JPH09235329A - 形状記憶材料 - Google Patents

形状記憶材料

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JPH09235329A
JPH09235329A JP8442896A JP8442896A JPH09235329A JP H09235329 A JPH09235329 A JP H09235329A JP 8442896 A JP8442896 A JP 8442896A JP 8442896 A JP8442896 A JP 8442896A JP H09235329 A JPH09235329 A JP H09235329A
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shape
shape memory
acrylate
transition temperature
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JP8442896A
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Yoshihito Osada
義仁 長田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】短時間に完全に形状を回復させ、転移温度に幅
がなく、常温を含む広い温度範囲に形状回復温度を設定
することができる形状記憶材料を提供する。 【解決手段】結晶性モノマー(例えば炭素数8以上のア
ルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート)を一
成分及び、非結晶性モノマー(例えば炭素数6以下のア
ルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート)を一
成分とし、適当な架橋剤を共存させ、これらを重合する
ことにより、特定温度で高弾性率−低弾性率に変化する
形状記憶高分子物質を特徴とする形状記憶高分子材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温度変化によって剛体
−柔軟体に可逆的に変化し、かつ形状記憶特性を生かし
た弁、緩衝材、クッション、徐放性担体、ドラッグデリ
バリーシステム、スイッチ、センサーなどに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】高分子化合物を使用した成形体の使い方
にあって、そのままの形状では取扱が困難となる場合に
おいて、変形によって取扱が容易となる様に形状を変化
させた後、使用に際しては加熱操作によって所定の形状
に回復させることがある。例えば古くから商品化されて
いる塩化ビニール樹脂等の収縮チューブ等が世に出てい
る。
【0003】また最近、成形品として所望の形状に変形
でき、その後に元の状態に回復させること自体に主眼を
おいた材料、すなわち形状記憶性組成物成形体が提案さ
れている。これらの化合物の形状記憶のメカニズムは、
ポリマーの流動を防ぐための固定状態(あるいは凍結状
態)と温度変化に伴って軟化と硬化が可逆的におこる状
態の二つの状態よりなる。形状記憶高分子にはこの二つ
の状態が必要条件である。固定状態を形成するために
は、(1)高分子鎖の絡み合い、(2)化学的・物理的
架橋、(3)結晶の形成などが考えられる。一方、温度
変化に伴って軟化と硬化が可逆的におこる状態(可逆状
態)を形成するためには、(1)ガラス転移点による方
法、(2)結晶の融解による方法、などが考えられる。
【0004】例えば、ノルボルネン系ポリマー成形体
(特開昭59−53528)、においては、固定状態と
してポリノルボルネン鎖の絡み合い、可逆状態としては
ポリノルボルネンのガラス転移温度を用いる方法が提案
されている。融点40〜100℃のトランス−1,4−
ポリイソプレン樹脂を主成分とする組成物からの架橋成
形体(特開昭62−192440号公報)においては、
固定状態としてポリジエン二重結合の架橋、可逆状態と
してはトランスポリイソプレン相の結晶融解を用いる方
法が提案されている。ポリスチレン・ポリブタジエンか
らなる結晶性ブロック共重合体(特開昭63−1799
