JPH11100302A - 抗菌性樹脂 - Google Patents
抗菌性樹脂Info
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- JPH11100302A JPH11100302A JP27942897A JP27942897A JPH11100302A JP H11100302 A JPH11100302 A JP H11100302A JP 27942897 A JP27942897 A JP 27942897A JP 27942897 A JP27942897 A JP 27942897A JP H11100302 A JPH11100302 A JP H11100302A
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- Japan
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- antibacterial
- resin
- antimicrobial
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- macromonomer
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 カビ、細菌類に対して優れた抗菌作用を有
し、かつ抗菌性物質の溶出が殆ど無く抗菌の持続性にも
優れた抗菌性樹脂を得ることを目的とする。 【解決手段】 または (但し、AはH又はCH3を表す。X-はOH-、F-、C
l-、Br-又はI-を表す。R1、R2、R3、R4はアル
キル基を表わす。nは2〜10の整数である。)で示さ
れ且つ粘度平均分子量が500〜20,000の範囲で
ある化合物からなる群より選ばれた1種または2種以上
の抗菌性マクロモノマー成分とこれと反応するモノマー
とを主構成単位とする抗菌性樹脂に関する。
し、かつ抗菌性物質の溶出が殆ど無く抗菌の持続性にも
優れた抗菌性樹脂を得ることを目的とする。 【解決手段】 または (但し、AはH又はCH3を表す。X-はOH-、F-、C
l-、Br-又はI-を表す。R1、R2、R3、R4はアル
キル基を表わす。nは2〜10の整数である。)で示さ
れ且つ粘度平均分子量が500〜20,000の範囲で
ある化合物からなる群より選ばれた1種または2種以上
の抗菌性マクロモノマー成分とこれと反応するモノマー
とを主構成単位とする抗菌性樹脂に関する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カビ、細菌等に対して
優れた抗菌作用を有し、かつ抗菌性物質の溶出が殆ど無
く抗菌の持続性にも優れた抗菌性樹脂に関するものであ
る。
優れた抗菌作用を有し、かつ抗菌性物質の溶出が殆ど無
く抗菌の持続性にも優れた抗菌性樹脂に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】衛生材、農園芸用土壌保水材、食品鮮度
保持包装材、シーリング材等の広い分野で使用されてい
る吸水性樹脂は、含水状態においてその表面にカビや細
菌が繁殖しやすくなるという欠点を有している。従っ
て、たとえば吸水性樹脂を用いて製造した吸水性シート
を食品用ドリップシートとして使用した場合、鮮魚類や
肉類などから出る肉汁によりシートの表面に細菌が繁殖
し、食品の鮮度が低下したり場合によっては腐敗するた
め食品保存には大変な注意・気づかいが必要である。
保持包装材、シーリング材等の広い分野で使用されてい
る吸水性樹脂は、含水状態においてその表面にカビや細
菌が繁殖しやすくなるという欠点を有している。従っ
て、たとえば吸水性樹脂を用いて製造した吸水性シート
を食品用ドリップシートとして使用した場合、鮮魚類や
肉類などから出る肉汁によりシートの表面に細菌が繁殖
し、食品の鮮度が低下したり場合によっては腐敗するた
め食品保存には大変な注意・気づかいが必要である。
【0003】そこで、このような吸水性樹脂に抗菌作用
を有する無機または有機系の化合物を配合した添加型抗
菌性吸水樹脂が提案されている。例えば、高吸水性樹脂
に銀を含む水溶性ガラスを均一に混合して抗菌性を付与
させる方法(特開平1−153748号公報)や、高吸
水性樹脂にジンク2−ピリジンチオール−1−オキサイ
ド系の抗菌剤を添加する方法(特開平5−9344号公
報)等である。
を有する無機または有機系の化合物を配合した添加型抗
菌性吸水樹脂が提案されている。例えば、高吸水性樹脂
に銀を含む水溶性ガラスを均一に混合して抗菌性を付与
させる方法(特開平1−153748号公報)や、高吸
水性樹脂にジンク2−ピリジンチオール−1−オキサイ
ド系の抗菌剤を添加する方法(特開平5−9344号公
報)等である。
【0004】しかし、これらの方法は抗菌剤が溶出し抗
菌持続性に問題があるばかりでなく、特に食品類に使用
する場合、人体に有害である。そこでこれらの問題を解
決する方法として、抗菌性モノマーであるホスホニウム
塩モノマーを高吸水性樹脂の一成分として組入れた反応
型吸水性樹脂(特開平8−92020号)、あるいは抗
菌性成分であるリン酸エステルの第4級アンモニウム塩
をビニル共重合体の一成分として組入れた反応型抗菌性
樹脂(特開平8−245720号)が提案されている。
菌持続性に問題があるばかりでなく、特に食品類に使用
する場合、人体に有害である。そこでこれらの問題を解
決する方法として、抗菌性モノマーであるホスホニウム
塩モノマーを高吸水性樹脂の一成分として組入れた反応
型吸水性樹脂(特開平8−92020号)、あるいは抗
菌性成分であるリン酸エステルの第4級アンモニウム塩
をビニル共重合体の一成分として組入れた反応型抗菌性
樹脂(特開平8−245720号)が提案されている。
【0005】しかし、これらの樹脂はホスホニウム基あ
