JPH09235318A - N−アリルウレタン系重合体およびその製造方法 - Google Patents

N−アリルウレタン系重合体およびその製造方法

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JPH09235318A
JPH09235318A JP6741796A JP6741796A JPH09235318A JP H09235318 A JPH09235318 A JP H09235318A JP 6741796 A JP6741796 A JP 6741796A JP 6741796 A JP6741796 A JP 6741796A JP H09235318 A JPH09235318 A JP H09235318A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 N−アリルウレタン系重合体およびその製造
方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 重合度10以上のポリアリルアミンの溶
液を炭酸ジメチル等の炭酸ジエステルで処理することに
より、N−アリルウレタン系重合体を簡単に製造するこ
とができる。かかる方法により、得られるN−アリルウ
レタン系重合体のカチオン密度を容易に制御することが
でき、直接染料用染料固着剤などの分野において、有効
な材料となり得るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリアリル
アミン系誘導体およびその製造方法に関する。更に詳し
くは、アミノ基が少なく、かつ、反応性の側鎖を有する
新規なN−アリルウレタン系重合体およびその簡単な製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアリルアミン、ポリ(N−アルキル
アリルアミン)のようなポリアリルアミン系重合体は、
側鎖にアミノ基を含む直鎖のオレフィン系重合体で、水
に良く溶け、水中でプラスに荷電するカチオン系高分子
である。このようなポリアリルアミン系重合体は、独特
な反応性高分子構造と性質を持ち、そのため、反応染料
用染料固着剤、直接染料用染料固着剤、食品保存剤およ
びアンカーコート剤等に使用されている。又、ハロゲン
化銀写真感光材料、徐放性医薬組成物、イオン交換樹脂
および機能膜等の分野でポリアリルアミン系重合体を使
用することが提案されている。しかし、シーエムシー発
行の「反応性ポリマーの合成と応用」80〜92頁(1
989年)に記載されているように、一般的にいえば、
反応性高分子の反応基の数は、あまり多くある必要がな
く、多すぎると不都合な場合すらある。一方、共重合に
より、アミノ基を減少させた重合体を合成することも考
えられるが、モノアリルアミン、モノ(N−アルキルア
リルアミン)等のモノアリルアミン系単量体は、通常の
ビニル系単量体とは共重合しないので、共重合により低
カチオン密度のポリアリルアミン系誘導体を合成するこ
とは困難である。そこで、ポリアリルアミン系重合体の
アミノ基を他の化合物と反応させて不活性基に変換する
方法も検討されている。そのような方法で製造したポリ
アリルアミン系誘導体として、アリル尿素重合体(特公
昭63−43403)が知られている。しかし、このポ
リアリルアミン系誘導体は、精製することが難しい等の
問題もあり、実用的に使用されることは、ほとんどない
のが現状である。
【0003】一方、ポリアリルアミン系重合体は、水に
良く溶けることから、有機溶剤系アンカーコート剤の代
替としての水系アンカーコート剤(特開平4−2926
40)等の接着分野の用途が知られている。しかし、こ
れらのアンカーコート剤を使用して作製されたラミネー
トフィルムには、耐水性に欠けるという実用上の問題が
あった。従って、加熱処理で架橋反応が容易に起きて不
溶化し、その結果、耐水性が向上する、新規なポリアリ
ルアミン系誘導体の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アミ
ノ基が少なく、かつ、反応性の側鎖を有し、更に、加熱
処理により架橋反応が容易に起きて不溶化し得るN−ア
リルウレタン系重合体およびそれを簡単に製造する方法
