JPH09229566A - 窯炉、該窯炉を使用した窯業製品の製造方法、及び窯業製品製造設備 - Google Patents

窯炉、該窯炉を使用した窯業製品の製造方法、及び窯業製品製造設備

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JPH09229566A
JPH09229566A JP3594696A JP3594696A JPH09229566A JP H09229566 A JPH09229566 A JP H09229566A JP 3594696 A JP3594696 A JP 3594696A JP 3594696 A JP3594696 A JP 3594696A JP H09229566 A JPH09229566 A JP H09229566A
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JP
Japan
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firing
box
furnace
ceramic product
fired
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Application number
JP3594696A
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English (en)
Inventor
Koji Itatsu
孝治 板津
Yukiji Taguchi
幸示 田口
Shuichi Okumura
修一 奥村
Koji Hosoe
浩司 細江
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CHIYUUNOU YOGYO KK
Original Assignee
CHIYUUNOU YOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高品質の製品を連続して製造でき、設備投資費
の低減を図る。 【解決手段】炉殻A、A、A、Aの内部に被焼
成体を収容したままの状態で、該被焼成体の予熱、焼成
及び窯業製品が燻し製品である場合には燻化、そして冷
却からなる一連の焼成工程をすべて終了する窯業製品の
製造方法において、少なくとも、ア、予め移動不能に設
備された昇温手段に向けて、炉殻A、A、A、A
を移動させ着脱自在に装着する工程。イ、予め移動不
能に設備された炉殻A、A、A、Aに向けて昇
温手段を移動させ着脱自在に装着する工程。のうちいず
れか一方の工程又はその両方の工程が含まれている、窯
業製品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,窯炉、該窯炉を使
用した窯業製品の製造方法、及び窯業製品製造設備に関
するものであり、より詳しくは、設備費が廉価であり、
必要に応じて段階的な設備拡充をすることができ、従来
の所謂トンネルキルンと同等若しくはそれ以上の生産効
率を得ることができ、かつ生産調整しても製品当りの燃
料コストの変動がほとんどなく、燻し製品を製造する際
に焼成ボックスの内側に付着する付着炭素を焼却するこ
とができ高品質の製品を連続して繰り返し製造でき、更
に、多品種多品目の窯業製品(酸化、中性、還元、及び
燻し製品)の製造に対応できる新規な窯炉、該窯炉を使
用した窯業製品の製造方法、及び窯業製品製造設備に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】窯業製品の製造は、一般に原料の混練、
成形、乾燥、焼成(燻化)、選別、梱包といった工程順
で製造される。これら工程のうち、焼成(燻化)工程に
は窯炉が用いられている。
【0003】従来の窯炉は、操炉の仕方によって一般に
不連続式(バッチ式)と呼ばれるものと連続式と呼ばれ
るものに分類され、不連続式の窯炉としては単独キル
ン、シャットルキルン、ハットキルン、リフトキルン等
に代表されるバッチ式の窯炉を例示することができる。
被焼成体を窯炉内に入れ、加熱を開始し、所要の焼成工
程を終了後、被焼成体を取り出すようになっているもの
である。連続式の窯炉としてはローラハースキルン、メ
ッシュキルン、ロータリーキルン、一般にトンネルキル
ンと呼ばれているもの等を例示することができ、このト
ンネルキルンの場合には、燃料は一定の場所で燃焼さ
れ、被焼成体は焼成用台車に積み込まれ移動しながら焼
成される。すなわち、被焼成体は、トンネルキルンに入
ると予熱ゾーンで燃焼排ガスによって予熱され、次いで
焼成ゾーンにはいり焼成される。所要の温度雰囲気で焼
成された焼成物は冷却ゾーンで冷却され、全焼成工程を
終了するようになっているものであり、現在、陶磁器や
耐火物の焼成に最もよく使用されている。
【0004】また、高温で焼成した被焼成体を燻化ボッ
クスとか燻化ゾーンと呼ばれている燻化炉の中に搬送し
た後、プロパンガスやブタンガス等に代表される炭素を
多量に含む炭化水素(燻化ガス)を、還元、強還元、及
び/又は高温の被焼成物の表面においてこの被焼成物の
表面を触媒とする接触分解させることにより、被焼成体
の表面に炭素の薄い被膜を形成することができ、例えば
燻し瓦の製造に利用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たバッチ式の窯炉にあっては、焼成工場内に設置する際
の設置スペースが少なくてレイアウトしやすく、設備費
が比較的廉価でかつ必要に応じて段階的な設備拡充が可
能であるから最初の設備投資費が安価で済み、生産調整
がしやすくかつ生産調整しても製品当りの燃料コストの
変動がほとんどないなどのメリットがある半面、バッチ
単位ですべての付帯設備を装備する必要があり、一回の
製造工程で製造できる数量が制限されるので大量生産で
きず生産効率が悪く、全自動化により省力化することが
難しいので、コスト高になるなどの欠点があった。
【0006】一方、トンネルキルンに代表される連続式
の窯炉にあっては、全自動化して均一な製品を大量に製
造できるので、製品を廉価に提供できるというメリット
がある半面、設備費が高額であり設置に際しレイアウト
が制限されかつ必要に応じて段階的に拡充することがで
きないから、事業開始時に高額な設備投資が必要とな
り、生産調整し難く、又生産調整すると製品当りの燃料
コストアップになり、さらにまた多品種多品目の窯業製
品の製造に対応できないなどの欠点があった。
【0007】本発明はこのような事情に鑑み鋭意創案さ
れたものであり、その解決すべき課題は、従来の窯炉が
有する上述した各欠点を解消することである。
【0008】なお、ここで、「被焼成体」は、「焼成さ
れるもの」、「焼結されるもの」、及び「焼成とともに
焼結されるもの」をすべて含む。また、「窯業製品」
は、最終製品の構成部材となるものも含まれる。
【0009】また、「窯炉」は、「炉殻」に例えば燃焼
バーナー等に代表される昇温手段が装着されているもの
を指し示す。「焼成ボックス」とは、側壁と天井壁とが
一体に形成され下面が開口するとともに、この焼成ボッ
クスの外側に少なくとも昇温手段が着脱自在に装着され
るものをすべて指し示しており、より具体的には、所定
方向に走行する前記焼成用台車の上面と側面を覆うよう
に着脱自在に装着され被焼成物を外気と遮断した状態に
収容するためのものや、窯炉の底面であり一般に炉床と
呼ばれるものの上面に着脱自在に装着され被焼成物を外
気と遮断した状態に収容するためのものなどを例示する
ことができる。但し、「外気と遮断した状態」とは、炉
内の雰囲気と外気が自由に出入りすることを阻止するよ
うに構成された状態のことをいい、炉内の雰囲気と外気
が完全遮断された所謂完全密封状態のみを意味するもの
ではない。
【0010】前記「炉殻」とは、被焼成体の出し入れが
可能でありかつこの被焼成体を外気と遮断した状態に収
容できるすべてのものを指し示す。前記「炉床」と前記
「焼成ボックス」とが着脱自在に装着されてなるものを
特に「炉体」といい、「炉体」は、「炉床」と「焼成ボ
