JP2007142065A - 零相変流器 - Google Patents

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平 吉森
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Abstract

【課題】零相変流器による漏電検出時の出力バラツキを抑制する。
【解決手段】本発明に係る零相変流器は、ケーシング本体11と蓋体12とを接合して構成したケーシングの内部に、中央孔23を有する円環状の磁性体コア21の周囲にコイル22を巻回してなるコイル装置2を収容して構成される。ケーシング本体11の底壁には、漏電の有無を検出すべき対象の電気回路と電源との間で往復する電流の往復線路を構成する一対の導体31、32が固定され、ケーシング本体11の内部には、一対の導体31、32の貫通方向に沿う回転軸を中心としてコイル装置2を回転可能に収容する収容室10が設けられている。コイル装置2は、一対の導体31、32に一定の電流差を有する電流が流れたときに該電流差に応じた大きさの電流がコイル22に流れることとなる回転角度姿勢にて、収容室10内に回転不能に固定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、各種電気回路の漏電の有無を検出するための零相変流器に関するものである。
従来、各種電気回路の漏電の有無を検出するための漏電センサとして、零相変流器が知られている(特許文献1参照)。
従来の零相変流器は、図8に示す如く、円環状の磁性体コア(21)の周囲にコイル(22)を巻回してなるコイル装置(2)と、中央孔(51)を有する円環状の合成樹脂製のケーシング(5)とを具え、コイル装置(2)をケーシング(5)の内部に収容した状態で、溶融状態の合成樹脂、或いは合成樹脂製の接着剤をケーシング(5)内に流し込むことにより、コイル装置(2)をケーシング(5)内に固着して構成される。
ケーシング(5)の外周壁には、外側に向けて直方体状の凸部(52)が形成され、図7に示す如く、該凸部(52)から、磁性体コア(21)の周囲に巻回されたコイル(22)の巻き始め端部(22a)及び巻き終わり端部(22b)が、ケーシング(5)の外部に引き出されている。
図10に示す如く、磁性体コア(21)は、複数枚の円環状のコア片(41)〜(41)からなる積層構造を有し、各コア片(41)は、図9に示す如く磁性板(4)を円環状に打ち抜いて形成される。
図7に示す如く、ケーシング(5)の中央孔(51)には、漏電の有無を検出すべき対象の電気回路と該電気回路に電力を供給する交流電源との間で往復する電流の往復線路を構成すべき一対の導体(31)(32)が挿通されている。
上記従来の零相変流器において、前記電気回路に漏電が生じた場合には、一方の導体(31)を流れる電流の大きさと、他方の導体(32)を流れる電流の大きさに差が生じることとなる。これにより、両導体(31)(32)の周囲には、両導体(31)(32)を流れる電流量の差に応じた大きさの磁束が発生し、該磁束の影響を受けて、コイル装置(2)のコイル(22)に起電力が生じることになる。
一方、前記電気回路に漏電が生じていない場合には、一方の導体(31)を流れる電流と、他方の導体(32)を流れる電流とは、その向きが反対で大きさが互いに等しくなる。従って、両導体(31)(32)を電流が流れることにより両導体(31)(32)の周囲に生じる磁束は、互いに相殺されて零となるため、コイル装置(2)のコイル(22)に起電力が生じることはない。
そこで、コイル(22)に生じる起電力の大きさ、即ちコイル(22)に流れる電流の大きさを、コイル(22)の巻き始め端部(22a)と巻き終わり端部(22b)との間の電位差として検出し、該電位差に基づいて前記電気回路の漏電の有無を検知するのである。
特開平8−321249号公報
ところで、図8に示すコイル装置(2)において、コイル(22)を磁性体コア(21)の周方向に均一に巻回することは困難であるため、コイル装置(2)毎にコイル(22)の周方向の巻線分布にバラツキが生じ、この結果、コイル装置(2)の周方向に沿うインダクタンス分布にバラツキが生じることとなる。
この様なコイル装置(2)を用いた従来の零相変流器においては、コイル装置(2)の周方向に沿うインダクタンス分布の不均一性に起因して、前記一対の導体(31)(32)の挿通位置によって、漏電発生時にコイル(22)に流れる電流の大きさが変動してしまう問題があった。
