JPH09241978A - 2色感を有する皮革様シート - Google Patents

2色感を有する皮革様シート

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JPH09241978A
JPH09241978A JP4487196A JP4487196A JPH09241978A JP H09241978 A JPH09241978 A JP H09241978A JP 4487196 A JP4487196 A JP 4487196A JP 4487196 A JP4487196 A JP 4487196A JP H09241978 A JPH09241978 A JP H09241978A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】引つ張ったり、折り曲げたり、揉んだりした場合
に、その部分の色が他の部分より白っぽくなり、天然皮
革に極めて類似した色感を有する皮革様シートを提供す
る。 【解決手段】繊維集合体に弾性重合体を主体とした重合
体を含有する基体層の表面に、ポリオレフィン系樹脂、
アクリル酸系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、硝酸セル
ロース系樹脂からなる選ばれる樹脂と、炭酸カルシウ
ム、酸化珪素等の無機微粒子を添加したポリウレタン層
を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引っ張ったり、曲
げたり、揉んだり、形押し加工を施した時に引っ張られ
たり、折り曲げた箇所が変色し、天然皮革に類似した外
観を有し、しかも表面層の剥離強力や耐屈曲性等に優れ
た、いわゆる2色感のある皮革様シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より皮革様シートとしては、繊維質
基体層の表面に弾性重合体からなる多孔質湿式膜を付与
し、その表面を着色し、さらに型押し加工したものが知
られている。しかしながら、そのような皮革様シートを
折り曲げたり引っ張ったりしても色のコントラストがな
く単調なものしか得られない。また、天然皮革の外観に
より近づけるために、このような皮革様シートの表面
に、着色されたニトロセルローズ樹脂層を付与した後、
この着色層を研磨する方法、いわゆるブラシュオフ仕上
げ方法や、着色樹脂をスプレー法により不均一に塗布す
る方法等が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなブラシュオブ仕上げ方法やスプレー方法は外観的に
はかなり天然皮革に近づくものの、折り曲げたり、引っ
張ったり、揉み加工した時に折り曲げた部分とそうでな
い部分との色のコントラストの差が少なく天然皮革に類
似した外観というには今−歩であった。本発明者等は、
上記従来の技術の欠点を解消するために鋭意に研究した
結果、特定の樹脂と無機微粒子を添加したポリウレタン
樹脂を延伸した時や、引つ張った時に色のコントラスト
が鮮やかに現れること、すなわち2色性が発現されるこ
とを見出し、本発明に達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、繊
維集合体に弾性重合体を主体とした重合体を含有する基
体層の表面に、ポリウレタン樹脂100重量部に対し
て、ポリオレフィン系樹脂、アクリル酸系樹脂、アクリ
ロニトリル系樹脂、硝酸セルロース系樹脂からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の樹脂を5〜250重量部、
および無機微粒子を5〜250重量部含むポリウレタン
樹脂からなる厚さ5〜200ミクロンの層を有すること
を特徴とする2色感を有する皮革様シートである。
【0005】さらに好ましくは、本発明は、上記無機微
粒子が、酸化ケイ素系、炭酸カルシウム系、炭酸マグネ
シウム、酸化マグネシウム系、水酸化アルミニウム系か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である皮
革様シートである。
【0006】以下本発明について詳述する。本発明の基
体層を構成する繊維集合体を構成する繊維としては通常
の繊維、例えば、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊
維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリオレフィン系繊
