JPH07283036A - 変圧器鉄芯の騒音低減方法 - Google Patents

変圧器鉄芯の騒音低減方法

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JPH07283036A
JPH07283036A JP6069754A JP6975494A JPH07283036A JP H07283036 A JPH07283036 A JP H07283036A JP 6069754 A JP6069754 A JP 6069754A JP 6975494 A JP6975494 A JP 6975494A JP H07283036 A JPH07283036 A JP H07283036A
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JP
Japan
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iron core
steel plate
core
magnetic flux
steel
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP6069754A
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English (en)
Inventor
Masahito Mizogami
雅人 溝上
Takashi Mogi
尚 茂木
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPH07283036A publication Critical patent/JPH07283036A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変圧器鉄芯の接合部に処理を加えることで、
鉄芯が発する騒音を低減する。 【構成】 鋼板の突き合わせ位置が、板の一定枚数毎に
交互になっている鉄芯接合部において、突き合わせ位置
が同じである鋼板群を1つのグループと見なす。そのグ
ループの突き合わせ面を結んでできる仮想平面がもう一
方の鋼板グループと交差する位置において鋼板のその部
分に歪みを導入するか、あるいはその部分の鋼板の板厚
を減少させる。 【効果】 接合部の鋼板重ね合わせ部分に渡り磁束数が
低下し、鋼板間に働く吸引力が低下するため、振動が小
さくなり、騒音を低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変圧器鉄芯の改良方法
に関するもので、さらに詳しくいえば、鉄芯の一部分を
処理・加工することによって、鉄芯が発する騒音を低減
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】変圧器鉄芯は積鉄芯の場合、複数の部分
から成っており、図4の例ではア,イ,ウ,エの4つの
構成部分から成っている。それらの構成部分が互いに接
する面は平面でなく、相対する構成部分と噛み合うよう
に、鋼板積層時に一定枚数毎に端面位置をずらしてい
る。よって、図4のa−a′の位置の断面の例を示すと
図5のようになる。鋼板突き合わせ位置をずらせること
の目的は、互いに相手の構成部分の鋼板との接触面積を
増すことにより、接合部の磁気抵抗を減少させるためで
ある。
【0003】通常、鋼板端部の突き合わせ部分は工作精
度等の問題から密着させることは困難で、空隙が生じ
る。一方、重ね合わせた部分は鋼板間に若干の空隙があ
るとしても、その空隙を磁路として見たときの断面積
は、突き合わせ部分の空隙の断面積の数十倍である。空
隙の磁気抵抗は次の(1)式で表される。 R=l/(μ0 ・S) …………………………………………(1) R :磁気抵抗 〔A/Wb〕 l :空隙の長さ 〔m〕 μ0 :真空の透磁率〔H/m〕 S :空隙の断面積〔m2
【0004】磁気抵抗は磁路の断面積に反比例するの
で、重ね合わせによって接合部の磁気抵抗は大きく低下
する。従って、磁束の流れは図6に示すようになり、ほ
とんどの磁束は突き合わせ部分を通過しない。この鋼板
の一部を重ね合わせる方法は、変圧器の励磁電流を下
げ、また、接合部からの漏れ磁束を減らすために必須で
ある。
【0005】ところが、この方法で生じる重ね合わせ部
分を通過する磁束は、鉄芯が発する騒音の原因の1つと
なっている。すなわち、重ね合わせた部分の鋼板間の空
隙を流れる磁束によって鋼板表面に磁極が発生し、鋼板
同士に吸引力を生じる。この吸引力は、鋼板の透磁率が
空気に対して十分高い場合、近似的に次の(2)式で表
される。 F=B2 /(2・μ0 ) …………………………………………(2) F :単位面積当たりの吸引力〔N/m2 〕 B :空隙の磁束密度〔T〕 μ0 :真空の透磁率 〔H/m〕
【0006】この吸引力は磁束密度が変化するとともに
変化するため、鋼板が振動して騒音を発生する。鉄芯は
締め付けられているため、鋼板間の空隙は生じないはず
であるが、現実には締め付けが不十分であったり、締め
付け力が不均一であったりするため、実際には空隙が生
じており、鋼板は容易に振動する。
【0007】この振動を低減するには、(2)式から分
かるように空隙の磁束密度を下げれば良い。その手段の
1つとして、突き合わせ部分を階段状に配置する、ステ
