JPH09238695A - 新規微生物およびそれを用いるトレハロースの製造法 - Google Patents
新規微生物およびそれを用いるトレハロースの製造法Info
- Publication number
- JPH09238695A JPH09238695A JP7935396A JP7935396A JPH09238695A JP H09238695 A JPH09238695 A JP H09238695A JP 7935396 A JP7935396 A JP 7935396A JP 7935396 A JP7935396 A JP 7935396A JP H09238695 A JPH09238695 A JP H09238695A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- trehalose
- culture
- genus
- cultured
- medium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 乾燥、冷凍時における蛋白質の変性防止効果
が見出され、食品、医薬品、化粧品などの分野で利用が
期待されるトレハロースを効率的に生産する方法を提供
すること。 【解決手段】 エルスコビア属に属し、トレハロース生
産能を有する微生物をスクロースおよび/またはマルト
ースを主炭素源として含む培地で培養し、培養物からト
レハロースを採取することを特徴とするトレハロースの
製造方法並びにトレハロース生産能を有するエルスコビ
ア・キサンチネオリティカ。
が見出され、食品、医薬品、化粧品などの分野で利用が
期待されるトレハロースを効率的に生産する方法を提供
すること。 【解決手段】 エルスコビア属に属し、トレハロース生
産能を有する微生物をスクロースおよび/またはマルト
ースを主炭素源として含む培地で培養し、培養物からト
レハロースを採取することを特徴とするトレハロースの
製造方法並びにトレハロース生産能を有するエルスコビ
ア・キサンチネオリティカ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規微生物および
それを用いるトレハロースの製造法に関するものであ
る。
それを用いるトレハロースの製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】トレ
ハロースは、グルコースがα−1,1結合した非還元性
の二糖類であり、自然界には酵母、カビ、藻類、昆虫等
に広く分布している。また、トレハロースの結晶は、一
般的には2水和物で、熱や酸、アルカリに対し安定であ
り、甘味度は蔗糖の約50%で、良質な甘味を示す。近
年、トレハロースの乾燥、冷凍時における蛋白質の変性
防止効果が見出されており、これらの特性を利用して甘
味料、増量材等への利用や食品、医薬品の保存安定剤、
化粧品の保湿剤等として様々な利用が期待されている。
ハロースは、グルコースがα−1,1結合した非還元性
の二糖類であり、自然界には酵母、カビ、藻類、昆虫等
に広く分布している。また、トレハロースの結晶は、一
般的には2水和物で、熱や酸、アルカリに対し安定であ
り、甘味度は蔗糖の約50%で、良質な甘味を示す。近
年、トレハロースの乾燥、冷凍時における蛋白質の変性
防止効果が見出されており、これらの特性を利用して甘
味料、増量材等への利用や食品、医薬品の保存安定剤、
化粧品の保湿剤等として様々な利用が期待されている。
【0003】従来のトレハロース製造法としては酵母か
らアルコールで抽出する方法(J.Am.Chem.S
oc.、72、2059、1950)、ノカルディア属
の微生物を使用する方法(特開昭50−154485号
公報)、マルトースをマルトースホスホリラーゼおよび
トレハロースホスホリラーゼで処理する方法(特開昭5
8−216695号公報)等が報告されているが、これ
らの方法はいずれもトレハロースの生産効率の低いもの
であった。そのため、近年はブレビバクテリウム属など
の微生物を使用してトレハロースを工業的に安価に製造
する方法(特開平5−211882号公報)が開示され
ているが、さらに効率的な工業的生産方法が求められて
いる。
らアルコールで抽出する方法(J.Am.Chem.S
oc.、72、2059、1950)、ノカルディア属
の微生物を使用する方法(特開昭50−154485号
