JPH09232881A - カレントミラー回路および信号処理回路 - Google Patents
カレントミラー回路および信号処理回路Info
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Abstract
を用いて回路を構成しても、出力電圧に依存して出力電
流に誤差が生じるのを抑えることができるカレントミラ
ー回路を得る。 【解決手段】 FET A11とA12のゲート端子同
士を接続し、FET A21のソース端子をFET A
11のドレイン端子に接続するとともに、ドレイン端子
とゲート端子とを互いに接続して電流入力端子1に接続
し、FET A22のソース端子をFET A12のド
レイン端子に接続し、ゲート端子をFETA21のゲー
ト端子に接続し、ドレイン端子を電流出力端子2に接続
することにより、カレントミラー回路を構成した。
Description
ジスタ(以下、FETと称す)を含む半導体回路、特
に、カレントミラー回路に関するものであり、そのFE
Tのドレインコンダクタンスに依存する特性を抑制でき
るようにしたものに関するものである。また、この発明
は、上記のカレントミラー回路を用いた信号処理回路に
関するものである。
示す図であり、図において、1は電流I1 を流し込むた
めの入力端子、2は電流I1 に比例した電流I2 を吸い
込むための出力端子、5は正の電源電圧VDDを印加する
ための電源端子、6は正の電源電圧VDDに対して負の電
源電圧を印加するための電源端子であり、この従来例で
はグランドGNDに接続されている。また、A11,A
12およびA13は例えばGaAs集積回路(以下、G
aAs ICと称す)を構成するエンハンスメント型M
ESFETであり、そのゲート長およびしきい値電圧V
thは互いに等しいものとする。さらに、LSは例えば単
一のまたは互いに直列に接続された複数のダイオードか
ら構成されたレベルシフト回路であり、例えばダイオー
ドの順方向電圧が0.6Vの場合、1個または2個のダ
イオードを用いてこれを構成するものである。また、Z
1 は抵抗であり、例えばこれに電流を1mA流したい場
合、200Ωないし1kΩの値に設定する。また、10
は電流I1 を流し込むための電流源である。
A11はそのドレイン端子が入力端子1に接続され、
そのソース端子が負電源印加用の電源端子6に接続さ
れ、抵抗Z1 はその一端がFET A11のゲート端子
に接続され他端が電源端子6に接続されている。FET
A13はそのドレイン端子が正電源印加用の電源端子
5に接続され、そのゲート端子がFET A11のドレ
イン端子に接続されている。また、レベルシフト回路L
Sはその高電位側がFET A13のソース端子に接続
され、その低電位側が抵抗Z1 の一端とFET A11
およびFET A12のゲート端子との結合点に接続さ
れている。また、FET A12はそのドレイン端子が
出力端子2に接続され、そのゲート端子がFET A1
1のゲート端子およびレベルシフト回路LSの低電位側
と抵抗Z1 の一端の結合点に接続され、そのソース端子
が電源端子6に接続されている。さらに、電源端子5に
は電源電圧VDDを発生する電源が、電源端子6にはグラ
ンドGNDがそれぞれ接続され、電源端子5と入力端子
1との間には電流源10が接続されている。
はそのゲートから見た入力インピーダンスが大きいた
め、電流源10からの電流I1 はFET A13のゲー
トには流れ込まず、FET A11のドレイン端子に流
れ込む。FET A11がエンハンスメント型MESF
ET(Vth>0)であり、そのドレイン電流IdsがI1
(>0)であるとそのゲート・ソース間電圧VgsがVgs
>0になるので、この間に接続された抵抗Z1 に電流が
流れ、これと同時にレベルシフト回路LSにも電流が流
れる。
は相互に直列に接続された複数のダイオードで構成され
ており、これに順方向電流が流れると一定の順方向電圧
が発生するので、FET A13のソース電位が上昇す
る。さらに、レベルシフト回路LSに電流が流れ、これ
に接続されたFET A13にドレイン電流が流れる
と、このFET A13のゲート・ソース間電圧は正で
あるので、そのゲート電位、すなわちFET A11の
ドレイン電圧も上昇する。このとき、FET A11が
飽和領域で動作するように、複数個のダイオードを直列
に接続するなどしてレベルシフト回路LSのレベルシフ
ト量を予め調整しておく。そして予めこのように設定し
ておくことにより、飽和領域(0<Vgs−Vth≦Vds)
でのFETA11のドレイン・ソース間電流Ids、つま
り入力電流I1 はFET A11のドレイン・ソース間
電圧Vds A11 をV(1) とし、ゲート・ソース間電圧を
Vgs A11 と記せば、これは以下のように示される。 I1 =K0 ・(1+λV(1) )・(Vgs A11 −Vth)2 …(1) ただし、K0 はFETのゲインパラメータ、λはチャネ
ル長変調パラメータである。FETのゲート長が等しい
場合、K0 はゲート幅に比例し、λは一定である。
が出力端子2に接続され、そのソース端子が電源端子6
に接続され、そのゲート端子が前記FET A11と抵
抗Z1 との結合点に接続されている。ここで、FET
A11とFET A12のゲート幅の比が1:m(m>
0)であり、出力端子2にFET A12が飽和領域と
なるような電圧が与えられているとすると、FET A
12のドレイン電流、つまり出力電流I2 はFET A
12のドレイン・ソース間電圧Vds A12 =V(2) およ
びゲート・ソース間電圧Vgs A12 とにより次式で表わ
される。 I2 =m・K0 ・(1+λV(2) )・(Vgs A12 −Vth)2 =m・K0 ・(1+λV(2) )・(Vgs A11 −Vth)2 =m・I1 ・(1+λV(2) )/(1+λV(1) ) …(2) 式(2) において、FETのドレインコンダクタンスGd
(=ΔIds/ΔVds)が無視できるとき、つまりλ=0
とみなせる場合、出力端子2に吸い込まれる電流I2 は I2 =m・I1 …(3) となり、FET A11とFET A12のサイズ比に
応じた電流が流れる。
レントミラー回路を定電流源として有し、入力信号を差
動増幅する差動増幅回路を有する従来の電流ドライバ回
路であり、図において、FET A1およびFET A
2はそのソース端子が互いに接続されて差動対となった
FETであり、各々のドレイン端子がこの電流ドライバ
回路の出力OUT、/OUTとなった、オープンドレイ
ン回路40となっている。また、Z2 およびZ3 はこの
電流ドライバ回路の各出力端子OUT、/OUTとグラ
ンドGND端子との間に接続された負荷抵抗である。7
は図示しない差動増幅器とその後段のレベルシフト回路
とで構成された入力バッファであり、入力信号振幅を、
オープンドレイン回路の入力,すなわちFET A1お
よびFET A2のゲート入力に必要とされる振幅まで
