JPH09239430A - 高速冷間圧延方法 - Google Patents

高速冷間圧延方法

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JPH09239430A
JPH09239430A JP8053361A JP5336196A JPH09239430A JP H09239430 A JPH09239430 A JP H09239430A JP 8053361 A JP8053361 A JP 8053361A JP 5336196 A JP5336196 A JP 5336196A JP H09239430 A JPH09239430 A JP H09239430A
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oil
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伸夫 西浦
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保博 曽谷
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文夫 藤田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼板の高速冷間圧延時にチャタリングの発生
を防止することができる高速冷間圧延方法。 【解決手段】 鋼板のタンデム圧延機による冷間圧延法
において、圧延中の鋼板温度、ワークロール温度、圧延
板速度及びワークロール圧延速度をそれぞれ測定し(S
1)、これらの測定値に基づき潤滑油導入油量の推定値
を算出し(S2)、この算出した潤滑油導入油量の推定
値と予め求めておいた高速圧延域でチャタリングが発生
するときの潤滑油導入油量の下限値とを比較し、上記推
定値がこの下限値以下になった場合に(S3)、上記潤
滑油導入油量の推定値が上記下限値以上となるように潤
滑油系統の供給油量を制御する(S4)高速冷間圧延方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板圧延での高速冷
間圧延時に発生するチャタリングを防止し、高速圧延を
実現する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】板圧延での高速圧延時に、安定圧延を阻
害する現象として、チャタリング、ヒートスクラッチが
ある。これらの現象の発生は、高速圧延を阻害し、生産
性を落とす要因となる。周知のチャタリングは、圧延の
中・低速域の加減速時に、ロールバイト内で潤滑過多の
状態が発生し、その結果、中立点がロールバイト外へと
びだし、これをトリガとして発生する振動現象である。
この場合のチャタリングは摩擦係数の低下、先進率の低
下等の現象を伴う。そして、潤滑油、圧延機の振動特
性、圧下率、圧延材の材質、ロール表面温度、板表面温
度、圧延速度、圧延スケジュール等の多くの要因の影響
を受けていることが知られている。
【0003】これに対して、チャタリングを防止する従
来技術としては、制御因子として先進率に注目した技術
がある。これはチャタリングが発生しない安定圧延を実
現するために摩擦係数予測式から目標先進率を設定し、
潤滑油の濃度を決定する方法(特開平3−151106
号公報)、圧延スケジュールを設定する方法(特開平3
−151107号公報)、潤滑油供給量を決定する方法
(特公平6−13126号公報)がある。また、ロール
スリップを防止するために、実測先進率の変化率を指標
として板張力とギャップを制御する方法(特開平3−5
9113号公報)がある。また、制御因子として、ワー
クロールの表面温度に注目し、最適温度域に制御するこ
とでチャタリングを防止する方法(特開昭57−156
807号公報)がある。これらの方法はいずれも、潤滑
過多すなわち摩擦係数低下、先進率低下が原因で起こる
チャタリングを防止する方法である。制御の方法として
は、摩擦係数および先進率を上昇させるために、潤滑油
の濃度を低下させる、圧延スケジュールを設定する、潤
滑油供給油量を減らす、等の方法が基本となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近のブリキ
材の製品動向である硬質・薄ゲージ化により高圧下・高
速圧延が行われ、それに伴い生産性向上のために圧延の
高速化が進められている。そして上記製品の生産工程で
は、従来発生しなかった、高速圧延域でのチャタリング
が発生し、高速圧延操業を阻害しているという問題があ
った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
高速冷間圧延方法は、鋼板のタンデム圧延機による冷間
圧延法において、圧延中の鋼板温度、ワークロール温
度、圧延板速度及びワークロール圧延速度をそれぞれ測
定し、これらの測定値に基づき潤滑油導入油量の推定値