ックス」とが着脱不能に一体に形成されているものは含
まないものとする。すなわち、「炉体」は「炉殻」の中
に包含される一実施態様を差し示すものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明が採った手段は、請求項1の発明は、「炉殻
の内部に被焼成体を収容したままの状態で該被焼成体の
予熱、焼成及び窯業製品が燻し製品である場合には燻
化、そして冷却からなる一連の焼成工程をすべて終了す
る窯業製品の製造方法において、少なくとも、 ア.予め移動不能に設備された昇温手段に向けて前記炉
殻を移動させ着脱自在に装着する工程、 イ.予め移動不能に設備された前記炉殻に向けて昇温手
段を移動させ着脱自在に装着する工程、のうちのいずれ
か一方の工程又はその両方の工程が含まれている」処に
特徴を有する窯業製品の製造方法を、その要旨とするも
のである。
【0012】請求項2の発明は、「案内手段にガイドさ
れ所定方向に走行する焼成用台車の上面に被焼成体を載
置したままの状態で窯業製品を製造する窯業製品の製造
方法であって、少なくとも、 ア.被焼成体が載置された焼成用台車の上面にこの焼成
用台車とともに移動する焼成ボックスを装着する工程
と、 イ.該焼成ボックスの外側に前記軌道に沿って予め所定
位置に設備された昇温手段を装着する工程と、 ウ.前記焼成用台車の上面に前記焼成ボックスを装着し
たままで被焼成体の予熱、焼成及び窯業製品が燻し製品
である場合には燻化、そして冷却からなる一連の焼成工
程をすべて終了する工程と、 エ.前記昇温手段を取り外す工程と、 オ.前記焼成ボックスを取り外す工程と、を含む」処に
特徴を有する窯業製品の製造方法を、その要旨とするも
のである。
【0013】請求項3の発明は、「前記窯業製品の製造
方法において、前記昇温手段が前記焼成ボックスの内側
に向けて熱風を送り込む熱風供給装置又は燃焼バーナー
のいずれか一方又はその両方である」処に特徴を有する
請求項1又は2記載の窯業製品の製造方法を、請求項4
の発明は、「前記窯業製品の製造方法において、前記炉
殻に冷却手段が具備されこの炉殻の内側の冷却速度をコ
ントロールする」処に特徴を有する請求項1〜3のいず
れか一項に記載の窯業製品の製造方法、それぞれその要
旨とするものである。
【0014】本発明の製造方法は、被焼成体の予熱、焼
成及び窯業製品が燻し製品である場合には燻化、そして
冷却からなる一連の焼成工程を、炉殻の内部に被焼成体
を収容したままですべて終了できる。又、炉殻に装着さ
れた昇温手段は、炉殻内が高温雰囲気に到達すると速や
かに取り外されつぎの炉殻に装着させる構成であるか
ら、昇温手段を炉殻毎にそれぞれ設備する必要がない。
即ち、設備される昇温手段を減らすことができ、設備投
資費の低減が図れる。焼成に必要な消費燃料の無駄も省
ける。また、被焼成物の予熱から冷却までの焼成工程に
おいて窯炉内の温度調整が管理し易い。
【0015】特に燻し製品を製造する場合、炉殻の内側
に付着する付着炭素をその都度燃焼焼却する構成である
から、高品質の製品を連続して製造できる。また、従来
の燻化ボックスそのものが不要であるから、設備投資費
の低減が図れる。
【0016】また、焼成ボックス(炉殻)に冷却手段が
具備されている場合は、焼成ボックス(炉殻)内の温度
雰囲気を測定しながら冷却制御することができ、例えば
燻化した後、すべての瓦素地を冷め割れの発生を防止し
つつ早い速度で冷却でき、これにより、優れた光沢性と
発色性を有する燻し瓦を製造することができ、燻化位置
から焼成ボックス取り外しまでの移送距離を短縮でき省
スペース化が図れ、又、焼成ボックスの回転をよくする
ことができ、予め準備する焼成ボックスの数を少なくで
きる。
【0017】次ぎに、請求項5の発明は、「軌道に案内
され被焼成体を載置したまま走行する焼成用台車と、該
焼成用台車の上面に着脱自在に装着されこの焼成用台車
とともに移動する焼成ボックスとからなる炉体と、予め
移動不能に設備され前記焼成ボックスに外側から着脱自
在に装着する昇温手段と、を少なくとも具備する構成か
らなる窯炉であって、前記炉体の内部に被焼成体を収容
したままの状態でこの被焼成体の予熱、焼成及び窯業製
品が燻し製品である場合には燻化、そして冷却からなる
一連の焼成工程をすべて終了する」処に特徴を有する窯
炉を、請求項6の発明は、「前記窯炉において、前記昇
温手段が前記焼成ボックスの内側に向けて熱風を送り込
む熱風供給装置又は燃焼バーナーのいずれか一方又はそ
の両方である」処に特徴を有する請求項5記載の窯炉
を、請求項7の発明は、「前記窯炉において、前記焼成
ボックスに冷却手段が具備されておりこの焼成ボックス
の内側の冷却速度がコントロール可能である」処に特徴
を有する請求項5又は6記載の窯炉を、それぞれその要
旨とするものである。
【0018】本発明の窯炉によれば、工場内に設置する
際のレイアウトが容易で、設備費が比較的廉価でありか
つ必要に応じて段階的な設備拡充が可能であり、トンネ
ルキルンと同等若しくはそれ以上の生産効率を得ること
ができ、生産調整しても製品当りの燃料コストに変動が
なく、かつ品質がバラツキかない。そして、タイル、衛
生陶器、陶器瓦、食器などの多品種多品目の窯業製品
(酸化、中性、還元、及び燻し製品)の製造にも対応で
きる。
【0019】特に燻し製品を製造する場合、炉壁の内側
に付着する付着炭素をその都度燃焼焼却することがで
き、高品質の製品を連続して製造できる。また、従来の
燻化ボックスそのものが不要であるから、設備投資費の
低減が図れる。
【0020】また、焼成ボックス(炉殻)に冷却手段が
具備されている場合は、焼成ボックス(炉殻)内の温度
雰囲気を測定しながら冷却制御することができ、例えば
燻化した後、すべての瓦素地を冷め割れの発生を防止し
つつ早い速度で冷却でき、これにより、優れた光沢性と
発色性を有する燻し瓦を製造することができ、燻化位置
から焼成ボックス取り外しまでの移送距離を短縮でき省
スペース化が図れ、又、焼成ボックスの回転をよくする
ことができ、予め準備する焼成ボックスの数を少なくで
きる。
【0021】次ぎに、請求項8の発明は、「窯業製品製
造設備において、炉殻内に被焼成体を収容したままの状
態でこの被焼成体の予熱、焼成、及び窯業製品が燻し製
品である場合には燻化、そして冷却からなる一連の焼成
工程をすべて終了する窯業製品製造設備であって、予め
移動不能でありかつ互いに離間して設備された一組の炉
殻(A1,A2,・・An、但しnは正の整数)と、該炉
殻A1、A2、・・Anの外側につぎつぎと着脱自在に装
着されこれらの炉殻の内部をつぎつぎに高温に昇温する
ための昇温手段と、該昇温手段を前記炉殻A1、A2、・
・An、のそれぞれの設備位置に移動させるための移動
手段と、が少なくとも具備されている」処に特徴を有す
る窯業製品製造設備を、その要旨とするものである。
【0022】請求項9の発明は、「窯業製品製造設備に
おいて、炉殻内に被焼成体を収容したままの状態でこの
被焼成体の予熱、焼成、及び窯業製品が燻し製品である
場合には燻化、そして冷却からなる一連の焼成工程をす
べて終了する窯業製品製造設備であって、複数の炉殻
(B1,B2,・・Bn、但しnは正の整数)と、予め移
動不能に設備されており前記炉殻B1,B2,・・Bn
外側につぎつぎと着脱自在に装着されこれらの炉殻の内
部をつぎつぎに高温に昇温させるための昇温手段と、該
昇温手段の設備位置に前記複数の炉殻(B1,B2,・・
n)のそれぞれを移動させるために使用するリフター
手段と、が少なくとも具備されている」処に特徴を有す
る窯業製品製造設備を、その要旨とするものである。
【0023】請求項10の発明は、「窯業製品製造設備
において、軌道に案内され被焼成体を載置したまま走行
する焼成用台車の上面に焼成ボックスが装着され該焼成
ボックスの内部に被焼成体を収容したままの状態でこの
被焼成体の予熱、焼成、そして冷却からなる一連の焼成
工程をすべて終了させる窯業製品製造設備であって、焼
成用台車の上面にこの焼成用台車とともに移動する焼成
ボックスを着脱自在に装着する焼成ボックス着脱手段
と、該焼成ボックスの外側に着脱自在に装着されこの焼
