JP4743474B2 - 変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体およびその製造方法 - Google Patents

変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体のアミン部分の一部または全部を改質してなる変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体、および該共重合体を効率よく製造する方法に関するものである。
ジアリルアミン塩酸塩と二酸化イオウとの共重合体は、ジアリルアミン塩酸塩と二酸化イオウとを重合させることにより、簡単に製造できる点から工業的に製造され、水溶性塗料や染色物の染色堅牢度向上剤等、多様な分野で使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、種々のカチオン系ポリマーがファインケミカル分野での各種用途に注目されるに伴い、該ポリマーのアミン由来のカチオン密度を調節したり、水溶性を調節したりするなど、より細かい性能改善が求められてきている。
そこで、ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体のアミン部分に置換基を導入させた誘導体、すなわち変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体についても注目されている。この場合、出発原料として、遊離のジアリルアミンと二酸化イオウとの共重合体を用いることが考えられる。しかしながら、遊離のジアリルアミンと二酸化イオウとは共重合しないため、そのような原料を製造することができず、したがって、アミン部分が改質された変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体については、ほとんど知られていないのが実状である。
他方、本発明者らは、先に、ジアリルアミン塩酸塩と、該ジアリルアミン塩酸塩に対し、モル比で小過剰量の二酸化イオウとを水性媒体中で重合させ、得られた重合液を中和したのち、イオン交換膜電気透析処理することにより、遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体水溶液が効率よく得られることを見出した(特願2003−291173号明細書)。
特公昭45−343号公報
本発明は、このような事情のもとで、ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体のアミン部分の一部または全部を改質してなる変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体、および該共重合体を効率よく製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体に、アシル化剤、ラクトン化合物、シアン酸塩、炭酸ジエステル化合物、イソチオシアネート化合物およびエポキシ化合物の中から選ばれる少なくとも1種を反応させることにより、アミン部分の一部または全部が改質された変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体が容易に得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 式(I)
Figure 0004743474
で表されるジアリルアミン単位を含み、または含まずに、式(II)、式(III)および式(IV)
Figure 0004743474
(式中、Rはヒドロキシル基、炭素数2〜5のアシルオキシ基および炭素数2〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ基の中から選ばれる少なくとも1種の基により置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、アミノ基または炭素数1〜4のアルコキシル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基、R は、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシル基または炭素数2〜4のアルケニルオキシ基を示す。)
で表される単位の中から選ばれる少なくとも1種の変性ジアリルアミン単位、および式(V)
Figure 0004743474
で表される二酸化イオウ単位を含むことを特徴とする変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体、
(2) 式(I)〜(IV)で表される単位の合計量と式(V)で表される単位との割合が、モル比で50:50〜99:1であり、かつ式(I)で表される単位と式(II)〜(IV)で表される単位の合計量との割合が、モル比で0:100〜99:1である上記(1)項に記載の変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体、
(3) 遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体に、アシル化剤、ラクトン化合物、シアン酸塩、炭酸ジエステル化合物、イソチオシアネート化合物およびエポキシ化合物の中から選ばれる少なくとも1種を反応させることを特徴とする、上記(1)または(2)項に記載の変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体の製造方法、
(4) アシル化剤が、式(VI)
Figure 0004743474
(式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
で表される無水カルボン酸である上記(3)項に記載の方法、
(5) ラクトン化合物が、式(VII)
Figure 0004743474
(式中、Rは炭素数2〜6のアルキレン基、Aはヒドロキシル基、Dは炭素数2〜5のアシルオキシ基、Eは炭素数2〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ基、m、nおよびkは、合計で0〜6の整数である。)
で表される化合物である上記(3)項に記載の方法、
(6) 炭酸ジエステル化合物が、式(VIII)
Figure 0004743474
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表される化合物である上記(3)項に記載の方法、
