JP2003217939A - 電気機器用鉄心 - Google Patents
電気機器用鉄心Info
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- JP2003217939A JP2003217939A JP2002010162A JP2002010162A JP2003217939A JP 2003217939 A JP2003217939 A JP 2003217939A JP 2002010162 A JP2002010162 A JP 2002010162A JP 2002010162 A JP2002010162 A JP 2002010162A JP 2003217939 A JP2003217939 A JP 2003217939A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 方向性電磁鋼板を積層して作成する、損失や
騒音レベルの低い電気機器用鉄心を提供すること。 【解決手段】 長手方向に強度が増加あるいは減少する
歪みが導入された方向性電磁鋼板を使用する。また、鉄
心接合部に直交する断面内で鋼板突き合わせ位置が2列
に並ぶ様に鋼板が配置された鉄心において、その2列の
中心線に交差しない位置に配置される鋼板として、突合
せ端部から歪みが漸減するような鋼板を用いる。また、
鉄心接合部に直交する断面内で鋼板突き合わせ位置が3
列以上に並ぶ様に鋼板が配置された鉄心においては、そ
れら列の中心線から端面が最も離れ、かつその中心線に
交差しない位置に配置される鋼板として、突合せ端部か
ら歪みが漸減するような鋼板を用いる。
騒音レベルの低い電気機器用鉄心を提供すること。 【解決手段】 長手方向に強度が増加あるいは減少する
歪みが導入された方向性電磁鋼板を使用する。また、鉄
心接合部に直交する断面内で鋼板突き合わせ位置が2列
に並ぶ様に鋼板が配置された鉄心において、その2列の
中心線に交差しない位置に配置される鋼板として、突合
せ端部から歪みが漸減するような鋼板を用いる。また、
鉄心接合部に直交する断面内で鋼板突き合わせ位置が3
列以上に並ぶ様に鋼板が配置された鉄心においては、そ
れら列の中心線から端面が最も離れ、かつその中心線に
交差しない位置に配置される鋼板として、突合せ端部か
ら歪みが漸減するような鋼板を用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気機器に使用する
ための鉄心で、方向性電磁鋼板を積層することによって
作製される突合せ接合部を有する鉄心に関するものであ
る。
ための鉄心で、方向性電磁鋼板を積層することによって
作製される突合せ接合部を有する鉄心に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電気機器の鉄心に関する主な技術課題と
して、損失と騒音の低減がある。損失は鉄心使用時の交
流磁化によって鉄心内で無駄なエネルギが消費されてし
まうもので、全ての変圧器やモータでの損失を総計する
と無視できないエネルギの浪費となるため、損失低減の
努力が続けられている。また、騒音は鉄心使用時の交流
磁化によって鉄心が振動し音を発するもので、大型機器
では近隣住民の、小型機器では使用者の快適さを阻害す
るものとなるため、これも低減の努力が続けられてい
る。
して、損失と騒音の低減がある。損失は鉄心使用時の交
流磁化によって鉄心内で無駄なエネルギが消費されてし
まうもので、全ての変圧器やモータでの損失を総計する
と無視できないエネルギの浪費となるため、損失低減の
努力が続けられている。また、騒音は鉄心使用時の交流
磁化によって鉄心が振動し音を発するもので、大型機器
では近隣住民の、小型機器では使用者の快適さを阻害す
るものとなるため、これも低減の努力が続けられてい
る。
【0003】上記の課題を解決するための方策の一つと
して、鉄心の材料として用いられる方向性電磁鋼板の改
善が行われている。まず損失については方向性電磁鋼板
の鉄損特性でほぼ決定されるため、鉄損の低い鋼板の開
発が続けられている。この方法としては、鋼の電気抵抗
を増加させる元素、例えばSiの含有率を上げたり、結
晶方位の(110)[001]への集積度を上げたり、
磁区を細分化させる処理などが検討され実用化されてい
