JPH09241632A - 蛍光体の製造方法 - Google Patents

蛍光体の製造方法

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JPH09241632A
JPH09241632A JP5149496A JP5149496A JPH09241632A JP H09241632 A JPH09241632 A JP H09241632A JP 5149496 A JP5149496 A JP 5149496A JP 5149496 A JP5149496 A JP 5149496A JP H09241632 A JPH09241632 A JP H09241632A
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JP
Japan
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phosphor
raw material
plasma
producing
brightness
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JP5149496A
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English (en)
Inventor
Shigeo Ito
茂生 伊藤
Hitoshi Toki
均 土岐
Fumiaki Kataoka
文昭 片岡
Noritaka Kagawa
能孝 鹿川
Yoshitaka Sato
義孝 佐藤
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Futaba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】Ga1-x Inx N:A(但し0≦x<0.8、
A=Zn又はMg又はCd)蛍光体を高い品質で製造す
る。 【解決手段】Ga2 3 93.6gとZnSO.1gを
混合して空気中で1200℃で2時間焼成し、Znが添
加されたGa2 3 を作製した。ArガスとNH 3 ガス
を熱処理装置内に導入し、RFコイルによって装置内に
高温のプラズマを発生させた。前記Ga2 3 の粉体を
装置内に入れ、プラズマ中を通過させて窒化し、ほぼ球
形の蛍光体を得た。蛍光表示管の陽極に適用して、従来
の製法の蛍光体と輝度を比較した。従来例の蛍光体を1
00とすると150であった。連続点灯させると、連続
点灯時間が約2000時間程度になっても輝度の低下が
ほとんどない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化ガリウムと窒
化インジウムの固溶体にドープ物質がドープされて電子
線励起によって発光し、原料物質の選択によって各種の
発光色を実現でき、輝度特性及び寿命特性に優れた蛍光
体と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭51−41686号公報には、G
2 3 をアンモニア雰囲気下で窒化させて得たGaN
を母体とし、Cdをドーパントとした蛍光体が開示され
ている。この蛍光体は電子線励起による発光には応用さ
れておらず、前記文献にも電子線励起による発光につい
ての記載はない。電子線励起によって発光する蛍光体で
はないが、LEDの分野においてはドーパントとしてZ
nやMgをドープしたGaNが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Ga2 3 を窒素雰囲
気下で窒化させると、Ga2 3 は物質の表面から窒化
していくが、高温にするとその表面は再び酸化してしま
う。即ち、窒化ガリウムは窒素が抜けやすい性質と、さ
らに酸素の存在により酸化される可能性を有している。
従って酸化物であるGa2 3 を原料物質とすると、こ
れを完全に窒化することは困難であり、得られた窒化ガ
リウムも残存した酸素が発光に悪影響を及ぼすなど品質
が良好とはいえない。さらに、窒化ガリウムの電子線励
起素子への応用を考えた場合、蛍光体としての窒化ガリ
ウムの粉体は基板等に塗布された後に大気中で焼成され
る等、素子の製作過程で各種の熱処理を受けるため、そ
の表面が劣化する可能性があった。
【0004】また、窒化ガリウムに通常の熱平衡化の反
応でドープ物質をドープするには、1100℃以上の反
応温度が必要である。ところが、窒化ガリウムは800
℃位の温度から昇華しはじめる。従って、上述のような
通常の熱平衡化の反応で窒化ガリウム蛍光体を製造する
には、適当な高圧下で加熱する等の困難な条件を整える
必要があり、実際には困難であった。
