JPH0680732A - ビニル系共重合体 - Google Patents

ビニル系共重合体

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JPH0680732A
JPH0680732A JP4072341A JP7234192A JPH0680732A JP H0680732 A JPH0680732 A JP H0680732A JP 4072341 A JP4072341 A JP 4072341A JP 7234192 A JP7234192 A JP 7234192A JP H0680732 A JPH0680732 A JP H0680732A
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pcs
mol
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bpq
test
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Application number
JP4072341A
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English (en)
Inventor
Hiroki Koma
寛紀 高麗
Tadao Yabuhara
忠男 薮原
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Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた抗菌力と安全性を有し、且つその効果
を長期間、持続することができるビニル系共重合体を提
供する。 【構成】 非架橋性ビニルモノマーから誘導される構成
単位と一般式 【化1】 〔式中R1は水素原子又はメチル基を、Aはフエニレン
基を、R2は炭素数1〜2のアルキレン基を、Bは第4
級アンモニウム塩またはベタイン型化合物を含有する基
を示し、Aは置換基を含んでいてもよい。〕で表わされ
る構成単位を含むビニル系共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は殺菌力に優れ、安全性が
高く、かつ、その効力を長期間にわたつて持続すること
ができるビニル系共重合体に関し、例えば、上水、冷却
水、プール、漁網、船底、水中構造物、食品包装材、建
材、農業用資材、医療品、化粧品、衣料及び家庭用品等
の広範囲にわたつて利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来の抗菌性化合物のうち、低分子量の
ものは、各種の製品を構成する材料に混合して用いられ
ているため、抗菌性をもつ有効成分の外部への溶出と、
これに伴う抗菌力の低下、更に当該製品と接触する生体
に対する毒性等の問題がある。
【0003】一方、これらの問題を解決すべく抗菌性を
もつた高分子化合物の開発も進められているが、製造上
の困難さ、製造コストの高いこと、抗菌力に劣る等の点
から満足すべきものは得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た抗菌力と安全性を有し、且つその効果を長期間、持続
することができるビニル系共重合体を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は非架橋性ビニル
モノマーから誘導される構成単位と一般式
【0006】
【化1】〔式中R1は水素原子又はメチル基を、Aはフ
エニレン基を、R2は炭素数1〜2のアルキレン基を、
Bは第4級アンモニウム塩またはベタイン型化合物を含
有する基を示し、Aは置換基を含んでいてもよい。〕で
表わされる構成単位を含むビニル系共重合体に係る。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】本発明の一般式(I)のBとしては例え
ば、
【0009】
【化2】
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】又は
【0012】
【化5】
【0013】〔式中、ビピリジンは、4,4'−,2,2'−,
2,3'−,2,4'−,3,3'−,3,4'−の異性体を示し、X,
Yはアニオンで同一又は異なつていてもよく、X, Yが
それぞれ1価のアニオン或いは(X, Y)が2価のアニ
オン1個であつてもよい。R3は炭素数6〜18のアルキ
ル基、R4は炭素数2〜10のアルキレン基、R5〜R8
同一又は異なつていてもよく、炭素数1〜3のアルキル
基、R9は炭素数1〜3のアルキレン基を示し、いずれ
も置換基を含んでいてもよい。〕で表わされる基を挙げ
ることができる。
【0014】本発明の一般式(I)において、R3のアル
キル基は炭素数が6〜18の範囲のものが用いられるが、
抗菌力の観点から、8, 10, 12がより好ましい。尚、ア
ニオンについては特に限定されず、Br-,Cl-,I-
NO3 -,CH3COO-及びSO4 2-などを含む。
【0015】本発明の共重合体の数平均分子量Mnは2,0
00〜1,000,000、好ましくは5,000〜100,000、Mw/Mn
=1.1〜2.0(Mwは重量平均分子量)が望ましい。
【0016】本発明の高分子化合物中に於いて構成単位
(I)の含まれる割合は、0.1〜90モル%、好ましくは1
〜50モル%、特に好ましくは10〜30モル%である。
【0017】本発明の共重合体はクロロ(C1〜2アルキ
ル)スチレン類と共重合可能な非架橋性ビニルモノマー
とを共重合させて、共重合体となし、次いでこのクロロ
アルキル基のクロル(塩素)原子を介して前記の第4級
アンモニウム塩またはベタイン型化合物を導入すること
により製造される。
【0018】本発明で使用されるクロロ(C1〜2アルキ
ル)スチレン類としては、p−クロロメチルスチレンが
好適であるが、他の置換基を有するクロロ(C1〜2アル
キル)スチレン誘導体であつてもよい。
【0019】非架橋性ビニルモノマーとしては例えば、
スチレン、p−メチルスチレン等のスチレン系モノマ
ー;アクリル酸エチル、アクリル酸ラウリル等のアクリ
ル酸エステル系モノマー;メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸
