JPH09228179A - キルト用ミシン糸 - Google Patents
キルト用ミシン糸Info
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- JPH09228179A JPH09228179A JP3955296A JP3955296A JPH09228179A JP H09228179 A JPH09228179 A JP H09228179A JP 3955296 A JP3955296 A JP 3955296A JP 3955296 A JP3955296 A JP 3955296A JP H09228179 A JPH09228179 A JP H09228179A
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- sewing thread
- thread
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 可縫性に優れ、縫目破断が発生し難いキルト
用ミシン糸を提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィラメント糸からなるミ
シン糸であって、該ミシン糸は、400〜800kg/
mm2 のヤング率、30〜60%の伸度、7,000〜
15,000の上撚の撚係数及び10T/M以下のトル
クを有している。
用ミシン糸を提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィラメント糸からなるミ
シン糸であって、該ミシン糸は、400〜800kg/
mm2 のヤング率、30〜60%の伸度、7,000〜
15,000の上撚の撚係数及び10T/M以下のトル
クを有している。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キルト可縫性に優
れ、縫目破断が発生し難いキルト用ミシン糸に関する。
れ、縫目破断が発生し難いキルト用ミシン糸に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィラメントミシン糸は、
一般に高強度、低伸度、低収縮を指向しており、キルト
縫製においても、高強度、低伸度のポリエステルフィラ
メントミシン糸が多く用いられている。
一般に高強度、低伸度、低収縮を指向しており、キルト
縫製においても、高強度、低伸度のポリエステルフィラ
メントミシン糸が多く用いられている。
【0003】しかしながら、このような高強度、低伸度
のポリエステルフィラメントミシン糸を、一般の縫製に
比べて糸道が長いキルト縫製に使用すると、ミシン糸の
トルクによるスナールが発生し易く、しかも、ミシン糸
が解撚され易いので、ミシン糸切断や目飛びなどの縫製
トラブルが発生し、さらには、伸び易い編地や織物のバ
イヤス方向に縫目を形成するキルト製品では、布帛が伸
張した時に縫糸が耐えられず、縫糸破断が発生すると言
った問題があった。
のポリエステルフィラメントミシン糸を、一般の縫製に
比べて糸道が長いキルト縫製に使用すると、ミシン糸の
トルクによるスナールが発生し易く、しかも、ミシン糸
が解撚され易いので、ミシン糸切断や目飛びなどの縫製
トラブルが発生し、さらには、伸び易い編地や織物のバ
イヤス方向に縫目を形成するキルト製品では、布帛が伸
張した時に縫糸が耐えられず、縫糸破断が発生すると言
った問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、キルト縫製
時に、ミシン糸切断や目飛びなどの縫製トラブルの発生
が少なく、しかも、キルト縫目の破断が発生し難いキル
ト用ミシン糸を提供することを課題とするものである。
時に、ミシン糸切断や目飛びなどの縫製トラブルの発生
が少なく、しかも、キルト縫目の破断が発生し難いキル
ト用ミシン糸を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、高強力、低伸度、
