JPH09246058A - 巻鉄心 - Google Patents
巻鉄心Info
- Publication number
- JPH09246058A JPH09246058A JP8089862A JP8986296A JPH09246058A JP H09246058 A JPH09246058 A JP H09246058A JP 8089862 A JP8089862 A JP 8089862A JP 8986296 A JP8986296 A JP 8986296A JP H09246058 A JPH09246058 A JP H09246058A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silicon steel
- magnetic flux
- winding
- steel plate
- iron core
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 巻鉄心を構成する珪素鋼板の巻始め部及び巻
終り部では、磁束が集中する。この磁束の集中を回避す
ることによって、局部的な渦電流の発生並びに磁気飽和
の発生を回避することを目的とする。 【解決手段】 巻鉄心を構成する珪素鋼板の巻始め部及
び巻終り部に分布する磁束を、その珪素鋼板の長手方向
に沿って分散する構成とする。巻始め部及び巻終り部の
磁束は、珪素鋼板の長手方向に沿って分散すれば、巻始
め部及び巻終り部では磁束は集中しないようになる。
終り部では、磁束が集中する。この磁束の集中を回避す
ることによって、局部的な渦電流の発生並びに磁気飽和
の発生を回避することを目的とする。 【解決手段】 巻鉄心を構成する珪素鋼板の巻始め部及
び巻終り部に分布する磁束を、その珪素鋼板の長手方向
に沿って分散する構成とする。巻始め部及び巻終り部の
磁束は、珪素鋼板の長手方向に沿って分散すれば、巻始
め部及び巻終り部では磁束は集中しないようになる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配電用変圧器等に
使用される巻鉄心に関する。
使用される巻鉄心に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように巻鉄心は、図1に示す構成
から理解されるように、長尺状の珪素鋼板1を多層に巻
回することによって、円盤状に構成されている。このよ
うに珪素鋼板1を多層に巻回しているので、その巻鉄心
には、珪素鋼板1の巻始め部2と、巻終り部3が存在す
る。
から理解されるように、長尺状の珪素鋼板1を多層に巻
回することによって、円盤状に構成されている。このよ
うに珪素鋼板1を多層に巻回しているので、その巻鉄心
には、珪素鋼板1の巻始め部2と、巻終り部3が存在す
る。
【0003】図5は従来の巻鉄心の正面図を示すもの
で、これから理解されるように、巻始め部2、巻終り部
3における珪素鋼板1の端縁は、珪素鋼板1の長手方向
に対して直角とされている。そして珪素鋼板の巻緩みを
避けるために、巻終り部3において隣層の珪素鋼板に対
してスポット溶接している。4はそのスポット溶接部を
示す。
で、これから理解されるように、巻始め部2、巻終り部
3における珪素鋼板1の端縁は、珪素鋼板1の長手方向
に対して直角とされている。そして珪素鋼板の巻緩みを
避けるために、巻終り部3において隣層の珪素鋼板に対
してスポット溶接している。4はそのスポット溶接部を
示す。
【0004】ところでこのような構成による巻鉄心にお
いては、従来ではその内部の磁束は均一に分布されてい
ると考えられていたが、最近の数値解析技術の進歩によ
り、これが不均一であることが解明されている。たとえ
ば平成6年に電気学会静止器研究会から、岡山大学工学
部の中田 高義氏等によって発表された「巻鉄心中の磁
束分布と損失の解析並びに実験的検討」に、詳細に報告
されている。
いては、従来ではその内部の磁束は均一に分布されてい
ると考えられていたが、最近の数値解析技術の進歩によ
り、これが不均一であることが解明されている。たとえ
ば平成6年に電気学会静止器研究会から、岡山大学工学
部の中田 高義氏等によって発表された「巻鉄心中の磁
束分布と損失の解析並びに実験的検討」に、詳細に報告
されている。
【0005】巻鉄心の内部における磁束は、図1にも示
してあるように、珪素鋼板1の長手方向に沿って通る磁
束φsと、隣合う珪素鋼板間を横断する渡り磁束φtと
の存在が考えられる。渡り磁束φtは珪素鋼板に対して
ほぼ垂直に入射するので、これによって渦電流が生じ
る。
してあるように、珪素鋼板1の長手方向に沿って通る磁
束φsと、隣合う珪素鋼板間を横断する渡り磁束φtと
の存在が考えられる。渡り磁束φtは珪素鋼板に対して
ほぼ垂直に入射するので、これによって渦電流が生じ
る。
【0006】このような渡り磁束φtに対応する磁束密
度Btは、巻鉄心の内部では均一であると考えられてい
たが、前記した報告によれば、巻始め部2及び巻終り部
3に対応する部分に集中していることが判明した。この
ような磁束密度Btの集中により、この部分での局部的
な渦電流が発生する。また前記した磁束φsに対応する
磁束密度Bsも、巻始め部2及び巻終り部3に対応する
