JP3113162B2 - ポリエステルミシン糸の製造方法 - Google Patents

ポリエステルミシン糸の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トルクが少なく、可縫
性、縫目外観に優れたポリエステルミシン糸を低コスト
で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ミシン糸には、木綿、絹、合
成繊維などが用いられており、近年は、強力の大きい合
成繊維が多用され、特にポリエステル繊維がその主流と
なっている。
【0003】なかでも、特開平5―106134号公
報、特開平6―128834号公報に記載されているよ
うな、高伸度のポリエステルフィラメント糸と、高強
力、低伸度のポリエステルフィラメント糸とからなり、
前者がミシン糸表層部でループ、たるみを形成している
複合ミシン糸は、可縫性に優れ、縫製中の毛羽の脱落が
少なく、しかもパッカリングの発生も少ないことから、
好ましく用いられている。
【0004】この場合、特開平5―106134号公報
にも記載されているように、高伸度ポリエステルフィラ
メント糸として自発伸長性のポリエステルフィラメント
を用い、かつ高強力、低伸度ポリエステルフィラメント
糸として非自発伸長性のポリエステルフィラメント糸を
用いて、染色の際に、ミシン糸表面に高伸度ポリエステ
ルフィラメント糸からなるループ、たるみを形成させる
ことが好ましい。
【0005】ところが、かかる自発伸長性ポリエステル
フィラメント糸は、ポリエステルを3,000m/分前
後の紡糸速度で紡糸して得た未延伸糸をあらかじめ10
0〜130℃で定長熱処理し、引き続き180〜220
℃で弛緩熱処理(1〜5%)することにより得られたも
のであって、これを非自発伸長性ポリエステルフィラメ
ント糸と混合するので製造工程が多くなり、コストが高
くなるという問題があった。
【0006】更に、現在、ミシン糸は、S方向の下撚り
を施した3本の単糸をZ方向の上撚で合撚した3子ミシ
ン糸と称されるものが主流となっており、この3子ミシ
ン糸は、上撚数と下撚数のバランスをとって(一般に
は、上撚数/下撚数が0.6〜0.8)、ミシン糸のト
ルク発生を防止しようとしている。更に、撚りセットや
染色時の加熱によって撚りを熱セットし、ミシン糸のト
ルク発生を防止することも試みられている。
【0007】即ち、トルクの多いミシン糸は、スナール
(トルクによって生じる糸の巻き付き現象)を生じやす
く、該スナールがミシンのガイドや針穴や釜の通過性を
阻害して、縫目異常やミシン糸切断といった問題を引き
起こすからである。また、ミシン針とミシン糸で形成す
るループに、トルクによる曲がりや歪を生じ、ループ捕
捉が困難となり、目とびやミシン糸切れといった問題を
生じることもある。
【0008】ところが、前述のような従来の複合ミシン
糸をこの3子ミシン糸に適用すると、撚りセットや染色
を行っても、ミシン糸のトルクを実用上問題のないレベ
ルまで低下させるのは困難であるということがわかって
きた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
述のような従来のミシン糸の問題点を解消し、トルクが
少なく、可縫性、縫目外観に優れたポリエステルミシン
糸を低コストで製造する方法を提供することを課題とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、2,0
00〜5,000m/分の紡糸速度で紡糸した未延伸ポ
リエステルマルチフィラメント糸(A)と、引張強度が
6.0〜9.0g/deのポリエステルマルチフィラメ
ント糸(B)とを混繊した後、該未延伸ポリエステルフ
ィラメント糸(A)の2次転移点以上の温度で定長熱処
理し、次いで、染色することを特徴とするポリエステル
ミシン糸の製造方法が提供される。
【0011】本発明においては、未延伸ポリエステルフ
ィラメント糸(A)が、ミシン糸全重量に対して6〜5
0重量%混繊されており、その単繊維デニールが0.8
〜4.0deであることが好ましく、また、定長熱処理
が染色温度よりも低い温度、更に望ましくは、80〜1
00℃で行われることが好ましい。
【0012】本発明で用いるポリエステルマルチフィラ
メント糸は、(A)、(B)共に、主たる繰り返し単位
がエチレンテレフタレート単位からなるポリエステルの
