JP5490448B2 - 磁気センサおよび電流測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気を検出する磁気センサ、およびその磁気センサを備えた電流測定装置に関するものである。
この種の磁気センサとして、特開2007−309732号公報において出願人が開示した磁気センサが知られている。この磁気センサは、シールド板で覆われた一対の弧状の有芯コイルおよび一対の弧状の空芯コイルを備えて構成されている。この磁気センサでは、使用状態において、各有芯コイルの一端部同士および他端部同士が互いに近接して各有芯コイルが環状体を構成すると共に、各空芯コイルの一端部同士および他端部同士が互いに近接して各空芯コイルが環状体を構成する。そして、この状態において各有芯コイルおよび各空芯コイルが磁気を検出して検出信号をそれぞれ出力する。この場合、この磁気センサを備えた測定装置では、測定レンジとして高レンジが選択されているときには高レベルの磁気の検出に適した空芯コイルから出力された検出信号に基づいて測定を行い、測定レンジとして低レンジが選択されているときには低レベルの磁気の検出に適した有芯コイルから出力された検出信号に基づいて測定を行うことで、1つの磁気センサで小さな電流値から大きな電流値までを効率的に測定することが可能となっている。一方、この種の磁気センサでは、環状体を構成した状態における各有芯コイルの一端部同士および他端部同士の近接部位(不連続部位)の磁気抵抗が他の部位よりも大きくなるため、環状体の周方向に沿った磁気抵抗が不均一となる。また、大きな電流値の測定時には、有芯コイルのシールド板が磁気飽和することがある。そして、磁気抵抗が不均一なことによる漏れ磁束の不均一さにより、空芯コイルがその漏れ磁束の影響を受けることに起因して、磁気センサの周波数特性が低下することが発明者の実験結果から明らかとなっている。このため、出願人が開示している上記の磁気センサでは、空芯コイルの両端部の外径が両端部を除く他の部位よりも大径に形成して、両端部の磁気結合を他の部位の磁気結合よりも大きくすることで、各空芯コイルの端部同士の近接部位における検出感度を増加させて、磁気センサの周波数特性を向上させている。
特開2007−309732号公報(第4−7頁、第5図)
ところが、上記の磁気センサには、改善すべき以下の課題がある。すなわち、上記の磁気センサでは、周波数特性を向上させるために、両端部の外径を両端部を除く他の部位よりも大径に形成した空芯コイルを用いている。しかしながら、このような空芯コイルは、製造工程が複雑なため、これに起因して、空芯コイルの製造コストひいては磁気センサの製造コストが上昇するという課題が存在する。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、周波数特性の向上を図りつつ製造コストを低減し得る磁気センサおよび電流測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の磁気センサは、磁性コアの周囲に導線を巻回して略弧状に形成された一対の第1コイルと、導線を巻回して空芯形に形成されると共に前記各第1コイルに沿ってそれぞれ配設された一対の第2コイルとを備えて、前記各第1コイルにおける各々の一端部同士および各々の他端部同士を互いに近接させると共に前記各第2コイルにおける各々の一端部同士および各々の他端部同士を互いに近接させた近接状態において磁気を検出する磁気センサであって、前記各第2コイルは、当該第2コイルの長さ方向の中央部における前記導線の巻き密度が当該中央部を除く他の部位における当該導線の巻き密度よりも低密度となり、かつ直径が一定となるようにそれぞれ形成されると共に、当該中央部が前記第1コイルにおける前記一端部および前記他端部の中間部に隣接するように配設されている。
また、請求項2記載の磁気センサは、請求項1記載の磁気センサにおいて、前記各第2コイルは、前記中央部の長さが前記近接状態における当該各第2コイルの前記各一端部間の離間距離および前記各他端部間の離間距離以上となるように形成されている。
また、請求項3記載の磁気センサは、請求項1または2記載の磁気センサにおいて、前記第2コイルは、前記中央部における前記導線の巻回数が1回未満に規定されている。
また、請求項4記載の電流測定装置は、請求項1から3のいずれかに記載の磁気センサと、当該磁気センサによって検出された前記磁気の強度に基づいて電流を測定する測定部とを備えている。
