JPH09228040A - 薄膜形成装置および薄膜形成方法ならびにそれらを用いた半導体集積回路装置の製造方法 - Google Patents

薄膜形成装置および薄膜形成方法ならびにそれらを用いた半導体集積回路装置の製造方法

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JPH09228040A
JPH09228040A JP3025996A JP3025996A JPH09228040A JP H09228040 A JPH09228040 A JP H09228040A JP 3025996 A JP3025996 A JP 3025996A JP 3025996 A JP3025996 A JP 3025996A JP H09228040 A JPH09228040 A JP H09228040A
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達之 齋藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパッタ薄膜の表面被覆率および表面平坦性
の改善を行い、半導体集積回路装置の信頼性と製造歩留
まりを向上する。 【解決手段】 複数の成膜室を有する薄膜形成装置にお
いて、Tiスパッタ成膜室5を設け、Tiターゲット5
aと冷却可能なウェハステージ8と備える。ウェハステ
ージ8の内部は、冷媒温度調節器8bに接続される冷媒
導入用の流路8aに、例えばフロリナートのような冷媒
8dを循環させ、冷媒温度調節器8bを用いた熱交換に
より、ウェハステージ8の温度を例えば−20℃程度ま
で下げる。さらにウェハステージ8には抵抗加熱ヒータ
8eおよび熱電対8fが設置されており、冷媒との併用
により、例えば−10℃程度に温度を調整し保持するこ
とが可能となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜形成装置およ
び薄膜形成方法ならびに半導体集積回路装置に関し、特
に、高いアスペクト比のコンタクトホール、ビアホール
等の開孔を有する高性能な半導体集積回路装置の製造に
適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路装置に用いられる金属膜
等の導電膜は、通常スパッタリング等のPVD(Physic
al Vapor Deposition )法を用いて形成される。
【0003】スパッタリング法は、一般に、対向して設
置されたアノードおよびカソードとなる2つの電極の間
に、直流または交流の電界を印加し、両電極間に発生し
たプラズマの作用によりカソード上に設置したターゲッ
ト物質をスパッタし、このスパッタされた物質をアノー
ド上に設置した基板に体積させるものである。
【0004】電極の構造は平行平板形であることが一般
的であるが、プラズマの密度向上を目的としてカソード
裏面に磁石を配置し、マグネトロンプラズマを生成する
場合もある。
【0005】ターゲット物質は、被形成薄膜の物質組成
と化学量論的に同一となる材料が一般的には選ばれる
が、プラズマを構成するガスの反応性を利用して、被形
成薄膜の物質組成をターゲット物質の組成から変化させ
る反応性スパッタとされることもある。
【0006】1983年7月25日、工業調査会発行、
「最新LSIプロセス技術」、p246に記載されてい
るとおり、基板が設置されるアノードは加熱され、被形
成薄膜の堆積は、基板の温度が雰囲気温度よりも高くな
っている状態で行われるのが一般的である。
【0007】ところで、本発明者は、基板を加熱する理
由について検討した。以下は、公知とされた技術ではな
いが、発明者により検討された技術であり、その概要は
次のとおりである。
【0008】すなわち、被形成薄膜の成膜メカニズムに
おいて、ターゲットからスパッタされた物質(クラスタ
物質と云われる)が基板表面に輸送されてきた後、その
クラスタ物質が薄膜の被形成表面を泳動する距離は、被