【0005】本発明は、従来の方法では作製が困難な例
えば窒化ガリウム等の蛍光体を高い品質で製造すること
を目的とし、特に酸素の影響を受けることがなく、電子
線励起によって発光し、原料物質の選択によって各種の
発光色を実現でき、輝度特性及び寿命特性に優れた蛍光
体及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された蛍
光体の製造方法は、原料物質であるガリウム化合物と、
インジウム化合物と、ドープ物質の中から、少なくとも
ガリウム化合物とドープ物質を含む原料物質を選択して
混合し、窒素を含み酸素を含まない雰囲気内においてこ
れらを急速加熱及び急速冷却することによって化学式G
1-x Inx N:A(但し0≦x<0.8、A=Zn又
はMg又はCd)で表される蛍光体を製造することを特
徴としている。
【0007】請求項2に記載された蛍光体の製造方法
は、請求項1記載の蛍光体の製造方法において、前記ガ
リウム化合物とインジウム化合物が、任意の組成のGa
2 3とIn2 3 の固溶体であることを特徴としてい
る。
【0008】請求項3に記載された蛍光体の製造方法
は、請求項1記載の蛍光体の製造方法において、前記ガ
リウム化合物とインジウム化合物が、任意の組成のGa
2 3とIn2 3 の固溶体であることを特徴としてい
る。
【0009】請求項4に記載された蛍光体の製造方法
は、請求項1又は2又は3記載の蛍光体の製造方法にお
いて、前記急速加熱及び急速冷却の速度が1×107
1×104 ℃/sであることを特徴としている。
【0010】請求項5に記載された蛍光体の製造方法
は、請求項1又は2又は3又は4記載の蛍光体の製造方
法において、窒素を含む反応ガスに浮遊した前記原料物
質がプラズマを通過することにより該原料物質が急速加
熱及び急速冷却されることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の蛍光体は、化学式Ga
1-x Inx N:A(但し0≦x<0.8、A=Zn又は
Mg又はCd)で表される。即ち、この蛍光体の母体は
GaNとInNの固溶体であり、x=0の場合は母体が
GaNであり、xが0よりも大きく0.8よりも小さい
場合は母体がGaInNとなる。ドーパントはZn又は
Mg又はCdである。
【0012】この蛍光体を製造するには、少なくとも次
の原料物質を用意する。まず、ガリウム化合物、例えば
酸化ガリウム又は硫化ガリウム。次に、必要に応じてイ
ンジウム化合物、例えば酸化インジウム又は硫化インジ
ウム。そして、ドープ物質、例えばZn又はMg又はC
dの硫化物又は塩化物。ドープ物質以外の原料物質につ
いては、酸化ガリウムと酸化インジウムの固溶系でもよ
く、硫化ガリウムと硫化インジウムの固溶系でもよい。
【0013】前述した原料物質の中から、少なくともガ
リウム化合物とドープ物質を含む原料物質を選択して混
合し、窒素を含み酸素を含まない雰囲気内においてこれ
らを急速加熱及び急速冷却する。前記原料物質の急速加
熱及び急速冷却は、高温のプラズマを利用する。即ち、
窒素を含む反応ガスと原料物質を反応容器内に導入し、
加熱手段を用いて反応容器内に例えば10000K程度
のプラズマを発生させ、反応容器内で落下する前記原料
物質にプラズマ内を通過させる。前記原料物質がプラズ
マによって急速加熱及び急速冷却される速度は1×10
7 〜1×104℃/sとなる。これによって、前記原料
物質は、加熱過程においてはプラズマ中で瞬間に溶解し
て一部が蒸発し、その後冷却過程においては瞬時に再凝
縮する。このように、高温のプラズマの領域から外れる
と温度が急激に低下するという熱非平衡状態を利用すれ
ば、原料物質を急速加熱及び急速冷却することができ、
高温下での状態をそのまま保持して、化学式Ga1-x
x N:A(但し0≦x<0.8、A=Zn又はMg又
はCd)で表される球形の蛍光体を得ることができる。
【0014】原料物質を加熱した後、通常の方法で冷却
する場合には、その冷却速度は高々1×102 ℃/sで
ある。このように、加熱された原料物質が遅い速度で冷
却されていく場合には、冷却中の各温度において蒸気圧
の高い方の元素が抜けていくので加熱時に得られた物質
の組成が維持できない。
【0015】例えば、N2 やNH3 を用いて通常の熱拡
散法でドープ物質を母体中にドープさせる場合には、例
えば1100℃程度に加熱するのが好ましいが、生成さ
れたGaNは800℃位から分解を始めてしまい、合成
条件を厳密に規定しないと組成のずれを生じやすい。即
ち、生成物の昇華と反応の進行という過程が同時に生じ
ているため、結晶性の良好な蛍光体が得にくい。
【0016】本発明によれば、プラズマによって原料物
