JP4370178B2 - 軌道制御用電磁石 - Google Patents

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Description

本発明は、磁場によって荷電粒子の軌道を制御するために用いられる電磁石に関するものである。
電子や陽子等の荷電粒子を加速するサイクロトロンなどの加速器、あるいは加速された荷電粒子ビームを導くビームラインなどにおいては、荷電粒子の軌道を制御するために電磁石が用いられている。そのような軌道制御用電磁石としては、例えば、粒子ビームの軌道を偏向させる2極電磁石(偏向電磁石)や、粒子ビームの軌道を集束させる4極電磁石などがある(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平11−271497号公報 特開2000−150199号公報
上記した軌道制御用電磁石では、装置の小型化や電源の小容量化などのため、荷電粒子が通過する軌道空間となる磁極間のギャップを小さくすることが求められる。一方、このように磁極間のギャップが小さくなると、軌道空間を通過する加速された荷電粒子ビームが磁極に当たりやすくなるため、磁極を含む電磁石のコアの放射化が避けられない。このようなコアの放射化は、耐用年数経過後に電磁石を廃棄する場合に問題となる。また、電磁石の解体作業の困難さにより、放射化したコアによる作業者の被爆量が多くなるという問題がある。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、放射化したコアを含む電磁石の解体、廃棄を容易化することが可能な軌道制御用電磁石を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明による軌道制御用電磁石は、磁場による荷電粒子の軌道制御に用いられる電磁石であって、(1)軌道制御の対象となる荷電粒子が通過する軌道空間を囲む所定位置に配置された磁極を有するコアと、(2)磁極の周囲に設けられる磁場生成用のコイルとを備え、(3)コアは、軌道空間に面する所定部位を含んで磁極に設けられた内周部と、内周部を一体に支持する本体部とに区分されて構成されているとともに、内周部は、本体部に対して着脱可能に取り付けられており、磁極は、セクタ部と谷部とが交互に設けられたセクタ集束型の構成を有するとともに、セクタ部の突出部分及び谷部を含み、軌道空間側の面にセクタ部及び谷部が設けられ、本体部側の面が平面となっている所定の厚さ部分を内周部として構成されていることを特徴とする。
あるいは、軌道制御用電磁石は、磁場による荷電粒子の軌道制御に用いられる電磁石であって、軌道制御の対象となる荷電粒子が通過する軌道空間を囲む所定位置に配置された磁極を有するコアと、磁極の周囲に設けられる磁場生成用のコイルとを備え、コアは、軌道空間に面する所定部位を含んで磁極に設けられた内周部と、内周部を一体に支持する本体部とに区分されて構成されているとともに、内周部は、本体部に対して着脱可能に取り付けられており、磁極は、セクタ部と谷部とが交互に設けられたセクタ集束型の構成を有するとともに、セクタ部の突出部分及び谷部を含む所定の厚さ部分を内周部として構成されており、内周部は、複数に分割され、軌道空間側から本体部側へと積層されていることを特徴とする。
あるいは、軌道制御用電磁石は、磁場による荷電粒子の軌道制御に用いられる電磁石であって、軌道制御の対象となる荷電粒子が通過する軌道空間を囲む所定位置に配置された磁極を有するコアと、磁極の周囲に設けられる磁場生成用のコイルとを備え、コアは、軌道空間に面する所定部位を含んで磁極に設けられた内周部と、内周部を一体に支持する本体部とに区分されて構成されているとともに、内周部は、本体部に対して着脱可能に取り付けられており、内周部は、複数に分割され、軌道空間側から本体部側へと積層された複数の分割内周部によって構成され、複数の分割内周部のそれぞれは、磁極の全体で厚さ一様の板状部材として形成されていることを特徴とする。