形成表面の温度に依存し、その温度が高いほど泳動距離
は長いと考えらる。泳動距離が長いほど被形成薄膜の欠
陥は減少し、特性的には導電率の向上を示す。配線とし
てこのスパッタ薄膜を用いる場合には、薄膜の導電率は
重要な特性評価項目となる。なお、基板の加熱は、アノ
ードからの滅伝導加熱の他に、赤外線等による直接加熱
が採用される場合もある。
【0009】従って、スパッタ法を用いた薄膜形成装置
においては、基板ホルダーでもあるアノードに加熱用ヒ
ータを備える。なお、加熱用ヒータに加えて冷却水循環
機構を有している場合もあるが、ここでの冷却水の役割
は、ヒータによる入熱量の調整を行うことを目的とする
ものであり、環境温度より高い温度領域での基板温度の
制御性を確保するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、半導体集積回
路装置の集積度が向上するに従い、段差の被覆性(ステ
ップカバレッジ)が問題となる。つまり、集積度の向上
に従って開孔等のアスペクト比は高くなり、開孔の底面
あるいは側面での薄膜の被覆性が低下するという問題を
生じる。
【0011】上記問題は、本発明者らの検討により以下
のように理解することができる。すなわち、従来の基板
加熱を行う薄膜形成装置では、基板表面の薄膜被形成表
面は、従来技術の項で説明したとおりクラスタが十分泳
動できる状態にある。クラスタの泳動距離の増大は、薄
膜被形成表面での他のクラスタとの会合(衝突)確率の
増大をもたらす。この会合が起こればかなりの確率で相
互のクラスタは結合し、表面自由エネルギの減少を伴っ
て、結晶粒へと成長することとなる。この結晶粒の大き
さが被形成薄膜の膜厚に比べて十分小さい場合には問題
はあまりないが、開孔の微細化、高アスペクト比化に伴
って、開孔底面あるいは側面に形成する薄膜の膜厚が薄
くなる場合、特に開孔内に形成する薄膜を積層化する場
合の下層とする場合には、要求される膜厚は50〜20
0Åと薄く、数十クラスタ(数原子の元素で1つのクラ
スタが形成されると考えられている)の会合で膜厚相当
の厚さの結晶粒が成長してしまう。このような結晶粒の
成長は、スパッタ物質により基板表面が被覆されない島
状成長つまり基板表面被覆率の低下あるいは表面平坦性
の劣化を引き起こすこととなる。
【0012】このような基板表面被覆率の低下あるいは
表面平坦性の劣化は、その後の製造プロセスに悪影響を
及ぼすと同時に半導体集積回路装置の製造歩留まりの低
下を招くという問題を生じる。
【0013】本発明の目的は、膜厚の薄いスパッタ薄膜
においても、高い表面被覆率および良好な表面平坦性を
実現できる薄膜形成装置を提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、高い表面被覆率およ
び良好な表面平坦性を有する膜厚の薄いスパッタ薄膜の
製造方法を提供することにある。
【0015】本発明のさらに他の目的は、高い表面被覆
率および良好な表面平坦性を有するスパッタ薄膜を用い
て、信頼性が高く、製造歩留まりの高い半導体集積回路
装置とその製造方法を提供することにある。
【0016】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
次のとおりである。
【0018】(1)本発明の薄膜形成装置は、その内部
の圧力を大気圧以下の圧力に保持することができる一ま
たは二以上の真空容器と、真空容器内の気体を排気する
排気手段と、真空容器のうち少なくとも一の真空容器に
一定流量のガスを供給するガス供給手段と、ガスを排気
し、一の真空容器内の圧力を所定の圧力に保持する圧力
調整手段と、ガスの全部もしくは一部をプラズマ状態に
することができるプラズマ生成手段と、プラズマに接
し、薄膜の原料となる物質を主成分とする材料をその表
面に有するターゲットと、プラズマの作用によって前記
ターゲットからスパッタリングされた原料物質がその表
面に堆積される基板を保持する基板ホルダと、を含む薄
膜形成装置であって、基板ホルダは、基板を冷却する冷
