JPH06279214A - 手指殺菌消毒方法 - Google Patents

手指殺菌消毒方法

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Publication number
JPH06279214A
JPH06279214A JP9259493A JP9259493A JPH06279214A JP H06279214 A JPH06279214 A JP H06279214A JP 9259493 A JP9259493 A JP 9259493A JP 9259493 A JP9259493 A JP 9259493A JP H06279214 A JPH06279214 A JP H06279214A
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JP
Japan
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polymer
chemical
group
sterilizing
carbon atoms
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Pending
Application number
JP9259493A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroki Koma
寛紀 高麗
Tadao Yabuhara
忠男 薮原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Otsuka Chemical Co Ltd filed Critical Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 取り扱いが簡単で、かつ、強力な殺菌消毒効
果を有する手指殺菌消毒方法を提供する。 【構成】 殺菌性を有するポリマーの溶液で、手指を接
触処理し、手指表面に殺菌性を付与する手指殺菌消毒方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は手指表面を薄膜状の殺菌
性ポリマーでコーテイングすることにより、殺菌消毒効
果を発揮させることを特徴とする手指殺菌消毒方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般手洗い及び医療従事者の手洗いにお
いて市販の殺菌、消毒剤では充分に除菌、殺菌すること
は困難である。とくに、手術時手洗いにおいては、一過
性細菌叢のみならず、定住細菌叢のかなりの部分をも除
菌、殺菌しなければならない。そのためには、皮膚損傷
を起こし難い柔らかいブラシ又はスポンジ等を用いて5
分以上のスクラブが必要であると言われているが現場で
は実施が容易でない。
【0003】また、市販のデイスポの手袋は使用中に穴
があく可能性があり、かつ、手袋の着用によつて手指の
感覚が鈍くなつたり、操作性が低下したりするなどの欠
点があるため、これらの問題点を解決する方法が種々検
討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は取り扱
いが簡単で、かつ、強力な殺菌消毒効果を有する手指殺
菌消毒方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は殺菌性を有する
ポリマーの溶液で、手指を接触処理し、手指表面に殺菌
性を付与する手指殺菌消毒方法に係る。
【0006】本発明において殺菌性を有するポリマーと
して好ましくは非架橋性ビニルモノマーから誘導される
構成単位と一般式(I)で表わされる構成単位を含むビ
ニル系共重合体を使用できる。
【0007】
【化6】
【0008】〔式中R1は水素原子又はメチル基を、A
はフエニレン基を、R2は炭素数1〜2のアルキレン基
を、Bは第4級アンモニウム塩またはベタイン型化合物
を含有する基を示し、Aは置換基を含んでいてもよ
い。〕
【0009】本発明の該ビニル系共重合体において一般
式(I)のBとしては例えば下記構造式(II)〜(V)で
表される基を挙げることができる。
【0010】
【化7】
【0011】
【化8】
【0012】
【化9】
【0013】
【化10】
【0014】〔式中、ビピリジンは、4,4'−,2,2'−,
2,3'−,2,4'−,3,3'−,3,4'−の異性体を示し、X,
Yはアニオンで同一又は異なつていてもよく、X, Yが
それぞれ1価のアニオン或いは(X, Y)が2価のアニ
オン1個であつてもよい。R3は炭素数6〜18のアルキ
ル基、R4は炭素数2〜10のアルキレン基、R5〜R8
同一又は異なつていてもよく、炭素数1〜3のアルキル
基、R9は炭素数1〜3のアルキレン基を示し、いずれ
も置換基を含んでいてもよい。〕
【0015】一般式(I)において、R3のアルキル基は
炭素数が6〜18の範囲のものが用いられるが、抗菌力の
観点から、8〜14がより好ましい。尚、アニオンについ
ては特に限定されず、Br-,Cl-,I-,NO3 -,CH3
COO-及びSO4 2-などを含む。
【0016】該共重合体の数平均分子量Mnは5,000〜5,
000,000、好ましくは10,000〜1,000,000、Mw/Mn=1.