成ボックスの内部を高温に昇温するための昇温手段と、
が少なくとも具備されておりかつ相互に離間して移動不
能に設備されている」処に特徴を有する窯業製品製造設
備を、請求項11の発明は、「窯業製品製造設備におい
て、軌道に案内され被焼成体を載置したまま走行する焼
成用台車の上面に焼成ボックスが装着され該焼成ボック
スの内部に被焼成体を収容したままの状態でこの被焼成
体の予熱、焼成、燻化、そして冷却からなる一連の焼成
工程をすべて終了させる窯業製品製造設備であって、焼
成用台車の上面にこの焼成用台車とともに移動する焼成
ボックスを着脱自在に装着する焼成ボックス着脱手段
と、該焼成ボックスの外側に着脱自在に装着されこの焼
成ボックスの内部を高温に昇温するための昇温手段と、
前記焼成ボックスに着脱自在に装着されこの焼成ボック
スの内部に燻化ガスを供給する燻化ガス供給手段と、が
少なくとも具備されておりかつ相互に離間して移動不能
に設備されている」処に特徴を有する窯業製品製造設備
を、それぞれその要旨とするものである。
【0024】本発明の窯業製品製造設備は、工場内に設
置する際のレイアウトが容易で、設備費が比較的廉価で
ありかつ必要に応じて段階的な設備拡充が可能であり、
トンネルキルンと同等若しくはそれ以上の生産効率を得
ることができ、生産調整しても製品当りの燃料コストの
変動がほとんどなく、タイル、衛生陶器、陶器瓦、食器
などの多品種多品目の窯業製品(酸化、中性、還元、及
び燻し製品)の製造にも対応できる。
【0025】特に燻し製品を製造する場合、炉壁の内側
に付着する付着炭素をその都度燃焼焼却することがで
き、高品質の製品を連続して製造できる。また、従来の
燻化ボックスそのものが不要であるから、設備投資費の
低減が図れる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
例に基いて説明する。図1は本発明の一実施例の燻し瓦
を焼成するための窯炉1を示す正面断面図、図2は図1
の側面断面図、図3は図1の平面図である。図におい
て、10は焼成用台車、20は床面に敷設されたレー
ル、30は前記焼成用台車10の上面に着脱自在に装着
され台車の上面に装着されたままの状態でこの焼成用台
車とともに移動する焼成ボックスである。
【0027】この実施例の窯炉1は、床面に敷設された
レール20上を台車本体11の下面に備えられた車輪1
2を転動させながら(案内手段に案内され)被焼成体を
載置したままの状態で所定方向に走行する焼成用台車1
0と、焼成用台車10の上面に着脱自在に装着され被焼
成体を外気と遮断させた状態に収容しつつこの焼成用台
車10とともに移動する焼成ボックス30と、所定位置
に設備された燃焼バーナーが装着可能な位置までそのま
まの状態で走行させた後に焼成ボックス30の側壁の外
側に着脱自在に装着され前記窯炉1内に燃焼ガス(燃焼
炎)を吹き込んで被焼成体を焼成するための図示しない
燃焼バーナー40と、焼成ボックス30の天井壁に貫通
して備えられ、図示しない燻化ガス供給装置にループ管
37aを介して接続される複数本の燻化ガス供給ノズル
37bと、から構成されている。
【0028】焼成用台車10は、周縁に鍔部15が形成
された鋼鉄製の台車本体11と、台車本体11の下面側
に前記レール20上を転動可能に支持された車輪12
と、台車本体11の上面の全面に敷設され窯炉1の炉床
2を構成する耐火断熱材13と、台車本体11の上面に
固設された複数の支柱レンガ14aと該支柱レンガに支
持された棚板レンガ14bとを具備する載置台14と、
から構成されており、この載置台14の上面に自立した
所定枚数(560枚)の瓦素地X(被焼成体)が8列に
整列された状態で載置されており、これら瓦素地Xの周
りを覆うように焼成ボックス30が着脱自在に装着され
てこの焼成ボックス30の内側に前記瓦素地Xのすべて
が外気と遮断した状態となるように収容され、そのまま
の状態で前記床面に敷設されたレール20に案内され所
定方向に走行させるようになっている。
【0029】但し、焼成用台車自体の大きさや形状等は
適宜設計変更可能なことである。又、焼成用台車の上面
に被焼成物を載置する方法、或いは例えば瓦素地の積載
枚数等を限定するものではなく、耐熱性で焼成用台車の
上面に被焼成物を安定に保持することができるものであ
ればよく、被焼成体の大きさや形状等により適宜変更可
能であり、より具体的には、焼成用台車の上面に複数段
に段積み可能な図示しない焼成用治具が備えられ該焼成
用治具に瓦素地を収容する構成などを例示することがで
きる。また、前記耐火断熱材13としては、断熱レン
ガ、セラミックファイバーなどを例示することができ
る。
【0030】車輪12は、床面に敷設されたレール20
上でこの車輪12を転動させつつ焼成用台車10を移動
することによって瓦素地Xを所定方向に搬送するように
動作する。前記耐火断熱材13は窯炉10の炉床を構成
するものであり、炉内の高温ガスが焼成用台車の下に回
り込むことを防止することができるため、台車本体11
及び焼成用台車10の下側に備えられた車輪12やレー
ル20等の焼成用台車を搬送するための搬送(案内)手
段が熱膨張を起こして歪んだり、酸化等を受けて腐食さ
れることを防止することができるとともに、炉内の温度
分布が不均一となることが原因となって発生する例えば
瓦素地Xの焼成のバラツキ(不均一性)、冷め割れ等を
防止することができる。前記載置台14は、瓦素地Xを
載置するとともにこれらを安定して支持しているから、
瓦素地Xの変形や冷め割れなどが原因となって発生する
品質の劣悪化、歩留まりの低下を防止することができ
る。
【0031】一方、瓦素地Xを載置台14の上面に搬入
搬出する際には、自動積み込み積み降ろし手段(自動積
み込み手段であるとともに自動積み降ろし手段でもあ
る)を使用すると所定枚数の瓦素地Xを整列された状態
で自動的に積み込みかつ積み降ろすことができ、積み込
み積み降ろし工程の省力化が図れるので好ましい。
【0032】自動積み込み積み降ろし手段としては自動
積み込み装置(説明図は図示されていない)を例示する
ことができる。自動積み込み装置は、前工程の乾燥装置
より送られてくる瓦素地Xを焼成用台車上面の1列分の
所定数量分整列させる整列手段と、この整列された瓦素
地Xをその間隔状態のまま焼成用台車10の上方に移載
させる移載手段とを少なくとも具備した構成からなるも
のであり、一般に焼成用台車10の上面の所定位置に設
備される。
【0033】前記整列手段としては、瓦支持ピンを有す
るチェーンコンベアで構成されており、前工程の乾燥装
置より1枚ずつ送られてくる瓦素地を瓦支持ピン間に次
々と受け焼成用台車10上面の1列分の所定枚数分を所
定間隔に自立した状態で整列させるようになっているも
のを例示することができる。また、前記移載手段として
は、前記整列手段と焼成用台車10上の瓦素地Xの積み
込み位置とを挟む位置に立設した支柱の上部に架設され
た走行レールと、この走行レール上を駆動モーターによ
り往復走行する走行台車と、走行台車に取り付けられ前
記整列手段により整列させた所定枚数分の瓦素地を1度
にクランプする1対の挟持板を有する瓦チャックを先端
部に設けたクランプ手段とからなるものを例示すること
ができる。
【0034】より詳しく説明すると、この移載手段は、
前記整列手段の上方に待機していた瓦チャックを昇降装
置を作動させて降下させ、シリンダーを作動させ1対の
挟持板の間に前記整列手段の上に整列している焼成用台
車上面の1列分の所定枚数分の瓦素地を1度に挟持す
る。次いで、瓦チャックを昇降装置を作動させて上昇さ
せるとともに、走行台車を焼成用台車10の上方の所定
位置まで移動させ、昇降装置を作動させて瓦チャックを
降下させ、挟持板の間に挟持してきた瓦素地を焼成用台
車の上面に装入する。ついで、前記瓦チャックを整列手
段上方の待機位置に移動させるようになっているもので
ある。
【0035】なお、この移載手段の動作は、整列手段上
から焼成用台車上に瓦素地を積み込む場合を例に説明し
たが、上記のように積み込んだ瓦素地を焼成した後、こ
の移載手段と同様の構成からなるものを設備し、上記と
は逆の手順で、すなわち、上方に待機していた瓦チャッ