公報)、マルトースをマルトースホスホリラーゼおよび
トレハロースホスホリラーゼで処理する方法(特開昭5
8−216695号公報)等が報告されているが、これ
らの方法はいずれもトレハロースの生産効率の低いもの
であった。そのため、近年はブレビバクテリウム属など
の微生物を使用してトレハロースを工業的に安価に製造
する方法(特開平5−211882号公報)が開示され
ているが、さらに効率的な工業的生産方法が求められて
いる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために工業的に有利なトレハロースの製造法
について検討し、予てよりトレハロースの生産性の高い
菌株の探索を行い、土壌から純粋分離したエルスコビア
属に属する微生物がスクロースやマルトース等を主炭素
源として含む培地で培養することにより、著量のトレハ
ロースを培養液中に生成蓄積することを見出し、本発明
を完成した。
を解決するために工業的に有利なトレハロースの製造法
について検討し、予てよりトレハロースの生産性の高い
菌株の探索を行い、土壌から純粋分離したエルスコビア
属に属する微生物がスクロースやマルトース等を主炭素
源として含む培地で培養することにより、著量のトレハ
ロースを培養液中に生成蓄積することを見出し、本発明
を完成した。
【0005】即ち本発明は、トレハロース生産能を有す
るエルスコビア・キサンチネオリティカに関し、さらに
エルスコビア属に属し、トレハロース生産能を有する微
生物をスクロースおよび/またはマルトースを主炭素源
として含む培地で培養し、培養物中にトレハロースを生
成蓄積せしめ、該培養物からトレハロースを採取するこ
とを特徴とするトレハロースの製造方法である。
るエルスコビア・キサンチネオリティカに関し、さらに
エルスコビア属に属し、トレハロース生産能を有する微
生物をスクロースおよび/またはマルトースを主炭素源
として含む培地で培養し、培養物中にトレハロースを生
成蓄積せしめ、該培養物からトレハロースを採取するこ
とを特徴とするトレハロースの製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の方法によれば、従来の方
法よりも効率的にトレハロースの製造が可能となる。従
来、エルスコビア属に属する微生物を利用したトレハロ
ースの製造方法は全く知られていない。本発明者らが探
索したエルスコビア属に属し、トレハロース生産能を有
する微生物は、エルスコビア・キサンチネオリティカ
(Oerskovia xanthineolytica)に分類され、エルスコビ
ア・キサンチネオリティカM−6株は、土壌より新たに
分離されたトレハロース生産菌株である。本菌の菌学的
性状は下記の通りである。
法よりも効率的にトレハロースの製造が可能となる。従
来、エルスコビア属に属する微生物を利用したトレハロ
ースの製造方法は全く知られていない。本発明者らが探
索したエルスコビア属に属し、トレハロース生産能を有
する微生物は、エルスコビア・キサンチネオリティカ
(Oerskovia xanthineolytica)に分類され、エルスコビ
ア・キサンチネオリティカM−6株は、土壌より新たに
分離されたトレハロース生産菌株である。本菌の菌学的
性状は下記の通りである。
【0007】(A)形態 寒天含有トリプト・ソイ培地上で30〜37℃、24〜
72時間培養後、位相差顕微鏡で観察した結果、M−6
株は0.5×1.5〜3.5μmの桿菌で、多形性を示
し、培養初期には4.0μmを越える長桿菌になること
もあり、培養後期には球菌状細胞にもなり得る。グラム
陽性で胞子を形成しない。鞭毛を有する。 (B)各種培地上での生育状態 1.ヌートリエント・アガー平板培養:30℃、4〜5日
培養で直径1mm程度の円形、全縁、平らな集落を形成
する。寒天培地の内部のみで生育し、白金耳で掻き取れ
ない。表面が平滑、不透明な黄色を呈する。2.寒天含有
トリプト・ソイ培地平板培養:30℃、3日培養で直径
1mm程度の円形、全縁、隆起状の集落を形成する。寒
天培地の内部と表面で生育し、表面が平滑、透明な黄色
を呈する。
72時間培養後、位相差顕微鏡で観察した結果、M−6
株は0.5×1.5〜3.5μmの桿菌で、多形性を示
し、培養初期には4.0μmを越える長桿菌になること
もあり、培養後期には球菌状細胞にもなり得る。グラム
陽性で胞子を形成しない。鞭毛を有する。 (B)各種培地上での生育状態 1.ヌートリエント・アガー平板培養:30℃、4〜5日