エステル系モノマー;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニ
ルエステル系モノマー;N−メチルアクリルアミド、N
−エチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミ
ド、N−エチルメタクリルアミド等のN−アルキル置換
(メタ)アクリルアミド;アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等のニトリル系モノマー等が挙げられるが、
クロロメチルスチレン類と共重合可能なモノマーであれ
ば、前記モノマーに限定されない。これらの単量体は、
単独でまたは2種以上混合して用いることが可能であ
る。
【0020】クロロアルキルスチレン、非架橋性共重合
ビニルモノマーの共重合に当たつての配合モル比は、1
〜50:50〜99程度が好ましい。
【0021】共重合の方法としては、従来公知の塊状重
合、溶液重合、懸濁重合等を用いることができる。
【0022】次に本発明の共重合体の製造方法の一例を
反応式で示す。
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
【化15】
【0033】
【化16】
【0034】
【化17】
【0035】上記〔化6〕において化合物(P)は化合
物(H)に対して通常約1.0〜2.5倍モル、好ましくは約
1.1〜2.1倍モル反応させるのが良い。反応は有機溶媒中
で行うのが好ましく、一般に約60〜110℃の反応温度が
好適である。生成物(PQ)は濃縮、蒸留、抽出、再結
晶などの方法により精製することができる。〔化7〕の
重合は通常の懸濁重合、溶液重合、塊状重合などの方法
で行なうことができ、得られたポリマー(PCS)は再
沈殿、洗浄等の方法で精製することができる。〔化8〕
の反応においては、ポリマー(PCS)のクロロメチル
基1当量に対して化合物(PQ)を通常約0.1〜1.2当
量、好ましくは約0.8〜1.0当量反応させるのが好まし
い。反応は有機溶媒中で行うのが好ましく、一般に約60
〜100℃の反応温度が好適である。生成物(BPQ)は
再沈殿、洗浄などの方法により精製することができる。
〔化9〕〜〔化14〕についても、ほぼ同様の方法によ
り製造することができる。
【0036】〔化15〕の反応においては、化合物(P
CS)に対して長鎖アルキルアミン約0.8〜1.5モル反応
させるのが好ましい。
【0037】〔化16〕において、NaOH溶液の濃度
は一般に約0.5〜2.0規定溶液を用いるのが好適である。
【0038】〔化17〕で、化合物(PCS−AA)に
対し、モノクロロ酢酸は約1〜2倍モル反応させるのが
良い。反応は有機溶媒中で行うのが好ましく、約2〜10
時間、還流するのが好適である。生成物(PCS−B
T)は再沈殿、あるいは洗浄などの方法により精製する
ことができる。
【0039】本発明の共重合体を製造するために用いら
れるビピリジンとしては、2,2'−ビピリジン、2,3'−ビ
ピリジン、2,4'−ビピリジン、3,3'−ビピリジン、3,4'
−ビピリジン、4,4'−ビピリジンおよびそれらの混合物
等が使用される。
【0040】ハロゲン化アルキルとしては炭素数6〜18
のクロル、ブロムまたはヨウ素等のハロゲン化アルキル
が使用される。
【0041】アルキルジアミンとしては、例えばN,N,
N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',
N'−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,
N',N'−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N,
N',N'−テトラメチル−1,5−ペンタンジアミン、N,
N,N',N'−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、
N,N,N',N'−テトラエチルエチレンジアミン、N,
N,N',N'−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、
N,N,N',N'−テトラエチル−1,4−ブタンジアミン、
N,N,N',N'−テトラエチル−1,5−ペンタンジアミ
ン、N,N,N',N'−テトラエチル−1,6−ヘキサンジア
ミンなどが使用される。
【0042】アミノアルコールとしては、例えば2−ア
ミノエタノール、3−アミノ−プロパノール、4−アミ
ノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘ
キサノール、7−アミノヘプタノール、8−アミノオク
タノール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−
(ジエチルアミノ)エタノール、3−(ジメチルアミ
ノ)プロパノール、3−(ジエチルアミノ)プロパノー
ル等が用いられる。
【0043】第2級アミンとしては、N−メチルオクチ
ルアミン、N−メチルデシルアミン、N−メチルドデシ
ルアミン、N−メチルミリスチルアミン、N−メチルセ
チルアミン、N−メチルステアリルアミン、N−エチル
オクチルアミン、N−エチルデシルアミン、N−エチル
ドデシルアミンなどが用いられる。
【0044】得られた共重合体は、公知の手法に従つ
て、イオン交換を行い、対アニオンをCl-,Br-
-,NO3 -,NO2 -,SO2 2-,CH3COO-等にする
ことができる。
【0045】本発明の共重合体はクロロアルキルスチレ
ン類と非架橋性ビニルモノマーとのコポリマーを原料と
しているため、クロロアルキルスチレン類のホモポリマ
ーを原料としたものに比べ、以下の点で優れている。
【0046】即ち、前記コポリマーを用いて第4級アン
モニウム塩またはベタイン型化合物を導入した場合は、
前記ホモポリマーを用いた場合に比べ、未反応クロロア
ルキル残基が少ないため、物性の安定性と、人体に対す
る安全性に優れている。その上、クロロアルキルスチレ
ン類よりも安価な非架橋性ビニルモノマーを用いて共重
合することにより、製造コストの低下を図ることができ
る。
【0047】本発明の共重合体の使用に際しては、前記
有効成分である重合体の1種または2種以上を混合して
使用することができる。
【0048】本発明の共重合体は、前記重合体の製法に
応じて、粉末、粒状、繊維状、フイルム状等の形態をと
ることができる。
