JPH03160995A - トレハルロースの製造法 - Google Patents

トレハルロースの製造法

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JPH03160995A
JPH03160995A JP30066989A JP30066989A JPH03160995A JP H03160995 A JPH03160995 A JP H03160995A JP 30066989 A JP30066989 A JP 30066989A JP 30066989 A JP30066989 A JP 30066989A JP H03160995 A JPH03160995 A JP H03160995A
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JP
Japan
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trehalulose
sucrose
erwinia
culture
sugar
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JP30066989A
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English (en)
Inventor
Nobuo Kuriiwa
栗岩 信夫
Susumu Azuma
東 晋
Shinjiro Iwasaki
岩崎 慎二郎
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Meito Sangyo KK
Original Assignee
Meito Sangyo KK
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Publication date
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はトレハルロース(1−0−σ−D−1’ルコピ
ラノシドーD−フルクトース)の製造法に関する。更に
詳細には、本発明は蔗糖からトレハルロースを効率よく
、大量に生産しうる方法に関する。
[従来技術及び発明が解決しようとする課題]従来、糖
転換能を有する微生物、なかでも蔗糖から有用な二糖を
生成する微生物として、例えば、蔗糖を主にイソマルチ
二ロースに転換する能力をもつロイコノストック・メセ
ンテロイデス( L euconostoc  mes
enteroides) ,プロタミノバクタ一〇ルブ
ラム(Protaminobacter  rubru
m) 、セラチア●マルセッセンス( S errat
ia  marcescens) 、セラチア●プリム
チ力( S erratia  plymuthica
) 、エルウィニア・カロトポラ( E rwinia
  carotovora) 、エルウイニア・力ロト
ポラ.アトロセプチカ( E rwinia  car
otovora  var.atroseptica)
 、エルウイニア・デインルベンス( E rwini
a  dissolvens) 、エルウィニア●ラホ
ンテイシ( E rwinia  rhapontic
i)等が知られている。
これらのイソマルチュロース生産性菌株は通常トレハル
ロースも同時に副生じ、その生威量は、蔗糖当り約20
%前後である。最近、このトレハロースを取得する試み
がなされているが、蔗糖から生戒するトレハルロースの
比率が低いため、その実用性は低い。しかし、エルウィ
ニア・力ロトポラ・アトロセプチカにおいては、2〜4
%蔗糖栄養溶液で25℃、3日間生育させることにより
、ほぼ1:lの割合でイソマルチュロースとトレハルロ
ースが得られると報告されている[B.M.L und
ら、J .  Gen.  Microbio1、, 
 Vo1、  7 8(Pt2)、331−6 (19