請求項1記載の磁気センサおよび請求項4記載の電流測定装置によれば、第2コイルの長さ方向の中央部における導線の巻き密度が、中央部を除く他の部位における導線の巻き密度よりも低密度となるように各第2コイルを形成したことにより、一端部から他端部に渡って巻き密度が変わらないように形成された第2コイルと比較して、検出感度の低い部位が増える分、各第2コイルによって構成される環状体の周方向に沿った検出感度を平均化することができる。このため、この磁気センサおよび電流測定装置によれば、各第1コイルによって構成される環状体の周方向に沿った漏れ磁束が不均一となることに起因する電流の周波数の違いによる測定値の偏差の変動を十分に小さく抑えることができるため、その結果、周波数特性を十分に向上させることができる。また、この磁気センサおよび電流測定装置によれば、直径が一定の円筒状のチューブの周囲に導線を巻回する際にその巻き密度を異ならせて、中央部を除く他の部位を高密度とすると共に、中央部を低密度にするだけで第2コイルを製造することができるため、両端部の外径を大径に形成した第2コイルを備えた構成と比較して、第2コイルの製造工程を十分に簡略化することができる。したがって、この磁気センサおよび電流測定装置によれば、周波数特性の向上を図りつつ製造コストを十分に低減することができる。
また、請求項2記載の磁気センサおよび請求項4記載の電流測定装置によれば、中央部の長さが近接状態における各第2コイルの各一端部間の離間距離および各他端部間の離間距離以上となるように各第2コイルを形成したことにより、中央部における検出感度を、各一端部同士の近接部位(不連続部位)の検出感度および各他端部同士の近接部位の検出感度に近付けることができる。したがって、この磁気センサおよび電流測定装置によれば、各第2コイルによって構成される環状体の周方向に沿った検出感度を十分に平均化することができるため、周波数特性をさらに向上させることができる。
また、請求項3記載の磁気センサおよび請求項4記載の電流測定装置によれば、第2コイルの中央部における導線の巻回数を1回未満に規定したことにより、例えば、中央部の長さを、各一端部間の離間距離および各他端部間の離間距離以上に規定して、中央部における導線の巻数を最も少ない1回未満とすることで、中央部における検出感度を、巻数がそれぞれ0回である各一端部同士の近接部位の検出感度および各他端部同士の近接部位の検出感度に一層近付けることができる。したがって、この磁気センサおよび電流測定装置によれば、各第2コイルによって構成される環状体の周方向に沿った検出感度をさらに平均化することができるため、周波数特性を一層向上させることができる。
電流測定装置1の正面図である。 電流測定装置1のブロック図である。 電流測定装置1の側面図である。 第1センサ3aおよび第2センサ3bを回動させた状態の電流測定装置1の正面図である。 磁気センサ2の構成を示す斜視図である。 図1におけるX−X線断面図である。 第1センサ3aおよび第2センサ3bを回動させた状態の磁気センサ2の斜視図である。 有芯コイル12の分解斜視図である。 空芯コイル13の斜視図である。 空芯コイル313の周波数特性図である。 空芯コイル13の周波数特性図である。
以下、本発明に係る磁気センサおよび電流測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、電流測定装置1の構成について、図面を参照して説明する。図1に示す電流測定装置1は、例えば、電線200に流れる電流I(図2参照)を非接触で測定可能なクランプ式の電流測定装置であって、磁気センサ2および本体部4を備えて構成されている。磁気センサ2は、本発明に係る磁気センサの一例であって、第1センサ3aおよび第2センサ3b(以下、両者を区別しないときには「センサ3」ともいう)を備えて構成されている。
第1センサ3aは、図1,3,5に示すように、ケース11、有芯コイル(第1コイル)12および空芯コイル(第2コイル)13を備えて構成されて、ケース11に形成された軸孔14(図5参照)に図外のピンが挿通されることにより、そのピンを介して本体部4に回動可能に取り付けられると共に、図外のばねによって図5に示す矢印Aの方向に付勢されている。