質を瞬時に溶解し、窒化し、蒸発する前に瞬時に再凝集
させるため、組成のずれが生じにくいという特徴があ
り、効率よく原料物質の窒化が行える。例えば、雰囲気
ガスにN2 を用いた場合、N2は3000℃以上の温度
で解離し、この高温で瞬間的に溶解された原料物質はプ
ラズマ内を落下しながら表面張力で丸くなり、その表面
層から蒸発していく。この時、分圧の高い酸素は揮発し
て原料物質の窒化が瞬時に進行する。その間も原料物質
の蒸発は進むが、1×107 〜1×104 ℃/sという
早い冷却のため、窒化が進んだ温度における状態が保持
された球形の蛍光体が得られるのである。
【0017】次に本発明の製造方法によって得られた蛍
光体の性質について図1〜図5を参照して説明する。図
1はGaNを母体とする本発明の蛍光体の発光スペクト
ルを示す。この蛍光体は電子線の射突によて発光する際
に450nm付近に強度のピークを有しており、青色に
発光する。
【0018】図2は、本発明の蛍光体におけるドープ物
質(Zn又はMg又はCd)のmol%と、電子線の射
突によって発光する際の輝度の相対強度の関係を示すグ
ラフである。ドープ物質(Zn又はMg又はCd)のm
ol%の好ましい範囲は0.005〜0.7の範囲であ
り、この時蛍光体の発光強度の相対値はピーク時の約5
0%以上となる。ドープ物質(Zn又はMg又はCd)
のmol%のさらに好ましい範囲は0.01〜0.3の
範囲であり、この時蛍光体の発光強度の相対値はピーク
時の約70%以上となる。
【0019】図3は、本発明の蛍光体におけるGaN及
びInNの混晶比と、蛍光体のエネルギギャップとの関
係を示すグラフである。混晶比が異なれば蛍光体のエネ
ルギギャップも異なり、これによって蛍光体の発光色の
違いが生じる。例えば、GaNの比率が大きい場合に
は、蛍光体の発光色は緑からさらに青に近くなるが、I
nNの比率が大きい場合には、蛍光体の発光色は赤に近
づいていく。
【0020】図4は、本発明の蛍光体を蛍光表示管の陽
極に適用し、この蛍光表示管を発光させた場合、該蛍光
表示管の陽極の電圧Vと蛍光体の輝度の相対値との関係
を示すグラフである。
【0021】図5は、本発明の蛍光体を発光部に有する
蛍光表示管を連続点灯させた場合、初期の輝度を100
とした時の輝度の相対値と連続点灯時間との関係を示し
たグラフである。本発明の蛍光体によれば、連続点灯時
間が約2000時間程度になっても輝度の低下はほとん
どなく、初期の輝度を維持している。
【0022】
【実施例】次に、本発明の蛍光体の製造方法の実施例を
説明する。まず、本実施例の方法に有用なプラズマを発
生する熱処理装置について図6を参照して説明する。石
英からなる管2の内部は高真空状態に設定することがで
きる。管2の上端部には導入管3が連通され、管2の内
部にキャリアガスと反応ガスを導入できる。管2の下端
部には吸引管4が連通され、管2の内部を真空吸引す
る。
【0023】管2の一部に設定された加熱域5を囲ん
で、管2の外周には高周波誘導加熱手段としてのRFコ
イル6が設けられている。蛍光体の原料物質を浮遊させ
た状態で管2の内部にキャリアガスと反応ガスを導入す
る。そしてこのキャリアガス等に前記加熱域5を通過さ
せ、RFコイル6によって加熱する。加熱域5には高温
のプラズマが発生する。
【0024】キャリアガスには、発生したプラズマ維持
の機能もあり、Ar等が利用できる。反応ガスには、窒
素を含み酸素を含まないガス、例えばNH3 やN2 が利
用できる。
【0025】プラズマを発生させて加熱する本方法によ
れば、加熱域5に発生するプラズマの温度は10000
℃から15000℃と非常に高く、またプラズマが発生
している加熱域5から外れると温度は急激に低下すると
いう熱非平衡の状態が管2内に得られる。このため、蛍
光体の原料物質の粒子は互いに分離した状態で急速に加
熱し、急速に冷却される。なお、この時の冷却速度は1
×107 〜1×104℃/sである。
【0026】本方法では、RFコイルによってプラズマ
を発生させる加熱方法を用いたが、前記管2内に前記高
温と熱非平衡の状態を発生させうるなら、抵抗加熱手段
としてのヒータ等、他の加熱手段を利用してもよい。
【0027】本方法によれば、蛍光体の原料物質の表面
が高温にさらされるため、製造される蛍光体は球形とな
る。蛍光体の原料物質が溶液の場合には、該溶液を超音
波等によって管内に霧状に噴霧し、加熱域に導入すれば
よい。
【0028】本方法によって得られた蛍光体は、外径が
1μm以下の範囲で一定に揃った球形をなしている。従
って、膜にした際に凝集しにくく充填密度が高いので抵
抗が小さく、また結晶性が良好であり、十分な量の発光
中心を均一に含み、1kV以下の低い駆動電圧で駆動さ
れる蛍光表示装置の蛍光体に適している。