73)] 。 しがしながら、この菌株を用いたトレハ
ルロース生産培養は、仕込み糖濃度が低い、培養期間が
長い、イソマルチュロースとトレハルロースの生産比率
が近いのでトレハルロースだけを分離することが難しい
等の欠点があるため実用化には至っていない。
そこで、本発明者らは、この課題を解決し、蔗一3 糖からのトレハルロースの生産収率を実用的なレベルま
で向上させるべく、糖転換能が優れ、さらには蔗糖の仕
込み濃度が高く、短時間でトレハルロースを主要な生産
物として生産する新規な微生物を見い出すべく土壌や植
物等を常法により探索分離した。
[課題を解決するための千段1 その結果、今回、エンテロバクター属に属する或る種の
菌株、例えばエンテロバクター・エスピ− (Ente
robacter  sp. ) N o . 1及び
エルウィニア属に属する或る種の菌株、例えば、エルウ
ィニア・エスビー(Erwinia  sp. ) N
 o . 4が蔗糖を主にトレハルロースに転換する優
れた糖転換能を示すと同時に、培養中の蔗糖濃度を20
%以上にしても48時間で培養を完了させうる等の極め
て有用な性質を有するトレハルロース生産菌株であるこ
とを見い出し、本発明を完戊するに至つtこ。
かくして、本発明によれば、エンテロバクター属又はエ
ルウィニア属に属するグルコシルトランー4一 スフェラーゼ生産性微生物の菌体又はその処理物の存在
下に蔗糖をトレハルロースに転換することを特徴とする
トレハルロースの製造方法が提供される。
また、本発明によれば、エンテロバクター属又はエルウ
ィニア属に属するグルコシルトランスフェラーゼ生産性
微生物を蔗糖の含有する培地で培養し、培地からトレハ
ルロースを回収することを特徴とするトレハルロースの
製造方法が提供される。
本発明は、エンテロバクター属又はエルウィニア属に属
する微生物が生産するグルコシルトランスフエラーゼを
利用し、蔗糖を酵素反応により又は発酵法により、トレ
ハルロースに転換するものである。
本発明の方法に使用しうるエンテロバクター属に属する
グルコシルトランスフェラーゼ生産性微生物の具体例に
は、例えば、 エンテロバクター ・エスビーNo.  I (FER
M  P−11100) 等が挙げられ、また、エルウィニア属に属するグルコシ
ルトランスフェラーゼ生産性微生物の具体例には、例え
ば、 エルウィニア・エスピーNo.4 (FERMP− 1
 1 1 0 1) 等が挙げられるが、本発明で用いるグルコシルトランス
7エラーゼ生産性微生物は何らこれらに限られるもので
はなく、通常のスクリーニング法を用いることにより、
例えば、蔗糖を含む寒天平板培地に土壌懸濁液を塗布し
、30℃で24〜48時間培養後、寒天平板培地上で生
育した蔗糖資化性菌を分離し、上記分離菌を次に蔗糖を
含む液体培地で30℃で72時間振盪培養後、トレハル
ロースの生成の有無をペーパークロマトグラフィーで確
認することにより、当業者であれば本発明の方法に使用
しうるエンテロバクター属又はエルウィニア属に属する
グルコシルトランスフェラーゼ生産性微生物を容易に取
得することができる。
本発明に使用しうる上記のエンテロバクターエスピーN
o−  1は、従来の文献には未載の新規な菌株であり
、その菌学的性質を示せば次のとおりである。なお、本
菌株の同定実験は、主としてManual  of  
Methods  for  General  Ba
cteriology (米国微生物学会編、1981
)および「微生物の分類と同定」 (長谷川武治編 東
大出版会、1 9 8 5)に準拠して行った。
■ 細胞形態 肉汁寒天、30°C培養:通常0.7〜1.3×2.0
〜6.0μmの桿菌。単独または直鎖状の二対をなし、
稀に連鎖した細胞も観察される。多形性なし。非抗酸性
。ダラム陰性。
■ 培養的性質 (1)肉汁寒天平板培養、30’0 形態:円形 大きさは24時間で1.5m mo 周縁:全縁 隆起:偏平状ないしやや半レンズ状 光沢:あり 表面:平滑 7 色調:半透明、内容は均質なバター質、P ale  