55号公報)においては、固定状態としてポリスチレン
ドメインの物理架橋、可逆状態としてはトランスポリブ
タジエンの結晶相を用いる方法が提案されている。形状
記憶ポリウレタンエラストマー成形体(特開昭02−9
2914)においては、固定状態としてポリウレタンの
結晶相、可逆状態としてポリウレタンのソフトセグメン
トのガラス転移温度を用いる方法が提案されている。メ
チルメタクリレート・エチルアクリレート共重合体から
なる形状記憶性樹脂および成形体(特開昭02−232
212)においては固定状態メチルメタクリレートとア
クリル酸エステルの物理架橋、可逆状態としてはこの共
重合体のガラス転移温度を用いる方法が提案されてい
る。
【0005】しかし、ノルボルネン系ポリマー成形体
(特開昭59−53528)においては、転移温度幅が
大きく、温度をセンシングして形状変化を要求する分野
では使用できない。さらに、転移温度あるいは力学物性
を簡易な方法で変化させることは難しい。また、分子量
が300万で極めて大きいため加工性が良くないなどの
欠点を有する。融点40〜1000℃のトランス−1,
4−ポリイソプレン樹脂を主成分とする組成物からの架
橋成形体(特開昭62−192440)やポリスチレン
・ポリブタジエンからなる結晶性ブロック共重合体(特
開昭63−179955)やメチルメタクリレート・エ
チルアクリレート共重合体からなる形状記憶性樹脂およ
び成形体(特開昭02−232212)においても、転
移温度幅が大きく、温度をセンシングして形状変化を要
求する分野では使用できない。さらに要求される任意の
転移温度あるいは力学物性に変化させることは難しい。
さらに、一方、形状記憶ポリウレタンエラストマー成形
体(特開昭02−92914)においては主鎖の分子構
造の変化と分子量の調整により転移温度を−30〜60
℃まで変化させることができるが、転移温度幅が大き
く、温度をセンシングして形状変化させることは難し
い。
【0006】一方、架橋された高分子が溶媒で膨潤した
物質は、高分子ゲルといわれ、吸収材、土壌処理材、薬
物の単体など広く用いられている。(詳しくは、長田・
伏見・荻野・山内著「ゲル」<産業図書>参照)。従来
より感熱性高分子ゲルとして、ポリメチルビニルエーテ
ル、ポリ−N−アルキルアクリルアミド、セルロース誘
導体等が知られているが、これらはいずれも特定温度に
おいて膨潤・収縮など、体積変化を行うものの力学特
性、特にその弾性率を大きく、しかも可逆的に変える機
能は有していなかった。また、従来知られている高分子
ゲルは一般に非晶性であり力学的にも弱い。溶媒を吸収
する性質を持つと同時に、充分な力学的強度をもつ高分
子ゲルはこれまで知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、結晶
性モノマーと非結晶性モノマーとを、適当な架橋剤を共
存させ、適当な比率で重合することにより、配列構造ま
たは結晶構造を維持し、転移温度以下では高い弾性率を
示し、転移温度以下で低い弾性率を示す形状記憶高分子
材料に関するものである。この形状記憶高分子の特徴
は、転移温度以下では大きい弾性率と形状記憶性を結晶
性モノマーの結晶構造に由来して有しているが、加熱す
ることによりこの結晶性構造が壊れ、特定温度で非晶性
柔軟な高分子に変化すると同時に高分子作製時の形状に
回復することである。このような形状記憶性高分子材料
を用いて短時間に形状を回復させ、転移温度に幅がな
く、繰り返し耐久性に優れ、また、溶媒で膨潤させた状
態では徐放性を制御でき、さらに転移温度あるいは力学
物性を組成比を変化させる簡易な方法で、容易に制御さ
せることができる形状記憶高分子を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、結晶性モノマ
ーを一成分及び、非結晶性モノマーをー成分とし、適当
な架橋剤を共存させ重合することにより、特定温度で高
弾性率−低弾性率に変化する形状記憶高分子で、結晶性
モノマー単位からなる結晶ポリマーの融点が非結晶性モ
ノマー単位からなる非結晶ポリマーのガラス転移温度よ
り高い高分子共重合体より形成されたことを特徴とする
形状記憶高分子材料に係わる。
【0009】結晶性モノマーとしては、長鎖アルキル