増幅する。そして、20はこの一対の入力を受ける入力
バッファ7およびこの入力バッファ7からの一対の出力
を受けるオープンドレイン回路40により構成された電
流ドライバ回路である。また、30は図14に示された
カレントミラー回路により構成された定電流源であり、
このカレントミラー回路の出力端子2の電圧は入力バッ
ファ7の各出力OUT、/OUTの出力レベルからFE
T A1あるいはFET A2のゲート・ソース間電圧
を差し引いたものに等しい。また、5,6はこの電流ド
ライバ回路の電源端子であり、電源端子5にはグランド
GNDを接続し、電源端子6には電源VSSの負側端子を
接続しており、この電源VSSの正側端子にはグランドG
NDを接続している。
電流源10より電流を供給すると、オープンドレイン回
路40を構成するFET A1およびFET A2のソ
ース端子には、電流I1 に比例した電流I2 が流れる。
入力バッファ7はその正相入力端子INに信号源Sig
が接続されているとともに、その逆相入力端子/INに
は基準電源VREF の負側端子が接続されており、この信
号源Sigからの入力信号を入力バッファ7で増幅する
ことにより、この信号源Sigからの入力信号と基準電
源VREF の基準電圧との大,小に応じてFET A1と
FET A2が交互にON,OFFし、このFET A
1とFET A2が交互にON,OFFすることによっ
て、上記電流I2 の電流パスが切り替わり、出力端子O
UT、/OUTからその振幅が電流I2 に等しい変調電
流が出力される。
トミラー回路において、実際のMESFETのドレイン
コンダクタンスは大きく、その回路特性に影響を及ぼ
す。図15に従来のカレントミラー回路の出力電流特性
を示す。この図15は入力電流I1 を一定にし、出力端
子V2 の電圧を変化させた場合の出力電流I2 の変化を
示している。ここでは、FET A11とFET A1
2のゲート幅の比率は1:1に設定した。図15(a) は
カレントミラー回路の各電流を示したもので、図15
(b) は入力端子1と出力端子2の電圧の関係を示してい
る。
て、一定のゲート電圧が与えられるので、I2 −V2 特
性はFET A12単体のIds−Vds特性そのものにな
る。そして、I1 =I2 (電流比=ゲート幅比)となる
のは、唯一、V1 =V2 (図中のV2b)となるときに限
られる。
は、入力電流I1 に対して、これを流し込まれるFET
A12のゲート・ソース間電圧のみを保証していたた
めに、ドレインコンダクタンスの大きい素子では出力端
子2の電圧が変動することによって、出力電流I2 に誤
差を生じるという問題があった。
電流源として有する従来のドライバ回路の場合、カレン
トミラー回路の出力端子電圧V(2) は前段の入力バッフ
ァ7の出力電圧に依存するため、出力端子電圧V(2) お
よび入力端子電圧V(1) は必ずしも一致せず、同じ基準
電流I1 に対して変調電流I2 は誤差やバラツキを含ん
でいた。図17に従来のドライバ回路におけるカレント
ミラー回路の各電流及びノード電圧及びドライバ回路の
出力電流を示す。入力信号Sigは10GHzのSIN
波とした。また、カレントミラー回路のFET A11
のゲート幅は200μm、FET A12のゲート幅は
600μmに設定した。図17(a) はノード電圧を示
す。図において、実線および破線は入力バッファ7から
の入力信号、一点鎖線はカレントミラー回路の出力端子
電圧V(2) 、すなわち図16におけるFET A12の
ドレイン電圧、点線は入力端子電圧V(1) 、すなわちF
ETA11のドレイン電圧である。図が示すようにFE
T A11のドレイン電圧V(1) とFET A12のド
レイン電圧V(2) の差は1.5V程度ある。図17(b)
はカレントミラー回路の入力電流I1 と出力電流I2 を
示す。図において、実線は入力電流I1 (=5mA)
で、破線はカレントミラー回路からの出力電流I2 を示
している。また、図17(c) はドライバ回路の出力端子
OUT,/OUTからの出力電流波形を示している。F
ET A11とFET A12のサイズ比は1:3であ
るので、理想的には出力電流I2 は5mA×3=15m
Aでなければならないが、FET A12のドレイン電
圧V(2) がFET A11のドレイン電圧V(1) より
1.5V高いために、本カレントミラー回路での出力電
流I2 は約20mA程度となっている。定電流源の電流
が大きくなったため、出力電流振幅も22mAとなり、
設定値(=15mA)との間には50%の誤差が生じて
いる。
FET A1またはFET A2とともにこれを抵抗分
割しているFET A12のドレイン・ソース間電圧が
変動するために、カレントミラー回路の出力端子2の電
圧の変化が電源電圧VSSの変化と異なるものとなり、こ
のため注入電流I1 が一定であるにもかかわらず吸い込
み電流I2 が変動し、これにより変調振幅が変動すると
いう問題があった。
に、例えば特開平7−7204号公報に示されるよう
に、電流ドライバ回路の出力振幅(例えば/OUTにお
ける出力振幅)をモニタして、その振幅の変化に応じて
入力電流I1 をコントロールするような電源電圧補償回
路を設けて、変調振幅の変動を相殺する必要があるとい
う問題点があった。
題点を解決するためになされたもので、ドレインコンダ
クタンスの大きい半導体素子を用いて回路を構成して
も、出力電圧に依存して出力電流に誤差が生じるのを抑
えることができるカレントミラー回路を得ることを目的
とする。
のの問題点を解決するためになされたもので、電源電圧
補償回路を必要とすることなく、変調振幅が変動するの
を抑えることができる信号処理回路を得ることを目的と
する。
るカレントミラー回路は、互いにゲート端子同士が接続
された第1のFETおよび第2のFETと、ソース端子
が前記第1のFETのドレイン端子に接続され、ドレイ
ン端子とゲート端子とを互いに接続して電流入力端子に
接続された第3のFETと、ソース端子が前記第2のF
ETのドレイン端子に接続され、ゲート端子が前記第3
のFETのゲート端子に接続され、ドレイン端子が電流
出力端子となる第4のFETとを備えるようにしたもの
である。
ミラー回路は、請求項1記載のカレントミラー回路にお
いて、前記第1および第2のFETのソース端子同士を
接続して負側の電源端子に接続するとともに、一端が前
記第1のFETのソース端子に他端が第1のFETのゲ
ート端子に接続された抵抗と、低電位側が前記第1のF
ETのゲート端子に接続されたレベルシフト回路と、ソ
ース端子が前記レベルシフト回路の高電位側に接続さ
れ、ゲート端子が前記第3のFETのゲート端子に接続
され、ドレイン端子が正側の電源端子に接続された第5
のFETと、前記正側の電源端子と前記電流入力端子と
の間に接続された電流源とを備えるようにしたものであ
る。
ミラー回路は、請求項1記載のカレントミラー回路にお
いて、前記第2のFETのゲート端子とグランド端子と