【0029】得られる球形の蛍光体の粒径は、使用する
原料物質の粒子の大きさ、前記プラズマの温度、原料物
質のプラズマ中の滞在時間等を調整することによって制
御できる。これは、高温プラズマ中では蛍光体等は瞬間
的に融解してその表面の一部が蒸発するためである。プ
ラズマの温度は管内に導入するガスの圧力で制御でき
る。その範囲は200Torrから大気圧である。
【0030】溶液から蛍光体を生成する場合には、溶液
中の蛍光体原料の濃度や、溶液の噴霧の状態を制御する
ことによって製造される蛍光体の粒径を制御することが
できる。例えば、噴霧される溶液粒子が微細であれば生
成する蛍光体の粒径も小さくなり、溶液粒子が大きけれ
ば生成する蛍光体の粒径も大きくなる。また、溶液中の
蛍光体原料の濃度が濃ければ生成する蛍光体の粒径は大
きくなり、薄ければ生成する蛍光体の粒径は小さくな
る。
【0031】次に前記装置を用いて行った本発明の蛍光
体の製造方法についてより具体的に説明する。 1)第1の実施例 第1実施例であるGaN:Zn蛍光体の製造方法を説明
する。原料物質として、Ga2 3 を93.6gと、Z
nSをO.1g使用した。これらの原料物質を良く混合
して空気中で1200℃で2時間焼成し、Znが添加さ
れたGa2 3 を作製した。この物質を前記熱処理装置
によって窒化した。使用したGa2 3 の粒径は約5μ
mであった。キャリアガスとして、またプラズマ維持の
ためにArガスを用いた。プラズマを安定して発生させ
る最適の条件を整えれば、Arガスは用いなくてもよ
い。反応ガスとしてNH3 ガスを用いた。プラズマは1
0000Kと非常に高温なので、反応ガスとしてN2
用いてもよい。これらのガスを、Ar/NH3 を体積比
で40/60とし、熱処理装置内の全体の圧力を300
0paとし、RFコイルによって管内の物質を加熱して
高温のプラズマを発生させた。前記原料物質の粉体をこ
のプラズマ中を通過させ、窒化処理を行った。
【0032】得られた蛍光体は平均粒径が約3μm、最
大粒径が約8.5μmであり、形状はほぼ球形であっ
た。この蛍光体をX線回折の手法により分析したところ
GaNが形成されていることがわかった。比較のため
に、従来のようにアンモニアを用い、電気炉にて115
0℃で前記原料物質の窒化を行い、蛍光体を作製した。
【0033】本実施例の蛍光体の試料と比較用の従来の
蛍光体の試料をそれぞれ用いて2つの蛍光表示管を作製
した。即ち、蛍光表示管の陽極基板の黒鉛電極上に有機
バインダを用いて蛍光体を塗布し、これを大気中で50
0℃にて焼成してバインダを除去する。陽極基板の上に
制御電極を設け、その上に陰極を設ける。陽極基板の上
に、これら各種電極等を覆って箱形の容器部を封着して
外囲器を構成し、外囲器を500℃で封止して蛍光表示
管とした。
【0034】前記各蛍光表示管の陽極に50Vの電圧を
加え、蛍光体の輝度特性を評価した。発光色は青色であ
った。輝度は、従来例の蛍光体を100とすると150
であった。本実施例の蛍光体は、粒子形状が整っている
ために塗布特性や輝度特性が従来よりも改良された。
【0035】2)第2の実施例 第2実施例であるGa0.8 In0.2 N:Mg蛍光体の製
造方法を説明する。原料物質として、Ga2 3 を3
0.0gと、In2 3 を11gと、ドーパントとなる
Mgを含むMgCl2 を0.1g(Mgで母体に対して
0.5mol%)使用した。これらの原料物質を良く混
合して空気中で1200℃で1時間焼成し、Mgが添加
された(Ga0.8 In0.2 2 3 を作製した。これを
ボールミル等で良く粉砕した。キャリアガスであるAr
と反応ガスであるN2 を体積比で40/60として前記
熱処理装置に導入し、管内の圧力を全体で3000pa
とし、RFコイルによって管内の物質を加熱して高温の
プラズマを発生させた。前記原料物質の粉体をこのプラ
ズマ中を通過させ、窒化処理を行った。比較のために、
従来のようにアンモニアを用い、電気炉にて1120℃
で前記原料物質の窒化を行い、蛍光体を作製した。
【0036】第1の実施例と同様に、本実施例の蛍光体
と比較用の蛍光体をそれぞれ用いて2つの蛍光表示管を
作製し、それぞれ第1の実施例と同様に駆動して各蛍光
体の輝度特性を評価した。発光色は緑色であった。輝度
は、従来例の蛍光体を100とすると180であった。
【0037】以上説明した各実施例では、原料物質であ
るガリウム化合物としてはGa2 3 を利用したが、他
のガリウム化合物、例えばGa2 3 等を用いてもよ
い。また、Ga2 3 とIn2 3 の固溶体や、Ga2
3 とIn2 3 の固溶体を原料物質として利用し、固
溶体の組成比に応じて青色から赤色までの種々の発光色
が得られるGa1-x Inx N:A(但し0≦x<0.
