JP6527016B2 - 真空容器、円形加速器、ビーム輸送装置及び粒子線治療システム - Google Patents

真空容器、円形加速器、ビーム輸送装置及び粒子線治療システム Download PDF

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Description

本発明は、物理実験や粒子線治療などに用いられるビームダクトに好適な真空容器及びこのような真空容器を用いた円形加速器、ビーム輸送装置及び粒子線治療システムに関する。
シンクロトロンでは、荷電粒子ビームを一定の軌道で周回させるため、荷電粒子(陽子や重イオン)の加速に伴って偏向電磁石の励磁量を増加させる。そのため、シンクロトロン中の電磁石が生成する磁場は時間変化する。
生成する磁場が変動する電磁石内に設置される真空容器では、時間変化する磁場(変動磁場)によって真空容器に渦電流が誘起される。この渦電流によって発生する磁場は、荷電粒子ビームの不安定性を招き荷電粒子ビームの損失につながる。そのため、真空容器に誘起される渦電流を可能な限り小さくすることが必要となる。真空容器の肉厚を厚くすると、真空容器での電気抵抗が小さくなり、電磁石の変動磁場によって渦電流が大きくなることがある。このような渦電流を抑制するために、真空容器の電気抵抗を高くすればよく、薄肉化された真空容器が用いられる。
しかしながら、薄肉化した真空容器は強度不足となるため、真空容器内部を真空にした際の大気圧に耐えることができるように補強する必要がある。
例えば、特許文献1には、薄肉の真空ダクト内に所定の間隔で補強リブを並べ、補強リブを真空容器本体の内側にろう付けで固定する技術が開示されている。
特開2008−21487号公報
前述した真空容器は、真空容器本体の薄肉化による強度不足を補うために補強リブを備える。しかしながら、このような真空容器においては、補強リブを薄肉の真空容器本体に固定するため、コストが高くなるという課題があった。また、ろう付けで補強リブを真空容器本体に接合する場合,ろう付けの炉に入るサイズに真空容器を分割して作成する必要があり、それに伴い費用や作業時間もかかってしまう。
本発明の目的は、渦電流を低減できる真空容器を製作する作業時間及びコストを低減することにある。
本発明は、時間とともに磁力が変動する電磁石中に設置される非磁性金属の真空容器であって、この真空容器が上下に配置される天板と、側面に配置されて前記天板の板厚のよりも厚い板厚の側板と、側板に固定されて天板の強度を補強する補強リブを備え、薄肉の天板に補強リブの接合が不要であることを特徴とする真空容器によって上記課題を解決する。
本発明によれば、強度を確保できる真空容器、円形加速器、ビーム輸送装置及び粒子線治療システムを低コストで実現できるようになる。
本発明の一実施例の真空容器を示す破断斜視図である。 本発明の実施例1の真空容器の構成を示す概略図である。 本発明の実施例2の真空容器の構成を示す概略図である。 本発明の実施例3の真空容器の構成を示す概略図である。 本発明の実施例4の真空容器の構成を示す概略図である。 本発明の実施例5の真空容器を示す破断斜視図である。 本発明の実施例6である粒子線治療システムの構成を示す概略図である。 本発明の実施例7である粒子線治療システムの構成を示す概略図である。
以下、図面を用いて本発明の各実施例を説明する。
<実施例1>
本発明の好適な一実施形態である真空容器を、図1及び図2を用いて説明する。本実施例の真空容器は、直線状に形成された真空容器の内部に上部及び下部にそれぞれ分割して補強リブを配置した構成を有する。
図1は、本実施例の真空容器の断面斜視図である。本実施例の真空容器は、ステンレス鋼などの非磁性金属により形成される板状の天板61、非磁性金属により形成される板状の側板62および非磁性金属により形成される棒状の補強リブ63を備える。なお、側板62や補強リブ63は絶縁体でも良い。
図2に、本実施例の真空容器の上部の天板(上板)61及び下部の天板(下板)61を、側板62に固定する前の構成を表す。荷電粒子ビームは、真空容器に誘起される渦電流により生じる非線形磁場によって不安定となる。この非線形磁場を生成する渦電流は、真空容器の側板部で誘起されるものよりも天板部で誘起されるものが支配的である。そのため、天板61の板厚が側板62の板厚よりも薄くなるように(薄肉に)構成することで、側板62の板厚が天板61の板厚よりも厚くなるように(肉厚に)構成しても、真空容器の渦電流による磁場のビーム不安定性への影響を低減することができる。
