JPH0924234A - 気体分離体、気体分離部材およびその製造方法 - Google Patents

気体分離体、気体分離部材およびその製造方法

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JPH0924234A
JPH0924234A JP17218495A JP17218495A JPH0924234A JP H0924234 A JPH0924234 A JP H0924234A JP 17218495 A JP17218495 A JP 17218495A JP 17218495 A JP17218495 A JP 17218495A JP H0924234 A JPH0924234 A JP H0924234A
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Japan
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gas
substrate
pores
matrix
reactive
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JP17218495A
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English (en)
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Shinji Kawasaki
真司 川崎
Hirotake Yamada
裕丈 山田
Masahiko Namekawa
政彦 滑川
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Publication date
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  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水素、酸素等の気体を分離するための気体分離
体において、気体透過能力を向上させつつ、しかも特定
の気体以外の原料側の気体が精製気体側へと流入しない
ような高度の気密性を保持し、また気体分離体を長期間
繰り返して使用しても、気体の選択透過性能が劣化しな
いようにする。 【解決手段】多孔質の基体1の一方の側に第一の反応性
ガスを供給し、基体1の他方の側に第二の反応性ガスを
供給し、基体1の気孔4内で第一の反応性ガスと第二の
反応性ガスとを電気化学的プロセスによって反応させる
ことによって、基体1の気孔4内にマトリックス5A、
5Cを生成させる。この気体分離体は、多孔質の基体1
と、基体1の気孔4を気密に充填しているマトリックス
5A、5Cとを備えており、マトリックスが気体透過性
の金属からなり、このマトリックスが気孔内で焼結によ
って変形しない緻密体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素等の気体を効
率的に高純度で分離し、精製するための、気体分離体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】多くの成分を含有する混合ガスから特定
のガス成分のみを得る方法として、有機または無機物質
からなるガス分離膜によって特定のガス成分のみを分離
する方法が知られている。こうした酸素分離膜として
は、オルガノポリシロキサン−ポリカーボネート共重合
膜、ゼオライトによるモレキュラーシーブ(分子ふる
い)膜が知られており、水素分離膜としては、特にパラ
ジウム膜、パラジウム合金膜が知られている。
【0003】しかし、このような金属のバルクからなる
水素分離膜に対して、構造体として要求される所定の強
度を付与するためには、水素分離膜の厚さを大きくする
必要があるが、この膜厚を大きくすると水素の透過能力
が失われる。
【0004】この問題を解決するために、種々の方法が
提案されている。特開昭63−171617号公報にお
いては、多孔質セラミックスからなる支持体の表面に、
パラジウムまたはパラジウム合金を付着させることによ
って、水素分離膜を製造している。「Membrane Reactor
Technology 」No.268、vol.85、18〜2
5頁においては、酸化珪素膜による水素分離が記載され
ている。米国特許第3,359,705号においては、
銀薄膜によって酸素を分離している。特開昭57−19
0606号公報においては、有機材料からなる薄膜を使
用している。特開昭62−273030号公報において
は、無機多孔質基体の表面を化学的に活性化処理し、こ
の表面に化学メッキ法によってパラジウム膜を形成して
いる。
【0005】「Ind. Eng. Chem. Res.」Vol.33, No.3,
第616〜622頁の「Thin Palladium Mambrane Form
ed in Support Pores by Metal-Organic Chemical Vapo