このため、零相変流器を使用するブレーカ等の装置の製造工程においては、零相変流器を装置に組み込んだ後に、漏電発生時にコイル(22)の巻き始め端部(22a)と巻き終わり端部(22b)との間で所定の電位差が得られる様に、例えば、該巻き始め端部(22a)と巻き終わり端部(22b)の間に接続する抵抗の抵抗値を調整する作業が必要であった。又、上述の調整作業は、零相変流器を組み込んだ装置毎に必要となるため、該装置の製造工程の効率化を阻害する要因となっていた。
そこで、本発明の目的は、零相変流器毎の漏電検出時の出力バラツキを抑制することが出来る零相変流器を提供することである。
本発明の零相変流器は、各種電気回路の漏電の有無を検出するための零相変流器であって、中央孔(23)を有する円環状の磁性体コア(21)の周囲にコイル(22)を巻回してなるコイル装置(2)と、該コイル装置(2)の周囲を覆うケーシング(1)とを具え、漏電の有無を検出すべき対象の電気回路と該電気回路に電力を供給する電源との間で往復する電流の往復線路を構成すべき一対の導体(31)(32)が、前記コイル装置(2)の中央孔(23)を貫通し、前記コイル(22)の巻き始め端部(22a)と巻き終わり端部(22b)とが、前記ケーシング(1)の外部に引き出されている。
前記一対の導体(31)(32)はそれぞれ、両導体(31)(32)の貫通方向とは直交する前記ケーシング(1)の外壁を貫通した状態で前記ケーシング(1)に固定されており、前記ケーシング(1)の内部には、前記一対の導体(31)(32)の貫通方向に沿う回転軸を中心として前記コイル装置(2)を回転可能に収容する収容室(10)が設けられ、前記コイル装置(2)は、前記一対の導体(31)(32)に一定の電流差を有する電流が流れたときに前記コイル(22)に前記電流差に応じた大きさの電流が流れることとなる回転角度姿勢にて、前記収容室(10)内に回転不能に固定されている。
上記本発明に係る零相変流器は、その製造段階において、先ず、前記一対の導体(31)(32)が挿通されたケーシング(1)を作製すると共に、中央孔(23)を有する円環状の磁性体コア(21)の周囲にコイル(22)を巻回してコイル装置(2)を作製する。
次に、ケーシング(1)の収容室(10)内にコイル装置(2)を収容すると共に、コイル(22)の巻き始め端部(22a)と巻き始め端部(22b)の間に、コイル(22)に流れる電流を測定する測定装置を接続する。この状態で、一対の導体(31)(32)に一定の電流差を有する電流を流しつつ、両導体(31)(32)の貫通方向に沿う回転軸を中心として前記コイル装置(2)を前記収容室(10)内で回転させ、前記測定装置の測定値が、前記電流差に応じた大きさとなった回転角度姿勢にて、該コイル装置(2)をケーシング(1)に固定する。
上述の如く、本発明の零相変流器によれば、コイル装置(2)の周方向に沿うインダクタンス分布がある程度ばらついていたとしても、零相変流器の製造段階にて、コイル装置(2)を回動させるという簡単な方法により、漏電検出時に前記コイル(22)に所定の大きさの電流が流れる様に調整することが出来る。これによって、コイル装置(2)のインダクタンス分布の不均一性に起因する零相変流器の出力バラツキを抑制することが出来る。
上述の調整作業の後、コイル装置(2)がケーシング(1)に固定された後には、両導体(31)(32)とコイル装置(2)の相対位置関係は常に一定となるので、零相変流器の取り付け姿勢等によって、漏電発生時に前記コイル(22)に流れる電流の大きさが変動することはない。
従って、零相変流器を使用する装置の製造工程においては、零相変流器を装置に取り付けるだけで、漏電発生時に、零相変流器から所定の出力が得られることになり、従来の調整作業は不要となる。これにより、零相変流器を使用する装置の製造工程の効率化を図ることが出来る。
具体的構成において、前記ケーシング(1)の底壁の内面には、前記コイル装置(2)の内周面及び外周面に沿って一対のガイド壁(14)(15)が立設され、両ガイド壁(14)(15)に囲まれた空間によって前記収容室(10)が構成されている。
該具体的構成によれば、零相変流器の製造段階における出力調整作業の際に、該コイル装置(2)をその中心軸回りに回転させることが出来る。
又、具体的構成において、前記磁性体コア(21)は、円環状のコア片(41)を複数枚積層して構成される。
他の具体的構成において、前記磁性体コア(21)は、帯状の磁性板(4)を円環状に巻回して構成される。