ップラップと呼ばれる方法がある。この方法での磁束の
流れを図7に示す。図6のb−b′の範囲を通過する磁
束量は、一枚の鋼板内を流れてきた磁束量の約2倍であ
る。一方、図4のステップラップ法では、c−c′の範
囲を通過する磁束量は、一枚の鋼板を流れてきた磁束量
にほぼ等しく、b−b′を通過する磁束量のほぼ半分と
なるため、吸引力が減少し騒音が低減される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ステップラップ法は以
上のような長所をもっているが、鉄芯製造面から見る
と、突き合わせ部分の位置をずらす毎に、それに対応す
る寸法の鋼板を用いる必要があり、多種類の寸法の鋼板
を準備・使用する必要がある。また、鋼板積層時に、突
き合わせ部分の位置を一定層数毎に一定距離ずつずらし
て配置する必要がある。従って、鋼板せん断作業や鉄芯
積層作業等の製造工程の複雑化によって製造コストが増
加するという欠点を持つ。
【0009】本発明は、このような変圧器鉄心の製作す
る場合において、製造コスト増加を抑えながら騒音を低
減する方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1の斜線部
分dに相当する部分で、板幅全長にわたって歪みを導入
するか、あるいは板厚を減少させるものである。歪みを
導入する方法としては、レーザービーム照射、歯形押し
付け、針・ボールペン等によるけがき等がある。一方、
板厚を減少させる方法としては、歯形押し込み、機械的
研磨、酸による腐食、非磁性体埋め込み等があるが、こ
れらの方法は巻鉄芯のような歪み取り焼鈍を行う鉄芯に
も用いることができる。
【0011】
【作用】図1の斜線部分dに施される歪み導入や板厚減
少は、その部分の磁気抵抗値を増す。これによって、図
2に示すように、図1の斜線部分dを通過する磁束量は
減少し、e−e′の範囲の磁束量も減少する。すなわ
ち、層間を渡る磁束量は減少することになり、吸引力も
減少し、騒音が低減される。一方、突き合わせ部分を通
過する磁束量は増加し吸引力が発生するが、鋼板が積層
されるために生じる摩擦力のため長手方向には動き難
く、振動はない。
【0012】本発明を実現する方法としては、鋼板のせ
ん断時にせん断位置から一定距離だけ離れた部分に処理
を施すだけで良いので、せん断装置の改造を行うだけで
良く、鉄芯の製造コスト上昇を低く抑えることができ
る。
【0013】ところで、本発明を用いると、接合部全体
としての磁気抵抗が増して励磁電流が増加すると考えら
れるが、実際には鋼板内を板面垂直方向に流れる磁束が
減少し、渦電流が減少するため、励磁電流の増加は少な
い。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。一
方向性電磁鋼板を用い、図3に示す3相3脚積鉄芯を製
作した。図3(a)はn層目を、(b)はn+1または
n−1層目を示す。鉄芯内の実線は各層の鋼板突き合わ
せ位置を示し、破線はその層に隣接する層の鋼板突き合
わせ位置を示す。
【0015】歪みを導入する方法として、YAGパルス
レーザー照射を用いた。図3の破線上でレーザービーム
をスキャンさせた。レーザー照射条件は、ビームエネル
ギーを3.3mJ/pulse、パルス痕間隔を0.1mmとし
た。レーザー照射前後での鉄芯の騒音測定値と励磁VA
および騒音低減量を表1に示す。鉄芯の励磁周波数は5
0Hzである。
【0016】表から分かるように、騒音は約2dB(A)
低減されている。また、作用のところで述べたように、
励磁VAの増加は見られない。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】以上説明した本発明によって、変圧器鉄
芯の騒音の低減を、製造コスト増加を抑えながら実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明での処理実施部分を示す鉄芯接合部断面
図。
【図2】本発明実施後の鉄芯接合部での磁束の流れ。
【図3】本発明の実施例として用いた3相3脚積鉄芯。
【図4】単相積鉄芯平面図。
【図5】図1a−a′で示す位置の断面図。
【図6】図2で示す鉄芯接合部での磁束の流れ。
【図7】ステップラップ法を用いた鉄芯接合部での磁束
の流れ。
【符号の説明】
ア,イ,ウ,エ 積鉄芯の構成部分

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層された複数枚数の鋼板が閉磁路を形
    成するような鉄芯であって、積層鋼板の突き合わせ位置
    が一定枚数毎に変更され交互に配置されている変圧器鉄
    芯の騒音低減方法において、1つの突き合わせ面を形成
    する鋼板群の両隣の鋼板群の前記突き合わせ面に対応す
    る位置において、部分的に歪みを付与する、あるいは部
    分的に鋼板の板厚を減少させることを特徴とする変圧器
    鉄芯の騒音低減方法。
JP6069754A 1994-04-07 1994-04-07 変圧器鉄芯の騒音低減方法 Withdrawn JPH07283036A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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