(7) イソチオシアネート化合物が、式(IX)
−N=C=S (IX)
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表される化合物である上記(3)項に記載の方法、および
(8) エポキシ化合物が、式(X)
Figure 0004743474
(式中、Rは水素原子、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシル基または炭素数2〜4のアルケニルオキシ基を示す。)
で表される化合物である上記(3)項に記載の方法、
を提供するものである。
本発明によれば、ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体のアミン部分の一部または全部を改質してなる変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体、および該共重合体を効率よく製造する方法を提供することができる。
本発明の変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体は、式(I)
Figure 0004743474
で表されるジアリルアミン単位を含み、または含まずに、式(II)、式(III)および式(IV)
Figure 0004743474
で表される単位の中から選ばれる少なくとも1種の変性ジアリルアミン単位、および式(V)
Figure 0004743474
で表される二酸化イオウ単位を含む構造を有している。
前記式(II)におけるRは、ヒドロキシル基、炭素数2〜5のアシルオキシ基および炭素数2〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ基の中から選ばれる少なくとも1種の基により置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、アミノ基または炭素数1〜4のアルコキシル基を示す。
前記式(III)におけるRは、炭素数1〜4のアルキル基を示し、式(IV)におけるRは、水素原子、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシル基または炭素数2〜4のアルケニルオキシ基を示す。
なお、本発明においては、前記式(I)〜式(IV)の単位を併せてジアリルアミン類単位ということがある。
本発明の変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体においては、前記式(I)〜式(IV)で表されるジアリルアミン類単位の合計量と式(V)で表される二酸化イオウ単位との割合は、モル比で、好ましくは50:50〜99:1、より好ましくは50:50〜90:10、さらに好ましくは50:50〜70:30、特に好ましくは50:50である。
また、前記式(I)で表されるジアリルアミン単位と、式(II)〜(IV)で表される変性ジアリルアミン単位の合計量との割合は、モル比で、好ましくは0:100〜99:1、より好ましくは10:90〜98:2、さらに好ましくは20:80〜97:3である。
本発明の変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体の重量平均分子量は、原料である遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体の重量平均分子量に依存するが、通常500〜10,000程度である。
なお、本発明の変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体は、そのアミン部分を酸付加塩とした共重合体も含まれるものとする。この場合、付加塩の形成に用いられる酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸を例示することができる。
本発明の変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体としては、ジアリルアミン単位とアシル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体、ジアリルアミン単位とω−ヒドロキシアシル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体、ジアリルアミン単位とアミノカルボニル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体、ジアリルアミン単位とアルコキシカルボニル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体、ジアリルアミン単位とアミノチオカルボニル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体、およびジアリルアミン単位と2−ヒドロキシアルキル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体などを例示することができる。
このような変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体は、本発明の方法によれば、遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体に、アシル化剤、ラクトン化合物、シアン酸塩、炭酸ジエステル化合物、イソチオシアネート化合物およびエポキシ化合物の中から選ばれる少なくとも1種を反応させることにより、製造することができる。
本発明の方法で用いる遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体は、ジアリルアミン塩酸塩と、該ジアリルアミン塩酸塩に対しモル比で小過剰量の二酸化イオウとを水性媒体中で重合させ、得られる重合液を中和した後、イオン交換膜電気透析処理することにより、製造することができる。なお、本発明者らは、この技術に関しては、特願2003年291173号として出願した。
次に、本発明の変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体(単に、変性共重合体ということがある。)の製造方法の具体例について説明する。