維、ポリビニルアルコール系繊維等の合成繊維、再生セ
ルローズ繊維やアセテート繊維等の化学繊維、木綿、
麻、羊毛等の天然繊維が挙げられる。また特殊形態の繊
維、例えばポリエステル、ポリアミド等からなる0.2
デニール以下の極細繊維あるいは皮革様シートを製造す
る工程中で繊維を構成する少なくとも1成分を溶解除去
あるいは分解除去することにより極細繊維束状繊維や多
孔繊維等に変性することのできる多成分系繊維等も使用
できる。このような多成分系繊維は、溶解除去あるいは
分解除去される樹脂と除去されない樹脂とをチップの状
態で混合溶融し、混合物を紡糸することにより、あるい
は溶解除去あるいは分解除去される樹脂と除去されない
樹脂とを別々に溶融し、紡糸口金付近で両樹脂を合流
し、必要によりさらに分割しと合流を組み合わせて吐出
する方法等により紡糸される。得られた繊維は、通常の
合成繊維の場合と同様に延伸、捲縮、カットされる。繊
維には、カービンブラックで代表される着色剤が添加さ
れていてもよい。
【0007】これらの繊維を、ウェッブとしたのちニー
ドルパンチや高速流体流により絡合処理して不織布とし
たり、立毛編織物としたり、さらには不織布と編織物と
の積層布などにして繊維集合体とする。繊維集合体の目
付としては(繊維の1成分を抽出又は分解除去した後の
重量で)、400〜800g/m2の範囲が好ましく、
その比重としては0.25〜0.40の範囲が好まし
い。繊維集合体には弾性重合体溶液または弾性重合体の
エマルジョンが含浸されるが、含浸処理に先立って、必
要に応じて繊維集合体に糊剤を含浸したのち加熱ロール
に押し付けて加熱プレスして、あるいは繊維自体の自己
接着性を利用して加熱ロールに押し付けて繊維同士を仮
接着させるなどの従来公知の方法により表面を平滑化す
る方法が用いられる。
【0008】本発明の繊維集合体に使用される弾性重合
体としては、ポリウレタン、アクリル系重合体、アクリ
ロニトリル・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエ
ン共重合体などの弾性重合体の群から選ばれた少なくと
も1種類の弾性重合体を主体とした重合体を用いること
ができる。風合い及び耐久性等の点から特にポリウレタ
ンが好ましい。このポリウレタンとしては、平均分子量
500〜2500のポリマージオール、例えば、ポリエ
ステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステル
・エーテルジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポ
リカーボネートジオールなどの中から選ばれた少なくと
も1種類のポリマージオールと、有機ポリイソシアネー
ト、例えば、芳香族ジイソシアネート、芳香族トリイソ
シアネート、脂環族ジイソシアネート、脂環族トリイソ
シアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂肪族トリイソ
シアネートなどの群から選ばれた少なくとも1種類の有
機ポリイソシアネート、好ましくは有機ジイソシアネー
トと、低分子ジオールや低分子ジアミン等の活性水素原
子を少なくとも2個有する低分子化合物を鎖伸長剤とし
て反応させて得たポリウレタンである。これらのポリウ
レタンの組成は、該皮革様シートの指向する用途分野に
応じて、風合い、耐劣化性、耐黄変性、染色性等の各種
物性を満足するものの中から適宜選ぶことができる。も
ちろんポリウレタンには、各種安定剤や着色剤等が添加
されていてもよい。これらポリウレタンは溶液の状態で
あるいはエマルジョンの状態で繊維集合体に含浸され、
湿式凝固法や熱凝固法等により繊維集合体内部に含有さ
れ、基体層が得られる。基体層を構成する繊維と弾性重
合体の重量比としては繊維100重量部に対して弾性重
合体100〜300重量部の範囲である。
【0009】このような基体層の少なくとも片面に、本
発明の特徴点であるポリウレタン樹脂層が直接あるいは
間接的に積層される。このポリウレタン樹脂層を構成す
るポリウレタンとしては、前記の基体層に含浸される弾
性重合体に使用されているポリウレタンと同様のものが
用いられる。すなわち平均分子量500〜2500のポ
リマージオール、例えば、ポリエステルジオール、ポリ
エーテルジオール、ポリエステル・エーテルジオール、
ポリカプロラクトンジオール、ポリカーポネートジオー
ルなどの中から選ばれた少なくとも1種のポリマージオ
ールと、有機ポリイソシアネート、例えば芳香族ジイソ
シアネート、芳香族トリイソシアネート、脂環族ジイソ
シアネート、脂環族トリイソシアネート、脂肪族ジイソ