るいはリン酸エステルの第4級アンモニウム塩がポリマ
ーの側鎖についており、微生物資化により離脱する可能
性が高く依然として抗菌持続性に問題があり、例えば食
品包装材、ドリップシート等に使用した場合、食品に混
入する恐れがある。
るいはリン酸エステルの第4級アンモニウム塩がポリマ
ーの側鎖についており、微生物資化により離脱する可能
性が高く依然として抗菌持続性に問題があり、例えば食
品包装材、ドリップシート等に使用した場合、食品に混
入する恐れがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
更に抗菌持続性のある樹脂について鋭意検討を重ねた結
果、本発明を完成するに至ったものである。
更に抗菌持続性のある樹脂について鋭意検討を重ねた結
果、本発明を完成するに至ったものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、抗菌性マクロ
モノマー成分と、該抗菌性マクロモノマー成分と共重合
可能で、かつ重合後水不溶性樹脂を形成し得るモノマー
成分とを主構成単位とする抗菌性樹脂に関する。更に、
本発明は、抗菌性樹脂中の抗菌性マクロモノマー成分が
50重量%以上である抗菌性樹脂に関する。更に、本発
明は抗菌性マクロモノマー成分が
モノマー成分と、該抗菌性マクロモノマー成分と共重合
可能で、かつ重合後水不溶性樹脂を形成し得るモノマー
成分とを主構成単位とする抗菌性樹脂に関する。更に、
本発明は、抗菌性樹脂中の抗菌性マクロモノマー成分が
50重量%以上である抗菌性樹脂に関する。更に、本発
明は抗菌性マクロモノマー成分が
【化3】 または
【化4】 (但し、AはH又はCH3を示す。X-はOH-、F-、C
l-、Br-又はI-を表わす。R1、R2、R3、R4はア
ルキル基を表す。mは2〜10の整数である。)で示さ
れ且つ粘度平均分子量が500〜20,000である化
合物からなる群より選ばれた1種または2種以上の抗菌
性マクロモノマー成分である抗菌性樹脂に関する。
l-、Br-又はI-を表わす。R1、R2、R3、R4はア
ルキル基を表す。mは2〜10の整数である。)で示さ
れ且つ粘度平均分子量が500〜20,000である化
合物からなる群より選ばれた1種または2種以上の抗菌
性マクロモノマー成分である抗菌性樹脂に関する。
【0008】更にまた、本発明は抗菌性マクロモノマー
成分と該抗菌性マクロモノマー成分と共重合可能で、か
つ重合後水不溶性樹脂を形成し得るモノマー成分とを主
構成単位とし、且つでカチオン性モノマー成分を5〜2
5重量%の範囲で含んでいる抗菌性樹脂に関する
成分と該抗菌性マクロモノマー成分と共重合可能で、か
つ重合後水不溶性樹脂を形成し得るモノマー成分とを主
構成単位とし、且つでカチオン性モノマー成分を5〜2
5重量%の範囲で含んでいる抗菌性樹脂に関する
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の抗菌性樹脂は、前述の通
り、抗菌性マクロモノマー成分と、共重合可能で重合後
水不溶性樹脂となりうるモノマーとを共重合させて得ら
れたものである。本発明に用いる抗菌性マクロモノマー
成分を合成するために用いられるアイオネン型ポリマー
としては
り、抗菌性マクロモノマー成分と、共重合可能で重合後
水不溶性樹脂となりうるモノマーとを共重合させて得ら
れたものである。本発明に用いる抗菌性マクロモノマー
成分を合成するために用いられるアイオネン型ポリマー
としては
【化5】 または
【化6】 (但し、X-はOH-、F-、Cl-、Br-又はI-を表
す。R1、R2、R3、R4はアルキル基を表す。mは2〜
10の整数である。)に挙げる化合物が好ましいが、抗
菌性を有し且つ塩化(メタ)アクリロイルと反応し得る
アイオネン型ポリマーであれば、これに限定されるもの
ではない。
す。R1、R2、R3、R4はアルキル基を表す。mは2〜
10の整数である。)に挙げる化合物が好ましいが、抗
菌性を有し且つ塩化(メタ)アクリロイルと反応し得る
アイオネン型ポリマーであれば、これに限定されるもの
ではない。
【0010】化5のアイオネン型ポリマーは、第3級ジ
アミンとエピハロヒドリンとを反応させることにより容
易に製造することができる。アイオネン型ポリマーと
は、高分子の主鎖中に第4級アンモニウムイオンを有す
る水溶性高分子電解質である。第3級ジアミンとしては
テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレン
ジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラエチ
ルプロパンジアミン、テトラメチルブチレンジアミン、
テトラエチルブチレンジアミン、テトラメチルヘキサン
ジアミン、テトラエチルヘキサンジアミン等が挙げら
れ、特に2個のアルキル置換基を有するジアミンが良
い。化6のアイオネン型ポリマーは、ジメチルアミンと
エピハロヒドリンとを反応させることにより容易に製造
することができる。
アミンとエピハロヒドリンとを反応させることにより容
易に製造することができる。アイオネン型ポリマーと
は、高分子の主鎖中に第4級アンモニウムイオンを有す
る水溶性高分子電解質である。第3級ジアミンとしては
テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレン
ジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラエチ
ルプロパンジアミン、テトラメチルブチレンジアミン、
テトラエチルブチレンジアミン、テトラメチルヘキサン
ジアミン、テトラエチルヘキサンジアミン等が挙げら
れ、特に2個のアルキル置換基を有するジアミンが良
い。化6のアイオネン型ポリマーは、ジメチルアミンと
エピハロヒドリンとを反応させることにより容易に製造