の間に接続されたバイパスコンデンサを備えるようにし
たものである。
ミラー回路は、請求項1記載のカレントミラー回路にお
いて、前記第4のFETのゲート端子とソース端子との
間に接続されたバイパスコンデンサを備えるようにした
ものである。
回路は、入力信号を差動増幅する差動増幅回路を有する
信号処理回路本体と、請求項1ないし4のいずれかに記
載のカレントミラー回路からなり、前記信号処理回路本
体に対し定電流を供給する定電流源とを備えるようにし
たものである。
理回路は、請求項5記載の信号処理回路において、前記
信号処理回路本体を、1対の入力を増幅する入力バッフ
ァと、この入力バッファの1対の出力を受ける,差動F
ET対を有するオープンドレイン回路とを備えたものと
し、前記定電流源により前記差動FET対を構成するF
ETの互いに接続されたソース端子に定電流を供給する
ようにしたものである。
ミラー回路は、図1によれば、エンハンスメント型ME
SFET A11のゲート端子をMESFET A12
のゲート端子に接続し、MESFET A21のソース
端子をMESFET A11のドレイン端子に接続する
ともに、MESFET A21のドレイン端子とゲート
端子とを互いに接続して電流の入力端子1に接続し、M
ESFET A22のソース端子をMESFET A1
2のドレイン端子に接続するとともに、MESFET
A22のゲート端子をMESFET A21のゲート端
子に接続し、MESFET A22のドレイン端子を電
流の出力端子2として用いるように構成したものであ
り、このような構成としたことにより、MESFET
A21が飽和領域で動作し、これに伴いMESFET
A21とゲート電位が等しいMESFET A22が飽
和領域で動作し、MESFET A21に流れる電流と
MESFET A22に流れる電流が等しくなる。この
ため、MESFET A21とA11からなるカスコー
ド回路と、MESFET A22とA12からなるカス
コード回路が等しい動作条件で動作せざるを得なくな
り、かつMESFET A11とMESFET A12
のゲート電位が等しいため、カレントミラー回路の入力
電流と出力電流が等しくなり、かつMESFET A1
1とMESFETA12のソース・ドレイン間電圧が等
しくなるので、ドレインコンダクタンスが大きい素子を
用いて回路を構成した場合に、その出力端子電圧が変化
したとしても、電流がほぼ一定であるために、出力端子
における電圧変動に強く、出力電圧に依存して出力電流
に誤差が生じるのを抑えることができる作用効果があ
る。
係るカレントミラー回路は、図1によれば、実施の形態
1に係るカレントミラー回路における,MESFET
A11とA12のソース端子同士を接続して負側の電源
端子6に接続するとともに、一端がMESFET A1
1のソース端子に他端がMESFET A11のゲート
端子に接続された抵抗Z1 と、低電位側がMESFET
A11のゲート端子に接続されたレベルシフト回路L
Sと、ソース端子がレベルシフト回路LSの高電位側に
接続され、ゲート端子がMESFET A21のゲート
端子に接続され、ドレイン端子が正側の電源端子5に接
続されたMESFET A13と、正側の電源端子5と
電流の入力端子1との間に接続された電流源10とを備
えるように構成したものであり、このような構成とした
ことにより、MESFET A11のドレイン端子とゲ
ート端子の間に電位差を発生させて、このMESFET
A11を飽和領域で動作させることができ、これによ
りMESFET A11,A12,A21,A22を全
て実際に飽和状態とすることができる。このため、ME
SFETA21とA11からなるカスコード回路と、M
ESFET A22とA12からなるカスコード回路が
等しい動作条件で動作せざるを得なくなり、MESFE
TA11とMESFET A12のゲート電位が等しい
ため、カレントミラー回路の入力電流と出力電流が等し
くなり、かつMESFET A11とMESFET A
12のソース・ドレイン間電圧が等しくなるので、ドレ
インコンダクタンスが大きい素子を用いて回路を構成し
た場合に、出力端子電圧が変化したとしても、電流がほ
ぼ一定であるために、出力端子における電圧変動に強
く、出力電圧に依存して出力電流に誤差が生じるのを実
際に抑えることができる作用効果がある。
係るカレントミラー回路は、図3によれば、実施の形態
1に係るカレントミラー回路における,MESFET
A12のゲート端子と負側の電源端子6との間にコンデ
ンサC1を接続するように構成したものであり、このよ
うな構成としたことにより、出力電流を決定するのに支
配的なMESFET A12のゲート電圧を安定化する
ことができ、入力電流が高周波ノイズを含む場合にも、
出力電流の歪みを充分に抑制することができる作用効果
がある。
係るカレントミラー回路は、図4によれば、実施の形態
1に係るカレントミラー回路における,MESFET
A22のゲート端子とソース端子との間にコンデンサC
2を接続するように構成したものであり、このような構
成としたことにより、高周波的にもFET A22のゲ
ート・ソース間電圧を一定に保つことができ、これによ
り、FET A22のドレイン電流を一定にすることが
でき、等価的にFET A12のゲート・ソース間電位
を固定することができるものであり、入力電流が変調を
受けた場合にも、出力電流の歪みを低減することができ
る作用効果がある。
係る信号処理回路は、図5,図9,図12によれば、実
施の形態1,2,3,4におけるカレントミラー回路
を、電流ドライバ回路20の定電流源30a,30b,
30cとして用いるように構成したものであり、このよ
うな構成としたことにより、変調電流はFETのドレイ
ンコンダクタンスに依存せず、ゲート幅の比だけによっ
て決まるので、制御性がよく、これを精度よく制御で
き、かつ回路の製造歩留まりが向上する。また、電源電
圧VSSの変動の際には、ノード3およびノード4におけ
る電圧の変化は電源電圧の変化にほぼ等しいのでカレン
トミラー回路の出力端子2の電圧が変化しても出力電流
は変化せず一定であり、補償回路を設ける必要がなくな
り、回路の小型化を図ることができる作用効果がある。
係る信号処理回路は、図5,図9,図12によれば、実
施の形態1,2,3,4におけるカレントミラー回路
を、入力バッファ回路7の後段に設けた、FET A
1,A2による差動対からなるオープンドレイン回路4
0の定電流源30a,30b,30cとして用いるよう
に構成したものであり、このような構成としたことによ
り、変調電流はFETのドレインコンダクタンスに依存
せず、ゲート幅の比だけによって決まるので、制御性が
よく、これを精度よく制御でき、かつ回路の製造歩留ま
りが向上する。また、電源電圧VSSの変動の際には、ノ
ード3およびノード4における電圧の変化は電源電圧の
変化にほぼ等しいのでカレントミラー回路の出力端子2
の電圧が変化しても出力電流は変化せず一定であり、補
償回路を設ける必要がなくなり、回路の小型化を図るこ
