JPH11100302A - 抗菌性樹脂 - Google Patents

抗菌性樹脂

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JPH11100302A
JPH11100302A JP27942897A JP27942897A JPH11100302A JP H11100302 A JPH11100302 A JP H11100302A JP 27942897 A JP27942897 A JP 27942897A JP 27942897 A JP27942897 A JP 27942897A JP H11100302 A JPH11100302 A JP H11100302A
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JP
Japan
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antibacterial
resin
antimicrobial
component
macromonomer
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JP27942897A
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English (en)
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Yukari Imamura
由賀里 今村
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Taki Chemical Co Ltd
Original Assignee
Taki Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 カビ、細菌類に対して優れた抗菌作用を有
し、かつ抗菌性物質の溶出が殆ど無く抗菌の持続性にも
優れた抗菌性樹脂を得ることを目的とする。 【解決手段】 または (但し、AはH又はCH3を表す。X-はOH-、F-、C
-、Br-又はI-を表す。R1、R2、R3、R4はアル
キル基を表わす。nは2〜10の整数である。)で示さ
れ且つ粘度平均分子量が500〜20,000の範囲で
ある化合物からなる群より選ばれた1種または2種以上
の抗菌性マクロモノマー成分とこれと反応するモノマー
とを主構成単位とする抗菌性樹脂に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カビ、細菌等に対して
優れた抗菌作用を有し、かつ抗菌性物質の溶出が殆ど無
く抗菌の持続性にも優れた抗菌性樹脂に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】衛生材、農園芸用土壌保水材、食品鮮度
保持包装材、シーリング材等の広い分野で使用されてい
る吸水性樹脂は、含水状態においてその表面にカビや細
菌が繁殖しやすくなるという欠点を有している。従っ
て、たとえば吸水性樹脂を用いて製造した吸水性シート
を食品用ドリップシートとして使用した場合、鮮魚類や
肉類などから出る肉汁によりシートの表面に細菌が繁殖
し、食品の鮮度が低下したり場合によっては腐敗するた
め食品保存には大変な注意・気づかいが必要である。
【0003】そこで、このような吸水性樹脂に抗菌作用
を有する無機または有機系の化合物を配合した添加型抗
菌性吸水樹脂が提案されている。例えば、高吸水性樹脂
に銀を含む水溶性ガラスを均一に混合して抗菌性を付与
させる方法(特開平1−153748号公報)や、高吸
水性樹脂にジンク2−ピリジンチオール−1−オキサイ
ド系の抗菌剤を添加する方法(特開平5−9344号公
報)等である。
【0004】しかし、これらの方法は抗菌剤が溶出し抗
菌持続性に問題があるばかりでなく、特に食品類に使用
する場合、人体に有害である。そこでこれらの問題を解
決する方法として、抗菌性モノマーであるホスホニウム
塩モノマーを高吸水性樹脂の一成分として組入れた反応
型吸水性樹脂(特開平8−92020号)、あるいは抗
菌性成分であるリン酸エステルの第4級アンモニウム塩
をビニル共重合体の一成分として組入れた反応型抗菌性
樹脂(特開平8−245720号)が提案されている。
【0005】しかし、これらの樹脂はホスホニウム基あ