を算出し、この算出した潤滑油導入油量の推定値と予め
求めておいた高速圧延域でチャタリングが発生するとき
の潤滑油導入油量の下限値とを比較し、上記推定値がこ
の下限値以下になった場合に、上記潤滑油導入油量の推
定値が上記下限値以上となるように潤滑油系統の供給油
量を制御するものである。
【0006】本発明の請求項2に係る高速冷間圧延方法
は、鋼板のタンデム圧延機による冷間圧延法において、
圧延中の鋼板温度、ワークロール温度、圧延板速度及び
ワークロール圧延速度をそれぞれ測定し、これらの測定
値に基づき潤滑油導入油量の推定値を算出し、この算出
した潤滑油導入油量の推定値と予め求めておいた高速圧
延域でチャタリングが発生するときの潤滑油導入油量の
下限値とを比較し、上記推定値がこの下限値以下になっ
た場合に、通常濃度又は通常粘度の潤滑油を供給する潤
滑油系統から高濃度又は高粘度の潤滑油を供給する潤滑
油系統に切り換えるか、または上記2つの潤滑油系統を
並用するものである。
【0007】本発明の請求項3に係る高速冷間圧延方法
は、鋼板のタンデム圧延機による冷間圧延法において、
圧延中の鋼板温度、ワークロール温度、圧延板速度及び
ワークロール圧延速度をそれぞれ測定し、これらの測定
値に基づき潤滑油導入油量の推定値を算出し、この算出
した潤滑油導入油量の推定値と予め求めておいた高速圧
延域でチャタリングが発生するときの潤滑油導入油量の
下限値とを比較し、上記推定値がこの下限値以下になっ
た場合に、スタンド入側上流部の鋼板の上下面またはス
タンド入側の上下ワークロールに高濃度油を塗布するも
のである。
【0008】本発明の請求項4に係る高速冷間圧延方法
は、鋼板のタンデム圧延機による冷間圧延法において、
圧延中の鋼板温度、ワークロール温度、圧延板速度及び
ワークロール圧延速度をそれぞれ測定し、これらの測定
値に基づき潤滑油導入油量の推定値を算出し、この算出
した潤滑油導入油量の推定値と予め求めておいた高速圧
延域でチャタリングが発生するときの潤滑油導入油量の
下限値とを比較し、上記推定値がこの下限値以下になっ
た場合に、ワークロール及び鋼板を冷却するクーラント
流量を制御するものである。
【0009】本発明の請求項5に係る高速冷間圧延方法
は、鋼板のタンデム圧延機による冷間圧延法において、
前記請求項1から請求項4までのいずれかに係る高速冷
間圧延方法を、最終スタンドとその1つ前のスタンドの
いずれか一方またはその両方に実施するものである。
【0010】前記各請求項に係る高速冷間圧延方法を鋼
板のタンデム圧延機に適用することにより、従来高速圧
延域での潤滑不足に起因したチャタリングの発生を防止
する事が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者等は、これまでに、硬質
・薄ゲージのブリキ材の高速圧延域でのチャタリング発
生機構を解明するために様々な検討を行ってきた。図1
1はチャタリング発生時と安定圧延時の鋼板表面のオイ
ルピット率の計測結果を示す図であり、同図は5段スタ
ンドの冷間タンデム圧延機で仕上げ厚み0.21mm以
下のブリキ材を圧延した場合に、低速圧延域でチャタリ
ングが発生した時、高速圧延域でチャタリングが発生し
た時、および安定圧延時の各圧延鋼板のサンプル表面オ
イルピット面積率を測定した結果である。図11より、
従来の低速圧延時に発生するチャタリングは安定圧延時
と比較してピット率が高く潤滑過多となっており、従来
技術で対応してきたチャタリングであることが分る。そ
れに対し、高速圧延時に発生するチャタリングは逆の挙
動を示し、安定圧延時と比較してピット率が低く潤滑不
足が発生していることが分る。
【0012】また、図12は、圧延速度と圧延後の鋼板
付着油分量の関係を示す図であり、同図は圧延速度と圧
延後の鋼板付着油分量を実際に調査した結果によるもの
である。図12により高速圧延域では潤滑不足が発生す
る傾向があることがわかる。以上の検討により高速圧延
時に発生するチャタリングは、高速域にてストリップと
ロールの間で潤滑不足となることが原因であることが判
明した。そこで、これを従来のチャタリングと区別して
潤滑不足によるチャタリングと呼ぶことにする。
【0013】高速圧延域において、潤滑不足になる原因
は種々考えられるが、まず下記の(1),(2)等があ
げられる。 (1)ストリップ温度が高くなり、ロールバイト直近の
潤滑油温度が高いため圧延油の粘性が低下し、ロールバ
イト内への潤滑油の引き込み油量が低下する。 (2)高速圧延では、鋼板表面への潤滑油のスプレー時
間が低下し、潤滑油供給油量が減少する。また、硬質・
薄物材でチャタリングが発生しやすい原因とし、ロール
バイト入口部の面圧が上昇するため、ロールバイトへ導
入される油量が減少することが考えられる。
【0014】主に以上の原因により、ロールバイト内へ
の導入油量が低下し、潤滑不足となる。それに伴い、ロ
ールバイト内での油膜厚みが低下するため、油膜が不均
一となり、摩擦状態が不安定となる。その際、張力変動