とができる作用効果がある。
レントミラー回路の一実施例を示す。図1において、1
は電流I1 を流し込むための入力端子、2は電流I1 に
比例した電流I2 を吸い込むための出力端子、5は正の
電源電圧VDDを印加するための電源端子、6は正の電源
電圧VDDに対して負の電源電圧を印加するための電源端
子であり、この実施例ではグランドGNDに接続されて
いる。また、A11,A12,A13,A21およびA
22は例えばGaAs集積回路(以下、GaAs IC
と称す)を構成するエンハンスメント型MESFETで
あり、そのゲート長およびしきい値電圧Vthは互いに等
しいものとする。さらに、LSは例えば単一のまたは互
いに直列に接続された複数のダイオードから構成された
レベルシフト回路であり、例えばダイオードの順方向電
圧が0.6Vの場合、1個または2個のダイオードを用
いるものである。また、Z1 は抵抗であり、例えばこれ
に電流を1mA流したい場合、200Ωないし1kΩに
設定する。10は電流I1 を流し込むための電流源であ
る。
長およびしきい値Vthが等しいものとする。FET A
21はそのドレイン端子とゲート端子が短絡した状態で
FET A13のゲート端子に接続されており、そのソ
ース端子がFET A11のドレイン端子に接続されて
いる。また、FET A22はそのドレイン端子が出力
端子2に接続され、そのゲート端子がFET A21の
ドレイン端子,ゲート端子およびFET A13のゲー
ト端子の結合点に接続され、そのソース端子がFET
A12のドレイン端子に接続されている。
電源端子6に接続され、抵抗Z1 はその一端がFET
A11およびFET A12のゲート端子とレベルシフ
ト回路LSの低電位側の結合点に接続され、他端が電源
端子6に接続されている。また、FET A13はその
ドレイン端子が電源端子5に接続され、そのゲート端子
がFET A21のドレイン端子,ゲート端子およびF
ET A22のゲート端子の結合点に接続されており、
レベルシフト回路LSはその高電位側がFETA13の
ソース端子に接続され、その低電位側が抵抗Z1 の一端
とFET A11およびFET A12のゲート端子と
の結合点に接続されている。また、FET A12はそ
のゲート端子がFET A11のゲート端子およびレベ
ルシフト回路LSの低電位側および抵抗Z1 の一端の結
合点に接続され、そのソース端子が負電源印加用の電源
端子6に接続されている。さらに、電源端子5には電源
電圧VDDを発生する電源を、負の電源端子6にはグラン
ドGNDをそれぞれ接続し、電源端子5と入力端子1と
の間には電流源10が接続されている。
A11とFET A12のゲート幅の比率はFET
A21とFET A22のゲート幅の比率と等しいもの
とする。FET A21はしきい値電圧が0V付近にあ
るエンハンスメント型FETであり、そのゲート・ドレ
イン間が短絡されているために、飽和領域(0<Vgs−
Vth≦Vds)で動作することになる。従って、このFE
T A21のゲート電極に接続されているFET A2
2のゲート電極にも、このFET A21と同じゲート
バイアスがかかり、飽和領域で動作することになる。
シフト回路LS,FET A13により、もともと飽和
領域で動作するように設定されており、このFET A
11のゲート電極にゲート電極が接続されているFET
A12もFET A11と同じゲートバイアスがかか
り、飽和領域で動作する。
この図2は入力電流I1 を一定にし、出力端子V2 の電
圧を変化させた場合の各部の電流および電圧の変化を示
している。ここで、FET A11のドレイン端子のノ
ードを3、FET A12のドレイン端子のノードを4
とする。また、FET A11とFET A12および
FET A21とFET A22のゲート幅比はそれぞ
れ1:1に設定したものとする。
図2(b) はノード3および4における電流の出力電圧と
の関係を示す。まず、出力端子2の端子電圧V(2) が
0.6V以下の領域では、端子電圧V(1) すなわちFE
T A22のゲート電位が端子電圧V(2) すなわちFE
T A22のドレイン電位よりも高くなり、入力電流I
1 はこのとき最もインピーダンスの小さくなるFET
A22のゲート・ドレイン間のダイオード電流として流
れることになるために、ノード3には電流I3 は流れな
い。これによりノード3の端子電圧V(3) ひいては入力
端子1の端子電圧V(1) はFETのダイオード特性にお
ける順方向電流立ち上がり電圧(図中では約0.6V)
分のオフセットが生じている。端子電圧V(1) および端
子電圧V(2 ) は出力端子2の端子電圧V(2) の上昇とと
もにしばらくオフセット電圧を保ちながら上昇し続ける
が、0.7Vを越えたあたりから、レベルシフト回路L
SとFET A13のゲート・ソース間の電圧によりF
ET A13とレベルシフト回路LSと抵抗Z1とで構
成されるパスに電流が流れ、FET A11およびFE
T A12のゲート電圧が上昇し、FET A11およ
びFET A12がオンしてインピーダンスが下がるの
で、このパスにドレイン電流が流れると同時にFET
A21およびFET A22のドレイン・ソース間にも
電流が流れはじめる。そして、出力端子2の端子電圧V
(2) が入力端子1の端子電圧V(1) と等しくなった(図
中のV(2) =V2b)とき、0<Vgs−VthかつVgs=V
dsなので、FET A22は飽和領域で動作することと
なり、上述のように、FET A21にこのFET A
22と同じゲートバイアスがかかるようになっているの
で、FET A21も飽和領域で動作することとなる。
そして、FET A22とFET A21のゲート幅が
等しいので、電流I1 と等しい電流I2 がFETA21
に流れ、この電流I1 がFET A22に流れることに
よりFET A22に発生するドレイン・ソース間電圧
と等しい電圧がFET A21のドレイン・ソース間に
発生する。そして、FET A11はFET A21に
流れる電流I1 と等しい電流を流さざるを得ず、また、
FET A12はFET A22に流れる電流I2 と等
しい電流を流さざるを得ないため、FET A11とF
ETA21で構成されるカスコード回路と、FET A
12とFET A22で構成されるカスコード回路と
は、ドレイン・ソース間電圧が等しく、しかもこれらの
ゲートバイアスが同じ、という同一の条件で動作するこ
ととなる。
ET A12,FET A21,FET A22が同一
の条件で動作することとなると、V(3) =V(4) でかつ
I1=I2 となり、かつFET A21とFET A2
1はFET A11とFETA12に対するバッファと
して動作する。
りである。即ち、図2(b) に示すように、V(2) がV2b
の状態から増加するとき、FET A22のドレインコ
ンダクタンスをGd 、またトランスコンダクタンスをG
m (=ΔIds・ΔVgs)とすると、FET A12のド