低収縮であることが必須とされてきたミシン糸の中で、
特にキルト用途に限っては、必ずしもこの要件が必要で
はなく、キルト用ミシン糸として好適なヤング率、伸度
及び上撚の撚係数及びトルク範囲が存在することを見出
し、本発明を完成するに至った。
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、高強力、低伸度、
低収縮であることが必須とされてきたミシン糸の中で、
特にキルト用途に限っては、必ずしもこの要件が必要で
はなく、キルト用ミシン糸として好適なヤング率、伸度
及び上撚の撚係数及びトルク範囲が存在することを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明によれば、ポリエステルフィ
ラメント糸からなるミシン糸であって、該ミシン糸のヤ
ング率が400〜800kg/mm2 、伸度が30〜6
0%、上撚の撚係数が7,000〜15,000、トル
クが10T/M以下であることを特徴とするキルト用ミ
シン糸が提供される。
ラメント糸からなるミシン糸であって、該ミシン糸のヤ
ング率が400〜800kg/mm2 、伸度が30〜6
0%、上撚の撚係数が7,000〜15,000、トル
クが10T/M以下であることを特徴とするキルト用ミ
シン糸が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳しく説明す
る。
る。
【0008】本発明のポリエステルフィラメントミシン
糸に用いるポリエステルは、ポリエチレンテレフタレー
トを主たる対象とするが、そのテレフタル酸成分の一
部、通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下を他
の二官能性カルボン酸成分、例えばイソフタル酸、フタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸、セバチン酸、アジピン
酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、ヒドロキシエトキ
シ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ジフェニルメタンジ
カルボン酸等の二官能性ジカルボン酸成分で置き換えて
てもよく、またエチレングリコール成分の一部、通常1
0モル%以下、好ましくは5モル%以下を他のジオール
成分、例えばジエチレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール成
分で置き換えてもよい。更に、かかるポリエステルに
は、必要に応じて、任意の添加剤、例えば安定剤、着色
剤、帯電防止剤、防炎剤等の添加剤を加えてもよい。
糸に用いるポリエステルは、ポリエチレンテレフタレー
トを主たる対象とするが、そのテレフタル酸成分の一
部、通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下を他
の二官能性カルボン酸成分、例えばイソフタル酸、フタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸、セバチン酸、アジピン
酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、ヒドロキシエトキ
シ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ジフェニルメタンジ
カルボン酸等の二官能性ジカルボン酸成分で置き換えて
てもよく、またエチレングリコール成分の一部、通常1
0モル%以下、好ましくは5モル%以下を他のジオール
成分、例えばジエチレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール成
分で置き換えてもよい。更に、かかるポリエステルに
は、必要に応じて、任意の添加剤、例えば安定剤、着色