マルチフィラメント糸であることが好ましく、テレフタ
ル酸成分及び/又はエチレングリコール成分以外に少量
の第3成分を共重合させたものであってもよい。また、
他のポリマーを少量混合したものでもよい。
【0013】また、ポリエステルマルチフィラメント糸
(A)、(B)の極限粘度は、特に限定されないが、耐
熱性、耐摩耗性、強度の面から、極限粘度は大きい方が
望ましい。しかし、極限粘度を大きくすると製造コスト
がかさむようになるので、極限粘度は0.5〜1.0の
範囲内とするのが適当である。
【0014】更に、ポリエステルマルチフィラメント糸
(A)、(B)の断面形状は、特に限定されないが、ミ
シン糸に光沢を望む場合は、三角形等の多角形が好まし
く、光沢を嫌う目立たないミシン糸としたい場合は、丸
形が好ましい。
【0015】本発明で用いる未延伸ポリエステルマルチ
フィラメント糸(A)は、2,000〜5,000m/
分の紡糸速度で紡糸したものであることが必要であり、
紡糸速度がこの範囲外では、ミシン糸表層部に十分なル
ープ、たるみが発現せず、可縫性、縫目外観が劣ったも
のとなる。特に好ましい紡糸速度は、2,500〜3,
500m/分である。
【0016】また、未延伸ポリエステルマルチフィラメ
ント糸(A)の単繊維デニールは、0.8〜4.0d
e、特に好ましくは1.0〜3.0deの範囲内にある
ことが望ましい。
【0017】単繊維デニールが4.0deを越える場合
は、該フィラメント糸(A)の構成単繊維本数が少なく
なりミシン糸内での分散性が劣り、さらに該フィラメン
ト糸の表面積が小さくなるため、他の繊維との接触面積
も小さくなって、充分な熱セット効果が得られず、本発
明の目的である低トルクミシン糸が得られ難くなる。
【0018】逆に、単繊維デニールが0.5de未満の
場合は、該単繊維1本当りの強力が弱く、縫製中、ミシ
ン糸が受ける応力に耐えられず、切断して毛羽となり、
ミシン針穴の通過性を阻害し、ミシン糸が切断したり、
毛羽が縫目外観を損なうと言った問題を生じ易い。
【0019】一方、ポリエステルマルチフィラメント糸
(B)は、強度が6.0〜9.0g/de(好ましくは
6.5〜8.5g/de)の範囲内にあることが必要で
ある。この強度が6.0g/de未満では、ミシン糸に
必要な強度特性を付与することができず、可縫性が低下
して、縫目外観も劣ったものとなる。一方、9.0g/
deを越えるフィラメント糸を得ようとするとコスト高
となり一般的でない。
【0020】本発明においては、上記未延伸ポリエステ
ルマルチフィラメント糸(A)とポリエステルマルチフ
ィラメント糸(B)とを混繊し、単糸を得る。この混繊
は、引き揃え、合撚あるいは空気交絡等任意の方法で行
うことができ、例えば、インターレース加工、タスラン
加工と呼ばれる空気ノズルを用いた方法が好ましく用い
られる。
【0021】また、例えばインターレース加工を施した
後、得られた単糸を施撚する等、上記方法の2種以上を
併用しても構わない。
【0022】なお、本発明においては、前記未延伸ポリ
エステルマルチフィラメント糸(A)とポリエステルマ
ルチフィラメント糸(B)の他に、天然繊維やポリエス
テル繊維以外の合成繊維を長繊維又は短繊維の形で混合
することもできるが、染色性の相性が良く、強度も高い
ことから、ポリエステルフィラメント糸のみで形成する
のが好ましい。
【0023】本発明においては、上記方法で得られた単
糸を、必要に応じて施撚する。
【0024】即ち、本発明においては、ミシン糸の撚構
造、撚数には特に限定はなく、例えば、単糸に施撚した
単糸撚ミシン糸(片撚ミシンン糸とも言う)、S撚(下
撚)を施した2本の単糸をZ合撚(上撚)した双糸ミシ
ン糸、S撚(下撚)を施した3本の単糸をZ合撚(上
撚)した3子ミシン糸などに適用されるが、特に、3子
ミシン糸に用いた場合に顕著な効果が認められる。
【0025】この際、未延伸ポリエステルマルチフィラ
メント糸(A)がミシン糸の全重量に対して占める比率
は6〜50重量%が好ましく、更に好ましくは10〜4
0重量である。この比率が低過ぎるとミシン糸のトルク
が低下し難く、逆に高すぎると、ミシン糸の強力が低下
する傾向がある。
【0026】また、本発明においては、未延伸ポリエス
テルマルチフィラメント糸(A)とポリエステルマルチ
フィラメント糸(B)とを混繊した単糸を、ミシン糸の
全単糸に用いてもよく、或は前記の双糸ミシン糸の内の
