JPH11111516A - 積鉄心用の方向性電磁鋼板 - Google Patents

積鉄心用の方向性電磁鋼板

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JPH11111516A
JPH11111516A JP9272521A JP27252197A JPH11111516A JP H11111516 A JPH11111516 A JP H11111516A JP 9272521 A JP9272521 A JP 9272521A JP 27252197 A JP27252197 A JP 27252197A JP H11111516 A JPH11111516 A JP H11111516A
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JP
Japan
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linear notch
linear
steel sheet
noise
longitudinal direction
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Withdrawn
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JP9272521A
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English (en)
Inventor
Seiji Okabe
誠司 岡部
Masayoshi Ishida
昌義 石田
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積鉄心トランスの45°接合部における磁歪の
増加に起因した騒音の増大を効果的に低減する。 【解決手段】 鋼板の長手方向に対して70〜85°の角度
範囲を満足する線状の刻み目を、鋼板表面に反復して形
成し、この線状刻み目の形成パターンを、積鉄心として
使用する長さの間で反転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、積鉄心用の方向
性電磁鋼板(鋼帯も含む。以下同じ。)に関し、特に45
°接合部における磁歪の増加に伴う騒音の増大を効果的
に低減しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】トランス用材料としては、鉄損低減の観
点から、一般に方向性電磁鋼板が用いられている。しか
も、最近では、かような方向性電磁鋼板について、鉄損
の一層の低減を図るために、その表面に線状の刻み目を
形成することが行われている(たとえば特公平3-69968
号公報)。この方法によって製造された電磁鋼板は、通
常、幅方向に連続した直線状の刻み目を持ち、長手方向
に対する角度を90°よりも10°程度小さくすることによ
って磁束密度の低下を防止している。
【0003】ところで、一般に、電磁鋼板を用いてトラ
ンスの積鉄心を組み立てる際には、鋼板同士の接合部を
45°接合にすると効率が良くなることが知られている。
しかしながら一方で、このようないわゆる45°接合部で
は、磁束が長手方向(圧延方向)と平行にはならず、幅
方向の成分も持つようになることから、環流磁区の発生
に起因して磁歪が増加し、それに伴い騒音が増大する不
利が生じる。
【0004】しかも、トランス素材として、上記したよ
うな線状の刻み目を付加した方向性電磁鋼板を使用した
場合には、鋼板に付加した線状刻み目の配置条件次第で
は、この騒音が一層増大するという現象を見出された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記の問
題を有利に解決するもので、トランス素材として線状の
刻み目を付加した方向性電磁鋼板を用いた場合であって
も、積鉄心の45°接合部における騒音の増大を効果的に
低減することができる、積鉄心用の方向性電磁鋼板を提
案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
鋼板の長手方向に対して70〜85°の角度範囲を満足する
線状の刻み目を、鋼板表面に反復して形成し、この線状
刻み目の形成パターンを、積鉄心として使用する長さの
間で反転させたことを特徴とする積鉄心用の方向性電磁
鋼板(第1発明)である。
【0007】また、この発明は、鋼板の中心線を対称軸
としてその両側にそれぞれ、鋼板の長手方向に対して70
〜85°の角度範囲を満足する線状の刻み目を、鋼板表面
に反復して形成し、この線状刻み目の形成パターンを、
積鉄心として使用する長さの間で反転させたことを特徴
とする積鉄心用の方向性電磁鋼板(第2発明)である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図面に基づき具