る。また、騒音については方向性電磁鋼板の磁歪特性が
関係しているため、磁歪の小さな鋼板の開発が続けられ
ている。この方法としては、磁歪を変化させる効果の大
きい元素であるSiの含有率を適当なものとしたり、結
晶方位の(110)[001]への集積度を上げる手段
などが検討され実用化されている。
して、鉄心の材料として用いられる方向性電磁鋼板の改
善が行われている。まず損失については方向性電磁鋼板
の鉄損特性でほぼ決定されるため、鉄損の低い鋼板の開
発が続けられている。この方法としては、鋼の電気抵抗
を増加させる元素、例えばSiの含有率を上げたり、結
晶方位の(110)[001]への集積度を上げたり、
磁区を細分化させる処理などが検討され実用化されてい
る。また、騒音については方向性電磁鋼板の磁歪特性が
関係しているため、磁歪の小さな鋼板の開発が続けられ
ている。この方法としては、磁歪を変化させる効果の大
きい元素であるSiの含有率を適当なものとしたり、結
晶方位の(110)[001]への集積度を上げる手段
などが検討され実用化されている。
【0004】以上は方向性電磁鋼板の素材特性の改善に
関するものであるが、実際には鉄心として製作された後
で初めて発現する問題もあり、これについても改善策が
考案されてきている。この問題は鉄心構造に起因するも
ので、特に三相の積み鉄心の3つの磁気回路が合流する
T接合部について磁束の流れの複雑化の悪影響を低減さ
せる方法が考案されている。
関するものであるが、実際には鉄心として製作された後
で初めて発現する問題もあり、これについても改善策が
考案されてきている。この問題は鉄心構造に起因するも
ので、特に三相の積み鉄心の3つの磁気回路が合流する
T接合部について磁束の流れの複雑化の悪影響を低減さ
せる方法が考案されている。
【0005】例えば特開昭54−84229号公報で
は、3相3脚内鉄型変圧器鉄心のT接合部のような回転
磁束の存在する領域の鋼板に、適切な罫書模様による微
少な局部的歪みを導入した表面加工を施し、T接合部に
おける鉄損の低減を図るという方法が示されている。ま
た、特許第1307188号では、3相変圧器鉄心の回
転磁束が生じやすいT接合部に予めレーザービームを照
射して歪みを導入することにより、T接合部の鉄損を減
少させるという方法が示されている。また、特開200
0−294432号公報ではT接合部でヨークと接する
脚用電磁鋼板のT接合領域に2次元的な歪み領域または
1次元的な線状歪みの繰り返し領域を10%以上の面積
率で付与するという方法が示されている。
は、3相3脚内鉄型変圧器鉄心のT接合部のような回転
磁束の存在する領域の鋼板に、適切な罫書模様による微
少な局部的歪みを導入した表面加工を施し、T接合部に
おける鉄損の低減を図るという方法が示されている。ま
た、特許第1307188号では、3相変圧器鉄心の回
転磁束が生じやすいT接合部に予めレーザービームを照
射して歪みを導入することにより、T接合部の鉄損を減
少させるという方法が示されている。また、特開200
0−294432号公報ではT接合部でヨークと接する
脚用電磁鋼板のT接合領域に2次元的な歪み領域または
1次元的な線状歪みの繰り返し領域を10%以上の面積
率で付与するという方法が示されている。
【0006】これらの方法はいずれも積層構造の鉄心の
1層の面内での磁束の流れの複雑化に対応するものであ
り、それぞれ効果的であると考えられる。しかし、実際
の鉄心では積層方向すなわち層の面に垂直な方向でも磁
束の流れは複雑化しており、このための鉄心損失や騒音
の増加が発生している。
1層の面内での磁束の流れの複雑化に対応するものであ
り、それぞれ効果的であると考えられる。しかし、実際
の鉄心では積層方向すなわち層の面に垂直な方向でも磁
束の流れは複雑化しており、このための鉄心損失や騒音
の増加が発生している。
【0007】この現象を説明するために、鉄心を接合部
に直交する断面で見た時の構造の例を図1と図2に示
す。これらの図ではそれぞれ鋼板が4枚積層されている
が、この上下には同一の構造が繰り返し連続しているも
のである。また、磁束の流れる方向は横方向となる。
に直交する断面で見た時の構造の例を図1と図2に示
す。これらの図ではそれぞれ鋼板が4枚積層されている
が、この上下には同一の構造が繰り返し連続しているも
のである。また、磁束の流れる方向は横方向となる。
