いて1回分の吐出量が突き上げられ、
そしてシリンジ33の先端に取り付けた注射針33bか
ら導電性接着剤25を吐出させ注射針33bの先端で保
持する。この保持状態で恒温装置32に搭載したシリン
ジ33が図中の矢印O方向に移動すると、コンデンサ素
子21の陰極層23における対向面23aに0.09〜
0.11mgの導電性接着剤25が塗布される。そして
この塗布が終了した後は、図中の矢印P方向に恒温装置
32に搭載したシリンジ33を復帰させる。
【0026】次に図3(c)の工程で陰極層23におけ
る対向面23aに導電性接着剤25が塗布された状態
で、金属層24をコンデンサ素子21の陰極層23にお
ける対向面23aに装着するが、この装着は、陰極層2
3における対向面23aのほぼ中心に位置するように金
属層24が機械的に制御されて保持されている状態で、
図中の矢印S方向に金属層24の先端部を押圧手段34
に連結した金属製のバネからなる弾性体35aによって
押圧することにより行っている。この場合、コンデンサ
素子21の取り付け寸法(図中のJ寸法)が、5.35
〜5.65mmの範囲でバラツキが発生しても、コンデ
ンサ素子21への押圧力を常に100g以下になるよう
に弾性体35aを構成するバネ材を選定して、この弾性
体35aを押圧手段34に設置することにより、コンデ
ンサ素子21の誘電体酸化被膜へ影響しない押圧力とす
ることができる。すなわち、電気特性(特に漏れ電流)
に影響する100g以上の余分な押圧力のみを金属製の
バネからなる弾性体35a自身が撓んで吸収するように
すれば、金属層24への垂直方向の押圧力は常時100
g以下になるため、コンデンサ素子21の誘電体酸化被
膜への影響はなくなる。そして、図中のR方向に押圧手
段34を動かし、金属製のバネからなる弾性体35aで
の金属層24の押圧を完了させたものが、図3(d)の
状態である。この図3(d)は金属層24の装着が終了
した状態を示したもので、この状態でペースト状の導電
性接着剤25を熱硬化させることによりコンデンサ素子
21に金属層24と導電性接着剤25とからなる陰極導
出層26を構成している。このとき、熱硬化させた導電
性接着剤25は銀塗料よりなる陰極層23における対向
面23aの寸法よりも小さくなるように形成し、外装樹
脂27の側面側から露出しないようにしている。
【0027】また、上記した本発明の一実施の形態およ
び他の実施の形態にもとづく図2、図3に示す一連の
(a)〜(d)の工程は、丸状の銀線状態あるいはリベ
ット状の金属層24の状態において、その側面部を機械
化したチャック治具により一定方向で保持して加工・組
立を行うようにしているため、金属層24の方向性は必
ず一定方向になり、その結果、微小な寸法形状の金属層
24でありながら、個々にその方向性を一定方向に整列
する必要もなく機械的な自動化が容易となるものであ
る。
【0028】上記した本発明の一実施の形態および他の
実施の形態にもとづいて、完成品寸法:2×1.2×
1.2(mm)サイズの定格容量6v10uFのチップ
状固体電解コンデンサのサンプルをそれぞれ試作(n=
27613〜28501)するとともに、本発明の実施
の形態と全く同じ構成にした従来法のチップ状固体電解
コンデンサを試作(n=27605〜28056)し、
これらの不良率、電気特性の比較結果を(表1)に示
す。
【0029】
【表1】
【0030】(表1)から明らかなように本発明のチッ
プ状固体電解コンデンサの製造方法は、従来のチップ状
固体電解コンデンサの製造方法に比べて、電気特性の静
電容量(Cap)と損失角の正接(tanδ)に全く影
響を及ぼすことなく、漏れ電流(LC)のレベルを下げ
ることができ、かつ導電性接着剤の露出による外観の露
出不良と、電気特性の漏れ電流不良(LC不良)を大幅
に低減できるものである。
【0031】なお、上記した本発明の一実施の形態およ
び他の実施の形態において、弾性体35,35aとして
スポンジ状のゴムまたは金属製のバネを用いたものにつ
いて説明したが、これに限定されるものではなく、ゴム
と金属製のバネを複合した弾性体を用いても、上記実施
の形態と同様の効果が得られるものである。
【0032】また上記した本発明の一実施の形態および
他の実施の形態で示した導電性接着剤25の塗布量およ
びコンデンサ素子21の取り付け寸法、寸法公差範囲は
あくまでも一実施の形態に過ぎず、これに限定されるも
のではない。
【0033】そしてまた金属層24を構成する材料は、
本発明の一実施の形態および他の実施の形態で示した銀
に限定されるものではなく、他の材料、例えば金、銅、
ニッケル、錫やこれらの材料を主成分とする合金を用い
た場合でも、上記実施の形態と同様の効果が得られるも
のである。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明のチップ状固体電解
コンデンサの製造方法によれば、一端が表出するように
陽極導出線を埋設した弁用金属からなる陽極体に誘電体
酸化被膜と電解質層および陰極層を設けて構成したコン
デンサ素子と、このコンデンサ素子の陽極導出線の引き
出し面と対向する面に設けられ、かつ金属層と導電性接
着剤とからなる陰極導出層と、前記陽極導出線および金
属層の一部が表出するように前記コンデンサ素子と陰極
導出層を被覆する外装樹脂と、この外装樹脂の陽極導出
面および陰極導出面に形成された陽極金属層および陰極
金属層とを備えるとともに、前記金属層の接続面に導電
性接着剤を塗布する工程と、前記導電性接着剤により金
属層を前記コンデンサ素子における陰極層に接続する工