r Deposition Method and Application to Hydrogen Se
paration」には、パラジウム膜をα−アルミナ支持管の
気孔内に形成するために、低温金属有機物化学的気相成
長法(MOCVD法)を使用している。具体的には、酢
酸パラジウムを支持管の気孔内に供給し、これを熱分解
することによって、気孔内にパラジウム膜を形成したと
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭63−
171617号公報、「Membrane Reactor Technology
」No.268、vol.85、18〜25頁、米国
特許第3,359,705号、特開昭57−19060
6号公報に記載の各技術においては、いずれも、薄膜を
製造するときに、この気体分離膜を貫通する欠陥が生ず
るので、この貫通欠陥を通して、精製前の原料ガスが精
製ガス中へと流入してしまう。
【0007】特開昭62−273030号公報の技術に
おいては、化学メッキ法によってパラジウム膜を形成し
ているが、化学メッキ法によって形成したパラジウム膜
にも貫通欠陥が生ずる。
【0008】前記した「Ind. Eng. Chem. Res.」Vol.3
3, No.3, 第616〜622頁記載の方法によれば、酢
酸パラジウムを支持管の気孔内に供給し、これを熱分解
することによって、気孔内にパラジウム膜を形成してい
る。しかし、この方法によって気孔内に生成するパラジ
ウムは、細かい粒子形状であり、確かにある程度の気密
性を有してはいるが、やはり多数の欠陥を有しているた
め、必ずしも気体の選択透過性を高くすることができな
い。しかも、こうして製造した気体分離体を長期間使用
したり、あるいは繰り返して使用すると、水素透過性が
減少する上、窒素等の他の気体の透過性が早期に上昇し
てくるので、気体の選択的透過性が比較的早期に失われ
てしまう。これは、実用上は決定的な欠陥になりうるも
のである。
【0009】本発明の課題は、水素、酸素等の気体を分
離するための気体分離体であって、気体分離体の気体透
過能力を向上させつつ、しかも特定の気体以外の原料側
の気体が精製気体側へと流入しないような高度の気密性
を保持できるようにすることである。
【0010】また、気体分離体を長期間繰り返して使用
しても、気体の選択透過性能が劣化しないような気体分
離体を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、多孔質の基体
と、この基体の気孔を気密に充填しているマトリックス
とを備えており、このマトリックスが気体透過性の金属
からなり、かつこのマトリックスが気孔内で焼結によっ
て変形しない緻密体であることを特徴とする、気体分離
体に係るものである。
【0012】また、本発明は、上記の気体分離体からな
る気体分離部を備えていることを特徴とする、気体分離
部材に係るものである。
【0013】更に、本発明は、多孔質の基体の一方の側
に第一の反応性ガスを供給し、基体の他方の側に第二の
反応性ガスを供給し、基体の気孔内で第一の反応性ガス
と第二の反応性ガスとを電気化学的プロセスによって反
応させることによって、この基体の気孔内に前記のマト
リックスを生成させることを特徴とする、気体分離部材
の製造方法に係るものである。
【0014】本発明者は、新規な構造の気体分離体を提
供するべく、研究を行っていたが、この過程で、多孔質
基体自体の空隙ないし開気孔の内部に反応性ガスを流
し、多孔質基体の内部にパラジウム膜やパラジウム合金
膜を蒸着させることを検討した。そして、特に、第一の
反応性ガスを多孔質基体の一方の側から供給し、第二の
反応性ガスを多孔質基体の他方の側から供給してみた。
この際、最初には化学的気相成長(CVD)プロセスに
よって化合物が生成するが、この段階では完全に緻密な
充填物は生成しない。なぜなら、CVD法においては上
記の二種類の反応性ガスが直接に接触することが必要で
あり、気密な充填物が気孔内に形成されると、二種類の
反応性ガスの通気が遮断され、両者の接触が不可能にな
るからである。
【0015】しかし、本発明においては、上記のCVD
反応が終結し、ほぼ気密な充填物が生成すると、今度は
この充填物内に第一の反応性ガスを透過させることがで
き、この透過した反応性ガスが、電気化学的気相反応プ
ロセスによって第二の反応性ガスと反応し、更に連続的
に充填物を生成する。この過程で、気孔内の充填物の気
密性が確保される。
【0016】このように、本発明の気体分離体によれ
ば、多孔質基体自体の内部の気孔を充填しており、しか
も電気化学的プロセスを採用したことから、気体分離体
における、特定のガス成分以外のガスへの気密性は完全
に保持されている。このように多孔質基体自体を気体分
離体として使用することによって、気密性を完全に保持
した上で、特定の気体の透過性能を制御することができ
る。特に、気体分離膜を多孔質基体の表面に形成した場
合には、気体分離膜を薄くすることによって特定の気体
の透過性能を向上させることは困難であったが、本発明
では、充填物を薄くすることによって、原料気体の透過