【0008】図1では鋼板の突き合わせ部分が横方向で
2カ所に配置されている。一般的に鋼板の突き合わせ部
分の隙間の幅は鋼板を重ねた部分の隙間の10倍以上に
なっているため磁気抵抗が高く、磁束は突き合わせ部分
を通過することは少なく、重ねた部分を渡るものがほと
んどである。その例として磁束線5を示す。この磁束線
5は鋼板1と2の突き合わせ部分、および鋼板3と4の
突き合わせ部分を避けるように流れる。このとき鋼板1
から左方向へ流れる磁束と鋼板4から右方向へ流れる磁
束の一部は渡り磁束6となって隣接する鋼板2と3へ流
れ込むが、鋼板1の左方向や鋼板4の右方向にある突き
合わせ部分はかなり離れているため渡り磁束6の量は少
ない。従って、図1に示す範囲で鋼板2や3の磁束密度
は全体の平均値に比べて低くなると同時に、それに隣接
する鋼板1や4の部分は磁束密度が高くなる。このよう
なメカニズムで鉄心の積層方向での磁束分布が不均一と
なる。
2カ所に配置されている。一般的に鋼板の突き合わせ部
分の隙間の幅は鋼板を重ねた部分の隙間の10倍以上に
なっているため磁気抵抗が高く、磁束は突き合わせ部分
を通過することは少なく、重ねた部分を渡るものがほと
んどである。その例として磁束線5を示す。この磁束線
5は鋼板1と2の突き合わせ部分、および鋼板3と4の
突き合わせ部分を避けるように流れる。このとき鋼板1
から左方向へ流れる磁束と鋼板4から右方向へ流れる磁
束の一部は渡り磁束6となって隣接する鋼板2と3へ流
れ込むが、鋼板1の左方向や鋼板4の右方向にある突き
合わせ部分はかなり離れているため渡り磁束6の量は少
ない。従って、図1に示す範囲で鋼板2や3の磁束密度
は全体の平均値に比べて低くなると同時に、それに隣接
する鋼板1や4の部分は磁束密度が高くなる。このよう
なメカニズムで鉄心の積層方向での磁束分布が不均一と
なる。
【0009】次に、図2は鋼板の突き合わせ部分が横方
向で4カ所に配置されている、いわゆるステップラップ
接合と呼ばれるものである。この場合の磁束線12は鋼
板8と9の突き合わせ部分、および鋼板10と11の突
き合わせ部分を避けるように流れる。このとき鋼板8か
ら左方向へ流れる磁束と鋼板11から右方向へ流れる磁
束の一部は渡り磁束13となって隣接する鋼板9と10
へ流れ込むが、鋼板8の左方向や鋼板11の右方向にあ
る突き合わせ部分はかなり離れているため渡り磁束13
の量は少ない。従って、図2に示す範囲で鋼板9や10
の磁束密度は全体の平均値に比べて低くなると同時に、
それに隣接する鋼板8や11の部分は磁束密度が高くな
る。このようなメカニズムで鉄心の積層方向での磁束分
布が不均一となる。
向で4カ所に配置されている、いわゆるステップラップ
接合と呼ばれるものである。この場合の磁束線12は鋼
板8と9の突き合わせ部分、および鋼板10と11の突
き合わせ部分を避けるように流れる。このとき鋼板8か
ら左方向へ流れる磁束と鋼板11から右方向へ流れる磁
束の一部は渡り磁束13となって隣接する鋼板9と10
へ流れ込むが、鋼板8の左方向や鋼板11の右方向にあ
る突き合わせ部分はかなり離れているため渡り磁束13
の量は少ない。従って、図2に示す範囲で鋼板9や10
の磁束密度は全体の平均値に比べて低くなると同時に、
それに隣接する鋼板8や11の部分は磁束密度が高くな
る。このようなメカニズムで鉄心の積層方向での磁束分
布が不均一となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上の例で示した様に
鉄心の積層方向では磁束密度の不均一が発生しており、
電磁鋼板の特性が最良となるように平均磁束密度を設定
しても実際は鉄心の部分ごとにそこからずれることにな
り、鉄心損失や騒音が増加してしまう。この積層方向で
は磁束密度の不均一は鉄心構造に起因するもので回避す
ることは困難である。そこで、磁束密度の不均一に応じ
て電磁鋼板の鉄損特性や磁歪特性を鉄心内の位置ごとに
変化させる技術が必要となる。
鉄心の積層方向では磁束密度の不均一が発生しており、
電磁鋼板の特性が最良となるように平均磁束密度を設定
しても実際は鉄心の部分ごとにそこからずれることにな
り、鉄心損失や騒音が増加してしまう。この積層方向で
は磁束密度の不均一は鉄心構造に起因するもので回避す
ることは困難である。そこで、磁束密度の不均一に応じ
て電磁鋼板の鉄損特性や磁歪特性を鉄心内の位置ごとに