【0049】本発明の共重合体を例えば抗菌性組成物の
有効成分として用いた場合、その用途は、上水、冷却
水、プール、漁網、船底、水中構造物、食品包装材、建
材、農業用資材、医療品、化粧品、衣料及び家庭用品等
の広範囲にわたつている。
【0050】上記抗菌性組成物の使用に際しては、公知
の方法を用いることができる。例えば、物体の表面を抗
菌処理する場合には、上記重合体の1種または2種以上
を適当な溶媒に溶解し浸漬法あるいはスプレー法などに
よつて処理することができる。また、その際に、公知の
重合体と混合使用することもできる。
【0051】抗菌性組成物を利用することができる対象
物としては、具体的には、あらゆる形態の合成高分子、
例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、
ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリウ
レタン、ポリビニルクロライドなど、天然高分子、例え
ば、コツトン、ウール、羽毛、麻、絹、紙、ゴムなど、
更に木材、ガラス、金属、陶磁製品類などが挙げられ
る。
【0052】また、これらの対象物の形態は、成形物或
いは素材のままでもよい。例えば、糸状、繊維状、フイ
ルム状、シート状、粒状、粉状等でも抗菌性処理をする
ことができる。
【0053】本発明の共重合体は、これらの物質に安全
性が高く、かつ抗菌力の優れた抗菌性を、長期間に亘つ
て付与することができる。
【0054】抗菌性組成物を使用するときは、一般にメ
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロプルアル
コール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、イソブチルアルコール、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホ
キシドなどに溶解させるか、或いはこれらの溶媒とアセ
トン、テトラハイドロフラン、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどとの混合溶媒に溶解させて用いるのが好まし
い。濃度は0.01〜2.0重量%、好ましくは0.1〜1.0重量
%になるように溶解する。この溶液に抗菌性を付与しよ
うとする物質を浸漬するか、或いは、この溶液を該物質
にスプレーする方法等によつて表面に付着させた後乾燥
し、溶媒を除去する。乾燥温度は0〜80℃、好ましくは
20〜60℃、乾燥室中で10〜48時間乾燥させるのが望まし
い。
【0055】更に抗菌性組成物は水中防汚性にも優れて
いる。抗菌性組成物を水中防汚の為に用いるには公知の
塗膜形成組成物と混合使用できるが、その際、公知の防
汚成分含有物質を加えることもできる。
【0056】抗菌性組成物を水中防汚に用いる場合、具
体的には、例えば、漁網、船底、冷却水配管、ブイ、ダ
ムゲート、養殖施設などの水槽、水中構築物などに利用
することができ、アオノリ、ヒラアオノリ、アオサノ
リ、フジツボなどの付着を防止する効果に優れている。
【0057】抗菌性組成物を水中防汚に用いる場合に
は、一般に溶媒として、メチルアルコール、エチルアル
コール、n−プロプルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、N,N−ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシドなどに溶解させるか、あ
るいはこれらの溶媒とベンゼン、トルエン、キシレンな
どとの混合溶剤系で使用することが望ましい。使用方法
としては公知の方法を用いることができる。
【0058】また、抗菌性組成物と混合して使用するこ
とができる公知の防汚成分含有物質としては、特に限定
されず例えば、銅系化合物、ジチオカルバメート系化合
物、フエナルサジン系化合物及び第4級アンモニウム塩
系化合物などを挙げることができる。更に、防汚活性を
有する架橋剤、充填剤、モノマーおよびポリマー等も混
合使用することができる。
【0059】次に、抗菌性組成物と混合使用することが
できる塗膜形成組成物としては、公知のものであればい
ずれでも良く、例えば、アクリル酸樹脂系、フタル酸樹
脂系、アミノアルキツド樹脂系、合成樹脂エマルジヨン
系及びラツカーなどを挙げることができる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば安全性が高く、抗菌性に
優れ、かつ、その効果を長期間に亘つて持続することが
できる共重合体を提供することができる。
【0061】本発明は、上水、冷却水、プール、漁網、
船底、水中構造物、食品包装材、建材、農業用資材、医
療品、化粧品、衣料及び家庭用品等の広範囲に亘つて利
用することができる。
【0062】
【実施例】以下に実施例及び試験例を挙げて詳しく説明
する。
【0063】実施例1 攪拌機、還流コンデンサー、窒素導入管及び滴下ロート
をつけた1l 四ツ口フラスコにメチルアルコール 300m
l及び4,4'−ビピリジル 80.9g(0.50モル)を仕込んだ
後、乾燥窒素を導入しつつ、70℃の油浴上で加熱しなが
ら滴下ロートより、ラウリルブロマイド 62.3g(0.25モ
ル)を2時間かけて滴下した。18時間加熱攪拌した後、
溶媒を除去し、メタノール:アセトン系より再結晶し
た。42.5gの褐色粉末状の臭化N−ラウリル−4,4'−ピ
リジルピリジニウム(以下PQと略す)が得られた。他
のアルキルハライドに対しても同様に反応せしめた。
【0064】次いで常法の溶液重合により、p−クロロ
メチルスチレン(CSと略す)とスチレン(STと略
す)との共重合反応により、共重合体(以下PCSと略
す)を生成した。得られたPCSはテトラヒドロフラン
/メタノールで再沈殿し未反応のモノマーを除去した。
【0065】次に、該PCSについて酸素フラスコ燃焼
法による全ハロゲン定量分析及び元素分析を行つた結
果、PCS中のCS/ST=3/7(モル比)であつ
た。
【0066】得られたPQ 53.3gとPCS 52.9gとをテ
トラヒドロフラン 850ml中、65℃、64時間反応させた結
果、黄色粉末状のBPQ 94.8g(収率89.3%)が得られ
た。
【0067】実施例2 攪拌機、還流コンデンサー、窒素導入管及び滴下ロート
をつけた1l 四ツ口フラスコにニトロメタン 290g(4.