レイン電圧の変化ΔV4 は ΔV4 =(Gd /Gm )・ΔV2 と表わせる。GaAs MESFETにおいてはGd /
Gm は数十分の1〜100分の1程度なので、出力端子
電圧V(2) が変化しているにもかかわらずノード4にお
ける電圧V(4) はほとんど変化しなくなる。
図中のV2cの時)であっても、V(4 ) =V(3) であり、
I1 =I2 が成り立ち、出力端子2における電圧変動に
強く、入力電流に対しこれに正確に比例した出力電流を
流すことができる。
係るカレントミラー回路の一実施例によれば、エンハン
スメント型のMESFET A11とMESFET A
12のゲート端子同士を接続し、このMESFET A
11およびMESFET A12とゲート幅の比率が等
しいMESFET A21およびMESFET A22
を用意し、このMESFET A21のソース端子をM
ESFET A11のドレイン端子に接続するととも
に、ゲート端子とソース端子を互いに接続して電流入力
端子1に接続し、MESFET A22のソース端子を
MESFET A12のドレイン端子に接続するととも
に、ゲート端子をMESFET A21のゲート端子に
接続し、ドレイン端子を電流出力端子2に接続し、ME
SFETA11とMESFET A12のソース端子同
士を接続して負側の電源端子6に接続するとともに、M
ESFET A11のソース端子とゲート端子の間に抵
抗Z1 を接続し、MESFET A11のゲート端子に
レベルシフト回路LSの一端を接続し、MESFET
A13のソース端子にレベルシフト回路LSの他端を接
続し、ゲート端子にMESFET A21のゲート端子
を接続し、ドレイン端子を正側の電源端子5に接続し、
正側の電源端子5と電流入力端子1との間に電流源10
を接続するようにしたので、基準電流I1 と出力電流I
2 はFETのドレインコンダクタンスGd に依らず、F
ETのゲート幅のみに依存するため、従来例に比べて電
流制御性を向上できるという効果がある。さらに、この
実施例のカレントミラー回路によれば、MESFETを
2つ縦積みにしたカスコード回路により回路を構成して
いるので、出力端子電圧V(2) が変化しても電流がほぼ
一定であるため、出力端子における電圧変動に強く、入
力電流に対しこれに正確に比例した出力電流を流すこと
ができるという効果がある。
してエンハンスメント型のものを用いたが、デプレッシ
ョン型のものを用いてもよく、エンハンスメント型を用
いた場合と同様の効果を得ることができる。
のカレントミラー回路の一実施例を示す。図3におい
て、C1 はFET A12のゲート端子とグランド端子
との間に接続されたコンデンサであり、これ以外の構成
は図1に示す実施例1と同様のものである。
れる電流は一定の電流と仮定していたが、実際のICな
どでは電源ノイズの影響により入力電流I1 には高周波
成分i1 が重畳される。カレントミラー回路ではこの高
周波成分に対しても、FETのゲート幅の比率m(m>
0)だけ増幅されたi2 =m・i1 が出力電流I2 に重
畳されるので、出力電流特性に歪みを生じる。
電流I2 はFET A12のゲート電圧とドレイン電圧
によって決まっているが、FETのドレイン・ソース間
電圧の変化量(ΔVds)及びゲート・ソース間電圧の変
化量(ΔVgs)と出力電流の変化量(ΔIds)の間には
ΔIds=ドレインコンダクタンスGd ・ΔVds及びΔI
ds=トランスコンダクタンスGm ・ΔVgsの関係があ
り、Gm ≫Gd であるから出力電流ひずみに対してはこ
れら2つの電圧変動のうち、ゲート電圧の変動(Δ
Vgs)が支配的である。
ランドGNDとの間にバイパスコンデンサC1 を挿入す
ることにより、出力電流歪みを十分抑制することができ
る。
ントミラー回路の一実施例によれば、FET A12の
ゲート端子とグランドGNDとの間にバイパスコンデン
サC1 を設けるようにしたので、ゲート電圧の変動を抑
えることができ、出力電流特性に生じる歪みを抑制する
ことができる効果がある。
のカレントミラー回路の一実施例を示す。図4におい
て、C2 は一端が電流入力端子1に接続され、他端がF
ET A22のソース端子とFET A12のドレイン
端子との結合点に接続されたコンデンサであり、これ以
外の構成は図1に示す実施例1と同様のものである。
た場合に、FET A12のドレイン・ソース間電流が
一定に保たれるが、このことによりFET A22のド
レイン・ソース間電流も一定に保たれる。このことを、
FET A22に与えられている電圧で言い換えるなら
ば、FET A22のゲート・ソース間電圧が一定に保
たれているということになる。従って、FET A22
のゲート・ソース間にバイパスコンデンサC2 を設ける
ことによって、高周波的にもFET A22のゲート・
ソース間電圧を一定に保つことができ、FET A22
のドレイン電流を一定にすることができるので、等価的
にFET A12のゲート・ソース間電位を固定したこ
とに等しくなる。
電流が変調を受けた時の出力電流の歪みを低減すること
ができる。
ントミラー回路の一実施例によれば、FET A22の
ゲート端子とソース端子との間にバイパスコンデンサC
2 を設けるようにしたので、ゲート・ソース間電圧を一
定に保つことができ、出力電流特性に生じる歪みを抑え
ることができる効果がある。
6に記載の信号処理回路の一実施例を示し、これは、実
施例1によるカレントミラー回路を差動回路の定電流源
として用いたオープンドレイン型の電流ドライバ回路で
ある。
おいて電流信号を光信号に変換するレーザダイオードの
駆動回路あるいは入力電圧に応じて光の透過/吸収を切
り替える光変調器の駆動回路などに用いられる。これら
の回路では変調電流の大きさと光出力がほぼ1対1に対
応しているので、規定の平均光出力および消光比を得る
ためには変調電流を精度よく制御しなければならない。
A2はそのソース端子が互いに接続されて差動対となっ
たFETであり、各々のドレイン端子がこの電流ドライ
バ回路の出力OUT、/OUTとなった、オープンドレ
イン回路となっている。また、Z2 およびZ3 はこの電
流ドライバ回路の各出力端子OUT、/OUTとグラン
ドGND端子との間に接続された負荷抵抗である。7は
図示しない差動増幅器とその後段のレベルシフト回路と
で構成された入力バッファ回路であり、入力信号振幅を
オープンドレイン回路の入力、すなわちFET A1お
よびFET A2のゲート入力に必要とされる振幅まで
増幅する。そして、20はこの一対の入力を受ける入力
バッファ7およびこの入力バッファ7からの一対の出力
を受けるオープンドレイン回路40により構成された電
流ドライバ回路(信号処理回路本体)である。また、3
0aは図1に示されたカレントミラー回路により構成さ
れた定電流源であり、このカレントミラー回路の出力端
子2の電圧は入力バッファ7の各出力OUT、/OUT
の出力レベルからFET A1あるいはA2のゲート・