クを昇降装置を作動させて降下させ、瓦素地の転倒を防
止しつつ、シリンダーを作動させ1対の挟持板の間に焼
成用台車上面の1列分の所定枚数分の瓦素地を1度に挟
持させ、次いで、瓦チャックを昇降装置を作動させて上
昇させるとともに、走行台車を積み降ろし台の上方の所
定位置まで移動させ、昇降装置を作動させて瓦チャック
を降下させ、挟持板の間に挟持してきた焼成瓦を積み降
ろし台の上面に搬出した後、挟持板を開放する。つい
で、瓦チャックを焼成用台車上方に移動させ、上記と同
様の手順を繰り返すことにより、焼成用台車から瓦のす
べてを積み降ろすことができる。すなわち、自動積み降
ろし装置としても使用できる。
【0036】但し、自動積み込み手段は、上述した自動
積み込み積み降ろし装置に限定するものではなく、要す
る処、焼成用台車(炉床)の上面に前工程の乾燥装置よ
り送られてくる被焼成体の所定数量分整列するように移
載することができるものであればよい。又、自動積み降
ろし手段も、上述した自動積み込み積み降ろし装置に限
定するものではなく、要する処、焼成用台車(炉床)の
上面から焼成した瓦素地のすべてを積み降ろすことがで
きるものであればよい。
【0037】焼成ボックス30は、側壁と天井壁とが一
体に形成され焼成用台車10の上面と側面を覆うもので
あって、図に示したように、下面が開放する箱体となし
下部に前記焼成用台車本体11の周縁に設けられた鍔部
15に耐熱性シール材31aを介して隙間が生じないよ
うに当接せしめる嵌入部31bが形成された鋼鉄製のケ
ーシング31と、該ケーシング31の内面に張付された
セラミックファイバーからなる断熱材32と、対面する
1対の側壁のそれぞれ上部と下部の一定の位置に突設さ
れ焼成ボックス30内に燃焼ガス(又は/及び燃焼炎)
を噴射させる燃焼バーナー40が着脱自在に装着される
バーナー取付口33と、側壁A,A’に一端が軸支され
たアーム部材34aを介在させて装着され前記取付口3
3を密封するための取付口密封蓋34と、前記側壁の下
部の一定の位置に設けられ燃焼ガスを排出するための比
較的大きい燃焼ガス排気筒35と、一端が側壁に軸支さ
れたアーム部材36aを介在させ取付けられ前記燃焼ガ
ス排気筒35の先端部に耐熱性シール材36bを介して
当接する嵌合部36cを有する燃焼ガス排気口密封蓋3
6と、焼成ボックス30の天井壁に貫通して備えられ図
示しない燻化ガス供給装置に接合するループ管37aか
ら分岐した複数本の燻化ガス噴出ノズル37bと、前記
側壁の下部の一定の位置に設けられ燻化ガスを排出する
ための比較的小さい燻化ガス排気筒38と、一端が側壁
に軸支されたアーム部材39a(図示しない)を介在さ
せ取付けられ前記燻化ガス排気筒38の先端部に耐熱性
シール材39b(図示しない)を介して当接する嵌合部
39cを有する燻化ガス排気口密封蓋39と、を具備し
た構成からなり、公知のリフター手段を有する焼成ボッ
クス着脱装置によって、焼成用台車上面に装着されると
ともに焼成用台車10上面から取り外され、繰り返し使
用するようになっている。
【0038】なお、前記嵌合部36cに燃焼ガス排気筒
35の先端部を耐熱性シール材36bを介在させず直接
当接させる構造であってもよく、又前記嵌合部39cに
燻化ガス排気筒38の先端部を耐熱性シール材39bを
介在させず直接当接させる構造であってもよい。
【0039】焼成ボックス着脱手段として、より具体的
には、リフター手段を作動させ瓦素地Xの載置された焼
成用台車10の上方に待機させておいた焼成ボックス3
0を降ろし、焼成用台車10の上面に瓦素地Xすべてを
覆うように装着するとともに、前記リフター手段を作動
させ、焼成燻化済み瓦素地Xが取り出し可能な温度に下
がったところで焼成用台車10に装着されたままの焼成
ボックス30を持ち上げ、そのままの状態で待機すると
いう動作を繰り返す焼成ボックス着脱装置を例示できる
(説明図は図示されていない)。ただし、焼成ボックス
着脱装置の動作はこれに限定されるものではなく、例え
ば前記自動積み降ろし装置と実質的に同じ構成からな
り、リフター手段を作動させ焼成用台車10上の焼成ボ
ックス30を持ち上げ、平行に移送させ、瓦素地Xの載
置された焼成用台車10の上面に待機させ、ついでリフ
ター手段を作動させ瓦素地Xの載置された焼成用台車1
0の上面に装着するという動作を繰り返すものであって
もよい。要する処、焼成ボックス着脱手段は、焼成用台
車(炉床)10の上面に焼成ボックス30を取り付ける
ことができかつ焼成用台車(炉床)10の上面から焼成
ボックス30を取り外すことができればよい。
【0040】燃焼バーナー40は市販のハイスピードタ
イプの燃焼バーナーであり、前記バーナー取付口33の
それぞれに装着できる位置に配置され前後に往復動可能
に設備されており、取付口33に着脱自在に装着できる
ようになっている。但し、燃焼バーナーの種類や設備方
法などを限定するものではなく、燃焼バーナーを上下に
昇降動可能に又は左右に水平動可能など任意に設備する
ことができる。要する処、焼成ボックスの内部を必要と
する温度雰囲気に昇温させることができる昇温手段であ
り前記取付口33に着脱自在に装着できるように予め移
動不能に設備されているものである。
【0041】他の昇温手段としては、所謂熱風を送り込
む熱風供給装置と窯炉の内部へ燃焼ガス(燃焼炎)を吹
き込む燃焼バーナーとの併用手段や、焼成ボックスの内
側面にラジアンドチュブを内蔵させこのラジアンドチュ
ブを介して焼成ボックスの内部を間接的に昇温させる手
段などを例示することができる。昇温手段が、熱風供給
装置と燃焼バーナーとの併用手段であると、例えば操炉
中の他の窯炉の余熱を熱風供給装置を介して被焼成物の
予熱に利用することができ、燃料費の節減ができるから
好適である。
【0042】また、焼成ボックス30の側壁下端は、前
記台車本体11の周縁に形成された鍔部15に耐熱性シ
ール材31aを介在させ当接され、この焼成ボックス3
0自体の自重による押圧作用も加わるから、窯炉1内を
外気を遮断した状態とすることができる。又、図に示す
4箇所の前記バーナー取付口33のそれぞれに燃焼バー
ナー40がそれぞれ装着されるようになっていると、瓦
素地Xに燃焼ガスが直接当たることがなく、しかも焼成
ボックス30に沿って燃焼ガスを左右の互い違いである
とともに上下の互い違いに対流するように流れ炉内を均
一の高温雰囲気にすることができるから、瓦素地Xを焼
成むらなく均質に焼成でき、歩留まりの向上が図れるの
で好適である。
【0043】次ぎに、本実施例の窯炉1の操炉について
説明する。まず、瓦素地X(被焼成体)が載置され前記
バーナー取付口33に取付口密封蓋34を着したままの
状態の焼成ボックス30が装着された焼成用台車10
が、燃焼バーナー40の設備位置に移送され、停止する
と、バーナー取付口33に装着されていた取付口密封蓋
34は、アーム部材34aの軸支された一端を中心に回
動させることにより取り外される。ついで、バーナー取
付口33に向けてそれぞれ燃焼バーナー40を前進さ
せ、装着させる。同様に、この位置において、前記燃焼
ガス排気筒35に装着されていた燃焼ガス排気口密封蓋
36はアーム部材36aの軸支された一端を中心に回動
させることにより取り外され、ついで、燃焼ガス排気筒
35に予め設備された煙突Eに接続される。
【0044】ついで、燃焼バーナー40のすべてに着火
され焼成ボックス30内に燃焼ガス(燃焼炎)を所定の
所要時間噴射させて瓦素地Xの焼成が行われる。瓦素地
Xの焼成が終了すると、上記とは逆の手順で、すなわ
ち、バーナー取付口33から燃焼バーナー40が取り外
され、後退させ、バーナー取付口33に取付口密封蓋3
4を装着する。一方、燃焼ガス排気筒35から煙突Eが
取り外され、燃焼ガス排気筒35の先端部に燃焼ガス排
気口密封蓋36が装着される。
【0045】瓦素地X(被焼成体)を燻化する必要がな
い場合は、そのままの状態で冷却すればよいことは言う
までもないことである。
【0046】次に、燻化処理について説明する。まず、
酸化焼成された高温度の瓦素地Xが外気と遮断した状態
で収容されたままの状態の焼成用台車10が、図示しな