複数の補強リブ63が、2つの側板62(第1の側板及び第2の側板のそれぞれ)に溶接によって固定される。補強リブ63は、側板62に接合して薄肉の天板61には接合しない構成とする。側板62が厚肉であるため、複数の補強リブ63を側板62に溶接で容易に固定することができる。補強リブ63は薄肉の天板2枚(上板および下板)それぞれを補強するために、真空容器の上部及び下部のそれぞれに複数設置する。補強リブ63を溶接した側板62に、薄肉の天板61を載せ、天板61と側板62を4カ所の結合箇所64で溶接することで真空容器を構成する。このように、真空容器の天板部の厚みを薄くする一方で側板部を厚くする構成にすることで、渦電流によって生じる磁場の影響を低減した真空容器本体に厚肉の箇所ができるため、補強リブ63を側板62に容易に固定することができるようになる。そのため、作業時間をより低減でき、作業費用もより低減することができる。
一例として、真空容器を構成する部材の厚みを以下に示す。薄肉の天板61の厚みは、0.5mm程度である。また、側板62の厚みは、6mm程度であり、リブ設置用の溝が30mm程度の間隔で設けられる。補強リブ63は6mm程度の厚みである。
真空容器の周りに配置される電磁石装置の磁場を高速で変化させる場合、この真空容器に変動磁場が印加されるが、真空容器の天板61の板厚が薄い(薄肉の)ため誘起される渦電流を小さくすることができる。また、側板62にも渦電流が誘起されるが、側板62に生じる渦電流磁場がビーム不安定性に及ぼす影響は、天板61に生じる渦電流磁場の影響よりも小さいので問題とならない。真空容器内部を真空にした際に外部から大気圧による圧力がかかるが、複数の補強リブ63が上下で支持しているため、必要な強度を保つことができる。
本実施例によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施例によれば、必要な強度を確保した上で渦電流の影響を抑えた真空容器を低コストで実現することが可能となる。
(2)本実施例では、薄肉の天板、厚肉の側板および補強リブを備える真空容器において、厚肉の側板に複数の補強リブを固定することで、薄肉の天板に補強リブを固定せずに補強する構成とした。また、薄肉の天板は厚肉の側板に溶接で固定する構成とした。このため、低コストで必要な強度の真空容器を実現することが可能となる。
(3)本実施例によれば、真空容器が薄肉の天板および補強リブを備える構成であるため、真空容器の渦電流の影響を可能な限り抑え、かつ強度の補強を低コストで実現することが可能となる。
(4)本実施例によれば、真空容器内に補強リブを配置する構成であるため、真空容器本体の薄肉化による強度を補強することができる。
<実施例2>
本発明の第2の実施形態である真空容器を、図3を用いて説明する。本実施例の真空容器は、直線状に形成された真空容器の内部に上部及び下部にそれぞれ分割して補強リブを配置した構成を有する。本実施例の真空容器の構成について、実施例1と異なる構成を中心に以下に説明する。
図3に、本実施例の真空容器を構成する部材を固定する前の構成を示す。実施例1では補強リブ63を側板62に溶接により固定したが、本実施例では、側板62Aに補強リブ63Aを設置するための複数の溝部65を設け、この溝部65に棒状の補強リブ63Aを嵌めこむことで補強リブ63Aを側板62Aに固定する。補強リブ63Aを嵌めこむための凹部である溝部65を、側板62Aの上部及び下部にそれぞれ設ける。複数の補強リブ63Aを所定の間隔で配置できるように、側板62Aの上部及び下部に複数の溝部65が形成されている。このような複数の溝部65が向き合うように2つの側板62A(第1の側板及び第2の側板)が配置され、第1の側板の溝部と第2の側板の溝部に補強リブ63Aを嵌めこみ、上部の天板(上板)61、下部の天板(下板)61、第1の側板62A及び第2の側板62Aを4カ所の結合箇所64で溶接することで真空容器を構成する。
本実施例によれば、前述した効果(1)〜(4)と同様の効果を得ることができる。
(5)さらに本実施例によれば、真空容器の側板62Aに嵌め合い固定用の溝部65を設け、この溝部65に補強リブ63Aを固定する構成としたため、補強リブの位置決め精度を向上することができる。