は防止しつつ、特定の気体の透過性能を向上させること
ができる。
【0017】MOCVD法によっては、有機パラジウム
化合物を基体の気孔内で熱分解させるが、この熱分解に
よって生じた充填物によって有機パラジウム化合物の透
過が抑制され、その透過量が少なくなったり、気孔を透
過しなくなると、直ちに熱分解によるパラジウム膜の生
成反応が終了する。このために、パラジウム膜の厚さは
きわめて小さく、かつ緻密質ではなく、多数のパラジウ
ム粒子によって形成されており、空隙が大きい。このた
めに、熱サイクルを加えたり、ある程度長時間気体分離
体を使用すると、パラジウム粒子が反応して膜が変形
し、気密性が速やかに失われていた。
【0018】一方、本発明によって、熱によって変形、
焼結しない、緻密かつ均一な組織を有するマトリックス
によって、基体の気孔内を充填することに成功した。具
体的には、このマトリックスが気体分離体の使用温度に
おいて焼結しない緻密体であった。
【0019】また、気体分離体の全体の気孔率を2%以
下とすることができ、これによって、気体分離体の気孔
内で熱によるマトリックスの変形が実質的に生じなくな
った。
【0020】更に,本発明の製造方法を実施する際、次
のように実施することができる。即ち、本発明の製造方
法において、前記したCVD反応、EVD反応を制御す
るためには、第一の反応性ガスと第二の反応性ガスとの
間の圧力差を測定し、この圧力差に応じて双方の反応性
ガスの供給量を制御する。
【0021】しかし、EVD反応の過程において、何ら
かの原因で多孔質内の緻密質マトリックスに亀裂や破壊
が発生した場合には、第一の反応性ガスの側と第二の反
応性ガスとの側との圧力差が急激に変化する。従って、
この圧力差から、製品の気密性を正確に検査することに
よって、別に検査工程を設ける必要がなくなる。また、
このような異常な圧力差が発生した場合には、EVD反
応よりもCVD反応の方が優先的に進行するため、この
CVD反応によって気孔内の膜の不良箇所に更に膜を生
成させることができるので、こうした成膜工程における
歩留りはきわめて大きい。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法において、前記
の膜形成工程を、電気的化学気相成長装置内で実施した
後に、これと同じ装置内において、気体分離体の一方の
側に、特定の気体を含有する気体を供給することによっ
て、気体分離体の他方の側における特定の気体の分離速
度と不純物気体のリークの測定を行うことができる。
【0023】本発明において、緻密質マトリックスとし
て、気体透過性を備えている金属を採用する。こうした
金属としては、パラジウム、パラジウム合金を例示する
ことができる。このパラジウム中に他の1種類あるいは
2種類の金属を合金化することによって、水素によるパ
ラジウムの脆化の防止、水素透過速度の向上を図ること
ができる。パラジウムと合金化するための金属として
は、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金、銀
が好ましく、特に銀が好ましい。パラジウム合金中での
これらの他の金属の割合は、10〜35原子%とするこ
とが好ましい。
【0024】本発明において、緻密質マトリックスとし
てパラジウム合金を使用する場合には、特にパラジウム
−銀合金を使用することが好ましい。この場合には、多
孔質基体にパラジウムメッキを行った後、銀のみをEV
D法で析出させることができ、または、多孔質基体に銀
メッキを行った後、パラジウムのみをEVD法で析出さ
せることができる。
【0025】特に、多孔質基体にパラジウムメッキを行
った後、銀をEVD法によって形成するときには、EV
Dのプロセスの間に、熱安定性の低い塩化パラジウムを
使用する必要がない。従って、例えば1000℃といっ
た高温でEVDプロセスを進行させることができる。こ
の結果、AgCl2 +2H2 →Ag+2HClの反応と
共に、AgがPd中に拡散するので、この銀−パラジウ
ム合金の生成に必要な時間を大幅に短縮することができ
る。
【0026】こうしたマトリックスを製造するための第
一の反応性ガスと第二の反応性ガスとの組み合わせとし
ては、以下を例示できる。
【0027】
【表1】
【0028】多孔質基体としては、特に限定はないが、
気体透過性や電子伝導性を備えている必要はない。こう
した材質としては、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミ
ナ、ムライト、コージェライト、カーボン、多孔質ガラ
スを例示できる。しかし、多孔質の基体の方を、気体成
分イオンの伝導性または電子伝導性を有する材質とする
こともできる。
【0029】こうした気体成分イオンの伝導性の材質と
しては、ストロンチウム、カルシウムを添加したランタ
ンコバルタイト、ランタンマンガナイト、ガリウム酸ラ
ンタン、スカンジウム酸ランタン、インジウム酸ランタ
ン等のペロブスカイト酸化物、ジルコニアの他に、公知
の水素イオン伝導体を使用することができる。前記のペ
ロブスカイト化合物の一般式は、次の通りである。