環状のコア片(41)を複数枚積層して構成した磁性体コア(21)において、各コア片(41)は、パーマロイ等の強磁性体材料からなる磁性板(4)を円環状に打ち抜いて作製される。パーマロイ等の強磁性体材料は高価であるにも拘わらず、コア片(41)を打ち抜いた後の磁性板(4)は無駄になるため、コア片(41)の製造歩留まりは低いものとなり、磁性体コア(21)の製造コストの削減を阻害する要因となっていた。
これに対し、帯状の磁性板(4)を円環状に巻回して磁性体コア(21)を作製した場合には、該磁性板(4)を無駄なく利用することが出来るので、磁性体コア(21)の製造コストの削減を図ることが出来る。
更に具体的構成において、前記磁性板(4)の巻き始め端部(4a)及び巻き終わり端部(4b)の内、少なくとも何れか一方の端部は、前記磁性板(4)の長手方向とは直交する方向の幅が、その先端に向かって徐々に狭くなる先細形状に形成されている。
帯状の磁性板(4)を円環状に巻回して磁性体コア(21)を作製した場合には、磁性板(4)の巻き始め端部及び巻き終わり端部にて磁性体コア(21)に段差が生じることになる。このため、磁性体コア(21)の径方向に沿う断面積が、前記段差部にて急激に変化することにとなり、この結果、コイル装置(2)の周方向に沿うインダクタンス分布にバラツキが生じることとなる。
しかしながら、上記具体的構成によれば、矩形帯状の磁性板(4)を用いた場合に比べて、磁性体コア(21)の径方向に沿う断面積が、該磁性体コア(21)の周方向に変化する変化の度合いは緩やかとなる。
従って、零相変流器の製造段階における出力調整作業において、前記コイル(22)に生じる起電力の大きさは、前記コイル装置(2)の回転に応じて緩やかに変化することとなり、この結果、前記出力調整を高精度且つ容易に行なうことが出来る。
本発明の零相変流器によれば、零相変流器毎の漏電検出時の出力バラツキを抑制することが出来るので、装置に組み込んだ後の出力調整作業が不要となる。
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
図1に示す如く、本発明に係る零相変流器は、図1に示す如く、合成樹脂製のケーシング(1)を具え、該ケーシング(1)は、ケーシング本体(11)と蓋体(12)とを互いに接合して構成される。ケーシング(1)の内部には、図3に示す如くコイル装置(2)が収容されており、該コイル装置(2)は、中央孔(23)を有する円環状の磁性体コア(21)の周囲にコイル(22)を巻回して構成される。図1に示す如く、ケーシング(1)には、漏電の有無を検出すべき対象の電気回路と該電気回路に電力を供給する交流電源との間で往復する電流の往復線路を構成すべき一対の導体(31)(32)が挿通されており、該1対の導体(31)(32)は、図3に示す如く、ケーシング本体(11)の底壁に開設された一対の小孔(13b)(13b)を貫通した状態で該ケーシング本体(11)の底壁に固定され、両導体(31)(32)の一端が、磁性体コア(21)の中央孔(23)、及び蓋体(12)に開設された一対の小孔(13a)(13a)を貫通している。
ケーシング本体(11)の底壁の内面には、コイル装置(2)の内周面に沿う内周ガイド壁(15)と、コイル装置(2)の外周面に沿う外周ガイド壁(15)とが垂直に立設され、両ガイド壁(14)(15)に囲まれた空間によって、コイル装置(2)を収容すべき収容室(10)が形成されている。コイル装置(2)は、一対の導体(31)(32)の貫通方向に沿う回転軸を中心として、両ガイド壁(14)(15)に沿って回動可能に該収容室(10)内に収容されることになる。
図1に示す如く、ケーシング本体(11)の底壁の外面には、一対の柱状の凸部(19)(19)が外側に向けて突設され、両凸部(19)(19)にはそれぞれ、図3に示す如く、一対の導体(31)(32)の貫通方向に沿って貫通孔(16)(16)が開設されている。コイル(22)の巻き始め端部(22a)及び巻き終わり端部(22b)は、外周ガイド壁(15)の欠落部分、及び両貫通孔(16)(16)を通して、図1に示す如くケーシング(1)の外部に引き出されている。図3に示す如く、ケーシング本体(11)の側壁の内面には、コイル(22)の巻き始め端部(22a)と巻き終わり端部(22b)の接触を防止すべく、外周ガイド壁(15)の欠落部分に向けて仕切り壁(17)が突設されている。