1単糸又は、3子ミシン糸の内の1単糸若しくは2単糸
に用いる等、一部の単糸に用いることもできる。
【0027】次いで、このようにして得られた単糸群
に、未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸(A)の
2次転移点以上の温度で定長熱処理を施し、その後、染
色する。
【0028】この場合、熱処理温度は未延伸ポリエステ
ルフィラメント糸(A)の2次転移点以上であることが
必要であり、該2次転移点よりも低いと、後に続く染色
工程で加熱しても、ループ、たるみが形成されない。な
お、ポリエチレンテレフタレートからなる未延伸ポリエ
ステルフィラメント糸(A)の2次転移点は、67〜6
9℃程度である。
【0029】この熱処理温度は染色温度よりも低いこと
が好ましく、それによって、定長熱処理工程ではルー
プ、たるみが発現せず、染色工程でループ、たるみが発
現することになる。
【0030】なお、熱処理温度が130℃を越えると、
定長熱処理中にループ、たるみが形成され、染色工程へ
移送するまでのミシン糸の取扱性が低下するので、なる
べく130℃以下で処理するのが好ましい。熱処理温度
の特に好ましい範囲は80〜100℃である。
【0031】この定長熱処理は極めて重要であり、定長
熱処理を行わなかった場合は、染色工程で加熱しても、
ミシン糸の表層部にループ、たるみが形成されず、チー
ズ染色では、チーズに割れが生じ、実用に供することが
できない。
【0032】また、定長熱処理に代えて、収縮熱処理や
伸長熱処理を施した場合も、ミシン糸の表層部にルー
プ、たるみが形成されず、可縫性は改善されないので不
適当である。
【0033】更に、従来例のように、3,000m/分
前後の紡糸速度で紡糸した未延伸ポリエステルフィラメ
ント糸に、混繊前に定長熱処理、弛緩熱処理を施して、
自発伸長性を付与した場合は、コスト高となるうえ、染
色工程でループ、たるみは発現するものの、ミシン糸の
トルクが実用上十分満足できる水準まで低下せず、ミシ
ン糸の切断や縫目異常を引き起こすので不適当である。
【0034】染色は、ポリエステルミシン糸の場合、通
常、130℃前後で行われ、チーズ状(定長状態)で染
色しても、カセ状(自由収縮可能)で染色してもよい。
【0035】
【作用】本発明により、ミシン糸表層部に良好なルー
プ、たるみが形成され、しかもトルクが少なく、可縫性
に優れたポリエステルミシン糸が得られる理由は、必ず
しも明かではないが、混繊後の定長熱処理によって、未
延伸ポリエステルマルチフィラメント糸(A)に自発伸
長性が付与されることに起用するものと考えられる。
【0036】即ち、混繊後の定長熱処理により、未延伸
ポリエステルマルチフィラメント糸(A)には自発伸長
性が付与されるが、紡糸、延伸法により得たポリエステ
ルマルチフィラメント糸(B)はそのまま非自発伸長性
を維持する。その結果、染色工程での加熱により、未延
伸ポリエステルマルチフィラメント糸(A)が自発伸長
して、ミシン糸の表層部にループ、たるみを形成するこ
とになる。
【0037】この定長熱処理に代えて、収縮熱処理や伸
長熱処理を施しても、ミシン糸の表層部にループ、たる
みが形成されないのは、収縮熱処理や伸長熱処理では、
未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸(A)に自発
伸長性が付与されないからである。
【0038】更に、本発明では、混繊された未延伸ポリ
エステルマルチフィラメント糸(A)とポリエステルマ
ルチフィラメント糸(B)とを施撚した後で定長熱処理
を施し、未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸
(A)に自発伸長性が付与されるから、自発伸長が発現
する際に、施撚によって受ける繊維の歪(トルク)が吸
収緩和され、極めて安定化した状態となるので、トルク
の少ないミシン糸が得られるものと推定される。
【0039】これに対して、従来の複合ミシン糸では、
混繊や施撚前に一方のポリエステルフィラメント糸にす
でに自発伸長性が付与されているので、施撚によって受
ける繊維の歪(トルク)を安定化させる事ができず、従
ってトルクを十分に低下させることができないと考えら
れる。
【0040】更に、本発明では、混繊前のフィラメント
糸にあらかじめ自発伸長性を付与する必要がないから、