本発明の変性共重合体の態様の一つとして、ジアリルアミン単位とアシル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体を例示することができる。この変性共重合体は、前記式(II)で表され、かつRが炭素数1〜6である変性ジアリルアミン単位(アシル化ジアリルアミン単位)を含む共重合体である。
前記アシル化ジアリルアミン単位としては、アセチル化ジアリルアミン単位、プロピオニル化ジアリルアミン単位、ブチリル化ジアリルアミン単位などを例示することができる。
このようなアシル化ジアリルアミン単位を含む変性共重合体は、遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体に、炭素数2〜7のアシル化剤を反応させることにより、製造することができる。該アシル化剤としては、従来、アシル化剤として使用しているものであれば特に限定しないが、無水カルボン酸、アシルクロリド、アシルアジド等を例示することができるが、反応収率の点から、無水カルボン酸が好ましい。
この無水カルボン酸は、下記式(VI)
Figure 0004743474
(ただし、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
で表される化合物、具体的には、無水酢酸、無水プロピオン酸,無水酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、無水ヘキサン酸などを例示することができる。
アシル化変性共重合体を製造するに際し、遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体のアミノ基に対し50モル%以下のアシル化をしようとする場合、無水カルボン酸の量は、アシル化したいアミノ基に対し同モル量で構わない。ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体の溶液にするための溶媒としては、水、有機溶媒または、水と有機溶媒との混合溶媒を使用することができる。有機溶媒としては、原料の溶解性から、極性溶媒が好ましく、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類を使用でき、また、アセトニトリル、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなども使用することができる。これらの中で、安全性、操作の簡便性から水が好ましい。
本発明において、遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体と無水カルボン酸を反応させる際には、該共重合体溶液に、無水カルボン酸をゆっくり滴下するのがよい。反応は、反応スケールにより異なるが、通常、2〜8時間かけて行う。反応は、撹拌しながら行うことが好ましい。この反応は、発熱反応なので、氷等で反応容器を冷却しながら行い、反応溶液を好ましくは40℃以下、さらに好ましくは0〜35℃に維持しておくと良い。アシル化終了後、通常、反応液に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ水溶液を加え、アシル化反応後に生成する中間体の側鎖のアミノ基に造塩した無水カルボン酸由来のカルボン酸を、中和することにより、本発明のジアリルアミン単位とアシル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなるアシル化変性共重合体を遊離の状態で得ることができる。次いで、得られる混合物に、適当な極性溶媒、例えば、イソプロピルアルコールなどを加えて再沈させることで、中和塩を除いた共重合体を遊離の形で得ることができる。
一方、アミノ基に対し50モル%を越えるアシル化をする場合は、中間体の側鎖のアミノ基に造塩したカルボン酸を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリで、適宜、中和しながら、アシル化反応を進行させても良い。この場合、反応液をpH10〜12に維持しておくことが好ましい。中和をする際は、反応液を0〜10℃に維持しておくことが好ましい。
本発明のアシル化変性共重合体のアシル化度は、用いる原料の無水カルボン酸の量に依存する。原料の共重合体におけるアミノ基に対して当モル量未満の無水カルボン酸を用いた場合には、その無水カルボン酸は、通常アシル化剤としてほとんど消費される。したがって、無水カルボン酸の量により、得られる変性共重合体のカチオン密度を調整することができる。また、本発明の変性共重合体のアシル化度は、NMRの測定またはコロイド滴定により測定することができる。さらに、使用する無水カルボン酸の種類により、得られる変性共重合体の疎水性を変化させることができる。したがって、本発明のアシル化変性共重合体を各種の用途に使用する場合、適当なカチオン密度を有し、かつ適当な疎水性を有するアシル化変性共重合体を選択することができる。
本発明の変性共重合体の態様の一つとして、ジアリルアミン単位とω−ヒドロキシアシル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体を例示することができる。この変性共重合体は、前記式(II)で表され、かつRがヒドロキシル基、炭素数2〜5のアシルオキシ基および炭素数2〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ基の中から選ばれる少なくとも1種の基により置換されていてもよい炭素数2〜6のω−ヒドロキシアルキル基である変性ジアリルアミン単位(ω−ヒドロキシアシル化ジアリルアミン単位)を含む共重合体である。
前記ω−ヒドロキシアシル化ジアリルアミン単位としては、ω−ヒドロキシプロピオニル化ジアリルアミン単位、ω−ヒドロキシブチリル化ジアリルアミン単位、ω−ヒドロキシバレリル化ジアリルアミン単位、ω−ヒドロキシヘキサノイル化ジアリルアミン単位、およびこれらのω−ヒドロキシアシル化部分に、さらにヒドロキシル基、炭素数2〜5のアシルオキシ基および炭素数2〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ基の中から選ばれる少なくとも1種の基により置換されている置換ω−ヒドロキシアシル化ジアリルアミン単位を例示することができる。