ソース間電圧を差し引いたものに等しい。また、5,6
はこの電流ドライバ回路の電源端子であり、電源端子5
にはグランドGNDを接続し、電源端子6には電源VSS
の負側端子を接続しており、この電源VSSの正側端子に
はグランドGNDを接続している。
電流源10より電流を供給すると、オープンドレイン回
路40を構成するFET A1およびFET A2のソ
ース端子には、電流I1 に比例した電流I2 が流れる。
入力バッファ7はその正相入力端子INに信号源Sig
が接続されているとともに、その逆相入力端子/INに
は基準電源VREF の負側端子が接続されており、この信
号源Sigからの入力信号を入力バッファ7で増幅する
ことにより、この信号源Sigからの入力信号と基準電
源VREF の基準電圧との大,小に応じてFET A1と
FET A2が交互にON,OFFし、このFET A
1とFET A2が交互にON,OFFすることによっ
て、上記電流I2 の電流パスが切り替わり、出力端子O
UT、/OUTからその振幅が電流I2 に等しい変調電
流が出力される。
レントミラー回路の各電流及びノード電圧、ドライバ回
路の出力電流を示す。入力信号Sigは10GHzのS
IN波とした。また、カレントミラー回路のFET A
11のゲート幅は200μm、FET A12のゲート
幅は600μmに設定した。図6(a) はノード電圧を示
す。図において、実線および破線は入力バッファ7から
の入力信号、一点鎖線はカレントミラー回路の出力端子
電圧V(2) 、2点鎖線はFET A12のドレイン電圧
V(4) 、点線はFET A11のドレイン電圧V(3) で
ある。実施例4の回路では、FET A11及びFET
A12のドレイン電圧はほぼ一致している。図6(b)
はカレントミラー回路の入力電流I1 と出力電流I2 を
示す。図において、実線は入力電流I1 (=5mA)
を、破線はカレントミラー回路からの出力電流I2 を示
している。また図6(c) はドライバ回路の出力端子OU
T,/OUTからの出力電流波形を示している。ドレイ
ン電圧V(3) 及びV(4) がほぼ等しく、カレントミラー
回路からの出力電流I2 はFET A11及びFETA
12のサイズ比(1:3)に応じて15mA出力され
る。この結果、ドライバ回路の出力電流振幅の設定値と
の誤差は数%以下にまで低減されている。
ない電流ドライバ回路と図5に示す実施例4の回路にお
ける変調電流I2 の電源電圧依存性を示す。図におい
て、実線は図5に示す回路の変調電流、点線は従来の電
流ドライバ回路の変調電流を示す。また、電流の計算値
とは基準電流I1 とFET A11とFET A12の
ゲート幅の比率で得られる値である。
とき電流I2 も約±5%変動しているにもかかわらず、
同じFETパラメータを用いた実施例2の回路では電流
I2はほぼ一定で計算値に近い値が得られる。
ラー回路内のノード電圧の変化を示したものである。図
8(b) に示すように、従来の回路では電源電圧の変化
(VSS±5%)に対してノード1(図14参照)の電圧
V(1) も電源電圧の変化分(VSS×10%)程度増減す
るので電位差(V(1) −VSS)、つまり基準FETであ
るFET A11のドレイン・ソース間電圧はほとんど
変化していない。ところが、ノード2(図14参照)の
電圧V(2) は電源電圧変動に対してほぼ一定であるか
ら、FET A12のドレイン・ソース間電圧は変化し
ている。このため、出力電流I2 が変化してしまう。
ライバ回路ではノード1の電圧は従来回路と同じく一定
であるが、FET A11及びFET A12のドレイ
ン電圧は互いに電源電圧変化分程度増減するので、これ
ら2つのドレイン・ソース間電圧は常に一定である。し
たがって、電流I1 と電流I2 の比は電源電圧変動時に
おいても一定である。
係る信号処理回路の一実施例によれば、入力バッファ7
およびオープンドレイン回路40からなる電流ドライバ
回路20の定電流源30aとして、実施例1のカレント
ミラー回路を用い、その電流出力端子をオープンドレイ
ン回路40を構成するMESFET A1およびMES
FET A2のソースに接続するようにしたので、その
変調電流はFETのドレインコンダクタンスに依存せ
ず、ゲート幅の比だけによって決まり、制御性がよく、
かつ回路の製造歩留まりを向上できる効果がある。ま
た、電源電圧VSSが変動した際には、ノード3およびノ
ード4における電圧の変化は電源電圧の変化にほぼ等し
くなるので、カレントミラー回路の出力端子2の電圧が
変化しても出力電流は変化せず一定となり、この出力端
子の電圧の変化を補償する補償回路を設ける必要がなく
なり、回路の小型化が図れるという効果がある。
6に記載の信号処理回路の他の実施例を示し、これは、
実施例2によるカレントミラー回路を差動回路の定電流
源として用いたオープンドレイン型の電流ドライバ回路
である。
ントミラー回路により構成された定電流源であり、この
カレントミラー回路の出力端子2の電圧は入力バッファ
7の各出力OUT、/OUTの出力レベルからFET
A1あるいはA2のゲート・ソース間電圧を差し引いた
ものに等しい。
A12のゲート端子とグランドGNDとの間にバイパス
コンデンサC1 が設けられており、このバイパスコンデ
ンサC1 を設けることにより、出力電流特性に生じた歪
みを抑制できる。
響により入力電流I1 には高周波成分i1 が重畳され
る。カレントミラー回路ではこの高周波成分に対して
も、FETのゲート幅の比率m(m>0)だけ増幅され
たi2 =m・i1 が出力電流I2に重畳されるので、出
力電流特性に歪みを生じる。
においてカレントミラー回路の入力電流I1 の高周波成
分が重畳されているときの各電流及びノード電圧及びド
ライバ回路の出力電流を示す。入力信号Sigは100
GHzのSIN波とした。また、カレントミラー回路の
FET A11のゲート幅は200μm、FET A1
2のゲート幅は600μmに設定した。入力電流I1は
5mA、高周波成分は±1mAで10GHzのSIN波
とした。図10(a) はFET A12のゲート電圧を示
す。入力信号I1 の高周波成分により、ゲート電圧は3
5mV程度変化している。図10(b) はカレントミラー
回路の入力電流I1 と出力電流I2 を示す。図におい
て、実線は入力電流I1 (=5±1mA)を、破線はカ
レントミラー回路からの出力電流I2 を示している。ま
た図10(c) はドライバ回路の出力端子OUT,/OU
Tからの出力電流波形を示している。カレントミラー回
路からの出力電流I2 の変動はFET A11及びFE
T A12のゲート幅の比率m(=3)に応じて±3m
A(=±1mA×3)生じており、この結果、ドライバ
回路の出力電流振幅は非対称となっている。
回路においてカレントミラー回路の入力電流I1 の高周
波成分が重畳されているときの各電流及びノード電圧及
びドライバ回路の出力電流を示す。入力信号Sigは1
0GHzのSIN波とした。また、カレントミラー回路