製造コストを大幅に低減させることができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、ミシン糸の評価は下記の方法により行っ
た。
【0042】(1)ミシン糸強度 JIS―L―1013―7.5.1の方法によって測定
した強力値を、ミシン糸のデニールで除した値で示す。
【0043】(2)ミシン糸のトルク 約120cmのミシン糸試料の中央に荷重(ミシン糸デ
ニール×2mg)をかけ、両端を合わせて固定して、下
端の荷重を自由回転させる。回転が静止してから、試料
にかかった撚数(トルク)を検撚器で測定(試験長50
cm)して、得た値を1m当りに換算(2倍)した値で
示す。
【0044】(3)可縫性 1本針本縫ミシンを用い、4,000rpmの速度、ミ
シン針#11でT/Rサージ4枚を10分間縫製して、
ミシン糸の切断が多発した場合は×、ごく僅かに切断が
起こったが、実用上問題がない場合は○、全く切断しな
かった場合は◎で示した。
【0045】(4)縫目外観 前記可縫性試験で縫製した布の縫目を目視で観察し、目
飛び、縫目つれ、縫糸の毛羽立ちがなく、縫目が極めて
均一なものを◎、若干の目飛び、縫目つれ、縫糸の毛羽
立ちが認められるが、実用上問題がないものを○、目飛
び、縫目つれ、縫糸の毛羽立ちがあり、縫目が不均一な
ものを×で示した。
【0046】[実施例1〜8、比較例1〜3]極限粘度
0.6のポリエチレンテレフタレートを表1に示す種々
の紡糸速度で紡糸し、30de/12filの未延伸ポ
リエステルマルチフィラメント糸(A)を得た。
【0047】一方、極限粘度0.9のポリエチレンテレ
フタレートを2,500m/分の紡糸速度で紡糸した
後、85℃の加熱ローラを用いて種々の倍率で延伸し、
表1に示す強度を有する70de/24filのポリエ
ステルマルチフィラメント糸(B)を得た。
【0048】両方のポリエステルマルチフィラメント糸
(A)、(B)を、インターレースノズル(空気圧:
1.0kg/cm2 )に通して混繊し、さらにS方向に
900T/mの下撚を施して下撚単糸を得た。
【0049】次いで、該下撚単糸3本を引き揃えて、Z
方向に700T/mの上撚を施した後、ボビンに巻取っ
た状態で、90℃にて60分間定長熱処理し、次いで1
30℃で60分間染色し、シリコーン系油剤を3%ow
f付与してミシン糸を得た。
【0050】得られたミシン糸の評価結果は表1に示す
通りであり、紡糸速度2,000〜5,000m/分で
紡糸した未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸
(A)と強度が6.0〜9.0g/deのポリエステル
マルチフィラメント糸(B)とを混繊した場合(実施例
1〜8)に、低トルクで、可縫性、縫目外観に優れたポ
リエステルミシン糸を得ることができ、特に、紡糸速度
2,500〜3,500m/分で紡糸した未延伸ポリエ
ステルマルチフィラメント糸(A)と強度が6.5〜
8.5g/deのポリエステルマルチフィラメント糸
(B)とを混繊した場合(実施例2、3、6、7)に
は、更に好ましい結果が得られた。
【0051】
【表1】
【0052】[実施例9〜12、比較例4]実施例7に
おいて、定長熱処理温度を表2に示すように変更し、そ
の他の条件は実施例7と同一にしてミシン糸を作成し
た。
【0053】得られたミシン糸の評価結果は表2に示す
通りであり、定長熱処理温度が未延伸ポリエステルマル
チフィラメント糸(A)の2次転移点(69℃)以上で
ある場合(実施例9〜12)に、低トルクで、可縫性、
縫目外観に優れたポリエステルミシン糸を得ることがで
きた。
【0054】特に、定長熱処理温度が80〜100℃の
場合(実施例9、10)に、可縫性、縫目外観の向上、
トルクの低下が顕著であり、好ましい。
【0055】
【表2】
【0056】[比較例5]実施例7において、未延伸ポ
リエステルフィラメント糸(A)として、3,000m
/分の紡糸速度で紡糸した後、110℃で定長熱処理
し、次いで200℃で3%の弛緩熱処理を行って、あら
かじめ自発伸長性を付与したものを使用し、上撚を施し
た後の定長熱処理を行わず、その他の条件は実施例7と
同一にしてミシン糸を作成した。
【0057】その結果、ミシン糸の強度は4.3g/d
eであったが、トルクは10T/mと高く、可縫性、縫
目外観も劣っていた。