シアネート、脂肪族トリイソシアネートなどの群から選
ばれた少なくとも1種の有機ポリイソシアネート、好ま
しくは有機ジイソシアネートと、低分子ジオールや低分
子ジアミンで代表される活性水素原子を少なくとも2個
有する低分子化合物を鎖伸長剤として反応させて得たポ
リウレタンである。これらのポリウレタンの組成は該皮
革様シートの指向する用途分野に応じて上記の原料から
適当に組み合わせることができるが、風合い、耐劣化
性、耐黄変性、コスト等の点で、さらに本発明の目的で
ある鮮やかな2色性を得る上でポリエーテル系ポリウレ
タンが最良である。ポリエーテル系ポリウレタンが2色
性を達成する上で好ましい理由としては、添加する樹脂
や無機微粒子との親和性等の関係で優れた結果が得られ
るものと予測される。
【0010】このポリウレタン樹脂層には、本発明の特
長である2色性を達成するために、特定の樹脂が添加さ
れている。具体的に添加されている樹脂としては、ポリ
オレフィン系樹脂、アクリル酸系樹脂、アクリロニトリ
ル系樹脂、硝酸セルロース系樹脂から選ばれる樹脂が使
用される。ポリオレフィン系の樹脂としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等が挙げられ、もちろんこれら樹
脂を変性したものでもよい。またアクリル酸系樹脂とし
ては、アクリル酸メチルや、メタクリル酸メチルで代表
されるアクリル酸エステル系モノマーの重合体およびこ
のモノマーと他のビニルモノマーとの共重合体が挙げら
れ、その最も好ましい具体的化合物として、ポリメタク
リル酸メチルが挙げられる。またアクリロニトリル系樹
脂としては、アクリロニトリルの重合体あるいはそれと
他の重合性モノマーとの共重合体であり、その代表例と
しては、ABS樹脂やアクリロニトリル−スチレン共重
合体が挙げられる。
【0011】そしてこれら樹脂の添加量としては、ポリ
ウレタン100重量部に対して5〜250重量部、好ま
しくは20〜100重量部である。5重量部未満では折
り曲げられた部分とそうでない部分との色の差が非常に
少なく、いわゆる2色性が得られず、商品価値が低下す
る。一方、250重量部を越えると折り曲げられた部分
とそうでない部分との色の差は非常に良好であるが、耐
屈曲性が非常に低下し、接着性も悪くなり、実用に耐え
られない。これら樹脂は、ポリウレタン中に小さな粒子
として存在し、引っ張られたり折り曲げられた際に、こ
の小さな微粒子とポリウレタンとの伸びが異なること等
により2色性が発現するものと思われる。
【0012】ポリウレタンに上記した樹脂を添加するこ
とにより、2色性を有する皮革様シートが得られるが、
この樹脂だけでは十分に満足できるような2色性は得ら
れない。本発明では2色性を高度に達成するために、無
機微粒子を添加する。無機微粒子としては、特に、酸化
珪素系、炭酸カルシウム系、酸化マグネシウム、炭酸マ
グネシウム系、水酸化アルミニウム系の化合物が好まし
く、これら化合物を用いると、ポリウレタンに添加され
ている上記した樹脂と無機微粒子との相乗効果により、
折り曲げられた箇所と他の箇所との色差が鮮やかとな
り、高度の2色性が達成される。無機微粒子として酸化
珪素系化合物が特に好ましい。なおタルクは酸化珪素系
化合物であり、酸化マグネシウム系化合物でもあり、本
発明に好適に使用できる。これら無機微粒子の添加量と
しては、ポリウレタンに対して5〜250重量%であ
る。5重量%未満では折り曲げられた部分とそうでない
部分との色の差は少ない。また250重量%を越える
と、折り曲げられた部分とそうでない部分との色の差は
良好ではあるが、基体層とポリウレタン層との接着性や
表面の屈曲性が悪くなり、商品価値が低くなる。好まし
くは50〜200重量%である。無機微粒子の大きさと
しては平均で0.01〜1ミクロンが好ましい。また無
機微粒子は、樹脂中では透明であるか、あるいは白色系
であることが好ましい。
【0013】また、ポリウレタン樹脂層の厚さとして
は、5〜200ミクロンであり、5ミクロン未満では、
折り曲げられた部分とそうでない部分との色の差が非常
に小さくなり、2色性という点からは商品価値がほとん
どない。200ミクロンを越える場合には、折り曲げら
れた部分とそうでない部分との色の差は良いが、折れし
わが悪くなり、天然皮革様の折れしわが得られず、さら
に耐屈曲性も低下する。好ましくは20〜100ミクロ
ンの範囲である。
【0014】本発明において、ポリウレタン樹脂層には
着色剤が添加されていることが本発明の2色性を際立た
せる上で好ましい。着色剤としては顔料あるいは染料が