るいはリン酸エステルの第4級アンモニウム塩がポリマ
ーの側鎖についており、微生物資化により離脱する可能
性が高く依然として抗菌持続性に問題があり、例えば食
品包装材、ドリップシート等に使用した場合、食品に混
入する恐れがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
更に抗菌持続性のある樹脂について鋭意検討を重ねた結
果、本発明を完成するに至ったものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、抗菌性マクロ
モノマー成分と、該抗菌性マクロモノマー成分と共重合
可能で、かつ重合後水不溶性樹脂を形成し得るモノマー
成分とを主構成単位とする抗菌性樹脂に関する。更に、
本発明は、抗菌性樹脂中の抗菌性マクロモノマー成分が
50重量%以上である抗菌性樹脂に関する。更に、本発
明は抗菌性マクロモノマー成分が
【化3】 または
【化4】 (但し、AはH又はCH3を示す。X-はOH-、F-、C
-、Br-又はI-を表わす。R1、R2、R3、R4はア
ルキル基を表す。mは2〜10の整数である。)で示さ
れ且つ粘度平均分子量が500〜20,000である化
合物からなる群より選ばれた1種または2種以上の抗菌
性マクロモノマー成分である抗菌性樹脂に関する。
【0008】更にまた、本発明は抗菌性マクロモノマー
成分と該抗菌性マクロモノマー成分と共重合可能で、か
つ重合後水不溶性樹脂を形成し得るモノマー成分とを主
構成単位とし、且つでカチオン性モノマー成分を5〜2
5重量%の範囲で含んでいる抗菌性樹脂に関する
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の抗菌性樹脂は、前述の通
り、抗菌性マクロモノマー成分と、共重合可能で重合後
水不溶性樹脂となりうるモノマーとを共重合させて得ら
れたものである。本発明に用いる抗菌性マクロモノマー
成分を合成するために用いられるアイオネン型ポリマー
としては
【化5】 または
【化6】 (但し、X-はOH-、F-、Cl-、Br-又はI-を表
す。R1、R2、R3、R4はアルキル基を表す。mは2〜
10の整数である。)に挙げる化合物が好ましいが、抗
菌性を有し且つ塩化(メタ)アクリロイルと反応し得る
アイオネン型ポリマーであれば、これに限定されるもの
ではない。
【0010】化5のアイオネン型ポリマーは、第3級ジ
アミンとエピハロヒドリンとを反応させることにより容
易に製造することができる。アイオネン型ポリマーと
は、高分子の主鎖中に第4級アンモニウムイオンを有す
る水溶性高分子電解質である。第3級ジアミンとしては
テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレン
ジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラエチ
ルプロパンジアミン、テトラメチルブチレンジアミン、
テトラエチルブチレンジアミン、テトラメチルヘキサン
ジアミン、テトラエチルヘキサンジアミン等が挙げら
れ、特に2個のアルキル置換基を有するジアミンが良
い。化6のアイオネン型ポリマーは、ジメチルアミンと
エピハロヒドリンとを反応させることにより容易に製造
することができる。
【0011】本発明の抗菌性樹脂の成分である化1また
は化2の抗菌性マクロモノマーの粘度平均分子量は50
0〜20,000である。化5または化6のアイオネン
型ポリマーの製造方法としては、化5のアイオネン型ポ
リマーについては第3級ジアミンとエピハロヒドリンと
を混合し、30〜100℃で2〜30時間攪拌しながら
反応させればよい。30℃以下であるとアイオネン型ポ
リマーの粘度平均分子量が20,000を上回る場合が
あり、分子量調整が困難であり、100℃を上回るとア
イオネン型ポリマーの粘度平均分子量が500を下回る
場合があり、分子量調整が困難であり、且つ作業上危険
である。好ましくは反応温度が50〜70℃、反応時間
は5〜10時間である。
【0012】化6のアイオネン型ポリマーについてもジ
メチルアミンとエピハロヒドリンとを混合し30〜10
0℃で2〜30時間攪拌しながら反応させればよい。3
0℃以下であるとアイオネン型ポリマーの粘度平均分子
量が20,000を上回り、100℃以上であるとアイ
オネン型ポリマーの粘度平均分子量が500を下回り且
つ作業上危険である。好ましくは反応温度が30〜50