基、フェニル基、ナフチル基等の芳香族化合物、シクロ
アルカン等の結晶性基を分子中に有するものならばいず
れでもよい。転移現象はこれら結晶性基の配列構造また
は結晶構造−非晶構造転移に基ずくもので、結晶状態で
は一般に高い弾性率と失透性を、低い弾性率では、ゴム
弾性と透明性を示す。転移温度は、結晶性基の化学構造
に基ずく分子間凝集エネルギーや結晶構造によって決ま
るので自由に制御することができる。長鎖アルキル基を
使った場合には、その鎖長が長いほど、又含有量が大き
いほど転移温度は高くなり弾性率も大きくなる。また高
分子含水ゲルとしての吸水特性を与えるためは、親水性
基、たとえばカルボキシル基、水酸基、アミノ基、ヒド
ロキシル基等を有する親水性モノマー単位を導入する必
要がある。
【0010】このような構造を持つ高分子材料は転移温
度以下では、配列構造または結晶構造のゆえに、10
〜10Pa程度の高い弾性率を示し、プラスチックと
しての力学特性と強固な形状維持能力を示す。しかし、
昇温して転移温度以上になると、著しく軟化し、その弾
性率も10Pa、あるいはそれ以下になり自由に変形
できるようになる。したがって、重合時に適当な架橋剤
を共存させて特定の形状に成形し、ついで転移温度以上
で軟化させた後、適当に応力を加えることによって変形
させ、そのまま転移点以下に冷却すれば変形状態でその
形状を固定できる。再びもとの重合時の形に復元したい
場合には、再度転移点以上に加熱すれば、この高分子材
料は重合時の形状に復帰して形状記憶特性を示す。橋架
け剤によって三次元網目構造を持つ高分子にする目的
は、転移して軟化した後でも高分子の形状維持を付与す
ることと結晶性向上のためである。
【0011】これまでアクリル系ポリマーとメタクリル
系ポリマーからなる重合体について研究されている。例
えば特開昭02−232212においてはメチルメタク
リレートとエチルアクリレート共重合体からなる形状記
憶性樹脂およびそ成形体に関する出願されている。この
場合、二次形態固定のための可逆的な仮固定は共重合体
のガラス転移を利用している。例えば、実施例では、メ
チルメタクリレートとブチルアクリレートの共重合体を
作製し、ガラス転移温度35℃の形状記憶樹脂を作製し
ている。本研究では結晶性モノマーと非結晶性モノマー
を共重合することにより生じる微結晶の融解、例えば結
晶性アクリル系ポリマー、つまり炭素数の極端に多いア
ルコールの結晶性アクリル酸エステル側鎖を有するポリ
マーの融解を利用しており、これまでのアクリル系ポリ
マーやメタクリル系ポリマーからなるポリマーのガラス
転移を利用した原理による形状記憶性樹脂とは本質的に
異なる。
【0012】本発明の前記材料は実際の使用に必要な形
状にて重合した後特定の温度下にて変形を与えても、再
度特定の温度に加熱することにより変形は自動的に除去
され当初の形状又はそれに近い形状に回復させることが
できることから、このような機能が要求される分野での
種々の利用が可能である。
【0013】本発明において結晶性モノマーとしては具
体的には以下のようなモノマーが挙げられるがこれらに
限定されない。アクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラ
デシル、アクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸テトラデシ
ル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ステアリ
ル等。
【0014】本発明において非晶性モノマーとしては、
ポリマーのガラス転移温度または融点が、結晶性モノマ
ーからなるポリマーの融点より低いモノマーならばよ
い。具体的には以下のようなモノマーが挙げられるがこ
れらに限定されない。アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸−n−プロピルエステル、アクリル酸
イソプロピルエステル、アクリル酸−n−ブチルエステ
ル、アクリル酸イソブチルエステル、アクリル酸−1−
メチルプロピルエステル、アクリル酸−t−ブチルエス
テル、アクリル酸−n−ヘキシルエステル、アクリル酸
−n−ヘプチルエステル、アクリル酸−n−オクチルエ
ステル、アクリル酸−n−ノニルエステル、アクリル酸