上記した軌道制御用電磁石においては、磁極間のギャップで荷電粒子が通過する軌道空間に対し、荷電粒子が当たりやすく放射化強度が高くなる軌道空間に面する部位を含むコアの所定部分を、本体部に対して着脱可能な内周部として区分している。これにより、電磁石の解体、廃棄時等において、コアのうちで放射化強度が高い内周部と、放射化強度が低い本体部とを別々に扱うことが可能となる。したがって、放射化したコアを含む電磁石の解体、廃棄を容易化することが可能な軌道制御用電磁石が得られる。
ここで、コアの内周部は、本体部に対してボルトによって着脱可能に接合されていることが好ましい。これにより、本体部に対する内周部の着脱を容易に行うことができる。また、ボルト接合以外の方法で接合しても良い。また、内周部は、複数に分割され、軌道空間側から本体部側へと積層されている構成としても良い。このような構成では、解体、廃棄時に分割された内周部のそれぞれについて放射線レベルを測定し、その結果を基準値と比較して廃棄する部分とリサイクルする部分とに分けるなど、様々な処理が可能となる。
また、内周部は、磁極の軌道空間側の表面からの厚さが10mm以上30mm以下であることが好ましい。このように内周部の厚さを設定することにより、コアのうちで放射化強度が高い部位及び低い部位を、それぞれ内周部及び本体部として好適に区分することができる。
本発明による軌道制御用電磁石によれば、荷電粒子が通過する軌道空間に対し、コアのうちで軌道空間に面する部位を含む所定部分を本体部に対して着脱可能な内周部とすることにより、放射化したコアを含む電磁石の解体、廃棄を容易化することが可能となる。
以下、図面とともに本発明による軌道制御用電磁石の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、本発明による荷電粒子の軌道制御用電磁石の第1実施形態の構成を示す側面断面図である。本実施形態による軌道制御用電磁石1は、サイクロトロンに用いられる2極電磁石であり、コア10とコイル18とを備えている。また、コア10の内部には、軌道制御の対象となる荷電粒子が通過する軌道空間16が形成されている。
コア10は、その内周側に設けられ互いに対向するように上下の所定位置にそれぞれ配置された2つの磁極10A、及び外周側に設けられ磁極10Aとは逆方向の磁束が形成されるヨーク10Bを有する。この2極電磁石1においては、磁極10A間に挟まれた(囲まれた)ギャップが荷電粒子の軌道空間16となっている。この軌道空間16は、真空容器15によって外部から仕切られて、真空に保持されている。また、2つの磁極10Aのそれぞれの周囲には、磁場生成用のコイル18が設けられている。
なお、この軌道制御用電磁石1を用いてサイクロトロン加速器を構成する場合、荷電粒子を加速するための高周波加速電極等がさらに設置されるが、図1においては図示を省略している。また、サイクロトロンでは、上記した軌道空間16は荷電粒子が加速される加速空間となる。
本実施形態においては、コア10は、内周部11と、本体部12とに区分されて構成されている。内周部11は、磁極10Aのうちで軌道空間16に面する所定部位を含んで2つの磁極10Aのそれぞれについて設けられている。また、本体部12は、磁極10Aのうちで内周部11を除く部分及びヨーク10Bを含んで構成され、2つの内周部11を一体に支持している。ここで、内周部11は、軌道空間16から荷電粒子が磁極10Aに当たることによる放射化強度に応じて設定された範囲及び形状で本体部12から区分されている。また、この内周部11は、本体部12に対して着脱可能に取り付けられている。
図2は、図1に示した2極電磁石1での磁極10Aの具体的な構成を示す(a)側面断面図、及び(b)平面図である。図2(a)及び(b)に示すように、磁極10Aは、軸Axを中心軸とした円形状に形成されている。また、磁場によって制御される軌道空間16における荷電粒子の軌道は、C1によって模式的に示すように、軸Axを中心軸とした略円状の軌道となっている。