80モル)及び2,2'−ビピリジル 13.5g(0.09モル)を仕
込んだ後、乾燥窒素を導入しつつ、110℃の油浴上で加
熱しながら滴下ロートよりラウリルブロマイド44.7g
(0.18モル)を2時間かけて滴下した。
【0068】5時間加熱攪拌した後、溶媒を除去し、エ
タノール:アセトン系より再結晶した。12gの褐色粉末状
の臭化N−ラウリル−2,2'−ピリジルピリジニウム(以
下PQ2と略す)が得られた。他のアルキルハライドに
対しても同様に反応せしめた。
【0069】次いで、PQ2(10g)と実施例1で得ら
れた重合体 PCS(200g)とをテトラヒドロフラン 80
0ml中、60℃、50時間反応させた結果、黄色粉末状のB
PQ2207g(98.6%)が得られた。
【0070】実施例3 攪拌機、還流コンデンサー、温度計及び滴下ロートをつ
けた 200ml 四ツ口フラスコにベンゼン 50ml 及びエタ
ノールアミン(和光純薬工業、試薬1級、以下EAと略
す)6ml(0.1モル)を仕込んだ後、攪拌下、金属ナト
リウム 2.3g(0.1モル)を徐々に加えた。添加後、5〜
10℃で5時間反応させた。
【0071】反応終了後、ベンゼンを除去し、実施例1
で得られたPCS(40.7g)及びテトラハイドロフラン1
00mlを加え、還流下、24時間反応させた。反応後、得ら
れたポリマー(以下、PCS−EAと略す)はアセトン
/メタノールで再沈殿後、洗浄、乾燥した。収量42.0
g。
【0072】次に、PCS−EA 40gを300ml ナス型フ
ラスコに入れ、ホルムアルデヒド20ml及びギ酸 20mlを
加え、60〜80℃で8時間反応させた。得られたポリマー
(以下PCS−DAと略す)はアセトン/メタノールで
再沈殿後、洗浄、乾燥した。収量41.0g。
【0073】次に、PCS−DA 40g、ラウリルブロマ
イド 3g(0.01モル)及びエチルアルコール 100mlを30
0mlナス型フラスコに入れて90℃、24時間、反応させ、
ポリマー(以下PCS−TAと略す)41.2gを得た。
【0074】実施例4 N,N,N',N'−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン
(東京化成株式会社,試薬1級,以下TMDAと略す)
21.3g(0.16モル)とラウリルブロマイド 20.6g(0.08
モル)とを200ml四つ口フラスコ中、77〜80℃で24時間
反応させたのち、この反応混合物を遠心分離機(Kokus
an H−16)を用い、3000rpmで分離する。白色ペース
ト状のN,N,N',N'−テトラメチル−1,3−プロパンジ
アミン−N−ラウリルブロマイド(以下TQと略す)が
15.8g(0.04モル)得られた。
【0075】実施例1で得られたPCS 10.2gとTQ
7.9gとを150mlのTHF中、12時間、65℃で撹拌下に反
応させた後、溶媒を除去しメタノール/アセトンで再沈
殿を行つたところ白色粉末のポリマー(以下PCS−T
Dと略す)16.2g(収率89.5%)が得られた。
【0076】実施例5 実施例1において、ラウリルブロマイドの代りにデシル
ブロマイド 56.2g(0.25モル)を用い、同様の方法で黄
色粉末ポリマー(以下BPQ−C10と略す)を96g(収
率90.4%)得た。
【0077】実施例6 実施例1で得られたPCS 148gにテトラクロロエチレ
ンを加え、撹拌下に、N−メチル−N−デシルアミン 1
70g(1モル)を滴下、4時間還流後、苛性カリ水溶液
とメタノール混合液中に、反応混合物を入れた。遊離ア
ミンが検出されなくなるまでメタノールで洗浄した。生
成したポリマー(以下PCS−AHと略す)の収量310
g、収率96%であつた。
【0078】次に化合物PCS−AH 310gに水を加え
撹拌下に苛性ソーダ溶液を加え、約1規定の濃度とし
た。30分間、撹拌下、還流後、反応生成物を濾過、水洗
した。濾液中の塩素イオンを硝酸銀で滴定し、反応収率
を求めた。生成したポリマー(以下PCS−AAと略
す)の収量275g、収率96%であつた。
【0079】最後に、化合物PCS−AA 275gとモノ
クロロ酢酸 114g(1.2モル)をテトラクロロエチレン溶
液中、撹拌下、4時間還流した。生成したポリマー(以
下、PCS−BTと略す)はオレンジII法による比色定
量によつて定量した。収量322g、収率94%であつた。
【0080】実施例7 実施例1においてCSとSTの仕込みモル比を変えて以
下の実験を行つた。
【0081】CS 62.8g(0.41モル)とST 48g(0.41
モル)にAIBN 3.3gを開始剤として、THF 200ml
中、67℃、19時間、溶液重合し、実施例1と同様、精製
したところ、白色粉末のPCS 78.8g(収率71.1%)が
得られた。フラスコ燃焼法によるハロゲン定量及び元素
分析の結果から、PCS中のCS/ST=1/1であつ
た。GPCによる数平均分子量は9,000であつた。
【0082】このPCSを用い、実施例1と同様の方法
で抗菌性高分子化合物(以下BPQ−1/1と略す)9
5.1gが、収率89.5%で得られた。
【0083】実施例8〜10 実施例1において、スチレンにかえて、アクリル酸エチ
ル(EA)、メタクリル酸メチル(MMA)及び酢酸ビ
ニル(VA)を用いて、CSと共重合反応を行い、それ
ぞれ共重合体PCE,PCM及びPCVを得た。
【0084】次いで、これらの共重合体について酸素フ
ラスコ燃焼法による全ハロゲン定量分析及び元素分析を
行い、構成成分のモル比を求めたところ、以下の通りで
あつた。
【0085】PCE中のCS/EA=3/7,PCM中
のCS/MMA=3/7,PCV中のCS/VA=3/
【0086】次に、PCE、PCM及びPCVを用い実
施例1と同様の方法で、テトラヒドロフラン溶媒中、P
Qと反応させたところ、それぞれ高分子化合物BPQ−
EA,BPQ−MMA及びBPQ−VAが以下の収量と
収率で得られた。 BPQ−EA……90.7g(85.4%)……実施例8 BPQ−MMA…89.5g(84.3%)……実施例9 BPQ−VA……82.0g(77.2%)……実施例10