することができる。
【0011】本発明の抗菌性樹脂の成分である化1また
は化2の抗菌性マクロモノマーの粘度平均分子量は50
0〜20,000である。化5または化6のアイオネン
型ポリマーの製造方法としては、化5のアイオネン型ポ
リマーについては第3級ジアミンとエピハロヒドリンと
を混合し、30〜100℃で2〜30時間攪拌しながら
反応させればよい。30℃以下であるとアイオネン型ポ
リマーの粘度平均分子量が20,000を上回る場合が
あり、分子量調整が困難であり、100℃を上回るとア
イオネン型ポリマーの粘度平均分子量が500を下回る
場合があり、分子量調整が困難であり、且つ作業上危険
である。好ましくは反応温度が50〜70℃、反応時間
は5〜10時間である。
は化2の抗菌性マクロモノマーの粘度平均分子量は50
0〜20,000である。化5または化6のアイオネン
型ポリマーの製造方法としては、化5のアイオネン型ポ
リマーについては第3級ジアミンとエピハロヒドリンと
を混合し、30〜100℃で2〜30時間攪拌しながら
反応させればよい。30℃以下であるとアイオネン型ポ
リマーの粘度平均分子量が20,000を上回る場合が
あり、分子量調整が困難であり、100℃を上回るとア
イオネン型ポリマーの粘度平均分子量が500を下回る
場合があり、分子量調整が困難であり、且つ作業上危険
である。好ましくは反応温度が50〜70℃、反応時間
は5〜10時間である。
【0012】化6のアイオネン型ポリマーについてもジ
メチルアミンとエピハロヒドリンとを混合し30〜10
0℃で2〜30時間攪拌しながら反応させればよい。3
0℃以下であるとアイオネン型ポリマーの粘度平均分子
量が20,000を上回り、100℃以上であるとアイ
オネン型ポリマーの粘度平均分子量が500を下回り且
つ作業上危険である。好ましくは反応温度が30〜50
℃、反応時間は5〜10時間である。
メチルアミンとエピハロヒドリンとを混合し30〜10
0℃で2〜30時間攪拌しながら反応させればよい。3
0℃以下であるとアイオネン型ポリマーの粘度平均分子
量が20,000を上回り、100℃以上であるとアイ
オネン型ポリマーの粘度平均分子量が500を下回り且
つ作業上危険である。好ましくは反応温度が30〜50
℃、反応時間は5〜10時間である。
【0013】上記化1、化2、化3、化4、化5、化6
について具体的に例示すれば次のとおりである。R1、
R2、R3、R4はメチル基、エチル基等のアルキル基で
あり、好ましくはメチル基である。X-としては、フッ
素、塩素等のハロゲンイオン、または水酸化イオンであ
る。中でも塩素イオンが好ましい。尚、水酸化イオンの
化5、化6を製造するには、化5では第3級ジアミン、
化6においてはジメチルアミンとエピハロヒドリンを反
応させた後、水酸化ナトリウムと反応させることによ
り、X-が水酸化イオンである化5または化6を容易に
製造することができる。
について具体的に例示すれば次のとおりである。R1、
R2、R3、R4はメチル基、エチル基等のアルキル基で
あり、好ましくはメチル基である。X-としては、フッ
素、塩素等のハロゲンイオン、または水酸化イオンであ
る。中でも塩素イオンが好ましい。尚、水酸化イオンの
化5、化6を製造するには、化5では第3級ジアミン、
化6においてはジメチルアミンとエピハロヒドリンを反
応させた後、水酸化ナトリウムと反応させることによ
り、X-が水酸化イオンである化5または化6を容易に
製造することができる。
【0014】上記抗菌性マクロモノマー成分は、様々な
細菌類に対して有効な抗菌性を示すが、この傾向は、他
のモノマー成分と共重合しても変わることはない。ま
た、この抗菌性マクロモノマー成分は、分子鎖上に複数
の重合性官能基を有しているため、架橋剤としての機能
を有している。そのため、この抗菌性マクロモノマーを
使用して抗菌性樹脂を合成した場合にはマクロモノマー
が架橋剤として作用し樹脂の一成分となり樹脂に固定化
されるため、分解による影響を受けにくく、抗菌性成分
の溶出を防ぐことができる。
細菌類に対して有効な抗菌性を示すが、この傾向は、他
のモノマー成分と共重合しても変わることはない。ま
た、この抗菌性マクロモノマー成分は、分子鎖上に複数
の重合性官能基を有しているため、架橋剤としての機能
を有している。そのため、この抗菌性マクロモノマーを
使用して抗菌性樹脂を合成した場合にはマクロモノマー
が架橋剤として作用し樹脂の一成分となり樹脂に固定化
されるため、分解による影響を受けにくく、抗菌性成分
の溶出を防ぐことができる。
【0015】上記抗菌性マクロモノマーの合成方法は、
アイオネン型ポリマー水溶液に対して、水溶性アルカリ
物質、例えば水酸化ナトリウム、アミン、アンモニアの
存在下で塩化(メタ)アクリロイルを所定量、即ち塩化
(メタ)アクリロイルをアイオネン型ポリマー中の水酸
基に対して好ましくは25mol%以上添加する。特に
好ましくは50mol%以上である。25mol%未満
では後に反応させるモノマーとの官能基が少なく本発明
の目的とする水不溶性樹脂を形成することが困難となる
場合がある。また、樹脂の網目構造を発達させ、抗菌持
続性を向上せしめる観点からも塩化(メタ)アクリロイ
ルの添加量は50mol%以上が好ましい。
アイオネン型ポリマー水溶液に対して、水溶性アルカリ
物質、例えば水酸化ナトリウム、アミン、アンモニアの
存在下で塩化(メタ)アクリロイルを所定量、即ち塩化
(メタ)アクリロイルをアイオネン型ポリマー中の水酸
基に対して好ましくは25mol%以上添加する。特に
好ましくは50mol%以上である。25mol%未満
では後に反応させるモノマーとの官能基が少なく本発明
の目的とする水不溶性樹脂を形成することが困難となる
場合がある。また、樹脂の網目構造を発達させ、抗菌持
続性を向上せしめる観点からも塩化(メタ)アクリロイ