使用される。顔料としてはカーボンブラックで代表され
る無機顔料が、またフエロシアニン系、アゾ系、アント
ラキノン系等の有機顔料が使用される。また染料として
は含金属錯塩染料、酸性染料、硫化染料、分散染料等が
使用される。耐光性、堅牢度等の点で含金属錯塩染料が
最も望ましい。
【0015】また必要に応じてポリウレタン樹脂層の上
に通常の透明着色層や無色透明層またはツヤ消し樹脂層
を付与することも可能である。もちろん、これら層が着
色されている場合には、下に存在している2色性発生層
の色調が隠蔽されない程度の着色である必要がある。さ
らに、基体層とポリウレタン樹脂層との間に他の層、た
とえば両層の接着強度を高めるための接着剤層や基体層
の凹凸を隠蔽するための多孔質樹脂層等が存在していて
もよい 本発明における上記ポリウレタン樹脂層を付与する方法
としては、グラビア方法、ダイレクト方法、リバースコ
ート方法、乾式造面方法等が使用される。作業性、生産
性、コスト等の面から、乾式造面方式、すなわちポリウ
レタン樹脂層となる樹脂組成物溶液あるいはエマルジョ
ン液を予め離型紙上に塗布し、樹脂層が完全凝固あるい
は完全凝固する前に基体層上に、必要により接着剤層を
介して貼り合わせ、接着完了後に離型紙を剥離する方法
が最適である。また必要に応じて表面をエンボス処理、
揉み加工等を行うことも可能である。
【0016】本発明で得た皮革様シートは、引つ張った
り、折り曲げたり、揉んだりした場合に、その部分の色が
他の部分より白っぽくなり、2色感を有する天然皮革に
極めて類似している。これらの皮革様シート物は紳士
靴、婦人靴、鞄、袋物、手袋、アウトドアー調靴等の用
途に適している。
【0017】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお実施例中の部及び%は特にことわりのない限り
重量に関するものである。 実施例1 6―ナイロン60部(島成分)と高流動性低密度ポリエ
チレン(海成分)40部からなる海島型複合繊維を溶融
紡糸により得たのち、これを70℃の温水中で2.5倍
に延伸し、繊維油剤を付与し、機械捲縮をかけて乾燥
後、51mmにカットしてステープル(3デニール)と
し、クロスラップ法で目付500g/m2のウエッブを
形成、ついで両面から交互に合わせて約5OOパンチ/
2のニードルパンチングを行い、さらに加熱し、カレ
ンダーロールでプレスすることで表面の平滑な絡合不織
布を作った。この絡合不織布の目付は540g/m2
見かけ比重は0.3であった。この絡合不織布に、ポリ
テトラメチレンエーテル系ポリウレタンを主体とする18
%濃度のポリウレタンのジメチルホルムアミド(DMF
と略す)溶液を含浸し、DMF/水混合液の中に浸して
湿式凝固した後、熱トルエン中で複合繊維中の海成分を
溶出除去して極細繊維集束体とし(島成分平均5/10
00デニール)、基体層を得た。得られた基体層は厚さ
が1.3mmで、繊維とポリウレタンとの重量比は1:
2.5であった。
【0018】一方、しぼ付き離型紙(リンテックTPR
―8)の上に表皮層として、ポリエーテル系ポリウレタ
ン(大日精化製ME―8105L固形分30%)100
部、アクリロニトリルースチレン共重合体樹脂(住友化
学製)60部、酸化珪素(平均粒子径0.2ミクロン)
30部、茶色系顔料10部のポリウレタン樹脂溶液をド
ライで層厚さが50ミクロンになる様に塗布し、100
℃で5分間乾燥し、表皮層を得た。その上に2液性ポリ
エーテル系ポリウレタン溶液をドライベースで厚さ30
ミクロンなる様に塗布し、50℃で3分間乾燥した後、
前記の繊維質シート基体層とを貼り合わせ、100℃で
2分間乾燥し、その後、40℃、3日間放置した後、離
型紙を剥離し皮革様シートを得た。得られた皮革様シー
トは折り曲げた時に、非常に鮮明な2色感があり、天然
皮革に極めて近い外観を有しており、アウトドア調靴用
原反としては最適であった。
【0019】実施例2 実施例1と同様の方法により、黒系顔料を練り込んだ6
―ナイロンを分散成分、ポリエチレンを分散媒成分とす
る多成分繊維(5デニール)からなる目付350g/m
2、見かけ比重0.26の絡合不織布を作製した。次に
黒系着色剤(カーボンブラック)を含むポリエチレンア
ジベートジオール/ポリエチレングリコール共重合系ポ
リウレタンの13%DMF溶液を含浸し、その表面に同
種の溶液を80g/m2の量でナイフコートして25%
DMF水溶液中で凝固した後、多成分繊維中のポリエチ
レンを溶解除去して繊維質シート基体層を得た。得られ
た繊維質シート基体層は厚さが1.0mmで、繊維の太
さは平均で1/100デニール、繊維とポリウレタンと