変化させる技術が必要となる。
【0011】本発明は、このような要望に応えてなされ
たもので、方向性電磁鋼板を積層して作成する、損失や
騒音レベルの低い電気機器用鉄心を提供することを目的
とする。
たもので、方向性電磁鋼板を積層して作成する、損失や
騒音レベルの低い電気機器用鉄心を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る方向性電磁
鋼板を積層して作成される電気機器用鉄心は、長手方向
に強度が増加あるいは減少する歪みが導入された鋼板を
使用することを特徴とするものである。また、鉄心接合
部に直交する断面内で鋼板突き合わせ位置が2列に並ぶ
様に鋼板が配置された鉄心において、その2列の中心線
に交差しない位置に配置される鋼板として、突合せ端部
から長手方向に強度が漸減する歪みが導入された鋼板を
用いることを特徴とする。また、鉄心接合部に直交する
断面内で鋼板突き合わせ位置が3列以上に並ぶ様に鋼板
が配置された鉄心においては、それら列の中心線から端
面が最も離れ、かつその中心線に交差しない位置に配置
される鋼板として、突合せ端部から長手方向に強度が漸
減する歪みが導入された鋼板を用いることを特徴とす
る。また、鉄心接合部に直交する断面内で鋼板突き合わ
せ位置が2列に並ぶ様に鋼板が配置された鉄心で、一枚
の鋼板内に幅方向で鋼板突き合わせ位置の中心線に交差
する部分と交差しない部分がある場合に、その中心線に
交差しない部分のみで突合せ端部から長手方向に強度が
漸減する歪みが導入された鋼板を用いることを特徴とす
る。また、鉄心接合部に直交する断面内で鋼板突き合わ
せ位置が3列以上に並ぶ様に鋼板が配置された鉄心で、
一枚の鋼板内に幅方向で鋼板突き合わせ位置の中心線に
交差する部分と交差しない部分がある場合に、それら列
の中心線から端面が最も離れた位置に配置される鋼板と
して、その中心線に交差しない部分のみで突合せ端部か
ら長手方向に強度が漸減する歪みが導入された鋼板を用
いることを特徴とする。
鋼板を積層して作成される電気機器用鉄心は、長手方向
に強度が増加あるいは減少する歪みが導入された鋼板を
使用することを特徴とするものである。また、鉄心接合
部に直交する断面内で鋼板突き合わせ位置が2列に並ぶ
様に鋼板が配置された鉄心において、その2列の中心線
に交差しない位置に配置される鋼板として、突合せ端部
から長手方向に強度が漸減する歪みが導入された鋼板を
用いることを特徴とする。また、鉄心接合部に直交する
断面内で鋼板突き合わせ位置が3列以上に並ぶ様に鋼板
が配置された鉄心においては、それら列の中心線から端
面が最も離れ、かつその中心線に交差しない位置に配置
される鋼板として、突合せ端部から長手方向に強度が漸
減する歪みが導入された鋼板を用いることを特徴とす
る。また、鉄心接合部に直交する断面内で鋼板突き合わ
せ位置が2列に並ぶ様に鋼板が配置された鉄心で、一枚
の鋼板内に幅方向で鋼板突き合わせ位置の中心線に交差
する部分と交差しない部分がある場合に、その中心線に
交差しない部分のみで突合せ端部から長手方向に強度が
漸減する歪みが導入された鋼板を用いることを特徴とす
る。また、鉄心接合部に直交する断面内で鋼板突き合わ
せ位置が3列以上に並ぶ様に鋼板が配置された鉄心で、
一枚の鋼板内に幅方向で鋼板突き合わせ位置の中心線に
交差する部分と交差しない部分がある場合に、それら列
の中心線から端面が最も離れた位置に配置される鋼板と
して、その中心線に交差しない部分のみで突合せ端部か
ら長手方向に強度が漸減する歪みが導入された鋼板を用
いることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】方向性電磁鋼板に適度な歪みを導
入したときの鉄損変化の例を図3に示す。歪みが導入さ
れていない状態に対して歪みが導入されると低磁束密度
側では鉄損が低下する。一方、高磁束密度側では鉄損は
増加する。本発明の方法では、低磁束密度となる領域に
より大きな歪みが導入され、磁束密度が上昇する領域で
歪みが減少していくようにしているため、全体で最低の
鉄損が得られる。
入したときの鉄損変化の例を図3に示す。歪みが導入さ
れていない状態に対して歪みが導入されると低磁束密度
側では鉄損が低下する。一方、高磁束密度側では鉄損は
増加する。本発明の方法では、低磁束密度となる領域に