1〜7.0(Mwは重量平均分子量)が望ましい。
【0017】該共重合体に於いて構成単位(I)の比率
は、0.1〜90モル%、好ましくは10〜60モル%である。
【0018】該共重合体はクロロ(C1〜2アルキル)ス
チレン類と共重合可能な非架橋性ビニルモノマーとを共
重合させて、共重合体となし、次いでこのクロロアルキ
ル基のクロル(塩素)原子を前記の第4級アンモニウム
塩またはベタイン型化合物で置換することにより製造さ
れる。また予め、クロロアルキルスチレン類の塩素原子
を第4級アンモニウム塩またはベタイン型化合物で置換
した後、共重合可能な非架橋性ビニルモノマーと共重合
させて製造することもできる。
【0019】本発明で使用されるクロロ(C1〜2アルキ
ル)スチレン類としては、p−クロロメチルスチレンが
好適であるが、他の置換基を有するクロロ(C1〜2アル
キル)スチレン誘導体であつてもよい。
【0020】非架橋性ビニルモノマーとしては例えば、
スチレン、p−メチルスチレン等のスチレン系モノマ
ー;アクリル酸エチル、アクリル酸ラウリル等のアクリ
ル酸エステル系モノマー;メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸
エステル系モノマー;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニ
ルエステル系モノマー;N−メチルアクリルアミド、N
−エチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミ
ド、N−エチルメタクリルアミド等のN−アルキル置換
(メタ)アクリルアミド;アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等のニトリル系モノマー等が挙げられるが、
クロロメチルスチレン類と共重合可能なモノマーであれ
ば、前記モノマーに限定されない。これらの単量体は、
単独でまたは2種以上混合して用いることが可能であ
る。
【0021】クロロアルキルスチレン、非架橋性共重合
ビニルモノマーの共重合に当たつての仕込みモル比は、
1〜50:50〜99程度が好ましい。
【0022】共重合の方法としては、従来公知の塊状重
合、溶液重合、懸濁重合等を用いることができる。
【0023】次に該共重合体の製造方法の一例を反応式
で示す。
【0024】
【化11】
【0025】
【化12】
【0026】
【化13】
【0027】
【化14】
【0028】
【化15】
【0029】
【化16】
【0030】
【化17】
【0031】
【化18】
【0032】
【化19】
【0033】
【化20】
【0034】上記(1)において化合物(DP)は化合
物RXに対して通常約1.0〜2.5倍モル、好ましくは約1.
1〜2.1倍モル反応させるのが良い。反応は有機溶媒中で
行うのが好ましく、一般に約60〜110℃の反応温度が好
適である。生成物(Q)は濃縮、蒸留、抽出、再結晶な
どの方法により精製することができる。(2)の重合は
通常の懸濁重合、溶液重合、塊状重合などの方法で行な
うことができ、得られたポリマー(PCS)は再沈殿、
洗浄等の方法で精製することができる。(3)の反応に
おいては、ポリマー(PCS)のクロロメチル基1当量
に対して化合物(Q)を通常約0.1〜1.2当量、好ましく
は約0.8〜1.1当量反応させる。反応は有機溶媒中で行う
のが好ましく、一般に約60〜100℃の反応温度が好適で
ある。生成物(BPCQ)は再沈殿、洗浄などの方法に
より精製することができる。(4)〜(7)について
も、ほぼ同様の方法により製造することができる。
【0035】(8)の反応においては、化合物(PC
S)に対して長鎖アルキルアミン約0.8〜1.5倍モル反応
させるのが好ましい。
【0036】(9)において、NaOH溶液の濃度は一
般に約0.5〜2.0規定溶液を用いるのが好適である。
【0037】(10)で、化合物(PCS−AA)に対
し、モノクロロ酢酸は約1〜2倍モル反応させるのが良
い。反応は有機溶媒中で行うのが好ましく、約2〜10時
間、還流するのが好適である。生成物(PCS−BT)
は再沈殿、あるいは洗浄などの方法により精製すること
ができる。
【0038】該共重合体を製造するために用いられるビ
ピリジンとしては、2,2'−ビピリジン、2,3'−ビピリジ
ン、2,4'−ビピリジン、3,3'−ビピリジン、3,4'−ビピ