部分に集中していることが判明しており、この部分での
鉄心の磁気的飽和も懸念される。
度Btは、巻鉄心の内部では均一であると考えられてい
たが、前記した報告によれば、巻始め部2及び巻終り部
3に対応する部分に集中していることが判明した。この
ような磁束密度Btの集中により、この部分での局部的
な渦電流が発生する。また前記した磁束φsに対応する
磁束密度Bsも、巻始め部2及び巻終り部3に対応する
部分に集中していることが判明しており、この部分での
鉄心の磁気的飽和も懸念される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、巻鉄心を構
成する珪素鋼板の巻始め部及び巻終り部における磁束の
集中を回避することによって、局部的な渦電流の発生並
びに磁気飽和の発生を回避することを目的とする。
成する珪素鋼板の巻始め部及び巻終り部における磁束の
集中を回避することによって、局部的な渦電流の発生並
びに磁気飽和の発生を回避することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、巻鉄心を構成
する珪素鋼板の巻始め部及び巻終り部において、ここに
分布する磁束を、その珪素鋼板の長手方向に沿って分散
する構成としたことを特徴とする。
する珪素鋼板の巻始め部及び巻終り部において、ここに
分布する磁束を、その珪素鋼板の長手方向に沿って分散
する構成としたことを特徴とする。
【0009】珪素鋼板の巻始め部及び巻終り部におい
て、磁束は珪素鋼板の長手方向に分散するので、巻始め
部及び巻終り部における磁束の集中は減少し、その各部
における渦電流の発生は軽減される。また珪素鋼板の長
手方向に向かう磁束の集中も緩和され、磁気飽和の発生
も減少する。
て、磁束は珪素鋼板の長手方向に分散するので、巻始め
部及び巻終り部における磁束の集中は減少し、その各部
における渦電流の発生は軽減される。また珪素鋼板の長
手方向に向かう磁束の集中も緩和され、磁気飽和の発生
も減少する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図により説
明する。図1に示すものは、珪素鋼板1の巻始め部2及
び巻終り部3における端縁を、珪素鋼板の長手方向に対
して傾斜するように斜めに切断した構成である。
明する。図1に示すものは、珪素鋼板1の巻始め部2及
び巻終り部3における端縁を、珪素鋼板の長手方向に対
して傾斜するように斜めに切断した構成である。
【0011】前記のように磁束は、珪素鋼板1の巻始め
部2及び巻終り部3における端縁に沿って集中すると考
えられるので、このように端縁が傾斜する形状とすれ
ば、その斜め方向、したがって珪素鋼板1の長手方向に
沿って磁束は分散する。これによりこの部分での磁束密
度は低減される。
部2及び巻終り部3における端縁に沿って集中すると考
えられるので、このように端縁が傾斜する形状とすれ
ば、その斜め方向、したがって珪素鋼板1の長手方向に
沿って磁束は分散する。これによりこの部分での磁束密
度は低減される。
【0012】図2の正面図で示す別の例は、巻始め部2
及び巻終り部3における端縁を、山形に切断した実施形
態である。この構成のものも図1に示す構成と同様に珪
素鋼板1の長手方向に沿って磁束は分散する。図1及び
図2では、巻終り部3においてスポット溶接によって固
定しているが、たとえば緊締バンドなどによって締めめ
付けるなど、他の手段によって固定するようにしてもよ
い。
及び巻終り部3における端縁を、山形に切断した実施形
態である。この構成のものも図1に示す構成と同様に珪
素鋼板1の長手方向に沿って磁束は分散する。図1及び
図2では、巻終り部3においてスポット溶接によって固
定しているが、たとえば緊締バンドなどによって締めめ
付けるなど、他の手段によって固定するようにしてもよ
い。
【0013】図3の正面図で示す別の例は、巻始め部2
及び巻終り部3における端縁を、従来と同じように直角
に切断し、かつ固定のためにスポット溶接を利用した場
合において、そのスポット溶接を、珪素鋼板1の長手方
向に沿って複数箇所にわたって行なうものである。前記
のようにスポット溶接は、隣合う2層の珪素鋼板同志を
固定する。そのためにこのスポット溶接部分より隣り合
う層の珪素鋼板間で磁束が渡り合う。
及び巻終り部3における端縁を、従来と同じように直角
に切断し、かつ固定のためにスポット溶接を利用した場
合において、そのスポット溶接を、珪素鋼板1の長手方
向に沿って複数箇所にわたって行なうものである。前記
のようにスポット溶接は、隣合う2層の珪素鋼板同志を
固定する。そのためにこのスポット溶接部分より隣り合
う層の珪素鋼板間で磁束が渡り合う。
【0014】しかし図3に示すようにこのスポット溶接
を、珪素鋼板1の長手方向に沿って分散させておけば、
隣層に向かう磁束も珪素鋼板1の長手方向に沿って分散
するようになり、したがって巻始め部2及び巻終り部3
における磁束の集中は回避され、したがって磁束密度が
低減する。図3は溶接箇所を二列としているが、図4に
示すようにこれを一列としてもよい。
を、珪素鋼板1の長手方向に沿って分散させておけば、
隣層に向かう磁束も珪素鋼板1の長手方向に沿って分散
するようになり、したがって巻始め部2及び巻終り部3