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アミノ基
が少なく、かつ、反応性の側鎖を有する新規なポリアリ
ルアミン系誘導体およびそれを簡単に製造する方法につ
いて鋭意研究を重ねた結果、特定のポリアリルアミン系
重合体と特定の炭酸ジエステルとを反応させることによ
り、アミノ基が少なく、かつ、ブロックイソシアネート
基を有する新規なポリアリルアミン系重合体を簡単に製
造することを見いだし、この知見に基づいて本発明をな
すに至った。なお、本明細書では、ウレタン化とは、ア
ミノ基(NH)がアルキルオキシカルボニルアミノ基ま
たはアリールオキシカルボニルアミノ基(N−CO−O
2 )に変化することをいう。
【0006】本発明は、一般式
【0007】
【式4】 (式中、mは10以上の整数を示し、jは0<j≦1を
満足する数を示し、R1は水素、炭素数1〜8のn−お
よびiso−アルキル基、並びに炭素数5〜12のシク
ロアルキル基から選ばれる置換基を示し、R2 は炭素数
1〜12のアルキル基およびアリール基から選ばれる置
換基を示す)で表わされるN−アリルウレタン系重合
体、またはそのN−アリルウレタン系重合体の塩であ
る。
【0008】本発明のN−アリルウレタン系重合体は、
ブロックイソシアネート基を有する。そのため、通常、
加熱条件下では、ウレタンがイソシアネートになるので
反応性が高くなる。
【0009】本発明のN−アリルウレタン系重合体およ
びそのN−アリルウレタン系重合体の塩は、溶液にした
ときの安定性、特に酸性溶液にしたときの安定性、適度
な水に対する溶解性、および原料の入手しやすさから、
1 が水素、かつ、R2 が炭素数1〜12のn−または
iso−アルキル基であるものが好ましい。
【0010】本発明において、mは、本発明のN−アリ
ルウレタン系重合体の重合度を表わす。mは10以上、
好ましくは10〜5000である。
【0011】本発明において、jはウレタン化度を表わ
す。jは、0<j≦1であるが、本発明のN−アリルウ
レタン系重合体のカチオン密度の減少度から、通常、
0.05≦j≦1が好ましい。
【0012】本発明において、R1 は水素、炭素数1〜
8のn−およびiso−アルキル基並びに炭素数5〜1
2のシクロアルキル基から選ばれる置換基を示す。適度
な水に対する溶解性、および原料の入手のしやすさか
ら、実用上、R1 は水素が好ましい。
【0013】本発明において、R2 は、炭素数1〜12
のアルキル基およびアリール基から選ばれる置換基を示
す。この場合、炭素数1〜12のアルキル基としては、
メチル、エチル、プロピルを例示できる。R2 が、炭素
数1〜12のアリール基としては、フェニル基、o−ト
リル基、m−トリル基、p−トリル基等を例示できる。
本発明のN−アリルウレタン系重合体では、それを溶液
にしたときの安定性、特に酸性溶液にしたときの安定性
から、R2 は炭素数1〜12のn−アルキル基またはi
so−アルキル基であることが好ましい。
【0014】本発明のN−アリルウレタン系重合体の塩
において、塩とは、ウレタン化されていないモノマー単
位中の側鎖アミノ基への付加塩である。そのような付加
塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、よう化水素酸塩、
硫酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、酢酸塩等のカルボン
酸塩類、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸
塩、クエン酸塩および酒石酸塩等のオキシカルボン酸
塩、安息香酸塩を例示できる。
【0015】一般的には、本発明のN−アリルウレタン
系重合体は、塩にすると溶液状態で不安定になることも
ある。したがって、本発明のN−アリルウレタン系重合
体は、溶液状態では、フリーであることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のN−アリルウレタン系重
合体は、特定のポリアリルアミン系重合体と特定の炭酸
ジエステルとを反応させて製造することができる。すな
わち、本発明のN−アリルウレタン系重合体は、一般式
【0017】
【式5】 (式中、mは10以上の整数を示し、R1 は水素、炭素