のFET A11のゲート幅は200μm、FETA1
2のゲート幅は600μmに設定した。入力電流I1 は
5mAで、高周波成分は±1mAである。バイパスコン
デンサC1 は40pFである。図11(a) はFET A
12のゲート電圧を示す。実施例4の回路とは異なり、
入力信号I1の高周波成分によらずゲート電圧は一定で
ある。図11(b) はカレントミラー回路の入力電流I1
と出力電流I2 を示している。図において、実線は入力
電流I1 (=5±1mA)で、破線はカレントミラー回
路からの出力電流I2 を示している。また、図11(c)
はドライバ回路の出力端子OUT,/OUTからの出力
電流波形を示している。カレントミラー回路からの出力
電流I2 の変動は1mA以下にまで低減されており、こ
の結果、ドライバ回路の出力電流振幅の対称性が大幅に
改善されている。
電流I2 はFET A12のゲート電圧とドレイン電圧
によって決まっているが、FETのドレイン・ソース間
電圧の変化量(ΔVds)及びゲート・ソース間電圧の変
化量(ΔVgs)と出力電流の変化量(ΔIds)の間には
ΔIds=ドレインコンダクタンスGd ・ΔVds及びΔI
ds=トランスコンダクタンスGm ・ΔVgsの関係があ
り、Gm ≫Gd であるから出力電流ひずみに対してはこ
れら2つの電圧変動のうち、ゲート電圧の変動(Δ
Vgs)が支配的である。
けることにより、定電流源30bは出力電流歪みを十分
抑制することができ、この定電流源30bを有する信号
処理回路は電源ノイズの影響を大幅に減少することが可
能となる。
係る信号処理回路の他の実施例によれば、定電流源30
bを構成するFET A12のゲート端子とグランドG
NDとの間にバイパスコンデンサC1 を設けるようにし
たので、ゲート電圧の変動を抑えることができ、定電流
源30bの出力電流特性に生じる歪みを抑制することが
できる。このため、この定電流源30bを有する信号処
理回路が電源ノイズにより受ける影響を大幅に軽減で
き、変調電流をより精度よく制御できる効果がある。
び6に記載の信号処理回路のさらに他の実施例を示し、
これは、実施例3によるカレントミラー回路を差動回路
の定電流源として用いたオープンドレイン型の電流ドラ
イバ回路である。
ントミラー回路により構成された定電流源であり、この
カレントミラー回路の出力端子2の電圧は入力バッファ
7の各出力OUT、/OUTの出力レベルからFET
A1あるいはFET A2のゲート・ソース間電圧を差
し引いたものに等しい。
A22のゲート端子とソース端子との間にバイパスコン
デンサC2 が設けられており、このバイパスコンデンサ
C2を設けることにより、出力電流特性に生じた歪みを
抑制できる。
ET A12にバイパスコンデンサC1 を用いたことに
よりFET A12のドレイン・ソース間電流が一定に
保たれるが、このことによりFET A22のドレイン
・ソース間電流も一定に保たれる。このことを、FET
A22に与えられている電圧で言い換えるならば、F
ET A22のゲート・ソース間電圧が一定に保たれて
いるということになる。従って、FET A22のゲー
ト・ソース間にバイパスコンデンサC2 を設けることに
よって、高周波的にもFET A22のゲート・ソース
間電圧を一定に保つことができ、FET A22のドレ
イン電流を一定にすることができるので、等価的にFE
T A12のゲート・ソース間電位を固定したことに等
しくなる。
カレントミラー回路の入力電流I1の高周波成分が重畳
されているときの各電流及びノード電圧及びドライバ回
路の出力電流を示す。入力信号Sigは10GHzのS
IN波とした。また、カレントミラー回路のFET A
11のゲート幅は200μm、FET A12のゲート
幅は600μmに設定した。入力電流I1 は5mAで、
高周波成分は±1mAである。バイパスコンデンサC2
は40pFである。図13(a) はFET A12のゲー
ト電圧を示す。入力信号I1 の高周波成分に対し、ゲー
ト電圧はほぼ一定である。図13(b) はカレントミラー
回路の入力電流I1 と出力電流I2 を示す。図におい
て、実線は入力電流I1 (=5±1mA)で、破線はカ
レントミラー回路からの出力電流I2 を示している。ま
た、図13(C) はドライバ回路の出力端子OUT,/O
UTからの出力電流波形を示している。カレントミラー
回路からの出力電流I2 の変動は低減されており、この
結果、ドライバ回路の出力電流振幅の対称性も改善され
ている。
電流が変調を受けた時の出力電流の歪みを低減すること
ができる。
けることにより、定電流源30cは出力電流歪みを十分
抑制することができ、この定電流源30cを有する信号
処理回路は電源ノイズが生じてもその影響を大幅に減少
することが可能となる。
係る信号処理回路のさらに他の実施例によれば、定電流
源30cを構成するFET A12のゲート端子とソー
ス端子との間にバイパスコンデンサC2 を設けるように
したので、ゲート電圧の変動を抑えることができ、定電
流源30cの出力電流特性に生じる歪みを抑制すること
ができる。このため、この定電流源30cを有する信号
処理回路が電源ノイズにより受ける影響を大幅に軽減で
き、変調電流をより精度よく制御できる効果がある。
るカレントミラー回路によれば、互いにゲート端子同士
が接続された第1のFETおよび第2のFETと、ソー
ス端子が前記第1のFETのドレイン端子に接続され、
ドレイン端子とゲート端子とを互いに接続して電流入力
端子に接続された第3のFETと、ソース端子が前記第
2のFETのドレイン端子に接続され、ゲート端子が前
記第3のFETのゲート端子に接続され、ドレイン端子
が電流出力端子となる第4のFETとを備えるようにし
たので、ドレインコンダクタンスが大きい素子を用いて
回路を構成した場合に、その出力端子電圧が変化したと
しても、電流がほぼ一定であるために、出力端子におけ
る電圧変動に強く、出力電圧に依存して出力電流に誤差
が生じるのを抑えることができる効果がある。
ミラー回路によれば、請求項1記載のカレントミラー回
路において、前記第1および第2のFETのソース端子
同士を接続して負側の電源端子に接続するとともに、一
端が前記第1のFETのソース端子に他端が第1のFE
Tのゲート端子に接続された抵抗と、低電位側が前記第
1のFETのゲート端子に接続されたレベルシフト回路
と、ソース端子が前記レベルシフト回路の高電位側に接
続され、ゲート端子が前記第3のFETのゲート端子に
接続され、ドレイン端子が正側の電源端子に接続された
第5のFETと、前記正側の電源端子と前記電流入力端
子との間に接続された電流源とを備えるようにしたの
で、ドレインコンダクタンスが大きい素子を用いて回路
を構成した場合に、出力端子電圧が変化したとしても、
電流がほぼ一定であるために、出力端子における電圧変
動に強く、出力電圧に依存して出力電流に誤差が生じる
のを実際に抑えることができる効果がある。