(6)本実施例によれば、真空容器の側板62Aに嵌め合い固定用の溝部65に補強リブ63Aを固定する構成であるため、真空容器内への補強リブ63Aの位置決めが容易となる。
本実施例では、補強リブ63Aを側板62Aの溝部65に嵌めこむことで固定したが、補強リブ63Aと溝部65が接する部分を溶接等で固定してもよい。このように溶接等で固定することによって、側板62Aと補強リブ63Aをより強固に固定できる。また、組み立て作業も容易となる。
<実施例3>
本発明の第3の実施形態である真空容器を、図4を用いて説明する。本実施例の真空容器は、直線状に形成された真空容器の内部に枠組み状の補強リブを配置した構成を有する。本実施例の真空容器の構成について、実施例1と異なる構成を中心に以下に説明する。
図4に、本実施例の真空容器を構成する部材を固定する前の構成を示す。実施例1では、棒状の補強リブ63を上部及び下部にそれぞれ配置して分割して支持する構成としたが、本実施例の真空容器では、枠組み状(窓枠型)の補強リブ63Bを、側板62Bに設けられた溝部65Bに嵌めこんで上下一体で支持する構成とした。枠組み状の補強リブ63Bとは、中心領域に荷電粒子ビームが通過するための空隙部を有する環状の構造をもつ補強リブである。本実施例では、図4に示すように、四角い環状の枠組み形状の補強リブ63Bを例に説明するが、その形状は四角に限定されるものではない。側板62Bは、補強リブ63Bを設置するための直線状の溝部65を複数設ける。この溝部65Bに補強リブ63Bの側部を嵌めこむことで補強リブ63Bを側板62Bに固定する。複数の補強リブ63Bを所定の間隔で配置できるように、側板62Bは直線状の複数の溝部65Bを有する。このような溝部65Bが向き合うように2つの側板62B(第1の側板及び第2の側板)を配置し、第1の側板の溝部と第2の側板の溝部に補強リブ63Bの側部を嵌めこみ、上部の天板(上板)61、下部の天板(下板)61、第1の側板62B及び第2の側板62Bを4カ所の結合箇所64で溶接することで真空容器を構成する。
本実施例によれば、前述した効果(1)〜(6)と同様の効果を得ることができる。
(7)本実施例によれば、環状の補強リブを用いるためより強度の高い真空容器を提供できるようになる。
(8)本実施例によれば、補強リブの数を半減できるため部品点数が低減でき、より作業時間を低減できるようになる。
本実施例では、環状の補強リブ63Bの側部を、側板62Bの溝部65Bに嵌めこむことで固定したが、補強リブ63Bと溝部65Bが接する部分を溶接等で固定してもよい。このように溶接等で固定することによって、側板62Bと補強リブ63Bをより強固に固定できる。また、組み立てる作業も容易となる。
<実施例4>
本発明の第4の実施形態である真空容器を、図5を用いて説明する。本実施例の真空容器は、直線状に形成された真空容器の内部に上部及び下部にそれぞれ分割して補強リブを配置した構成を有する。本実施例の真空容器は、実施例3の補強リブ63B及び側板62Bを、図5に示すような補強リブ63C及び側板62Cに替えた構成を有する。本実施例の真空容器の構成について、実施例3と異なる構成を中心に以下に説明する。
図5に、本実施例の真空容器を構成する部材を固定する前の構成を示す。実施例3では、環状の形状の補強リブ63Bと、直線状の溝部65Bの側板62Bを備える構成としたが、本実施例では、環状の形状を有してその側部の外側に突起部(凸部)を有する補強リブ63Cと、溝部65C及び溝部66Cを有する側板62Cを備える構成とした。溝部66Cは、溝部65Cと概略垂直をなす方向に直線状に形成される。補強リブ63Cは、中心領域に荷電粒子ビームが通過するための空隙部を有する環状の構造をもち、その側部の外側に突起部を有する。補強リブ63Cの突起部の形状は、側板62Cの溝部66Cの形状とあうように形成される。側板62Cの溝部65Cは、複数の補強リブ63Cを所定の間隔で設置できるように複数個所に設けられ、溝部66Cは、側板62Cの長手方向に沿って形成されている。この溝部65Cに補強リブ63Cの側部を嵌めこむことで補強リブ63Cを側板62Cに固定する。このような溝部65Cが向き合うように2つの側板62C(第1の側板及び第2の側板)を配置し、第1の側板の溝部と第2の側板の溝部に補強リブ63Cの側部を嵌めこみ、上部の天板(上板)61、下部の天板(下板)61、第1の側板62C及び第2の側板62Cを4カ所の結合箇所64で溶接することで真空容器を構成する。本実施例では、図5に示すように、四角い環状の補強リブ63Cを例に説明したが、その形状は四角に限定されるものではない。