培養で直径1mm程度の円形、全縁、平らな集落を形成
する。寒天培地の内部のみで生育し、白金耳で掻き取れ
ない。表面が平滑、不透明な黄色を呈する。2.寒天含有
トリプト・ソイ培地平板培養:30℃、3日培養で直径
1mm程度の円形、全縁、隆起状の集落を形成する。寒
天培地の内部と表面で生育し、表面が平滑、透明な黄色
を呈する。
【0008】(C)生理的性質 1. OFテスト :発酵的 2. 42℃における生育:陽性 3. チトクロームオキシダーゼ反応:陰性 4. カタラーゼテスト :陽性 5. 酸素に対する態度 :通性嫌気性 6. 嫌気培養 トリプト・ソイ培地 :陽性 ヌートリエント・アガー:陰性 1%スクロース普通寒天培地 :陰性 7. 硝酸塩の還元能 :陽性 8. ゼラチンの分解性 :陽性 9. ウレアーゼ活性 :陽性 10. 硫化水素産生 :陰性 11. インドール産生 :陰性 12. VP反応 :陰性 13. DNase試験 :陽性 14. ONPG試験 :陽性 15. PNPG試験 :陽性 16. リトマスミルク試験:酸産生 17. クエン酸資化性 :陽性 18. 加水分解反応 澱粉 :陽性 キサンチン :陽性 ヒポキサンチン :陽性 アルギニン :陰性 エスクリン :陽性 19. 炭水化物からの酸産生 (+:酸産生、−:酸産生
せず) Fructose + Glucose + Sucrose + Maltose + Mannose + Melibiose − Arabinose − Raffinose + Rhamnose − Treharose + Sorbitol − Mannitol − Inositol − Glycerol +
せず) Fructose + Glucose + Sucrose + Maltose + Mannose + Melibiose − Arabinose − Raffinose + Rhamnose − Treharose + Sorbitol − Mannitol − Inositol − Glycerol +
【0009】(D)化学的性質 1.細胞壁ペプチドグリカンのアミノ酸組成・構造: L-
Lys L-Ser D-Asp 2.呼吸鎖イソプレノイド・キノンの分子種の決定 :M
K−9(H4) 3.主要菌体脂肪酸組成 アンチイソ分岐脂肪酸 : C15、C17 イソ分岐脂肪酸 : C15、C16
Lys L-Ser D-Asp 2.呼吸鎖イソプレノイド・キノンの分子種の決定 :M
K−9(H4) 3.主要菌体脂肪酸組成 アンチイソ分岐脂肪酸 : C15、C17 イソ分岐脂肪酸 : C15、C16
【0010】上記M−6株の菌学的性質をバージーズ・
マニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジ
ー(Bargey's Manual of Systematic Bacteriology)Vo
lume2と照合した結果、M−6株の分類学上の位置はエ
ルスコビア属キサンチネオリティカ(Oerskovia xanthi
neolytica)に属するものと同定された。ただし、最近、
エルスコビア属をDNA相同性とr-DNA類縁性に基づ
き、セルロモナンス(Cellulomonans)属に含める提案が
出されている。エルスコビア属キサンチネオリティカ
(Oerskovia xanthineolytica)M−6株は、工業技術院
生命工学工業技術研究所に「微生物寄託番号生命研寄託
第15433号」(FERM P−15433)として
寄託されている。エルスコビア属に属する菌種がスクロ
ースやマルトースなどをトレハロースに変換することは
従来全く知られていないことであり、この属の菌株を使
用することが本発明の重要な特徴である。
マニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジ
ー(Bargey's Manual of Systematic Bacteriology)Vo
lume2と照合した結果、M−6株の分類学上の位置はエ
ルスコビア属キサンチネオリティカ(Oerskovia xanthi
neolytica)に属するものと同定された。ただし、最近、
エルスコビア属をDNA相同性とr-DNA類縁性に基づ
き、セルロモナンス(Cellulomonans)属に含める提案が
出されている。エルスコビア属キサンチネオリティカ