ルの添加量は50mol%以上が好ましい。
【0016】上記の抗菌性マクロモノマー成分と共重合
し、且つ重合後水不溶性樹脂を形成するモノマー成分と
しては、例えば、(メタ)アクリルアミド及びその誘導
体であるN,N'-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N'-
ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピルアク
リルアミド等、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-
ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸フェニル、
(メタ)アクリル酸トリエタノールアミン等の(メタ)
アクリル酸エステル等のノニオン性モノマーが挙げられ
る。特に、これらのうち望ましいモノマーは、上記抗菌
性マクロモノマー成分との共重合反応性が優れている、
アクリルアミド及びその誘導体である。
し、且つ重合後水不溶性樹脂を形成するモノマー成分と
しては、例えば、(メタ)アクリルアミド及びその誘導
体であるN,N'-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N'-
ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピルアク
リルアミド等、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-
ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸フェニル、
(メタ)アクリル酸トリエタノールアミン等の(メタ)
アクリル酸エステル等のノニオン性モノマーが挙げられ
る。特に、これらのうち望ましいモノマーは、上記抗菌
性マクロモノマー成分との共重合反応性が優れている、
アクリルアミド及びその誘導体である。
【0017】本発明の特徴の一つは高吸水性で、しかも
抗菌性を有する水不溶性樹脂を得ることにあり、その目
的は共重合モノマー成分の一部に塩化トリメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、アクリルアミドプロピル
ベンジルジメチルアンモニウムクロライド等のカチオン
性モノマーを使用することにより、更に良く達成するこ
とができる。しかして、その使用量は抗菌性樹脂中に5
〜25重量%の範囲で含まれていることが望ましい。2
5重量%を上回ると水不溶性抗菌性樹脂を得ることが困
難となる。好ましくは10〜15重量%である。
抗菌性を有する水不溶性樹脂を得ることにあり、その目
的は共重合モノマー成分の一部に塩化トリメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、アクリルアミドプロピル
ベンジルジメチルアンモニウムクロライド等のカチオン
性モノマーを使用することにより、更に良く達成するこ
とができる。しかして、その使用量は抗菌性樹脂中に5
〜25重量%の範囲で含まれていることが望ましい。2
5重量%を上回ると水不溶性抗菌性樹脂を得ることが困
難となる。好ましくは10〜15重量%である。
【0018】本発明の抗菌性樹脂中の抗菌性マクロモノ
マー成分の含量は、得られる樹脂の物性や使用目的によ
り異なり、所望する抗菌性能に対し適宜決定すればよ
い。しかし、多くの場合、抗菌性マクロモノマー成分
が、50重量%未満であると、抗菌効果が小さくなり好
ましくない。
マー成分の含量は、得られる樹脂の物性や使用目的によ
り異なり、所望する抗菌性能に対し適宜決定すればよ
い。しかし、多くの場合、抗菌性マクロモノマー成分
が、50重量%未満であると、抗菌効果が小さくなり好
ましくない。
【0019】更に、本発明の抗菌性樹脂の合成において
は、前記モノマー類の共重合に際し必要に応じ架橋剤を
添加することもできる。架橋剤としては、メチレンビス
(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル等が挙げられる。これら架橋剤の添加量は、本発
明の抗菌性樹脂中に、1.0重量%以下、好ましくは
0.1〜0.5重量%である。
は、前記モノマー類の共重合に際し必要に応じ架橋剤を
添加することもできる。架橋剤としては、メチレンビス
(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル等が挙げられる。これら架橋剤の添加量は、本発
明の抗菌性樹脂中に、1.0重量%以下、好ましくは
0.1〜0.5重量%である。
【0020】本発明の抗菌性樹脂を製造するに際して
は、ラジカル重合触媒を用いればよいが、ラジカル触媒
としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過
硫酸塩、過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物の
ラジカル重合触媒、これらと亜硫酸水素ナトリウム、亜
硫酸アンモニウム等の還元剤との組み合わせによるレド
ックス系開始剤を用いることもできる。
は、ラジカル重合触媒を用いればよいが、ラジカル触媒
としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過
硫酸塩、過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物の
ラジカル重合触媒、これらと亜硫酸水素ナトリウム、亜
硫酸アンモニウム等の還元剤との組み合わせによるレド
ックス系開始剤を用いることもできる。
【0021】重合溶媒としては、水が好ましいが、使用
するモノマーの種類により、メタノール、エタノール等
