JP3178557B2 - 単独重合体及びその製造方法 - Google Patents

単独重合体及びその製造方法

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JP3178557B2 JP22917792A JP22917792A JP3178557B2 JP 3178557 B2 JP3178557 B2 JP 3178557B2 JP 22917792 A JP22917792 A JP 22917792A JP 22917792 A JP22917792 A JP 22917792A JP 3178557 B2 JP3178557 B2 JP 3178557B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重合体とその製造方法
に関する。本発明によれば、殺菌力に優れ、安全性と安
定性が高く、かつその効力を長期間に亘つて持続するこ
とのできる抗菌性重合体が提供される。
【0002】本発明の抗菌性重合体は、例えば、上水、
冷却水、プールの水などの殺菌、スライムコントロール
や漁網、船底、水中構造物などの防汚用組成物、食品包
装材、建材、農業用資材、医療品、口腔用材(歯ブラ
シ、練り歯磨きなど)、眼鏡フレーム、化粧品、衣料、
家庭用品などの広い範囲の用途に利用できる。
【0003】
【従来の技術】従来の抗菌性化合物のうち、低分子量の
ものは、各種の製品を構成する材料(例えば、樹脂な
ど)に単に混合して用いられているため、抗菌性化合物
の外部への溶出と、それに伴う抗菌力の低下が避けられ
ず、更に当該製品と接触する生体に対する毒性などが問
題となる。
【0004】これらの問題を解決すべく抗菌性をもつた
ポリマーの開発が進められている。公知の抗菌性ポリマ
ーとしては、例えば、一般式[化3]で表される繰り返
し単位からなるもの(特開昭61−100254号公報)、一般
式[化4]で表される繰り返し単位からなるもの(特開
昭61−246205号公報)などが知られている。
【0005】
【化3】
【0006】[式中R10はメチル基又はエチル基を示
し、R11は炭素数3〜30のアルキル基を示す。]
【0007】
【化4】
【0008】[式中R12は同一又は異なつて炭素数1〜
4のアルキル基を示し、R13は炭素数14〜20のアルキル
基を示し、X-は陰イオンを示す。]
【0009】しかしながらこれら公知の抗菌性ポリマー
はその抗菌力が充分満足できるものではない。
【0010】また上記抗菌性ポリマーの製造は、側鎖に
反応性クロル基を有するポリマーに第3級アミンを反応
させ、該反応性クロル基を第3級アミンにより置換する
ことにより行われるが、該置換を完全に行うことは困難
であり、従つてその分子中に塩素原子を含む活性な官能
基が多く残留するため、該抗菌性ポリマー自体の安定性
や人体への安全性などの点で問題がある。
【0011】かかる問題点を解消するために、抗菌性の
重合性モノマーを合成しこれと他のモノマーとの共重合
により、抗菌性ポリマーを製造することも行われてい
る。例えば一般式[化5]で表されるモノマーを含むコ
ポリマーを有効成分とする防汚塗料も知られている(特
開平2−64167号公報)。
【0012】
【化5】
【0013】[式中R14は炭素数8〜22の直鎖もしくは
分岐アルキル基又はアルケニル基を示し、R15及びR16
は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R17は水素原子又
はメチル基を示し、BはO−CO又はO−CH2を示
し、Xは一価の陰イオンを示す。]
【0014】また瀬沼らの報告によれば、クロルメチル
スチレンとセチルジメチルアミン〔C1633N(C
32〕とを反応させて、一般式[化6]で表される第
4級アンモニウム塩モノマーを得、これをアクリロニト
リルと共重合させてポリマーを得ている[(繊維高分子
材料研究所研究報告第159号(1988)、p.17〜2
2]。しかしながら、これらのポリマーもやはり充分満
足できる抗菌力を有していない。
【0015】
【化6】
【0016】更に米国特許第4009201号には、例
えば式[化7]で表されるカチオン性モノマーを得、こ
れを重合させてポリマーを製造しているが、該ポリマー
は吸着剤として用いられたりあるいは静電防止、色素受
容などの改善に有効であることが記載されているのみで
あり、これを抗菌性の用途に用いることは一切記載され
ていない。加えて、上記モノマーは重合性ビニル基とカ
チオン性基を含む官能基がエステル基を介して結合して
いるため加水分解し易く、従つて該カチオン性モノマー
から導かれるポリマーにおいてはカチオン性基(ジアン
モニウム基)を含む側鎖がポリマー主鎖から脱離、溶出
して機能が低下するという問題がある。
【0017】
【化7】
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、殺菌
力に優れ、安全性と安定性が高く、且つその効力を長期
間に亘つて持続することのできる抗菌性重合体を提供す
ることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は一般式[化1]
で表される繰り返し単位を有する単独重合体に係る。
【0020】
【化1】[式中、R1は水素原子、メチル基、クロル基
又はシアノ基を、R2は炭素数1〜4のアルキレン基
を、R3は炭素数3〜10のアルキレン基を、R4は炭素数
6〜18のアルキル基を、R5〜R8は同一又は異なつて炭
素数1〜3のアルキル基を示し、いずれも置換基を含ん
でいてもよい。Aはメチレン基、−CH2O−、−CH2
CH2O−、−CO−、−CO−N(R9)−、(R9
水素原子又はメチル基を示す。)又はビニレン基を示
す。mは0又は1を示す。X及びYは同一又は異なつて
1価の陰イオンを示すか或いは両者で2価の陰イオンを
示す。]
【0021】上記一般式(1)の化合物において、R3
で示されるアルキレン基のうち炭素数4及び6のものが
抗菌性の観点から特に好ましい。またR4で示されるア
ルキル基のうち炭素数10、12及び14のものが抗菌性の観