における磁束の集中は回避され、したがって磁束密度が
低減する。図3は溶接箇所を二列としているが、図4に
示すようにこれを一列としてもよい。
【0015】以上説明した構成は、珪素鋼板を環状に巻
回して巻鉄心としたものであるが、これに限られるもの
ではなく、たとえばこれを矩形状に構成した巻鉄心につ
いても、本発明は適用される。
回して巻鉄心としたものであるが、これに限られるもの
ではなく、たとえばこれを矩形状に構成した巻鉄心につ
いても、本発明は適用される。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、珪
素鋼板を巻回して構成する巻鉄心の巻始め部及び巻終り
部における磁束の集中を回避することにより、その部分
での渦電流の発生を低減するとともに、磁束密度の減少
を図ることができる効果を奏する。
素鋼板を巻回して構成する巻鉄心の巻始め部及び巻終り
部における磁束の集中を回避することにより、その部分
での渦電流の発生を低減するとともに、磁束密度の減少
を図ることができる効果を奏する。
【図1】本発明の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の別の実施形態を示す正面図である。
【図3】本発明の更に別の実施形態を示す正面図であ
る。
る。
【図4】本発明の更に別の実施形態を示す正面図であ
る。
る。
【図5】従来例を示す正面図である。
1 珪素鋼板 2 巻始め部 3 巻終り部 4 スポット溶接部
Claims (1)
- 【請求項1】 珪素鋼板を多層に巻回して構成される巻
鉄心において、前記珪素鋼板の巻始め部及び巻終り部に
分布する磁束が、前記珪素鋼板の長手方向に沿って分散
する構成としてある巻鉄心。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8089862A JPH09246058A (ja) | 1996-03-06 | 1996-03-06 | 巻鉄心 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8089862A JPH09246058A (ja) | 1996-03-06 | 1996-03-06 | 巻鉄心 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09246058A true JPH09246058A (ja) | 1997-09-19 |
Family
ID=13982602
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8089862A Pending JPH09246058A (ja) | 1996-03-06 | 1996-03-06 | 巻鉄心 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09246058A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005303001A (ja) * | 2004-04-12 | 2005-10-27 | Mitsuo Ebisawa | トロイダルコイルのコア体 |
JP2007142065A (ja) * | 2005-11-17 | 2007-06-07 | Sht Corp Ltd | 零相変流器 |
JP2009267046A (ja) * | 2008-04-24 | 2009-11-12 | Diamond Electric Mfg Co Ltd | 内燃機関の点火装置 |
JP2010123993A (ja) * | 2010-02-01 | 2010-06-03 | Toshiba Corp | 薄型磁性コアの製造方法および磁性部品の製造方法 |
JP2021170658A (ja) * | 2017-02-15 | 2021-10-28 | 株式会社村田製作所 | 積層セラミック電子部品の製造方法 |
-
1996
- 1996-03-06 JP JP8089862A patent/JPH09246058A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005303001A (ja) * | 2004-04-12 | 2005-10-27 | Mitsuo Ebisawa | トロイダルコイルのコア体 |
JP2007142065A (ja) * | 2005-11-17 | 2007-06-07 | Sht Corp Ltd | 零相変流器 |
JP2009267046A (ja) * | 2008-04-24 | 2009-11-12 | Diamond Electric Mfg Co Ltd | 内燃機関の点火装置 |
JP2010123993A (ja) * | 2010-02-01 | 2010-06-03 | Toshiba Corp | 薄型磁性コアの製造方法および磁性部品の製造方法 |
JP2021170658A (ja) * | 2017-02-15 | 2021-10-28 | 株式会社村田製作所 | 積層セラミック電子部品の製造方法 |
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