このような磁極10Aにおいて、内周部11は、軌道空間16側の表面を含む厚さ一様の円形状の板状部材として形成されている。また、内周部11及び本体部12には、その外縁部に所定の間隔でボルト穴11a、12a(図2においては8個のボルト穴)が設けられており、内周部11と本体部12とは、これらのボルト穴11a、12aにおいてボルト11bによって接合されている。このとき、内周部11は、本体部12に対して、このボルト11bによって着脱可能に取り付けられている。
本実施形態による軌道制御用電磁石の効果について説明する。
図1及び図2に示した荷電粒子の軌道制御用電磁石1においては、磁極10A間のギャップで荷電粒子が通過する軌道空間16に対し、軌道空間16に面する部位を含むコア10の所定部分を、本体部12に対して着脱可能な内周部11として区分している。このような部分は、軌道空間16から荷電粒子が当たりやすく、それによって発生する放射化強度が高くなる部位である。したがって、このような部分を本体部12とは別の内周部11とすることにより、電磁石1の解体、廃棄時等において、コア10のうちで放射化強度が高い内周部11と、放射化強度が低い本体部12とを別々に扱うことが可能となる。したがって、放射化したコア10を含む電磁石の解体、廃棄を容易化することが可能な軌道制御用電磁石1が得られる。
このような構成では、例えばコア10の処理に際して、高強度に放射化した内周部11のみを放射性廃棄物として廃棄、保管する。そして、本体部12については、その放射化強度が充分に低ければ廃棄せずにリサイクルにまわすことが可能である。これにより、コア10の廃棄処理が容易化し、廃棄コストが低減されるとともに、本体部12のリサイクルによって電磁石やそれを用いたサイクロトロン加速器等の製品コストが低減される。
また、このように内周部11が本体部12に対して着脱可能な構成では、コア10を含む電磁石1の解体作業が簡単化し、解体コストも低減される。また、放射化したコア10による解体作業時における作業者の被爆量も低減することが可能である。
ここで、コア10における内周部11及び本体部12の区分については、磁極10Aに荷電粒子が当たることによる放射化強度を適切に評価し、その放射化強度に応じて両者を区分することが好ましい。例えば、廃棄に関して法律等で規定された放射線レベル(クライテリオン)を考慮し、放射性廃棄物としての廃棄が必要な放射線レベル以上に放射化される可能性がある部位が内周部11に含まれるように、内周部11と本体部12とを区分することが好ましい。
具体的には、内周部11は、磁極10Aの軌道空間16側の表面からの厚さが10mm以上30mm以下であることが好ましい。このように内周部11の厚さを設定することにより、コア10のうちで放射化強度が高い部位及び低い部位を、それぞれ内周部11及び本体部12として好適に区分することができる。すなわち、内周部11の厚さを10mm以上とすることにより、本体部12の放射化強度が過度に高くなることが防止される。また、内周部11の厚さを30mm以下とすることにより、放射化強度が低い部位まで廃棄する内周部11に含まれて高コスト化することが防止される。このような内周部11の範囲や厚さ、形状は、コア10の鉄などの材質、電磁石1による軌道制御の対象となる荷電粒子の種類、荷電粒子の加速エネルギー、ビーム強度、磁極10A間のギャップなどの具体的な条件を考慮して設定することが好ましい。なお、コア10での磁極10A間のギャップは、例えば30mm程度である。
また、上記のようにコア10を内周部11と本体部12とに区分する構成では、放射化特性や解体、廃棄の容易さ、装置コストなどの観点から、内周部11と本体部12とで異なる材質を用いることも可能である。これにより、電磁石1の全体として特性の向上、及び低コスト化を実現することができる。
内周部11と本体部12との接合方法については、図2に示すようにボルト接合とすることが好ましい。これにより、本体部12に対する内周部11の着脱を容易に行うことができる。また、本体部12に対して内周部11を嵌め込むなど、着脱可能であればボルト接合以外の方法で接合しても良い。