【0087】比較例1 常法の懸濁重合により、CSのホモポリマー(以下、P
CS−Hと略す)を重合反応で生成した。得られたPC
S−Hは熱アセトンで洗浄し、未反応のモノマーを除去
した。
【0088】実施例1で得られたPQ 53.0gとPCS−
H 53.0gとをTHF溶媒 850ml中、65℃、64時間、反応
させた結果、黄色粉末ポリマー(以下、BPQ−Hと略
す)95.0g(収率90.6%)を得た。
【0089】試験例1(急性皮膚刺激性) 実施例1のBPQ及び比較例1のBPQ−Hを用いOE
CD化学品テストガイドライン2(財団法人 化学品検
査協会編)404に従つて急性皮膚刺激性試験を行つた。
【0090】ウサギの皮膚の小部分に前記化合物の粉末
を投与し、ガーゼパツチでおおいテープで固定し、4時
間後、パツチを除去した。除去後、皮膚を検査した結果
を表1に示す。
【0091】
【表1】
【0092】表1中、 0…紅斑なし 0…浮腫なし 1…極く軽い紅斑 1…極く軽い浮腫 2…はつきりした紅斑 2…軽い浮腫 3…中位ないし強度な紅斑 3…中位の浮腫 4…強度の紅斑 4…強度の浮腫 で表示した。
【0093】実施例11〜20 実施例1〜10で得られた重合体を各々0.5gづつとり、
メタノール 100gに溶解した。このメタノール溶液に高
密度ポリエチレンフイルム(HDPE,厚さ80μm)を1
4cm×50cmのサイズに切断したものを、30秒間浸漬した
後、引き上げ、25℃、1時間乾燥した。更に、50℃の乾
燥器中で1時間乾燥し、以下の実施例番号を付与した。
前記処理に用いた重合体 BPQ (実施例1)……実施例11 BPQ2 (実施例2)……実施例12 PCS−TA (実施例3)……実施例13 PCS−TD (実施例4)……実施例14 BPQ−C10 (実施例5)……実施例15 PCS−BT (実施例6)……実施例16 BPQ−1/1 (実施例7)……実施例17 BPQ−EA (実施例8)……実施例18 BPQ−MMA (実施例9)……実施例19 BPQ−VA (実施例10)…実施例20
【0094】比較例2〜3 ポリウレタン樹脂 0.2g、メチルエチルケトン 30g、ト
ルエン 70g、ベンザルコニウムクロライド(ナカライテ
スク株式会社製) 0.2gを混合溶解し、この中に、実施
例11と同じHDPEを浸漬し、同様に処理して比較例
2とした。
【0095】上記、ベンザコルニウムクロライドに代え
て1,6−ジ(N−p−クロロフエニルビグアナイド)ヘキ
サンジグルコネートを用い、実施例11と同様に処理
し、比較例3とした。
【0096】試験例2(フイルムへの密着性) 実施例11〜20および比較例2〜3のHDPEフイル
ム片を、各々、2リツトルのビーカーに、1リツトルの
蒸留水と一緒に入れ、25℃、8時間激しく撹拌し、剥離
試験を行つた。該フイルムを引き上げ、25℃、1時間乾
燥したのち、ブロムフエノールブルー 10-4M(リン酸
バツフアー pH7.0)で処理し、表面を青色に発色さ
せ、高分子化合物皮膜の剥離、脱落状態から、前記、剥
離試験前後のフイルムへの密着性を比較した。結果を表
2に示す。
【0097】
【表2】
【0098】表2中、均一に着色したものは○、一部着
色むらが見られるものは△で表わした。
【0099】試験例3(酸素ガス透過性及び透湿度) 実施例11〜20及び比較例2〜3のフイルム片を用い
て酸素ガス透過性及び透湿性試験を行つた。前者はGA
S TESTER TOYOSEIKIを用い、ASTM
−D−1434−75−Mの方法に基づいて実施した。
【0100】また後者はTOYOSEIKIのカツプ式
透湿装置を用い、JIS−Z−0208の方法に従つて行つ
た。結果を表3及び表4に示す。
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】試験例4(フイルム抗菌試験) 実施例11〜20及び比較例2〜3のフイルム片の一部
を90℃の飽和水蒸気で90分間剥離試験を行つた後、25℃
で24時間乾燥し、剥離試験後の試料とし、以下の試験に
供した。
【0104】殺菌した軟膏瓶(直径68mm)の内蓋に切り
抜いた剥離試験前後のフイルム片(実施例11〜20及
び比較例2〜3)を張り付け、瓶の中に菌懸濁液106cel
ls/mlを10ml入れる。蓋をしてから隙間をビニールテー
プで密封し30℃で1時間、恒温振盪(110回/分)し
た。次いで軟膏瓶を取り出し、菌液の生菌数を常法に従
つてコロニーカウントした。菌数測定後、生菌数105cel
ls/ml以上を×、103〜104cells/mlを△、10〜102cell
s/mlを○、ゼロを◎で表わした。結果を表5に示す。
【0105】
【表5】
【0106】実施例21 アクリル樹脂製メガネフレームの耳かけ部分7cmを用い
以下の処理をした。エタノール 100g、アクリル樹脂 40
0g、実施例1で得られたBPQ 1.3gを混合し、前記メ
ガネフレームにスプレー塗装した。45℃で60分間、乾燥
し、実施例21とした。
【0107】比較例4 実施例21においてBPQの代りにベンザルコニウムク
ロライド 1.3gを用い実施例21と同様にメガネフレー
ムを処理し、比較例4とした。
【0108】試験例5(メガネフレーム抗菌試験) 実施例21及び比較例4のメガネフレームを80℃の温水
中で60分間、湯洗いし、または湯洗いせずに、以下の抗
菌試験に供した。
【0109】殺菌した蓋付ガラス瓶(6cmφ×11cm)に
前記、メガネフレームを入れ、次に瓶の中に菌懸濁液1
×106cells/mlを5ml加えた。蓋をしてから隙間をビニ
ールテープで密封し37℃で4時間、恒温振盪(110回/
分)した。以下、試験例4と同様に処理した。
【0110】生菌数の表示マークも試験例4と同様とし
た。結果を表6に示す。
【0111】
【表6】
【0112】実施例22〜27 実施例1で得られたBPQの0.5重量%メタノール溶液
に以下のサンプルを吸尽法により加工して、抗菌試験に
供した。 コツトン………………実施例22 麻………………………実施例23 ポリエステル繊維……実施例24 アクリル繊維…………実施例25 ナイロン繊維…………実施例26 ガラス繊維……………実施例27
