JPH09242371A - 制振装置および制振構造物 - Google Patents

制振装置および制振構造物

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JPH09242371A
JPH09242371A JP5511396A JP5511396A JPH09242371A JP H09242371 A JPH09242371 A JP H09242371A JP 5511396 A JP5511396 A JP 5511396A JP 5511396 A JP5511396 A JP 5511396A JP H09242371 A JPH09242371 A JP H09242371A
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JP
Japan
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vibration damping
damping device
vibration
metal plate
metal plates
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Withdrawn
Application number
JP5511396A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Maeda
信之 前田
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さな振幅の振動を効果的に減衰することが
できる制振装置および制振構造物を提供する。 【解決手段】 多数の金属板22、23、24、25、
26、27と、多数の粘弾性体28、28、28、2
8、28が交互に積層されて構成され、相対振動する二
部材11、12間に設けられ、二部材11、12の双方
にそれぞれ、複数の金属板22、24、26、23、2
5、27が固定されることを特徴とする制振装置20
と、この制振装置20を柱2の周囲に設けた制振構造物
100。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小さな振幅の振動
を効果的に減衰することができる制振装置および制振構
造物に関する。
【0002】
【従来の技術】阪神大震災以来、旧基準で構造設計され
た、マンションなどの既存建物の耐震補強方法がクロー
ズアップされている。その方法としては、従来、耐震壁
の増設など様々な方法が提案されているが、より高い制
振効果を発揮する方法に対する要請は、止むことがな
い。ところで、新築建物の中には、水平方向の相対振動
を減衰する制振装置を備えたものがある。そこで、その
制振装置を既存建物の部材の中で、地震動で相対振動す
る二部材間に設け、既存建物をより高い制振効果を発揮
する制振構造物とすることが考えられる。その際に用い
る従来の制振装置としては、多数の金属板と多数の粘弾
性体が交互に積層されて構成され、両端の金属板が取付
板となっているものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、そのような従
来の制振装置では、大きな振幅での振動でないと、減衰
効果を発揮しにくく、既存建物のように変形性能が劣る
ために大きな振幅で振動することができない建物には、
有効でないという未解決の問題がある。従って、従来、
そのような方法では、既存建物を、高い制振効果を発揮
する制振構造物とすることはできなかった。
【0004】本発明は、上記事情に鑑み、小さな振幅の
振動を効果的に減衰することができる制振装置および制
振構造物を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の発明の制
振装置は、三個以上の金属板と二個以上の粘弾性体が交
互に積層されて構成され、相対振動する二部材間に設け
られる制振装置であって、二部材の内、少なくとも一方
に対して、複数の金属板が固定されることを特徴とす
る。即ち、二部材が相対振動すると、二部材の一方に固
定された複数の金属板が、他方の金属板に対して同様に
相対振動し、その各々の金属板間の複数の粘弾性体に、
同程度の変形が生じる。従って、従来のように、取付板
としての両端の金属板だけが、二部材と同様に振動し、
他の金属板は、粘弾性体を介して従動するため振幅が小
さくなる場合に比して、多数の粘弾性体の総変形量が大
きくなる。
【0006】本発明の第二の発明の制振構造物は、柱
と、柱に固定され、上下方向に間隔を空けて設けられた
複数の床と、水平方向の相対振動を減衰する制振装置と
を備える制振構造物において、上下に隣り合う床におけ
る柱の近傍部分の間に、接続用部材を介して、制振装置
が設けられていることを特徴とする。即ち、柱が、地震
動等の振動が伝達する基幹経路となるために、上下に隣
り合う床における柱の近傍部分は、その振動伝達の末端
部分に比して伝達による振動の減衰が少なく、水平方向