等の操業条件をトリガとして、チャタリングが発生する
と考えられる。これに対し、従来のチャタリング防止技
術は、ストリップとロールの接触弧内での潤滑過多に起
因するチャタリングに対するものであり、高速域で発生
しているチャタリングとは発生メカニズムが異なること
が分った。そのため、潤滑過多によるチャタリング防止
策である従来技術を高速圧延域に適用すると、潤滑不足
によるチャタリングでは逆効果をもたらすことになるた
め、潤滑不足に起因したチャタリングを防止することは
できないということを解明した。
【0015】発明者らは、これまで、鋭意研究を重ねた
結果、図11および図12に示したように、チャタリン
グ発生とロールバイト中への導入油量との相関が強いこ
とを見いだした。本発明の実施形態1〜5は、かかる知
見に基づき、圧延中の鋼板温度、ワークロール温度、圧
延板速度及びワークロール圧延速度を測定して導入油量
推定値を演算し、高速圧延域でチャタリングが発生する
時の導入油量下限値と比較してこれを下回った場合に、
導入油量下限値を上回るように潤滑油を供給する種々の
装置をコントロールすることにより、高速圧延域で発生
するチャタリングを防止する方法である。最初に実施形
態1〜5の概要について説明すると、実施形態1は、高
速圧延時に潤滑油系統の供給油量をコントロールする冷
間圧延方法であり、実施形態2は、高速圧延時に高濃度
圧延油を塗布する供給油系統を使用する冷間圧延方法で
あり、実施形態3は、高速圧延時に高粘度油を供給する
潤滑油系統を使用する冷間圧延方法である。また、実施
形態4は、高速圧延時にスタンド入側の上流部で高濃度
油を鋼板の上下面に塗布して冷間圧延を行う方法であ
り、実施形態5は、高速圧延時にスタンド入側の上下ワ
ークロールに高濃度油を塗布して行う冷間圧延を行う方
法である。
【0016】さらに、発明者らは、鋭意研究を重ねた結
果、鋼板およびロール冷却条件とチャタリング発生に強
い相関関係があることを見いだした。図13は、鋼板・
ロール冷却流量とチャタリング発生時の圧延速度の関係
を示す図であり、同図はタンデム圧延機において、鋼板
およびロール冷却条件とチャタリング発生までの圧延速
度の関係を調査した結果である。図13によると、鋼板
およびロールを冷却するスプレー流量をコントロールす
ることでチャタリング発生を防止できることがわかる。
実施形態6は、かかる知見に基づき、圧延中の鋼板温
度、ワークロール温度および圧延板速度を測定して導入
油量推定値を演算し、高速圧延域でチャタリングが発生
する時の導入油量下限値と比較してこれを下回った場合
に、ロールおよび鋼板を冷却するクーラント流量をコン
トロールして行う冷間圧延方法である。
【0017】また、タンデム圧延機では、あるスタンド
にてチャタリングが発生すると、スタンド間の鋼板を介
して、その前後スタンドにミル振動が伝播する。発明者
らは、最初にチャタリングが発生するトリガ・スタンド
に対してチャタリング防止策を実施することが有効であ
ると考えた。そこで、実操業の高速圧延域においてチャ
タリングの発生するスタンドを調査する目的で、全5段
スタンドのタンデムミルの後段#3〜#5スタンドのハ
ウジングに振動加速度計を設置し、チャタリングの発生
するスタンドを調査した。図14は、全5段スタンド・
タンデムミルの後段#3〜#5スタンドのハウジングに
おける振動加速度の測定例を示す図であり、上記調査結
果によるものである。図14の測定例では、#5スタン
ドのハウジングの振動が最初に発生し、その後前スタン
ドである#4,#3スタンドへと振動が伝播しているよ
うすがわかる。同様のデータ採取を重ねた結果、タンデ
ム圧延機の最終スタンドとその一つ前のスタンドでの発
生頻度が高いことがわかった。実施形態7は、かかる知
見に基づき、タンデム圧延機の最終スタンドとその一つ
前のスタンドのいずれか一方またはその両方において、
前記実施形態1から実施形態6のいずれかを実施する冷
間圧延方法である。
【0018】また実施形態1〜5においては、チャタリ
ング発生と強い相関のあるロールバイトへの導入油量推
定値を制御指標として使用する。そして、チャタリング
発生時の下限値をあらかじめ求めておき、これを上回る
ように潤滑油の供給装置を制御して、ロールバイトへの
導入油量が基準値を越えるように設定し、チャタリング
発生を防止ている。具体的には、通常の潤滑油供給装置
の供給油量、濃度、粘度をコントロールする。さらに、
通常の潤滑油供給装置に加えて、鋼板およびロール表面
へ高濃度な圧延油をプレコートする装置を用いてロール
バイト内への導入油量をコントロールする。ブリキ原板
等のタンデム圧延で一般的に使用されているエマルジョ
ン油潤滑において、ロールバイトへの導入油量を支配す
る因子の一つは、鋼板表面およびロール表面へのエマル
ジョン中の油分の付着(プレートアウトと呼ぶ)量であ
る。圧延油のプレートアウト量は、一般的に圧延油の供
給油量、濃度、スプレー時間、および被スプレー材の表
面温度の影響を受ける。