ω−ヒドロキシアシル化部分に置換される適当な基としては、例えば、−OH基、−O−C(O)−R基および/または−O−C(O)−NH−R′基(RおよびR′は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基またはイソプロピル基、より好ましくはメチル基またはエチル基を示す。)である。具体的には、好ましいω−ヒドロキシアシル基への置換基として、ヒドロキシル基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、n−ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、メチルアミノカルボニルオキシ基またはエチルアミノカルボニルオキシ基、特にヒドロキシル基、アセチルオキシ基またはプロピオニルオキシ基、とりわけω−ヒドロキシアシル化変性共重合体の水溶性の点から、ヒドロキシル基が特に好ましい。
このようなω−ヒドロキシアシル化ジアリルアミン単位を含む変性共重合体は、遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体に、式(VII)
Figure 0004743474
(式中、Rは炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキレン基、Aはヒドロキシル基、Dは炭素数2〜5のアシルオキシ基、Eは炭素数2〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ基、m、nおよびkは、合計で0〜6の整数である。)
で表されるラクトン化合物を反応させることにより、製造することができる。
前記式(VII)で表されるラクトン化合物としては、例えばδ―グルコノラクトンおよびγ―ブチロラクトンなどを好ましく挙げることができる。
遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体とラクトン化合物との反応は、従来公知の方法で実施することができる。例えば原料の共重合体を、水性媒体中、約0〜100℃、好ましくは10〜80℃、より好ましくは20〜60℃、特に室温でラクトン化合物と反応させる。得られる変性共重合体中のジアリルアミン単位と変性ジアリルアミン単位との割合は、反応体の化学量論性によって決まる。
前記式(VII)のラクトン化合物は、従来公知の方法により製造することができる。nまたはkが≧1である化合物は、ヒドロキシル基を有するラクトン化合物に、アセチルハライドまたはアルキルイソシアネートを反応させることにより、得ることができる。
本発明の変性共重合体の態様の一つとして、ジアリルアミン単位とアミノカルボニル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体を例示することができる。この変性共重合体は、前記式(II)で表され、かつRがアミノ基である変性ジアリルアミン単位(アミノカルボニル化ジアリルアミン単位)を含む共重合体である。
このようなアミノカルボニル化ジアリルアミン単位を含む変性共重合体は、遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体に、シアン酸塩を反応させることにより、製造することができる。用いるシアン酸塩としては、シアン酸ナトリウム、シアン酸カリウム、シアン酸アンモニウム等を例示することができる。
具体的には、遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体の5〜50質量%の水溶液を、通常10〜80℃、好ましくは25〜60℃にし、それに、シアン酸塩の水溶液を滴下しながら、1〜20時間程度反応させる。この際、酸、例えば、塩酸を適宜加えながら行う。その結果、この反応では中和塩、例えば、塩化ナトリウムや塩化カリウムなどが副生するので、得られる変性共重合体が水溶性の場合は、反応終了後に、透析、限外ろ過、ゲルろ過などの手段により脱塩することが好ましい。また、得られる変性共重合体が水不溶性の場合は、該変性共重合体をろ取等の手段により分離した後、水洗して除去することが好ましい。
本発明の変性共重合体の態様の一つとして、ジアリルアミン単位とアルコキシカルボニル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体を例示することができる。この変性共重合体は、前記式(II)で表され、かつRが炭素数1〜4のアルコキシル基である変性ジアリルアミン単位(アルコキシカルボニル化ジアリルアミン単位)を含む共重合体である。
前記アルコキシカルボニル化ジアリルアミン単位としては、メトキシカルボニル化ジアリルアミン単位、エトキシカルボニル化ジアリルアミン単位、プロポキシカルボニル化ジアリルアミン単位、ブトキシカルボニル化ジアリルアミン単位などを例示することができる。
このようなアルコキシカルボニル化ジアリルアミン単位を含む変性共重合体は、遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体に、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル化剤を反応させることにより、製造することができる。該アルコキシカルボニル化剤としては、従来、アルコキシカルボニル化剤として使用されているものであればよく、特に制限されず、例えば炭酸ジエステル、アルコキシカルボニルクロリドなどを用いることができるが、反応収率の点から、炭酸ジエステルが好ましい。
本発明のアルコキシカルボニル化変性共重合体は、遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体に、式(VIII)
Figure 0004743474
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表される炭酸ジエステル化合物を反応させることにより、製造することができる。
前記式(VIII)で表される炭酸ジエステル化合物としては、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピルなどを例示することができる。反応させる炭酸ジエステル化合物の量は、所望のアルコキシカルボニル化変性共重合体を得るためのアルコキシカルボニル化に必要な化学量論的量を用いることができる。