【0030】La1-x x BO3 (Aは、カルシウムお
よびストロンチウムからなる群より選ばれた一種以上の
金属元素であり、Bは、マンガン、コバルト、鉄および
ニッケルからなる群より選ばれた一種以上の金属元素で
あり、xは0〜0.5である。
【0031】また、こうした電子伝導性の材質として
は、各種の金属または合金の他、電子伝導性のセラミッ
クスを使用することができる。
【0032】本発明において、気体分離部を気体の透過
方向に見た寸法は、1μm以上とすることが好ましい。
言い換えると、多孔質基体のうち、気孔内部に前記のマ
トリックスが充填されている部分の寸法を1μm以上と
することが好ましい。これによって、気体分離体を長期
間使用したときにも、基体の気孔内を所望の気体以外の
気体が通過するおそれが一層小さくなる。
【0033】ただし、気体分離部を基体の透過方向に見
た寸法は、100μm以下とすることが好ましい。この
ように気体分離部の寸法を小さくすることによって、気
孔内部で気体がマトリックスを通過する距離が小さくな
るので、特定の気体の透過速度が一層向上する。
【0034】本発明においては、基体の表面に緻密質マ
トリックスからなる緻密質膜を形成することができる。
このためには、基体の気孔内に緻密質マトリックスを生
成させて、気体分離体からなる分離部を形成した後に、
基体の他方の側の表面に、緻密質マトリックスの材質か
らなる緻密質膜を形成する。また、緻密質マトリックス
が気孔内に充填されている気体分離部を気体分離部材の
内部に形成すると共に、この気体分離部の両側に、緻密
質マトリックスが充填されていない多孔部を形成するこ
とができる。
【0035】このように、気体分離部(即ち、緻密質マ
トリックスが充填されている部分)を、基体の内部の領
域のみに形成し、その両側を多孔質のままで保持するこ
とによって、構造上、気体分離部の幅を、基体の全体の
幅よりも、顕著に小さくすることができる。これによっ
て、基体の幅を大きくしてその強度を大きくできるのと
同時に、緻密質マトリックスが形成された気体分離部の
幅を小さくすることができ、従ってその気体透過性能を
向上させることができる。この気体分離部の寸法は、前
記したものと同じである。また、この場合に、基体の前
記寸法(幅)は、1mm以上とすることが、気体分離部
材を取り扱う上できわめて好ましい。
【0036】また、本発明の製造方法においては、1つ
の製造プロセスで、複数の気体分離体を同時に製造し、
検査することができる。即ち、複数の基体を気体隔離部
材に対して取り付け、各基体の一方の側の表面が気体隔
離部材の一方の側に面し、各基体の他方の側の表面が気
体隔離部材の他方の側に面するように配置する。即ち、
複数の基体をモジュール化することができる。この場合
には、基体の一方の側に第一の反応性ガスを供給し、基
体の他方の側に第二の反応性ガスを供給することによっ
て、各基体の気孔内に緻密質マトリックスを同時に生成
させる。
【0037】基体の気孔率は、20〜70%とすること
が好ましい。これが20%未満であると、緻密質マトリ
ックスを形成することが困難であり、これが70%を越
えると、基体自体の気体分離体に対する寄与が乏しくな
り、またやはり気体分離体の形成が困難になる。こうし
た観点から、25〜60%とすることが更に好ましい。
【0038】また、基体の孔径は、0.05μm〜10
μmとすることが好ましい。これが0.05μm未満で
あると、緻密質マトリックスを形成することが困難であ
り、これが10μmを越えると、基体自体の気体分離体
に対する寄与が乏しくなり、またやはり気体分離体の形
成が困難になる。
【0039】以下、随時図面を参照しつつ、本発明を更
に詳細に説明する。図1(a)は、平板形状の基体1を
示す断面図である。この基体1に対して、例えば後述す
るような気相成長装置を使用することによって、所定の
反応ガスを供給する。例えば、基体1の一方の側の表面
1aに向かって、矢印Aのように第一の反応性ガスを供
給し、基体1の他方の側の表面1bに向かって、第二の
反応性ガスを矢印Bのように供給する。
【0040】そして、本実施例では、基体1の気孔内に
緻密質マトリックスを生成させる。この結果、図1
(b)に示すように、基体の気孔の内部に緻密質マトリ
ックスが充填された気体分離体からなる、気体分離部材
2を製造できる。本実施例では、更に、気体分離部材2
の他方の表面2b上でも電気化学的反応を進行させ、緻
密質膜3を形成する。気体分離部材2の一方の表面2a
上には、このような緻密質膜は形成されない。
【0041】この各反応の進行過程について、図2
(a)、(b)を参照しつつ、更に説明する。この反応
の最初の段階では、図2(a)に示すように、基体1の
開気孔(あるいは貫通気孔)4の内部の所定箇所で、第
一の反応性ガスと第二の反応性ガスとが出会い、CVD
反応し、気孔4の表面4aに沿って徐々に堆積してい
く。この反応は、図2(a)のKで示す領域では比較的
に早期に進行し、気孔4が徐々にマトリックスによって
埋め尽くされていく。この一方、領域Kの両側では、反
応の進行が相対的に遅いので、気孔4の表面4aに沿っ