また、コア10における内周部11の範囲及び形状については、図1及び図2に示した円板形状以外にも、軌道空間16での荷電粒子の軌道などに応じて様々な形状を用いて良い。図3は、図1に示した2極電磁石の一変形例での磁極の具体的な構成を示す(a)側面断面図、及び(b)平面図である。図3(a)及び(b)に示す構成例では、図1に示した実施形態と同様に、磁極10Aを含むコア10は、内周部13と、本体部14とに区分されて構成されている。ただし、本実施形態では、内周部13及び本体部14の具体的な構造が、図1及び図2に示した構造とは異なっている。
具体的には、本構成例では、軸Axを中心軸とした円形状の磁極10Aにおいて、本体部14の軌道空間16側に、軸Axを中心軸とする環状の凹部14cが設けられている。そして、内周部13は、この本体部14の凹部14cに対応した環状の板状部材となっており、凹部14cに嵌め込まれて設置されている。また、内周部13及び本体部14には、内周部13の外縁部及びそれに対応する本体部14の凹部14cの外縁部に所定の間隔でボルト穴13a、14aが設けられており、内周部13と本体部14とは、これらのボルト穴13a、14aにおいてボルト13bによって接合されている。このとき、内周部13は、本体部14に対して、このボルト13bによって着脱可能に取り付けられている。
このように、磁極を含むコアに設けられる内周部の範囲及び形状については、図2の円形状の内周部11、または図3の環状の内周部13に例示されるように、軌道空間内で荷電粒子が通過する軌道や、予想される放射化の強度分布等を考慮して適宜設定して良い。また、例えば、サイクロトロンに用いられる2極電磁石でも、セクタ集束型の電磁石の場合、そのセクタ形状も考慮して内周部の範囲及び形状を設定することが好ましい。
図4は、図1に示した電磁石の他の変形例の構成を示す斜視図である。ここでは、セクタ集束型のサイクロトロンに用いられる2極電磁石について、その一方の磁極20Aを図示し、それ以外のコアの部分及びコイル等については図示を省略している。この磁極20Aでは、その軌道空間側に4個のセクタ部21と、谷部22とが交互に設けられている。そして、それらのセクタ部21及び谷部22を含む磁極20Aのうち、扇形状の4個のセクタ部21のそれぞれの突出部分を内周部23とし、セクタ部21を除く円筒形状の部分を本体部24としている。
また、図5は、電磁石のさらに他の変形例の構成を示す斜視図である。この磁極25Aでは、図4と同様に、その軌道空間側に4個のセクタ部26と、谷部27とが交互に設けられている。そして、それらのセクタ部26及び谷部27を含む磁極25Aのうち、セクタ部26の突出部分のみでなく谷部27をも含む所定の厚さ部分を内周部28とし、それ以外の円筒形状の部分を本体部29としている。
セクタ集束型の電磁石では、これらの図4、図5に示した構成を用いることができる。実際にいずれの構成を用いるかは、セクタ部及び谷部のそれぞれについて予想される放射化強度、解体、廃棄時の作業の容易さなどを考慮して選択すれば良い。なお、図4及び図5においては、説明のため、内周部を実線、本体部を点線でそれぞれ図示している。
本発明による軌道制御用電磁石についてさらに説明する。
図6は、軌道制御用電磁石の第2実施形態の構成を示す(a)側面断面図、及び(b)平面図である。本実施形態による軌道制御用電磁石3は、ビームラインにおいて軌道偏向用の電磁石として用いられる2極電磁石であり、コア30とコイル38とを備えている。また、コア30の内部には、軌道制御の対象となる荷電粒子が通過する軌道空間36が形成されている。なお、図6(a)においては、コイル38、及び軌道空間36を真空に保持する真空容器について図示を省略している。また、図6(b)には、軌道空間36を通過する荷電粒子の軌道をC3によって模式的に示している。
コア30は、その内周側に設けられた2つの磁極30A、及び外周側に設けられたヨーク30Bを有する。この2極電磁石3においては、磁極30A間に挟まれたギャップが荷電粒子の軌道空間36となっている。また、2つの磁極30Aのそれぞれの周囲には、磁場生成用のコイル38が設けられている。