反応方法としては、原料の共重合体の溶液に炭酸ジエステル化合物をゆっくりと滴下すると良い。この際、溶媒に炭酸ジエステル化合物を溶解させて、原料の共重合体の溶液に滴下することもできる。この場合、炭酸ジエステル化合物を溶解させるための溶媒は、通常、原料の共重合体を溶解させるための溶媒と同じである。原料の共重合体と炭酸ジエステル化合物との反応は、攪拌しながら行うことが好ましい。反応温度は、好ましくは0〜100℃、更に好ましくは20〜60℃に維持するのが良い。反応温度が高すぎると、生成した変性共重合体が分解することがある。反応時間は、通常1〜48時間程度である。反応終了後、副生したアルコールと反応溶媒を除去するために、反応溶液からそれらを留去し、留去残渣を真空乾燥することにより、本発明の変性共重合体を固体として得ることができる。真空乾燥は、例えば、溶媒として水、炭酸ジエステル化合物として炭酸ジメチル,炭酸ジエチル,または炭酸ジプロピルを用いた場合は、温度が25〜70℃、好ましくは35〜60℃で適当な真空状態で乾燥すると良い。温度が高すぎると、副反応がおこることもある。
本発明のアルコキシカルボニル化変性共重合体におけるアルコキシカルボニル化度(モル%)は、使用する炭酸ジエステル化合物の量に依存する。原料の共重合体のアミノ基に対し、等モル量の炭酸ジエステル化合物を用いた場合、通常該アミノ基のほとんどがアルコキシカルボニル化される。したがって、原料として用いる炭酸ジエステル化合物の量を調整することにより、本発明の変性共重合体のカチオン密度を調整することができる。また、使用する炭酸ジエステル化合物の種類により、本発明の変性共重合体の疎水性を変化させることができる。したがって、本発明のアルキルオキシカルボニル化変性共重合体を種々の用途で使用する際は、適当なカチオン密度を有し、かつ、適当な疎水性を有するものを選択することができる。
本発明の変性共重合体の態様の一つとして、ジアリルアミン単位とアミノチオカルボニル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体を例示することができる。この変性共重合体は、前記式(III)で表される変性ジアリルアミン単位(アミノチオカルボニル化ジアリルアミン単位)を含む共重合体である。
このようなアミノチオカルボニル化ジアリルアミン単位を含む変性共重合体は、遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体に、式(IX)
−N=C=S (IX)
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表されるイソチオシアネート化合物を反応させることにより、製造することができる。
前記式(IX)で表されるイソチオシアネート化合物としては、メチルイソチオシアネート、エチルイソチオシアネート、プロピルイソチオシアネート、ブチルイソチオシアネートなどを例示することができる。反応させるイソチオシアネート化合物の量は、所望のアミノチオカルボニル化変性共重合体を得るためのアミノチオカルボニル化に必要な化学量論的量を用いることができる。
反応方法としては、原料の共重合体の溶液にイソチオシアネート化合物をゆっくりと滴下すると良い。この際、溶媒にイソチオシアネート化合物を溶解させて、原料の共重合体の溶液に滴下することもできる。この場合、イソチオシアネート化合物を溶解させるための溶媒は、通常、原料の共重合体を溶解させるための溶媒と同じである。原料の共重合体とイソチオシアネート化合物との反応は、攪拌しながら行うことが好ましい。反応温度は、好ましくは0〜80℃、更に好ましくは10〜60℃に維持するのが良い。反応温度が高すぎると、生成した変性共重合体が分解することもある。反応時間は、通常1〜48時間程度である。
反応終了後、反応溶媒を濃縮したり、凍結乾燥したり、また、再沈したりすることにより本発明のアミノチオカルボニル化変性共重合体を、固体として得ることができる。
本発明のアミノチオカルボニル化変性共重合体におけるアミノチオカルボニル化度(モル%)は、使用するイソチオシアネート化合物の量に依存する。原料共重合体のアミノ基に対し、等モル量のイソチオシアネート化合物を用いた場合、通常アミノ基のほとんどがアミノチオカルボニル化される。したがって、原料として用いるイソチオシアネート化合物の量を調整することにより、本発明の変性共重合体のカチオン密度を調整することができる。また、使用するイソチオシアネート化合物の種類により、本発明の変性共重合体の疎水性を変化させることができる。したがって、本発明のアミノチオカルボニル化変性共重合体を種々の用途で使用する際は、適当なカチオン密度を有し、かつ、適当な疎水性を有するものを選択することができる。
本発明の変性共重合体の態様の一つとして、ジアリルアミン単位と2−ヒドロキシアルキル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体を例示することができる。この変性共重合体は、前記式(IV)で表される変性ジアリルアミン単位(2−ヒドロキシアルキル化ジアリルアミン単位)を含む共重合体である。
前記式(IV)で表される2−ヒドロキシアルキル化ジアリルアミン単位としては、2−ヒドロキシプロピル化ジアリルアミン単位、2−ヒドロキシーn−ブチル化ジアリルアミン単位、2−ヒドロキシーn−ペンチル化ジアリルアミン単位、2−ヒドロキシーn−ヘキシル化ジアリルアミン単位、2−ヒドロキシーn−ヘプチル化ジアリルアミン単位、3−メトキシ−2−ヒドロキシプロピル化ジアリルアミン単位、3−エトキシ−2−ヒドロキシプロピル化ジアリルアミン単位、3−プロポキシ−2−ヒドロキシプロピル化ジアリルアミン単位、3−イソプロポキシ−2−ヒドロキシプロピル化ジアリルアミン単位、3−(2−プロペニルオキシ)−2−ヒドロキシプロピル化ジアリルアミン単位などを例示することができる。
このような2−ヒドロキシアルキル化ジアリルアミン単位を含む変性共重合体は、遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体に、式(X)
Figure 0004743474
(式中、Rは水素原子、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシル基または炭素数2〜4のアルケニルオキシ基を示す。)
で表されるエポキシ化合物を反応させることにより、製造することができる。
前記式(X)で表されるエポキシ化合物としては、一般的には、1,2−エポキシプロパン、1,2−エポキシ−n−ブタン、1,2−エポキシ−n−ペンタン、1,2−エポキシ−n−ヘキサン、1,2−エポキシ−n−ヘプタン、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、n−プロピルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどを例示することができる。