より大きな歪みが導入され、磁束密度が上昇する領域で
歪みが減少していくようにしているため、全体で最低の
鉄損が得られる。
【0014】次に、方向性電磁鋼板に適度な歪みを導入
したときの磁歪変化の例を図4に示す。歪みが導入され
ていない状態に対して歪みが導入されると磁歪の曲線は
正側に移動していく。従って、歪みが導入された状態で
は低磁束密度側では磁歪値は小さくなるが、高磁束密度
側ではかえって大きくなる。本発明の方法では、低磁束
密度となる領域により大きな歪みが導入され、磁束密度
が上昇する領域で歪みが減少していくようにしているた
め、全体で最低の磁歪となる。
したときの磁歪変化の例を図4に示す。歪みが導入され
ていない状態に対して歪みが導入されると磁歪の曲線は
正側に移動していく。従って、歪みが導入された状態で
は低磁束密度側では磁歪値は小さくなるが、高磁束密度
側ではかえって大きくなる。本発明の方法では、低磁束
密度となる領域により大きな歪みが導入され、磁束密度
が上昇する領域で歪みが減少していくようにしているた
め、全体で最低の磁歪となる。
【0015】なお、鋼板に歪みを導入する方法として
は、レーザビームの照射、プラズマフレームの照射、複
数のロール間を通して鋼板を曲げる方法、平ロールや円
周上に複数の突起を設けたロールによって鋼板を圧下す
る方法などがある。
は、レーザビームの照射、プラズマフレームの照射、複
数のロール間を通して鋼板を曲げる方法、平ロールや円
周上に複数の突起を設けたロールによって鋼板を圧下す
る方法などがある。
【0016】
【実施例】以下の実施例では、外形寸法が750mm×7
50mm、脚とヨークの幅が150mm、厚さが40mmの3
相3脚積み鉄心を用いた。
50mm、脚とヨークの幅が150mm、厚さが40mmの3
相3脚積み鉄心を用いた。
【0017】[実施例1]本実施例では鉄心接合部に直
交する断面内で鋼板突き合わせ位置が2列に並ぶ、図1
に示す構造の鉄心を用いた。材料としては0.23mm厚
の方向性電磁鋼板を用いた。歪みの導入は鋼板の圧延方
向に直角な方向にレーザビームを走査して照射する方法
で行い、歪みの強度はレーザビーム照射痕の圧延方向で
の間隔を変化させることで制御した。本発明の方法に適
合するように図5の網掛け部分で歪みが強くなる様にし
た。具体的には鋼板の端面部分付近で照射痕間隔を2mm
とし、端面から離れるにつれてその間隔を広くしてい
き、図5の網掛けのない部分では7mmとした。比較用に
全て7mm間隔としたものも製作した。これらの鉄心の鉄
損測定結果を表1に示す。表1から明らかなように本発
明の方法を用いた鉄心では2〜6%の鉄損改善効果が見
られる。
交する断面内で鋼板突き合わせ位置が2列に並ぶ、図1
に示す構造の鉄心を用いた。材料としては0.23mm厚
の方向性電磁鋼板を用いた。歪みの導入は鋼板の圧延方
向に直角な方向にレーザビームを走査して照射する方法
で行い、歪みの強度はレーザビーム照射痕の圧延方向で
の間隔を変化させることで制御した。本発明の方法に適
合するように図5の網掛け部分で歪みが強くなる様にし
た。具体的には鋼板の端面部分付近で照射痕間隔を2mm
とし、端面から離れるにつれてその間隔を広くしてい
き、図5の網掛けのない部分では7mmとした。比較用に
全て7mm間隔としたものも製作した。これらの鉄心の鉄
損測定結果を表1に示す。表1から明らかなように本発
明の方法を用いた鉄心では2〜6%の鉄損改善効果が見
られる。
【0018】
【表1】
【0019】[実施例2]本実施例では鉄心接合部に直
交する断面内で鋼板突き合わせ位置が4列に並ぶ、図2
に示す構造の鉄心を用いた。材料としては0.23mm厚
の方向性電磁鋼板を用いた。歪みの導入は歯車状の突起
が付いたロールを鋼板に押しつける方法で行い、歪みの
強度はロールを鋼板に押しつける力を変化させることで
制御した。本発明の方法に適合するように図5の網掛け
部分に歪みが導入される様にした。具体的には鋼板の端
面部分付近でロールの押しつけ力を150kgfとし、端
面から離れるにつれてその力を弱くしていき、図5の網
掛けのない部分ではロールが鋼板に接触しないようにし
た。比較用に歪みを導入しないものも製作した。これら
の鉄心の騒音測定結果を表2に示す。表2から明らかな
ように本発明の方法を用いた鉄心では3〜4dB(A)の
騒音改善効果が見られる。