【0019】実施形態1では潤滑油の供給油量により、
実施形態2では潤滑油の濃度により、実施形態4及び実
施形態5ではプレコート装置を用い、ロールおよび鋼板
表面への潤滑油のスプレー時間を制御することにより、
鋼板表面およびロール表面へのプレートアウト量をコン
トロールし、所望する導入油量を実現するようにしてい
る。ロールバイトへの導入油量を支配するもう一つの因
子は、圧延油の粘性である。高粘度油ほど導入油量が増
加することが一般的に知られており、実施形態3はこの
原理を利用したものである。
【0020】また実施形態6においては、鋼板およびロ
ールの冷却条件により、各々の表面温度を制御する。鋼
板温度およびロール表面温度を制御する第一の効果とし
ては、鋼板表面およびロール表面へのプレートアウト量
をコントロールできることである。図15はプレートア
ウト量と鋼板温度の関係を示す図であり、同図はプレー
トアウト試験機を用いて、鋼板温度とプレートアウト量
の関係を調査した結果を示すものである。図15による
と、両者に相関性があり、温度制御によりプレートアウ
ト量を制御できることが推察される。また、第二の効果
は、ロールバイト内の界面温度のコントロールによる境
界潤滑摩擦係数の低域効果である。
【0021】図19は摩擦係数と鋼板温度の関係を示す
図であり、同図は、あらかじめ表面に一定量の牛脂系冷
間圧延油を均一に塗布した試験片を作成し、様々な鋼板
温度の条件でバウデン試験を行ったときの、鋼板温度と
摩擦係数の関係を示すものである。なお、摩擦係数は、
焼き付きが発生する前までの定常部の平均的な摩擦係数
である。また図19のバウデン試験条件は次の通りであ
る。 試験材料:ブリキ原材 鋼球 :SUJ−2 負荷荷重:3.0kg 滑り速度:4.0mm/sec 滑り距離:30mm 圧延油 :牛脂系圧延油 図19により、境界摩擦係数が低下する鋼板温度領域が
あるのがわかる。この結果より、ロールバイトと鋼板の
界面温度をコントロールすることにより境界摩擦係数を
コントロールできることが推察される。境界摩擦係数を
下げることは、潤滑不足を間接的に補足する効果がある
と考えられる。実施形態6は、以上の2つの効果を利用
して、チャタリングを防止する技術である。また実施形
態7においては、チャタリングのトリガスタンドとなる
頻度の高いスタンドもしくはその1つ前のスタンドで、
前記各実施形態の処理を実施することにより、チャリタ
リングの発生を未然に防止するようにしたものである。
以下に説明する実施形態1〜6は、上記実施形態7の効
果が得られるように、全5段スタンドのタンデム圧延機
の最終スタンドに各処理を適用した事例である。
【0022】実施形態1.図2は本発明の実施形態1に
よる圧延機の構成図であり、同図の1は被圧延板、2A
は板温度計、2Bはロール温度計、3は板速度計、4は
回転計、5は流量計、6は圧力制御弁、7は計算装置、
8はクーラント制御弁制御装置、9はポンプ、10は潤
滑油タンクである。図2の実施形態1は、高速圧延時に
潤滑油系統の供給油量をコントロールする冷間圧延方法
を実施するものであるが、実施形態7の効果を得るため
に、図中の計算装置7の指令により最終スタンドの流量
制御弁を制御する構成になっている。図1は本発明の実
施形態1に係る高速冷間圧延方法の処理順序を示すフロ
ーチャートであり、図のSに続く数値はステップ番号を
示している。
【0023】図1のステップ順に実施形態1を説明す
る。S1においては、圧延中の鋼板温度とワークロール
温度を温度計2A及び2Bで計測する。温度計2A,2
Bとしては非接触型の放射温度計が利用できるが、薄膜
サーミスタ温度計等の接触温度計等を用いてもよい。ま
た入側板速度をレーザー式非接触速度計または、ローラ
ー式接触速度計等の板速度計3で計測する。さらにワー
クロール圧延速度を回転計4により計測する。あるい
は、鋼板およびロール温度を熱収支計算モデルより推定
してもよい。
【0024】S2においては、圧延スケジュール、ロー
ル径、上記S1の測定値および潤滑油の物性値(粘度圧
力係数、粘度温度係数、基準粘度、エマルジョン粒径、
濃度)を基にして、入側バイトの導入潤滑油量の推定値
を以下に示す方法で算出する。一般的に導入油量の推定
値は、流体潤滑理論により、レイノズル方程式、エネル
ギー方程式、圧延油粘度式を用いて数学的手法により導
出される。導入潤滑油量td の推定式は、一般的には、
次の式(1)のようになる。 td =f(TS ,TR ,C,d,ω,τ,α,β,η0 ,T0 ,φ1 ,p1 , UR ,US ) …(1) ただし、TR :ロール温度、TS :鋼板温度、C:圧延
油濃度(%)、d:エマルジョン粒径(μm)、ω:圧
延油の流量密度、τ:スプレー時間、α:圧延油の粘度
圧力係数、β:粘度温度係数、η0 :基準粘度、T0
基準粘度時の油温度、φ1 :噛込み角(=(Δh/R)
1/2 、Δh:圧下量、R:ロール径)、p1 :入側材料
の変形抵抗、UR :ロール速度、US :入側板速度