Y ellow黄色色素生成なし (2)5% sucrose  nutrient  
ager培養、30℃:コロニーは黄色、強い muc
oid(3)デキストロース トリプトン寒天平板培養
30℃:コロニーはクリーム色、mucoid( 4 
) T rypticase  S oy寒天平板培養
、30℃:黄色色素生成なし (5)肉汁寒天斜面培養、30℃ 生育度:良好 形 態:糸状 (6)肉汁液体培養、25℃ 生育度:良好 全体に生育し混濁 沈 渣:少量 着色、脱色:なし (7)肉汁ゼラチン穿刺培養 15°Cでロート状にゼラチンを液化する。
30℃でゼラチンを液化する。
(8)リトマス・ミルク、30℃ 8一 リトマス酸性化後に退色、凝固。
ペプトン化なし。
■ 生理学的性質 (1)硝酸塩の還元性:陽性 (2)脱窒反応:陽性 (3)MRテスト:陰性 (4)VPテスト:陽性 (5)インドールの生戊:陰性 (6)硫酸水素の生1*(TSI):陰性(7)デンブ
ンの加水分解:陰性 (8)クエン酸の利用: シモンズ培地において陽性、 コーザー培地において陽性、 クリステンセン培地において陽性。
(9)無機窒素源の利用:アンモニウム塩および硝酸塩
ともに利用できる。
(IO)色素の生成:なし (l l)ウレアーゼ:陰性 (12)オキシダーゼ:陰性 (l3)カタラーゼ:陽性 (l4)戊育の範囲:pH  4〜8 温度 lO〜37℃ (l5)酸素に対する態度二通性嫌気性(1 6)O−
Fテスト(ヒューレイフソン法):D−グルコース発酵
性あり。
(17)炭素源からの酸及びガスの生威の有無(ヒュー
レイフソン法による) 』L ガス L−アラビノース       +  十D−キシロー
ス        +  +D−グルコース     
    +  +D−マンノース        + 
 +D−7ラクトース       +  +D−ガラ
クトース        +  +麦芽糖      
      +  +ショ糖           +
 + 乳糖      + + トレハロース          +  +D−ンノレ
ビット         +  十D−マンニッ1・十
干 イノシット グリセリン         + デンプン            + D−アラビトール α−メチルーD−グルコシド  + 粘液酸            十 a−D−ガラクツロン酸    十 ズルシトール         + (18)糖類からの酸の生威の有無: アドニット ラ7イノース          + ラムノース          + (l9)エスクリンの加水分解:陽性 (20)グルコン酸の酸化:溶性 (2l)有機窒素源の利用: L−グルタミン酸ナトリウム:陽性 L−ヒドロキシプロリン:陰性 (22)アルギニンの分解 (ミューラー法による):陰性 (23)リジンの脱炭酸反応 −11− (ミューラー法による):陰性 (24)オルニチンの脱炭酸反応 (ミューラー法による):陰性 (25)グルタミン酸の脱炭酸反応 (ミューラー法による):陰性 (26)7エニルアラニンの脱アミノ反応:陰性(27
)β−ガラクトシダーゼテスト:陽性(28)DNas
e:陰性 (29)リバーゼ(corn  oil) :陽性(3
0)マロン酸の利用:陰性 IV  DNAのG−C比(Tm法による)=54.5
% 上述の菌学的性質をもとにして、B ergeyのMa
nual  of  Determinative  
Bacteriology第8版(1974)およびM
anual  of  S ystematic  B
 acteryio1ogy第8版(1984)等を参
考にして検索し、公知の菌株とその異同を検討した。
以上の結果、木菌がエンテロバクター属に属することが
示された。中でも、エンテロバクター・l2 アグ口メランス( E nterobacter  a
gglomerans)に最も近い性質を示した。しか
し、本菌はエンテロバクター・アグロメランスとも、ク
エン酸の利用性(シモンズ)、D−グルコースからのガ