点から特に好ましい。
【0022】上記一般式(1)において、X及びYで示
される陰イオンとしては、陽電荷を中和できるものであ
れば特に限定されないが、例えば、塩素イオン、臭素イ
オン、沃素イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、酢酸
イオン、メチル硫酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオ
ン、クロルベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホ
ン酸イオンなどの1価の陰イオン、硫酸イオン、メチル
リン酸イオンなどの2価の陰イオンを挙げることができ
る。
【0023】上記一般式(2)において、Aで示される
基がメチレン基、−CO−、−CO−N(R9)−、
(R9は前記に同じ。)又はビニレン基である化合物
(2a)は、例えば一般式[化8]で表される化合物と
一般式[化9]で表される化合物を反応させることによ
り製造できる。
【0024】
【化8】
【0025】[式中、R3〜R8は及びXは前記に同
じ。]
【0026】
【化9】
【0027】[式中、R1、R2、m及びYは前記に同
じ。A1はメチレン基、−CO−、−CO−N(R9
−、(R9は前記に同じ。)又はビニレン基を示す。]
【0028】上記反応は、通常溶媒中にて必要に応じて
加熱下に行われる。溶媒としては反応に影響を与えない
ものであれば特に制限されず、例えば、メタノール、エ
タノール、プロパノールなどのアルコール類、ジメチル
エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベン
ゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、ジクロルメタ
ン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、アセト
ン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホル
ムアミドなどを挙げることができる。尚、反応に際して
は、目的物(2a)及び化合物(9)が共に重合性であ
るので、必要に応じてヒドロキノン、カテコールなどの
通常の重合禁止剤を反応系に加えてもよい。化合物
(8)と化合物(9)の配合比は特に制限されず広い範
囲から適宜選択できるが、化合物(8)に対して化合物
(9)を通常0.7〜1.2倍モル程度、好ましくは0.9〜1.0
倍モル程度使用すれば良い。
【0029】上記一般式(8)のモノ4級アンモニウム
塩誘導体は、例えば一般式[化10]で表される低級ア
ルキル基置換アルカンジアミン誘導体に一般式[化1
1]で表される化合物を無溶媒下又は溶媒中にて必要に
応じて加熱下に反応させることにより製造される。
【0030】
【化10】
【0031】[式中、R3及びR5〜R8は上記に同
じ。]
【0032】
【化11】R4X [R4は上記に同じ] (11)
【0033】溶媒としては反応に影響を与えないもので
あれば特に制限されず、例えば、メタノール、エタノー
ルなどの低級アルコール類、アセトニトリルなどのニト
リル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類を挙げる
ことができる。化合物(10)と化合物(11)の配合
比は特に制限されないが、通常化合物(11)に対して
化合物(10)を1.0〜5倍モル程度、好ましくは1.2〜
4倍モル程度とすればよい。
【0034】化合物(10)の具体例としては、例えば
N,N,N',N'−テトラメチル−1,3−プロパンジアミ
ン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,4−ブタンジアミ
ン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,5−ペンタンジア
ミン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ヘキサンジ
アミン、N,N,N',N'−テトラメチルオクタンジアミ
ン、N,N,N',N'−テトラメチルデカンジアミン、N,
N,N',N'−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,
N',N'−テトラエチル−1,3−プロパンジアミン、N,
N,N',N'−テトラエチル−1,4−ブタンジアミン、N,
N,N',N'−テトラエチル−1,5−ペンタンジアミン、
N,N,N',N'−テトラエチル−1,6−ヘキサンジアミン
などを挙げることができる。また化合物(11)の具体
例としては、例えば、炭素数6〜18程度の塩化アルキ
ル、臭化アルキル、沃化アルキル、ベンゼンスルホン酸
アルキルエステル、クロルベンゼンスルホン酸アルキル
エステル、トルエンスルホン酸アルキルエステルなどを
挙げることができる。
【0035】また化合物(9)の具体例としては、例え
ば、ハロゲン原子が塩素、臭素又は沃素であるアリルハ
ライド又はメタリルハライド、ベンゼンスルホン酸アリ
ル、クロルベンゼンスルホン酸アリル、トルエンスルホ
ン酸アリル ロルメチルビニルケトン、ブロモメチ
ルビニルケトン、ベンゼンスルホン酸メタリル、クロル
ベンゼンスルホン酸メタリル、トルエンスルホン酸メタ
リル α−クロルメチルアクリロニトリル、N−2−
クロルエチルアクリルアミド、N−2−ブロモエチルア
クリルアミド、N−メチル−N−2−ブロモエチルアク
リルアミド、N−2−ブロモエチルメタクリルアミド、
N−メチル−N−2−ブロモエチルメタクリルアミド、
N−2−トシルオキシエチルアクリルアミド、N−メチ
ル−N−2−トシルオキシエチルメタクリルアミドなど
を挙げることができる。
【0036】更に上記一般式(2)において、Aで示さ
れる基が−CH2O−、−CH2CH2O−である化合物
(2b)は、例えば一般式[化12]で表される化合物
と一般式[化13]で表される化合物を反応させること
により製造できる。