【0113】比較例5〜10 ベンザルコニウムクロライドをエマルジヨン系の樹脂に
0.5重量%となるように溶解させ、以下のサンプルをく
ぐらせて付着せしめた。50℃、12時間乾燥後、抗菌試験
に供した。 コツトン………………比較例5 麻………………………比較例6 ポリエステル繊維……比較例7 アクリル繊維…………比較例8 ナイロン繊維…………比較例9 ガラス繊維……………比較例10
【0114】試験例6(繊維類の抗菌試験) 実施例22〜27及び比較例5〜10で処理された繊維
類の各々について、洗濯処理をせずに、あるいは所定の
回数の洗濯処理をして、細菌生育抑制試験法によつて減
菌率を計算した。
【0115】洗濯処理は、各回において、洗剤として
「ニツサンノニオンNS−210」〔日本油脂(株)製〕
を水1リツトルに対して、0.5gの割合で使用し、水温40
℃、浴比1:30で家庭用電気洗濯機により5分間洗濯
し、その後、5分間水をオーバーフローさせながら水洗
した。
【0116】上記細菌生育抑制試験法はJIS−L−02
17(1976),103にもとづいて実施した。
【0117】即ち、試験試料の0.20gの細片を30mlのバ
イヤル瓶にブイヨン培地 0.2mlと共に加え、Staphyloc
occus aureus FDA 209P,及びKlebsiella pneumon
iaeATCC 4352を106cells/ml接種し、37℃、18時
間、静置培養後、菌数測定した。菌数測定後、〔数1〕
の式に従つて減菌率を算出する。結果を表7に示す。
【0118】
【数1】
【0119】
【表7】
【0120】実施例28 実施例1で得られたBPQを0.1重量%、0.5重量%、1.
0重量%となるようにメタノールに溶解し、このメタノ
ール溶液で、綿ニツト(綿100%ニツト)を、実施例2
2と同様に加工、処理し、実施例28とした。
【0121】比較例11 実施例28において、BPQにかえて、ベンザルコニウ
ムクロライドをエマルジヨン系樹脂に0.1重量%、0.5重
量%、1.0重量%となるように加え、これらの樹脂等で
綿ニツト(綿100%ニツト)を同様に加工、処理し、比
較例11とした。
【0122】試験例7(綿ニツトの抗菌試験) 実施例28と比較例11のうち、洗濯処理回数10回の
ものを用い、表8に示した30菌株を供試菌とし、試験例
6と同様に抗菌試験を行つた。
【0123】菌数測定後、生菌数106cells/ml以上を
×、10〜105cells/mlを△、ゼロを○で表わした。結果
を表9に示す。
【0124】
【表8】
【0125】
【表9】
【0126】実施例29〜38 500mlのビーカー中に、実施例1〜10の各々の重合体
を2.0gずつとり、メタノールを200ml加え、撹拌、溶解
した。
【0127】次いで、漁網(15×20cm)を前記メタノー
ル溶液に1分間、浸漬した後、引き上げ、ドラフト中で
吊し、30分間、25℃で乾燥した。
【0128】次に、この漁網を乾燥器に移し、25℃、24
時間乾燥後、水中浸漬試験に供した。前記処理に用いた
重合体 BPQ (実施例1)……実施例29 BPQ2 (実施例2)……実施例30 PCS−TA (実施例3)……実施例31 PCS−TD (実施例4)……実施例32 BPQ−C10 (実施例5)……実施例33 PCS−BT (実施例6)……実施例34 BPQ−1/1 (実施例7)……実施例35 BPQ−EA (実施例8)……実施例36 BPQ−MMA (実施例9)……実施例37 BPQ−VA (実施例10)…実施例38
【0129】比較例12 塩化ベンザルコニウム粉末(ナカライテスク株式会社
製)0.5gと実施例1で得られたBPQ 0.5gをアクリル
エマルジヨン塗料 99.0gに混合し、これを500mlのビー
カーに入れた。次に漁網を15×20cmのサイズに切断し、
前記アクリルエマルジヨン塗料中に入れ、実施例29と
同様の方法で処理し比較例12とした。
【0130】比較例13 酸化銅(I)(和光純薬工業製)2.0gをアクリルエマル
ジヨン塗料 98.0gに混合したものを500mlビーカーに入
れた。次に漁網(15×20cm)をこの中に入れ、実施例2
9と同様の方法で処理し比較例13とした。
【0131】比較例14 アクリルエマルジヨン塗料 100gを、そのまま500mlビー
カーに入れ、これに漁網(15×20cm)を浸漬し、実施例
29と同様の方法で処理し比較例14とした。
【0132】試験例8(水中浸漬試験) 実施例29〜38及び比較例12〜14によつて処理さ
れた漁網を水深1mの海水中にて浸漬試験を行つた。最
初は1ケ月、それ以後は3ケ月毎に、漁網を引き上げて
検査し、汚染物の付着状態を評価した。付着状態を次の
4段階で表わした。 0 ; 付着物なし。 1 ; 少し付着。 2 ; かなり付着。 3 ; 激しく付着。 結果を表10に示す。
【0133】
【表10】
【0134】主な付着物は、アオノリ(Enteromorpha
clathrata)、ヒラアオノリ(E.compressa)、アナ
アオノリ(Ulba pertusa)であつた。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年3月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0134
【補正方法】変更
【補正内容】
【0134】主な付着物は、アオノリ(Enteromorpha
clathrata)、ヒラアオノリ(E.compressa)、アナ
アオノリ(Ulba pertusa)であつた。 実施例39 N,N,N',N'−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン
(以下TMBと略す)230.8g(1.6モル)を1リツトル
の四つ口フラスコに仕込んだ。これに、ラウリルブロマ
イド(以下LBと略す)342.6g(1.3モル)を滴下ロー
トより、撹拌下、75℃で1時間かけて滴下した後、更に
同条件で1時間反応を続けた。反応終了後、白色ワツク