ケース11は、図3に示すように、互いに嵌合可能な樹脂製の第1ケース11aおよび第2ケース11bを備えている。この場合、両ケース11a,11bは、嵌合状態において、有芯コイル12を収容する平面視が略弧状の第1コイル収容部21、第1コイル収容部21に沿うようにして第1コイル収容部21の外側に配置されて空芯コイル13を収容する平面視が略弧状の第2コイル収容部22(いずれも図5参照)、および電流測定装置1の使用時に第1センサ3aを回動させるためのレバー23を構成する。また、両ケース11a,11bにおける第1コイル収容部21および第2コイル収容部22の形成部位は、図6に模式的に示すように、嵌合状態における内周側(同図における左側)および外周側(同図における右側)が、厚み方向(同図における上下方向)の中央部に向かうに従って徐々に突出する曲面(半円状の断面形状)となるように形成されている。つまり、両ケース11a,11bにおける第1コイル収容部21および第2コイル収容部22の形成部位は、断面形状が全体として楕円状に形成されている。
有芯コイル12は、磁気を検出して検出信号Sd1を出力する。この場合、有芯コイル12は、比較的低レベル(小さい値)の磁気を検出するのに適した特性を有している。具体的には、有芯コイル12は、図8に示すように、磁性体としての金属板を所要の枚数積層した磁性コア12a、磁性コア12aにおける両端部を除く部位を被覆する樹脂製のボビン12b、ボビン12bの周囲に巻回された導線100(ボビン12bの周囲に巻回された状態の導線100を以下「巻線12c」ともいう)、および巻線12cのさらに外側に取り付けられた複数の金属製のシールド板12dを備えて構成されている。また、有芯コイル12は、平面視が略円弧状(略弧状の一例)に形成されて、図5,7に示すように、ケース11の第1コイル収容部21に収容されている。
空芯コイル13は、磁気を検出して検出信号Sd2(以下、上記した検出信号Sd1と区別しないときには「検出信号Sd」ともいう)を出力する。また、空芯コイル13は、図5,7に示すように、円弧状に湾曲させられた状態で有芯コイル12の外側に沿うようにしてケース11の第2コイル収容部22に収容されている。この場合、空芯コイル13は、比較的高レベル(大きな値)の磁気を検出するのに適した特性を有している。具体的には、空芯コイル13は、図9に示すように、可撓性を有する非磁性材料(例えば、樹脂)によって直径が一定(ほぼ一定)の円筒状に形成されたチューブ13a、およびチューブ13aの周囲に巻回された導線100(チューブ13aの周囲に巻回された導線100を以下「巻線13b」ともいう)を備えて直径が一定(ほぼ一定)の円筒状の空芯形に形成されている。
また、この空芯コイル13は、図9に示すように、一端部51と他端部52との間の所定部位(空芯コイル13の長さ方向の中央部53)における導線100の巻き密度が、中央部53を除く他の部位における導線100の巻き密度よりも低密度となるように形成されている。具体的には、この空芯コイル13では、中央部53よりも一端部51側の部位(以下、「一端部側54」ともいう)、および中央部53よりも他端部52側の部位(以下、「他端部側55」ともいう)において、導線100が所定の巻回数だけチューブ13aの周囲に巻回され、中央部53において、導線100がチューブ13aの周囲を1回以上(1ターン以上)巻かれずに一端部側54と他端部側55と間に渡らされている。つまり、この空芯コイル13では、中央部53における導線100の巻回数(ターン数)が1回未満に規定されている。また、この空芯コイル13は、中央部53の長さ(同図における左右方向の長さ)L1、各センサ3の各空芯コイル13の各々の一端部51同士および各々の他端部52同士が互いに近接する近接状態における各一端部51間の離間距離L2(図5参照)、および近接状態における各他端部52間の離間距離L3(同図参照)が互いに同じ(またはほぼ等しい)長さとなるように形成されている。
第2センサ3bは、図1,3,5に示すように、ケース31、並びに上記した有芯コイル12および空芯コイル13を備えて構成されて、ケース31に形成された軸孔32(図5参照)に図外のピンが挿通されることにより、そのピンを介して本体部4に回動可能に取り付けられると共に、図外のばねによって同図に示す矢印Bの方向に付勢されている。