【0025】たとえば、小豆島ら(塑性と加工vol.19、
no.214、p.958〜965(1978-11))により発表されている
ように、潤滑油の油膜でのせん断によって生じる温度上
昇を考慮して導入油量を推定している例もある。この方
法では、数値計算機による繰り返し計算を行う必要があ
る。その他に、上記の潤滑油のせん断による温度上昇の
影響を小さいとし圧延油膜温度Tm をロール温度および
鋼板温度の平均値Tm =(TR +TS )/2と仮定する
と、圧延油粘度式とレイノルズ方程式から、導入油量を
求める式は解析的に求まり式(2)のようになる。
【0026】
【数1】
【0027】また、h2 は、一般的には鋼板表面および
ロール表面のプレートアウト量の合計と考えられ、式
(3)のように表記される。 h2 =ξ・(qS +qR ) …(3) ここで、qS :鋼板表面のプレートアウト量、qR :ロ
ール表面のプレートアウト量、ξ:チューニング係数
(ただし、0≦ξ≦1)一般的に、鋼板表面およびロー
ル表面へのプレートアウト量は圧延油の濃度、エマルジ
ョン粒径、クーラント流量密度、スプレー時間、そして
付着面の表面温度の関数であり、式(4A)、(4B)
で与えられる。 qS =q1 (TS ,C,d,ω,τ) …(4A) qR =q2 (TR ,C,d,ω,τ) …(4B) ここで、qS :鋼板表面のプレートアウト量、qR :ロ
ール表面のプレートアウト量、TS :鋼板表面温度、T
R :ロール表面温度、C:潤滑油濃度、d:エマルジョ
ン粒径、ω:潤滑油流量密度、τ:スプレー時間
【0028】本発明者らはプレートアウト試験機を用い
た試験を実施して、プレートアウト量と鋼板温度、濃
度、粒径およびスプレー時間との関係を調査し、これら
の調査結果を図15〜図18に示す。そして図15〜図
18の結果に基づき、次の式(5)に示すような実験式
を得ている。 q=f1(C%)・f2(d)・K1(T)・[1−EXP(−K2(T)・ω・τ)] …(5) ここで、q:付着面へのプレートアウト量、ω:クーラ
ント流量密度、τ:スプレー時間、 K1(T),K2(T):付着面の表面温度に依存する係数で
あり実験的に導出される。 f1(C%) :圧延油濃度の影響を補正する係数で、f1
=a1+b1・C(%)で与えられる。ただし、a1,b1
定数であり実験的に導出する。 f2(d):エマルジョン粒径の影響を補正する係数で、f
2 =a2+b2・dで与えられる。ただし、a2,b2は定
数であり実験的に導出する。 S2では、以上の式(1)(例えば、式(2)〜
(5))より、入側バイトの導入潤滑油量の推定値を算
出する。
【0029】S3においては、チャタリング発生の導入
油量下限値(td)limと上記S2で算出した導入潤滑油量
d を比較し、td が(td)limより小さいか否かを判別
する。ここで、チャタリング発生の導入油量下限値
(td)limは、あらかじめチャタリングが発生する時の、
ワークロール温度、鋼板温度、入側板速度、ロール速
度、かみ込み角、潤滑油初期濃度、エマルジョン粒径、
潤滑油物性値、圧延材のロールバイト入側の変形抵抗お
よび圧延油流量等のデータを収集し、これよりチャタリ
ングが発生する限界導入油量(td)limを式(1)により
算出しておく。S2にて算出したtd と(td)limの差は
式(6)のようになる。 Δtd =(td)lim−td …(6) 入側バイトでの導入油量の推定値が、下限値を下回った
場合、つまり、Δtd >0の時に潤滑不足に起因するチ
ャタリングが発生する可能性が高いと判断する。そして
Δtd >0の場合には、次のS4で導入油量の制御を行
い、そうでない場合にはS1へ戻る。
【0030】S4においては、S3でΔtd >0と判別
された場合、導入油量が下限値を上回るような制御を実
施する。なおこのS4における制御方法のみが実施形態
1〜6によってそれぞれ異なったものになる。実施形態
1においては、潤滑油の供給油量をコントロールする。
前記式(1)において、潤滑油供給量制御による導入油
量の変化量は式(7)のように表される。
【0031】
【数2】
【0032】上記∂TS /∂ωを求めるために、潤滑油
の供給油量と鋼板温度の関係式を導入する。この関係式
は、いくつか提案されているが、ここでは例えば熱伝達
方程式による式(8)を用いる。
【0033】
【数3】
【0034】ただし、TS :潤滑油を供給した後の鋼板
温度、TSb:潤滑油を供給する前の鋼板温度、TC :ク
ーラント温度、h :クーラントの熱伝達係数、ρS
鋼板密度、cs :鋼板比熱、hs :鋼板厚、t :潤滑
油冷却時間(=(クーラント冷却の領域長さ)/US
また、熱伝達係数とスプレー流量密度の関係式は実験に
よると式(9)のようになる。 h=K・A・ω …(9) ただし、K:定数、A:潤滑油の供給面積、ω:潤滑油
の流量密度式(8)および式(9)より、∂TS /∂ω
を導出すると式(10)のようになる。
【0035】
【数4】
【0036】式(6)で求められた導入油量差を満足す