8、A=Zn又はMg又はCd)蛍光体を製造すること
もできる。又、上記Aとともにドナーとなる物質、例え
ばSiやGeをドープしてもよい。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来の方法では
作製が困難なGa1-x Inx N:A(但し0≦x<0.
8、A=Zn又はMg又はCd)で表される蛍光体を高
い品質で製造することができる。即ち、本発明の方法で
製造された蛍光体は、蛍光表示管のフィラメント状陰極
や電界放出陰極に害を与える成分を含まず、粒径が球状
に近くて塗布性能に優れ、製造工程で急冷されるために
組成比のずれが少なく、さらに、酸素の影響を受けるこ
とがなく、電子線励起によって発光し、原料物質の選択
によって各種の発光色を実現でき、輝度特性及び寿命特
性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】GaNを母体とする本発明の蛍光体の発光スペ
クトルを示す図である。
【図2】本発明の蛍光体におけるドープ物質(Zn又は
Mg又はCd)のmol%と、電子線の射突によって発
光する際の輝度の相対強度の関係を示す図である。
【図3】本発明の蛍光体におけるGaN及びInNの混
晶比と、蛍光体のエネルギギャップとの関係を示す図で
ある。
【図4】本発明の蛍光体を陽極に有する蛍光表示管を発
光させた場合、該蛍光表示管の陽極の電圧Vと蛍光体の
輝度の相対値との関係を示す図である。
【図5】本発明の蛍光体を陽極に有する蛍光表示管を連
続点灯させた場合、初期の輝度を100とした時の輝度
の相対値と連続点灯時間との関係を示した図である。
【図6】本発明の実施例の熱処理工程に用いる熱処理装
置の断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿川 能孝 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株式 会社内 (72)発明者 佐藤 義孝 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株式 会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料物質であるガリウム化合物と、イン
    ジウム化合物と、ドープ物質の中から、少なくともガリ
    ウム化合物とドープ物質を含む原料物質を選択して混合
    し、窒素を含み酸素を含まない雰囲気内においてこれら
    を急速加熱及び急速冷却することによって化学式Ga
    1-x Inx N:A(但し0≦x<0.8、A=Zn又は
    Mg又はCd)で表される蛍光体を製造する蛍光体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記ガリウム化合物とインジウム化合物
    が、任意の組成のGa2 3 とIn2 3 の固溶体であ
    る請求項1記載の蛍光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ガリウム化合物とインジウム化合物
    が、任意の組成のGa2 3 とIn2 3 の固溶体であ
    る請求項1記載の蛍光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記急速加熱及び急速冷却の速度が1×
    107 〜1×104℃/sである請求項1又は2又は3
    記載の蛍光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 窒素を含む反応ガスに浮遊した前記原料
    物質がプラズマを通過することにより該原料物質が急速
    加熱及び急速冷却されることを特徴とする請求項1又は
    2又は3又は4記載の蛍光体の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2782229A1 (fr) * 1998-03-25 2000-02-11 Futaba Denshi Kogyo Kk Luminophore et procede pour produire celui-ci

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2782229A1 (fr) * 1998-03-25 2000-02-11 Futaba Denshi Kogyo Kk Luminophore et procede pour produire celui-ci

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