ケース31は、図3に示すように、互いに嵌合可能な樹脂製の第3ケース31aおよび第4ケース31bを備えている。この場合、両ケース31a,31bは、上記した第1ケース11aおよび第2ケース11bと同様にして、嵌合状態において、第1コイル収容部21、第2コイル収容部22およびレバー23(いずれも図5参照)を構成する。また、両ケース31a,31bは、第1ケース11aおよび第2ケース11bと同様にして、図6に模式的に示すように、嵌合状態における内周側(同図における右側)および外周側(同図における左側)が、厚み方向(同図における上下方向)の中央部に向かうに従って徐々に突出する曲面となるように形成されている。
この場合、第1センサ3aおよび第2センサ3bは、図5に示すように、使用状態において各々の端部同士が互いに係合して環状体を構成する。また、この状態において、各センサ3の各有芯コイル12における各々の一端部61同士および各々の他端部62同士が互いに近接して各有芯コイル12が環状体を構成し、各センサ3の各空芯コイル13における各々の一端部51同士および各々の他端部52同士が互いに近接して環状体を構成する。また、各センサ3における各有芯コイル12は、環状体を構成した状態(使用状態)において、磁気を検出して検出信号Sd1を出力し、各センサ3における各空芯コイル13は、環状体を構成した状態において、磁気を検出して検出信号Sd2を出力する。
ここで、各有芯コイル12が環状体を構成した状態において、各一端部61同士および各他端部62同士の近接部位は磁気抵抗が大きく、これに対して、有芯コイル12の各一端部61同士の近接部位および各他端部62同士の近接部位を除く各有芯コイル12の中間部(例えば、空芯コイル13の中央部53の近傍)は磁気抵抗が小さい。このため、各一端部61同士の近接部位および各他端部62同士の近接部位では、電流Iが大きくても磁気飽和し難いため、電流Iの大小に対して有芯コイル12からの漏れ磁束の直線性が良いが、有芯コイル12の中間部では、磁気飽和し易く、電流Iに対する漏れ磁束の直線性が悪くなり、電流Iが大きくなると、漏れ磁束が非常に大きくなる。一方、各空芯コイル13は電流Iにより発生する磁束と各有芯コイル12の漏れ磁束の合成値を検出しているため、一端部51から他端部52に渡って巻き密度が変わらないように形成された空芯コイルを備えた構成では、電流Iが大きいほど有芯コイル12の中間部において発生する漏れ磁束が大きくなるため、電流Iと検出する磁束の合成値との間の直線性が悪くなる。さらに、各有芯コイル12における磁性コア12aの周波数特性の影響を受け易くなる。これに対して、この空芯コイル13においては、各有芯コイル12の中間部に隣接する中央部53における導線100の巻き密度が一端部側54および他端部側55における導線100の巻き密度よりも低密度となるように形成されているため、電流Iが大きくても、有芯コイル12の中間部で発生する漏れ磁束を検出し難くなり、直線性や周波数特性が向上している。この結果、この空芯コイル13を備えた磁気センサ2では、後述するように、両端部の外径を大径に形成した従来の空芯コイルと同様にして周波数特性が向上されている。また、この空芯コイル13は、直径が一定の円筒状のチューブ13aの周囲に導線100を巻回することによって形成されている。このため、両端部の外径を大径に形成した空芯コイルと比較して、製造工程を簡略化することが可能となっている。したがって、この空芯コイル13を用いた磁気センサ2では、周波数特性の向上を図りつつ製造コストを低減することが可能となっている。
また、この空芯コイル13は、中央部53の長さL1、近接状態における各一端部51間の離間距離L2、および近接状態における各他端部52間の離間距離L3が互いに同じ(またはほぼ等しい)長さとなるように形成されている。このため、この空芯コイル13を用いた磁気センサ2では、中央部53における検出感度を、近接状態の各一端部51同士の近接部位における検出感度、および各他端部52同士の近接部位における検出感度に近付けることができる。この結果、この空芯コイル13を用いた磁気センサ2では、各空芯コイル13によって構成される環状体の周方向に沿った検出感度がより十分に平均化されている。
本体部4は、図2に示すように、A/D変換部41、表示部42、操作部43、検出部44、制御部45、およびこれらの各構成要素が収容または配設されるケース46(図1参照)を備えて構成されている。A/D変換部41は、制御部45と共に測定部を構成し、磁気センサ2(有芯コイル12および空芯コイル13)から出力される検出信号Sdをアナログ/デジタル変換して電流データDiを出力する。表示部42は、例えば液晶パネルで構成されて、ケース46の正面パネルに配設されている。また、表示部42は、制御部45の制御に従って各種の測定値等を表示する。