本実施形態においては、コア30は、それぞれ磁極30Aを構成する2つの内周部31と、ヨーク30Bを含む部分を構成するとともに内周部31を一体に支持する本体部32とに区分されて構成されている。また、内周部31は、本体部32に対して着脱可能に取り付けられている。
図7は、軌道制御用電磁石の第3実施形態の構成を示す(a)側面断面図、及び(b)平面図である。本実施形態による軌道制御用電磁石4は、ビームラインにおいて軌道集束用の電磁石として用いられる4極電磁石であり、コア40とコイル48とを備えている。また、コア40の内部には、軌道制御の対象となる荷電粒子が通過する軌道空間46が形成されている。なお、図7(a)においては、軌道空間46を真空に保持する真空容器について図示を省略している。また、図7(b)には、軌道空間46を通過する荷電粒子の軌道をC4によって模式的に示している。
コア40は、その内周側に設けられた4つの磁極40A、及び外周側に設けられたヨーク40Bを有する。この4極電磁石4においては、磁極40Aで囲まれた領域が荷電粒子の軌道空間46となっている。また、4つの磁極40Aのそれぞれの周囲には、磁場生成用のコイル48が設けられている。
本実施形態においては、コア40は、それぞれ磁極40Aを構成する4つの内周部41と、ヨーク40Bを含む部分を構成するとともに内周部41を一体に支持する本体部42とに区分されて構成されている。また、内周部41は、本体部42に対して着脱可能に取り付けられている。
図6及び図7に示したように、磁極を含むコアを内周部と本体部とに区分する構成は、サイクロトロン用の電磁石以外にも、軌道偏向用の2極電磁石、軌道集束用の4極電磁石など、様々な種類の軌道制御用電磁石に適用可能である。この場合、一般には、コアは、軌道制御の対象となる荷電粒子が通過する軌道空間を囲む所定位置に配置された磁極を有して構成されていれば良く、内周部は、軌道空間に面する所定部位を含んで磁極に設けられていれば良い。
なお、図6及び図7に示した例では、それぞれ磁極30A、40Aの全体を内周部としているが、磁極のうちで軌道空間に面する部位を含む一部を内周部としても良く、あるいは、磁極及びヨークの一部を内周部としても良い。また、図6及び図7においては本体部32、42に対する内周部31、41の具体的な接合方法について図示していないが、図2に示したようなボルト接合等の構成を同様に適用することが可能である。
本発明による軌道制御用電磁石は、上記した実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記した構成では、コアの複数の磁極のそれぞれについて内周部を設けているが、放射化強度等を考慮して、一部(例えば1つ)の磁極について着脱可能な内周部を設ける構成としても良い。また、本体部に対する内周部のボルト接合については、本体部の外側から内周部に向かって接合しても良い。このようにすれば、内周部の軌道空間側にボルト穴を設ける必要がなく、軌道空間側の面が均一になるので、安定した磁場を得やすい。
また、上記した各実施形態では、いずれも1つの磁極に対して1つの内周部を設ける構成としているが、内周部をさらに2以上の部分に分割する構成としても良い。図8は、図1に示した軌道制御用電磁石の変形例の構成を示す側面断面図である。この電磁石1Aでは、軌道空間16側から本体部12側へと3つの内周部111、112、113を積層することによって、全体の内周部11を構成している。このような構成では、解体、廃棄時に内周部111〜113のそれぞれについて放射線レベルを測定し、その結果を基準値と比較して廃棄する部分とリサイクルする部分とに分けることが可能である。
本発明は、放射化したコアを含む電磁石の解体、廃棄を容易化することが可能な軌道制御用電磁石として利用可能である。