剤、帯電防止剤、防炎剤等の添加剤を加えてもよい。
【0009】本発明のミシン糸は、ポリエステルフィラ
メント糸からなり、そのデニール/フィラメント数は特
に限定されないが、キルト用として70デニール/24
フィラメント、70デニール/18フィラメント、50
デニール/24フィラメント、50デニール/18フィ
ラメント等が好適に例示される。
メント糸からなり、そのデニール/フィラメント数は特
に限定されないが、キルト用として70デニール/24
フィラメント、70デニール/18フィラメント、50
デニール/24フィラメント、50デニール/18フィ
ラメント等が好適に例示される。
【0010】本発明のミシン糸のヤング率は、400〜
800kg/mm2 の範囲内になければならない。ヤン
グ率が400kg/mm2 未満の場合は、縫製時にミシ
ン針との間に出来るミシン糸ループが歪み易く、ミシン
糸切断などの縫製トラブルが多発し、本発明の目的が達
成されない。逆に、ヤング率が800kg/mm2 を越
えると、糸が硬くなり、縫製布との馴染みが悪くなるの
で望ましくない。
800kg/mm2 の範囲内になければならない。ヤン
グ率が400kg/mm2 未満の場合は、縫製時にミシ
ン針との間に出来るミシン糸ループが歪み易く、ミシン
糸切断などの縫製トラブルが多発し、本発明の目的が達
成されない。逆に、ヤング率が800kg/mm2 を越
えると、糸が硬くなり、縫製布との馴染みが悪くなるの
で望ましくない。
【0011】なお、本発明におけるヤング率は、JIS
−1013−7.10法で測定したものである。
−1013−7.10法で測定したものである。
【0012】一般に、ミシン糸のヤング率は、合撚糸、
染色などによって、フィラメント糸のヤング率の80%
程度まで低下する。従って、ミシン糸のヤング率を40
0〜800kg/mm2 とするには、ポリエステルフィ
ラメント糸のヤング率をそれよりも高い値、例えば、5
00〜1,000kg/mm2 に設定しておく。
染色などによって、フィラメント糸のヤング率の80%
程度まで低下する。従って、ミシン糸のヤング率を40
0〜800kg/mm2 とするには、ポリエステルフィ
ラメント糸のヤング率をそれよりも高い値、例えば、5
00〜1,000kg/mm2 に設定しておく。
【0013】ポリエステルフィラメント糸のヤング率
は、紡糸速度、延伸倍率、熱処理温度、熱処理時の弛緩
又は伸長率等を変更することにより、任意に設定するこ
とができる。勿論、ミシン糸の撚数、染色条件などを変
更することによっても、ミシン糸のヤング率を変えるこ
とができる。
は、紡糸速度、延伸倍率、熱処理温度、熱処理時の弛緩
又は伸長率等を変更することにより、任意に設定するこ
とができる。勿論、ミシン糸の撚数、染色条件などを変
更することによっても、ミシン糸のヤング率を変えるこ
とができる。
【0014】また、本発明のミシン糸は、伸度が30〜
60%の範囲内にあることが極めて重要である。伸度が
30%未満のミシン糸を用いたキルト製品では、30%
以上の伸長を受けると、当然のことながらミシン糸(縫
糸)が破断する。
60%の範囲内にあることが極めて重要である。伸度が
30%未満のミシン糸を用いたキルト製品では、30%
以上の伸長を受けると、当然のことながらミシン糸(縫
糸)が破断する。
【0015】一般に、織物のバイヤス方向の伸びは30
%以上の場合が多く、伸度が30%未満のミシン糸を用
いたのでは、縫糸が破断して、本発明の目的が達成され
ない。逆に、伸度が60%を越える場合は、ミシン糸が
伸び過ぎて、縫製トラブルが発生し易く、望ましくな
い。
%以上の場合が多く、伸度が30%未満のミシン糸を用
いたのでは、縫糸が破断して、本発明の目的が達成され
ない。逆に、伸度が60%を越える場合は、ミシン糸が
伸び過ぎて、縫製トラブルが発生し易く、望ましくな
い。
【0016】なお、本発明における伸度は、JIS−L
−1013−7.5−1法(定速伸張法、つかみ間隔:
20cm,引張速度:100%/分)で測定したもので