℃、反応時間は5〜10時間である。
【0013】上記化1、化2、化3、化4、化5、化6
について具体的に例示すれば次のとおりである。R1
2、R3、R4はメチル基、エチル基等のアルキル基で
あり、好ましくはメチル基である。X-としては、フッ
素、塩素等のハロゲンイオン、または水酸化イオンであ
る。中でも塩素イオンが好ましい。尚、水酸化イオンの
化5、化6を製造するには、化5では第3級ジアミン、
化6においてはジメチルアミンとエピハロヒドリンを反
応させた後、水酸化ナトリウムと反応させることによ
り、X-が水酸化イオンである化5または化6を容易に
製造することができる。
【0014】上記抗菌性マクロモノマー成分は、様々な
細菌類に対して有効な抗菌性を示すが、この傾向は、他
のモノマー成分と共重合しても変わることはない。ま
た、この抗菌性マクロモノマー成分は、分子鎖上に複数
の重合性官能基を有しているため、架橋剤としての機能
を有している。そのため、この抗菌性マクロモノマーを
使用して抗菌性樹脂を合成した場合にはマクロモノマー
が架橋剤として作用し樹脂の一成分となり樹脂に固定化
されるため、分解による影響を受けにくく、抗菌性成分
の溶出を防ぐことができる。
【0015】上記抗菌性マクロモノマーの合成方法は、
アイオネン型ポリマー水溶液に対して、水溶性アルカリ
物質、例えば水酸化ナトリウム、アミン、アンモニアの
存在下で塩化(メタ)アクリロイルを所定量、即ち塩化
(メタ)アクリロイルをアイオネン型ポリマー中の水酸
基に対して好ましくは25mol%以上添加する。特に
好ましくは50mol%以上である。25mol%未満
では後に反応させるモノマーとの官能基が少なく本発明
の目的とする水不溶性樹脂を形成することが困難となる
場合がある。また、樹脂の網目構造を発達させ、抗菌持
続性を向上せしめる観点からも塩化(メタ)アクリロイ
ルの添加量は50mol%以上が好ましい。
【0016】上記の抗菌性マクロモノマー成分と共重合
し、且つ重合後水不溶性樹脂を形成するモノマー成分と
しては、例えば、(メタ)アクリルアミド及びその誘導
体であるN,N'-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N'-
ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピルアク
リルアミド等、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-
ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸フェニル、
(メタ)アクリル酸トリエタノールアミン等の(メタ)
アクリル酸エステル等のノニオン性モノマーが挙げられ
る。特に、これらのうち望ましいモノマーは、上記抗菌
性マクロモノマー成分との共重合反応性が優れている、
アクリルアミド及びその誘導体である。
【0017】本発明の特徴の一つは高吸水性で、しかも
抗菌性を有する水不溶性樹脂を得ることにあり、その目
的は共重合モノマー成分の一部に塩化トリメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、アクリルアミドプロピル
ベンジルジメチルアンモニウムクロライド等のカチオン
性モノマーを使用することにより、更に良く達成するこ
とができる。しかして、その使用量は抗菌性樹脂中に5
〜25重量%の範囲で含まれていることが望ましい。2
5重量%を上回ると水不溶性抗菌性樹脂を得ることが困
難となる。好ましくは10〜15重量%である。
【0018】本発明の抗菌性樹脂中の抗菌性マクロモノ
マー成分の含量は、得られる樹脂の物性や使用目的によ
り異なり、所望する抗菌性能に対し適宜決定すればよ
い。しかし、多くの場合、抗菌性マクロモノマー成分
が、50重量%未満であると、抗菌効果が小さくなり好
ましくない。
【0019】更に、本発明の抗菌性樹脂の合成において
は、前記モノマー類の共重合に際し必要に応じ架橋剤を
添加することもできる。架橋剤としては、メチレンビス
(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル等が挙げられる。これら架橋剤の添加量は、本発
明の抗菌性樹脂中に、1.0重量%以下、好ましくは
0.1〜0.5重量%である。
【0020】本発明の抗菌性樹脂を製造するに際して
は、ラジカル重合触媒を用いればよいが、ラジカル触媒
としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過
硫酸塩、過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物の
ラジカル重合触媒、これらと亜硫酸水素ナトリウム、亜
硫酸アンモニウム等の還元剤との組み合わせによるレド
ックス系開始剤を用いることもできる。
【0021】重合溶媒としては、水が好ましいが、使用
するモノマーの種類により、メタノール、エタノール等
の有機溶媒を混合して用いることもできる。本発明にお
ける重合条件は、各原料、使用割合によって異なるが、
重合温度は0〜100℃、好ましくは30〜80℃、重
合時間は、1〜20時間、好ましくは、5〜10時間で
ある。重合終了後、必要に応じて精製、乾燥、粉砕処理
を行えば、本発明の抗菌性樹脂が得られる。
【0022】このようにして得られた本発明抗菌性樹脂
は抗菌性マクロモノマーが高い親水性を有するため、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、N,N'-ジメチルアク
リルアミド、N,N'-ジエチルアクリルアミド、N-イソプ
ロピルアクリルアミド等の親水性モノマーと重合させた
場合高い吸水性を示す。これに加えてカチオン性モノマ
ーを併用した場合、吸水性は更に向上する。従って本発
明の抗菌性樹脂は抗菌性マクロモノマーと共重合させる
モノマーの選択により非吸水性の樹脂は勿論、高い吸水
性を有する樹脂も製造することができる。
【0023】また、本発明の抗菌性樹脂は、その使用目
的に応じ、無定型粉末状、球形粒状粉体、薄膜状等種々
の形状にすることができる。以下に本発明の実施例を記
し、更に本発明を詳細に説明する。但し%は特に断らな
い限り重量%を示す。
【0024】
【実施例】
(1)<アイオネン型ポリマーの製造> 本発明で使用するアイオネン型ポリマーは、化5につい
てはN,N,N',N'-テトラメチル1,6-ヘキサジアミン(98
%)24.1gと蒸留水29.1gを混合し、攪拌(80
0rpm)下氷水浴中で塩酸(36%)28.5gを滴下し
た。30分間攪拌し液温を25℃に保ち、エヒ゜クロロヒト゛リン
26.2gを滴下した。70℃に昇温して30分間反応
させ、粘度平均分子量9,000のアイオネン型ポリマーを
製造した。また、化6についてはジメチルアミン(50
%、和光純薬(株)製)30.1gと蒸留水7.5gとを
混合、攪拌(800rpm)下、氷水浴中でエピクロロヒドリ
ン(99%、和光純薬(株)製)30.9gを滴下した。
50℃に昇温して8時間反応させ、粘度平均分子量5,00
0のアイオネン型ポリマーを製造した。また、本発明の
アイオネン型ポリマーは特開平9−2520号公報に技
術開示されている方法を用いて容易に作成することがで
きる。
【0025】(2)<抗菌性マクロモノマーの製造> 上記(1)の方法で作成したアイオネン型ポリマー(化
5、m=6、粘度平均分子量は9,000)を25.0
g、水酸化ナトリウム(関東化学(株)製、特級)4.1
gを採取して蒸留水に溶解させ、更に9.18gの塩化
アクリロイル(和光純薬(株)製、98%)を滴下した。
液温が10℃以下を保つように外部を冷却しながら約2
時間攪拌した。反応終了後、濃塩酸を添加してpH2.
0とした後大量のアセトン中に注いで反応生成物を析出
させた。析出物を採取し、真空乾燥させた。このときア
イオネン型ポリマー中に導入されたアクリロイル基は、
原料のアイオネン型ポリマー中の水酸基に対して100
mol%であった。この抗菌性マクロモノマーを(A−
100)とする。塩化アクリロイルの添加量を変えて同
様の操作を行うことにより、アクリロイル基の導入量
が、50mol%である抗菌性マクロモノマー(A−5
0)を作成した。アイオネン型ポリマー(化6、粘度平
均分子量5,000)についても同様の操作を行い、抗
菌性マクロモノマー(B−100)(B−50)を得
た。
【0026】(3)<吸水倍率試験> 樹脂1gを脱イオン水1L中に24時間浸漬した後、ろ
過し、10分間水切りを行った後、ろ紙上に存在する吸
水ゲルの重量を測定し下記の計算式により求めた。 吸水倍率=吸水ゲル(g)/乾燥ゲル(g)
【0027】(4)<抗菌性樹脂の製造> (実施例1)蒸留水14.1gに上記の操作で合成した
抗菌性マクロモノマー(A−100)を10.0g、ア