【0058】[実施例13〜24]実施例2において、
未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸(A)の単繊
維デニール及び該フィラメント糸(A)とポリエステル
マルチフィラメント糸(B)との混繊比率(ミシン糸全
重量に対する混繊比率)を表3に示すように変更し、そ
の他の条件は実施例2と同一にして、ミシン糸を作成し
た。
【0059】得られたミシン糸の評価結果は、表3に示
す通りであり、未延伸ポリエステルマルチフィラメント
糸(A)の単繊維デニールが0.8〜4.0deの場合
(実施例14〜17)に、特に好ましい結果が得られ、
1.0〜3.0deの場合(実施例15、16)は、更
に好ましい結果が得られた。
【0060】また、未延伸ポリエステルマルチフィラメ
ント糸(A)がミシン糸全重量に対して6〜50重量%
混繊されている場合(実施例20〜23)は、特に好ま
しい結果が得られ、10〜40重量%混繊されている場
合(実施例21、22)は、更に好ましい結果が得られ
た。
【0061】
【表3】
【0062】[実施例25]実施例7で作成した下撚単
糸1本と、極限粘度0.9のポリエチレンテレフタレー
トを2,500m/分の紡糸速度で紡糸した後、85℃
の加熱ローラを用いて、2.4倍に延伸して得た100
de/24filのポリエステルフィラメント糸に、9
00T/mのS方向の下撚を施した下撚単糸2本の合計
3本の下撚単糸を引き揃えて、実施例7と同一条件で上
撚を施し、定長熱処理、染色、油剤付与を行って、ミシ
ン糸を作成した。
【0063】得られたミシン糸の強度は5.7g/d
e、トルクは4T/mであり、可縫性、縫目外観共に良
好であった。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、トルクが少なく、可縫
性、縫目外観に優れたポリエステルミシン糸を低コスト
で製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−257029(JP,A) 特開 平5−106134(JP,A) 特開 昭58−180637(JP,A) 特開 平4−153332(JP,A) 特開 平2−104733(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D02J 1/00 - 13/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2,000〜5,000m/分の紡糸速
    度で紡糸した未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸
    (A)と、引張強度が6.0〜9.0g/deのポリエ
    ステルマルチフィラメント糸(B)とを混繊した後、該
    未延伸ポリエステルフィラメント糸(A)の2次転移点
    以上の温度で定長熱処理し、次いで、染色することを特
    徴とするポリエステルミシン糸の製造方法。
  2. 【請求項2】 未延伸ポリエステルマルチフィラメント
    糸(A)を、ミシン糸全重量に対して6〜50重量%混
    繊する請求項1記載のポリエステルミシン糸の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 未延伸ポリエステルマルチフィラメント
    糸(A)の単繊維デニールが、0.8〜4.0deであ
    る請求項1又は2記載のポリエステルミシン糸の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 定長熱処理を染色温度よりも低い温度で
    行う請求項1、2又は3記載のミシン糸の製造方法。
  5. 【請求項5】 定長熱処理を80〜100℃で行う請求
    項4記載のミシン糸の製造方法。
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US6176812B1 (en) 1997-06-16 2001-01-23 Jatco Corporation Speed change transition control apparatus for an automatic transmission

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