却機構を備えるものである。
【0019】このような薄膜形成装置によれば、基板ホ
ルダに冷却機構を備えているため、基板を冷却すること
が可能であり、前記した薄膜被形成表面でのクラスタの
泳動距離を小さくすることができる。このため、被形成
表面での結晶粒の成長は抑制され、基板の表面被覆率は
高くなり、また、表面平坦性も向上することとなる。そ
の結果、この薄膜形成装置を用いて製造した半導体集積
回路装置の信頼性は向上し、製造歩留まりも向上するこ
ととなる。
【0020】なお、前記冷却機構は、基板ホルダを冷媒
により冷却する機構の他に、ペルチェ素子等を用いた電
子冷却とすることもできる。
【0021】また、本発明の薄膜形成装置におけるプラ
ズマ生成手段は、平行平板電極を用いた一般的なプラズ
マ発生手段の他に、マグネトロンプラズマ、ECRプラ
ズマ(Electron Cyclotron Resonance Plasma )、ヘリ
コン波プラズマ等の高密度プラズマを用いることもでき
る。
【0022】(2)本発明の薄膜形成装置は、前記した
(1)に記載の薄膜形成装置であって、冷却機構は、0
℃以下においても凝固しない冷媒を利用して基板ホルダ
を冷却する機構を有するものであり、基板を室温以下の
温度に保持できるものである。
【0023】このような薄膜形成装置によれば、冷却機
構は0℃以下においても凝固しない冷媒を利用するもの
であるため、基板を室温以下の温度に保持することがで
き、より表面被覆率が高く、表面平坦性に優れた薄膜を
形成することができる。
【0024】また、このような薄膜形成装置によれば、
冷媒を用いるため、装置の構造を簡略化することがで
き、保守等が容易になることに加え、高周波プラズマ等
を生成する場合であっても、そのプラズマ発生用の電界
に影響されることなく温度制御が可能になるという利点
を有する。
【0025】(3)本発明の薄膜形成装置は、前記した
(1)または(2)に記載の薄膜形成装置であって、少
なくとも1つの真空容器は、基板を加熱する基板加熱手
段を備えているものである。
【0026】このような薄膜形成装置によれば、基板冷
却が可能な基板ホルダを有する真空容器あるいは他の真
空容器に、基板加熱が可能な基板加熱手段を備えている
ため、薄膜堆積前の基板に付着した残留ガスあるいは水
分を有効に除去することができる。また、基板を冷却し
た状態でのスパッタ成膜の後に、同一の真空容器で、あ
るいは他の真空容器で基板を加熱した状態での薄膜の堆
積を実行することができる。
【0027】(4)本発明の薄膜形成装置は、前記した
(1)〜(3)に記載の薄膜形成装置であって、少なく
とも1つの真空容器は、その真空容器内の圧力を大気圧
以上の加圧状態に保持することができるものである。
【0028】このような薄膜形成装置によれば、基板冷
却が可能な基板ホルダを有する真空容器あるいは他の真
空容器が、その真空容器内の圧力を大気圧以上の加圧状
態に保持することができるため、開孔等に堆積した薄膜
にボイドを有する場合であっても、この圧力の力学的な
作用により、ボイドを埋め込むことが可能である。
【0029】(5)本発明の薄膜形成方法は、前記した
(1)〜(4)に記載の薄膜形成装置を用いて基板に薄
膜を形成する薄膜形成方法であって、基板を室温以下の
温度に保持した状態で、プラズマの作用によりターゲッ
トから原料物質をスパッタし、基板に薄膜を堆積する工
程を含むものである。
【0030】このような薄膜形成方法によれば、基板を
室温以下に保持するため、基板表面の薄膜が堆積される
被形成表面でのクラスタの泳動が抑制され、表面被覆率
が高く、表面平坦性に優れたスパッタ薄膜を形成するこ
とができる。
【0031】(6)本発明の薄膜形成方法は、前記した
(3)または(4)に記載の薄膜形成装置を用いて基板
に薄膜を形成する薄膜形成方法であって、基板を室温以
下の温度に保持した状態で、プラズマの作用によりター
ゲットから原料物質をスパッタし、基板に薄膜を堆積す
る第1の工程、その後、基板を100℃以上の温度に保
持した状態で、プラズマの作用によりターゲットから原