クリルアミド(三井東圧化学(株)製、40%)4.5g
を溶解し28.6gとする。これに1.0重量%の過硫
酸カリウム水溶液0.5mlを添加し、80℃で8時間
反応させた。蒸留水500mlで3回洗浄した後、水不
溶性の抗菌性樹脂11.6gを得た。この抗菌性樹脂を
(C−1)とする。 (実施例2)抗菌性マクロモノマー(A−50)を使用
して、実施例1と同様の操作をおこない、抗菌性樹脂
(C−2)を得た。尚、この抗菌性樹脂の吸水倍率は2
63であった。 (実施例3)蒸留水12.6gに抗菌性マクロモノマー
(A−100)10.0g、アクリルアミド(40%)
2.0gを溶解し、24.6gとする。これに1.0重
量%の過硫酸カリウム水溶液0.45mlを添加し、8
0℃で8時間反応させた。蒸留水500mlで3回洗浄
した後、水不溶性の抗菌性樹脂10.3gを得た。この
抗菌性樹脂(C−3)とする。
【0028】(実施例4)蒸留水11.2gに抗菌性マ
クロモノマー(A−100)10.0g、アクリルアミ
ド(40%)9.2gを溶解し、30.4gとする。こ
れに1.0重量%の過硫酸カリウム水溶液0.6mlを
添加し、80℃で8時間反応させた。蒸留水500ml
で3回洗浄した後、水不溶性の抗菌性樹脂12.0gを
得た。この抗菌性樹脂を(C−4)とする。 (実施例5)蒸留水26.3gに抗菌性マクロモノマー
(A−100)10.0g、アクリルアミド(40%)
18.5gを溶解し、54.8gとする。これに1.0
重量%の過硫酸カリウム水溶液0.7mlを添加し、8
0℃で8時間反応させた。蒸留水500mlで3回洗浄
した後、水不溶性の抗菌性樹脂14.5gを得た。この
抗菌性樹脂を(C−5)とする。尚、この抗菌性樹脂の
吸水倍率は190であった。 (実施例6)抗菌性マクロモノマー(A−100)1
0.0g、アクリルアミド(40%)3.8g、アクリ
ル酸メチル(和光純薬(株)製、特級、95.5%)0.
36%を蒸留水に溶解し、25.8gとする。これに
1.0重量%の過硫酸カリウム水溶液0.7mlを添加
し、80℃で8時間反応させた。蒸留水500mlで3
回洗浄した後、水不溶性の抗菌性樹脂12.5gを得
た。この抗菌性樹脂を(D−1)とする。尚、この抗菌
性樹脂の吸水倍率は77であった。
【0029】(実施例7)蒸留水21.5gに抗菌性マ
クロモノマー(A−100)10.0g、アクリルアミ
ド(40%)13.3gアクリロイルオキシエチルトリ
メチルアンモニウムクロライド(80%)13.3gを
溶解し、44.8gとする。これに1.0重量%の過硫
酸カリウム水溶液0.7mlを添加し、80℃で8時間
反応させた。蒸留水500mlで3回洗浄した後、水溶
液の抗菌性樹脂14.5gを得た。この抗菌性樹脂を
(E−1)とする。尚、この抗菌性樹脂の吸水倍率は3
75であった。 (実施例8)蒸留水17.7gに抗菌性マクロモノマー
(B−100)10.0g、アクリルアミド(40%)
7.3gを溶解し、35.0gとする。これに1.0重
量%の過硫酸カリウム水溶液0.7mlを添加し、80
℃で8時間反応させた。蒸留水500mlで3回洗浄し
た後、水不溶性の抗菌性樹脂17.0gを得た。この抗
菌性樹脂を(F−1)とする。 (実施例9)抗菌性マクロモノマー(B−50)を使用
して、実施例8と同様の操作を行い、抗菌性樹脂(F−
2)を得た。
【0030】(実施例10)抗菌性マクロモノマー(A
−100)10.0g、アクリルアミド(40%)5
8.3gを蒸留水に溶解し、70.5gとする。これに
1.0重量%の過硫酸カリウム水溶液1.3mlを溶解
し、80℃で8時間反応させた。蒸留水500mlで3
回洗浄した後、水不溶性の抗菌性樹脂32.0gを得
た。この抗菌性樹脂を(G−1)とする。 (実施例11)抗菌性マクロモノマー(B−100)1
0.0g、アクリルアミド(40%)58.3gを蒸留
水に溶解し、70.5gとする。1.0重量%の過硫酸
カリウム水溶液1.3mlを添加し、80℃で8時間反
応させた。蒸留水500mlで3回洗浄した後、水不溶
性の抗菌性樹脂31.5gを得た。この抗菌性樹脂を
(G−2)とする。 (比較例1)アクリルアミド(40%)10.0gとメ
チレンビスアクリルアミド5.4mgを蒸留水に溶解
し、20.0gとする。1.0重量%の過硫酸カリウム
水溶液1.3mlを添加し、80℃で8時間反応させて
水不溶性の樹脂3.7gを得た。これを(H−1)とす
る。
【0031】(4)<抗菌性評価試験> グラム陽性菌の代表として黄色ブドウ状球菌(Staphylo