【0037】
【化12】
【0038】[式中R2〜R8、X及びYは上記に同
じ。]
【0039】
【化13】
【0040】[式中、R1は上記に同じ。A2はメチレン
基又はエチレン基を示す。Zはハロゲン原子、炭素数1
〜4の低級アルコキシ基、炭素数2〜5の低級アシルオ
キシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、クロルベンゼン
スルホニルオキシ基、トシルオキシ基又はメタンスルホ
ニルオキシ基を示す。]低級アシルオキシ基の例として
は例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリ
ルオキシ、バレリルオキシを挙げることができる。
【0041】上記反応は、通常溶媒中にて必要に応じて
加熱下に行われる。溶媒としては反応に影響を与えない
ものであれば特に制限されず、例えば、エーテル、テト
ラヒドロフラン、ジクロルメタン、クロロホルム、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどを挙げる
ことができる。尚、反応に際しては、目的物(2b)及
び化合物(13)が共に重合性であるので、必要に応じ
てヒドロキノン、カテコールなどの通常の重合禁止剤を
反応系に加えてもよい。塩基の使用量は特に制限はない
が、通常化学量論量程度とすればよい。化合物(12)
と化合物(13)の配合比は特に制限されないが、化合
物(13)に対して化合物(12)を通常0.7〜1.2倍モ
ル程度、好ましくは0.9〜1.0倍モル程度使用すれば良
い。
【0042】塩基は特に制限なく通常のものが使用で
き、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウムなどの無機塩基、ピリジン、ピペリジン、ジ
イソプロピルアミン、トリエチルアミン、ジアザビシク
ロオクタンなどの有機塩基などを挙げることができる。
【0043】また化合物(13)の具体例としては、例
えばハロゲン原子が塩素、臭素又は沃素であるアリルハ
ライド又はメタリルハライド、4−ブロモ−1−ブテ
ン、トルエンスルホン酸3−ブテニル、ベンゼンスルホ
ン酸、トルエンスルホン酸若しくはクロルベンゼンスル
ホン酸のアリルアルコール若しくはメタリルアルコール
とのエステル、2,3−ジクロルプロペンなどを挙げるこ
とができる。
【0044】化合物(12)は公知物質であり、例え
ば、化合物(8)と一般式[化14]で表される化合物
を反応させることにより製造できる。
【0045】
【化14】 HO−R2Y [式中R2及びYは上記に同じ。] (14)
【0046】この反応は、通常反応に影響を与えない溶
媒中にて必要に応じて加熱しながら行われる。化合物
(8)と化合物(14)の配合比は特に制限されない
が、化合物(8)に対して化合物(14)を通常1.0〜
3倍モル程度、好ましくは1.2〜2倍モル程度使用すれ
ば良い。化合物(14)の具体例としては、例えば2−
ハロゲノ−1−エタノール、3−ハロゲノ−1−プロパ
ノール、4−ハロゲノ−1−ブタノール、3−ハロゲノ
−2−メチル−1−プロパノール(ここでハロゲン原子
は塩素、臭素、沃素など)、ベンゼンスルホン酸−2−
ヒドロキシエチル、トルエンスルホン酸−2−ヒドロキ
シエチル、トルエンスルホン酸−3−ヒドロキシプロピ
ル、トルエンスルホン酸−4−ヒドロキシブチルなどを
挙げることができる。
【0047】更に化合物(12)は例えば以下の様にし
ても製造できる。即ち、化合物(14)の水酸基を適当
な官能基Wで保護した一般式[化15]で表される化合
物を得、これと化合物(8)を反応させて一般式[化1
6]で表される化合物を得、更にこれを加水分解するこ
とにより、化合物(12)を製造することができる。W
で表される官能基としては、例えばアセチル基、テトラ
ヒドロピラニル基、メトキシメチル基、ベンゼンスルホ
ニル基、トルエンスルホニル基等を挙げることができ
る。
【0048】
【化15】WO−R2Y (14a)
【0049】[式中R2及びYは上記に同じ。Wは官能
基を示す。]
【0050】
【化16】
【0051】[式中R2〜R8、X、Y及びWは上記に同
じ。]
【0052】化合物(8)と化合物(14a)の反応
は、適当な溶媒中にて必要に応じて加熱下に行われる。
溶媒としては反応に影響を与えないものであれば特に制
限されず、例えば化合物(8)の合成に用いたのと同様
のものを使用できる。化合物(14a)の使用量は特に
制限されず広い範囲から適宜選択できるが、通常化合物
(8)に対して1.0〜3倍モル程度、好ましくは1.2〜2
倍モル程度とすればよい。化合物(14a)の具体例と
しては、例えば、酢酸−2−ハロゲノエチル、2−ハロ
ゲノエチルテトラヒドロピラニルエーテル、トルエンス
ルホン酸4−ハロゲノブチル(ここでハロゲン原子は塩
素、臭素、沃素など)、エチレングリコールビスベンゼ
ンスルホン酸エステル、エチレングリコールビストルエ
ンスルホン酸エステルなどを挙げることができる。
【0053】化合物(12a)の加水分解は通常の方法
に従つて行われる。例えば化合物(12a)を希塩酸中
にて必要に応じて加熱することにより、容易に化合物
(12)に変換できる。
【0054】尚、上記各反応で得られる化合物(2)及
びその中間体は、濾過、抽出、濃縮、再結晶などの通常
の手段により単離、精製できる。
【0055】本発明の一般式[化1]で表される重合体
は化合物(2)を溶液重合、固相重合、塊状重合、乳化
重合或いは懸濁重合等の通常用いる重合方法に付すこと
により製造することができるが、中でも溶液重合法を採
用するのが好ましい。この際使用される溶媒としては反
応に悪影響を及ぼさないものであれば特に種類は限定さ
れず、例えば水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル等のプロトン性溶媒、エーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、クロロホルム、四
塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン
等の芳香族炭化水素、アセトニトリル、プロピオニトリ
ル等のニトリル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリツクトリアミ
ド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒を
示すことができる。
【0056】この重合反応は通常重合開始剤を添加する
とより効率的に実施できる。この際使用する重合開始剤
としてはアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−(2,
4−ジメチル)バレロニトリル等のアゾ系開始剤、過酸
化水素、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロパーオ
キシド、クメンハイドロパーオキシド、過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸カリウム等の過酸化物、過酸化水素あるい
は過硫酸アンモニウムと例えば亜硫酸ナトリウムあるい
は2価の鉄イオンなどとの組み合わせによるレドツクス
系開始剤、フエニルマグネシウムブロマイド、ブチルリ
チウム等の有機金属化合物等を示すことができる。これ
ら重合開始剤の使用量は種類、重合形式及び共重合体の
所望分子量により異なるが、通常1×10-5〜0.5モル/
l、好ましくは1×10-4〜5×10-2モル/lである。
【0057】溶液重合法を採用する場合に使用される溶
媒としては反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に
種類は限定されないが、例えば水、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ等のプロトン性溶媒、エーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジグライム等のエ
ーテル系溶媒、ジクロルメタン、クロロホルム、四塩化
炭素等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素、アセトニトリル、プロピオ
ニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリツクトリ
アミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶
媒を示すことができる。これらの溶媒は2成分以上混合
して用いることもできる。
【0058】反応温度及び反応時間は単量体の反応性及
び用いる溶媒の種類により異なるが通常0〜100℃、5
〜120時間の範囲で選択するのが好ましい。
【0059】本発明の単独重合体は一般式(2)で表さ
れる重合性単量体のみもしくは2種類以上の単量体同士
を重合することにより製造される。
【0060】生成した単独重合体は通常の後処理方法に
より単離、精製でき、例えば生成物が難溶な過剰の溶媒
中に反応混合物を注加して析出させ、濾過等で分離する
ことにより単離できる。さらに精製が必要な場合は再沈
殿等の常法の手段を採用するとよい。
【0061】本発明の単独重合体の数平均分子量Mnは
2,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜300,000、Mw/
Mn=1.1〜2.0(Mwは重量平均分子量)が好ましい。重
合度は重合反応における原料濃度、開始剤の種類と濃
度、反応温度、反応時間等の因子により規定されるので
これらの因子を状況に応じて選択することにより所望の
分子量及び多分散度を有する単独重合体を得ることがで
きる。
【0062】得られた単独重合体は公知の手法に従つて
イオン交換を行い、対アニオンを塩素イオン、臭素イオ
ン、沃素イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、酢酸イ
オン、メチル硫酸イオン等の1価の陰イオン、硫酸イオ
ン、メチルリン酸イオン等の2価の陰イオンにすること
ができる。
【0063】本発明の重合体の使用に際しては、前記有
効成分である重合体の1種または2種以上を混合して使
用することができる。
【0064】本発明の重合体は、前記重合体の製法に応
じて、粉末、粒状、繊維状、フイルム状等の形態をとる
ことができる。
【0065】本発明の重合体を例えば抗菌性組成物の有
効成分として用いた場合、その用途は、上水、冷却水、
スライムコントロール、プール、漁網、船底、水中構造
物、食品包装材、建材、農業用資材、医療品、口腔用材
(歯ブラシ、練り歯磨き等)、眼鏡フレーム、化粧品、
衣料及び家庭用品等の広範囲にわたつている。
【0066】上記抗菌性重合体の使用に際しては、公知
の方法を用いることができる。例えば、物体の表面を抗
菌処理する場合には、上記重合体の1種または2種以上
を適当な溶媒に溶解し浸漬法あるいはスプレー法などに
よつて処理することができる。また、その際に、公知の
重合体と混合使用することもできる。
【0067】抗菌性重合体を利用することができる対象
物としては、具体的には、あらゆる形態の合成高分子、
例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、
ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリウ
レタン、ポリビニルクロライドなど、天然高分子、例え
ば、コツトン、ウール、羽毛、麻、絹、紙、ゴムなど、
更に木材、ガラス、金属、陶磁製品類などが挙げられ
る。
【0068】また、これらの対象物の形態は、成形物或
いは素材のままでもよい。例えば、糸状、繊維状、フイ
ルム状、シート状、粒状、粉状等でも抗菌性処理をする
ことができる。
【0069】本発明の重合体は、これらの物質に安全性
が高く、かつ抗菌力の優れた抗菌性を、長期間に亘つて
付与することができる。
【0070】抗菌性重合体を使用するときは、一般にメ
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロプルアル
コール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、イソブチルアルコール、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホ
キシドなどに溶解させるか、或いはこれらの溶媒とアセ
トン、テトラハイドロフラン、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどとの混合溶媒に溶解させて用いるのが好まし
い。濃度は0.01〜2.0重量%、好ましくは0.1〜1.0重量
%になるように溶解する。この溶液に抗菌性を付与しよ
うとする物質を浸漬するか、或いは、この溶液を該物質
にスプレーする方法等によつて表面に付着させた後乾燥
し、溶媒を除去する。乾燥温度は0〜80℃、好ましくは
20〜60℃、乾燥室中で10〜48時間乾燥させるのが望まし
い。
【0071】更に抗菌性重合体は水中防汚性にも優れて
いる。抗菌性重合体を水中防汚の為に用いるには公知の
塗膜形成組成物と混合使用できるが、その際、公知の防
汚成分含有物質を加えることもできる。
【0072】抗菌性重合体を水中防汚に用いる場合、具
体的には、例えば、漁網、船底、冷却水配管、ブイ、ダ
ムゲート、養殖施設などの水槽、水中構築物などに利用
することができ、アオノリ、ヒラアオノリ、アオサノ
リ、フジツボなどの付着を防止する効果に優れている。
【0073】抗菌性重合体を水中防汚に用いる場合に
は、一般に溶媒として、メチルアルコール、エチルアル
コール、n−プロプルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、N,N−ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシドなどに溶解させるか、あ
るいはこれらの溶媒とベンゼン、トルエン、キシレンな
どとの混合溶剤系で使用することが望ましい。使用方法
としては公知の方法を用いることができる。
【0074】また、抗菌性重合体と混合して使用するこ
とができる公知の防汚成分含有物質としては、特に限定
されず例えば、銅系化合物、ジチオカルバメート系化合
物、フエナルサジン系化合物及び第4級アンモニウム塩
系化合物などを挙げることができる。更に、防汚活性を
有する架橋剤、充填剤、モノマーおよびポリマー等も混
合使用することができる。
【0075】次に、抗菌性重合体と混合使用することが
できる塗膜形成組成物としては、公知のものであればい
ずれでも良く、例えば、アクリル酸樹脂系、フタル酸樹
脂系、アミノアルキツド樹脂系、合成樹脂エマルジヨン
系及びラツカーなどを挙げることができる。
【0076】
【実施例】以下に実施例を挙げて詳しく説明する。
【0077】実施例1 N,N,N',N'−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン
(以下TMBと略す)23.1g(0.16モル)をアセトニト
リル 50mlに溶かし室温で撹拌下これにラウリルブロマ
イド 10.0g(0.04モル)を滴下し引き続いて70℃で3時
間加熱した。次に反応液を室温まで冷却し、生じた白色
沈殿を濾過すると、N,N,N',N'−テトラメチル−1,4
−ジアミノブタン−N,N'−ジラウリルジブロマイドが
0.12g副生していた(副生率 1.0%)。濾液を減圧下で
濃縮し大部分のTMBを留去し生じた白色ペースト状残
渣をヘキサン 40mlで洗浄し、デカンテーションにより
ヘキサン層を分離すると未反応TMBが完全に除去され
た白色ワツクス状物質が得られた。このものを真空ポン
プで充分減圧乾燥するとN,N,N',N'−テトラメチル
−1,4−ジアミノブタン−N−ラウリルブロマイド(以
下TML−C4と略す)が14.5g生成していた(収率92
%)。1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.83(t,3H,CH
3)、1.19〜1.29(m,20H,CH2)、1.60〜2.00
(m,6H,CH2)、2.68(s,6H,CH3−N)、
3.05(s,6H,CH3−N)、3.15〜3.28(m,2
H,CH2N)、3.37〜3.45(m,2H,CH2N)
【0078】実施例2〜6 TMBに代えてそれぞれN,N,N',N'−テトラメチル
−1,3−ジアミノプロパン(以下TMPと略す) 20.8g
(0.16モル)、N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ジ
アミノヘキサン(以下TMHと略す) 27.5g(0.16モ
ル)、N,N,N',N'−テトラメチル−1,8−ジアミノオ
クタン(以下TMOと略す) 32.0g(0.16モル)、N,
N,N',N'−テトラメチル−1,10−ジアミノデカン(以
下TMDと略す)36.5g(0.16モル)又はN,N,N',N'
−テトラエチル−1,6−ジアミノヘキサン(以下TEH
と略す)36.5g(0.16モル)を使用した他は実施例1と
同様に反応及び後処理をしてそれぞれ目的とするモノ四
級アンモニウム塩誘導体を得た。このとき少量のビス四
級アンモニウム塩誘導体が副生した。結果を表1に示
す。表においてEtはエチル基を示す。
【0079】実施例7〜10 TMBに代えてTMH 27.5g(0.16モル)を用い、ラウ
リルブロマイドに代えてそれぞれヘキシルブロマイド
6.6g(0.04モル)、デシルブロマイド 8.8g(0.04モ
ル)、テトラデシルブロマイド 11.1g(0.04モル)、又
はオクタデシルブロマイド 13.3g(0.04モル)を使用し
た他は実施例1と同様に反応及び後処理をしてそれぞれ
目的とするモノ四級アンモニウム塩誘導体を得た。この
とき少量のビス四級アンモニウム塩誘導体が副生してい
た。結果を表1に合わせて示す。
【0080】
【表1】
【0081】実施例11 実施例3で得たTML−C6 11.1g(26.4ミリモル)を
アセトン 200mlに溶解し室温で撹拌下これに4−クロル