体的に説明する。積鉄心の45°接合部では、線状刻み目
と長手方向が成す角度が80°の場合、図1に示すよう
に、線状刻み目と接合斜辺との成す角度は35°または55
°となるが、35°の場合は55°の場合に比べて騒音が大
きいことが判明した。しかも、この現象は、渦電流によ
り励磁が過大となる条件で特に著しくなる傾向にあっ
た。
【0009】このように、接合斜辺における線状刻み目
の配置条件に応じて騒音が増減する理由は、磁束密度が
幅方向の成分を持った場合に、線状刻み目によって生じ
る反磁界の影響が、35°の場合の方がより大きいためで
あると考えられる。
【0010】そこで、発明者らは、図2に示すように、
線状刻み目の形成パターンを、積鉄心として使用する長
さの間で反転させ、両端部とも接合斜辺と線状刻み目の
成す角度を55°としたところ、45°接合部における磁歪
ひいては騒音の低減に関し、望外の成果が得られたので
ある。
【0011】ここに、線状刻み目の形成パターンの反転
位置は、必ずしも図示したように、長手方向の中心とす
る必要はなく、両端の接合斜辺域を除く中央域であれば
何処でも良い。また、線状刻み目の形成パターンの反転
は、必ずしも1回である必要はなく、3回または5回等
の奇数回であれば、両端部には図2と同じ配置となるの
で、同等の効果が得られる。
【0012】ところで、トランス用材料としては、上記
したような45°接合部を持つものとは別に、三相トラン
スの中央脚として使用する場合のように、先端がV型に
切断され磁束が両側に向くいわゆる両45°接合部を持つ
ものがある。このような材料においては、図2に示した
ところに従い、線状刻み目の形成パターンを、積鉄心と
して使用する長さの間で反転させたとしても、図3に示
すように、両45°接合部の接合斜辺の一辺については線
状刻み目と接合斜辺との成す角度が35°となるので、や
はり騒音の発生は免れ得ない。
【0013】そこで、このような場合には、図4に示す
ように、鋼板の中心線を基準としてその両側で対象とな
るように、線状の刻み目を形成するのである。このよう
な線状刻み目を形成すれば、両45°接合部の各接合斜辺
と線状刻み目との成す角はいずれも55°となるので、騒
音の発生を効果的に低減できるのである。
【0014】なお、上記した45°接合部および両45°接
合部において、接合斜辺の長手方向との成す角度は、厳
密に45°とする必要はなく、35〜55°の範囲であれば同
等の効果が得られることが確認されている。
【0015】
【作用】この発明において、線状刻み目の幅、深さおよ
び間隔等は、特公平3-69968号等に示されるような従来
公知の条件、すなわち線状刻み目の幅:30〜300 μm 、
深さ:10〜70μm 、間隔:1mm以上程度で良いが、線状
刻み目が長手方向と成す角度は70〜85°の範囲に制限す
る必要がある。というのは、線状刻み目と長手方向との
成す角度が、70°よりも小さいと長手方向に励磁した場
合の鉄損の増大が大きく、一方85°よりも大きいと長手
方向に励磁した場合の磁束密度の低下が大きくなるだけ
でなく、45°接合部での騒音軽減効果が低下するからで
ある。
【0016】図5に、線状刻み目と長手方向が成す角度
とモデルトランスの鉄損および騒音との関係について調
べた結果を示す。同図に示したとおり、角度が70°より
小さいと鉄損が増大し、一方85°より大きいと騒音が増
大してしる。
【0017】また、線状刻み目を形成する手法として
は、レジストを印刷して局所的に電解エッチングする方
法をはじめとして、ボールペンスクラッチ、刃物による
切り込み、ブラシロール、高圧水、クラインダ、ショッ
ト、歯形ロール、線状歯プレス、放電加工、プラズマ
炎、電子ビーム、レーザおよび酸洗等、どのような機械
的、熱的、化学的方法であっても、鋼板表面に連続的ま
たは断続的に線状の凹みを形成できる方法であればいず
れもが適合する。
【0018】さらに、このような線状刻み目の加工は、
最終冷延板、脱炭焼鈍板、仕上げ焼鈍板およびコーティ
ング塗布板のいずれに施しても良い。また、線状刻み目
の周囲に加工の影響による微細結晶粒が生成する場合は
勿論、線状刻み目に鋼板と同一組成または異なる組成を
埋め込む場合であっても、この発明のパターンは有効に
作用する。なお、この発明において、電磁鋼板の成分組
成は特に限定されることはなく、いわゆる方向性電磁鋼
板であればいずれもが適合する。
【0019】
【実施例】
実施例1 同一ロットの母材コイルに対し、図1および図2に示す
線状刻み目をそれぞれ形成した電磁鋼板を用いて、単相
のモデルトランスを作成し、1.7 T,50 Hz で励磁した
ときの騒音を測定した。この時、線状刻み目が長手方向
と成す角度は80°とし、線状刻み目の幅:150μm 、深
さ:20μm 、繰り返し間隔:3mmとした。またモデルト
ランスは、脚およびヨーク幅が80mm、長辺が300 mm、短
辺が220mmの内鉄型単相積鉄心構造で、0.23mm厚の方向
性電磁鋼板を 120枚積層したものである。