の有機溶媒を混合して用いることもできる。本発明にお
ける重合条件は、各原料、使用割合によって異なるが、
重合温度は0〜100℃、好ましくは30〜80℃、重
合時間は、1〜20時間、好ましくは、5〜10時間で
ある。重合終了後、必要に応じて精製、乾燥、粉砕処理
を行えば、本発明の抗菌性樹脂が得られる。
するモノマーの種類により、メタノール、エタノール等
の有機溶媒を混合して用いることもできる。本発明にお
ける重合条件は、各原料、使用割合によって異なるが、
重合温度は0〜100℃、好ましくは30〜80℃、重
合時間は、1〜20時間、好ましくは、5〜10時間で
ある。重合終了後、必要に応じて精製、乾燥、粉砕処理
を行えば、本発明の抗菌性樹脂が得られる。
【0022】このようにして得られた本発明抗菌性樹脂
は抗菌性マクロモノマーが高い親水性を有するため、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、N,N'-ジメチルアク
リルアミド、N,N'-ジエチルアクリルアミド、N-イソプ
ロピルアクリルアミド等の親水性モノマーと重合させた
場合高い吸水性を示す。これに加えてカチオン性モノマ
ーを併用した場合、吸水性は更に向上する。従って本発
明の抗菌性樹脂は抗菌性マクロモノマーと共重合させる
モノマーの選択により非吸水性の樹脂は勿論、高い吸水
性を有する樹脂も製造することができる。
は抗菌性マクロモノマーが高い親水性を有するため、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、N,N'-ジメチルアク
リルアミド、N,N'-ジエチルアクリルアミド、N-イソプ
ロピルアクリルアミド等の親水性モノマーと重合させた
場合高い吸水性を示す。これに加えてカチオン性モノマ
ーを併用した場合、吸水性は更に向上する。従って本発
明の抗菌性樹脂は抗菌性マクロモノマーと共重合させる
モノマーの選択により非吸水性の樹脂は勿論、高い吸水
性を有する樹脂も製造することができる。
【0023】また、本発明の抗菌性樹脂は、その使用目
的に応じ、無定型粉末状、球形粒状粉体、薄膜状等種々
の形状にすることができる。以下に本発明の実施例を記
し、更に本発明を詳細に説明する。但し%は特に断らな
い限り重量%を示す。
的に応じ、無定型粉末状、球形粒状粉体、薄膜状等種々
の形状にすることができる。以下に本発明の実施例を記
し、更に本発明を詳細に説明する。但し%は特に断らな
い限り重量%を示す。
【0024】
(1)<アイオネン型ポリマーの製造> 本発明で使用するアイオネン型ポリマーは、化5につい
てはN,N,N',N'-テトラメチル1,6-ヘキサジアミン(98
%)24.1gと蒸留水29.1gを混合し、攪拌(80
0rpm)下氷水浴中で塩酸(36%)28.5gを滴下し
た。30分間攪拌し液温を25℃に保ち、エヒ゜クロロヒト゛リン
26.2gを滴下した。70℃に昇温して30分間反応
させ、粘度平均分子量9,000のアイオネン型ポリマーを
製造した。また、化6についてはジメチルアミン(50
%、和光純薬(株)製)30.1gと蒸留水7.5gとを
混合、攪拌(800rpm)下、氷水浴中でエピクロロヒドリ
ン(99%、和光純薬(株)製)30.9gを滴下した。
50℃に昇温して8時間反応させ、粘度平均分子量5,00
0のアイオネン型ポリマーを製造した。また、本発明の
アイオネン型ポリマーは特開平9−2520号公報に技
術開示されている方法を用いて容易に作成することがで
きる。
てはN,N,N',N'-テトラメチル1,6-ヘキサジアミン(98
%)24.1gと蒸留水29.1gを混合し、攪拌(80
0rpm)下氷水浴中で塩酸(36%)28.5gを滴下し
た。30分間攪拌し液温を25℃に保ち、エヒ゜クロロヒト゛リン
26.2gを滴下した。70℃に昇温して30分間反応
させ、粘度平均分子量9,000のアイオネン型ポリマーを
製造した。また、化6についてはジメチルアミン(50
%、和光純薬(株)製)30.1gと蒸留水7.5gとを
混合、攪拌(800rpm)下、氷水浴中でエピクロロヒドリ
ン(99%、和光純薬(株)製)30.9gを滴下した。
50℃に昇温して8時間反応させ、粘度平均分子量5,00
0のアイオネン型ポリマーを製造した。また、本発明の
アイオネン型ポリマーは特開平9−2520号公報に技
術開示されている方法を用いて容易に作成することがで
きる。
【0025】(2)<抗菌性マクロモノマーの製造> 上記(1)の方法で作成したアイオネン型ポリマー(化
5、m=6、粘度平均分子量は9,000)を25.0
g、水酸化ナトリウム(関東化学(株)製、特級)4.1
gを採取して蒸留水に溶解させ、更に9.18gの塩化
アクリロイル(和光純薬(株)製、98%)を滴下した。
液温が10℃以下を保つように外部を冷却しながら約2
時間攪拌した。反応終了後、濃塩酸を添加してpH2.
0とした後大量のアセトン中に注いで反応生成物を析出
させた。析出物を採取し、真空乾燥させた。このときア
イオネン型ポリマー中に導入されたアクリロイル基は、
原料のアイオネン型ポリマー中の水酸基に対して100
mol%であった。この抗菌性マクロモノマーを(A−
100)とする。塩化アクリロイルの添加量を変えて同
様の操作を行うことにより、アクリロイル基の導入量
が、50mol%である抗菌性マクロモノマー(A−5
0)を作成した。アイオネン型ポリマー(化6、粘度平
均分子量5,000)についても同様の操作を行い、抗
菌性マクロモノマー(B−100)(B−50)を得
た。
5、m=6、粘度平均分子量は9,000)を25.0
g、水酸化ナトリウム(関東化学(株)製、特級)4.1
gを採取して蒸留水に溶解させ、更に9.18gの塩化
アクリロイル(和光純薬(株)製、98%)を滴下した。
液温が10℃以下を保つように外部を冷却しながら約2
時間攪拌した。反応終了後、濃塩酸を添加してpH2.