−n−デシルエステル、アクリル酸イソアミルエステ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−2
−ヒドロキシエステル、アクリル酸イソアミルエステ
ル、メタクリル酸アリルエステル、メタクリル酸−n−
ブチルエステル、メタクリル酸イソブチルエステル、メ
タクリ酸−tert−ブチルエステル、メタクリル酸−
2−ジエチルアミノエチルエステル、メタクリル酸−2
−ジメチルアミノエチルエステル、メタクリル酸−n−
ドデシルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタ
クリル酸−2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸
−1、1、1、3、3−ヘキサフルオロイソプロピルエ
ステル、メタクリル酸−n−ヘキシルエステル、メタク
リル酸−2−ヒドロキシエチルエステル、メタクリル酸
−2−ヒドロキシプロピルエステル、メタクリル酸イソ
ブチルエステル、メタクリル酸イソプロピルエステル、
メタクリル酸ラウリルエステル、メタクリル酸−2−
(2−メトキシエトキシ)エチルエステル、メタクリル
酸ステアリルエステル、メタクリル酸オクチルエステ
ル、メタクリル酸イソプロピルエステル、メタクリ酸ト
リデシルエステル等およびこれらの混合物等。
【0015】本発明においてはアルキルアクリレート、
アルキルメタクリレートと上記ビニル系ポリマーを重合
することにより形状記憶材料を得るが、その際、重合開
始剤の存在下に行い、更に、重合禁止剤、架橋剤、移動
剤等を加えることもできる。重合開始源としては熱、
光、プラズマ等を、重合開始剤としてはアゾイソブチロ
ニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、カンファーキノ
ン、9−フルオレノン、トリブチルボラン、ベンゾフェ
ノン等を、重合禁止剤としてはヒドロキノン、ヒドロキ
ノンメチルエステル等を、架橋剤としては、メチレンビ
スアクリルアミド、トリアリルイソシアヌレート、トリ
アリルシアヌレート、トリアクリルホルマール、トリア
リルトリメリテート、ジアリルフタレート等の多官能性
不飽和化合物を、移動剤としてはラウリルメルカプタン
等を挙げることができる。
【0016】本反応において重合反応を加熱重合による
ときは例えば約30〜100℃の温度で加熱し重合する
ことが好ましい。
【0017】本発明の形状記憶材料は、使用に際して、
必要に応じて充填剤、補強剤、軟化剤、可塑剤、相溶化
剤、結晶核剤、老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防
止剤、紫外線吸収剤、カーボンブラック等の導電性粒
子、顔料、染料、粘着付与樹脂等のゴム、プラスチック
配合剤を配合してもよい。
【0018】本発明の形状記憶材料から得られる成形体
はその形状叉は肉厚に応じて素手、工具或いは圧縮成形
機等の装置を用いて所望とする第2の形に変形されて用
いられる。変形させる際の温度は、該形状記憶材料が用
意に変形し、かつ変形時に亀裂を生じさせない温度であ
ればよい。一般的には形状記憶材料の秩序−無秩序転移
温度以上の温度が好ましい。変形温度が前記転移温度以
上である場合には変形後前記転移温度以下に急冷し、変
形を固定することが好ましい。このようにして得られた
形状記憶材料は秩序−無秩序転移温度以上で容易に当初
の形状にあるいはそれに近い形状に戻すことができる。
【0019】本発明の材料により得られる形状記憶材料
からなる成形体は、一旦変形させた成形体を所定の形状
まで回復しうる。さらに溶媒で膨潤させた場合には、転
移温度前後で徐放性を制御することができる。具体的に
は、パイプや電線等の接合部の接合材やシール材、パイ
プや棒状物体の内壁、外部ラミネート材、スプリント
材、各種固定材、衝撃吸収材、玩具用部材、文具材、教
材、装飾品材、医療用患部固定材、医療用薬剤カプセ
ル、スポーツ用プロテクター材、人形、造花、型取り
材、かつら用頭部型取り材、歯形型取り材、解凍表示
材、温度センサー、人工弁、印刷製版材料、曲面印刷材
料、記録材料、表示材料、徐放性材料等に使用すること
ができる。さらに、他の機能材料、圧電体、導電性高分
子と複合化してもよい。