ミラー回路によれば、請求項1記載のカレントミラー回
路において、前記第2のFETのゲート端子とグランド
端子との間に接続されたバイパスコンデンサを備えるよ
うにしたので、出力電流を決定するのに支配的な第2の
FETのゲート電圧を安定化することができ、入力電流
が高周波ノイズを含む場合にも、出力電流の歪みを充分
に抑制することができる効果がある。
ミラー回路によれば、請求項1記載のカレントミラー回
路において、前記第4のFETのゲート端子とソース端
子との間に接続されたバイパスコンデンサを備えるよう
にしたので、高周波的にも第4のFETのゲート・ソー
ス間電圧を一定に保つことができ、これにより、第4の
FETのドレイン電流を一定にすることができ、等価的
に第2のFETのゲート・ソース間電位を固定すること
ができるものであり、入力電流が変調を受けた場合に
も、出力電流の歪みを低減することができる効果があ
る。
回路によれば、入力信号を差動増幅する差動増幅回路を
有する信号処理回路本体と、請求項1ないし4のいずれ
かに記載のカレントミラー回路からなり、前記信号処理
回路本体に対し定電流を供給する定電流源とを備えるよ
うにしたので、変調電流はFETのドレインコンダクタ
ンスに依存せず、ゲート幅の比だけによって決まるの
で、制御性がよく、これを精度よく制御でき、かつ回路
の製造歩留まりが向上する。また、電源電圧の変動の際
には、第1,第3のFETの接続点および第2,第4の
FETの接続点における電圧の変化は電源電圧の変化に
ほぼ等しいのでカレントミラー回路の出力端子の電圧が
変化しても出力電流は変化せず一定であり、補償回路を
設ける必要がなくなり、回路の小型化を図ることができ
る効果がある。
理回路によれば、請求項5記載の信号処理回路におい
て、前記信号処理回路本体を、1対の入力を増幅する入
力バッファと、この入力バッファの1対の出力を受け
る,差動FET対を有するオープンドレイン回路とを備
えたものとし、前記定電流源により前記差動FET対を
構成するFETの互いに接続されたソース端子に定電流
を供給するようにしたので、変調電流はFETのドレイ
ンコンダクタンスに依存せず、ゲート幅の比だけによっ
て決まるので、制御性がよく、これを精度よく制御で
き、かつ回路の製造歩留まりが向上する。また、電源電
圧の変動の際には、第1,第3のFETの接続点および
第2,第4のFETの接続点における電圧の変化は電源
電圧の変化にほぼ等しいのでカレントミラー回路の出力
端子の電圧が変化しても出力電流は変化せず一定であ
り、補償回路を設ける必要がなくなり、回路の小型化を
図ることができる効果がある。
ラー回路の一実施例を示す回路図である。
ラー回路の一実施例の直流特性を示す図である。
回路の一実施例を示す回路図である。
回路の一実施例を示す回路図である。
路の一実施例としての電流ドライバ回路を示す回路図で
ある。
路の一実施例としての電流ドライバ回路におけるカレン
トミラー回路の各電流、ノード電圧及びドライバ回路の
出力電流を示す図である。
路の一実施例としての電流ドライバ回路及び従来の電流
ドライバ回路の変調電流特性を示す図である。
路の一実施例としての電流ドライバ回路および従来の電
流ドライブ回路の各ノードにおける電圧特性を示す図で
ある。
路の他の実施例としての電流ドライバ回路を示す回路図
である。
回路の一実施例としての電流ドライバ回路の入力電流に
高周波成分が重畳されている場合のカレントミラー回路
の各電流、ノード電圧及びドライバ回路の出力電流を示
す図である。
回路の他の実施例としての電流ドライバ回路におけるカ
レントミラー回路の各電流、ノード電圧及びドライバ回
路の出力電流を示す図である。
回路のさらに他の実施例としての電流ドライバ回路を示
す回路図である。
回路のさらに他の実施例としての電流ドライバ回路にお
けるカレントミラー回路の各電流、ノード電圧及びドラ
イバ回路の出力電流を示す図である。
ある。
す図である。
の電流ドライバ回路を示す回路図である。
の電流ドライバ回路におけるカレントミラー回路の各電
流、ノード電圧及びドライバ回路の出力電流を示す図で
ある。
3,A21,A22 エンハンスメント型MESFE
T、LS レベルシフト回路、Z1 抵抗、10電流
源、C1,C2 コンデンサ、7 入力バッファ回路、
40 オープンドレイン回路、 30a,30b,30
c 定電流源、20 電流ドライバ回路。
Claims (6)
- 【請求項1】 互いにゲート端子同士が接続された第1
のFETおよび第2のFETと、 ソース端子が前記第1のFETのドレイン端子に接続さ
れ、ドレイン端子とゲート端子とを互いに接続して電流
入力端子に接続された第3のFETと、 ソース端子が前記第2のFETのドレイン端子に接続さ
れ、ゲート端子が前記第3のFETのゲート端子に接続
され、ドレイン端子が電流出力端子となる第4のFET
とを備えたことを特徴とするカレントミラー回路。 - 【請求項2】 請求項1記載のカレントミラー回路にお
いて、 前記第1のFETおよび第2のFETのソース端子同士
を接続して負側の電源端子に接続するとともに、 一端が前記第1のFETのソース端子に他端が第1のF
ETのゲート端子に接続された抵抗と、 低電位側が前記第1のFETのゲート端子に接続された
レベルシフト回路と、 ソース端子が前記レベルシフト回路の高電位側に接続さ
れ、ゲート端子が前記第3のFETのゲート端子に接続
され、ドレイン端子が正側の電源端子に接続された第5
のFETと、 前記正側の電源端子と前記電流入力端子との間に接続さ
れた電流源とを備えたことを特徴とするカレントミラー
回路。 - 【請求項3】 請求項1記載のカレントミラー回路にお
いて、 前記第2のFETのゲート端子とグランド端子との間に
接続されたバイパスコンデンサを備えたことを特徴とす
るカレントミラー回路。 - 【請求項4】 請求項1記載のカレントミラー回路にお
いて、 前記第4のFETのゲート端子とソース端子との間に接
続されたバイパスコンデンサを備えたことを特徴とする
カレントミラー回路。 - 【請求項5】 入力信号を差動増幅する差動増幅回路を
有する信号処理回路本体と、 請求項1ないし4のいずれかに記載のカレントミラー回
路からなり、前記信号処理回路本体に対しその定電流を
供給する定電流源とを備えたことを特徴とする信号処理
回路。 - 【請求項6】 請求項5記載の信号処理回路において、 前記信号処理回路本体は、1対の入力を増幅する入力バ
ッファと、 この入力バッファの1対の出力を受ける,差動FET対
を有するオープンドレイン回路とを備え、 前記定電流源は前記差動FET対を構成するFETの互
いに接続されたソース端子に定電流を供給するものであ
ることを特徴とする信号処理回路。
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-
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