0とした後大量のアセトン中に注いで反応生成物を析出
させた。析出物を採取し、真空乾燥させた。このときア
イオネン型ポリマー中に導入されたアクリロイル基は、
原料のアイオネン型ポリマー中の水酸基に対して100
mol%であった。この抗菌性マクロモノマーを(A−
100)とする。塩化アクリロイルの添加量を変えて同
様の操作を行うことにより、アクリロイル基の導入量
が、50mol%である抗菌性マクロモノマー(A−5
0)を作成した。アイオネン型ポリマー(化6、粘度平
均分子量5,000)についても同様の操作を行い、抗
菌性マクロモノマー(B−100)(B−50)を得
た。
【0026】(3)<吸水倍率試験> 樹脂1gを脱イオン水1L中に24時間浸漬した後、ろ
過し、10分間水切りを行った後、ろ紙上に存在する吸
水ゲルの重量を測定し下記の計算式により求めた。 吸水倍率=吸水ゲル(g)/乾燥ゲル(g)
過し、10分間水切りを行った後、ろ紙上に存在する吸
水ゲルの重量を測定し下記の計算式により求めた。 吸水倍率=吸水ゲル(g)/乾燥ゲル(g)
【0027】(4)<抗菌性樹脂の製造> (実施例1)蒸留水14.1gに上記の操作で合成した
抗菌性マクロモノマー(A−100)を10.0g、ア
クリルアミド(三井東圧化学(株)製、40%)4.5g
を溶解し28.6gとする。これに1.0重量%の過硫
酸カリウム水溶液0.5mlを添加し、80℃で8時間
反応させた。蒸留水500mlで3回洗浄した後、水不
溶性の抗菌性樹脂11.6gを得た。この抗菌性樹脂を
(C−1)とする。 (実施例2)抗菌性マクロモノマー(A−50)を使用
して、実施例1と同様の操作をおこない、抗菌性樹脂
(C−2)を得た。尚、この抗菌性樹脂の吸水倍率は2
63であった。 (実施例3)蒸留水12.6gに抗菌性マクロモノマー
(A−100)10.0g、アクリルアミド(40%)
2.0gを溶解し、24.6gとする。これに1.0重
量%の過硫酸カリウム水溶液0.45mlを添加し、8
0℃で8時間反応させた。蒸留水500mlで3回洗浄
した後、水不溶性の抗菌性樹脂10.3gを得た。この
抗菌性樹脂(C−3)とする。
抗菌性マクロモノマー(A−100)を10.0g、ア
クリルアミド(三井東圧化学(株)製、40%)4.5g
を溶解し28.6gとする。これに1.0重量%の過硫
酸カリウム水溶液0.5mlを添加し、80℃で8時間
反応させた。蒸留水500mlで3回洗浄した後、水不
溶性の抗菌性樹脂11.6gを得た。この抗菌性樹脂を
(C−1)とする。 (実施例2)抗菌性マクロモノマー(A−50)を使用
して、実施例1と同様の操作をおこない、抗菌性樹脂
(C−2)を得た。尚、この抗菌性樹脂の吸水倍率は2
63であった。 (実施例3)蒸留水12.6gに抗菌性マクロモノマー
(A−100)10.0g、アクリルアミド(40%)
2.0gを溶解し、24.6gとする。これに1.0重
量%の過硫酸カリウム水溶液0.45mlを添加し、8
0℃で8時間反応させた。蒸留水500mlで3回洗浄
した後、水不溶性の抗菌性樹脂10.3gを得た。この
抗菌性樹脂(C−3)とする。
【0028】(実施例4)蒸留水11.2gに抗菌性マ
クロモノマー(A−100)10.0g、アクリルアミ
ド(40%)9.2gを溶解し、30.4gとする。こ
れに1.0重量%の過硫酸カリウム水溶液0.6mlを
添加し、80℃で8時間反応させた。蒸留水500ml
で3回洗浄した後、水不溶性の抗菌性樹脂12.0gを
得た。この抗菌性樹脂を(C−4)とする。 (実施例5)蒸留水26.3gに抗菌性マクロモノマー
(A−100)10.0g、アクリルアミド(40%)
18.5gを溶解し、54.8gとする。これに1.0
重量%の過硫酸カリウム水溶液0.7mlを添加し、8
0℃で8時間反応させた。蒸留水500mlで3回洗浄
した後、水不溶性の抗菌性樹脂14.5gを得た。この
抗菌性樹脂を(C−5)とする。尚、この抗菌性樹脂の
吸水倍率は190であった。 (実施例6)抗菌性マクロモノマー(A−100)1
0.0g、アクリルアミド(40%)3.8g、アクリ
ル酸メチル(和光純薬(株)製、特級、95.5%)0.
36%を蒸留水に溶解し、25.8gとする。これに
1.0重量%の過硫酸カリウム水溶液0.7mlを添加
し、80℃で8時間反応させた。蒸留水500mlで3
回洗浄した後、水不溶性の抗菌性樹脂12.5gを得
た。この抗菌性樹脂を(D−1)とする。尚、この抗菌
性樹脂の吸水倍率は77であった。
クロモノマー(A−100)10.0g、アクリルアミ
ド(40%)9.2gを溶解し、30.4gとする。こ
れに1.0重量%の過硫酸カリウム水溶液0.6mlを
添加し、80℃で8時間反応させた。蒸留水500ml
で3回洗浄した後、水不溶性の抗菌性樹脂12.0gを
得た。この抗菌性樹脂を(C−4)とする。 (実施例5)蒸留水26.3gに抗菌性マクロモノマー
(A−100)10.0g、アクリルアミド(40%)
18.5gを溶解し、54.8gとする。これに1.0
重量%の過硫酸カリウム水溶液0.7mlを添加し、8
0℃で8時間反応させた。蒸留水500mlで3回洗浄
した後、水不溶性の抗菌性樹脂14.5gを得た。この
抗菌性樹脂を(C−5)とする。尚、この抗菌性樹脂の
吸水倍率は190であった。 (実施例6)抗菌性マクロモノマー(A−100)1
0.0g、アクリルアミド(40%)3.8g、アクリ
ル酸メチル(和光純薬(株)製、特級、95.5%)0.