てマトリックス5Bが堆積するが、空隙6の方が多く残
留する。
【0042】こうした反応過程が進行すると、図2
(a)に示すように、領域K内では気孔4がマトリック
ス5Aによって充填され、気密性が失われてくる。こう
なると、第一の反応性ガスと第二の反応性ガスとが接触
できなくなるので、CVD反応は終了する。これと共
に、各反応性ガスの間を遮断しているマトリックス5A
を通って第一の反応性ガス中の成分が透過し、図2
(b)に示すように、気孔4内で更にEVD反応してマ
トリックス5Cを生成し、このマトリックスが矢印Lの
方向へと向かって伸びていく。これによって、領域Mの
部分で気孔4内にマトリックスが充填され、気体分離体
が生成する。
【0043】本発明においては、次に示すような製造方
法を採用し、基体の気孔内に緻密質マトリックスを生成
させることができる。本例では、基体1の一方の表面1
aから他方の表面1bへと向かって、順次にマトリック
スが生成する。ここで、マトリックスを生成させるため
のガスの供給を途中で停止すると、図3(a)に示すよ
うに、気体分離部材7の表面7a側には気体分離部8が
生成するが、表面7b側には、多孔質焼結体からなる多
孔部9が残留する。
【0044】こうした製造方法によって、気体分離部8
と、多孔質焼結体からなる多孔部9との積層品である気
体分離部材7を製造することができる。
【0045】また、次に示す製造方法を採用することが
できる。即ち、基体の気孔内に緻密質マトリックスを生
成させる際に、マトリックスを生成させるための原料で
ある第二の反応性ガスの圧力を、第一の反応性ガスの圧
力よりも大きくし、この圧力差によって第二の反応性ガ
スを基体内に流通させる。この際、この圧力差を低く設
定すると、第二の反応性ガスは、基体1の一方の表面1
aまではほとんど到達せず、基体1の中、例えば中央部
までしか到達しないことになる。この結果、表面1a側
ではマトリックスの生成反応が起こらず、基体1の中央
部から他方の表面1b側へと向かって順次マトリックス
生成反応が進行することになる。
【0046】この結果、図3(b)に示すように、平板
形状の気体分離部材10において、その一方の表面10
a上には緻密質膜は存在しておらず、表面10a側の方
から気体分離部材10の中央部へと向かって、多孔質焼
結体からなる多孔部11が残留する。また、気体分離部
材10の中央部から他方の表面10bへと向かって、本
発明の複合材料からなる気体分離部23が生成し、更に
他方の表面10b上には緻密質膜3が生成する。
【0047】また、次に示す製造方法を採用することが
できる。即ち、基体の気孔内に緻密質マトリックスを生
成させる際に、第二の反応性ガスの圧力を、第一の反応
性ガスの圧力よりも大きくし、この圧力差によって第二
の反応性ガスを多孔質焼結体内に流通させる。この際、
この圧力差を低く設定すると、第二の反応性ガスは、基
体1の一方の表面1aまではほとんど到達しない。そし
て、このマトリックスの生成が、他方の表面1bまでは
到達しないうちに、反応性ガスの供給を停止する。
【0048】この結果、図3(c)に示すように、平板
形状の気体分離部材24において、その一方の表面24
aの近傍には、多孔質焼結体からなる多孔部25が残留
する。そして、他方の表面24bの近傍にも、多孔質焼
結体からなる多孔部27が残留する。これらの各多孔部
25と27との間に、本発明の気体分離体からなる気体
分離部26が生成する。
【0049】上記の例では平板形状の基体を使用した
が、むろん、基体の形状には何ら限定はなく、例えば円
筒形状、断面が四角形の筒状等、種々の形状の基体を使
用することができる。
【0050】図4は、本発明の気体分離体または気体分
離部材を製造するための電気化学的気相成長装置の一例
を示す模式図である。真空チャンバー15内には、円筒
形状の発熱体13と、支持台16とが設置されている。
有底円筒形状の基体14の端面14dを、支持台16上
に設置し、基体14を発熱体13の内側に設置する。基
体14の有底部14cを上向きにする。
【0051】配管18、19は、それぞれ図示しない真
空ポンプに対して連結されており、この真空ポンプを作
動させることによって、矢印E、Fのように真空チャン
バー15内の空気を吸引し、この中の圧力を減少させる
ことができる。この際、配管18と19との間の配管2
0に弁21を設け、この弁21と弁46、47とを調節
することによって、基体14の内側空間31および支持
台16の内側16aの圧力が、基体14および支持台1
6の外側の圧力よりも、高くなるようにする。
【0052】次いで、キャリアーガスを配管17に矢印
Dのように流す。第一の反応性ガスを、配管12を通し
て、矢印Cのように供給し、基体14の外側へと流す。
発熱体13を発熱させ、基体14を所定温度に加熱す
る。
【0053】配管17に流しているキャリアーガスに対
して、所定の組成比率となるように原料ガスを混合し、
第二の反応性ガスを流す。
【0054】この結果、第一の反応性ガスが、基体14
の一方の表面14aから基体内部へと進入し、基体14