又、図1に示す如く、ケーシング本体(11)の底壁の外面には、両凸部(19)(19)から引き出されたコイル(22)の巻き始め端部(22a)及び巻き終わり端部(22b)と、ケーシング本体(11)を貫通する両導体(31)(32)の一端(31a)(32a)との間、及び一方の導体(31)の一端(31a)と他方の導体(32)の一端(32a)との間に、互いの接触を防止するための隔壁(18)が突設されている。
以下、零層変流器の作製方法について説明する。
先ず、図3に示す磁性体コア(21)を作製する。
磁性体コア(21)は、図9に示す如く、パーマロイ等の強磁性体材料からなる帯状の磁性板(4)を打ち抜いて円環状のコア片(41)を作製した後、図10に示す如く、複数枚の円環状のコア片(41)〜(41)を積層した状態で焼成を施すことにより、該複数枚の円環状のコア片(41)〜(41)を互いに接合して作製される。
又、磁性体コア(21)は、図5に示す如く、パーマロイ等の強磁性体材料からなる帯状の磁性板(4)を円環状に巻回した後、焼成を施すことにより固着して作製することも可能である。この方法によれば、複数枚の円環状のコア片(41)〜(41)を積層して磁性体コア(21)を作製する方法に比べて、磁性板(4)を無駄なく利用することが出来るので、磁性体コア(21)の製造コストを削減することが出来る。
ところで、磁性板(4)を円環状に巻回して磁性体コア(21)を作製した場合には、磁性板(4)の巻き始め端部(4a)及び巻き終わり端部(4b)にて磁性体コア(21)に段差が生じてしまうため、磁性体コア(21)の径方向に沿う断面積が全周で均一とはならず、前記段差部分にて断面積が急激に変化することになる。この様な磁性体コア(21)を用いてコイル装置(2)を作製した場合、前記段差部分にて、コイル装置(2)のインダクタンスが急激に変化することになる。
そこで、図4(a)乃至図4(c)に示す如く、磁性板(4)の巻き始め端部(4a)及び巻き終わり端部(4b)の何れか一方を、磁性板(4)の長手方向とは直交する方向の幅がその先端に向かって徐々に狭くなる先細形状に形成することにより、磁性体コア(21)の径方向に沿う断面積が周方向に変化する変化の度合いを、矩形帯状の磁性板(4)を用いた場合に比べて、緩やかなものとすることが出来る。これにより、後述する様に、零層片流器の出力調整作業が容易となる。
次に、作製した磁性体コア(21)の周囲に導線を巻回して、図3に示すコイル装置(2)を作製する。そして、作製したコイル装置(2)の中央孔(23)にケーシング本体(11)に固定された一対の導体(31)(32)を挿通し、該コイル装置(2)をケーシング本体(11)の収容室(10)内に収容する。そしてこの状態で、零層変流器の出力調整作業を行なう。
出力調整作業においては、先ず、図4に示す如く、コイル(22)の巻き始め端部(22a)と巻き終わり端部(22a)間に所定の値の抵抗Rを接続すると共に、該抵抗Rの両端に電圧計を接続する。
次に、一対の導体(31)(32)に、漏電検出時の電流差に等しい一定の電流差を有する電流を流しつつ、前記電圧計の計測値が前記一定の電流差に応じた所定の値となる様に、両導体(31)(32)の貫通方向に沿う回転軸を中心としてコイル装置(2)を回転させる。例えば、零層変流器の漏電検出時の定格出力が、10mV〜20mVである場合には、前記電圧計の計測値が定格出力の中心値である15mVとなるまで、コイル装置(2)を回転させる。そして、前記電圧計の計測値が所定の値となった回転角度姿勢にて、コイル装置(2)をケーシング本体(11)に接着剤等を用いて固定する。
尚、図4(a)乃至図4(c)に示す如く、巻き始め端部(4a)及び巻き終わり端部(4b)の何れか一方を先細形状とした磁性板(4)を用いて、磁性体コア(21)を作製した場合には、矩形帯状の磁性板(4)を用いた場合に比べて、磁性体コア(21)の径方向に沿う断面積が、該磁性体コア(21)の周方向に変化する変化の度合いは緩やかとなる。従って、上述の出力調整作業において、コイル(22)に生じる起電力の大きさは、コイル装置(2)の回転に応じて緩やかに変化することとなり、この結果、零相変流器の出力調整作業を高精度且つ容易に行なうことが出来る。
そして、図2に示す如く、コイル装置(2)を固定したケーシング本体(11)と蓋体(12)とを互いに接合し、最後に、一対の導体(31)(32)の一端(31b)(31b)を他端(31a)(31b)側へ折り曲げることによって、プリント基板上にそのまま実装することが可能な図1に示す零層変流器が得られる。