本実施例によれば、前述した効果(1)〜(8)と同様の効果を得ることができる。
(9)さらに、本実施例によれば、突起部を有する補強リブ63Cを、側板62Cの溝部65C及び溝部66Cに固定する構成としたため、補強リブの位置決めがより容易となる。さらに、本実施例によれば、側板62の長手方向の位置決め精度だけでなく、ビームダクトの高さ方向の補強リブの位置決め精度を向上させることができる。
本実施例では、環状の補強リブ63Cの側部を、側板62Cの溝部65Cに嵌めこむことで固定したが、補強リブと溝部が接する部分を溶接等で固定してもよい。このように溶接等で固定することによって、側板と補強リブをより強固に固定することができるようになる。また、組み立てる作業も容易となる。
<実施例5>
本発明の第5の実施形態である真空容器を、図6を用いて説明する。実施例1では直線状の真空容器の内部に補強リブを配置した構成としたが、本実施例では荷電粒子ビームの偏向に合わせて円弧状に形成された真空容器の内部に補強リブを配置する構成とする。本実施例の真空容器の構成について、実施例1と異なる構成を中心に以下に説明する。
図6に、本実施例の真空容器の断面斜視図を示す。本実施例の真空容器は、ステンレス鋼などの非磁性金属により形成される円弧上の天板61D、円弧上の側板62Dおよび棒状の補強リブ63Dを備える。側板62Dはロール成型などで円弧状に形成される。
本実施例によれば、前述した効果(1)〜(4)と同様の効果を得ることができる。
本実施例では、補強リブ63Dが側板62Dに溶接等で固定される構成を例に説明したが、実施例2のように側板62Dに溝部を設けて嵌めこみで固定する構成であってもよい。このような構成とした場合、前述した効果(5)(6)と同様の効果をさらに得ることができる。また、実施例3のように窓枠型の補強リブを側板に固定する構成であってもよい。このような構成とした場合、前述した効果(7)(8)と同様の効果をさらに得ることができる。また、実施例4のように突起部を有する窓枠型の補強リブを側板に固定する構成であってもよい。このような構成とした場合、前述した効果(9)と同様の効果をさらに得ることができる。
<実施例6>
本実施例の粒子線治療システム100の構成を、図7を用いて説明する。
粒子線治療システム100は、イオンビーム発生装置1、ビーム輸送装置2、照射野形成装置(ビーム照射装置)21、照射室17を備える。ビーム輸送装置2が、イオンビーム発生装置1とビーム照射装置21を接続する。
イオンビーム発生装置1は、イオン源、前段加速装置(線形加速器)3及び円形加速器(例えば、シンクロトロン)4を有する。前段加速装置3が、イオン源とシンクロトロン4に接続される。シンクロトロン4は、高周波印加電極5、周回する荷電粒子ビームを加速させるビーム加速装置(高周波加速空胴)6、加速された荷電粒子ビームが通過する第1の真空容器(ビームダクト)7、出射用機器11、第1の偏向電磁石8及び四極電磁石を有する。第1の偏向電磁石8は、第1の真空容器7内を通過する荷電粒子ビームをビーム軌道に沿って偏向して周回させる電磁石装置であり、周回する荷電粒子ビームのエネルギーに応じて時間変化する磁場を印加する。第1の真空容器のビーム軌道上に、高周波印加電極5、高周波加速空胴6、出射用機器11、第1の偏向電磁石8及び四極電磁石が配置される。出射用機器11が、ビーム輸送装置2に接続される。
ビーム輸送装置2は、イオンビーム発生装置1から出射された荷電粒子ビームが通過する第2の真空容器(ビームダクト)12、ステアリング電磁石16、四極電磁石14及び第2の偏向電磁石15を備える。第2の偏向電磁石15は、第2の真空容器12内を通過する荷電粒子ビームをビーム軌道に沿って偏向する電磁石装置であり、通過する荷電粒子ビームのエネルギーに応じて時間変化する磁場を印加する。第2の真空容器12のビーム軌道上に、ステアリング電磁石16、四極電磁石14及び第2の偏向電磁石15が配置される。第2の真空容器12が、照射室17内に配置されたビーム照射装置21に接続される。
ビーム照射装置21は、荷電粒子ビームが通過する第3の真空容器(ビームダクト)22及び走査電磁石23,24を備える。第1の走査電磁石23は、ビーム進行方向と垂直なX軸方向に荷電粒子ビームを走査し、第2の走査電磁石24は、ビーム進行方向と垂直な仮想平面上でX軸と垂直な方向(Y軸方向)に荷電粒子ビームを走査する。第3の真空容器22のビーム軌道上に、第2の走査電磁石23及び第2の走査電磁石24が配置される。