数1〜8のn−およびiso−アルキル基、並びに炭素
数5〜12のシクロアルキル基から選ばれる置換基を示
す)で表わされるポリアリルアミン系重合体に、一般式 R2 O−CO−OR2 (式中、R2 が炭素数1〜12のアルキル基およびアリ
ール基から選ばれる置換基を示す)で表わされる炭酸ジ
エステルを反応させることにより製造できる。本発明の
N−アリルウレタン系重合体を製造するための、原料の
ポリアリルアミン系重合体は、一般式
【0018】
【式6】 (式中、mは10以上の整数を示し、R1 は水素、炭素
数1〜8のn−およびiso−アルキル基、並びに炭素
数5〜12のシクロアルキル基から選ばれる置換基を示
す)で表わされる。
【0019】また、そのような原料として、そのポリア
リルアミン系重合体の部分塩も使用できる。そのような
部分塩は、
【0020】
【式7】 (式中、mは10以上の整数を示し、kは0<k<1を
満足する数を示し、R1は水素,炭素数1〜8のn−お
よびiso−アルキル基、並びに炭素数5〜12のシク
ロアルキル基から選ばれる置換基を示す)で表わされる
部分塩として表わされる。この場合、Xは部分塩を形成
するための酸であるが、ポリアリルアミン系重合体の側
鎖のアミノ基と塩を形成できる酸であれば、特に限定し
ない。その様な酸として、塩酸、臭化水素酸、よう化水
素酸、硫酸、リン酸、ホスホン酸、酢酸等のカルボン酸
類、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クエ
ン酸および酒石酸等のオキシカルボン酸類、安息香酸を
例示できる。
【0021】原料のポリアリルアミン系重合体は、R1
が水素のときは、ポリアリルアミンである。ポリアリル
アミンはフリータイプのものが好ましい。フリータイプ
としては、既知のポリアリルアミンの塩をアルカリで中
和したものも使用できるが、市販の分子量約1万の濃度
15%ポリアリルアミン水溶液(日東紡績(株)製、P
AA−15),分子量約1万の濃度10%ポリアリルア
ミン水溶液(日東紡績(株)製、PAA−10C),分
子量約1万の濃度20%ポリアリルアミン水溶液(日東
紡績(株)製、PAA−L)および分子量約10万の濃
度20%ポリアリルアミン水溶液(日東紡績(株)製、
PAA−H)等をそのまま使用しても良い。
【0022】原料のポリアリルアミン系重合体におい
て、R1 が炭素数1〜8のn−およびiso−アルキル
基、並びに炭素数5〜12のシクロアルキル基から選ば
れる置換基である場合は、特公昭63−43402、特
公平6−2779、特公平2−57084に記載されて
いるような方法で、ポリ(N−アルキルアリルアミン)
の塩を製造し、次いで、そのポリ(N−アルキルアリル
アミン)の塩の水溶液を、アルカリ、例えば、水酸化ナ
トリウムで中和した後、副生する中和塩、例えば、塩化
ナトリウムを、透析により除去したものを用いることが
できる。
【0023】原料のポリアリルアミン系重合体を溶液に
するための溶媒としては、水、有機溶媒または水と有機
溶媒の混合溶媒を使用できる。有機溶媒としては、原料
の溶解性から極性溶媒が好ましく、メタノール、エタノ
ール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタ
ノール等のアルコール類、アセトニトリル、ホルムアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等を例
示できる。原料のポリアリルアミン系重合体を溶液にす
るための溶媒の量は、原料のポリアリルアミン系重合体
1重量に対し、0.5〜100重量、使用することが好
ましい。
【0024】本発明のN−アリルウレタン系重合体を製
造するための、原料の炭酸ジエステルは、一般式R2
−CO−OR2 (式中、R2 は炭素数1〜12のアルキ
ル基およびアリール基から選ばれる置換基を示す)で表
わされる。炭酸ジエステルとしては、炭酸ジメチル、炭
酸ジエチルおよび炭酸ジフェニル等を例示できる。反応
させる炭酸ジエステルの量は、通常、N−アリルウレタ
ン系重合体のウレタン化度に化学量論的に必要な計算量
を使用することができる。
【0025】原料のポリアリルアミン系重合体と炭酸ジ
エステルとを反応させて本発明のN−アリルウレタン系
重合体を製造するときは、まず、原料のポリアリルアミ