原料のエポキシ化合物の使用量は、遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体におけるジアリルアミン単位に対し、好ましくは100モル%以下、より好ましくは1〜99モル%、さらに好ましくは2〜95モル%である。
原料の共重合体とエポキシ化合物との反応においては、溶媒は水が好ましい。反応温度は、通常0〜80℃、好ましくは10〜70℃である。また、反応時間は、反応条件により異なるが、通常1〜48時間程度で十分である。
得られる2−ヒドロキシアルキル化変性共重合体が反応溶媒に溶解する場合は、反応終了後、そのまま、特別な後処理をすることなしに、目的の2−ヒドロキシアルキル化変性共重合体の溶液を得ることができる。また、目的の2−ヒドロキシアルキル化変性共重合体が反応溶媒に溶解しない場合、反応終了後に得られる沈殿等をろ過等により溶媒から分離して目的の変性共重合体を得ることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
参考例 ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体(50:50)の製造
撹拌機、冷却管、および温度計を装備した500mlの四つ口セパラブルフラスコ中で、ジアリルアミン塩酸塩133.6g(1.00モル)と二酸化イオウ70.5g(1.10モル)とを水(60.4g)に溶解させた水溶液に、28.5質量%の過硫酸アンモニウム合計8.0g(0.01モル)の水溶液を、5回に分けて加えて、室温にて21時間、重合を実施した。なお、ここでジアリルアミン塩酸塩と二酸化イオウとのモル比は、1:1.10に相当する。
反応終了後、水584.1gを加えて、ジアリルアミン塩酸塩(DAA・HCl)と二酸化イオウとの共重合体の水溶液を得た。この溶液を、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)にて測定したところ、重量平均分子量は5000、重合収率は99%であった。
その水溶液に、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液176.0g(1.10モル)を加えて中和したところ、沈殿やゲル化は起こらずpH12.0の水溶液となった。この水溶液を、イオン交換膜電気透析処理し水を加えることにより、無色透明の水溶液(濃度15質量%,pH11.20)として、遊離のジアリルアミン(DAA)と二酸化イオウとの共重合体(50:50)を水溶液(水878gに155gの共重合体が溶解している)として得た。
実施例1
ジアリルアミン単位とアセチル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体(25:25:50)の製造
撹拌機、ジムロート還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた4ツ口セパラブルフラスコに、重量平均分子量約5000の濃度15質量%のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体(50:50)水溶液320.12g(ジアリルアミン単位で0.300モル)を仕込み、フラスコを水冷し撹拌しながら、無水酢酸15.78g(0.150モル)をゆっくり滴下した。全量滴下後も撹拌を継続し24時間反応を行なった。反応時の温度は10〜20℃に保持した。
反応終了後、得られたアセチル化変性共重合体の懸濁液を氷水で冷却しながら水酸化ナトリウム6.00g(0.150モル)を加えて副生した酢酸を中和した後、得られる混合物をイソプロピルアルコール溶媒に再沈して、ジアリルアミン単位とアセチル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体を得た。
この共重合体を元素分析すると、C:43.67%、H:6.22%、N:7.03%、S:17.44%であった。一方、ジアリルアミン単位とアセチル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体(25:25:50)の理論値は、C:44.30%、H:6.86%、N:7.95%、S:18.19%であり、このモノマー組成比を支持している。
また該共重合体のIRスペクトルは、1630cm−1にアセチル基(−NH−CO−CH)のC=Oに由来する吸収を示し、アセチル化体の構造を支持している。図1に、IRスペクトルチャートを示す。
実施例2
ジアリルアミン酢酸塩単位とアセチル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体(45:5:50)の製造
撹拌機、ジムロート還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた4ツ口セパラブルフラスコに、重量平均分子量約5000の濃度15質量%のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体(50:50)水溶液320.12g(ジアリルアミン単位で0.300モル)を仕込み、フラスコを水冷し撹拌しながら、無水酢酸3.16g(0.03モル)をゆっくり滴下した。全量滴下後も撹拌を継続し24時間反応を行なった。反応時の温度は10〜20℃に保持した。
反応終了後、得られたアセチル化変性共重合体の懸濁液に酢酸14.4g(0.24モル)を加え、ジアリルアミン酢酸塩単位とアセチル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体(45:5:50)の水溶液を得た。この水溶液を凍結乾燥して得られた固体のIRスペクトルは、1630cm−1にアセチル基(−NH−CO−CH)のC=Oに由来、1670cm−1に酢酸塩に由来する吸収を示し、この構造を支持している。
実施例3
ジアリルアミン単位と4−ヒドロキシブチリル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体(45:5:50)の製造
撹拌機、ジムロート還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた4ツ口セパラブルフラスコに、重量平均分子量約5000の濃度15質量%のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体(50:50)水溶液320.12g(ジアリルアミン単位で0.300モル)を仕込み、フラスコを水冷し撹拌しながら、γ−ブチロラクトン2.58g(0.030モル)を一括添加した。その後、フラスコ内温を50℃まで昇温し、撹拌を継続しながら24時間反応を行なった。反応時の温度は50℃に保持した。