操作部43は、電源スイッチやレンジ切替えスイッチ等の各種のスイッチを備えて構成されて、図1に示すように、ケース46の正面パネルに配設されている。また、操作部43は、スイッチ操作に応じた操作信号を出力する。検出部44は、ケース46の内部に配設されて、両センサ3の回動(つまり両センサ3における先端部の離反)を検出して検出信号Ssを出力する。制御部45は、操作部43から出力される操作信号や検出部44から出力される検出信号Ssに従って本体部4を構成する各部を制御する。また、制御部45は、A/D変換部41から出力される電流データDiに基づいて(つまり磁気センサ2から出力される検出信号Sdに基づいて)電流値Imを算出すると共に、算出した電流値Imを表示部42に表示させる。
次に、電流測定装置1を用いて電流Iを測定する方法について、図面を参照して説明する。
例えば、図4に示す電線200に流れている電流Iの電流値Imを測定する際には、操作部43のレンジ切替えスイッチを操作して測定レンジを最大レンジに設定する。次いで、同図に示すように、第1センサ3aおよび第2センサ3bのレバー23,23を本体部4側(同図に示す矢印C,Dの向き)に押し込むことにより、両センサ3を同図に示す矢印E,Fの向きに回動させて、両センサ3の先端部を互いに離反させる。この際に、検出部44が両センサ3の回動を検出して検出信号Ssを制御部45に出力する。これに応じて、制御部45が図外の電源部を制御してA/D変換部41および表示部42に対する電源供給を開始させる。
続いて、図4に示すように、電線200を両センサ3によって取り囲んだ状態でレバー23,23の押し込みを解除する。この際に、両センサ3が図外のばねの付勢力によって回動させられて、図1,5に示すように、各々の先端部同士が互いに連結して環状体を構成する。この場合、この電流測定装置1では、図6に示すように、両センサ3(各ケース11,31)の内周側および外周側が曲面で形成されている。このため、センサの断面形状が角張っている構成とは異なり、電線200の周辺に他の電線等の障害物が存在していたとしても、センサ3を電線200の近傍に移動させたり両センサ3を回動させる際にセンサ3がこれらの障害物に引っ掛かるような事態が確実に防止される。また、内周側および外周側を曲面に形成したことで、この部位を矩形、つまり角張った形状とした構成と比較して、ケース11,31の剛性が高められているため、障害物との接触等によるケース11,31の破損を防止することが可能となっている。
次いで、両センサ3の有芯コイル12および空芯コイル13が、電線200に流れている電流Iによって電線200から発生している磁気を検出して、検出信号Sd1,Sd2をそれぞれ出力する。次いで、制御部45が、A/D変換部41を制御して、検出信号Sdをアナログ/デジタル変換させて電流データDiを出力させる。この場合、測定レンジが最大レンジに設定されているため、制御部45は、高レベルの磁気の検出に適した空芯コイル13から出力された検出信号Sd2をアナログ/デジタル変換させるようにA/D変換部41を制御する。続いて、制御部45は、電流データDiに基づいて電流値Imを算出する。次いで、制御部45は、表示部42を制御して、算出した算出した電流値Imを表示させる。
この場合、空芯コイル13は、中央部53における導線100の巻き密度を一端部側54および他端部側55における導線100の巻き密度よりも低密度としたことで、後述するように、電線200に流れている電流Iの周波数による検出精度の変動が少ない周波数特性を有している。このため、電線200に流れている電流Iの周波数に拘わらず、電線200から発生している磁気が空芯コイル13によって高精度で検出される結果、その電流Iの電流値Imが正確に測定される。
次に、上記した電線200とは異なる電線200に流れている電流Iの電流値Imを測定する際には、上記した操作と同様にして、測定レンジを最大レンジに設定した後に、その電線200の周囲をセンサ3によって取り囲む。次いで、制御部45が、A/D変換部41を制御して、磁気センサ2から出力されている検出信号Sdをアナログ/デジタル変換させて電流データDiを出力させる。この場合、測定レンジが最大レンジに設定されているため、制御部45は、空芯コイル13から出力された検出信号Sd2をアナログ/デジタル変換させるようにA/D変換部41を制御する。続いて、制御部45は、電流データDiに基づいて電流値Imを算出すると共に、算出した算出した電流値Imを表示部42に表示させる。