リジン、4,4'−ビピリジンおよびそれらの混合物等が使
用される。
【0039】ハロゲン化アルキルとしては炭素数6〜18
のクロル、ブロムまたはヨウ素等のハロゲン化アルキル
が使用される。
【0040】アルキルジアミンとしては、例えばN,N,
N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',
N'−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,
N',N'−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N,
N',N'−テトラメチル−1,5−ペンタンジアミン、N,
N,N',N'−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、
N,N,N',N'−テトラエチルエチレンジアミン、N,
N,N',N'−テトラエチル−1,3−プロパンジアミン、
N,N,N',N'−テトラエチル−1,4−ブタンジアミン、
N,N,N',N'−テトラエチル−1,5−ペンタンジアミ
ン、N,N,N',N'−テトラエチル−1,6−ヘキサンジア
ミンなどが使用される。
【0041】アミノアルコールとしては、例えば2−ア
ミノエタノール、3−アミノ−プロパノール、4−アミ
ノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘ
キサノール、7−アミノヘプタノール、8−アミノオク
タノール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−
(ジエチルアミノ)エタノール、3−(ジメチルアミ
ノ)プロパノール、3−(ジエチルアミノ)プロパノー
ル等が用いられる。
【0042】第2級アミンとしては、N−メチルオクチ
ルアミン、N−メチルデシルアミン、N−メチルドデシ
ルアミン、N−メチルミリスチルアミン、N−メチルセ
チルアミン、N−メチルステアリルアミン、N−エチル
オクチルアミン、N−エチルデシルアミン、N−エチル
ドデシルアミンなどが用いられる。
【0043】得られた共重合体は、公知の手法に従つ
て、イオン交換を行い、対アニオンをCl-,Br-
-,NO3 -,NO2 -,SO2 2-,CH3COO-等にする
ことができる。
【0044】該共重合体はクロロアルキルスチレン類と
非架橋性ビニルモノマーとのコポリマーを原料としてい
るため、クロロアルキルスチレン類のホモポリマーを原
料としたものに比べ、以下の点で優れている。
【0045】即ち、前記コポリマーを用いて第4級アン
モニウム塩またはベタイン型化合物を導入した場合は、
前記ホモポリマーを用いた場合に比べ、未反応クロロア
ルキル残基が少ないため、物性の安定性と、人体に対す
る安全性に優れている。その上、クロロアルキルスチレ
ン類よりも安価な非架橋性ビニルモノマーを用いて共重
合することにより、製造コストの低下を図ることができ
る。
【0046】本発明において上記ビニル系共重合体は被
膜を形成しやすく、かつ、接着力が大きいので、該化合
物単独、あるいは市販の殺菌剤等との混合溶液とした
後、該溶液に手指を浸して、引き上げ、溶媒を除去後、
手指表面に殺菌消毒機能を有する薄膜を形成することが
できる。また、該溶液をスプレー式容器にLPG、洗剤
等と共に充填して、手指表面を殺菌消毒することも可能
である。あるいは、該溶液をクリーム状(ペースト状)
にして、ハンドクリームのように手指表面を殺菌消毒す
ることも可能である。さらに、該溶液をテイシユペーパ
ー、吸水性紙、ガーゼ等に浸漬して、所謂、ウエツトテ
イシユペーパー、お手拭き紙、あるいはお手拭き布タイ
プ等のようにして手指表面を殺菌消毒することも可能で
ある。
【0047】該溶液によつて手指表面を殺菌消毒した
後、形成される薄膜は通気性を有し、長時間にわたつて
剥離することなく、丈夫な形状を保持し、かつ、殺菌作
用にも優れているので、有効な手指殺菌消毒効果を持続
することができる。また、該薄膜は該薄膜可溶性溶媒で
洗浄すれば容易に除去でき、皮膚刺激性、皮膚浸透性も
なく、かつマウス経口LD50も5,000mg/kg以上と安全
性も高いので安心して使用することができる。尚、該溶
液で手指を処理した後の溶媒の除去は、使用溶媒にもよ
るが、水、低級アルコール等を溶媒として用いる時は、
比較的短時間に、自然乾燥できる。