【0020】
【実施例】以下実施例によって本発明を更に詳しく説明
する。
【0021】実施例1 アクリル酸ステアリル3.89g)アクリル酸メチル
4.13g)メチレンビスアクリルアミド0.09g、
アゾビスイソブチロニトリル0.10gをエタノール2
0ml中に溶解させ、50℃で24時間反応させた。そ
の後、多量のエタノール溶液で反応物を洗浄し、真空乾
燥させ形状記憶材料を得た。得られたサンプルをパーキ
ンエルマー製DMA7により引っ張り弾性率を測定し
た。周波数10Hzの条件で測定した。結果を表1に示
す。次にこのゲルを島津製作所性DSC測定装置で転移
温度を測定したところ35℃で融解することがわかっ
た。また、融解前の試料の広角X線回折像をとったとこ
ろ、結晶構造を示す回折パターンが観察された。
【0022】
【表1】
【0023】実施例2 アクリル酸ステアリル4.86g)アクリル酸メチル
3.88g)メチレンビスアクリルアミド0.09g、
アゾビスイソブチロニトリル0.10gをエタノールm
l中に溶解させ、50℃で24時間反応させた。その
後、多量のエタノール溶液で反応物を洗浄し、真空乾燥
させ形状記憶材料を得た。次にこのゲルを島津製作所性
DSC測定装置で転移温度を測定したところ36℃で融
解することがわかった。また、融解前の試料の広角X線
回折像をとったところ、結晶構造を示す回折パターンが
観察された。
【0024】実施例3 アクリル酸ステアリル9.74g)アクリル酸メチル
2.58g)メチレンビスアクリルアミド0.09g)
アゾビスイソブチロニトリル0.10gをエタノールm
l中に溶解させ、50℃で24時間反応させた。その
後、多量のエタノール溶液で反応物を洗浄し、真空乾燥
させ形状記憶材料を得た。次にこのゲルを島津製作所性
DSC測定装置で転移温度を測定したところ40℃で融
解することがわかった。また、融解前の試料の広角X線
回折像をとったところ、結晶構造を示す回折パターンが
観察された。
【0025】実施例4 アクリル酸ステアリル14.60g)アクリル酸メチル
1.30g)メチレンビスアクリルアミド0.09g)
アゾビスイソブチロニトリル0.10gをエタノールm
l中に溶解させ、50℃で24時間反応させた。その
後、多量のエタノール溶液で反応物を洗浄し、真空乾燥
させ形状記憶材料を得た。次にこのゲルを島津製作所性
DSC測定装置で転移温度を測定したところ40℃で融
解することがわかった。また、融解前の試料の広角X線
回折像をとったところ、結晶構造を示す回折パターンが
観察された。
【0026】実施例5 アクリル酸ステアリル19.47g、メチレンビスアク
リルアミド0.09g、アゾビスイソブチロニトリル
0.10gをエタノール20ml中に溶解させ、50℃
で24時間反応させた。その後、多量のエタノール溶液
で反応物を洗浄し、真空乾燥させ形状記憶材料を得た。
次にこのゲルを島津製作所性DSC測定装置で転移温度
を測定したところ43℃で融解することがわかった。ま
た、融解前の試料の広角X線回折像をとったところ、結
晶構造を示す回折パターンが観察された。
【0027】実施例6 アクリル酸ヘキサデシル4.43g、アクリル酸メチル
3.88g、メチレンビスアクリルアミド0.09g)
アゾビスイソブチロニトリル0.10gをエタノールm
l中に溶解させ、50℃で24時間反応させた。その
後、多量のエタノール溶液で反応物を洗浄し、真空乾燥
させ形状記憶材料を得た。次にこのゲルを島津製作所性
DSC測定装置で転移温度を測定したところ18℃で融
解することがわかった。また、融解前の試料の広角X線
回折像をとったところ、結晶構造を示す回折パターンが
観察された。
【0028】実施例7 アクリル酸ヘキサデシル8.85g)アクリル酸メチル
2.58g、メチレンビスアクリルアミド0.09g)
アゾビスイソブチロニトリル0.10gをエタノールm
l中に溶解させ、50℃で24時間反応させた。その
後、多量のエタノール溶液で反応物を洗浄し、真空乾燥
させ形状記憶材料を得た。次にこのゲルを島津製作所性
DSC測定装置で転移温度を測定したところ28℃で融
解することがわかった。また、融解前の試料の広角X線
回折像をとったところ、結晶構造を示す回折パターンが
観察された。
【0029】実施例8 アクリル酸ドデシル7.20g)アクリル酸メチル2.