(Oerskovia xanthineolytica)M−6株は、工業技術院
生命工学工業技術研究所に「微生物寄託番号生命研寄託
第15433号」(FERM P−15433)として
寄託されている。エルスコビア属に属する菌種がスクロ
ースやマルトースなどをトレハロースに変換することは
従来全く知られていないことであり、この属の菌株を使
用することが本発明の重要な特徴である。
【0011】次に、本発明によるトレハロースの製造法
について説明する。本発明で使用されるトレハロース生
産菌としては、エルスコビア(Oerskovia)属に属し、ト
レハロース生産能を有するものであればいかなる微生物
でも良い。また、それらの変異株もトレハロース生産能
を有するものであれば使用することができる。培養は、
通常液体培地を用いて好気的に行われる。液体培地の炭
素源としては、例えばスクロース、マルトース、グルコ
ース、洗糖蜜、廃糖蜜などを単独あるいは適宜組み合わ
せて使用することができるが、特にスクロース、マルト
ースはトレハロースの生産に好適に使用できる。それら
炭素源の培地中の濃度はできるだけ高濃度であるのが好
ましいが、一般には5〜20%(w/v) の範囲で添加使用
する。
について説明する。本発明で使用されるトレハロース生
産菌としては、エルスコビア(Oerskovia)属に属し、ト
レハロース生産能を有するものであればいかなる微生物
でも良い。また、それらの変異株もトレハロース生産能
を有するものであれば使用することができる。培養は、
通常液体培地を用いて好気的に行われる。液体培地の炭
素源としては、例えばスクロース、マルトース、グルコ
ース、洗糖蜜、廃糖蜜などを単独あるいは適宜組み合わ
せて使用することができるが、特にスクロース、マルト
ースはトレハロースの生産に好適に使用できる。それら
炭素源の培地中の濃度はできるだけ高濃度であるのが好
ましいが、一般には5〜20%(w/v) の範囲で添加使用
する。
【0012】窒素源としては、微生物が使用しうるペプ
トン、酵母エキス、肉エキス、麦芽エキス、コーンスチ
ープリカー、尿素、アンモニウム塩などの有機および無
機窒素化合物が使用できる。また、無機塩類としては、
リン酸、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄など
の通常、細菌の培養に必要な塩類が単独、または適宜組
み合わせて使用されるが、特にマグネシウムの添加はト
レハロースの効率的な生産に有効である。さらに必要に
より、他の無機物や有機物、例えばビタミン類を培地に
添加して使用する。
トン、酵母エキス、肉エキス、麦芽エキス、コーンスチ
ープリカー、尿素、アンモニウム塩などの有機および無
機窒素化合物が使用できる。また、無機塩類としては、
リン酸、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄など
の通常、細菌の培養に必要な塩類が単独、または適宜組
み合わせて使用されるが、特にマグネシウムの添加はト
レハロースの効率的な生産に有効である。さらに必要に
より、他の無機物や有機物、例えばビタミン類を培地に
添加して使用する。
【0013】培養温度は菌体の生育可能な温度範囲で培
養することができるが、好ましくは35〜40℃の範囲
である。培養液のpHは6〜8の範囲に制御し、その調
整には炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、アンモニア
水などを用いるが、特に炭酸カルシウムによる調整がト
レハロースの生産に好適である。また、通常の培養槽に
おける通気量は1/4〜1VVM、撹拌数は500〜8
50r.p.m.で行い、培養時間は5〜8日程度が好まし
い。
養することができるが、好ましくは35〜40℃の範囲
である。培養液のpHは6〜8の範囲に制御し、その調
整には炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、アンモニア
水などを用いるが、特に炭酸カルシウムによる調整がト
レハロースの生産に好適である。また、通常の培養槽に
おける通気量は1/4〜1VVM、撹拌数は500〜8
50r.p.m.で行い、培養時間は5〜8日程度が好まし
い。
【0014】培養終了後、培養物からのトレハロースの
回収は、通常の糖類の回収方法により行われる。即ち、