【0048】本発明の手指殺菌消毒方法において、本発
明の手指殺菌性機能を有する化合物と混合して用いるこ
とができる公知の抗生物質または殺菌消毒剤等としては
特に限定されず、例えばメチシリン(DMPPC)、ア
ンピシリン(ABPC)、セフオチアム(CTM)、セ
フゾナム(CZON)、ゲンタマイシン(GM)、アル
ベカシン(ABK)、ドキシサイクリン(DOXY)、
ミノサイクリン(MINO)、ホスホマイシン(FO
M)、バンコマイシン(VCM)、イミペネム/シラス
タチンナトリウム(IPM/CS)及びオフロキサシン
(OFLX)などを、また消毒剤としては、塩化ベンザ
ルコニウム(BAC)、グルコン酸クロルヘキシジン
(CHG)、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン(T
G)、ポビドンヨード(PVP−I)及びグルタルアル
デヒド(GA)などを挙げることができる。
【0049】本発明の手指殺菌消毒用化合物の単独また
は市販殺菌剤等との混合物の溶液を調製する為の溶媒
は、夫々を溶解するもののうち、人体に対する毒性、皮
膚刺激性が少なく、かつ、沸点の低いものであれば、特
に限定されず、例えば水、エタノール、イソプロパノー
ル及びメタノール変性アルコールなどが挙げられるが揮
発性、安全性の観点から水、エタノール等が好ましい。
尚、これらの溶媒は単独又は混合して使用することがで
きる。水と有機溶媒を混合して使用する場合の混合比率
は、例えば水/エタノールであれば30〜20/70〜80(v
/v%)が好ましい。本発明の手指消毒殺菌剤の溶液濃
度は0.1〜1.0w/v%が好ましい。
【0050】
【実施例】次に本発明を実施例により説明する。
【0051】実施例1(BPCQの合成) 攪拌機、還流コンデンサー、窒素導入管及び滴下ロート
をつけた1l 四ツ口フラスコにメチルアルコール 300m
l及び4,4'−ビピリジル 80.9g(0.50モル)を仕込んだ
後、乾燥窒素を導入しつつ、70℃の油浴上で加熱しなが
ら滴下ロートより、ラウリルブロマイド 62.3g(0.25モ
ル)を2時間かけて滴下した。18時間加熱攪拌した後、
溶媒を除去し、メタノール:アセトン系より再結晶し
た。42.5gの褐色粉末状の臭化N−ラウリル−4,4'−ピ
リジルピリジニウム(以下Qと略す)が得られた。他の
アルキルハライドに対しても同様に反応せしめた。
【0052】次いで常法の溶液重合により、p−クロロ
メチルスチレン(CMSと略す)とスチレン(STと略
す)との共重合反応により、共重合体(以下PCSと略
す)を生成した。得られたPCSはテトラヒドロフラン
/メタノールで再沈殿し未反応のモノマーを除去した。
【0053】次に、該PCSについて酸素フラスコ燃焼
法による全ハロゲン定量分析及び元素分析を行つた結
果、PCS中のCS/ST=3/7(モル比)であつ
た。
【0054】得られたQ 53.3gとPCS 52.9gとをテト
ラヒドロフラン 850ml中、65℃、64時間反応させた結
果、黄色粉末状のBPCQ 94.8g(収率89.3%)が得ら
れた。
【0055】実施例2(PCS−TAの合成) 攪拌機、還流コンデンサー、温度計及び滴下ロートをつ
けた 200ml 四ツ口フラスコにベンゼン 50ml 及びエタ
ノールアミン(和光純薬工業、試薬1級、以下EAと略
す)6ml(0.1モル)を仕込んだ後、攪拌下、金属ナト
リウム 2.3g(0.1モル)を徐々に加えた。添加後、5〜
10℃で5時間反応させた。
【0056】反応終了後、ベンゼンを除去し、実施例1
で得られたPCS(40.7g)及びテトラハイドロフラン1
00mlを加え、還流下、24時間反応させた。反応後、得ら
れたポリマー(以下、PCS−EAと略す)はアセトン
/メタノールで再沈殿後、洗浄、乾燥した。収量42.0
g。
【0057】次に、PCS−EA 40gを300ml ナス型フ
ラスコに入れ、ホルムアルデヒド20ml及びギ酸 20mlを
加え、60〜80℃で8時間反応させた。得られたポリマー
(以下PCS−DAと略す)はアセトン/メタノールで
再沈殿後、洗浄、乾燥した。収量41.0g。
【0058】次に、PCS−DA 40g、ラウリルブロマ
イド 3g(0.01モル)及びエチルアルコール 100mlを30
0mlナス型フラスコに入れて90℃、24時間、反応させ、
ポリマー(以下PCS−TAと略す)41.2gを得た。収