の量比は1:2であった。
【0020】一方、しぼ付き離型紙(旭ロールAR−l
45SM)の上に表皮層としてポリエーテル系ポリウレ
タン(大日精化製ME―8115L固形分30%)10
0部、ポリエチレン粉末(住友化学製)30部、メタア
クリル酸メチル樹脂10部、タルク(平均粒径0.1ミ
クロン)30部、青色系顔料(大日精化製DUT・46
01)20部のポリウレタン樹脂溶液をドライで厚さ5
0ミクロンになる様に塗布し、100℃で5分間乾燥
し、表皮層を得た。その上に1液性ポリエーテル系ポリ
ウレタン溶液をドライベースで厚さ30ミクロンとなる
様に塗布し、直ちに、前記の繊維質シート基体層とを貼
り合わせ、130℃で5分間乾燥し、その後40℃、1
日間放置した後、離型紙を剥離し皮革様シートを得た。
その後、ぬめり剤(セイコー化成U―957固形分10
%)を140メッシュのグラビアロールを用いて塗布し
た。得られた皮革様シートは折り曲げた時に、非常に鮮
明な2色感があり、手触りも良好で、天然皮革に極めて
近い外観を有しており、袋物、鞄用原反としては最適で
あった。
【0021】実施例3 実施例1の基体層に、ダイレクトコート方式により実施
例1の表皮の樹脂溶液を乾燥後の厚さで50ミクロンと
なるように塗布し、130℃で5分間乾燥した。その後
ポリエーテル系茶色インクを用いて流れ模様のプリント
グラビアを行い、その上に毛しぼのエンボスロールで型
押し、揉み処理をした。得られた皮革様シートは非常に
ソフト感があり、また、折り曲げた時に非常に鮮やかな
2色感があり、天然皮革に近い外観を有しており、紳士
靴用原反としては最適であった。
【0022】比較例1 実施例1において、離型紙上の表皮層に使用している樹
脂の酸化珪素30部を除いた以外は実施例1と全く同じ
条件で皮革様シートを得た。得られた皮革様シートは折
り曲げた時に不鮮明ながら2色感があったが、基体層と
表皮層との接着性が悪く、スポーツシューズ用には不適
であった。
【0023】比較例2 実施例1において、離型紙上の表皮層に使用しているア
クリロニトリルースチレン共重合体60部を除いた以外
は実施例1と全く同じ条件で皮革様シートを得た。得ら
れた皮革様シートは折り曲げた時にほとんど2色感がな
く、商品価値に欠けていた。実施例、比較例で得られた
皮革様シートの評価結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】実施例4〜5 上記実施例1において、ポリウレタン樹脂層に添加する
樹脂をABS樹脂(実施例4)、硝酸セルロース樹脂
(実施例5)に置き換える以外は同一の方法により皮革
様シートを作製した。得られた皮革様シートはいずれも
鮮やかな2色性を有しており、極めて天然皮革に類似し
た印象を与えるものであった。また剥離強力や耐屈曲性
においても良好であり、紳士靴や婦人靴として極めて高
級感のある優れた皮革様シートであった。
【0026】
【発明の効果】本発明の皮革様シートは、引つ張った
り、折り曲げたり、揉んだりすることにより、引っ張ら
れた箇所や折り曲げられた箇所が白っぽい色調となる、
いわゆる2色感を有するものであり、天然皮革に極めて
類似した高級感あるものであり、しかも表面の剥離強力
や耐屈曲性においても優れている。 本発明の皮革様シートは、紳士靴、婦人靴、鞄、袋物、
手袋、アウトドアー調靴等の用途に極めて適している。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維集合体に弾性重合体を主体とした重
    合体を含有する基体層の表面に、ポリウレタン樹脂10
    0重量部に対して、ポリオレフィン系樹脂、アクリル酸
    系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、硝酸セルロース系樹
    脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を5〜
    250重量部、および無機微粒子を5〜250重量部含
    むポリウレタン樹脂からなる厚さ5〜200ミクロンの
    層を有することを特徴とする2色感を有する皮革様シー
    ト。
  2. 【請求項2】 無機微粒子が、酸化ケイ素系、酸化マグ
    ネシウム、炭酸カルシウム系、酸化マグネシウム系、水
    酸化アルミニウム系からなる群から選ばれる少なくとも
    1種の化合物である請求項1に記載の皮革様シート。
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