ある。
−1013−7.5−1法(定速伸張法、つかみ間隔:
20cm,引張速度:100%/分)で測定したもので
ある。
【0017】ミシン糸の伸度も、合撚糸、染色などによ
って、フィラメント糸の伸度の1.2〜1.4倍に上昇
する。従って、ミシン糸の伸度を30〜60%とするに
は、ポリエステルフィラメント糸の伸度をそれよりも低
い値、例えば、25〜45%に設定しておく。
って、フィラメント糸の伸度の1.2〜1.4倍に上昇
する。従って、ミシン糸の伸度を30〜60%とするに
は、ポリエステルフィラメント糸の伸度をそれよりも低
い値、例えば、25〜45%に設定しておく。
【0018】ポリエステルフィラメント糸の伸度も、ヤ
ング率の場合と同様に、紡糸速度、延伸倍率、熱処理温
度、熱処理時の弛緩又は伸長率等を変更することによ
り、任意に設定することができる。また、ミシン糸の撚
数、染色条件などを変更することによっても、ミシン糸
の伸度を変えることができる。
ング率の場合と同様に、紡糸速度、延伸倍率、熱処理温
度、熱処理時の弛緩又は伸長率等を変更することによ
り、任意に設定することができる。また、ミシン糸の撚
数、染色条件などを変更することによっても、ミシン糸
の伸度を変えることができる。
【0019】更に、本発明のミシン糸は、ポリエステル
フィラメント糸に下撚(例えば、S方向)を施し、その
糸条を2〜3本引揃えて上撚(例えば、Z方向)を加え
て合撚することにより製造される。
フィラメント糸に下撚(例えば、S方向)を施し、その
糸条を2〜3本引揃えて上撚(例えば、Z方向)を加え
て合撚することにより製造される。
【0020】この場合の上撚の撚係数は、7,000〜
15,000の範囲内になければならない。上撚の撚係
数が7,000未満の場合は、キルト縫製での解撚トラ
ブルが多発する。逆に、上撚の撚係数が15,000を
越える場合は、トルクを防止するのが困難であり、糸道
でスナールが発生して、縫製トラブルが多発し、本発明
の目的を達成することができない。なお、下撚数は特に
限定しないが、ミシン糸のトルクを低下させるうえで、
上撚数の1.1〜1.5倍とするのが好適である。
15,000の範囲内になければならない。上撚の撚係
数が7,000未満の場合は、キルト縫製での解撚トラ
ブルが多発する。逆に、上撚の撚係数が15,000を
越える場合は、トルクを防止するのが困難であり、糸道
でスナールが発生して、縫製トラブルが多発し、本発明
の目的を達成することができない。なお、下撚数は特に
限定しないが、ミシン糸のトルクを低下させるうえで、
上撚数の1.1〜1.5倍とするのが好適である。
【0021】本発明における上撚の撚係数は、下記式で
求められる。
求められる。
【0022】
【数1】A=(D)1/2 ×T ここで A:上撚の撚係数 D:ミシン糸のデニール T:ミシン糸の上撚数(T/M)
【0023】また、本発明のミシン糸は、トルクが10
T/M以下でなければならない。トルクが10T/Mを
越えると、前記の上撚の撚係数が15,000を越えた
場合と同様に、糸道でのスナールが発生して、縫製トラ
ブルが多発し、本発明の目的を達成することができな
い。
T/M以下でなければならない。トルクが10T/Mを
越えると、前記の上撚の撚係数が15,000を越えた
場合と同様に、糸道でのスナールが発生して、縫製トラ
ブルが多発し、本発明の目的を達成することができな
い。
【0024】なお、本発明におけるトルクは、105c
mのミシン糸の両端を合わせ、中央にミシン糸のデニー
ルの1/15gの荷重をかけてフリー回転させ、回転が
止まった時の撚数を測定することにより求める。
mのミシン糸の両端を合わせ、中央にミシン糸のデニー
ルの1/15gの荷重をかけてフリー回転させ、回転が
止まった時の撚数を測定することにより求める。
【0025】ミシン糸のトルクを10T/M以下とする
には、上撚と下撚の撚バランスだけでは困難であり、染
色工程での熱セット(例えば、130℃で20〜60
分)が必要となる。この場合、ポリエステルフィラメン