の内部で第二の反応性ガスと直接に化学的気相成長反応
し、上記の緻密質マトリックスを生成する。
【0055】この化学的気相成長反応の進行によって、
基体14内の気孔が一応閉塞すると、今度は気孔内部の
反応物の中をプロトンあるいは酸素イオンが透過し、電
気化学的気相成長反応によって緻密質マトリックスの生
成が進行する。ただし、CVD反応の進行に伴って、多
孔質基体の内部の気孔が閉塞する過程で、基体14の内
側と外側との圧力差が大きくなる。そこで、弁21、4
6、47を調節することによって、この圧力差を適切に
保持する。
【0056】また、何らかの理由で気孔内の膜に亀裂、
破壊等が発生した場合には、基体14の内側と外側との
圧力差が急激に変動するので、この成膜工程で、同時に
気孔内のマトリックスの気密性の試験も行うことができ
る。また、この圧力差を適切に制御すれば、マトリック
スのうち破壊や亀裂が発生した部分で、マトリックスが
優先的に生成する。従って、この亀裂ないし破壊部分
も、本製造プロセスの中で修復することができる。
【0057】このようにして得られる気体分離部材の一
例を、図5に概略的に示す。気体分離部材29において
は、本発明に従って、基体の気孔内に緻密質マトリック
スが充填されている。この気体分離部材29の形状は、
多孔質基体14の形状と同じであり、即ち、気体分離部
材29の一端に有底部29cが設けられており、他端側
の端面29d側に開口が設けられている。
【0058】気体分離部材29の他方の側の表面29b
には緻密質膜30が形成されており、一方の側の表面2
9aには緻密質膜は生成していない。
【0059】また、上記の図4を参照しつつ説明した製
造方法において、管状の基体14の内側に第一の反応性
ガスを供給し、基体14の外側に第二の反応性ガスを供
給し、基体14の外側の圧力を内側の圧力よりも低くす
ることによって、電気化学的気相成長プロセスを実施
し、緻密質マトリックスを生成することができる。この
場合には、基体14の外側の表面に緻密質膜を形成する
ことができる。
【0060】また、上記のような形状の基体14を使用
し、図6に示すような気体分離部材を製造することもで
きる。この気体分離部材32においては、有底円筒形状
の気体分離部材32の一方の表面32a側に、多孔質焼
結体からなる多孔部34が残留しており、他方の表面3
2b側にも、多孔質焼結体からなる多孔部38が残留し
ている。これらの各多孔部34と38との間に、本発明
の気体分離体ないし複合材料からなる気体分離部33が
生成している。32cは気体分離部材32の有底部であ
り、32dは気体分離部材32の端面である。
【0061】また、図4に示す装置内で、複数本の基体
14を同時に処理することができる。即ち、図7に示す
ようにして、複数の基体14を気体隔離部材35に対し
て取り付ける。この際、気体隔離部材35は、例えば平
板形状であり、気体隔離部材35には貫通孔35aが所
定箇所に形成されており、各基体14を各貫通孔35a
に対して取り付ける。各基体14の一方の側の表面14
aがこの気体隔離部材35の一方の側50に面し、各基
体14の他方の側の表面14bが、気体隔離部材35の
他方の側51に面するように配置する。基体14の一方
の側に第一の反応性ガスを供給し、基体14の他方の側
に第二の反応性ガスを供給することによって、各基体1
4の空隙ないし気孔内に緻密質マトリックスを生成させ
る。
【0062】この結果、図7に示すような、モジュール
形態の気体分離部材の組み立て体36が得られる。即
ち、気体隔離部材35の各貫通孔35a内に、例えば、
図6に示すような形態の気体分離部材32の端面32d
側の末端が挿入され、固定されている。この気体分離部
材32と気体隔離部材35との接触部分は、気密にシー
ルする必要がある。このようにすれば、複数本の気体分
離部材32を、同じ製造装置内で同じ製造プロセスによ
って、同時に製造することができる。
【0063】
【実施例】以下、更に具体的な実験例について説明す
る。図4の製造装置を使用し、図4、図5を参照しつつ
説明した方法に従って、図5の気体分離部材を製造し
た。多孔質基体14の材質としては、気孔率40%のア
ルミナ製多孔質基体を使用した。
【0064】真空ポンプによって、矢印E、Fのように
真空チャンバー15内の空気を吸引し、真空チャンバー
内の圧力を0.05mmHgまで減圧した。弁21、弁
46、47を調節することによって、基体14の内側空
間31および支持台16の内側16aの圧力が、基体1
4および支持台16の外側の圧力よりも、高くなるよう
にした。
【0065】次いで、アルゴンガスを配管17に矢印D
のように流した。水素5〜80%と残部アルゴンからな
る第一の反応性ガスを、基体14の外側へと流した。発
熱体13を発熱させ、基体14を600℃に加熱した。
この状態で、基体14の内側と外側との圧力差は、0.
01〜5mmHgであった。
【0066】配管17に流しているアルゴンガスに対し
てAr−Cl2 混合ガスを混合した。Ar:Cl2 の流
量比率は0:100〜100:0とすることができ、そ
の総流量は200cm3 /分とした。これに、流量0.