率95.8%。
【0059】実施例3(PCS−BTの合成) 実施例1で得られたPCS 148gにテトラクロロエチレ
ンを加え、撹拌下に、N−メチル−N−デシルアミン 1
70g(1モル)を滴下、4時間還流後、苛性カリ水溶液
とメタノール混合液中に、反応混合物を入れた。遊離ア
ミンが検出されなくなるまでメタノールで洗浄した。生
成したポリマー(以下PCS−AHと略す)の収量310
g、収率96%であつた。
【0060】次に化合物PCS−AH 310gに水を加え
撹拌下に苛性ソーダ溶液を加え、約1規定の濃度とし
た。30分間、撹拌下、還流後、反応生成物を濾過、水洗
した。濾液中の塩素イオンを硝酸銀で滴定し、反応収率
を求めた。生成したポリマー(以下PCS−AAと略
す)の収量275g、収率96%であつた。
【0061】最後に、化合物PCS−AA 275gとモノ
クロロ酢酸 114g(1.2モル)をテトラクロロエチレン溶
液中、撹拌下、4時間還流した。生成したポリマー(以
下、PCS−BTと略す)はオレンジII法による比色定
量によつて定量した。収量322g、収率94%であつた。
【0062】実施例4(モノ四級アンモニウム塩、TM
L−C6の合成) N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン
(以下TMHと略す)27.5g(0.16モル)をアセトニト
リル 50mlに溶かし室温で撹拌下これにラウリルブロマ
イド 10.0g(0.04モル)を滴下し引き続いて70℃で3時
間加熱した。次に反応液を室温まで冷却し、生じた白色
沈殿を濾過すると、N,N,N',N'−テトラメチル−1,4
−ジアミノヘキサン−N,N'−ジラウリルジブロマイド
が0.12g副生していた(副生率 1.0%)。濾液を減圧下
で濃縮し大部分のTMBを留去し生じた白色ペースト状
残渣をヘキサン 40mlで洗浄し、デカンテーションによ
りヘキサン層を分離すると未反応TMBが完全に除去さ
れた白色ワツクス状物質が得られた。このものを真空ポ
ンプで充分減圧乾燥するとN,N,N',N'−テトラメチ
ル−1,4−ジアミノヘキサン−N−ラウリルブロマイド
(以下TML−C6と略す)が15.5g生成していた(収率
92%)。
【0063】実施例5(ビス四級アンモニウム塩、TM
LS−C6の合成) 実施例4で得たTML−C6 11.1g(26.4ミリモル)を
アセトン 200mlに溶解し室温で撹拌下これに4−クロル
メチルスチレン 3.7g(24ミリモル)を滴下した。次に5
0℃で17時間加熱すると白色結晶が析出してきた。反応
液を室温まで冷却し生じた白色結晶を濾過して単離し冷
アセトンで洗浄後乾燥するとN,N,N',N'−テトラメ
チル−N−ラウリル−N'−(4−ビニル)ベンジルヘ
キサメチレンジアンモニウムブロマイドクロライド(T
MLS−C6と略す)が12.0g生成していた(収率87
%)。
【0064】実施例6(ポリマー、OBAQの合成) 実施例5で得たTMLS−C6 10.32g(18ミリモル)と
スチレン 4.37g(42ミリモル)をメタノール 10mlに溶
解しこれにAIBN 50mg(0.3ミリモル)をメタノール
2mlに溶解した液を加えた。混合物を窒素雰囲気下で6
5℃で22時間撹拌すると粘稠溶液となつた。反応液を多
量の水中に投入して重合反応を停止し生じた白色重合体
を濾過して単離し、減圧乾燥することにより白色ポリマ
ーを得た。メタノールに再溶解して水中に投入する操作
を2回繰り返して精製、乾燥することにより白色粉状重
合体を6.3g得た。該白色粉状物はTLC、IR及び1
−NMR分析からTMLS−C6とスチレンとの共重合
体であることを確認した。このものをジメチルホルムア
ミドを溶媒にしてGPC分析(ポリスチレン基準)する
とMn=15.8万、多分散度Mw/Mn=1.4であつた。ポリ
ビニル硫酸カリウム(PVSK)を用いたコロイド滴定
法によつて第四級アンモニウム基の含量を定量すること
によりTMLS−C6とスチレンとの共重合組成は38:6
2と確認された。実施例6で得られたポリマーをOBA
Qとする。
【0065】比較例1〜2 ベンザルコニウムクロライド粉末(ナカライテスク株式
会社製)を比較例1、1,6−ジ(N−p−クロロフエニ
ルビグアナイド)ヘキサンジグルコネートを比較例2と
した。
【0066】試験例1(手指消毒試験) 手指消毒試験は最もよく行われている試験方法の一つで