る潤滑油の流量密度Δωは、式(7)および式(10)
を用いて、式(11)より求められる。
【0037】
【数5】
【0038】スプレー流量Qと流量密度の関係は、Q=
ω・A(A:潤滑油の供給面積)より、潤滑油の供給変
更量ΔQは、式(12)で与えられる。 ΔQ=Δω・A …(12) 図2の計算装置7はこの供給変更量ΔQを制御指令値と
して出力し、この指令値に基づきクーラント制御弁制御
装置8が潤滑油供給系の最終スタンドの圧力制御弁6を
制御する。
【0039】実施形態2.図4は本発明の実施形態2に
よる圧延機の構成図であり、同図の1〜9は図2と同一
のものである。10Aは第一潤滑油供給系統タンク、1
0Bは高濃度潤滑油用の第二潤滑油供給系統タンク、1
1は濃度計、12は濃度調整器、13はミキシングタン
ク、14は原油タンク、15は温水タンクである。図4
の実施形態2では、2つの潤滑油供給系統と2つの潤滑
油回収系統を有する。第一の潤滑油供給系統は、通常濃
度の潤滑油を#1〜#5スタンドに渡って供給し、廃油
を回収して第一潤滑油供給タンクへ戻す循環系統を構成
している。第二の潤滑油系統は、高濃度油を最終スタン
ドにのみ供給し、回収後に濃度調整を行ってから第二潤
滑油タンクに戻す系統である。2つの潤滑油供給系統
は、図中の計算装置7の指令に基づき、切り替えて使用
されるか、または2つの供給系統が並用される。図4の
例では、実施形態7を適用し最終スタンドにこの潤滑油
の切り替えまたは並用処理を実施している。
【0040】図3は本発明の実施形態2、3に係る高速
冷間圧延方法の処理順序を示すフローチャートであり、
図のステップ番号S1〜S3の処理は図1と同一のもの
である。なお図3のS4において、実施形態2では、第
1の潤滑油は通常濃度の潤滑油であり、第2の潤滑油は
高濃度の潤滑油であるとし、実施形態3では、第1の潤
滑油は通常粘度の潤滑油であり、第2の潤滑油は高粘度
の潤滑油であるとして本ステップの処理内容を読み取る
ものとする。実施形態2において、図3のS4では、S
3でΔtd >0と判別された場合、通常濃度の潤滑油で
ある第一の潤滑油系統から高濃度の潤滑油である第二の
潤滑油系統を切り替えるか、または第一及び第二の潤滑
油系統を併用する。なお、Δtd <0でチャタリングが
発生する可能性が低い場合は、通常、第一の潤滑油系統
を使用するものとする。
【0041】実施形態3.図5は本発明の実施形態3に
よる圧延機の構成図であり、同図の1〜9、10A及び
10Bは図4と同一のものである。16は廃液タンクで
ある。図5の実施形態3では、図4と同様に、2つの潤
滑油供給系統から構成されており、第二潤滑油供給系統
は、高粘度油を供給する。第一の潤滑油供給系統は通常
粘度油を#1〜#5スタンドに渡って供給し、#1〜#
4スタンドの廃油を回収して第一潤滑油供給タンクへ戻
す循環系統を構成している。第二の潤滑油系統は高粘度
油を#5スタンドのみに供給する。#5スタンドの廃油
は、廃油タンクへ回収される。2つの潤滑油供給系統
は、図中の計算装置7の指令に基づき、切り替えて使用
されるか、または2つの供給系統が並用される。また実
施形態3の処理順序は、図3のフローチャートと同一で
あり、S4における第1の潤滑油を通常粘度油、第2の
循環油を高粘度油と読み取ればよい。
【0042】実施形態4.図7は本発明の実施形態4に
よる圧延機の構成図であり、同図の1〜7、9及び10
は図2と同一のものである。17はプレコート用タンク
で高濃度油を蓄えている。18はプレコート塗布装置で
ある。また図7は、全5段スンタンドのタンデム圧延機
の最終スタンドの部分のみを示している。図7の実施形
態4は、高速圧延時に図中の計算装置7の指令に基づい
てプレコート用圧力制御弁が制御され、スタンド入側の
上流部に設けられたプレコート塗布装置18が高濃度油
を鋼板の上下面に塗布して冷間圧延を行う処理方法であ
る。
【0043】図6は本発明の実施形態4、5に係る高速
冷間圧延方法の処理順序を示すフローチャートであり、
図のステップ番号S1〜S3の処理は図1と同一のもの
である。なお図6のS4において、高濃度油を塗布する
箇所が、実施形態4ではスタンド入側上流部の鋼板の上
下面であり、実施形態5ではスタンド入側の上下ワーク
ロールであるとして本ステップの処理内容を読み取るも
のとする。実施形態4において、図6のS4では、S3
でΔtd >0と判別された場合、プレコート塗布装置を
作動させ、スタンド入側上流部の鋼板の上下面に高濃度
油を塗布する。なお、Δtd >0でチャタリングが発生
する可能性が低い場合は、プレコート装置は動作させな
いものとする。
【0044】実施形態5.図8は本発明の実施形態5に
よる圧延機の構成図であり、同図の1〜7、9、10及
び17は図7と同一のものである。19はロールプレコ
ート用ノズル、20は潤滑用ノズルである。図8の実施
形態5では、図7と同様に、プレコート用タンク17に
高濃度油を蓄えておき、高速圧延時に計算装置7の指令