料物質をスパッタし、基板に薄膜を堆積する第2の工
程、を含むものである。
【0032】このような薄膜形成方法によれば、基板を
室温以下に保持したスパッタ薄膜形成の後に、基板を1
00℃以上の温度に保持した状態で薄膜を形成するた
め、前記(5)の効果に加え、高いアスペクト比の開孔
であっても容易に開孔の穴埋めが可能である。すなわ
ち、基板の温度が高いため、クラスタの泳動や粒成長が
促進され、その結果開孔内部に流動性を持ったクラスタ
が引きずりこまれ、開孔を埋め込むことができるからで
ある。
【0033】(7)本発明の薄膜形成方法は、前記した
(4)に記載の薄膜形成装置を用いて基板に薄膜を形成
する薄膜形成方法であって、基板を室温以下の温度に保
持した状態で、プラズマの作用によりターゲットから原
料物質をスパッタし、基板に薄膜を堆積する第1の工
程、その後、基板を100℃以上の温度に保持した状態
で、プラズマの作用によりターゲットから原料物質をス
パッタし、基板に薄膜を堆積する第2の工程、その後、
前記基板を大気圧以上の加圧状態に保持する第3の工
程、を含むものである。
【0034】このような薄膜形成方法によれば、基板を
室温以下に保持したスパッタ薄膜形成の後に、基板を1
00℃以上の温度に保持した状態で薄膜を形成し、その
後、基板を加圧状態に保持するため、前記(5)および
(6)の効果に加え、第2の工程における薄膜形成の結
果開孔にボイドが形成されても、加圧状態による物理的
な圧力によってそのボイドを押しつぶし、ボイドを無く
すことができる。加圧圧力は100気圧以上、好ましく
は400気圧〜500気圧である。この加圧工程におい
て同時に基板を加熱することも効果的である。なお、第
1の工程を経ずに、第2および第3の工程により開孔の
穴埋めを行うことも可能であるが、第1の工程が存在す
ることにより、開孔内の薄膜の表面被覆率および表面平
坦性が向上しているため、第3の工程における圧力およ
び温度の条件を緩和し、より低い圧力、より低い温度
で、前記ボイドを消滅させることが可能となる。
【0035】(8)本発明の薄膜形成方法は、前記した
(6)または(7)に記載の薄膜形成方法であって、第
1の工程から第2の工程、または第2の工程から第3の
工程に移行する際に、基板を、非酸化性または還元性雰
囲気に置くことを特徴とするものである。
【0036】このような薄膜形成方法によれば、前記各
工程間の休止時あるいは移動時にその直前に形成された
薄膜の表面を酸化することなく、次工程の薄膜堆積時に
クラスタの十分な表面泳動を実現でき、開孔をボイドの
無い状態で埋め込むことができる。なお、非酸化性雰囲
気には、高真空状態に数分以下の短時間曝す場合も含む
ものである。このような場合も、薄膜の表面を酸化させ
にくいものだからである。
【0037】(9)本発明の半導体集積回路装置は、基
板の主面に半導体素子を有し、半導体素子を覆う絶縁層
に設けられた開孔を介して半導体素子または下層配線に
接する配線を有する半導体集積回路装置であって、配線
は、基板を室温以下の温度に保持した状態で、プラズマ
の作用によるターゲットからの原料物質のスパッタリン
グにより、基板に堆積された第1の導電層と、基板を1
00℃以上の温度に保持した状態で、プラズマの作用に
よるターゲットからの原料物質のスパッタリングによ
り、基板に堆積された第2の導電層と、を含むものであ
る。
【0038】このような半導体集積回路装置によれば、
その配線を構成する第1層が、基板を室温以下の温度に
保持した状態で、プラズマの作用によるターゲットから
の原料物質のスパッタリングにより製造されたものであ
るため、開孔内の第1層の表面被覆率が高く、表面平坦
性にも優れたものとなっている。このため、半導体集積
回路装置の信頼性および製造歩留まりを高くすることが
できる。
【0039】また、前記配線の第2層が、基板を100
℃以上の温度に保持した状態で、プラズマの作用による
ターゲットからの原料物質のスパッタリングにより、基
板に堆積されたものであるため、第2層の導電率は十分