い燻化ガス供給装置50の設備位置に移送させ、停止す
ると、燻化ガス排気筒38に装着されていた燻化ガス排
気口密封蓋39は、アーム部材39aの軸支された一端
を中心に回動させることにより取り外され、燻化ガス排
気筒38に予め設備されている煙突Fが実質的には煙突
Eと同様に装着される。また、この位置において、前記
ループ管37aの先端に図示しない燻化ガス供給装置5
0が連結され、焼成ボックス30の天井壁に貫通して備
えられた複数本の燻化ガス噴出ノズル37bを介して焼
成ボックス30の内部に燻化ガスが20〜30分供給さ
れる。そのままの状態で放置すると、その間に、高温度
の瓦素地の表面において接触分解した燻化ガスが瓦素地
の表面に付着し、炭素の薄い被膜が成生される。
【0047】ついで、上記とは逆の手順で、燻化ガス供
給装置50からループ管37aの先端が取り外される。
燻化ガス排気筒38から煙突Fが取り外され、燻化ガス
排気筒38に燻化ガス排気口密封蓋39が装着される。
そして、そのままの状態で焼成用台車10は焼成ボック
ス取り外し位置の方へ移送させるようになっている。そ
の間に、燻化焼成済の被焼成体(燻し瓦)は取り扱い可
能な温度にまで冷却され、前記焼成ボックス着脱装置に
よって焼成ボックス30が取り外され、その後、焼成用
台車10から燻し瓦を前記自動積み降ろし装置により搬
出される。
【0048】燻し瓦が搬出され空になった焼成用台車1
0は、前記自動積み込み装置の設置位置に移送され、上
述した工程を繰り返すようになっている。
【0049】なお、例えば焼成ボックス10に図示しな
い冷却手段が具備されていると、前記温度検知手段で炉
内の温度雰囲気を測定しながら冷却制御することができ
るから、例えば燻化した後、すべての瓦素地Xを冷め割
れの発生を防止しつつ早い速度で冷却でき、これによ
り、優れた光沢性と発色性を有する燻し瓦を製造するこ
とができ、燻化位置から焼成ボックス取り外しまでの移
送距離を短縮でき省スペース化が図れ、又、焼成ボック
ス30の回転よくすることができるから予め準備する焼
成ボックスの数を少なくできる。
【0050】前記冷却手段としては、焼成ボックス30
の天井面にU字形の耐熱性パイプが具備されておりこの
U字形のパイプ内に冷却用媒体を流すことにより炉殻の
内部を間接的に冷却する間接冷却法(装置)、炉殻の内
部に気体を強制供給することによってこの炉殻内の高温
雰囲気を炉殻外に強制排出させ冷却する、若しくは炉殻
内の高温雰囲気を炉殻外にダクト排出させ冷却する直接
冷却法(装置)、又は、炉殻内の高温雰囲気を炉殻外に
設備された公知の熱交替器で熱交替する方法(熱交替
器)などを例示することができる。間接冷却法は安価に
冷却できるので好ましい。そして、直接冷却法は、焼成
前の焼成用台車に装着された焼成ボックスにこの炉殻外
に排出させた高温雰囲気を供給するようにすれば被焼成
物の余熱に使用できるから省エネが図れるとともに、予
め焼成前の被焼成物の組織の状態をほぼ均質化できるか
ら、焼成条件の画一が図れ、高品質のものを再現性よく
製造することができる。
【0051】前記案内手段は、要する処、ガイドするも
のに案内されガイドされるものを所定の方向に移動せし
める手段であればよく、床面に敷設されたレールと焼成
用台車の下面に支持された車輪からなる構成以外、例え
ばガイド板のようなガイド部材に案内され例えばガイド
ローラを移動させる構成であってもよく、例えばガイド
板のようなガイド部材に案内され板部材若しくは棒部材
などを移動させる構成であってもよい。
【0052】つぎに、本発明の一実施例の窯業製品製造
設備100は、図4のフローチャートに示すように、焼
成用台車が、自動積み込み工程、焼成ボックス取り付け
工程、焼成工程、燻化工程、焼成ボックス取り外し工
程、ついで自動積み降ろし工程の順序に案内されるよう
にレールが敷設されたものである。
【0053】この窯業製品製造設備100を焼成用台車
110aの移動順序に従って説明する。まず、焼成用台
車110aは、自動積み込み装置120の設備位置にお
いて、その上面に前工程で整列させた瓦素地X(被焼成
体)が所定間隔に自立した状態で所定数量分整列するよ
うに移載される(自動積み込み工程)。ついで、前記焼
成ボックス取り付け装置の設備位置において、この焼成
用台車110aの上面に前記焼成ボックス135を瓦素
地のすべてを覆うように装着され外気と遮断した状態で
収容される(焼成ボックス取り付け工程)。ついで、燃
焼バーナー140の設備位置において、焼成ボックス1
35aの外側に前記燃焼バーナー140が着脱自在に装
着され、焼成ボックス135aの内部に所定の所要時間
の間高温の燃焼ガスが噴射され、ついで、焼成ボックス
135aの外側に装着された燃焼バーナー140が取り
外され、再び瓦素地のすべてが外気と遮断した状態とな
るように収容される(焼成工程)。取り外された燃焼バ
ーナー140は、後続の焼成用台車110bに装着され
ている焼成ボックス135bに装着されるようになって
いる。つぎに、前記燻化ガス供給装置の設備位置におい
て、炉体内に燻化ガスが所定の所要時間の間供給され高
温の瓦素地の表面に所謂燻し加工が施される(燻化工
程)。但し、被焼成物が燻し製品でない場合には、この
燻化工程はないので、直ちにつぎの冷却工程となる。
【0054】ついで、瓦素地が取り扱い可能な温度にま
で冷却されると、前記焼成ボックス取り外し装置の設備
位置において、焼成用台車110aの上面から焼成ボッ
クス135aが取り外される(焼成ボックス取り外し工
程)。そして、前記自動積み降ろし装置の設備位置にお
いて、焼成燻し済みの瓦素地のすべてを積み降ろすよう
になっている(自動積み降ろし工程)。
【0055】したがって、本発明の一実施例の窯業製品
製造設備100は、複数の焼成用台車(110a、11
0b、・・110n、但しnは正の整数)を滞ることな
くこの順序で確実に巡回走行させることができ、複数の
窯炉(110a、110b、・・110n)を同時に操
炉することができ、しかも、それぞれの窯炉を繰り返し
使用することができる。
【0056】次に、本発明の他の実施例の窯業製品製造
設備200は、瓦素地の出し入れが可能でこの瓦素地を
それぞれ外気と遮断した状態に収容できる4個の炉殻A
1、A2、A3、A4からなる一組の炉殻と、該炉殻A1
2、A3、A4の外側に逐次着脱自在に装着されこれら
の炉殻の内部をつぎつぎに高温に昇温するための一組の
燃焼バーナー(4個)220と、この一組の燃焼バーナ
ー220を、前記炉殻A1、A2、A3、A4のそれぞれの
設備位置に移動させるための移動手段230と、が少な
くとも具備されてなるものであり、炉殻A1、A2
3、A4はそれぞれ互いに離間して移動不能に設備され
ている。
【0057】炉殻A1、A2、A3、A4は、実質的には所
謂移動不能な炉床の上面に前記焼成ボックスが着脱自在
に装着されてなるものであり、各炉殻の内部に、上下4
段に段組みされた一般にコンテナーと呼ばれている焼成
用治具を収容するようになっており、このコンテナーの
それぞれの段に複数の瓦素地が所定の適宜間隔離間され
た状態で載置されている。また、炉殻A1、A2、A3
4の内部に、図示しない燻化ガス供給装置より供給さ
れた燻化ガスが前記ループ管を介して供給され、高温の
瓦素地の表面を燻化できるようになっている。
【0058】燃焼バーナーは、市販のハイスピードタイ
プの燃焼バーナーであり、焼成ボックスのバーナー取付
口のそれぞれに装着できる位置に配置され前後に往復動
可能に例えば台車上で設備されており、この台車が、そ
れぞれの段に複数の瓦素地を所定の適宜間隔で離間され
た状態で載置したコンテナーが内部に収容されている炉
殻の設備位置に移送させ、停止すると、燃焼バーナー2
20を炉殻のバーナー取付口に向けてそれぞれ前進さ
せ、装着する。ついで、燃焼バーナーに着火して炉殻内
に燃焼ガス(燃焼炎)を所定の所要時間噴射させ、被焼
成物の焼成を行なう。被焼成物の焼成が終了すると、上
記とは逆の手順で、バーナー取付口から燃焼バーナーを
それぞれ取り外し後退させ、台車とともに隣の炉殻の設
備位置に移送させ、停止させるようになっている。
【0059】前記移動手段230は、前記案内手段と実