スの生威、ズルシトールの発酵性及び利用性、リパーゼ
(corn  oil)の有無等の点で相違が認められ
ること、並びにエンテロバクター属に属する菌株で、ト
レハルロースを主に生産する菌株は今までの文献では認
められないことから、本菌はトレハルロースを生産する
という特徴を有する新規な菌株であると考えられる。
これより、本発明者らは上記菌株をエンテロバクター・
エスピーNO.1と命名し、茨城県つくば市、東1丁目
1番3号の微生物工業技術研究所、特許微生物寄託セン
ターに微工研菌寄第11100号(FERM  P−1
1100)として寄託した。
本発明では上記菌株のほか同一菌属に属し、糖転換能を
有する菌株やこれらの変異株なども使用することができ
る。
また、本発明に使用しうる前記のエルウィニア・セビー
No.4もまた従来の文献には未載の新規な菌株であり
、その菌学的性質を示せば次のとおりである。なお、本
菌株の同定実験は、前述のエンテロバクター・エスビー
No.1の場合と同様に、主としてManual  o
f  Methods  for  General 
 B acteriology (米国微生物学会編、
1981)および「微生物の分類と同定」 (長谷川武
治編、東大出版会、1985)に準拠して行った。
■ 細胞形態 肉汁寒天、30℃培養二通常0、7〜1.3×2.0〜
6.0μmの桿菌。単独または直鎖状の二対をなし、稀
に連鎖した細胞も観察される。多形性なし。運動性あり
。鞭毛は周鞭毛。無胞子。非抗酸性。ダラム陰性。
■ 培養的性質 (1)肉汁寒天平板培養、30’0 形状二円形 大きさは24時間で1.5m m0 周縁:全縁 隆起:偏平状ないしやや半レンズ状 光沢:あり 表面:平滑 色調二半透明、内容は均質なパター質、P ake  
Y el low黄色色素生戊なし(2)5%sucr
ose  nutrient ager培養13 0 
’O :コロニーはクリーム色、弱いmucoidピン
ク色色素生戒なし (3)デキストロース トリプトン寒天平板培1130
℃、:コロニーはクリーム色、半透明 (4)肉汁寒天斜面培養、30’0 生育度:良好 形 状:糸状 (5)肉汁液体培養、30℃ 生育度:良好 全体に生育し混濁 沈 渣:少量 着 色、脱色:なし (6)肉汁ゼラチン穿刺培養 −15 ■ 15°Cでロート状にゼラチンを液化する。
30℃でゼラチンを液化する。
(7)リトマス・ミルク、30°C リトマス酸性化後に退色、凝固。ベプトンなし。
生理学的性質 (1)硝酸塩の還元性:陽性 (2)脱窒反応:陽性 (3)MRテスト:陽性 (4)VPテスト:陽性 (5)インドールの生戊:陰性 (6)硬化水素の生戊(cysteineからのH2S
):陽性 (7)デンプンの加水分解:陰性 (8)クエン酸の利用: シモンズ培地において陽性、 コーザー培地において陽性、 クリステンセン培地において陽性。
(9)無機窒素源の利用:アンモニウム塩および硝酸塩
ともに利用できる。
−16 (lO)色素の生戊:なし (l l)ウレアーゼ:陰性 (l2)オキシダーゼ:陰性 (l3)カタラーゼ:陽性 (l4)生育の範囲:pH  4〜8 温度 lO〜37℃ (l5)酸素に対する態度二通性嫌気性(1 6)O−
Fテスト(ヒューレイフソン法)D−グルコース発酵性
あり。
(17)炭素源からの酸およびガスの生戊の有無(ヒュ
ーレイフソン法による): L−アラビノース D−キシロース D−グルコース D−マンノース D−7ラクトース D−ガラクトース 麦芽糖 」L ガス +十 ++ ++ ++ 十     十 ++ 十     + ショ糖          十 乳糖            十 トレハロース         + D−ソJレビット        十 〇−マンニット        + イノシット グリセリン        + デンプン           + サリシン          + α−メチノレーD−グノレコシド + a−D一カラクツロン酸   十 ズルシトール        + メレチトース        + イヌリン (l8)糖類からの酸の生戊の有無: アドニット ラフィノース        + ラムノース         + (l9)エスクリンの加水分解:陽性 (20)グルコン酸の酸化:陽性 (22)アルギニンの分解 (ミューラー法による);陰性 (23)リジンの脱炭酸反応 (ミューラー法による):陰性 (24)オルニチンの脱炭酸反応 (ミューラー法による):陰性 (25)グルタミン酸の脱炭酸反応 (ミューラー法による):陰性 (26)フェニルアラニンの脱アミノ反応:陰性 (28)DNase :陰性 (29)棉突油の加水分解:腸性 (30)マロン酸の利用:陰性 上述の菌学的性質をもとにして、B ergeyのMa
nual  of  Determinative  
Bacteriology第7版(1957)および第
8版(1974)及びManual  of  S y
stematic  B acteriology第9
版(1984)等を参考にして検索し、公知の菌株とそ
の異同を検討した。以上の結果、木菌がエルウィニア属
に属することが示された。しか−19 しながら、エルウィニア属に属する公知の菌株とは、イ
ンドールの生戊のないこと、ゼラチンを液化すること、
7エニルアラニンの脱アミノ反応のないこと、硝酸塩の
還元性があること、リトマスミルクが酸性化し凝固する
こと、硫化水素の生或のあること、デンプンの加水分解
のないこと、デンプン、乳糖、スルシトールより酸及び
ガスを生成すること及びグリセリン、メレチトースより
酸を生或すること等の点で異なり、本菌を帰属せしめる
べき適当な菌種は見当たらない。さらにエルウィニア属
に属する菌株で、トレハルロースを主生産物とする菌株
は今迄の文献では認められないことから、本菌はトレハ
ルロースを生産するという特徴を有するエルウィニア属
の新規な菌株であると考えられる。
これにより、本発明者らは上記菌株をエルウィニア・エ
スビーNo− 4と命名し、茨城県つくば市東1丁目1
#3号の微生物工業技術研究所、特許微生物寄託センタ
ーに微工研菌寄第11101号(FERM  p−11
101)として寄託した。
−20 本発明では、上記菌株のほか同一菌属に属し、糖転換能
を有する菌株やこれらの変異株なども使用することがで
きる。
本発明に用いる微生物の培養度は、それ自体既知の方法
により、蔗糖を主たる炭素源として含有する培地で好適
に行うことができる。培地は合戊培地又は天然培地のい
ずれであってもよく、含有せしめうる窒素源としては、
例えば硝酸塩、アンモニウム塩などの無機窒素化合物又
は尿素、コーン・スチープ・リカー、カゼイン加水分解
物、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、アミノ酸液など
の有機窒素含有物等が用いられ、また、無機塩類として
、例えばカリウム塩、ナトリウム塩等を少量添加するこ
とができる。
培地中の蔗糖濃度は一般に2〜40%の範囲内とするこ
とができるが、菌の生育及び増殖等の面から、2〜20
%の範囲内であることが望ましい。
培養は通常、温度25〜30℃、pH5.0〜7.0の
範囲内で通性嫌気的に又は好気的条件下で行うことがで
きる。培養方式は回分培養又は半回分培養のいずれでも
よい。
培養時間は、培地中の蔗糖濃度によって異なるが、大体
16〜48時間程度が適当である。
培養後、菌体を培養液から分離する。分離はそれ自体既
知の方法、例えば遠心分離法、炉過法等により行うこと
ができる。遠心法で菌体を分離する場合は、培養液に各
種の凝集剤を添加して、菌体を凝集することにより分離
を容易かつ能率的にすることができる。
菌体を除去した培養上澄液は、加熱、炉過、イオン交換
樹脂処理等の処理を行い、糖組戊比としてトレハルロー
スを60%以上含有する糖液を得る。これを必要に応じ
て固形文60%以上に濃縮してそのまま利用することが
できる。また、この糖液を噴霧乾燥することにより乾燥
形態で利用できる。次いで、この糖液を例えば70〜8