58g)メチレンビスアクリルアミド0.09g、アゾ
ビスイソブチロニトリル0.10gをエタノールml中
に溶解させ、50℃で24時間反応させた。その後、多
量のエタノール溶液で反応物を洗浄し、真空乾燥させ形
状記憶材料を得た。次にこのゲルを島津製作所性DSC
測定装置で転移温度を測定したところ16℃で融解する
ことがわかった。また、融解前の試料の広角X線回折像
をとったところ、結晶構造を示す回折パターンが観察さ
れた。
【0030】実施例9 メタクリル酸ステアリル5.07g)アクリル酸メチル
3. 88g、メチレンビスアクリルアミド0.09
g、アゾビスイソブチロニトリル0.10gをエタノー
ルml中に溶解させ、50℃で24時間反応させた。そ
の後、多量のエタノール溶液で反応物を洗浄し、真空乾
燥させ形状記憶材料を得た。次にこのゲルを島津製作所
性DSC測定装置で転移温度を測定したところ30℃で
融解することがわかった。また、融解前の試料の広角X
線回折像をとったところ、結晶構造を示す回折パターン
が観察された。
【0031】実施例10 アクリル酸ステアリル4.8g、アクリル酸3.4g)
メチレンビスアクリルアミド0.09g)アゾビスイソ
ブチロニトリル0.10gをエタノール20ml中に溶
解させ、50℃で24時間反応させた。その後、多量の
エタノール溶液で反応物を洗浄し、多量の水中に浸漬
し、水で膨潤させ形状記憶材料を得た。次にこのゲルを
島津製作所性DSC測定装置で転移温度を測定したとこ
ろ49℃で融解することがわかった。また、融解前の試
料の広角X線回折像をとったところ、結晶構造を示す回
折パターンが観察された。
【0032】形状記憶試験
【0033】試験1 回復率 得られた固体状高分子を30x10x5mmの直方体に
切りとり、60℃にて縦方向に応力を加えて1.5倍の
長さに伸張させ、そのままの状態で10℃に冷却し、形
状を固定した。この冷却された固体状高分子を様々な温
度に加熱し、形状の回復率を求めた。結果は表2に示し
た。
【0034】試験2 回復温度 試験1において回復率100%になる最低温度を求め、
回復温度とした。結果は表2に示した。
【0035】試験3 回復時間 20℃に冷却した固体状高分子を回復温度より5℃高い
温度で加熱し、100%回復するまでの時間を回復時間
とした。結果は表2に示した。
【0036】試験4 繰り返し耐久性 試験1の方法で回復率を繰り返し測定し、回復率の変化
を調べた。
【0037】実施例1〜10の初めの形状回復率と30
回後の形状回復率を比較した結果、30回後の形状回復
率は、初めの形状回復率に対して変化せず、繰り返し耐
久性があった。また、固体状高分子自体の外観は、繰り
返し後も良好であった。
【0038】
【表2】
【0039】実施例11 実施例1と同様の重合法で厚さ2mmの薄板状形状記憶
性高分子材料を、直径30mmの円盤状に切り出したの
ち、6つに等分し、弁を作製した。これを直径30mm
の鉄パイプの一端に装着したのち、このパイプに1%で
んぷん水溶液を入れて透過実験したところ、30℃では
弁が閉じていて水溶液を透過させないが40℃に加熱す
ると形状記憶性高分子材料が軟化しでんぷん水溶液を流
下させることがわかった。さらにこの弁はデンプン溶液
が全て流下した後、再び閉じ、冷却すると水溶液を通さ
なくなった。
【0040】実施例12 アクリル酸ヘキサデシル4.4g)アクリル酸3.4
g)メチレンビスアクリルアミド0.09g)アゾビス
イソブチロニトリル0.10gをエタノール20ml中
に溶解させ、50℃で24時間反応させた。その後、多
量のエタノール溶液で反応物を洗浄し、多量の水中に浸
漬し、水で膨潤させ形状記憶材料を得た。次にこのゲル
を島津製作所性DSC測定装置で転移温度を測定したと
ころ37℃で融解することがわかった。また、融解前の
試料の広角X線回折像をとったところ、結晶構造を示す
回折パターンが観察された。さらに40℃に加温した塩
酸ピロカルビン(Pil)0.1モル水溶液1リットル
に浸漬したこのゲル1gを25℃で100mlの水に4
8時間浸漬してもPilは全く放出されなかったが、5
0℃の温水では長時間にわたってPilが水中に放出さ