に基づいてロールプレコート用ノズル19からスタンド
入側の上下ワークロールに高濃度油を塗布して冷間圧延
を行う処理方法である。
【0045】実施形態6.図10は本発明の実施形態6
による圧延機の構成図あり、図の1〜4、7及び9は図
2と同一のものである。21はクーラントタンク、22
は流量系制御弁、23は冷却ノズルである。クーラント
タンク21には水と油が混合されエマルジョン状のクー
ラント液が蓄えられている。冷却ノズル23は、鋼板冷
却用とロール冷却用にそれぞれ所要数が設けられ、また
各冷却ノズルの入力側には、それぞれ個別の流量制御弁
22が設けられている。図10の実施形態では、図中の
計算装置7の指令に基づいて鋼板用冷却ノズルおよびロ
ール用冷却ノズル23の各流量制御弁22がコントロー
ルされる。図9は本発明の実施形態6に係る高速冷間圧
延方法の処理順序を示すフローチャートであり、図のス
テップ番号S1〜S3の処理は図1と同一のものであ
る。図9のS4では、S3でΔtd >0と判別された場
合、鋼板冷却ノズル及びロール冷却ノズルの各流量制御
弁を制御し、鋼板及びロールへの各クーラント流量を制
御する。なお、Δtd <0でチャタリングが発生する可
能性が低い場合は、通常の流量の潤滑油を供給するもの
とする。
【0046】次に図10に示した本実施形態6による圧
延機構成で圧延を実施した結果を示す。下記の表1に鋼
種、寸法、圧延スケジュール、および使用した潤滑油種
を示す。
【0047】
【表1】
【0048】本発明によらない通常の圧延方法の場合、
圧延速度1450mpmにおいてチャタリングが発生す
る。しかし本実施形態6により、図9の計算フローに基
づいて#5スタンド入側の鋼板冷却およびロール冷却の
供給流量を通常の圧延方法での流量40000 l/minか
ら2000 l/minにコントロールした場合、圧延機の最
高速度1850mpmでの操業が可能となった。図20
に、高速圧延時のチャタリング発生が問題となっている
鋼種(T4CAおよびT5CA相当)および寸法(冷延
仕上げ板厚:0.24mm以下)のブリキ原板材に本実
施形態6の適用時と未適用時における板厚と圧延速度の
関係を示す。この図によると従来特に圧延速度を高くす
ることができなかった板厚0.20mm以下で圧延速度
が著しく改善されているのがわかる。
【0049】実施形態7.本発明の実施形態7において
は、前記説明の通り、チャタリングのトリガスタンドと
なる頻度の高い最終スタンドとその1つ前のスタンドの
いずれか一方またはその両方で、前記実施形態1〜6の
処理を実施することにより、チャタリングの発生を未然
に防止するようにしたものであり、この実施形態7は前
記図2、4、5、7、8及び10に既に示されている。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、鋼板のタ
ンデム圧延機による冷間圧延法において、圧延中の鋼板
温度、ワークロール温度、圧延板速度及びワークロール
圧延速度をそれぞれ測定し、これらの測定値に基づき潤
滑油導入油量の推定値を算出し、この算出した潤滑油導
入量の推定値と予め求めておいた高速圧延域でチャタリ
ングが発生するときの潤滑油導入油量の下限値とを比較
し、上記推定値がこの下限値以下になった場合に、
(1)上記潤滑油導入油量の推定値が上記下限値以上と
なるように潤滑油系統の供給油量を制御するようにする
か、(2)または通常濃度又は通常粘度の潤滑油を供給
する潤滑油系統から高濃度又は高粘度の潤滑油を供給す
る潤滑油系統に切り換えるか、もしくは上記2つの潤滑
油系統を並用するようにするか、(3)またはスタンド
入側上流部の鋼板の上下面もしくはスタンド入側の上下
ワークロールに高濃度油を塗布するようにするか、
(4)またはワークロール及び鋼板を冷却するクーラン
ト流量を制御するようにしたので、従来高速圧延域での
潤滑不足に起因したチャタリングの発生を防止する事が
可能となり、硬質・薄ゲージ材の高速圧延とその高生産
性を実現できるという効果が得られる。
【0051】また本発明によれば、鋼板のタンデム圧延
機による冷間圧延法において、上記(1)〜(4)のい
ずれかに記載の処理方法を、チャタリングのトリガスタ
ンドとなる頻度の高い最終スタンドとその1つ前のスタ
ンドのいずれか一方またはその両方に実施するようにし
たので、チャタリングの発生を未然に防止することがで
きるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る高速冷間圧延方法の
処理順序を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施形態1による圧延機の構成図であ
る。
【図3】本発明の実施形態2、3に係る高速冷間圧延方
法の処理順序を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態2による圧延機の構成図であ
る。
【図5】本発明の実施形態3による圧延機の構成図であ
る。