ン系重合体の溶液に炭酸ジエステルをゆっくりと滴下す
ると良い。このとき、溶媒に炭酸ジエステルを溶解させ
て、原料のポリアリルアミン系重合体の溶液に滴下する
こともできる。この場合、炭酸ジエステルを溶解させる
ための溶媒は、通常、原料のポリアリルアミン系重合体
を溶解させるための溶媒と同じである。ポリアリルアミ
ン系重合体と炭酸ジエステルとの反応は、攪拌しながら
行うことが好ましい。反応温度は、好ましくは0〜10
0℃、更に好ましくは30〜60℃に維持するのが良
い。反応温度が高すぎると、生成したウレタンが分解す
ることもある。反応時間が、通常12〜48時間、好ま
しくは12〜25時間で、本発明のアリルウレタン重合
体の溶液を得ることができる。反応終了後、副生したア
ルコールと反応溶媒を除去するために、反応溶液を、真
空乾燥することにより、本発明のN−アリルウレタン系
重合体を、固体として得ることができる。真空乾燥は、
例えば、溶媒として水、炭酸ジエステルとして炭酸ジメ
チル,炭酸ジエチル,または炭酸ジプロピルを用いた場
合は、温度が25〜70℃、好ましくは35〜60℃で
適当な真空状態で乾燥すると良い。温度が高すぎると、
副反応がおこることもある。また、本発明のN−アリル
ウレタン系重合体の塩を製造するときは、原料として、
ポリアリルアミン系重合体の部分塩を用い、これと炭酸
ジエステルとを、フリーのポリアリルアミン系重合体を
用いた場合と同様に、反応させることにより、製造する
ことができる。通常、原料のポリアリルアミン系重合体
の部分塩と炭酸ジエステルとを反応させた場合、そのポ
リアリルアミン系重合体中のNHで、塩を形成していな
いNHが、優先的にウレタン化される。反応終了後、得
られるN−アリルウレタン系重合体の塩の溶液を、アセ
トン等の溶媒に加えて再沈することにより、本発明のN
−アリルウレタン系重合体の塩を、固体として取り出す
ことが可能となる。
【0026】本発明のN−アリルウレタン系重合体のウ
レタン化度(モル%)は、用いた原料の炭酸ジエステル
の量に依存する。原料のポリアリルアミン系重合体のア
ミノ基に対し、等モル量の炭酸ジエステルを用いたとき
は、通常、ほとんど、そのアミノ基はウレタン化され
る。従って、原料として用いる炭酸ジエステルの量を調
整することにより、本発明のN−アリルウレタン系重合
体のカチオン密度を調整することができる。また、使用
する炭酸ジエステルの種類により、本発明のN−アリル
ウレタン系重合体の疎水性を変化させることができる。
従って、本発明のN−アリルウレタン系重合体を種々の
用途で使用するときは、適当なカチオン密度を有し、か
つ、適当な疎水性を有するものを選択することができ
る。
【0027】更に、本発明のN−アリルウレタン系重合
体は、ブロックイソシアネート基を有するポリアリルア
ミンでもあることから、導入するウレタン基を選択する
ことにより、ブロックイソシアネート基の解離温度を選
択することができる。
【0028】以下に、本発明のN−アリルウレタン系重
合体およびその製造方法を実施例で示す。本発明はこれ
らの実施例によって限定されるものではないことは勿論
である。
【0029】実施例1 20モル%メトキシカルボニル
化ポリアリルアミン(本発明のN−アリルウレタン系重
合体Iでj=0.2,R1 =H,R2 =CH3 )の製造 撹拌機、滴下漏斗、温度計および還流冷却器を備えた3
00mlのセパラブルフラスコに、分子量約1万の濃度
10.1%ポリアリルアミン水溶液(日東紡績(株)
製、PAA−10C)200g(ポリアリルアミンのモ
ノマー単位で0.35モル)を入れ、温度を50℃に保
ち、その水溶液に炭酸ジメチル(ミテックス(株)製)
6.38g(0.07モル)を15分掛けて滴下した。
滴下終了後も温度を50℃に保ちながら、12時間反応
を続けた。透明な淡黄色の反応溶液が得られた。この溶
液のpHは10.84になった。次に、この反応溶液1
gを秤量瓶に採り、室温で24時間真空乾燥した後、乾
燥剤に無水燐酸を用い、50℃で48時間真空乾燥し
て、20モル%メトキシカルボニル化ポリアリルアミン
を得た。元素分析の結果はC=58.97%、H=1
0.93%、N=19.76%であった。これらの値は
計算値C=59.44%、H=10.86%、N=2
0.39%と一致した。
【0030】実施例2 60モル%メトキシカルボニル