得られた培養液をフィルター、遠心分離、限外濾過等に
より菌体などを除去した後、その上清部分をイオン交換
樹脂や活性炭を用いて脱塩、脱色後に濃縮する。この濃
縮液にトレハロースの微結晶を少量添加し、撹拌しなが
ら冷却して結晶を晶出させた後、遠心分離してトレハロ
ースの粗結晶を得る。必要により再度粗結晶を水に溶解
し、上記操作を繰り返すことによりトレハロースの精製
結晶を得ることができる。
回収は、通常の糖類の回収方法により行われる。即ち、
得られた培養液をフィルター、遠心分離、限外濾過等に
より菌体などを除去した後、その上清部分をイオン交換
樹脂や活性炭を用いて脱塩、脱色後に濃縮する。この濃
縮液にトレハロースの微結晶を少量添加し、撹拌しなが
ら冷却して結晶を晶出させた後、遠心分離してトレハロ
ースの粗結晶を得る。必要により再度粗結晶を水に溶解
し、上記操作を繰り返すことによりトレハロースの精製
結晶を得ることができる。
【0015】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳しく説明する
が、これらは本発明の範囲を限定するものではない。な
お、実施例中の%は(w/v)で示す。 実施例1 種培養 種培養にはペプトン1%、酵母エキス0.5%、肉エキ
ス0.3%、NaCl0.3%、Na2 HPO4 ・12
H2 O 0.4%、MgSO4 ・7H2 O0.14%か
らなる基本培地に炭素源としてスクロース5%を添加し
たものを使用した。この培地100mlを500ml容
振盪フラスコに分注し、加熱殺菌したものを種培養用培
地とした。この培地に予め1%マルトースを含有する寒
天斜面基本培地で37℃、24時間培養したエルスコビ
ア・キサンチネオリティカM−6株(FERM P−1
5433)の1白金耳を接種し、37℃で2日間往復振
盪培養を行い、種培養液を調製した。
が、これらは本発明の範囲を限定するものではない。な
お、実施例中の%は(w/v)で示す。 実施例1 種培養 種培養にはペプトン1%、酵母エキス0.5%、肉エキ
ス0.3%、NaCl0.3%、Na2 HPO4 ・12
H2 O 0.4%、MgSO4 ・7H2 O0.14%か
らなる基本培地に炭素源としてスクロース5%を添加し
たものを使用した。この培地100mlを500ml容
振盪フラスコに分注し、加熱殺菌したものを種培養用培
地とした。この培地に予め1%マルトースを含有する寒
天斜面基本培地で37℃、24時間培養したエルスコビ
ア・キサンチネオリティカM−6株(FERM P−1
5433)の1白金耳を接種し、37℃で2日間往復振
盪培養を行い、種培養液を調製した。
【0016】本培養 次いで、上記基本培地に炭素源としてスクロース5%を
添加したもの100mlを500ml容振盪フラスコに
分注し、加熱殺菌を行った。さらに、予め乾熱殺菌した
炭酸カルシウムを培地に対して20%となるように添加
したものを本培養用培地とした。この培地約110ml
にエルスコビア・キサンチネオリティカM−6株の種培
養液を1ml接種して、37℃で3日間往復振盪培養を
行った。得られた培養液を遠心分離して菌体などの不溶
物を除去した後、上清を薄層クロマトグラフィー(TL
C)およびNHカラムによる高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)で分析したところ、培地中にトレハロー
ス1.0%の生成が認められた。
添加したもの100mlを500ml容振盪フラスコに
分注し、加熱殺菌を行った。さらに、予め乾熱殺菌した
炭酸カルシウムを培地に対して20%となるように添加
したものを本培養用培地とした。この培地約110ml
にエルスコビア・キサンチネオリティカM−6株の種培
養液を1ml接種して、37℃で3日間往復振盪培養を
行った。得られた培養液を遠心分離して菌体などの不溶
物を除去した後、上清を薄層クロマトグラフィー(TL
C)およびNHカラムによる高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)で分析したところ、培地中にトレハロー
ス1.0%の生成が認められた。
【0017】実施例2 上記実施例1において本培養用培地の炭素源として5%
マルトースを添加したこと以外は同様の操作を行った結
果、培地中に0.5%のトレハロースの生成が認められ
た。
マルトースを添加したこと以外は同様の操作を行った結