0重量%の固形分まで蒸発濃縮後、ゆっくり撹拌しなが
ら例えば約4〜20’Oまで徐々に冷却し、唯一副生ず
るイソマルチュロースを結晶させ除去し、糖組戊比とし
てトレハルロースが80%以上含有する糖液を得ること
もできる。これも必要に応じて固形分60%以上まで濃
縮してそのまま利用することができるし、乾燥形態でも
利用できる。さらに、これらの糖液よりトレハルロース
のみをクロマトグラフィー分離またはインマルチュロー
ス資化性酵母処理等により得ることができる。このトレ
ハルロースは液状または結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥等
による乾燥形態で利用することができる。
方、培養液から分離した菌体はグルコシルトランス7エ
ラーゼを含有しており、菌体そのもの又は菌体破砕物(
いわゆる粗酵素)もしくはこれを精製した精製酵素など
の菌体処理物は、蔗糖をトレハルロースに転換するため
の酵素反応に利用することができる。その場合、菌体又
はその処理物はそのまま又は固定化担体で包括し、さら
に架橋剤を用いて架橋処理を行った後に使用することが
でき、特にこれら菌体又はその処理物は固定化して用い
るのが望ましい。その固定化はそれ自体既知の方法で行
うことができ、例えば、菌体又はその処理物をアクリル
アミド系単量体に包括し重23 合を行う方法:菌耐又はその処理物を担体で包括し、架
橋剤等で処理する方法、たとえば、キトサン・グルタル
アルデヒド法、カラギーナン・グルタルアルデヒド法、
アルギン酸・グルタルアルデヒド法などを利用すること
ができる。
以上に述べた適宜固定化されていてもよい菌体又はその
処理物を用いる蔗糖の転換反応は通常、蔗糖を基質とし
てlO〜75重量%、好ましくは30〜50重量%の濃
度で含有する水性溶媒中に、上記菌体又はその処理物を
加え、約0〜約30℃の範囲内の温度で約20〜約40
時間程度インキユベートすることにより行うことができ
る。なお、驚くべきことには、約0〜約25℃の低温下
でインキユベートする方が好ましい転換反応を行うこと
ができる。これらの方法により糖組或比としてトレハル
ロースを70%以上含有する糖液を得る。
生威するトレハルロース含有反応液は、前述した培養液
と同様に、それ自体既知の方法、例えば脱塩、脱色、濃
縮、結晶、分蜜、クロマトグラフィー分離、乾燥等の手
段で処理することができ、24 さらに、トレハルロースのみを反応液から分離し及び/
又は精製し利用することもできる。
次に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
実施例 1 砂糖2 0 g/dQ ,酵母エキス0.5g/d(2
,コーンスティーブリ力−3.0g/da及びK2HP
O.0.2g/dQの組戊を有し、pH7.0に調整し
た培地100rrlを含む1a容量三角フラスコに工冫
テロバクター・エスビーNo.1(FERM  P−1
1100)を接種し、25°Cで24時間振盪培養する
。次にこの培養物全量を同組成の培地Hに接種し、同温
度で48時間振盪培養する。
培養終了液は菌体を遠心分離器で除去し、上溝を回収す
る。上溝中の糖組戒比は、HPLCで測定した結果、ト
レハルロース65%、イソマルチュロース35%で、そ
の他の糖は検出されなかった。この上溝液はイオン交換
樹脂「アンバーライトJ IRl20B及びIRA−4
11(オルガノ株式会社製)のモベットに通液脱塩後、
活性炭で脱色して、糖濃度80重量%に濃縮し、イソマ
ルチュロースを晶析除去する。これにより糖組戒比とし
てトレハルロースを80%含有する糖液を得た。
実施例 2 実施例1で得られた菌体スラリ−1部を20%蔗糖リン
酸緩衝溶液(pH7.0)10部に点火し、8℃で24
時間反応させる。反応終了後、菌体を炉過法により除去
し糖液を回収する。この糖液中の糖組威比はHPLCで
測定した結果、トレハルロース73%、イソマルチュロ
ース27で、その他の糖は検出されなかった。この糖液