65g/分のPdCl2 と流量0.65g/分のAgC
2 とを混合し、第二の反応性ガスとした。
【0067】この結果、第一の反応性ガスが、基体14
の内部で金属ハロゲン化物のガスと直接に化学的気相成
長反応し、上記の緻密質マトリックスを生成した。この
化学反応は次の通りである。
【0068】
【化1】PdCl2 +H2 →Pd+2HCl AgCl2 +H2 →Ag+2HCl
【0069】この結果、基体14内の気孔が閉塞し、か
つ基体14の他方の表面14bには、反応生成物からな
る緻密質膜が生成した。この緻密質膜を十分に合金化さ
せるため、Ar−Cl2 混合ガスおよびハロゲン化蒸気
の供給を停止した後、基体の温度を1000℃まで上昇
させ、緻密質膜30を2時間焼鈍した。この温度を50
0℃まで低下させ、弁21、46を閉め、弁47は開い
ておき、配管12を流れるガスを純水素に切替え、気体
分離体の内部と外部との圧力差から、気体分離体の水素
透過能を確認した。
【0070】次いで、緻密質膜の水素による脆化を防止
するために、400℃まで温度降下し、第一の反応性ガ
スを純アルゴンガスに切替え、そのまま200℃/時間
で室温まで温度降下させた。作製した緻密質膜30の組
成は、銀─20重量%パラジウム合金であった。また、
緻密質膜30の厚さは5μmであった。
【0071】このようにして、図5に示す気体分離部材
29を製造し、本発明の実施例とした。
【0072】また、比較例として、特願平4−2688
92号に記載されているようにして、多孔質基体の表面
にパラジウム合金膜を形成し、気体分離部材とした。具
体的には、まず、基質上にガス分離膜を被覆した。外形
10mm、肉厚1.5mm、長さ300mmの円筒形状
を有し微細孔径が0.1μmの多孔質α−アルミナ管を
用いて、特開昭62−273029号に開示されている
ように、その外表面を活性化処理した。即ち、1g/l
のSnCl2 の0.1%塩酸水溶液および0.1g/l
のPdCl2 の0.1%塩酸水溶液による1分間の浸漬
処理を、このアルミナ管の外表面に対して交互に10回
繰り返した。次いで、イオンを除去した水1リットル中
に、〔Pd(NH3 4 〕Cl2 ・H2 O(5.4
g)、2Na・EDTA(67.2g)、アンモニア濃
度28%のアンモニア水(350g)、H2 NNH2
2 O(0.46ml)を加えた水溶液を準備し、上記
の活性化処理を行った多孔質アルミナ管を、50°に温
度制御したこの水溶液中に15時間浸漬することによっ
て、膜厚13μmのパラジウム膜を多孔質アルミナ管の
外表面に被覆した。
【0073】この後、この基質上のパラジウム膜を処理
した。即ち、真空チャンバー内に、ガス分離膜であるパ
ラジウム膜を被覆した多孔質アルミナ管を取り付けた。
次いで、真空チャンバー中を5×10-5トールにまで真
空引きし、温度を400℃に昇温した。ガス導入管から
流量0.25l/minのアルゴンをキャリアーガスに
用いて、流量0.2リットル/minのH2 Oを反応ガ
スとして導入し、同時に、もう一方のガス導入管から流
量0.25リットル/minのアルゴンをキャリアーガ
スに用いて、流量0.1リットル/minのSiCl4
を反応ガスとして導入した。また、管状のガス分離体の
外側における反応ガスとキャリアーガスとの総圧は30
5トールであり、管状のガス分離体の内側における反応
ガスとキャリアーガスとの総圧は300トールであっ
た。真空ポンプで双方の反応ガスを引きながら、このよ
うな条件で双方の反応ガスを1時間流し続け、基質上の
パラジウム膜の貫通孔中にSiO2 を蒸着させた。
【0074】上記した各気体分離部材について、混合ガ
スからの水素の分離能力を測定した。まず、上記した各
気体分離部材を、図8に概略的に示す気体分離装置に設
置した。即ち、前記した各気体分離部材から有底部を取
り除いて試料38を得た。試料38をチャンバー39内
に設置した。Oリング42によって試料38の端部を封
止した。チャンバー39を400℃に加熱した。水素5
0容量%および二酸化炭素50容量%からなる混合ガス
を、供給管41から矢印Iのようにチャンバー39内に
供給し、チャンバー39の内側と試料38の外側との間
の空間40に流し、排出管44から矢印Hのように排出
した。この混合ガスの圧力は、9kg/cm2 とした。
また、この混合ガスの供給速度は、1分間当たり2Nリ
ットルとした。これは、室温における体積が2リットル
であることを示す。
【0075】また、試料38の内側に、供給管37から
矢印Gのようにキャリアーガスを供給した。このキャリ
アーガスとしては、圧力1kg/cm2 のアルゴンガス
を使用し、これを1分間当たり0.1Nリットル供給し
た。精製ガスを、排出管43から矢印Jのように排出さ
せ、得られた精製ガスをガスクロマトグラフィーによっ
て定量分析し、水素の透過速度および精製ガス中の水素
の純度を調べた。この結果を表2に示す。
【0076】
【表2】
【0077】以上の結果からわかるように、本発明によ
って得た気体分離体を使用すれば、きわめて高い純度
で、かつ高い透過速度および分離効率で、水素を分離
し、精製することができた。この分離効率および純度
は、優れた特性を有する比較例の気体分離体よりも、更
に一層優れたものであった。
【0078】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、水
素、酸素等の気体を分離するための気体分離体であっ
て、気体分離体の気体透過能力を向上させつつ、しかも
特定の気体以外の原料側の気体が精製気体側へと流入し
ないような高度の気密性を保持できる。また、気体分離
体を長期間繰り返して使用しても、気体の選択透過性能
が劣化しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、平板形状の基体1を示す正面図であ
り、(b)は、基体1の気孔内に緻密質マトリックスを