の振幅が大きい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づき説明する。図2に示すように、本実施形態の制
振構造物100は、既存建物1に制振補強を施してなる
ものであり、既存建物1は、複数の鉄筋コンクリートの
柱2、2、…と、隣り合う柱2、2間に架設された鉄筋
コンクリートの梁3、3、…と、梁3、3、…上に固設
されて柱2、2に固定され、上下方向に間隔を空けて複
数設けられた鉄筋コンクリートの床5、5とを備えてい
る。図2、図3に示す柱2には、四本の梁3、3、3、
3が、柱2に対して水平方向の四方に放射状に設けられ
ている。
【0008】制振補強は、図2に示すように上下に隣り
合う床5、5における柱2の周囲の近傍部分の間に、接
続用部材10を介して設けられ、水平方向の相対振動を
減衰する制振装置20と、柱2の周囲において接続用部
材10より外方に四本周設され、上下の床5、5間に梁
3、3、3、3を介して立設された間柱40、40、4
0、40とを有している。
【0009】接続用部材10は、上方の床5の下面から
垂設され、図3に示す四本の梁3、3、3、3間にそれ
ぞれ設けられた四枚の垂れ壁11、11、11、11
と、図2に示すように四枚の垂れ壁11、11、11、
11の下端面の下方に、制振装置20を介してそれぞれ
設けられ、下方の床5の上面から立設され、図4に示す
ように四枚合わせて柱2を囲む角筒をなす腰壁12、1
2、12、12とからなっている。
【0010】制振装置20は以下の構成を有している。
即ち、制振装置20は、図1に示すように、本実施形態
では鋼板からなる6枚の金属板である下側取付用金属板
22、第一上側金属板23、第一下側金属板24、第二
上側金属板25、第二下側金属板26、上側取付用金属
板27と、五個の粘弾性体28、28、28、28、2
8とが上下方向に交互に積層されてなる本体部分21を
有しており、本体部分21は、図3に示すように平面視
正方形状をなし、その中央に柱2が環状の間隙dをもっ
て貫通する柱配置穴部29を有している。
【0011】また、制振装置20は、図1に示すよう
に、下側取付用金属板22と、その上方に配置された金
属板の内、下方から数えて偶数番目にあたる第一、第二
下側金属板24、26とを一体とする四個の下接合壁部
31、31、31、31を有している。下接合壁部3
1、31、31、31は、図4に示すように上方から見
て本体部分21の四面の側面にそれぞれ配置されてお
り、第一、第二下側金属板24、26の四個の角部には
切欠部24a、26aが形成されている。また、図1に
示すように、下側取付用金属板22の上方に配置された
金属板の内、下方から数えて奇数番目にあたる第一、第
二上側金属板23、25は、下接合壁部31、31、3
1、31の内側に配置される正方形状をなしており、第
一、第二上側金属板23、25の四個の角部は、図4に
示すように、第一、第二下側金属板24、26の四個の
切欠部24a、26aから外方に突き出されている。
【0012】また、制振装置20は、図1に示すよう
に、上側取付用金属板27と、第一、第二上側金属板2
3、25とを一体とする四個の上接合壁部32、32、
32、32を有しており、上接合壁部32、32、3
2、32は、図4に示すように上方から見て、第一、第
二下側金属板24、26の四個の切欠部24a、26a
から突き出されている第一、第二上側金属板23、25
の四個の角部にそれぞれ設けられている。
【0013】また、図3に示すように四枚の垂れ壁1
1、11、11、11は、上側取付用金属板27の周縁
に接合されており、図4に示すように腰壁12、12、
12、12は、下側取付用金属板22の周縁に接合され
ている。また、制振装置20は、柱配置穴部29を通る
鉛直断面で二個以上に分割自在且つ接合自在である。
【0014】以下には、図2に示す本実施形態の制振構
造物100の作用効果について説明する。即ち、地震動
等の振動で、制振構造物100が水平方向に加振される
際には、柱2が、その地震動等の振動を伝達する基幹経
路となるために、上下に隣り合う床5、5における柱2
の周囲の近傍部分は、その振動伝達の末端部分(例えば
床5の中央)に比して伝達による振動の減衰が少なく、
水平方向の振幅が大きいこととなる。然るに、制振装置
20は、上下に隣り合う床5、5における柱2の近傍部
分の間に、接続用部材10を介して設けられている。よ
って、制振装置20には、大きな振幅の水平方向の振動
が加わる。すると、制振装置20は、水平方向の相対振
動を減衰するものであるので、制振構造物100を加振
する振動の振幅が小さくとも、大きな減衰効果を発揮す
ることができる。
【0015】また、本実施形態の制振装置20では、柱
2が水平方向に振動すると共に上下に隣り合う床5、5
が水平方向(図中矢印A、B方向、矢印C、D方向)に
相対振動すると、垂れ壁11、11、11、11、腰壁
12、12、12、12を介して、図1に示す上側取付
用金属板27、第一、第二上側金属板23、25と、下
側取付用金属板22、第一、第二下側金属板24、26
とが、それぞれ同じ振幅で相対振動し、その上側取付用
金属板27、第一、第二上側金属板23、25と、下側