メチルスチレン 3.7g(24ミリモル)を滴下した。次に5
0℃で17時間加熱すると白色結晶が析出してきた。反応
液を室温まで冷却し生じた白色結晶を濾過して単離し冷
アセトンで洗浄後乾燥するとN,N,N',N'−テトラメ
チル−N−ラウリル−N'−(4−ビニル)ベンジルヘ
キサメチレンジアンモニウムブロマイドクロライド(T
MLS−C6と略す)が12.0g生成していた(収率87
%)。1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.86(t,3H,CH
3)、1.92〜1.37(m,18H,CH2)、1.53〜1.73
(m,6H,CH2)、1.98〜2.21(m,4H,C
2)、3.26(s,6H,CH3N)、3.37(s,6H,
CH3N)、3.40〜3.50(m,2H,CH2N)、3.68〜
3.87(m,4H,CH2N)、4.95(s,2H,CH2
r)、5.38(d,1H,vinyl)、5.81(d,1H,viny
l)、6.71(dd,1H,vinyl)、7.46(d,2H,Ar
H)、7.62(d,2H,ArH)
【0082】実施例12〜15 4−クロルメチルスチレンに代えてそれぞれ臭化アリル
2.90g(24ミリモル)、4−ブロモ−1−ブテン 3.24g
(24ミリモル)、ブロモメチルビニルケトン3.58g(24
ミリモル)又はN−2−トシルオキシエチルアクリルア
ミド 6.79g(24ミリモル)を用い溶媒としてアセトンも
しくは酢酸エチルを使用した他は実施例11と同様に反
応及び後処理をしてそれぞれ目的とするビス四級アンモ
ニウム塩誘導体を得た。結果を表2に示す。
【0083】
【表2】
【0084】
【0085】
【0086】実施例16 実施例3で得たTML−C 8.42g(20ミリモル)をメ
タノール 200mlに溶解し室温下でこれに3−ブロモ−1
−プロパノール 2.78g(20ミリモル)を加えた。次に混
合物を50℃に加熱し12時間反応させたのち減圧下で濃縮
すると白色固型残渣が11.1g得られた。これを酢酸エチ
ル100ml中に投入して洗浄後濾過して溶液層を除去し乾
燥することによりN,N,N',N'−テトラメチル−N−
(3−ヒドロキシ)プロピル−N'−ラウリルヘキサメ
チレンジアンモニウムジブロマイド(TMLP−C
を白色結晶として9.96g得た(収率89%)。 H−NMR(CDCl) δppm: 0.87(t,3H,CH)、1.20〜1.57(m,26H,C
)、1.63〜1.80(m,4H,CH)、3.25(t,
2H,CHO)、3.39(s,6H,CHN)、3.50
(s,6H,CHN)、3.45〜3.59(m,8H,CH
N)
【0087】実施例17 3−ブロモ−1−プロパノールに代えて4−トシルオキ
シ−1−ブタノール 4.88g(20ミリモル)を用いた他は
実施例16とほぼ同様に反応及び後処理を行ってN,N,
N',N'−テトラメチル−N−(4−ヒドロキシ)ブチ
ル−N'−ラウリルヘキサメチレンジアンモニウムブロ
マイドトルエンスルホネート(TMLB−C)を白色
結晶として10.2g得た(収率91%)。 H−NMR(CDCl) δppm: 0.87(t,3H,CH)、1.20〜1.56(m,28H,C
)、1.63〜1.82(m,4H,CH)、2.25(s,
3H,CHAr)、3.39(s,6H,CHN)、3.4
9(s,6H,CHN)、3.35〜3.63(m,10H,C
)、3.75(s,1H,OH)、7.55(d,2H,A
rH)、7.86(d,2H,ArH)
【0088】実施例18 実施例3で得たTML−C 16.8g(40ミリモル)をア
セトン 200mlに溶解し室温下でこれに酢酸2−ブロモエ
チル 6.67g(40ミリモル)を加えた。混合物を50℃で12
時間反応させ生じた白色結晶を濾過して単離するとN,
N,N',N'−テトラメチル−N−(2−アセトキシ)エ
チル−N'−ラウリルヘキサメチレンジアンモニウムジ
ブロマイド 23.1gが得られた。このものを2%希臭化水
素酸 120mlに溶解し60℃で15時間撹拌したのち混合物を
減圧濃縮した。得られた淡黄色蝋状物を酢酸エチル中に
投入して洗浄後、濾過して溶液層を除去して乾燥するこ
とによりN,N,N',N'−テトラメチル−N−(2−ヒ
ドロキシ)エチル−N'−ラウリルヘキサメチレンジア
ンモニウムジブロマイド(TMLE−Cと略す)をほ
ぼ白色の結晶として17.9g得た(収率82%)。 H−NMR(CDCl) δppm: 0.86(t,3H,CH)、1.22〜1.56(m,24H,C
)、1.63〜1.79(m,4H,CH)、3.26(t,
2H,CHO)、3.40(s,6H,CHN)、3.51
(s,6H,CHN)、3.46〜3.60(m,8H,CH
N)
【0089】実施例19 実施例18で得たTMLE−C 5.46g(10ミリモル)
と臭化アリル 1.45g(12ミリモル)をジクロルメタン 5
0mlに溶解し室温で撹拌下にトリエチルアミン 1.01g(1
0ミリモル)を滴下した。混合物を40℃で15時間撹拌し
たのち室温まで冷却し生じた白色沈殿を濾過して除去し
た。濾液を濃縮すると淡黄色蝋状物が得られた。このも
のをアセトンで充分洗浄した後乾燥することによりN,
N,N',N'−テトラメチル−N−(2−アリルオキシ)
エチル−N'−ラウリルヘキサメチレンジアンモニウム
ジブロマイド(TML2A−C)をほぼ白色の結晶と
して4.2g得た(収率72%)。 H−NMR(CDCl) δppm: 0.86(t,3H,CH)、1.22〜1.57(m,24H,C
)、1.63〜1.80(m,4H,CH)、3.12(d,
2H,CHO)、3.26(t,2H,CHO)、3.40
(s,6H,CHN)、3.52(s,6H,CH
N)、3.45〜3.60(m,8H,CHN)、5.39
(d,1H,vinyl)、5.68(m,1H,vinyl)、5.92
(d,1H,vinyl)
【0090】実施例20 TMLS−C 6.88g(12ミリモル)をメタノール 10m
lに溶解しこれにAIBN 99mg(0.6ミリモル)をメタ
ノール 2mlに溶解した液を加えた。混合物を窒素雰囲