【図6】本発明の実施形態4、5に係る高速冷間圧延方
法の処理順序を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態4による圧延機の構成図であ
る。
【図8】本発明の実施形態5による圧延機の構成図であ
る。
【図9】本発明の実施形態6に係る高速冷間圧延方法の
処理順序を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態6による圧延機の構成図で
ある。
【図11】チャタリング発生時と安定圧延時の鋼板表面
のオイルピット率の計測結果を示す図である。
【図12】圧延速度と鋼板表面の付着油量の関係を示す
図である。
【図13】鋼板・ロール冷却流量とチャタリング発生時
の圧延速度の関係を示す図である。
【図14】全5段スタンド・タンデムミルの後段#3〜
#5スタンドのハウジングにおける振動加速度計の測定
例を示す図である。
【図15】プレートアウト量と鋼板温度の関係を示す図
である。
【図16】プレートアウト量と圧延油濃度の関係を示す
図である。
【図17】プレートアウト量と圧延油のエマルジョン粒
径の関係を示す図である。
【図18】プレートアウト量とスプレー時間の関係を示
す図である。
【図19】摩擦係数と鋼板温度の関係を示す図である。
【図20】本発明の実施形態6の適用時と未適用時にお
ける板厚と圧延速度の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 被圧延板 2A 板温度計 2B ロール温度計 3 板速度計 4 回転計 5 流量計 6 圧力制御弁 7 計算装置 8 クーラント制御弁制御装置 9 ポンプ 10 潤滑油タンク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板のタンデム圧延機による冷間圧延法
    において、圧延中の鋼板温度、ワークロール温度、圧延
    板速度及びワークロール圧延速度をそれぞれ測定し、こ
    れらの測定値に基づき潤滑油導入油量の推定値を算出
    し、この算出した潤滑油導入油量の推定値と予め求めて
    おいた高速圧延域でチャタリングが発生するときの潤滑
    油導入油量の下限値とを比較し、上記推定値がこの下限
    値以下になった場合に、上記潤滑油導入油量の推定値が
    上記下限値以上となるように潤滑油系統の供給油量を制
    御することを特徴とする高速冷間圧延方法。
  2. 【請求項2】 鋼板のタンデム圧延機による冷間圧延法
    において、圧延中の鋼板温度、ワークロール温度、圧延
    板速度及びワークロール圧延速度をそれぞれ測定し、こ
    れらの測定値に基づき潤滑油導入油量の推定値を算出
    し、この算出した潤滑油導入油量の推定値と予め求めて
    おいた高速圧延域でチャタリングが発生するときの潤滑
    油導入油量の下限値とを比較し、上記推定値がこの下限
    値以下になった場合に、通常濃度又は通常粘度の潤滑油
    を供給する潤滑油系統から高濃度又は高粘度の潤滑油を
    供給する潤滑油系統に切り換えるか、または上記2つの
    潤滑油系統を並用することを特徴とする高速冷間圧延方
    法。
  3. 【請求項3】 鋼板のタンデム圧延機による冷間圧延法
    において、圧延中の鋼板温度、ワークロール温度、圧延
    板速度及びワークロール圧延速度をそれぞれ測定し、こ
    れらの測定値に基づき潤滑油導入油量の推定値を算出
    し、この算出した潤滑油導入油量の推定値と予め求めて
    おいた高速圧延域でチャタリングが発生するときの潤滑
    油導入油量の下限値とを比較し、上記推定値がこの下限
    値以下になった場合に、スタンド入側上流部の鋼板の上
    下面またはスタンド入側の上下ワークロールに高濃度油
    を塗布することを特徴とする高速冷間圧延方法。
  4. 【請求項4】 鋼板のタンデム圧延機による冷間圧延法
    において、圧延中の鋼板温度、ワークロール温度、圧延
    板速度及びワークロール圧延速度をそれぞれ測定し、こ
    れらの測定値に基づき潤滑油導入油量の推定値を算出
    し、この算出した潤滑油導入油量の推定値と予め求めて
    おいた高速圧延域でチャタリングが発生するときの潤滑
    油導入油量の下限値とを比較し、上記推定値がこの下限
    値以下になった場合に、ワークロール及び鋼板を冷却す
    るクーラント流量を制御することを特徴とする高速冷間
    圧延方法。
  5. 【請求項5】 鋼板のタンデム圧延機による冷間圧延法
    において、請求項1から請求項4までのいずれかに記載
    の高速冷間圧延方法を、最終スタンドとその1つ前のス
    タンドのいずれか一方またはその両方に実施することを
    特徴とする高速冷間圧延方法。
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