交する断面内で鋼板突き合わせ位置が4列に並ぶ、図2
に示す構造の鉄心を用いた。材料としては0.23mm厚
の方向性電磁鋼板を用いた。歪みの導入は歯車状の突起
が付いたロールを鋼板に押しつける方法で行い、歪みの
強度はロールを鋼板に押しつける力を変化させることで
制御した。本発明の方法に適合するように図5の網掛け
部分に歪みが導入される様にした。具体的には鋼板の端
面部分付近でロールの押しつけ力を150kgfとし、端
面から離れるにつれてその力を弱くしていき、図5の網
掛けのない部分ではロールが鋼板に接触しないようにし
た。比較用に歪みを導入しないものも製作した。これら
の鉄心の騒音測定結果を表2に示す。表2から明らかな
ように本発明の方法を用いた鉄心では3〜4dB(A)の
騒音改善効果が見られる。
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】以上説明した本発明に係る歪みが導入さ
れた電気機器用鉄心を用いることで、その損失と騒音を
低減させることができる。
れた電気機器用鉄心を用いることで、その損失と騒音を
低減させることができる。
【図1】本発明の原理を示す鉄心接合部の断面図。斜線
部は歪みを導入すべき鋼板部位を示す。
部は歪みを導入すべき鋼板部位を示す。
【図2】本発明の原理を示す鉄心接合部の断面図。斜線
部は歪みを導入すべき鋼板部位を示す。
部は歪みを導入すべき鋼板部位を示す。
【図3】歪みの導入有無での鉄損特性を示す図。
【図4】歪みの導入有無での磁歪特性を示す図。
【図5】歪みの導入位置を示す3相3脚積み鉄心の図。
1〜4 電磁鋼板
5 磁束線
6 渡り磁束
7 接合部中心線
8〜11 電磁鋼板
12 磁束線
13 渡り磁束
14 接合部中心線
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 5E062 AA06 AC05
5H002 AA08 AA09 AB06 AB07 AC02
AC03
Claims (5)
- 【請求項1】 方向性電磁鋼板を積層して作成される鉄
心において、長手方向に強度が増加あるいは減少する歪
みが導入された鋼板を使用することを特徴とする電気機
器用鉄心。 - 【請求項2】 鉄心接合部に直交する断面内で鋼板突き
合わせ位置が2列に並ぶ様に鋼板が配置された鉄心にお
いて、その2列の中心線に交差しない位置に配置される
鋼板として、突合せ端部から長手方向に強度が漸減する
歪みが導入された鋼板を用いることを特徴とする請求項
1記載の電気機器用鉄心。 - 【請求項3】 鉄心接合部に直交する断面内で鋼板突き
合わせ位置が3列以上に並ぶ様に鋼板が配置された鉄心
において、それら列の中心線から端面が最も離れ、かつ
その中心線に交差しない位置に配置される鋼板として、
突合せ端部から長手方向に強度が漸減する歪みが導入さ
れた鋼板を用いることを特徴とする請求項1記載の電気
機器用鉄心。 - 【請求項4】 鉄心接合部に直交する断面内で鋼板突き
合わせ位置が2列に並ぶ様に鋼板が配置された鉄心で、
一枚の鋼板内に幅方向で鋼板突き合わせ位置の中心線に
交差する部分と交差しない部分がある場合に、その中心
線に交差しない部分のみで突合せ端部から長手方向に強
度が漸減する歪みが導入された鋼板を用いることを特徴
とする請求項1記載の電気機器鉄心。 - 【請求項5】 鉄心接合部に直交する断面内で鋼板突き
合わせ位置が3列以上に並ぶ様に鋼板が配置された鉄心
で、一枚の鋼板内に幅方向で鋼板突き合わせ位置の中心
線に交差する部分と交差しない部分がある場合に、それ
ら列の中心線から端面が最も離れた位置に配置される鋼
板として、その中心線に交差しない部分のみで突合せ端
部から長手方向に強度が漸減する歪みが導入された鋼板
を用いることを特徴とする請求項1記載の電気機器鉄
心。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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2002
- 2002-01-18 JP JP2002010162A patent/JP2003217939A/ja not_active Withdrawn
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