上記本発明の零相変流器によれば、磁性体コア(21)の周方向に沿うコイル(22)の巻線分布の不均一性や、磁性体コア(21)の径方向に沿う断面積の不均一性に起因して、コイル装置(2)の周方向に沿うインダクタンス分布がコイル装置(2)毎にある程度ばらついたとしても、コイル装置(2)を回転させるという簡単な作業によって、零層変流器の漏電検出時の出力を定格出力に合わせて調整することが出来る。これによって、コイル装置(2)のインダクタンス分布の不均一性に起因する零相変流器の出力バラツキを抑制することが出来る。
又、上述の出力調整作業の後、コイル装置(2)をケーシング本体(11)に固定した後には、両導体(31)(32)とコイル装置(2)の相対位置関係は常に一定となるので、零相変流器の取り付け姿勢等によって、漏電発生時にコイル(22)に流れる電流の大きさが変動することはない。
従って、零相変流器を使用する装置の製造工程においては、零相変流器を装置に取り付けるだけで、漏電発生時に、所定の出力が零相変流器から得られることになり、従来の調整作業は不要となる。これにより、零相変流器を使用する装置の製造工程の効率化を図ることが出来る。
更に、従来の零層変流器では採用することが困難であった、磁性板(4)を円環状に巻回して作製した磁性体コア(21)を用いて、コイル装置(2)を構成することが可能となるので、零相変流器の製造コストの削減を図ることが出来る。
本発明に係る零層変流器の斜視図である。 該零層変流器の最終工程前の状態を示す斜視図である。 該零層変流器の分解斜視図である。 該零層変流器の出力調整工程を説明する平面図である。 磁性体コアの斜視図である。 磁性体コアとなる磁性板の平面図である。 従来の零層変流器の斜視図である。 従来の零層変流器の分解斜視図である。 磁性体コアとなるコア片の作製方法を説明する斜視図である。 磁性体コアの作製方法を説明する斜視図である。
符号の説明
(1) ケーシング
(10) 収容室
(11) ケーシング本体
(12) 蓋体
(14) 外周ガイド壁
(15) 内周ガイド壁
(2) コイル装置
(21) 磁性体コア
(22) コイル
(23) 中央孔
(22a) 巻き始め端部
(22b) 巻き終わり端部
(31)(32) 導体
(4) 磁性板
(4a) 巻き始め端部
(4b) 巻き終わり端部

Claims (5)

  1. 各種電気回路の漏電の有無を検出するための零相変流器であって、中央孔(23)を有する円環状の磁性体コア(21)の周囲にコイル(22)を巻回してなるコイル装置(2)と、該コイル装置(2)の周囲を覆うケーシング(1)とを具え、漏電の有無を検出すべき対象の電気回路と該電気回路に電力を供給する電源との間で往復する電流の往復線路を構成すべき一対の導体(31)(32)が、前記コイル装置(2)の中央孔(23)を貫通し、前記コイル(22)の巻き始め端部(22a)と巻き終わり端部(22b)とが、前記ケーシング(1)の外部に引き出されている零相変流器において、
    前記一対の導体(31)(32)はそれぞれ、両導体(31)(32)の貫通方向とは直交する前記ケーシング(1)の外壁を貫通した状態で前記ケーシング(1)に固定されており、前記ケーシング(1)の内部には、前記一対の導体(31)(32)の貫通方向に沿う回転軸を中心として前記コイル装置(2)を回転可能に収容する収容室(10)が設けられ、前記コイル装置(2)は、前記一対の導体(31)(32)に一定の電流差を有する電流が流れたときに前記コイル(22)に前記電流差に応じた大きさの電流が流れることとなる回転角度姿勢にて、前記収容室(10)内に回転不能に固定されていることを特徴とする零相変流器。
  2. 前記ケーシング(1)の外壁の内面には、前記コイル装置(2)の内周面及び外周面に沿って一対のガイド壁(14)(15)が立設され、両ガイド壁(14)(15)に囲まれた空間によって前記収容室(10)が構成されている請求項1に記載の零相変流器。
  3. 前記磁性体コア(21)は、環状のコア片(41)を複数枚積層して構成される請求項1又は請求項2に記載の零相変流器。
  4. 前記磁性体コア(21)は、帯状の磁性板(4)を環状に巻回して構成される請求項1又は請求項2に記載の零相変流器。
  5. 前記磁性板(4)の巻き始め端部(4a)及び巻き終わり端部(4b)の内、少なくとも何れか一方の端部は、前記磁性板(4)の長手方向とは直交する方向の幅が、その先端に向かって徐々に狭くなる先細形状に形成されている請求項4に記載の零相変流器。
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