照射室17内には照射対象(患者)51をのせるベッド装置41が配置されている。ビーム照射装置21から出射された荷電粒子ビームが、照射対象51に照射される。
実施例1乃至実施例5の真空容器を、第1の真空容器7、第2の真空容器12及び第3の真空容器22に設置する。第1の真空容器7、第2の真空容器12及び第3の真空容器22の全てのビームダクトを実施例1乃至実施例5のいずれか1つの真空容器で構成してもよいし、ビームダクトの一部を実施例1乃至実施例5の真空容器で構成してもよい。ビームダクトの一部を実施例1乃至実施例5の真空容器で構成する場合、荷電粒子ビームがビームダクトを通過している間に、時間とともに変化する磁場を励磁する電磁石装置(例えば、偏向電磁石やステアリング電磁石や走査電磁石装置等)が配置される位置に、実施例1乃至実施例5の真空容器を配置するとよい。
本実施例では、実施例1乃至実施例5のいずれか1つの真空容器を、第1の真空容器7、第2の真空容器12及び第3の真空容器22として採用する例を説明したが、実施例1乃至実施例5の真空容器を複数組み合わせて採用してもよい。
本実施例によれば、前述した効果(1)〜(9)と同様の効果を得ることができる。
(10)さらに、本実施例によれば、時間変化する磁場を励磁する電磁石装置による渦電流の影響を低減できるため、より高い精度の照射を実現できるようになる。
(11)本実施例によれば、粒子線治療システムを低コストで提供できるようになる。
<実施例7>
本実施例の粒子線治療システム100Aの構成を、図8を用いて説明する。前述の実施例6では円形加速器としてシンクロトロン4を採用したが、本実施例では、円形加速器としてサイクロトロン4Aを採用した例について説明する。本実施例の粒子線治療システム100Aは、実施例6の粒子線治療システム100においてイオンビーム発生装置1を、図8に示すイオンビーム発生装置1Aに替えた構成を有する。本実施例の粒子線治療システムについて、実施例6と異なる構成を中心に以下に説明する。
図8に示すように、イオンビーム発生装置1Aは、イオン源80、サイクロトロン4A、ビーム加速装置81、出射用機器11及びエネルギー吸収体82を備える。イオン源80で生成された荷電粒子ビームはサイクロトロン4Aにより一定のエネルギーまで加速され、エネルギー吸収体82によりエネルギーを調整された後、ビーム輸送装置2により照射装置21に輸送される。このときのビーム電流はイオン源80の出力を変更することにより所望の値にすることができる。本実施例はイオンビーム発生装置1から出射される荷電粒子ビームのエネルギーを変更することで照射対象に到達する荷電粒子ビームの深さ方向の位置を変更するが、照射装置21内にエネルギー吸収体を配置する又はビーム輸送装置2にエネルギー吸収体を設置することで照射対象に到達する荷電粒子ビームのエネルギーを変更してもよい。
本実施例の粒子線治療システム100Aでは、実施例1乃至実施例5の真空容器を、第2の真空容器12及び第3の真空容器22に設置する。第2の真空容器12及び第3の真空容器22の全てのビームダクトを実施例1乃至実施例5のいずれか1つの真空容器で構成してもよいし、ビームダクトの一部を実施例1乃至実施例5の真空容器で構成してもよい。ビームダクトの一部を実施例1乃至実施例5の真空容器で構成する場合、荷電粒子ビームがビームダクトを通過している間に、時間変化する磁場を励磁する電磁石装置(例えば、偏向電磁石やステアリング電磁石や走査電磁石装置等)が配置される位置に、実施例1乃至実施例5の真空容器を配置するとよい。
本実施例では、実施例1乃至実施例5のいずれか1つの真空容器を、第2の真空容器12及び第3の真空容器22として採用する例を説明したが、実施例1乃至実施例5の真空容器を複数組み合わせて採用してもよい。
本実施例によれば、前述した効果(1)〜(11)と同様の効果を得ることができる。
本実施例では、荷電粒子ビームを加速する加速器としてサイクロトロンを採用したが、シンクロサイクロトロン等の他の加速器であってもよい。
1:荷電粒子ビーム発生装置、
2:ビーム輸送装置、
4:円形加速器(シンクロトロン)
4A:円形加速器(サイクロトロン)
15:偏向電磁石
16:ステアリング電磁石
21:照射野形成装置(ビーム照射装置)
23,24:走査電磁石