質的に同一である、要する処、ガイドするものに案内さ
れガイドされるものを所定の方向に移動せしめる手段で
あればよく、床面に敷設されたレールと台車の下面に支
持された車輪からなる構成以外、例えばガイド板のよう
なガイド部材に案内され例えばガイドローラを移動させ
る構成であってもよく、例えばガイド板のようなガイド
部材に案内され板部材若しくは棒部材などを移動させる
構成であってもよい。
【0060】つぎに、この窯業製品製造設備200の操
炉を、図5の説明図に基づいて説明する。まず、図5
(a)に示すように、それぞれの段に複数の瓦素地が所
定の適宜間隔で離間された状態で載置されたコンテナー
が内部に収容されている炉殻A1の設備位置に、前記1
組の燃焼バーナーが設備された台車を移送させ、停止す
ると、燃焼バーナーを炉殻A1のバーナー取付口に向け
てそれぞれ前進させ、装着する。ついで、燃焼バーナー
に着火して炉殻A1内に燃焼ガス(燃焼炎)を所定の所
要時間噴射させ、被焼成物の焼成が行なわれる(図にお
いて斜線で表示した)。被焼成物の焼成が終了すると、
直ちに上記とは逆の手順で、バーナー取付口から燃焼バ
ーナーを取り外し後退させ、台車とともに隣の炉殻A2
の設備位置に移送させ、停止させるようになっている。
【0061】ついで、図5(b)に示すように、燃焼バ
ーナーを台車とともに隣の炉殻A2の設備位置に移送さ
せ、停止すると、燃焼バーナーを炉殻A2のバーナー取
付口に向けてそれぞれ前進させ、装着する。ついで、燃
焼バーナーに着火して炉殻A 2内に燃焼ガス(燃焼炎)
を所定の所要時間噴射させ、被焼成物の焼成が行なわれ
る(図中において斜線で表示した)。被焼成物の焼成が
終了すると、直ちに上記とは逆の手順で、バーナー取付
口から燃焼バーナーを取り外し後退させ、台車とともに
隣の炉殻A3の設備位置に移送させ、停止させるように
なっている。炉殻A2において焼成されている時、前記
炉殻A1の内部に図示しない燻化ガス供給装置より供給
された燻化ガスが前記ループ管を介して供給され、高温
の瓦素地の表面が燻化されるようになっている(図にお
いて「点」で表示した)。
【0062】ついで、図5(c)に示すように、燃焼バ
ーナーを台車とともに隣の炉殻A3の設備位置に移送さ
せ、停止すると、燃焼バーナーを炉殻A3のバーナー取
付口に向けてそれぞれ前進させ、装着する。ついで、燃
焼バーナーに着火して炉殻A 3内に燃焼ガス(燃焼炎)
を所定の所要時間噴射させ、被焼成物の焼成が行なわれ
る。被焼成物の焼成が終了すると、直ちに上記とは逆の
手順で、バーナー取付口から燃焼バーナーを取り外し後
退させ、台車とともに隣の炉殻A4の設備位置に移送さ
せ、停止させるようになっている。炉殻A3において焼
成されている時、前記炉殻A2の内部に図示しない燻化
ガス供給装置より供給された燻化ガスが前記ループ管を
介して供給され、高温の瓦素地の表面が燻化されるよう
になっており、前記炉殻A1においては高温の被焼成物
の冷却が行われるようになっている。
【0063】ついで、図5(d)に示すように、燃焼バ
ーナーを台車とともに隣の炉殻A4の設備位置に移送さ
せ、停止すると、燃焼バーナーを炉殻A4のバーナー取
付口に向けてそれぞれ前進させ、装着する。ついで、燃
焼バーナーに着火して炉殻A 2内に燃焼ガス(燃焼炎)
を所定の所要時間噴射させ、被焼成物の焼成が行なわれ
る。被焼成物の焼成が終了すると、直ちに上記とは逆の
手順で、バーナー取付口から燃焼バーナーを取り外し後
退させ、台車とともに最初の炉殻A1の設備位置に移送
させ、停止させるようになっている。炉殻A4において
焼成されている時、前記炉殻A3の内部に図示しない燻
化ガス供給装置より供給された燻化ガスが前記ループ管
を介して供給され、高温の瓦素地の表面が燻化される。
前記炉殻A2においては高温の被焼成物の冷却が行われ
る。そして、前記炉殻A1においては被焼成物の積み降
ろし及び新しい被焼成物の積み込みが行われる(図にお
いて2重ボックスで示した)ようになっている。
【0064】すなわち、本実施例の窯業製品製造設備2
00は、上述した工程を繰り返すようになっているもの
であり、それぞれの炉殻はいずれも焼成、燻化、冷却、
ついで積み降ろしという一連の焼成工程を経るようにな
っており、かつ一組の炉殻A 1、A2、A3、A4のうちの
どこかで、焼成、燻化、冷却、及び積み降ろし積み込み
がそれぞれ行われるようになっているものである。
【0065】但し、前記一組の炉殻を4個の炉殻に限定
するものではない。例えば燻化を必要としない場合のよ
うに、一組の炉殻が3個であり、各炉殻はいずれも焼
成、冷却、ついで積み降ろし積み込みという一連の焼成
工程を経るようになっており、かつこの一組の炉殻のう
ちのどこかで、焼成、冷却、及び積み降ろし積み込みが
行われるように構成されていてもよい。或いは、一組の
炉殻が5個であり、各炉殻はいずれも焼成、燻化、冷
却、積み降ろし、ついで積み込みという一連の焼成工程
を経るようになっており、かつこの一組の炉殻のうちの
どこかで、焼成、燻化、冷却、積み降ろし、及び積み込
みが行われるように構成されていてもよい。
【0066】本実施例の窯業製品製造設備200は、例
えば、被焼成物を上面に載置したままの状態で焼成用台
車を移動させることがないから従来のトンネルキルンや
上述した実施例の窯業製品製造設備100のように荷崩
れすることがない。すなわち、特に製品の歩留まりの向
上が図れる。また、従来のバッチ炉のような窯炉とは異
なり、高価な焼成バーナーを遊ばせることなくこの焼成
バーナーをフルに使用することができるから、1窯炉分
を操炉する燃焼バーナーのみで複数の窯炉を同時に操炉
できる。無駄がない。すなわち、製造コストの低減が図
れる。
【0067】次に、本発明の他の実施例の窯業製品製造
設備300(図示しない)は、瓦素地の出し入れが可能
でこの瓦素地をそれぞれ外気と遮断した状態に収容でき
る4個の炉殻B1、B2、B3、B4と、予め移動不能に設
備され、この位置に移動させた炉殻B1、B2、B3、B4
の外側に逐次着脱自在に装着されこれらの炉殻の内部を
つぎつぎに高温に昇温するための一組の燃焼バーナー
と、この一組の燃焼バーナーの設備位置に、前記炉殻B
1、B2、B3、B4のそれぞれを移動させるための移動手
段と、が少なくとも具備されてなるものであり、炉殻B
1、B2、B3、B4はそれぞれ互いに離間して移動可能に
設備されている。
【0068】炉殻B1、B2、B3、B4は、炉床の上面に
前記焼成ボックスが一体形成されてなるものであり、そ
の全体をリフターで持ち上げながら移動可能なものであ
り、各炉殻の内部には複数の瓦素地が所定の適宜間隔離
間された状態で載置できるようになっている。また、炉
殻B1、B2、B3、B4の内部に、図示しない燻化ガス供
給装置より供給された燻化ガスが前記ループ管を介して
供給され、高温の瓦素地の表面を燻化できるようになっ
ている。
【0069】燃焼バーナーは、市販のハイスピードタイ
プからなる1組の燃焼バーナーであり、焼成ボックスの
バーナー取付口のそれぞれに装着できる位置に配置され
前後に往復動可能に配備されている。燃焼バーナーの設
備位置に炉殻B1、B2、B3、又はB4がそれぞれ移送さ
せ、停止すると、燃焼バーナーを炉殻のバーナー取付口
に向けてそれぞれ前進させ、装着する。ついで、燃焼バ
ーナーに着火して炉殻内に燃焼ガス(燃焼炎)を所定の
所要時間噴射させ、被焼成物の焼成を行なう。被焼成物
の焼成が終了すると、上記とは逆の手順で、バーナー取
付口から燃焼バーナーを取り外し後退させ、炉殻を元の
位置に移送させるようになっている。
【0070】本実施例の窯業製品製造設備300の操炉
について説明する。まず、燃焼バーナーが設備された設
備位置に、複数の瓦素地が所定の適宜間隔で離間された
状態で内部に収容されている炉殻B1を、リフター手段
を有する移動装置で水平に持ち上げたまま移送させ、セ
ットされると、燃焼バーナーを炉殻B1のバーナー取付
口に向けてそれぞれ前進させ、装着させるようになって
いる。ついで、燃焼バーナーに着火して炉殻B1内に燃
焼ガス(燃焼炎)を所定の所要時間噴射させ、被焼成物