ここで、例えば、表示部42に表示された電流値Imが比較的小さく、設定した測定レンジの下限に近いときには、測定精度を向上させるために測定レンジを低レンジに変更するのが好ましい。この場合には、操作部43のレンジ切替えスイッチを操作して、測定レンジを表示された電流値Imに適合したレンジに変更する。この際に、制御部45は、操作部43から出力される操作信号に従ってA/D変換部41を制御することにより、空芯コイル13から出力されている検出信号Sd1に代えて、低レベルの磁気の検出に適した有芯コイル12から出力されている検出信号Sd2をアナログ/デジタル変換させる。
次いで、制御部45は、電流データDiに基づいて電流値Imを算出すると共に、算出した電流値Imを表示部42に表示させる。この場合、有芯コイル12が低いレベルの磁気を正確に検出する特性を有しているため、低レベルの電流値Imが正確に測定される。
なお、発明者らは、上記した磁気センサ2の周波数特性を検証するため、次のような実験を行った。この実験では、電流出力装置から100Aの実験用の電流I(交流定電流)を電線200に流し、電流測定装置1を用いて上記した測定方法に従ってその電流値Imを測定した。この際に、電流出力装置から出力される電流Iの周波数を30Hzから400Hzまで段階的に変更して複数の周波数についての電流値Imを測定した。また、電流出力装置から200Aの実験用の電流Iを電線200に流し、周波数を30Hzから400Hzまで段階的に変更して複数の周波数についての電流値Imを測定した。また、一端部51から他端部52に渡って同じ巻き密度で導線100をチューブ13aに巻回して比較用の空芯コイル313を製造し、空芯コイル13に代えて、その空芯コイル313を備えた電流測定装置301を用いて同様の測定を行った。
次いで、周波数が55Hzの実験用の電流Iを流したときの測定値を基準値として、その基準値に対する他の周波数における測定値の偏差を算出し、その偏差と電流Iの周波数との関係を調査した。この結果、図10に示すように、空芯コイル313を備えた電流測定装置301では、周波数の違いによって測定値の偏差が大きく変動するのに対して、図11に示すように、空芯コイル13を備えた電流測定装置1では、周波数の違いによる測定値の偏差の変動が十分に小さい範囲内に収まっていることが明らかとなった。この結果から、上記した空芯コイル13を備えた構成を採用することで、磁気センサ2の周波数特性が十分に向上することが明らかである。
このように、この磁気センサ2および電流測定装置1によれば、中央部53における導線100の巻き密度が一端部側54および他端部側55における導線の巻き密度よりも低密度となるように各第2コイルを形成したことにより、一端部51から他端部52に渡って巻き密度が変わらないように形成された空芯コイルと比較して、検出感度の低い部位が増える分、各空芯コイル13によって構成される環状体の周方向に沿った検出感度を平均化することができる。このため、この磁気センサ2および電流測定装置1によれば、各有芯コイル12によって構成される環状体の周方向に沿った漏れ磁束が不均一となることに起因する電流Iの周波数の違いによる測定値の偏差の変動を十分に小さく抑えることができるため、その結果、周波数特性を十分に向上させることができる。また、この磁気センサ2および電流測定装置1によれば、直径が一定の円筒状のチューブ13aの周囲に導線100を巻回する際にその巻き密度を異ならせて、一端部側54および他端部側55を高密度とすると共に、中央部53を低密度にするだけで空芯コイル13を製造することができるため、両端部の外径を大径に形成した空芯コイルを備えた構成と比較して、空芯コイル13の製造工程を十分に簡略化することができる。したがって、この磁気センサ2および電流測定装置1によれば、周波数特性の向上を図りつつ製造コストを十分に低減することができる。