61、61D:真空容器の天板
62、62A、62B、62C、62D:真空容器の側板
63、63A、63B、63C、63D:補強リブ
64: 天板溶接箇所
65、65B:補強リブの固定用溝部
100、100A:粒子線治療システム

Claims (12)

  1. 時間とともに磁力が変化する電磁石中に設置される真空容器であって、
    前記真空容器は、
    上下に配置される天板と、
    側面に配置されて前記天板の板厚のよりも厚い板厚の側板と、
    前記側板に固定されて天板の強度を補強する補強リブを備えることを特徴とする真空容器。
  2. 請求項1に記載の真空容器において、
    前記側板に前記補強リブを固定するための溝部を設け、当該補強リブを前記溝部に嵌めあいにより固定することを特徴とする真空容器。
  3. 請求項1又は2に記載の真空容器において、
    前棒状の記補強リブを用いることを特徴とする真空容器。
  4. 請求項1又は2に記載の真空容器において、
    前記補強リブは、中心領域に空隙部を有する環状の形状を有し、その側部を前記側板に固定することを特徴とする真空容器。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の真空容器において、
    前記補強リブは、溶接によって前記側板に固定されることを特徴とする真空容器。
  6. 周回する荷電粒子ビームが通過する真空容器と、
    前記荷電粒子ビームを加速させるビーム加速装置と、
    ビーム軌道に沿って周回するように前記荷電粒子ビームを偏向する偏向電磁石を備える円形加速器であって、
    前記真空容器が、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の真空容器であることを特徴とする円形加速器。
  7. 請求項6に記載の円形加速器において、
    前記偏向電磁石が配置される領域の真空容器が、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の真空容器であることを特徴とする円形加速器。
  8. 加速された荷電粒子ビームが通過する真空容器と、
    当該真空容器に沿って配置され、時間とともに変動する磁場を印加する電磁石を備えるビーム輸送装置であって、
    前記真空容器が、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の真空容器であることを特徴とするビーム輸送装置。
  9. 荷電粒子ビームを加速する円形加速器と、
    前記円形加速器から出射された前記荷電粒子ビームを輸送する第2の真空容器を有するビーム輸送装置と、
    前記ビーム輸送装置からの前記荷電粒子ビームを走査する走査電磁石と、当該走査される前記荷電粒子ビームが通過する第3の真空容器を有するビーム照射装置とを備え、
    前記第2の真空容器及び前記第3の真空容器のうち少なくともいずれか1つが請求項1乃至5のいずれか1項に記載の真空容器であることを特徴とする粒子線治療システム。
  10. 請求項9に記載の粒子線治療システムにおいて、
    前記走査電磁石が配置される領域の第3の真空容器が、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の真空容器であることを特徴とする粒子線治療システム。
  11. 請求項9乃至10のいずれか1項に記載の粒子線治療システムにおいて、
    前記円形加速器は、
    周回する荷電粒子ビームが通過する第1の真空容器と、
    前記荷電粒子ビームを加速させるビーム加速装置と、
    ビーム軌道に沿って周回するように前記荷電粒子ビームを偏向する偏向電磁石を有し、
    前記第1の真空容器が、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の真空容器であることを特徴とする粒子線治療システム。
  12. 請求項11に記載の粒子線治療システムにおいて、
    前記偏向電磁石が配置される領域の第1の真空容器が、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の真空容器であることを特徴とする粒子線治療システム
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