ス状の反応混合物をn−ヘキサンで3回洗浄し、デカン
テーシヨンにより、未反応TMBを除去した。白色沈殿
層は遠心分離機により、分離し、白色ペースト状のもの
が得られた。このものは、TLCと1H−NMRより、
N,N,N',N'−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン−
N−ラウリルブロマイド(以下TMQ−C4と略す)と
N,N,N',N'−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン−
N,N'−ジラウリルジブロマイド(以下TMQQ−C4
と略す)の混合物であつた。該混合物を加熱真空乾燥し
たのち、白色蝋状物質 380gが得られた。このものは、1
H−NMRよりTMQ−C4/TMQQ−C4=26.3wt%
/73.7wt%であつた。次に実施例1で得られたPCS
8.4gをTHFに溶解し、500mlの四つ口フラスコに仕込
み滴下ロートよりTMQ−C4/TMQQ−C4混合物 3
5.9gのアセトン溶液を、44〜50℃で、撹拌下、1時間か
けて滴下した。添加後、さらに、同条件で20時間反応を
続けた後、反応混合物を水中で再沈殿した。ついで、得
られたポリマーをメタノールに溶解し、水中で2回、再
沈殿を繰り返した。再沈殿後、加熱真空乾燥し、白色粉
末状ポリマー(以下PCS−11とする)を12.6g得た。
該PCS−11は元素分析、TLC,IR及び1H−NM
Rより目的物であることを確認した。また、ポリスチレ
ンを標準物質とするGPCによつて、PCS−11の数平
均分子量を求めたところ、Mn=20000、多分散度Mw
/Mn=1.45であつた。酸素フラスコ燃焼法(分析化学
便覧)による全ハロゲン量及び、元素分析法によるN%
より、PCS−11中の第四級アンモニウム塩化合物の含
量(以下QACと略す)ならびに残存クロロメチル基即
ち、未反応CSの含量(以下UCSと略す)を求めたと
ころ、QAC=28.99モル%、UCS<0.01モル%であ
つた。 実施例40〜41 実施例39のLBに代えて、それぞれn−オクチルブロ
マイド(以下OBと略す)251.1gもしくはステアリルブ
ロマイド(以下SBと略す)432.8gを用い、実施例39
と同様の方法で合成し、N,N,N',N'−テトラメチル
−1,4−ジアミノブタン−N−オクチルブロマイド(以
下TMO−C4と略す)とN,N,N',N'−テトラメチル
−1,4−ジアミノブタン−N,N'−ジオクチルジブロマ
イド(以下TMOO−C4と略す)の混合物290g及びN,
N,N',N'−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン−N
−ステアリルブロマイド(以下TMS−C4と略す)と
N,N,N',N'−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン−
N,N'−ジステアリルジブロマイド(以下TMSS−C
4と略す)の混合物411gを得た。各々の混合物は実施例
39と同様の方法でその混合比を求めたところ、 TMO−C4/TMOO−C4=49.5wt%/50.5wt% TMS−C4/TMSS−C4=31.0wt%/69.0wt% であつた。次に実施例39のTMQ−C4/TMQQ−
4混合物にかえて、TMO−C4/TMOO−C4混合
物8.9g及びTMS−C4/TMSS−C4混合物20.0gを
用い実施例39と同様にPCSと反応させて、白色粉末
ポリマー 9.7g及び14.8gを得た(以下、各々PCS−12
及びPCS−13とする)。該PCS−12及びPCS−13
は、実施例39と同様の方法で目的物であることを確認
した。尚、数平均分子量及び多分散度はそれぞれ PCS−12 Mn=21000 Mw/Mn=1.22 PCS−13 Mn=26000 Mw/Mn=1.27 であつた。また、実施例39と同様の方法でQAC及び
UCSを求めたところ、それぞれ PCS−12 QAC=29.14モル% CS<0.01モル% PCS−13 QAC=28.92モル% CS<0.01モル% であつた。 実施例42〜43 実施例39においてTMBにかえてN,N,N',N'−テ
トラメチル−1,6−ジアミノヘキサン(以下TMHと略
す)275.7g(1.6モル)もしくはN,N,N',N'−テトラ
メチル−1,10−ジアミノデカン(以下TMDと略す)36
4.8g(1.6モル)を用い、以下、実施例39と同様の方
法で、合成を行い、白色蝋状物質をそれぞれ、267.2g及
び353.6gを得た。1H−NMRより、これらの物質は、
N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン
−N−ラウリルブロマイド(TMQ−C6)と、N,N,
N',N'−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン−N,
N'−ジラウリルジブロマイド(TMQQ−C6)の混合
物もしくはN,N,N',N'−テトラメチル−1,10−ジア
ミノデカン−N−ラウリルブロマイド(TMQ−C10
と、N,N,N',N'−テトラメチル−1,10−ジアミノデ
カン−N,N'−ジラウリルジブロマイド(TMQQ−C
10)の混合物であつた。該混合物の組成比はそれぞれ TMQ−C6/TMQQ−C6=53.7wt%/46.3wt% TMQ−C10/TMQQ−C10=40.8wt%/59.2wt% であつた。実施例39において、TMQ−C4/TMQ
Q−C4混合物にかえて、TMQ−C6/TMQQ−C6
混合物21.0gもしくはTMQ−C10/TMQQ−C10
合物39.0gを用い、実施例39と同様にPCSと反応さ
せた結果、白色粉末状のポリマー(以下PCS−14及び
PCS−15とする)をそれぞれ、20.6gおよび33.1gを得
た。該ポリマーの数平均分子量及び多分散度は PCS−14 Mn=22000 Mw/Mn=1.55 PCS−15 Mn=19000 Mw/Mn=1.43 であつた。PCS−14およびPCS−15はいずれも、実
施例39と同様の方法で、目的物であることを確認し