あるグローブジユース法(変法)に準じて行つた。被験
者として無作為に40名を抽出した。先ず、被験者は水道
水で両前腕の2/3より先を数秒間、濡らした後、非薬
用石鹸で30秒、次いで水洗30秒を行う。右手を対照群と
して残し、左手のみを殺菌消毒剤(実施例1,2,3及
び5)の0.1%水溶液で30秒間洗い、2分間、送風下、
乾燥する。比較例1,2も同濃度で同様に処理する。次
いで、介助者の協力の下に手術用のゴム手袋を装着し、
菌体懸濁液104cells/ml、25mlを、更に、Tween 80
1.0%水溶液5mlを夫々、手袋内に注入する。
【0067】被験者は回収液(菌体懸濁液+Tween 8
0)が外にこぼれないように手首を押さえながら、介助
者の協力の下に手術用のゴム手袋の手指をマツサージす
る。次に、指先に液を溜める様にしながら手袋を外し、
手袋内の液(回収液)を採取する。回収液を10倍系列希
釈し、その0.1mlを血液寒天培地(2枚)に滴下後、コ
ンラージ棒で培地全面に塗布し、37℃、48時間培養す
る。結果は表1〜6に示した。上記表1〜6中の数値
は、被験者グループ(A,B,C……W,X)の中の5
名の平均値を示し、0〜4はそれぞれ、以下のコロニー
数/寒天培地(1枚)を示す。
【0068】 数値 コロニー数/寒天培地(1枚) 0 0 1 10未満 2 10〜50未満 3 50〜100未満 4 100以上
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】試験例2(急性皮膚刺激性) 実施例1,2,3,5及び比較例1を用いOECD化学
品テストガイドライン2(財団法人 化学品検査協会
編)404に従つて急性皮膚刺激性試験を行つた。
【0076】ウサギの皮膚の小部分に前記化合物の粉末
を投与し、ガーゼパツチでおおいテープで固定し、各時
間ごとに、パツチを除去した。除去後、皮膚を検査した
結果を表7に示す。
【0077】
【表7】
【0078】表7中、 0…紅斑なし 0…浮腫なし 1…極く軽い紅斑 1…極く軽い浮腫 2…はつきりした紅斑 2…軽い浮腫 3…中位ないし強度な紅斑 3…中位の浮腫 4…強度の紅斑 4…強度の浮腫 で表示した。
【0079】実施例7〜10(HDPEの表面コート) 実施例1,2,3,5で得られた重合体を各々0.5gづつ
とり、メタノール 100gに溶解した。このメタノール溶
液に高密度ポリエチレンフイルム(HDPE,厚さ80μ
m)を14cm×50cmのサイズに切断したものを、30秒間浸
漬した後、引き上げ、25℃、1時間乾燥した。更に、50
℃の乾燥器中で1時間乾燥し、以下の実施例番号を付与
した。前記処理に用いた重合体は下記の通りである。 BPCQ (実施例1)……実施例7 PCS−TA (実施例2)……実施例8 PCS−BT (実施例3)……実施例9 OBAQ (実施例5)……実施例10
【0080】比較例3〜4(HDPEの表面コート) ポリウレタン樹脂 0.2g、メチルエチルケトン 30g、ト
ルエン 70g、ベンザルコニウムクロライド(ナカライテ
スク株式会社製) 0.2gを混合溶解し、この中に、実施
例7〜10と同じHDPEを浸漬し、同様に処理して比
較例3とした。
【0081】上記、ベンザコルニウムクロライドに代え
て1,6−ジ(N−p−クロロフエニルビグアナイド)ヘキ
サンジグルコネートを用い、実施例7〜10と同様に処
理し、比較例4とした。
【0082】試験例3(HDPE表面コートの剥離試
験) 実施例7〜10および比較例3〜4のHDPEフイルム
片を、各々、2リツトルのビーカーに、1リツトルの蒸
留水と一緒に入れ、25℃、8時間激しく撹拌し、剥離試
験を行つた。該フイルムを引き上げ、25℃、1時間乾燥
したのち、ブロムフエノールブルー 10-4M(リン酸バ
ツフアー pH7.0)で処理し、表面を青色に発色させ、
高分子化合物皮膜の剥離、脱落状態から、前記、剥離試
験前後のフイルムへの密着性を比較した。結果を表8に
示す。
【0083】
【表8】
【0084】表8中、均一に着色したものは○、一部着
色むらが見られるものは△で表わした。
【0085】試験例4(酸素ガス透過性及び透湿度) 実施例7〜10及び比較例3〜4のフイルム片を用いて
酸素ガス透過性及び透湿性試験を行つた。前者はGAS
TESTER TOYOSEIKIを用い、ASTM−
D−1434−75−Mの方法に基づいて実施した。
【0086】また後者はTOYOSEIKIのカツプ式