はイオン交換樹脂「アンバーライトJ  IRl20B
と■RA−411(オルガノ株式会社製)のモベットに
通液脱塩後、活性炭で脱色して、そのまま濃縮、噴霧乾
燥して乾燥形態として得た。
実施例 3 エンテロバクターエスピーNo.l  (FERMP−
11100)を実施例lと同様に培養し菌体スラリーを
loOmQ得た。この菌体スラリーと4%K一力ラギー
ナンを同量混合したものを3%KCI溶液に滴下するこ
とにより菌体を包括する。
包括菌体は、更にポリエチレンイミン、グノレタルアル
デヒド溶液で架橋し、菌体を固定化した。
この固定化菌体200ml2を、300mQ容量のカラ
ムに充填し、30%蔗糖をS.V.=0.2〜01、8
〜lO℃で通液したところ、トレノ\ルロース70〜8
0%、イソマルチュロース20〜30%の比率で転換し
た。
実施例 4 砂糖20g/dI2、酵母エキス0.5g/d(2,コ
ーンスティーブリカ−3.0g/dff及びK2HPO
40.2 g/dQの組戊を有し、pH7.0に調整し
た培地100mffを含むlQ容量三角フラスコにエル
ウイニア・エスピーNo.4 (FERM  P−11
101)を接種し、256Cで24時間振盪培養する。
次にこの培養物全量を同組成の培地lQに接種し、同温
度で48時間振盪する。
27 培養終了液は菌体を遠心分離機で除去し、上溝を回収す
る。上溝中の糖組成比は、HPLCで測定した結果、ト
レハルロース60%、イソマルチュロース40%で、そ
の他の糖は検出されなかった。この上溝液はイオン交換
樹脂「アンバーライトJ  IRl2OBとIRA−4
11(オルガノ株式会社)のモベットに通液脱塩後、活
性炭で脱色して、糖濃度80重量%に濃縮し、イソマル
チュロースを晶析除去する。これにより糖組戊比として
トレハルロースを80%含有する糖液を得た。
実施例 5 実施例4で得られた菌体スラリ−1部を20%蔗糖リン
酸緩衝溶液(pH7.0)10部に添加し、8℃で24
時間反応させる。反応終了後、菌体を炉過法により除去
し糖液を回収する。この糖液中の糖組或比はHPLCで
測定した結果、トレハルロース70%、イソマルチュロ
ース30%で、その他の糖は検出されなかった。この糖
液はイオン交換樹脂「アンパーライトJ  IRl2O
Bと■RA−411(オルガノ株式会社)のモベットに
一28 通液脱塩後、活性炭で脱色して、そのまま濃縮、噴霧乾
燥して乾燥形態として得た。
実施例 6 エルウイニア・エスピーNo.4 (FERMP−11
101)を実施例4と同様番こ培養し、菌体スラリーを
100mQ得た。この菌体スラリーと、4%K一力ラギ
ーナンを同量混合しIこものを3%KCI溶液に滴下す
ることにより菌体を包括する。包括曹体は、更にポリエ
チレンイミン、グルタルアルデヒド溶液で架橋し、菌体
を固定イヒした。この固定化菌体200ml2を、30
0m(2容量のカラムに充填し、30%蔗糖液をS.V
.=0.2〜0.3、8〜10℃で通液しIこところ、
トレハルロース65〜75%、インマノレチュロース2
5〜35%の比率で転換した。
手続補正書 (自発) 平或l年l2月28日

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、エンテロバクター属又はエルウィニア属に属するグ
    ルコシルトランスフェラーゼ生産性微生物の菌体又はそ
    の処理物の存在下に蔗糖をトレハルロースに転換するこ
    とを特徴とするトレハルロースの製造方法。 2、約0〜約25℃の温度で実施する請求項1記載の方
    法。 3、エンテロバクター属又はエルウィニア属に属するグ
    ルコシルトランスフェラーゼ生産性微生物を蔗糖を含有
    する培地で培養し、培地からトレハルロースを回収する
    ことを特徴とするトレハルロースの製造方法。 4、エンテロバクター・エスピーNo.1株。 5、エルウィニア・エスピーNo.4株。
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