れ、徐放性を有していることがわかった。
【0041】実施例13 実施例10の方法で作製した薄板状重合体を幅20m
m、長さ50mmの長方形に切り出し、60℃の温水中
で加熱して引き伸ばしたところ、幅およそ7mm、長さ
16mmに延伸され、そのまま冷却するとその状態で形
状が維持固定された。広角X線回折写真をとったところ
赤道方向(天地)に強い回折像が得られ、これより主鎖
は、延伸方向に、即鎖は、それと垂直方向に配向してい
ることがわかった。この状態の弾性率を測定したところ
延伸方向は約10倍に増大した。次に延伸された状態の
薄膜を60℃の温浴中につけたところ、この高分子はす
みやかにもとの形状に戻った。
【0042】実施例14 実施例1と同様な方法で、長さ40mmの魚の形をした
鋳型の中で同様に重合させ、魚形の形状記憶性高分子材
料を得た。これを水洗後45℃の温浴中で軟化させ、力
を加えて変形させ、魚の形を失わせしめ、放置して冷却
したところ、変形されたままの形で固定された。翌日、
60℃の温浴中にこの変形したゲルを入れた所、すみや
かに元の魚の形に回復した。
【0043】比較例1 アクリル酸メチル5.17g、メチレンビスアクリルア
ミド0.09g、アゾビスイソブチロニトリル0.10
gをエタノールml中に溶解させ、50℃で24時間反
応させた。その後、多量のエタノール溶液で反応物を洗
浄し、真空乾燥させ高分子材料を得た。このサンプルは
試験1の条件では変形形状を固定することはできなかっ
た。
【0044】
【発明の効果】結晶性モノマーを一成分及び、非結晶性
モノマーを一成分とし、適当な架橋剤を共存させ、これ
らを重合することにより、特定温度で高弾性率−低弾性
率に変化する形状記憶高分子材料を作製することによ
り、短時間に完全に形状を回復させ、転移温度に幅がな
く、繰り返し耐久性に優れ、また組成比を変化させるこ
とにより要求される転移温度に設定できる形状記憶高分
子を提供することができた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性モノマーを一成分及び、非結晶性
    モノマーを一成分とし、適当な架橋剤を共存させ重合す
    ることにより、特定温度で高弾性率−低弾性率に変化す
    る形状記憶高分子材料。
  2. 【請求項2】 結晶性モノマーと非結晶性モノマーから
    なる架橋された共重合体で結晶性モノマー単位からなる
    結晶ポリマーの融点が非結晶性モノマー単位からなる非
    結晶ポリマーのガラス転移温度より高い高分子共重合体
    より形成されたことを特徴とする請求項1記載の形状記
    憶高分子材料。
  3. 【請求項3】 結晶性モノマーが炭素数8以上のアルキ
    ル基を有するアルキルアクリレートモノマーまたは炭素
    数8以上のアルキル基を有するアルキルメタクリレート
    モノマーで、非結晶性モノマーが炭素数6以下のアルキ
    ル基を有するアルキルアクリレートモノマーまたは炭素
    数6以下のアルキル基を有するアルキルメタクリレート
    モノマーである請求項1記載の形状記憶性高分子材料。
  4. 【請求項4】 共重合組成変化により転移温度を変えた
    ことを特徴とする請求項1記載の形状記憶性高分子材
    料。
  5. 【請求項5】 モノマーのアルキル鎖長変化により転移
    温度を変えたことを特徴とする請求項3記載の形状記憶
    高分子材料。
  6. 【請求項6】 結晶性モノマーがアクリル酸ステアリル
    またはアクリル酸ヘキサデシルで、非晶性モノマーがア
    クリル酸メチルであることを特徴とする請求項3記載の
    形状記憶性高分子材料。
  7. 【請求項7】 重合して得られる高分子物質より形成さ
    れた形状記憶性高分子材料を溶媒で膨潤することを特徴
    とする請求項1記載の形状記憶性高分子材料。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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