軌道制御用電磁石の第1実施形態の構成を示す側面断面図である。 図1に示した電磁石での磁極の(a)断面図、及び(b)平面図である。 図1に示した電磁石の一変形例での磁極の(a)断面図、及び(b)平面図である。 図1に示した電磁石の他の変形例の構成を示す斜視図である。 図1に示した電磁石の他の変形例の構成を示す斜視図である。 電磁石の第2実施形態の構成を示す(a)側面断面図、及び(b)平面図である。 電磁石の第3実施形態の構成を示す(a)側面断面図、及び(b)平面図である。 図1に示した電磁石の変形例の構成を示す側面断面図である。
符号の説明
1…2極電磁石、10…コア、10A…磁極、10B…ヨーク、11、13…内周部、12、14…本体部、11a、12a、13a、14a…ボルト穴、11b、13b…ボルト、14c…凹部、15…真空容器、16…軌道空間、18…コイル、20A、25A…磁極、21、26…セクタ部、22、27…谷部、23、28…内周部、24、29…本体部、3…2極電磁石、4…4極電磁石、30、40…コア、30A、40A…磁極、30B、40B…ヨーク、31、41…内周部、32、42…本体部、36、46…軌道空間、38、48…コイル。

Claims (5)

  1. 磁場による荷電粒子の軌道制御に用いられる電磁石であって、
    軌道制御の対象となる荷電粒子が通過する軌道空間を囲む所定位置に配置された磁極を有するコアと、
    前記磁極の周囲に設けられる磁場生成用のコイルとを備え、
    前記コアは、前記軌道空間に面する所定部位を含んで前記磁極に設けられた内周部と、前記内周部を一体に支持する本体部とに区分されて構成されているとともに、前記内周部は、前記本体部に対して着脱可能に取り付けられており、
    前記磁極は、セクタ部と谷部とが交互に設けられたセクタ集束型の構成を有するとともに、前記セクタ部の突出部分及び前記谷部を含み、前記軌道空間側の面に前記セクタ部及び前記谷部が設けられ、前記本体部側の面が平面となっている所定の厚さ部分を前記内周部として構成されていることを特徴とする軌道制御用電磁石。
  2. 磁場による荷電粒子の軌道制御に用いられる電磁石であって、
    軌道制御の対象となる荷電粒子が通過する軌道空間を囲む所定位置に配置された磁極を有するコアと、
    前記磁極の周囲に設けられる磁場生成用のコイルとを備え、
    前記コアは、前記軌道空間に面する所定部位を含んで前記磁極に設けられた内周部と、前記内周部を一体に支持する本体部とに区分されて構成されているとともに、前記内周部は、前記本体部に対して着脱可能に取り付けられており、
    前記磁極は、セクタ部と谷部とが交互に設けられたセクタ集束型の構成を有するとともに、前記セクタ部の突出部分及び前記谷部を含む所定の厚さ部分を前記内周部として構成されており、
    前記内周部は、複数に分割され、前記軌道空間側から前記本体部側へと積層されていることを特徴とする軌道制御用電磁石。
  3. 前記内周部は、前記磁極の前記軌道空間側の表面からの厚さが10mm以上30mm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の軌道制御用電磁石。
  4. 前記内周部は、前記本体部に対してボルトによって着脱可能に接合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の軌道制御用電磁石。
  5. 磁場による荷電粒子の軌道制御に用いられる電磁石であって、
    軌道制御の対象となる荷電粒子が通過する軌道空間を囲む所定位置に配置された磁極を有するコアと、
    前記磁極の周囲に設けられる磁場生成用のコイルとを備え、
    前記コアは、前記軌道空間に面する所定部位を含んで前記磁極に設けられた内周部と、前記内周部を一体に支持する本体部とに区分されて構成されているとともに、前記内周部は、前記本体部に対して着脱可能に取り付けられており、
    前記内周部は、複数に分割され、前記軌道空間側から前記本体部側へと積層された複数の分割内周部によって構成され、前記複数の分割内周部のそれぞれは、前記磁極の全体で厚さ一様の板状部材として形成されていることを特徴とする軌道制御用電磁石。
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