ト糸が低ヤング率、高伸度であるほど、熱セット効果が
大きくなり、トルクが低くなる。
には、上撚と下撚の撚バランスだけでは困難であり、染
色工程での熱セット(例えば、130℃で20〜60
分)が必要となる。この場合、ポリエステルフィラメン
ト糸が低ヤング率、高伸度であるほど、熱セット効果が
大きくなり、トルクが低くなる。
【0026】本発明のミシン糸は、適正なヤング率、伸
度を有するのでループ形成性が良好であり、しかも上記
のように熱セット効果が大きく、トルクを低くすること
ができるので、多めの撚係数で上撚を施すことが可能で
あり、耐解撚性が向上する上、トルクが少なくスナール
が発生し難いのでキルト可縫性に優れている。
度を有するのでループ形成性が良好であり、しかも上記
のように熱セット効果が大きく、トルクを低くすること
ができるので、多めの撚係数で上撚を施すことが可能で
あり、耐解撚性が向上する上、トルクが少なくスナール
が発生し難いのでキルト可縫性に優れている。
【0027】また、本発明のミシン糸は伸度が大きいの
で、該ミシン糸を用いてキルト縫製された製品は伸張性
に優れ、キルト縫目での縫糸の伸張切断が発生し難い。
で、該ミシン糸を用いてキルト縫製された製品は伸張性
に優れ、キルト縫目での縫糸の伸張切断が発生し難い。
【0028】さらに説明を加えると、例えば、スラック
スの尻部等の場合は、交叉状に形成された縫目に引掛状
の張力がかかるため、ミシン糸には、縫目破断を防止す
るのに十分な高引掛強度が要求される。また、縫目が伸
びて縫目開きすると、下着や肌が見えるので好ましくな
く、低伸度が要求されることになる。
スの尻部等の場合は、交叉状に形成された縫目に引掛状
の張力がかかるため、ミシン糸には、縫目破断を防止す
るのに十分な高引掛強度が要求される。また、縫目が伸
びて縫目開きすると、下着や肌が見えるので好ましくな
く、低伸度が要求されることになる。
【0029】これに対して、キルト縫目は、前記の場合
と異なり、複数枚の布帛(織編物や中綿、特に織編物の
場合が多い)を重ねて縫合するものであって、厚さ方向
に力は掛からず、引掛強度は必要としない。
と異なり、複数枚の布帛(織編物や中綿、特に織編物の
場合が多い)を重ねて縫合するものであって、厚さ方向
に力は掛からず、引掛強度は必要としない。
【0030】しかしながら、縫目の長さ方向に伸張され
るので(特に編地や織物のバイヤス方向の場合)、ミシ
ン糸は高伸度である方が破断し難く、キルト用には本発
明のミシン糸が有効であることになる。
るので(特に編地や織物のバイヤス方向の場合)、ミシ
ン糸は高伸度である方が破断し難く、キルト用には本発
明のミシン糸が有効であることになる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
する。
【0032】なお、以下の実施例、比較例において、可
縫性及び縫目破断は、下記のようにして測定した。
縫性及び縫目破断は、下記のようにして測定した。
【0033】(1)可縫性 キルトミシンと縫製原理が同じ千鳥ミシンを用い、縫製
速度2,000spm、ミシン針11、針振り巾5mm
でT/Rサージ1枚を3m縫製して、ミシン糸切断及び
目飛びの有無を観察し、有の場合を×、無の場合を○で
表示した。
速度2,000spm、ミシン針11、針振り巾5mm
でT/Rサージ1枚を3m縫製して、ミシン糸切断及び
目飛びの有無を観察し、有の場合を×、無の場合を○で
表示した。
【0034】(2)縫目破断 本縫ミシンを用い、縫製速度2,000rpm、ミシン
針11、縫目ピッチ5ステッチ/cmでニット(1.5
kg/5cm荷重付加時の伸度が30%)1枚を縫製
し、得られた試料に定速伸張式引張試験機を用いて1.
5Kg/5cmの荷重を付加して、ミシン糸に切断が生
じる場合を×、切断しない場合を○で表示した。
針11、縫目ピッチ5ステッチ/cmでニット(1.5
kg/5cm荷重付加時の伸度が30%)1枚を縫製
し、得られた試料に定速伸張式引張試験機を用いて1.