程を有し、前記金属層の接続面に導電性接着剤を塗布す
る工程において、前記導電性接着剤の充填容器を一定温
度に保持する恒温装置を設けているため、周囲環境温度
によって粘度が激しく変化するペースト状の導電性接着
剤を一定の温度に保って粘度を安定させることができ、
これにより、前記導電性接着剤の吐出量も安定したもの
が得られるため、電気特性ならびに外観形状の歩留まり
において優れたチップ状固体電解コンデンサを容易に量
産することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチップ状固体電解コンデンサを示す断
面図
【図2】(a)〜(d)図1に示すチップ状固体電解コ
ンデンサのコンデンサ素子に接続される金属層の接続方
法の一実施の形態を示す概略工程図
【図3】(a)〜(d)図1に示すチップ状固体電解コ
ンデンサのコンデンサ素子に接続される金属層の接続方
法の他の実施の形態を示す概略工程図
【図4】従来のチップ状固体電解コンデンサを示す断面
【図5】(a)〜(d)従来のチップ状固体電解コンデ
ンサのコンデンサ素子に接続される金属層の接続方法を
説明するための概略工程図
【符号の説明】
21 コンデンサ素子 22 陽極導出線 23 陰極層 24 金属層 25 導電性接着剤 26 陰極導出層 27 外装樹脂 28 陽極金属層 29 陰極金属層 32 恒温装置 33 充填容器(シリンジ) 34 押圧手段 35,35a 弾性体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森山 博通 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株 式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が表出するように陽極導出線を埋設
    した弁作用金属からなる陽極体に誘電体酸化被膜と電解
    質層および陰極層を設けて構成したコンデンサ素子と、
    このコンデンサ素子の陽極導出線の引き出し面と対向す
    る面に設けられ、かつ金属層と導電性接着剤とからなる
    陰極導出層と、前記陽極導出線および金属層の一部が表
    出するように前記コンデンサ素子と陰極導出層を被覆す
    る外装樹脂と、この外装樹脂の陽極導出面および陰極導
    出面に形成された陽極金属層および陰極金属層とを備え
    るとともに、前記金属層の接続面に導電性接着剤を塗布
    する工程と、前記導電性接着剤により金属層を前記コン
    デンサ素子における陰極層に接続する工程を有し、前記
    金属層の接続面に導電性接着剤を塗布する工程におい
    て、前記導電性接着剤の充填容器を一定温度に保持する
    恒温装置を設けたことを特徴とするチップ状固体電解コ
    ンデンサの製造方法。
  2. 【請求項2】 一端が表出するように陽極導出線を埋設
    した弁作用金属からなる陽極体に誘電体酸化被膜と電解
    質層および陰極層を設けて構成したコンデンサ素子と、
    このコンデンサ素子の陽極導出線の引き出し面と対向す
    る面に設けられ、かつ金属層と導電性接着剤とからなる
    陰極導出層と、前記陽極導出線および金属層の一部が表
    出するように前記コンデンサ素子と陰極導出層を被覆す
    る外装樹脂と、この外装樹脂の陽極導出面および陰極導
    出面に形成された陽極金属層および陰極金属層とを備え
    るとともに、前記導電性接着剤を前記コンデンサ素子に
    おける陰極層に塗布する工程と、前記導電性接着剤によ
    り前記金属層をコンデンサ素子における陰極層に接続す
    る工程を有し、前記導電性接着剤を前記コンデンサ素子
    における陰極層に塗布する工程において、前記導電性接
    着剤の充填容器を一定温度に保持する恒温装置を設けた
    ことを特徴とするチップ状固体電解コンデンサの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 一端が表出するように陽極導出線を埋設
    した弁作用金属からなる陽極体に誘電体酸化被膜と電解
    質層および陰極層を設けて構成したコンデンサ素子と、
    このコンデンサ素子の陽極導出線の引き出し面と対向す
    る面に設けられ、かつ金属層と導電性接着剤とからなる
    陰極導出層と、前記陽極導出線および金属層の一部が表
    出するように前記コンデンサ素子と陰極導出層を被覆す
    る外装樹脂と、この外装樹脂の陽極導出面および陰極導
    出面に形成された陽極金属層および陰極金属層とを備え
    るとともに、前記導電性接着剤により金属層を前記コン
    デンサ素子における陰極層に接続する工程を有し、この
    工程において弾性体を介して前記金属層をコンデンサ素
    子の陰極側に押圧するようにしたことを特徴とするチッ
    プ状固体電解コンデンサの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103065818A (zh) * 2013-01-22 2013-04-24 南通新三能电子有限公司 大型铝电解电容器固定胶灌胶装置及其灌胶方法
CN109841429A (zh) * 2019-02-26 2019-06-04 刘秋妹 一种电解电容侧向端点翻转灌胶制备设备

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