化ポリアリルアミン(本発明のN−アリルウレタン系重
合体Iでj=0.6,R1 =H,R2 =CH3 )の製造 実施例1と同じ反応容器中に、分子量約1万の濃度1
0.1%ポリアリルアミン水溶液(日東紡績(株)製、
PAA−10C)200g(ポリアリルアミンのモノマ
ー単位で0.35モル)を入れ、温度を50℃に保ち、
その水溶液に炭酸ジメチル(ミテックス(株)製)1
9.14g(0.21モル)を40分掛けて滴下した。
滴下終了後も温度を50℃に保ちながら、12時間反応
を続けた。透明な淡黄色の反応溶液が得られた。この溶
液のpHは9.78になった。次に、この反応溶液1g
を秤量瓶に採り、実施例1と同じ条件で乾燥し、60モ
ル%メトキシカルボニル化ポリアリルアミンを得た。元
素分析の結果はC=54.32%、H=9.17%、N
=14.75%であった。これらの値は計算値C=5
4.88%、H=8.99%、N=15.24%と一致
した。
【0031】図1に60モル%メトキシカルボニル化ポ
リアリルアミンの赤外線吸収スペクトルを示した。吸収
スペクトルには、第一アミノ基(−NH2 )に基づく1
580cm-1とウレタン基(N−CO−O−R)のC=
Oに基づく1700cm-1の吸収がある。
【0032】実施例3 100モル%メトキシカルボニ
ル化ポリアリルアミン(本発明のN−アリルウレタン系
重合体Iでj=1,R1 =H,R2 =CH3 )の製造 実施例1と同じ反応容器中に、分子量約1万の濃度1
0.1%ポリアリルアミン水溶液(日東紡績(株)製、
PAA−10C)200g(ポリアリルアミンのモノマ
ー単位で0.35モル)を入れ、温度を50℃に保ち、
その水溶液に炭酸ジメチル(ミテックス(株)製)3
3.50g(0.37モル)を1時間掛けて滴下した。
滴下終了後も温度を50℃に保ちながら、12時間反応
を続けた。透明な淡黄色の反応溶液が得られた。この溶
液のpHは7.85になった。次に、この反応溶液1g
を秤量瓶に採り、実施例1と同じ条件で乾燥し、100
モル%メトキシカルボニル化ポリアリルアミンを得た。
元素分析の結果はC=51.68%、H=7.94%、
N=11.83%であった。これらの値は計算値C=5
2.16%、H=7.88%、N=12.17%と一致
した。
【0033】実施例4 20モル%エトキシカルボニル
化ポリアリルアミン(本発明のN−アリルウレタン系重
合体Iでj=0.2,R1 =H,R2 =C2 5 )の製
実施例1と同じ反応容器中に、分子量約1万の濃度1
0.1%ポリアリルアミン水溶液(日東紡績(株)製、
PAA−10C)200g(ポリアリルアミンのモノマ
ー単位で0.35モル)を入れ、温度を50℃に保ち、
その水溶液に炭酸ジエチル(特級、ナカライテスク
(株)製)8.37g(0.07モル)を15分掛けて
滴下した。滴下終了後も温度を50℃に保ちながら、2
4時間反応を続けた。透明な淡黄色の反応溶液が得られ
た。この溶液のpHは10.88になった。次に、この
反応溶液1gを秤量瓶に採り、実施例1と同じ条件で乾
燥し、20モル%エトキシカルボニル化ポリアリルアミ
ンを得た。元素分析の結果はC=59.94%、H=1
0.79%、N=19.32%であった。これらの値は
計算値C=60.47%、H=11.00%、N=1
9.59%と一致した。
【0034】実施例5 60モル%エトキシカルボニル
化ポリアリルアミン(本発明のN−アリルウレタン系重
合体Iでj=0.6,R1 =H,R2 =C2 5 )の製
実施例1と同じ反応容器中に、分子量約1万の濃度1
0.1%ポリアリルアミン水溶液(日東紡績(株)製、
PAA−10C)200g(ポリアリルアミンのモノマ
ー単位で0.35モル)を入れ、温度を50℃に保ち、
その水溶液に炭酸ジエチル(特級、ナカライテスク
(株)製)25.10g(0.21モル)を40分掛け
て滴下した。滴下終了後も温度を50℃に保ちながら、
24時間反応を続けた。透明な淡黄色の反応溶液が得ら
れた。この溶液のpHは9.55になった。次に、この
反応溶液1gを秤量瓶に採り、実施例1と同じ条件で乾
燥し、60モル%エトキシカルボニル化ポリアリルアミ
ンを得た。元素分析の結果はC=56.98%、H=
9.41%、N=13.52%であった。これらの値は
計算値C=57.46%、H=9,44%、N=13.