充填することによって得られた気体分離部材2を示す正
面図である。
【図2】(a)は、基体1の気孔4内にCVD反応およ
び初期のEVD反応によってマトリックス5A、5Bを
生成させたときのセラミックスの微細構造を模式的に示
す断面図であり、(b)は、基体1の気孔4内に更にE
VD反応によってマトリックス5Cを生成させたときの
セラミックスの微細構造を模式的に示す断面図である。
【図3】(a)は、本発明の他の実施例に係る気体分離
部材7を示す断面図であり、(b)は、本発明の更に他
の実施例に係る気体分離部材10を示す断面図であり、
(c)は、本発明の更に他の実施例に係る気体分離部材
24を示す断面図である。
【図4】本発明の気体分離体を製造するための電気化学
的気相反応装置の一例を示す模式図である。
【図5】本発明に係る気体分離部材であって、有底円筒
形状の基体を使用して製造した気体分離部材29を示す
断面図である。
【図6】本発明に係る気体分離部材であって、有底円筒
形状の基体を使用して製造した気体分離部材32を示す
断面図である。
【図7】気体隔離部材35に対して複数の基体14を固
定することによって製造した、モジュール化された気体
分離部材32の組み立て体を示す断面図である。
【図8】気体分離体の気体分離性能および気体の透過性
能を測定するための測定装置を概略的に示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1、14 基体 1a、14a 基体の一方の側の表
面 1b、14b 基体の他方の側の表面 2、
7、10、24 平板形状の気体分離部材 3 緻密
質膜 4 マトリックス 5 基体の気孔 8、
23、26、33 マトリックスが気孔内に形成された
気体分離部 9、11、25、27、34、38 マ
トリックスが気孔内に形成されていない多孔部 15
真空チャンバー 29、32 有底円筒形状の気体
分離部材 35 気体隔離部材 A、C、第一の反
応性ガスの供給方向 B、D 第二の反応性ガスの供
給方向

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔質の基体と、この基体の気孔を気密に
    充填しているマトリックスとを備えており、このマトリ
    ックスが気体透過性の金属からなり、かつこのマトリッ
    クスが前記気孔内で焼結によって変形しない緻密体であ
    ることを特徴とする、気体分離体。
  2. 【請求項2】前記気体分離体の気孔率が2%以下である
    ことを特徴とする、請求項1記載の気体分離体。
  3. 【請求項3】前記マトリックスがパラジウム合金からな
    ることを特徴とする、請求項1または2記載の気体分離
    体。
  4. 【請求項4】前記基体が多孔質セラミックスからなるこ
    とを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項
    に記載の気体分離体。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記
    載の気体分離体からなる気体分離部を備えていることを
    特徴とする、気体分離部材。
  6. 【請求項6】前記気体分離部を前記気体の透過方向に見
    た寸法が1μm以上、100μm以下であることを特徴
    とする、請求項5記載の気体分離部材。
  7. 【請求項7】前記基体の表面に前記緻密質マトリックス
    からなる緻密質膜が形成されていることを特徴とする、
    請求項5または6記載の気体分離部材。
  8. 【請求項8】前記基体において前記気体分離部の両側
    に、前記マトリックスが充填されていない多孔部が形成
    されていることを特徴とする、請求項5または6記載の
    気体分離部材。
  9. 【請求項9】請求項5記載の気体分離部材を製造するの
    に際して、前記基体の一方の側に第一の反応性ガスを供
    給し、前記基体の他方の側に第二の反応性ガスを供給
    し、前記基体の気孔内で前記第一の反応性ガスと前記第
    二の反応性ガスとを電気化学的プロセスによって反応さ
    せることによってこの基体の気孔内に前記マトリックス
    を生成させることを特徴とする、気体分離部材の製造方
    法。
  10. 【請求項10】前記基体の一方の側に前記第一の反応性
    ガスを供給し、前記基体の他方の側に前記第二の反応性
    ガスを供給し、前記基体の気孔内に前記マトリックスを
    生成させた後に、前記基体の前記他方の側の表面に前記
    マトリックスの材質からなる緻密質膜を形成することを
    特徴とする、請求項9記載の気体分離部材の製造方法。
  11. 【請求項11】複数の前記基体を気体隔離部材に対して
    取り付け、各基体の一方の側の表面がこの気体隔離部材
    の一方の側に面し、各基体の他方の側の表面が前記気体
    隔離部材の他方の側に面するように配置し、前記基体の
    一方の側に前記第一の反応性ガスを供給し、前記基体の
    他方の側に前記第二の反応性ガスを供給することによっ
    て前記の各基体の気孔内に前記マトリックスを生成させ
    ることを特徴とする、請求項9または10記載の気体分
    離部材の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003501556A (ja) * 1999-06-02 2003-01-14 サエス ゲッターズ ソチエタ ペル アツィオニ 活性化処理に依存せずに水素を吸着することができる複合材料、及びその製造方法
JP2006289345A (ja) * 2005-03-14 2006-10-26 Ngk Insulators Ltd 水素分離体及びその製造方法

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