反応終了後、得られる混合物を凍結乾燥処理し、ジアリルアミン単位と4−ヒドロキシブチリル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体(45:5:50)を得た。この共重合体のIRスペクトルは1630cm−1にアミドカルボニル基に由来する吸収を示し、一方、1770cm−1のγ―ブチロラクトン由来の吸収が消失しており、その構造を支持している。
実施例4
ジアリルアミン単位とアミノカルボニル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体(45:5:50)の製造
撹拌機、ジムロート還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた4ツ口セパラブルフラスコに、重量平均分子量約5000の濃度15質量%のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体(50:50)水溶液320.12g(ジアリルアミン単位で0.300モル)を仕込み、40℃に保持し撹拌しながら、濃度7.5質量%シアン酸ナトリウム水溶液26.00g(0.030モル)と35質量%塩酸水溶液(0.030モル)とをゆっくり滴下した。全量滴下後、反応時の温度は40℃に保持し、撹拌を継続しながら24時間反応を行なった。反応混合物の一部を取り、それにイソプロパノールを入れた後、沈殿を分離することにより、ジアリルアミン単位とアミノカルボニル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体を固体として得た。
この共重合体のIRスペクトルは、1640cm−1にアミノカルボニルアミノ基に由来する吸収を示し、その構造を支持している。
実施例5
ジアリルアミン塩酸塩単位とメトキシカルボニル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体(25:25:50)の製造
撹拌機、ジムロート還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた4ツ口セパラブルフラスコに、重量平均分子量約5000の濃度15質量%のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体(50:50)水溶液320.12g(ジアリルアミン単位で0.300モル)を仕込み、フラスコを撹拌しながら、炭酸ジメチル13.51g(0.15モル)をゆっくり滴下した。全量滴下後、フラスコ内温を40℃まで昇温し、撹拌を継続しながら24時間反応を行なった。反応時の温度は40℃に保持した。
反応終了後、得られた混合物に氷水で冷却しながら35質量%塩酸水溶液15.63g(0.150モル)を加えて、ジアリルアミン塩酸塩単位とメトキシカルボニル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体(25:25:50)を得た。
その混合物をアセトン再沈し、塩酸塩の共重合体を固体として得た。これを元素分析に付すと、C:39.12%、H:5.34%、N:6.64%、S:16.05%であった。一方、計算値は、C:40.53%、H:5.59%、N:6.75%、S:15.46%でありモノマー単位のモル比を支持している。更に、図2にこの塩酸塩の共重合体IRスペクトルを示したが、1670cm−1にウレタン基(−NH−CO−OCH)のC=Oに由来する吸収を示し、この構造を支持している。
実施例6
ジアリルアミン単位とメトキシカルボニル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体(2.5:47.5:50)の製造
撹拌機、ジムロート還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた4ツ口セパラブルフラスコに、重量平均分子量約5000の濃度15質量%のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体(50:50)水溶液320.12g(ジアリルアミン単位で0.300モル)を仕込み、フラスコを撹拌しながら、炭酸ジメチル1.35g(0.015モル)をゆっくり滴下した。全量滴下後、フラスコ内温を40℃まで昇温し、撹拌を継続しながら24時間反応を行ない、ジアリルアミン単位とメトキシカルボニル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体(2.5:47.5:50)を溶液として製造した。
得られる混合物を一部とり、エバポレーターで溶媒を半分程度濃縮した後、凍結乾燥し、固体としてジアリルアミン単位とメトキシカルボニル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体(2.5:47.5:50)を得た。IRスペクトルは、1670cm−1にウレタン基(−NH−CO−OCH)のC=Oに由来する吸収を示し、この構造を支持している。
実施例7
ジアリルアミン単位とメチルアミノチオカルボニル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体(45:5:50)の製造
撹拌機、ジムロート還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた4ツ口セパラブルフラスコに、重量平均分子量約5000の濃度15質量%ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体(50:50)水溶液320.12g(ジアリルアミン単位で0.300モル)を仕込み、フラスコを水冷し撹拌しながら、濃度25質量%メチルイソチオシアネートのエタノール溶液8.77g(0.030モル)をゆっくり滴下した。全量滴下後、フラスコ内温を40℃まで昇温し、撹拌を継続しながら40℃で24時間反応を行なった。
その混合物を一部取り、濃縮した後、凍結乾燥処理し、ジアリルアミン単位とメチルアミノチオカルボニル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体(45:5:50)を固体として得た。そのIRスペクトルはアミノチオカルボニルアミノ基由来の1620cm−1を示し,また、メチルイソチオシアネート由来(クムレン型二重結合)の2150cm−1および2250cm−1は消失し、その構造を支持している。