気下で65℃で22時間撹拌すると粘稠溶液となつた。反応
液を水中に投入して重合反応を停止し生じた白色重合体
を濾過して単離し、減圧乾燥することにより白色ポリマ
ーを得た。メタノールに再溶解して水中に投入する操作
を数回繰り返して精製、乾燥することにより原料化合物
の単独重合体を白色粉状物として6.80g得た(収率99
%)。該白色粉状物はTLC、IR及びH−NMR分
析から目的物であることを確認した。このものをジメチ
ルホルムアミドを溶媒にしてGPC分析(ポリスチレン
基準)するとMn=20.4万、多分散度Mw/Mn=1.3であ
つた。酸素フラスコ燃焼法(分析化学便覧)による全ハ
ロゲン量及びポリビニル硫酸カリウム(PVSK)を用
いたコロイド滴定法によつて定量した第四級アンモニウ
ム基の含量は理論値の102%であつた。
【0091】実施例21及び22 それぞれTMLK−C 6.47g(10ミリモル)または
MLC−C 7.04g(10ミリモル メタノール 8m
lに溶解しこれにAIBN 82mg(0.5ミリモル)をメタ
ノール 2mlに溶解した液を加えた。その他の反応及び
後処理の条件と構造解析は実施例20とほぼ同様に行つ
て目的とする単独重合体を得た。結果を表 示し
た。
【0092】実施例23 TMLA−C 5.42g(10ミリモル)を水 8mlに溶解
しこれに2,2'−ビス(N−フエニルアミジニル)−2,2'
−アゾプロパン二塩酸塩 50mgを水2mlに溶解した液を
加えた。混合物を窒素雰囲気下、50℃で6時間加熱する
と白色ゲル状になつた。反応液を過剰のジオキサン中に
投入して重合反応を停止した。生じた白色沈殿を濾過し
て単離し、減圧乾燥することにより原料化合物の単独重
合体を白色粉状物として 0.92g得た(収率17%)。この
ものはTLC、IR及びH−NMR分析から目的化合
物であることを確認した。20%含水メタノールを溶媒に
してGPC分析(ポリスチレン基準)するとMn=0.6
万、多分散度=1.8であつた。実施例20と同様にして
定量にした第四級アンモニウム基の含量は理論値の99%
であつた。
【0093】実施例24及び25 TMLA−CをそれぞれTMLB−C 5.55g(10ミ
リモル)又はTML2A−C 5.88g(10ミリモル)に
代えた他は実施例23とほぼ同様に反応、後処理及び構
造解析を行つて目的とする単独重合体を得た。結果を表
5に示した。
【0094】
【表4】
【0095】
【表5】
【0096】比較例1 常法の溶液重合でスチレン(STと略す)と4−クロロ
メチルスチレン(CSと略す)とから共重合体を得る反
応においてスチレン 77.0g(0.74モル)と4−クロロメ
チルスチレン 9.2g(0.06モル)をテトラヒドロフラン
40ml中でAIBN 0.66g(4ミリモル)の存在下で60
℃、20時間反応させた。混合物をTHF/メタノール中
に投入して再沈精製後、濾過して単離し真空乾燥するこ
とにより白色粉末状重合体(PCSと略す)を73.3g得
た。該重合体はTLC、1H−NMR、GPC分析等か
ら原料2成分の共重合体と確認した。
【0097】酸素フラスコ燃焼法による全ハロゲン定量
分析及び元素分析の結果からPCS中のSTとCSの組
成はモル比で91.7:8.3であつた。THFを溶媒として
GPC測定(ポリスチレン換算)した結果該PCSの数
平均分子量Mn=134,000、多分散度Mw/Mn=1.57であ
つた。
【0098】次にここで得たPCS 19.6gをTHF 500
mlに溶解しこれに実施例1で得たTML−C4 7.07g(1
8ミリモル)を加え80℃で21時間反応させた。反応混合
物は室温に冷却後水中に投入して析出物を濾過して乾燥
することにより白色ポリマーを得た。これをメタノール
に溶解し更に水中で2回再沈精製したのち乾燥して白色
粉末状ポリマー 23.4gを得た。このものはTLC、1
−NMR等で分析した結果PCSにTML−C4が導入
された目的物であることを確認した。
【0099】該ポリマーに関して酸素フラスコ燃焼法に
よる全ハロゲン定量、元素分析法によるN%及びコロイ
ド滴定法による四級アンモニウム基の含量定量を行つて
STユニツトの含量、残存クロルメチル基即ち未反応C
Sユニツトの含量及びTML−C4 ユニツト担持量を算
出したところこれらの組成はそれぞれ91.7モル%、0.5
モル%及び7.8モル%であつた。
【0100】比較試験例1 実施例20及び比較例1で得たポリマーをそれぞれガラ
ス容器に入れた。これらを50℃に温調した恒温槽中に遮
光条件下静置して経時変化を観察した。1週間後、実施
20のポリマーには特に変化が認められなかつたのに
対し比較例1で得たものは少し黄色化しかつpH試験紙
を赤変させる酸性ガスを生じていた。20日経過後も同様
に実施例20で得たものは外観に変化無くメタノールに
対する溶解性も良好であつたのに対し、比較例1で得た
ものは大半がメタノール、ジメチルホルムアミド(DM
F)等に不溶な成分に変質していた。
【0101】試験例1 抗菌加工布の調製 実施例20〜25で合成した化合物を供試化合物とし、
それぞれの化合物をメタノールに溶解し、0.1、0.2及び
0.5wt%のメタノール溶液とした。次に綿カナキン、J
IS標準布(以下布と略す)を上記メタノール溶液に浸
して、該溶液を含浸(パデイング法)処理した。次いで
すばやく重量を測定した後、105℃、30分間キユアリン
グし、充分、布に供試化合物を固着させ、所謂、「抗菌
加工布」として以下の試験に用いた。
【0102】尚、抗菌加工布に固着された供試化合物の
重量(mg/g布)は次の式[I]で表される。 C=(B−A)(W/100)(1/A)(1000)……[I] A:最初の布の重量(g/一定面積) B:キユアリング直前の布の重量(g/一定面積) C:抗菌加工布に固着された供試化合物の重量(mg/g
布) W:供試化合物のメタノール溶液の濃度(wt%)
【0103】上記(1)式よりW値とC値との関係は以
下のようになつた。 W:(供試化合物のメタノール C:(抗菌加工布に固着された 溶液の濃度) 供試化合物の重量) (wt%) (mg/g布) 0.1 1.0 0.2 2.0 0.5 5.0