【0020】図1に示した、従来の線状刻み目を付加し
た電磁鋼板を使用した場合の騒音は45.5 dBであったの
に対し、図2に示した、この発明に従う線状刻み目を付
加した電磁鋼板を使用した場合の騒音は 43.3 dBであ
り、満足いく騒音の低減が認められた。なお、鉄損は両
者とも同じであった。
【0021】実施例2 実施例1で用いた母材コイルに対し、図1,図2,図3
および図4に示す線状刻み目をそれぞれ形成した電磁鋼
板を用いて、三相のモデルトランスを作成し、1.7 T,
50 Hz で励磁したときの騒音を測定した。この時の、線
状刻み目が長手方向と成す角度は80°、線状刻み目の幅
は 150μm 、深さは20μm 、繰り返し間隔は3mmとし
た。またモデルトランスは、脚およびヨーク幅が 150m
m、外寸が 750mm×750mm の内鉄型三相三脚積鉄心構造
で、0.23mm厚の方向性電磁鋼板を 150枚積層した。
【0022】鉄心の全ての部分に図1に示した従来の線
状刻み目を付加した電磁鋼板を使用した場合の騒音は 5
5.2 dBであった。これに対し、中央脚に図3、その他の
部分に図2の電磁鋼板を使用した場合の騒音は 53.9 dB
であり、さらに中央脚に図4の電磁鋼板を用いた場合に
は、騒音を 52.4 dBまで低減することができた。
【0023】
【発明の効果】かくして、この発明によれば、従来、ト
ランスの45°接合部において懸念された磁歪の増加に起
因した騒音の増大を効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】45°接合部を有する鉄心材料に対する、従来の
線状刻み目の形成パターンを示した図である。
【図2】45°接合部を有する鉄心材料に対する、この発
明に従う線状刻み目の形成パターンを示した図である。
【図3】両45°接合部を有する鉄心材料に対して、線状
刻み目の形成パターンを、積鉄心として使用する長さの
間で反転させた状態を示した図である。
【図2】図3に示す線状刻み目の形成パターンを、鋼板
の中心線を対称軸としてさらに反転させた状態を示した
図である。
【図5】線状刻み目が長手方向と成す角度と、鉄損およ
びモデルトランス騒音との関係を示したグラスである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年12月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】45°接合部を有する鉄心材料に対する、従来の
線状刻み目の形成パターンを示した図である。
【図2】45°接合部を有する鉄心材料に対する、この発
明に従う線状刻み目の形成パターンを示した図である。
【図3】両45°接合部を有する鉄心材料に対して、線状
刻み目の形成パターンを、積鉄心として使用する長さの
間で反転させた状態を示した図である。
【図4】図3に示す線状刻み目の形成パターンを、鋼板
の中心線を対称軸としてさらに反転させた状態を示した
図である。
【図5】線状刻み目が長手方向と成す角度と、鉄損およ
びモデルトランス騒音との関係を示したグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の長手方向に対して70〜85°の角度
    範囲を満足する線状の刻み目を、鋼板表面に反復して形
    成し、この線状刻み目の形成パターンを、積鉄心として
    使用する長さの間で反転させたことを特徴とする積鉄心
    用の方向性電磁鋼板。
  2. 【請求項2】 鋼板の中心線を対称軸としてその両側に
    それぞれ、鋼板の長手方向に対して70〜85°の角度範囲
    を満足する線状の刻み目を、鋼板表面に反復して形成
    し、この線状刻み目の形成パターンを、積鉄心として使
    用する長さの間で反転させたことを特徴とする積鉄心用
    の方向性電磁鋼板。
JP9272521A 1997-10-06 1997-10-06 積鉄心用の方向性電磁鋼板 Withdrawn JPH11111516A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007308770A (ja) * 2006-05-19 2007-11-29 Jfe Steel Kk 低鉄損方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP2017532447A (ja) * 2014-08-28 2017-11-02 ポスコPosco 方向性電磁鋼板の磁区微細化方法と磁区微細化装置およびこれから製造される方向性電磁鋼板
WO2019125067A1 (ko) * 2017-12-21 2019-06-27 주식회사 포스코 변압기 철심 가공장치 및 변압기 철심 가공방법

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Effective date: 20041207