実施例8
ジアリルアミン単位と3−(2−プロペニルオキシ)−2−ヒドロキシプロピル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体(45:5:50)の製造
撹拌機、ジムロート還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた4ツ口セパラブルフラスコに、重量平均分子量約5000の濃度15質量%のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体(50:50)水溶液320.12g(ジアリルアミン単位で0.300モル)を仕込み、フラスコを水冷し撹拌しながら、アリルグリシジルエーテル3.42g(0.030モル)をゆっくり滴下した。全量滴下後、フラスコ内温を40℃まで昇温し、撹拌を継続しながら40℃で24時間反応を行ない、ジアリルアミン単位と3−(2−プロペニルオキシ)−2−ヒドロキシプロピル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体(45:5:50)を得た。その混合物の一部をとり、凍結乾燥処理し、この共重合体を固体として得た。IR吸収スペクトルは990cm−1にアリル基由来の吸収を示したが、エポキシ由来の1250cm−1の吸収は消失し、その構造を支持している。
本発明の変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体は、ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体のアミン部分の一部または全部を改質した共重合体であって、インクジェット記録分野などのファインケミカル分野に好適に用いることができる。
実施例1で得られたジアリルアミン単位とアセチル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体のIRスペクトルチャートである。 実施例5で得られたジアリルアミン塩酸塩単位とメトキシカルボニル化ジアリルアミン単位と二酸化イオウ単位からなる共重合体のIRスペクトルチャートである。

Claims (8)

  1. 式(I)
    Figure 0004743474
    で表されるジアリルアミン単位を含み、または含まずに、式(II)、式(III)および式(IV)
    Figure 0004743474
    (式中、Rはヒドロキシル基、炭素数2〜5のアシルオキシ基および炭素数2〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ基の中から選ばれる少なくとも1種の基により置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、アミノ基または炭素数1〜4のアルコキシル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基、R は、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシル基または炭素数2〜4のアルケニルオキシ基を示す。)
    で表される単位の中から選ばれる少なくとも1種の変性ジアリルアミン単位、および式(V)
    Figure 0004743474
    で表される二酸化イオウ単位を含むことを特徴とする変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体。
  2. 式(I)〜(IV)で表される単位の合計量と式(V)で表される単位との割合が、モル比で50:50〜99:1であり、かつ式(I)で表される単位と式(II)〜(IV)で表される単位の合計量との割合が、モル比で0:100〜99:1である請求項1に記載の変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体。
  3. 遊離のジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体に、アシル化剤、ラクトン化合物、シアン酸塩、炭酸ジエステル化合物、イソチオシアネート化合物およびエポキシ化合物の中から選ばれる少なくとも1種を反応させることを特徴とする、請求項1または2に記載の変性ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合体の製造方法。
  4. アシル化剤が、式(VI)
    Figure 0004743474
    (式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
    で表される無水カルボン酸である請求項3に記載の方法。
  5. ラクトン化合物が、式(VII)
    Figure 0004743474
    (式中、Rは炭素数2〜6のアルキレン基、Aはヒドロキシル基、Dは炭素数2〜5のアシルオキシ基、Eは炭素数2〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ基、m、nおよびkは、合計で0〜6の整数である。)
    で表される化合物である請求項3に記載の方法。
  6. 炭酸ジエステル化合物が、式(VIII)
    Figure 0004743474
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
    で表される化合物である請求項3に記載の方法。
  7. イソチオシアネート化合物が、式(IX)
    −N=C=S (IX)
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
    で表される化合物である請求項3に記載の方法。
  8. エポキシ化合物が、式(X)
    Figure 0004743474
    (式中、Rは水素原子、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシル基または炭素数2〜4のアルケニルオキシ基を示す。)
    で表される化合物である請求項3に記載の方法。
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