果、培地中に0.5%のトレハロースの生成が認められ
た。
【0018】実施例3 実施例1における本培養用培地の炭素源を20%スクロ
ースとした培地110mlにエルスコビア・キサンチネ
オリティカM−6株(FERM P−15433)の種
培養液を3ml接種し、37℃で7日間往復振盪培養を
行った。なお、種培養液の調製は実施例1に記載の方法
に準じた。得られた培養液の上清部分をTLCおよびH
PLCで分析したところ、培養4日目のトレハロース濃
度は5.1%、培養7日後では6.0%であった。
ースとした培地110mlにエルスコビア・キサンチネ
オリティカM−6株(FERM P−15433)の種
培養液を3ml接種し、37℃で7日間往復振盪培養を
行った。なお、種培養液の調製は実施例1に記載の方法
に準じた。得られた培養液の上清部分をTLCおよびH
PLCで分析したところ、培養4日目のトレハロース濃
度は5.1%、培養7日後では6.0%であった。
【0019】実施例4 実施例3に記載の培地と同一組成の20%スクロース含
有培地に消泡剤0.25mlを添加した培地550ml
を1リットル容ジャーファーメンターに分注し、これに
実施例1に記載の方法と同一の方法で調製したエルスコ
ビア・キサンチネオリティカM−6株(FERM P−
15433)の種培養液を10ml接種し、通気量0.
5vvm、撹拌速度700r.p.m.の条件で37℃で6日
間ジャー培養を行った。培養6日目の培養液の上清部分
をTLCおよびHPLCで分析したところ、トレハロー
ス濃度は5.8%であった。
有培地に消泡剤0.25mlを添加した培地550ml
を1リットル容ジャーファーメンターに分注し、これに
実施例1に記載の方法と同一の方法で調製したエルスコ
ビア・キサンチネオリティカM−6株(FERM P−
15433)の種培養液を10ml接種し、通気量0.
5vvm、撹拌速度700r.p.m.の条件で37℃で6日
間ジャー培養を行った。培養6日目の培養液の上清部分
をTLCおよびHPLCで分析したところ、トレハロー
ス濃度は5.8%であった。
【0020】この培養液を遠心分離して菌体などの不溶
物を除去した後、その上清500mlをアンバーライト
IR−120BおよびアンバーライトIRA−47のカ
ラムに通液し、さらに活性炭処理して脱塩・脱色した
後、減圧濃縮して40mlの濃縮液を得た。これに微粉
砕したトレハロースの結晶を少量添加し、撹拌しながら
室温まで冷却して結晶を晶出させた後、遠心分離して
5.4gのトレハロース結晶を回収した。
物を除去した後、その上清500mlをアンバーライト
IR−120BおよびアンバーライトIRA−47のカ
ラムに通液し、さらに活性炭処理して脱塩・脱色した
後、減圧濃縮して40mlの濃縮液を得た。これに微粉
砕したトレハロースの結晶を少量添加し、撹拌しながら
室温まで冷却して結晶を晶出させた後、遠心分離して
5.4gのトレハロース結晶を回収した。
【0021】
【発明の効果】本発明に関わるエルスコビア属に属する
トレハロース生産菌、特に新菌株エルスコビア・キサン
チネオリティカM−6株をスクロースおよび/またはマ
ルトースを主炭素源として含む培地で培養し、培養物か
らトレハロースを採取することにより、トレハロースを
効率的に製造することが可能となる。
トレハロース生産菌、特に新菌株エルスコビア・キサン
チネオリティカM−6株をスクロースおよび/またはマ
ルトースを主炭素源として含む培地で培養し、培養物か
らトレハロースを採取することにより、トレハロースを
効率的に製造することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01) (72)発明者 江橋 正 千葉県流山市南流山6−29−1−3−410 (72)発明者 露木 賢一郎 神奈川県鎌倉市小袋谷2−5−2 三井製 糖スプーン寮25
Claims (4)
- 【請求項1】 エルスコビア属に属し、トレハロース生
産能を有する微生物をスクロースおよび/またはマルト
ースを主炭素源として含む培地で培養し、培養物からト
レハロースを採取することを特徴とするトレハロースの
製造方法。 - 【請求項2】 エルスコビア属に属する微生物が、エル
スコビア・キサンチネオリティカである請求項1記載の
製造方法。 - 【請求項3】 エルスコビア属に属する微生物が、エル
スコビア・キサンチネオリティカM−6株(FERM