5Kg/5cmの荷重を付加して、ミシン糸に切断が生
じる場合を×、切断しない場合を○で表示した。
【0035】[実施例1〜3、比較例1〜2]固有粘度
[η]が0.72のポリエチレンテレフタレートを、2
90℃で溶融し、種々の紡糸速度で紡糸した後、95℃
で延伸し、その後、210℃で定長熱処理して、表1に
示す伸度を有するポリエステルフィラメント糸(70デ
ニール/24フィラメント)を得た。
[η]が0.72のポリエチレンテレフタレートを、2
90℃で溶融し、種々の紡糸速度で紡糸した後、95℃
で延伸し、その後、210℃で定長熱処理して、表1に
示す伸度を有するポリエステルフィラメント糸(70デ
ニール/24フィラメント)を得た。
【0036】次いで、各フィラメント糸にS方向の下撚
(上撚数の1.2倍の撚数)を施し、その3本を引揃え
合糸した後、表1に示す撚係数でZ方向の上撚を施し、
次いで染色(130℃で40分)を行い、シリコン系油
剤を付与して、表1に示す各ミシン糸を得た。
(上撚数の1.2倍の撚数)を施し、その3本を引揃え
合糸した後、表1に示す撚係数でZ方向の上撚を施し、
次いで染色(130℃で40分)を行い、シリコン系油
剤を付与して、表1に示す各ミシン糸を得た。
【0037】得られた各ミシン糸のヤング率、伸度、ト
ルク、可縫性、縫目破断は、表1に示す通りであった。
ルク、可縫性、縫目破断は、表1に示す通りであった。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、本発明のミシン
糸(実施例1〜3)は、可縫性、縫目破断共に良好であ
ったが、伸度が高く、ヤング率が400kg/mm2 未
満の場合(比較例1)は、可縫性が劣り、一方、800
kg/mm2 を越える場合(比較例2)は、糸が硬くな
り、縫製布との馴染みが悪くなる上、伸度が低く、縫目
におけるミシン糸(縫糸)の破断が生じた。
糸(実施例1〜3)は、可縫性、縫目破断共に良好であ
ったが、伸度が高く、ヤング率が400kg/mm2 未
満の場合(比較例1)は、可縫性が劣り、一方、800
kg/mm2 を越える場合(比較例2)は、糸が硬くな
り、縫製布との馴染みが悪くなる上、伸度が低く、縫目
におけるミシン糸(縫糸)の破断が生じた。
【0040】[実施例4、5、比較例3、4]実施例2
において、上撚の撚係数を表2に示すように変更した。
結果は表2に示す通りであり、上撚の撚係数が7,00
0〜15,000の範囲内にある実施例4、5では、可
縫性、縫目破断共に良好であったが、上撚の撚係数が
7,000未満である場合(比較例3)は、キルト縫製
での解撚トラブルが多発して可縫性が悪化し、一方、1
5,000を越える場合(比較例4)は、トルク抑制が
困難で高くなり、糸道でスナールが発生して、縫製トラ
ブルが多発し、可縫性が劣っていた。
において、上撚の撚係数を表2に示すように変更した。
結果は表2に示す通りであり、上撚の撚係数が7,00
0〜15,000の範囲内にある実施例4、5では、可
縫性、縫目破断共に良好であったが、上撚の撚係数が
7,000未満である場合(比較例3)は、キルト縫製
での解撚トラブルが多発して可縫性が悪化し、一方、1
5,000を越える場合(比較例4)は、トルク抑制が
困難で高くなり、糸道でスナールが発生して、縫製トラ
ブルが多発し、可縫性が劣っていた。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、キルト縫製時に、ミシ
ン糸切断や目飛びなどの縫製トラブルの発生が少なく、
しかも、キルト縫目の破断が発生し難いミシン糸を提供
することができ、キルト縫製用ミシン糸として極めて有
用である。
ン糸切断や目飛びなどの縫製トラブルの発生が少なく、
しかも、キルト縫目の破断が発生し難いミシン糸を提供
することができ、キルト縫製用ミシン糸として極めて有
用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリエステルフィラメント糸からなるミ
シン糸であって、該ミシン糸のヤング率が400〜80
0kg/mm2 、伸度が30〜60%、上撚の撚係数が
7,000〜15,000、トルクが10T/M以下で
あることを特徴とするキルト用ミシン糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3955296A JPH09228179A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | キルト用ミシン糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3955296A JPH09228179A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | キルト用ミシン糸 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09228179A true JPH09228179A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=12556237
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3955296A Pending JPH09228179A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | キルト用ミシン糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09228179A (ja) |
-
1996
- 1996-02-27 JP JP3955296A patent/JPH09228179A/ja active Pending
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