透湿装置を用い、JIS−Z−0208の方法に従つて行つ
た。結果を表9及び表10に示す。
【0087】
【表9】
【0088】
【表10】
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【化7】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【化8】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【化9】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【化10】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】
【化11】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【化12】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【化13】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【化14】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【化15】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【化16】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【化17】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【化18】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】
【化19】
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】
【化20】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 殺菌性を有するポリマーの溶液で、手指
    を接触処理し、手指表面に殺菌性を付与する手指殺菌消
    毒方法。
  2. 【請求項2】 殺菌性を有するポリマーが非架橋性ビニ
    ルモノマーから誘導される構成単位と一般式化1で表わ
    される構成単位を含むビニル系共重合体を有効成分とす
    るポリマーからなる請求項1の手指殺菌消毒方法。 【化1】 〔式中R1は水素原子又はメチル基を、Aはフエニレン
    基を、R2は炭素数1〜2のアルキレン基を、Bは第4
    級アンモニウム塩またはベタイン型化合物を含有する基
    を示し、Aは置換基を含んでいてもよい。〕
  3. 【請求項3】 化合物(I)においてBが一般式化2〜
    化5で表わされる基である請求項2の手指殺菌消毒方
    法。 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 〔式中、ビピリジンは、4,4'−,2,2'−,2,3'−,2,4'
    −,3,3'−,3,4'−の異性体を示し、X, Yはアニオン
    で同一又は異なつていてもよく、X, Yがそれぞれ1価
    のアニオン或いは(X, Y)が2価のアニオン1個であ
    つてもよい。R3は炭素数6〜18のアルキル基、R4は炭
    素数2〜10のアルキレン基、R5〜R8は同一又は異なつ
    ていてもよく、炭素数1〜3のアルキル基、R9は炭素
    数1〜3のアルキレン基を示し、いずれも置換基を含ん
    でいてもよい。〕
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002056895A3 (en) * 2001-01-18 2004-02-19 Genzyme Corp Ionene polymers and their use in treating mucositis
US7112559B1 (en) 2005-03-14 2006-09-26 Ecolab Inc. Thickened quaternary ammonium compound sanitizer

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