96%と一致した。
【0035】図2に60モル%エトキシカルボニル化ポ
リアリルアミンの赤外線吸収スペクトルを示した。吸収
スペクトルには、第一アミノ基(−NH2 )に基づく1
580cm-1とウレタン基(N−CO−O−R)のC=
Oに基づく1700cm-1に吸収がある。
【0036】実施例6 100モル%エトキシカルボニ
ル化ポリアリルアミン(本発明のN−アリルウレタン系
重合体Iでj=1,R1 =H,R2 =C2 5 )の製造 実施例1と同じ反応容器中に、分子量約1万の濃度1
0.1%ポリアリルアミン水溶液(日東紡績(株)製、
PAA−10C)200g(ポリアリルアミンのモノマ
ー単位で0.35モル)を入れ、温度を50℃に保ち、
その水溶液に炭酸ジエチル(特級、ナカライテスク
(株)製)43.93g(0.37モル)を1時間掛け
て滴下した。滴下終了後も温度を50℃に保ちながら、
24時間反応を続けた。2層に分離した透明な反応溶液
が得られた。この溶液の上層のpHは7.81になっ
た。次に、下層の反応溶液1gを秤量瓶に採り、実施例
1と同じ条件で乾燥し、100モル%エトキシカルボニ
ル化ポリアリルアミンを得た。元素分析の結果はC=5
5.37%、H=8.42%、N=10.51%であっ
た。これらの値は計算値C=55.80%、H=8.5
8%、N=10.84%と一致した。
【0037】
【発明の効果】本発明のN−アリルウレタン系重合体
は、特定のポリアリルアミン系重合体のアミノ基をウレ
タン化することにより、そのポリアリルアミン系重合体
のカチオン密度を変化させると共に、反応性を有するブ
ロックイソシアネート基を導入したものである。本発明
のN−アリルウレタン系重合体は、製造が極めて容易で
ある。加えて、カチオン密度と反応基であるブロックイ
ソシアネート基の置換度を容易に制御できる。従って、
本発明のN−アリルウレタン系重合体は、現在、ポリア
リルアミンが使用されている分野で、かつ、低カチオン
密度が望まれる分野に極めて有効な材料を提供するもの
である。更に、本発明のN−アリルウレタン系重合体
は、ブロックイソシアネート基の反応性を利用する分野
に極めて有効な材料を提供するものである。例えば、反
応染料用染料固着剤、直接染料用染料固着剤、押出しラ
ミネート用アンカーコート剤等における接着性または耐
水性の向上が望まれる分野で使用することが提案され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】60モル%メトキシカルボニル化ポリアリルア
ミン(実施例2のN−アリルウレタン系重合体)のKB
r法の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図2】60モル%エトキシカルボニル化ポリアリルア
ミン(実施例5のN−アリルウレタン系重合体)の赤外
線吸収スペクトルを示す。横軸は波数(cm-1)、縦軸
は透過率(%)または吸光度を表わす。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【式1】 (式中、mは10以上の整数を示し、jは0<j≦1を
    満足する数を示し、R1は水素、炭素数1〜8のn−お
    よびiso−アルキル基、並びに炭素数5〜12のシク
    ロアルキル基から選ばれる置換基を示し、R2 は炭素数
    1〜12のアルキル基およびアリール基から選ばれる置
    換基を示す)で表わされるN−アリルウレタン系重合
    体、またはそのN−アリルウレタン系重合体の塩。
  2. 【請求項2】 R1 が水素であり、かつ、R2 が炭素数
    1〜12のn−およびiso−アルキル基から選ばれる
    置換基である、請求項1記載のN−アリルウレタン系重
    合体、またはそのN−アリルウレタン系重合体の塩。
  3. 【請求項3】 一般式 【式2】 (式中、mは10以上の整数を示し、R1 は水素、炭素
    数1〜8のn−およびiso−アルキル基並びに炭素数
    5〜12のシクロアルキル基から選ばれる置換基を示
    す)で表わされるポリアリルアミン系重合体またはその
    ポリアリルアミン系重合体の部分塩に、一般式 R2 O−CO−OR2 (式中、R2 が炭素数1〜12のアルキル基およびアリ
    ール基から選ばれる置換基を示す)で表わされる炭酸ジ
    エステルを反応させることを特徴とする一般式 【式3】 (式中、mは10以上の整数を示し、jは0<j≦1を
    満足する数を示し、R1は水素並びに炭素数1〜8のn
    −およびiso−アルキル基並びに炭素数5〜12のシ
    クロアルキル基から選ばれる置換基を示し、R2 は炭素
    数1〜12のアルキル基およびアリール基から選ばれる
    置換基を示す)で表わされるN−アリルウレタン系重合
    体またはそのN−アリルウレタン系重合体の塩の製造方
    法。
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