【0104】抗菌性試験 上記のようにして得た「抗菌加工布」を、日本防菌防黴
学会の「抗菌加工を施した繊維製品の細菌生育抑制試験
法」(以下、抗菌繊維試験法と略す)に準じて試験し
た。尚、供試菌は、これにPseudomonas aeruginosa
ATCC 10145を加えて、Staphylococcus aureus F
DA 209P、Bacillus subtilis ATCC 6633、Kl
ebsiella pneumoniae ATCC 4352、Escherichia c
oli IFO 3301、Pseudomonas aeruginosa ATC
C 10145の5菌株を用いた。生菌数の計測方法は日本防
菌防黴学会編、防菌防黴ハンドブツク、1986、p678〜69
1を参考にした。
【0105】結果の表示 試験結果の表示は、以下のようにした。初発菌数をN
(I)、薬剤添加(試料)区の培養後の菌数をN(D)
として、次式(2)より殺菌指数を求めた。 殺菌指数=log N(I)−log N(D)……(2)
【0106】次に、この殺菌指数を以下の4段階に区分
して、殺菌指数が1未満の場合……1、殺菌指数が1以
上2未満の場合……2、殺菌指数が2以上3未満の場合
……3、殺菌指数が3以上の場合……4で表し、その結
果を表6,7,8に示した。
【0107】比較例2 シリコン型第四アンモニウム塩化合物を供試化合物と
し、水に溶解した後、試験例1の方法に準じて、抗菌加
工布を調製し、抗菌性試験を行つた。尚、抗菌加工布中
の供試化合物濃度は試験例1と同様とした。結果は表
6,7,8に示した。
【0108】比較例3 側鎖に両性界面活性剤の機能を有する基を持つポリマー
型抗菌性化合物を供試化合物とし、水に溶解した後、試
験例1の方法に準じて抗菌加工布を調製し、抗菌性試験
を行つた。尚、抗菌加工布中の供試化合物濃度は試験例
1と同様とした。結果は表6,7,8に示した。
【0109】比較例4 銀含有ゼオライト系化合物を供試化合物とし、これをナ
イロンに練り込んで紡糸を行い、所謂練り込み型ナイロ
ン布を調製し、これを抗菌加工布として試験例1の方法
に準じて抗菌性試験を行つた。尚、抗菌加工布中の供試
化合物濃度は試験例1と同様とした。結果は表6,7,
8に示した。
【0110】
【表6】
【0111】
【表7】
【0112】
【表8】
【0113】試験例2 抗菌力に及ぼす洗濯処理の影響 試験例1で得られた抗菌加工布のうち固着された供試化
合物が2.0(mg/g布)の濃度のものについてJIS−L
−0217(1976),103の方法で洗濯処理前、及び洗濯処
理後に試験例1に従つて抗菌性試験を行って抗菌力に及
ぼす洗濯処理の影響を調べた。
【0114】尚、洗濯処理は各回において、洗剤として
「ニツサンノニオン NS−210」(日本油脂株式会社
製)を水1リツトルに対して0.5グラムの割合で使用
し、水温40℃、浴比1:30で家庭用電気洗濯機により5
分間洗濯し、その後、5分間水をオーバーフローさせな
がら水洗した。抗菌性試験の結果を表9,10に示し
た。
【0115】
【表9】
【0116】
【表10】
【0117】
【発明の効果】本発明によれば殺菌力に優れ、安全性と
安定性が高く、且つその効力を長期間に亘つて持続する
ことのできる抗菌性重合体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 浩司 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚 化学株式会社徳島研究所内 (72)発明者 赤田 充生 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚 化学株式会社徳島研究所内 (56)参考文献 特開 平1−250499(JP,A) 特開 昭64−45899(JP,A) 特開 平2−67210(JP,A) 米国特許4563292(US,A) 米国特許4001432(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 116/14 - 116/20 A01N 33/12 C08F 20/60 C08F 114/14 C08F 126/02 - 126/04 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[化1]で表される繰り返し単位
    を有する単独重合体。 【化1】 [式中、R1は水素原子、メチル基、クロル基又はシア
    ノ基を、R2は炭素数1〜4のアルキレン基を、R3は炭
    素数3〜10のアルキレン基を、R4は炭素数6〜18のア
    ルキル基を、R5〜R8は同一又は異なつて炭素数1〜3
    のアルキル基を示し、いずれも置換基を含んでいてもよ
    い。Aはメチレン基、−CH2O−、−CH2CH2
    −、−CO−、−CO−N(R9)−、(R9は水素原子
    又はメチル基を示す。)又はビニレン基を示す。mは0
    又は1を示す。X及びYは同一又は異なつて1価の陰イ
    オンを示すか或いは両者で2価の陰イオンを示す。]
  2. 【請求項2】 一般式[化2]で表される単量体を重合
    させることを特徴とする単独重合体の製造方法。 【化2】 [式中、R1は水素原子、メチル基、クロル基又はシア
    ノ基を、R2は炭素数1〜4のアルキレン基を、R3は炭
    素数3〜10のアルキレン基を、R4は炭素数6〜18のア
    ルキル基を、R5〜R8は同一又は異なつて炭素数1〜3
    のアルキル基を示し、いずれも置換基を含んでいてもよ
    い。Aはメチレン基、−CH2O−、−CH2CH2
    −、−CO−、−CO−N(R9)−、(R9は水素原子
    又はメチル基を示す。)又はビニレン基を示す。mは0
    又は1を示す。X及びYは同一又は異なつて1価の陰イ
    オンを示すか或いは両者で2価の陰イオンを示す。]
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