36%を蒸留水に溶解し、25.8gとする。これに
1.0重量%の過硫酸カリウム水溶液0.7mlを添加
し、80℃で8時間反応させた。蒸留水500mlで3
回洗浄した後、水不溶性の抗菌性樹脂12.5gを得
た。この抗菌性樹脂を(D−1)とする。尚、この抗菌
性樹脂の吸水倍率は77であった。
【0029】(実施例7)蒸留水21.5gに抗菌性マ
クロモノマー(A−100)10.0g、アクリルアミ
ド(40%)13.3gアクリロイルオキシエチルトリ
メチルアンモニウムクロライド(80%)13.3gを
溶解し、44.8gとする。これに1.0重量%の過硫
酸カリウム水溶液0.7mlを添加し、80℃で8時間
反応させた。蒸留水500mlで3回洗浄した後、水溶
液の抗菌性樹脂14.5gを得た。この抗菌性樹脂を
(E−1)とする。尚、この抗菌性樹脂の吸水倍率は3
75であった。 (実施例8)蒸留水17.7gに抗菌性マクロモノマー
(B−100)10.0g、アクリルアミド(40%)
7.3gを溶解し、35.0gとする。これに1.0重
量%の過硫酸カリウム水溶液0.7mlを添加し、80
℃で8時間反応させた。蒸留水500mlで3回洗浄し
た後、水不溶性の抗菌性樹脂17.0gを得た。この抗
菌性樹脂を(F−1)とする。 (実施例9)抗菌性マクロモノマー(B−50)を使用
して、実施例8と同様の操作を行い、抗菌性樹脂(F−
2)を得た。
クロモノマー(A−100)10.0g、アクリルアミ
ド(40%)13.3gアクリロイルオキシエチルトリ
メチルアンモニウムクロライド(80%)13.3gを
溶解し、44.8gとする。これに1.0重量%の過硫
酸カリウム水溶液0.7mlを添加し、80℃で8時間
反応させた。蒸留水500mlで3回洗浄した後、水溶
液の抗菌性樹脂14.5gを得た。この抗菌性樹脂を
(E−1)とする。尚、この抗菌性樹脂の吸水倍率は3
75であった。 (実施例8)蒸留水17.7gに抗菌性マクロモノマー
(B−100)10.0g、アクリルアミド(40%)
7.3gを溶解し、35.0gとする。これに1.0重
量%の過硫酸カリウム水溶液0.7mlを添加し、80
℃で8時間反応させた。蒸留水500mlで3回洗浄し
た後、水不溶性の抗菌性樹脂17.0gを得た。この抗
菌性樹脂を(F−1)とする。 (実施例9)抗菌性マクロモノマー(B−50)を使用
して、実施例8と同様の操作を行い、抗菌性樹脂(F−
2)を得た。
【0030】(実施例10)抗菌性マクロモノマー(A
−100)10.0g、アクリルアミド(40%)5
8.3gを蒸留水に溶解し、70.5gとする。これに
1.0重量%の過硫酸カリウム水溶液1.3mlを溶解
し、80℃で8時間反応させた。蒸留水500mlで3
回洗浄した後、水不溶性の抗菌性樹脂32.0gを得
た。この抗菌性樹脂を(G−1)とする。 (実施例11)抗菌性マクロモノマー(B−100)1
0.0g、アクリルアミド(40%)58.3gを蒸留
水に溶解し、70.5gとする。1.0重量%の過硫酸
カリウム水溶液1.3mlを添加し、80℃で8時間反
応させた。蒸留水500mlで3回洗浄した後、水不溶
性の抗菌性樹脂31.5gを得た。この抗菌性樹脂を
(G−2)とする。 (比較例1)アクリルアミド(40%)10.0gとメ
チレンビスアクリルアミド5.4mgを蒸留水に溶解
し、20.0gとする。1.0重量%の過硫酸カリウム
水溶液1.3mlを添加し、80℃で8時間反応させて
水不溶性の樹脂3.7gを得た。これを(H−1)とす
る。
−100)10.0g、アクリルアミド(40%)5
8.3gを蒸留水に溶解し、70.5gとする。これに
1.0重量%の過硫酸カリウム水溶液1.3mlを溶解
し、80℃で8時間反応させた。蒸留水500mlで3
回洗浄した後、水不溶性の抗菌性樹脂32.0gを得
た。この抗菌性樹脂を(G−1)とする。 (実施例11)抗菌性マクロモノマー(B−100)1
0.0g、アクリルアミド(40%)58.3gを蒸留
水に溶解し、70.5gとする。1.0重量%の過硫酸
カリウム水溶液1.3mlを添加し、80℃で8時間反
応させた。蒸留水500mlで3回洗浄した後、水不溶
性の抗菌性樹脂31.5gを得た。この抗菌性樹脂を
(G−2)とする。 (比較例1)アクリルアミド(40%)10.0gとメ
チレンビスアクリルアミド5.4mgを蒸留水に溶解
し、20.0gとする。1.0重量%の過硫酸カリウム
水溶液1.3mlを添加し、80℃で8時間反応させて
水不溶性の樹脂3.7gを得た。これを(H−1)とす
る。
【0031】(4)<抗菌性評価試験> グラム陽性菌の代表として黄色ブドウ状球菌(Staphylo
coccus aureus)、枯草菌(Bacillus subtilis)およ
びグラム陰性菌の代表として大腸菌(Escherichia col
i)を用いて、各実施例において得られた抗菌性樹脂を
作用させた。得られた抗菌活性の結果を表1、表2、表
3に示す。尚、抗菌活性の評価は、0.05gの抗菌性
樹脂を添加した肉エキス培地(5ml)に、各菌懸濁液
(107cells/g)を0.05ml添加したものを各2連
ずつ調製し、30℃で2日間及び7日間培養した後の菌
の生育状態を観察することにより行った。
coccus aureus)、枯草菌(Bacillus subtilis)およ
びグラム陰性菌の代表として大腸菌(Escherichia col
i)を用いて、各実施例において得られた抗菌性樹脂を
作用させた。得られた抗菌活性の結果を表1、表2、表
3に示す。尚、抗菌活性の評価は、0.05gの抗菌性
樹脂を添加した肉エキス培地(5ml)に、各菌懸濁液
(107cells/g)を0.05ml添加したものを各2連
ずつ調製し、30℃で2日間及び7日間培養した後の菌
の生育状態を観察することにより行った。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】 (上記表1、表2、表3の抗菌性評価試験は菌類の生育
が −:全く認められなかった ±:わずかに認められ
た +:少し生育した ++:よく生育した を表す。)
が −:全く認められなかった ±:わずかに認められ
た +:少し生育した ++:よく生育した を表す。)