た。また、実施例39と同様の方法でQACとUCSを
求めたところ、それぞれ PCS−14 QAC=28.88モル% UCS<0.01モル
% PCS−15 QAC=29.01モル% UCS<0.01モル
% であつた。 実施例44 常法の溶液重合で、CSとSTより共重合体を得る反応
において、CS 4.5g(0.03モル)とST 80.1g(0.77
モル)をTHF中で、AIBN 0.6g(0.004モル)を開
始剤として60℃、16時間、N2雰囲気下で撹拌しなが
ら、反応させたのち、THF/メタノールで再沈殿し
て、白色粉末ポリマー(以下PCS−Mとする)72.7g
を得た。PCS−Mは、実施例1と同様の方法で分析し
た結果、PCS−Mの共重合組成はCS/ST=4.3/9
5.7(モル比)であつた。また、PCS−Mは実施例3
9と同様の測定方法で分子量を求めたところ、数平均分
子量Mn=130000、多分散度Mw/Mn=1.65であつ
た。PCS−M 12.5gと実施例39で得られたTMQ−
4/TMQQ−C4混合物9.0gをTHF 400ml中で80
℃,21時間、撹拌下反応させた。反応終了後、反応混合
物は水中で3回再沈殿を繰り返した後、加熱真空乾燥し
た。得られた白色粉末ポリマー 15.6g(PCS−16とす
る)は実施例39と同様の方法で目的物であることを確
認した。PCS−16はMn=192000、Mw/Mn=1.51
であつた。また実施例39と同様の方法でQACとUC
Sを求めたところQAC=3.02モル%、UCS<0.01モ
ル%であつた。 実施例45 常法のCSとSTより共重合体を得る反応において、C
S 76.3g(0.50モル)とST 156.0g(1.50モル)をT
HF中で、AIBN 0.3g(0.002モル)を開始剤として
50℃、24時間、N2雰囲気下で撹拌しながら、反応させ
たのち、THF/メタノールで再沈殿して、白色粉ポリ
マー(PCS−H)185.8gを得た。PCS−Hは、実施
例1と同様の方法で分析した結果、共重合組成はCS/
ST=29/71(モル比)であつた。また、PCS−Hは
実施例39と同様の測定方法で分子量を求めたところ、
数平均分子量Mn=880000、多分散度Mw/Mn=1.73
であつた。実施例44のPCS−Mに代えて、PCS−
Hを12.9g用い、以下実施例44と同様の条件で実施し
た結果、白色粉末ポリマー 14.9g(PCS−17とする)
が得られた。該PCS−17は実施例39と同様の方法で
目的物であることを確認した。尚、PCS−17はMn=
950000、Mw/Mn=1.72であつた。また実施例39と
同様の方法でQACとUCSを求めたところ、QAC=
27.89モル%、UCS<0.01モル%であつた。 実施例46 実施例39で得られた白色粉末ポリマー PCS−11(1
0.0g)をメタノール/水=1/4(容量比)混合溶媒2
リツトルに溶解後、無水酢酸ソーダ 200gを加え、室温
で24時間撹拌を続けた。該無色透明均一溶液を濃縮、乾
燥後、得られた白色粉末ポリマーをクロロホルム 300ml
に溶解し、ナトリウム塩を濾別した。濾液のクロロホル
ム溶液を濃縮後、一昼夜加熱真空乾燥し、乳鉢で粉砕し
た。こうして得られた白色粉末ポリマー(以下PCS−
18とする)10.2gは1H−NMR、IR、元素分析及び酸
素フラスコ燃焼法による全ハロゲン定量分析の結果か
ら、第四級アンモニウム塩の対イオンがハロゲンイオン
からCH3COO-に置換されていることを確認した。
尚、ハロゲンイオンからCH3COO-への置換率は95.6
%(当量換算)であつた。 実施例47 実施例39においてPCSに代えて、実施例8で得られ
たPCE 8.3gを用いる他は、実施例39と同様の方法
で行い、白色粉末ポリマー(PCS−19)11.9gを得
た。PCS−19は実施例39と同様の方法で目的物であ
ることを確認した。PCS−19は、数平均分子量Mn=
28000、多分散度Mw/Mn=1.29であつた。また実施
例39と同様の方法でQACとUCSを求めたところ、
QAC=28.88モル%、UCS<0.01モル%であつた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非架橋性ビニルモノマーから誘導される
    構成単位と一般式 【化1】 〔式中R1は水素原子又はメチル基を、Aはフエニレン
    基を、R2は炭素数1〜2のアルキレン基を、Bは第4
    級アンモニウム塩またはベタイン型化合物を含有する基
    を示し、Aは置換基を含んでいてもよい。〕で表わされ
    る構成単位を含むビニル系共重合体。
  2. 【請求項2】 化合物(I)においてBが一般式 【化2】 【化3】 【化4】 又は 【化5】 〔式中、ビピリジンは、4,4'−,2,2'−,2,3'−,2,4'
    −,3,3'−,3,4'−の異性体を示し、X, Yはアニオン
    で同一又は異なつていてもよく、X, Yがそれぞれ1価
    のアニオン或いは(X, Y)が2価のアニオン1個であ
    つてもよい。R3は炭素数6〜18のアルキル基、R4は炭
    素数2〜10のアルキレン基、R5〜R8は同一又は異なつ
    ていてもよく、炭素数1〜3のアルキル基、R9は炭素
    数1〜3のアルキレン基を示し、いずれも置換基を含ん
    でいてもよい。〕で表わされる基である請求項1のビニ
    ル系共重合体。
JP4072341A 1990-10-31 1992-02-20 ビニル系共重合体 Pending JPH0680732A (ja)

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JP2011512379A (ja) * 2008-02-21 2011-04-21 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 陽イオン性ナノ粒子、および前記ナノ粒子を含むパーソナルケア組成物の調製

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