の焼成が行なわれる。この間に、炉殻B2においては被
焼成物の積み込みが終了するようになっている。被焼成
物の焼成が終了すると、直ちに上記とは逆の手順で、バ
ーナー取付口から燃焼バーナーを取り外し後退させ、炉
殻B1をリフター手段を有する移動装置で最初の位置に
移送するとともに、燃焼バーナーが設備された設備位置
に、複数の瓦素地が所定の適宜間隔で離間された状態で
内部に収容されている炉殻B2を、移送するようになっ
ている。
【0071】ついで、燃焼バーナーが設備された設備位
置において、炉殻B2内に燃焼ガス(燃焼炎)を所定の
所要時間噴射させ、被焼成物の焼成が行なわれる。被焼
成物の焼成が終了すると、直ちに上記とは逆の手順で、
炉殻B2はリフター手段を有する移動装置によって最初
の位置に移送されるとともに、炉殻B3を燃焼バーナー
が設備された設備位置に、移送するようになっている。
炉殻B2において燃焼バーナーで焼成されている時、前
記炉殻B1の内部に図示しない燻化ガス供給装置より供
給された燻化ガスが前記ループ管を介して供給され、高
温の瓦素地の表面が燻化され、炉殻B3においては被焼
成物の積み込みが終了するようになっている。
【0072】ついで、燃焼バーナーが設備された設備位
置において炉殻B3が焼成されている時、前記炉殻B2
内部においては燻化ガスによる燻化が行われ、前記炉殻
1においては高温の被焼成物の冷却が行われ、炉殻B4
においては被焼成物の積み込みが終了するようになって
いる。
【0073】すなわち、本実施例の窯業製品製造設備3
00は、上述した工程を繰り返すようになっているもの
であり、それぞれの炉殻はいずれも焼成、燻化、冷却、
ついで積み降ろしという一連の焼成工程を経るようにな
っており、かつ一組の炉殻B 1、B2、B3、B4のうちの
どこかで、焼成、燻化、冷却、及び積み降ろし積み込み
がそれぞれ行われるようになっているものである。但
し、前記一組の炉殻を4個の炉殻に限定するものではな
いことは、上述したとうりであるから、繰り返して述べ
ない。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の窯業製品
の製造方法は、炉殻の内部に被焼成体を収容したままの
状態で該被焼成体の予熱、焼成及び窯業製品が燻し製品
である場合には燻化、そして冷却からなる一連の焼成工
程をすべて終了することができるから、つぎの格別顕著
な作用効果が得られる。
【0075】(1) 焼成に必要な消費燃料に無駄がない。 (2) 被焼成物の予熱から冷却までの焼成工程において、
窯炉内の温度調整が管理し易い。 (3) 燻し製品を製造する際にあっては、従来のトンネル
キルンとは異なり燻化ボックスが不要となるので設備投
資費の低減が図れ、炉壁の内側に付着する付着炭素をそ
の都度燃焼焼却することができるために高品質の製品を
連続して製造できる。
【0076】本発明の窯炉は、被焼成体を載置したまま
の状態で所定のレールに案内され走行する焼成用台車
と、該焼成用台車の上面に着脱自在に装着されこの焼成
用台車とともに移動する焼成ボックスとからなる炉体
と、所定位置に設備され前記焼成ボックスに外側から着
脱自在に装着する昇温手段とを少なくとも具備する構成
となっているから、つぎの格別顕著な作用効果が得られ
る。 (1) 工場内に設置する際のレイアウトが容易で、設備費
が比較的廉価でありかつ必要に応じて段階的な設備拡充
が可能であり、(2) トンネルキルンと同等若しくはそれ
以上の生産効率を得ることができ、生産調整しても製品
当りの燃料コストに変動がなく、かつ品質のバラツキが
ない。(3) 燻し製品を製造する際にあっては炉壁の内側
に付着する付着炭素をその都度燃焼焼却することができ
るために高品質の製品を連続して製造でき、(4) 更に、
多品種多品目の窯業製品(酸化、中性、還元、及び燻し
製品)の製造にも対応できる。
【0077】本発明の窯業製品製造設備は、前記自動積
み込み手段、焼成ボックス着脱手段、昇温手段(燃焼バ
ーナー)、燻化ガス供給手段、焼成ボックス着脱手段、
及び自動積み降ろし手段を適宜位置に配備し、この順序
で焼成用台車を走行させるようにレールを敷設したも
の、予め移動不能に設備された昇温手段の設備位置に一
組の炉殻のそれぞれをつぎつぎと移動させ着脱自在に装
着し、つぎつぎと焼成するもの、又は、予め移動不能に
設備された一組の炉殻の各炉殻の設備位置に向け昇温手
段をつぎつぎと移動させ着脱自在に装着し、つぎつぎと
焼成するタイプのものであるから、つぎの格別顕著な作
用効果を奏する。
【0078】(1) 複数の窯炉を同時に操炉できる。 (2) 前記自動積み込み装置、焼成ボックス着脱装置、燃
焼バーナー(昇温手段)、燻化ガス供給装置、焼成ボッ
クス着脱装置、及び自動積み込み装置をレールにより有
機的かつ自在に組み上げることができるから、工場内に
設置する際のレイアウトが容易で、設置場所の省スペー
ス化を図ることができるとともに、省力化が図れる。 (3) 従来のトンネルキルンに比較すると設備投資費が比
較的廉価であるから、操業開始時の設備投資費が少なく
てすみ、 (4) 又、必要に応じて段階的な設備拡充で増能力が可能
であり、設備の拡充を計画的に行うことができる。 (5) 焼成用台車の稼働数を自在に増減できるから、従来
のトンネルキルンと同等若しくはそれ以上の生産効率を
得ることができ、かつ設備全体としての生産調整がきわ
めて容易である。 (6) 焼成用台車の台数を減らして生産調整しも製品当り
の燃料コストの変動がほとんどない。すなわち、製品当
りの燃料コストに変動がない。従来のトンネルキルンに
おいては、生産調整しても操炉に必要な燃料消費量はほ
ぼ一定であり消費燃料を削減することができないから、
製品当りの燃料コストが変動する。すなわち、生産調整
すると、製品当りの燃料コストが高い。 (7) 燻し製品を製造する場合において、焼成ボックスの
内側に付着する付着炭素をその都度焼却できるから、高
品質の燻し製品を連続して繰り返し製造できる。すなわ
ち、燻し製品の歩留まりや生産効率の向上を図ることが
でき、製造コストの低減をいっそう図ることができる。 (8) 前記焼成ボックスの設計変更が可能であり、又、焼
成ボックスに種々の装置を自在に装備させることができ
る。すなわち、多種類の焼成ボックスを予め準備してお
りこれらから適宜選択して装着することができるので、
多品種多品目の窯業製品(酸化、中性、還元、及び燻し
製品)の製造に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の燻し瓦を焼成するための窯
炉の正面断面図である。
【図2】図1に示した実施例の窯炉の側面断面図であ
る。
【図3】図1に示した実施例の窯炉の平面図である。
【図4】本発明の一実施例の窯業製品製造設備を説明す
るためのフローシートである。
【図5】本発明の他の実施例の窯業製品製造設備の操炉
法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…窯炉 2…炉床 10…焼成用台車 11…台車本体 12…車輪 13…耐火断熱材 14…載置台 14a…支柱レンガ 14b…棚板レンガ 15…鍔部 20…レール(案内手段) 30…焼成ボックス 31…ケーシング 31a…耐熱性シール材 31b…嵌入部 32…断熱材 33…バーナー取付口 34…取付口密封蓋 34a…アーム部材 34b…耐熱性シール材 34c…嵌合部 35…燃焼ガス排気筒 36…燃焼ガス排気口密封蓋 36a…アーム部材 36b…耐熱性シール材 36c…嵌合部 37a…ループ管 37b…燻化ガス供給ノズル 38…燻化ガス排気筒 39…燻化ガス排気口密封蓋 39a…アーム部材 39b…耐熱性シール材 39c…嵌合部 40…燃焼バーナー(昇温手段) 50…燻化ガス供給装置 100…窯業製品製造設備 110a、110b、・・110n…焼成用台車 120…自動積み込み装置 135…焼成ボックス 135a、135b…焼成ボックス 140…一組の燃焼バーナー 200…窯業製品製造設備 220…一組の燃焼バーナー 230…移動手段 300…窯業製品製造設備