P−15433号)である請求項1記載の製造方法。 - 【請求項4】 トレハロース生産能を有するエルスコビ
ア・キサンチネオリティカ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7935396A JPH09238695A (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 新規微生物およびそれを用いるトレハロースの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7935396A JPH09238695A (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 新規微生物およびそれを用いるトレハロースの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09238695A true JPH09238695A (ja) | 1997-09-16 |
Family
ID=13687548
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7935396A Pending JPH09238695A (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 新規微生物およびそれを用いるトレハロースの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09238695A (ja) |
-
1996
- 1996-03-08 JP JP7935396A patent/JPH09238695A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0483755B1 (en) | Process for preparing trehalulose and isomaltulose | |
EP0280398B1 (en) | Method for producing acid urease, and use thereof | |
JP2756360B2 (ja) | トレハルロースおよびパラチノースの製造法 | |
JPH0564597A (ja) | 発酵法によるリボフラビンの製造法 | |
JPH09238695A (ja) | 新規微生物およびそれを用いるトレハロースの製造法 | |
JPH01187090A (ja) | ε−ポリリシンの製造方法およびε−ポリリシン生産菌 | |
JP2749217B2 (ja) | トレハルロースおよびパラチノースの製造法 | |
JPH05123178A (ja) | L−フエニルアラニンの製造法 | |
JPH08173179A (ja) | 新規微生物およびそれを用いるトレハロースの製造法 | |
JP2926249B2 (ja) | アルギン酸リアーゼの製造法 | |
JPH03160995A (ja) | トレハルロースの製造法 | |
JP2837624B2 (ja) | 天然紫色色素の製造方法 | |
JP2936663B2 (ja) | Fr901228物質の製造方法 | |
JPH0515387A (ja) | 細菌によるアルギン酸の分解法 | |
JP2901458B2 (ja) | ゲンチアノースの製造方法 | |
JP3026312B2 (ja) | キチン分解物の製造法 | |
JPH08275776A (ja) | 新規キチナーゼ及びその製造方法 | |
JPH0362397B2 (ja) | ||
DK148360B (da) | Fremgangsmaade til fremstilling af uricase | |
JPS59173089A (ja) | L−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸の製造法 | |
JPH04299986A (ja) | 高粘性bs−1物質の製造法 | |
JPH03219889A (ja) | レバンの製造方法 | |
JPH11164697A (ja) | トレハロース製造法およびトレハロース含有糖組成物 | |
JPH0191793A (ja) | ジ‐d‐フラクトシルフラノース2,6′:6,2′ジアンハイドライドの製造法 | |
JPS61280269A (ja) | 新規微生物 |