また、この磁気センサ2および電流測定装置1によれば、中央部53の長さL1が近接状態における各第2コイルの各一端部51間の離間距離L2および各他端部52間の離間距離L3と同じ長さとなるように各空芯コイル13を形成したことにより、中央部53における検出感度を、各一端部51同士の近接部位(不連続部位)の検出感度および各他端部52同士の近接部位の検出感度に近付けることができる。したがって、この磁気センサ2および電流測定装置1によれば、各空芯コイル13によって構成される環状体の周方向に沿った検出感度を十分に平均化することができるため、周波数特性をさらに向上させることができる。また、中央部53の長さL1が各一端部51間の離間距離L2および各他端部52間の離間距離L3よりも長くなるように各空芯コイル13を形成することで、中央部53における検出感度を、各一端部51同士の近接部位の検出感度および各他端部52同士の近接部位の検出感度にさらに近付けることができる。
また、この磁気センサ2および電流測定装置1によれば、空芯コイル13の中央部53における導線100の巻回数を1回未満に規定したことにより、例えば、中央部53の長さL1を、各一端部51間の離間距離L2および各他端部52間の離間距離L3以上に規定して、その中央部53における導線100の巻数を最も少ない1回未満とすることで、中央部53における検出感度を、巻数がそれぞれ0回である各一端部51同士の近接部位の検出感度および各他端部52同士の近接部位の検出感度に一層近付けることができる。したがって、この磁気センサ2および電流測定装置1によれば、各空芯コイル13によって構成される環状体の周方向に沿った検出感度をさらに平均化することができるため、周波数特性を一層向上させることができる。
なお、導線100の巻き密度を低密度とする部位の数は、1つに限定されず、任意の複数に規定することができる。また、「長さ方向の中央部(上記の例では、中央部53)の長さL1、各空芯コイル13の各一端部51間の離間距離L2、および各空芯コイル13の各他端部52間の離間距離L3を互いに同じ長さとなるように形成した例について上記したが、「中央部」の長さL1は、離間距離L2,L3以上である限り任意に規定することができる。また、離間距離L2,L3が互いに異なっていてもよい。また、中央部53における導線100の巻き回数(ターン数)を1未満に規定した例について上記したが、一端部側54および他端部側55の巻き密度よりも低密度である限り、中央部53における導線100の巻き回数は任意に規定することができる。さらに、空芯コイル13を有芯コイル12の外側に配置する例について上記したが、空芯コイル13を有芯コイル12の内側に配置する構成を採用することもできる。また、空芯コイル13と有芯コイル12とを並べて配置する構成を採用することもできる。
1 電流測定装置
2 磁気センサ
12 有芯コイル
12a 磁性コア
13 空芯コイル
13a チューブ
13b 巻線
41 A/D変換部
45 制御部
51 一端部
52 他端部
53 中央部
54 一端部側
55 他端部側
61 一端部
62 他端部
100 導線
I 電流
Im 電流値
L1 長さ
L2,L3 離間距離

Claims (4)

  1. 磁性コアの周囲に導線を巻回して略弧状に形成された一対の第1コイルと、導線を巻回して空芯形に形成されると共に前記各第1コイルに沿ってそれぞれ配設された一対の第2コイルとを備えて、前記各第1コイルにおける各々の一端部同士および各々の他端部同士を互いに近接させると共に前記各第2コイルにおける各々の一端部同士および各々の他端部同士を互いに近接させた近接状態において磁気を検出する磁気センサであって、
    前記各第2コイルは、当該第2コイルの長さ方向の中央部における前記導線の巻き密度が当該中央部を除く他の部位における当該導線の巻き密度よりも低密度となり、かつ直径が一定となるようにそれぞれ形成されると共に、当該中央部が前記第1コイルにおける前記一端部および前記他端部の中間部に隣接するように配設されている磁気センサ。
  2. 前記各第2コイルは、前記中央部の長さが前記近接状態における当該各第2コイルの前記各一端部間の離間距離および前記各他端部間の離間距離以上となるように形成されている請求項1記載の磁気センサ。
  3. 前記第2コイルは、前記中央部における前記導線の巻回数が1回未満に規定されている請求項1または2記載の磁気センサ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の磁気センサと、当該磁気センサによって検出された前記磁気の強度に基づいて電流を測定する測定部とを備えている電流測定装置。
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