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細江 浩司 岐阜県美濃加茂市本郷町9丁目18番37号 中濃窯業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉殻の内部に被焼成体を収容したままの状
    態で該被焼成体の予熱、焼成及び窯業製品が燻し製品で
    ある場合には燻化、そして冷却からなる一連の焼成工程
    をすべて終了する窯業製品の製造方法において、少なく
    とも、 ア.予め移動不能に設備された昇温手段に向けて前記炉
    殻を移動させ着脱自在に装着する工程、 イ.予め移動不能に設備された前記炉殻に向けて昇温手
    段を移動させ着脱自在に装着する工程、 のうちのいずれか一方の工程又はその両方の工程が含ま
    れていることを特徴とする窯業製品の製造方法。
  2. 【請求項2】案内手段にガイドされ所定方向に走行する
    焼成用台車の上面に被焼成体を載置したままの状態で窯
    業製品を製造する窯業製品の製造方法であって、少なく
    とも、 ア.被焼成体が載置された焼成用台車の上面にこの焼成
    用台車とともに移動する焼成ボックスを装着する工程
    と、 イ.該焼成ボックスの外側に前記軌道に沿って予め所定
    位置に設備された昇温手段を装着する工程と、 ウ.前記焼成用台車の上面に前記焼成ボックスを装着し
    たままで被焼成体の予熱、焼成及び窯業製品が燻し製品
    である場合には燻化、そして冷却からなる一連の焼成工
    程をすべて終了する工程と、 エ.前記昇温手段を取り外す工程と、 オ.前記焼成ボックスを取り外す工程と、を含むことを
    特徴とする窯業製品の製造方法。
  3. 【請求項3】前記窯業製品の製造方法において、前記昇
    温手段が前記焼成ボックスの内側に向けて熱風を送り込
    む熱風供給装置又は燃焼バーナーのいずれか一方又はそ
    の両方であることを特徴とする請求項1又は2記載の窯
    業製品の製造方法。
  4. 【請求項4】前記窯業製品の製造方法において、前記炉
    殻に冷却手段が具備されこの炉殻の内側の冷却速度をコ
    ントロールすることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か一項に記載の窯業製品の製造方法。
  5. 【請求項5】軌道に案内され被焼成体を載置したまま走
    行する焼成用台車と、該焼成用台車の上面に着脱自在に
    装着されこの焼成用台車とともに移動する焼成ボックス
    とからなる炉体と、 予め移動不能に設備され前記焼成ボックスに外側から着
    脱自在に装着する昇温手段と、を少なくとも具備する構
    成からなる窯炉であって、 前記炉体の内部に被焼成体を収容したままの状態でこの
    被焼成体の予熱、焼成及び窯業製品が燻し製品である場
    合には燻化、そして冷却からなる一連の焼成工程をすべ
    て終了することを特徴とする窯炉。
  6. 【請求項6】前記窯炉において、前記昇温手段が前記焼
    成ボックスの内側に向けて熱風を送り込む熱風供給装置
    又は燃焼バーナーのいずれか一方又はその両方であるこ
    とを特徴とする請求項5記載の窯炉。
  7. 【請求項7】前記窯炉において、前記焼成ボックスに冷
    却手段が具備されておりこの焼成ボックスの内側の冷却
    速度がコントロール可能であることを特徴とする請求項
    5又は6記載の窯炉。
  8. 【請求項8】窯業製品製造設備において、 炉殻内に被焼成体を収容したままの状態でこの被焼成体
    の予熱、焼成、及び窯業製品が燻し製品である場合には
    燻化、そして冷却からなる一連の焼成工程をすべて終了
    する窯業製品製造設備であって、 予め移動不能でありかつ互いに離間して設備された一組
    の炉殻(A1,A2,・・An、但しnは正の整数)と、 該炉殻A1、A2、・・Anの外側につぎつぎと着脱自在
    に装着されこれらの炉殻の内部をつぎつぎに高温に昇温
    するための昇温手段と、 該昇温手段を前記炉殻A1、A2、・・An、のそれぞれ
    の設備位置に移動させるための移動手段と、 が少なくとも具備されていることを特徴とする窯業製品
    製造設備
  9. 【請求項9】窯業製品製造設備において、 炉殻内に被焼成体を収容したままの状態でこの被焼成体
    の予熱、焼成、及び窯業製品が燻し製品である場合には
    燻化、そして冷却からなる一連の焼成工程をすべて終了
    する窯業製品製造設備であって、 複数の炉殻(B1,B2,・・Bn、但しnは正の整数)
    と、 予め移動不能に設備されており前記炉殻B1,B2,・・
    nの外側につぎつぎと着脱自在に装着されこれらの炉
    殻の内部をつぎつぎに高温に昇温させるための昇温手段
    と、 該昇温手段の設備位置に前記複数の炉殻(B1,B2,・
    ・Bn)のそれぞれを移動させるために使用するリフタ
    ー手段と、が少なくとも具備されていることを特徴とす
    る窯業製品製造設備。
  10. 【請求項10】窯業製品製造設備において、 軌道に案内され被焼成体を載置したまま走行する焼成用
    台車の上面に焼成ボックスが装着され該焼成ボックスの
    内部に被焼成体を収容したままの状態でこの被焼成体の
    予熱、焼成、そして冷却からなる一連の焼成工程をすべ
    て終了させる窯業製品製造設備であって、 焼成用台車の上面にこの焼成用台車とともに移動する焼
    成ボックスを着脱自在に装着する焼成ボックス着脱手段
    と、 該焼成ボックスの外側に着脱自在に装着されこの焼成ボ
    ックスの内部を高温に昇温するための昇温手段と、が少
    なくとも具備されておりかつ相互に離間して移動不能に
    設備されていることを特徴とする窯業製品製造設備。
  11. 【請求項11】窯業製品製造設備において、 軌道に案内され被焼成体を載置したまま走行する焼成用
    台車の上面に焼成ボックスが装着され該焼成ボックスの
    内部に被焼成体を収容したままの状態でこの被焼成体の
    予熱、焼成、燻化、そして冷却からなる一連の焼成工程
    をすべて終了させる窯業製品製造設備であって、 焼成用台車の上面にこの焼成用台車とともに移動する焼
    成ボックスを着脱自在に装着する焼成ボックス着脱手段
    と、 該焼成ボックスの外側に着脱自在に装着されこの焼成ボ
    ックスの内部を高温に昇温するための昇温手段と、 前記焼成ボックスに着脱自在に装着されこの焼成ボック
    スの内部に燻化ガスを供給する燻化ガス供給手段と、が
    少なくとも具備されておりかつ相互に離間して移動不能
    に設備されていることを特徴とする窯業製品製造設備。
JP3594696A 1996-02-23 1996-02-23 窯炉、該窯炉を使用した窯業製品の製造方法、及び窯業製品製造設備 Pending JPH09229566A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007308741A (ja) * 2006-05-16 2007-11-29 Daido Steel Co Ltd 段付き材の局部加熱装置
CN103353226A (zh) * 2013-06-19 2013-10-16 陈仲礼 一种陶瓷烧制炉
CN111609714A (zh) * 2020-05-19 2020-09-01 南京上元分析仪器有限公司 钢结构防火涂料隔热效率试验炉
CN113188333A (zh) * 2021-03-26 2021-07-30 遂宁市百虎湾建材有限责任公司 一种页岩砖生产用焙烧设备

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CN113188333B (zh) * 2021-03-26 2022-07-15 遂宁市百虎湾建材有限责任公司 一种页岩砖生产用焙烧设备

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