coccus aureus)、枯草菌(Bacillus subtilis)およ
びグラム陰性菌の代表として大腸菌(Escherichia col
i)を用いて、各実施例において得られた抗菌性樹脂を
作用させた。得られた抗菌活性の結果を表1、表2、表
3に示す。尚、抗菌活性の評価は、0.05gの抗菌性
樹脂を添加した肉エキス培地(5ml)に、各菌懸濁液
(107cells/g)を0.05ml添加したものを各2連
ずつ調製し、30℃で2日間及び7日間培養した後の菌
の生育状態を観察することにより行った。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】 (上記表1、表2、表3の抗菌性評価試験は菌類の生育
が −:全く認められなかった ±:わずかに認められ
た +:少し生育した ++:よく生育した を表す。)
【0035】以上の表1、表2、表3から明らかなよう
に、本発明の抗菌性マクロモノマー成分と、該抗菌性マ
クロモノマー成分と共重合可能で、かつ重合後水不溶性
樹脂を形成し得るモノマー成分とを主構成単位とする抗
菌性樹脂は、各種菌類に対して優れた抗菌効果を有し且
つ抗菌効果の持続性にも優れている。また、抗菌性マク
ロモノマー成分が抗菌性樹脂全体の50重量%以上のと
きが特に抗菌効果が優れていることが判る。
【0036】
【発明の効果】本発明の、抗菌性マクロモノマー成分
と、該抗菌性マクロモノマー成分と共重合可能で、かつ
重合後水不溶性樹脂を形成し得るモノマー成分とを主構
成単位とする抗菌性樹脂は、従来の抗菌性樹脂のように
光などによる変色や、抗菌成分の溶出による抗菌活性の
低下等の問題が無く、菌類に対して極めて優れた抗菌効
果を有し且つ抗菌効果の持続性にも特に優れた実用的な
抗菌剤である。
【0037】更に、本発明の抗菌性樹脂は、カチオン性
モノマーを含ませることにより、更に高吸水性の抗菌性
樹脂を得ることができるため、衛生材、食品用包装材、
吸水材、土壌保水材等に使用したとき、更にその効果を
よく発揮する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌性マクロモノマー成分と、該抗菌性
    マクロモノマー成分と共重合可能で、且つ重合後水不溶
    性樹脂を形成し得るモノマー成分とを主構成単位とする
    抗菌性樹脂。
  2. 【請求項2】 抗菌性樹脂中の抗菌性マクロモノマー成
    分が50重量%以上である請求項1記載の抗菌性樹脂。
  3. 【請求項3】 抗菌性マクロモノマー成分が、 【化1】 または 【化2】 (但し、AはH又はCH3を表す。X-はOH-、F-、C
    -、Br-又はI-を表す。R1、R2、R3、R4はアル
    キル基を表す。mは2〜10の整数である。)で示され
    且つ粘度平均分子量が500〜20,000の範囲であ
    る化合物からなる群より選ばれた1種または2種以上の
    抗菌性マクロモノマー成分である請求項1または請求項
    2記載の抗菌性樹脂。
  4. 【請求項4】抗菌性マクロモノマー成分と共重合可能
    で、且つ重合後水不溶性樹脂を形成し得るモノマーがア
    クリルアミド及びその誘導体である請求項1〜3いずれ
    か1項に記載の抗菌性樹脂。
  5. 【請求項5】抗菌性マクロモノマー成分と、該抗菌性マ
    クロモノマー成分と共重合可能で、且つ重合後水不溶性
    樹脂を形成し得るモノマー成分とを主構成単位とし、且
    つカチオン性モノマー成分を5〜25重量%の範囲で含
    んでいる抗菌性樹脂。
  6. 【請求項6】カチオン性モノマー成分が塩化トリメチル
    アミノエチル(メタ)アクリレートまたはアクリルアミ
    ドプロピルベンジルジメチルアンモニウムクロライドで
    ある請求項5記載の抗菌性樹脂。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017057571A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 株式会社日本触媒 抗菌剤
JP2018058813A (ja) * 2016-05-31 2018-04-12 株式会社日本触媒 化粧料用防腐抗菌剤

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