取付用金属板22、第一、第二下側金属板24、26と
の間にそれぞれ設けられた5個の粘弾性体28、28、
28、28、28に、それぞれ同程度の変形が生じる。
従って、従来のように、取付板としての両端の金属板の
相対振動の振幅に比して、他の金属板の振幅が、粘弾性
体を介して従動するために小さくなる場合と比較する
と、本実施形態の5個の粘弾性体28、28、28、2
8、28は、その総変形量が大きい。従って、振幅の小
さな振動に対して、従来より、大きな減衰力を得ること
ができ、小さな振幅の振動を効果的に減衰することがで
きる。これにより、図2の制振構造物100は、更に大
きな減衰効果を発揮することができる。
【0016】また、制振構造物100では、上下に隣り
合う床5、5を間柱40、40、40、40で支持した
ことにより、制振装置20の図1の粘弾性体28、2
8、28、28、28に上下の軸力による過度の荷重が
作用することを防止している。また、これにより、制振
装置20に加わる荷重が、高い減衰効果を発揮するため
に適当な荷重となるようにすることができる。
【0017】従って、本実施形態によれば、図2の変形
性能が劣る既存建物1を高い制振効果を備えた制振構造
物100とすることができる。
【0018】尚、本発明の制振装置20は、既存建物1
に設ける場合に限定されるものではなく、二部材が如何
なるものであっても、二部材の相対振動の振幅が、従来
の制振装置では高い減衰効果が期待できないほど小さな
領域の場合に、全般に効果を発揮するものである。ま
た、制振装置20を、柱2を貫通させて設けるのでなけ
れば、その柱配置穴部29を省略してもよいことは勿論
である。更に、本実施形態では、接続用部材10とし
て、垂れ壁11と腰壁12を設けたが、例えば、垂れ壁
11を省略して、図1の制振装置20の上側取付用金属
板27を図2の梁3に接合する構成としてもよい。
【0019】また、図1の制振装置20の金属板は、鋼
板と同程度以上の強度を有する限りにおいて如何なる金
属板であってもよく、他の合金板であってもよい。
【0020】また、本発明の制振装置は、三個以上の金
属板と二個以上の粘弾性体が交互に積層されて構成さ
れ、相対振動する二部材間に設けられる制振装置であっ
て、二部材の内、少なくとも一方に対して、複数の金属
板が固定される限りにおいて如何なる形状であってもよ
く、即ち、例えば、金属板が、下側取付用金属板22
と、上側取付用金属板27と、上接合壁部32を介して
上側取付用金属板27に一体な第一上側金属板23との
三枚だけからなる構成を含む。
【0021】
【発明の効果】本発明の第一の発明の制振装置によれ
ば、従来に比して、二個以上の粘弾性体の総変形量が大
きくなるので、振幅の小さな振動に対して、従来より、
大きな減衰力を得ることができる。このため、小さな振
幅の振動を効果的に減衰することができる。
【0022】本発明の第二の発明の制振構造物によれ
ば、水平方向の相対振動を減衰する制振装置を、上下に
隣り合う床において、振動伝達の末端部分に比して伝達
による振動の減衰が少なく、水平方向の振幅が大きい柱
の近傍部分の間に設けたので、制振装置は、制振構造物
を加振する振動の振幅が小さくとも、大きな減衰効果を
発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の制振装置の一実施形態の要部を示す
斜視図である。
【図2】 図1の制振装置を用いた制振構造物を示す正
面断面図である。
【図3】 図2の制振構造物の制振装置の上面を示す平
面断面図である。
【図4】 図2の制振構造物の制振装置の内部を示す平
面断面図である。
【符号の説明】
2 柱 5 床 10 接続用部材 11 垂れ壁(接続用部材、部材) 12 腰壁(接続用部材、部材) 20 制振装置 22 下側取付用金属板(金属板) 23 第一上側金属板(金属板) 24 第一下側金属板(金属板) 25 第二上側金属板(金属板) 26 第二下側金属板(金属板) 27 上側取付用金属板(金属板) 28 粘弾性体 100 制振構造物

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三個以上の金属板と二個以上の粘弾性体
    が交互に積層されて構成され、相対振動する二部材間に
    設けられる制振装置であって、 前記二部材の内、少なくとも一方に対して、複数の金属
    板が固定されることを特徴とする制振装置。
  2. 【請求項2】 柱と、該柱に固定され、上下方向に間隔
    を空けて設けられた複数の床と、水平方向の相対振動を
    減衰する制振装置とを備える制振構造物において、 上下に隣り合う前記床における前記柱の近傍部分の間
    に、接続用部材を介して、前記制振装置が設けられてい
    ることを特徴とする制振構造物。
JP5511396A 1996-03-12 1996-03-12 制振装置および制振構造物 Withdrawn JPH09242371A (ja)

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