【0035】以上の表1、表2、表3から明らかなよう
に、本発明の抗菌性マクロモノマー成分と、該抗菌性マ
クロモノマー成分と共重合可能で、かつ重合後水不溶性
樹脂を形成し得るモノマー成分とを主構成単位とする抗
菌性樹脂は、各種菌類に対して優れた抗菌効果を有し且
つ抗菌効果の持続性にも優れている。また、抗菌性マク
ロモノマー成分が抗菌性樹脂全体の50重量%以上のと
きが特に抗菌効果が優れていることが判る。
に、本発明の抗菌性マクロモノマー成分と、該抗菌性マ
クロモノマー成分と共重合可能で、かつ重合後水不溶性
樹脂を形成し得るモノマー成分とを主構成単位とする抗
菌性樹脂は、各種菌類に対して優れた抗菌効果を有し且
つ抗菌効果の持続性にも優れている。また、抗菌性マク
ロモノマー成分が抗菌性樹脂全体の50重量%以上のと
きが特に抗菌効果が優れていることが判る。
【0036】
【発明の効果】本発明の、抗菌性マクロモノマー成分
と、該抗菌性マクロモノマー成分と共重合可能で、かつ
重合後水不溶性樹脂を形成し得るモノマー成分とを主構
成単位とする抗菌性樹脂は、従来の抗菌性樹脂のように
光などによる変色や、抗菌成分の溶出による抗菌活性の
低下等の問題が無く、菌類に対して極めて優れた抗菌効
果を有し且つ抗菌効果の持続性にも特に優れた実用的な
抗菌剤である。
と、該抗菌性マクロモノマー成分と共重合可能で、かつ
重合後水不溶性樹脂を形成し得るモノマー成分とを主構
成単位とする抗菌性樹脂は、従来の抗菌性樹脂のように
光などによる変色や、抗菌成分の溶出による抗菌活性の
低下等の問題が無く、菌類に対して極めて優れた抗菌効
果を有し且つ抗菌効果の持続性にも特に優れた実用的な
抗菌剤である。
【0037】更に、本発明の抗菌性樹脂は、カチオン性
モノマーを含ませることにより、更に高吸水性の抗菌性
樹脂を得ることができるため、衛生材、食品用包装材、
吸水材、土壌保水材等に使用したとき、更にその効果を
よく発揮する。
モノマーを含ませることにより、更に高吸水性の抗菌性
樹脂を得ることができるため、衛生材、食品用包装材、
吸水材、土壌保水材等に使用したとき、更にその効果を
よく発揮する。
Claims (6)
- 【請求項1】 抗菌性マクロモノマー成分と、該抗菌性
マクロモノマー成分と共重合可能で、且つ重合後水不溶
性樹脂を形成し得るモノマー成分とを主構成単位とする
抗菌性樹脂。 - 【請求項2】 抗菌性樹脂中の抗菌性マクロモノマー成
分が50重量%以上である請求項1記載の抗菌性樹脂。 - 【請求項3】 抗菌性マクロモノマー成分が、 【化1】 または 【化2】 (但し、AはH又はCH3を表す。X-はOH-、F-、C
l-、Br-又はI-を表す。R1、R2、R3、R4はアル
キル基を表す。mは2〜10の整数である。)で示され
且つ粘度平均分子量が500〜20,000の範囲であ
る化合物からなる群より選ばれた1種または2種以上の
抗菌性マクロモノマー成分である請求項1または請求項
2記載の抗菌性樹脂。 - 【請求項4】抗菌性マクロモノマー成分と共重合可能
で、且つ重合後水不溶性樹脂を形成し得るモノマーがア
クリルアミド及びその誘導体である請求項1〜3いずれ
か1項に記載の抗菌性樹脂。 - 【請求項5】抗菌性マクロモノマー成分と、該抗菌性マ
クロモノマー成分と共重合可能で、且つ重合後水不溶性
樹脂を形成し得るモノマー成分とを主構成単位とし、且
つカチオン性モノマー成分を5〜25重量%の範囲で含
んでいる抗菌性樹脂。 - 【請求項6】カチオン性モノマー成分が塩化トリメチル
アミノエチル(メタ)アクリレートまたはアクリルアミ
ドプロピルベンジルジメチルアンモニウムクロライドで
ある請求項5記載の抗菌性樹脂。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27942897A JPH11100302A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 抗菌性樹脂 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27942897A JPH11100302A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 抗菌性樹脂 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11100302A true JPH11100302A (ja) | 1999-04-13 |
Family
ID=17610943
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27942897A Pending JPH11100302A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 抗菌性樹脂 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11100302A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017057571A1 (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | 株式会社日本触媒 | 抗菌剤 |
JP2018058813A (ja) * | 2016-05-31 | 2018-04-12 | 株式会社日本触媒 | 化粧料用防腐抗菌剤 |
-
1997
- 1997-09-26 JP JP27942897A patent/JPH11100302A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017057571A1 (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | 株式会社日本触媒 | 抗菌剤 |
JP2018058813A (ja) * | 2016-05-31 | 2018-04-12 | 株式会社日本触媒 | 化粧料用防腐抗菌剤 |
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