高く、半導体集積回路装置の基本的な性能を発揮するこ
とができる。
【0040】なお、この半導体集積回路装置は、100
気圧以上の高い圧力下に保持して製造されたものであっ
てもよい。その場合、開孔のボイドの存在確率は低くな
り、信頼性および製造歩留まりは向上する。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0042】(実施の形態1)図1は、本発明の一実施
の形態である薄膜形成装置の成膜室の一例を示した側面
断面図であり、図2は、本発明の一実施の形態である薄
膜形成装置の成膜室の別の一例を示した側面断面図であ
る。また、図3は、本発明の一実施の形態である薄膜形
成装置の一例を示した上面図である。
【0043】本実施の形態の薄膜形成装置は、図3に示
すとおり、半導体集積回路装置の製造に用いられるウェ
ハプロセス用の金属膜形成装置であり、真空搬送室1を
中心に真空容器であるロードロック室2、前処理加熱室
3、前処理スパッタエッチ室4、Tiスパッタ成膜室
5、第1のAlスパッタ成膜室6および第2のAlスパ
ッタ成膜室7を有するマルチチャンバ成膜装置である。
【0044】真空搬送室1には、ロボットアーム1aを
有し、このロボットアーム1aを用いて基板を搬送する
ことができる。
【0045】ロードロック室2、前処理加熱室3、前処
理スパッタエッチ室4、Tiスパッタ成膜室5、第1の
Alスパッタ成膜室6および第2のAlスパッタ成膜室
7は、ゲートバルブ1bを介して真空搬送室1に接続さ
れており、各々、残留ガスを排気し、高真空状態に保持
できる排気機構と、各々の処理に応じたプロセスガスを
一定流量で供給することができるガス供給系と、この供
給されるガスの圧力を一定に保持することができる圧力
調整系を有する。
【0046】また、真空搬送室1にも同様に排気機構を
備えることができる。
【0047】ロードロック室2は、基板であるウェハ1
0のロードおよびアンロードを行う処理室であり、ウェ
ハ10は通常カセットに複数枚セットして、カセット単
位の処理を行う。
【0048】前処理加熱室3は、ウェハ10をロボット
アーム1aによりロード室からロードし、加熱処理を行
うことができる。これにより、ウェハ10の表面に吸着
したガスあるいは水蒸気を除去することができる。ま
た、各処理室とは独自に前処理加熱室3を設けることに
より、一般に処理時間を要する加熱処理を前もって行う
ことが可能となり、総タクトタイムの短縮によるスルー
プットの向上を図ることができる。前処理加熱室3に
は、抵抗加熱ヒータを備えたウェハ10のホルダあるい
はウェハ10に均一に照射することができる赤外線ヒー
タを備えている。
【0049】前処理スパッタエッチ室4は、前処理加熱
室3による加熱処理では除去しきれない数分子層の水分
子をスパッタイオンの作用により除去することができ
る。また、ウェハ10の表面の薄膜被形成表面の薄い自
然酸化膜をスパッタイオンの作用により除去することが
できる。前処理スパッタエッチ室4には、平行平板電極
を備え、ウェハ10は前記電極のカソード側に設置する
ことが好ましい。
【0050】Tiスパッタ成膜室5は、図1に示すとお
り、Tiターゲット5aと冷却可能なウェハステージ8
とを有するものである。
【0051】ウェハステージ8の内部には、冷媒導入用
の流路8aが形成されており、流路8aは冷媒温度調節
器8bに接続されている。また、スパッタ成膜室外部で
は流路8aは、断熱材8cにより大気と熱的に遮断され
ており、結露を防止している。流路8aには、例えばフ
ロリナートのような冷媒8dを循環させることができ、
冷媒温度調節器8bを用いた熱交換により、ウェハステ
ージ8の温度を例えば−20℃程度まで下げることが可
能である。さらにウェハステージ8には抵抗加熱ヒータ
8eおよび熱電対8fが設置されており、冷媒との併用
により、例えば−10℃程度に温度を調整し保持するこ
とが可能となっている。
【0052】一方、ウェハステージ8の表面には、例え
ば静電チャック等のウェハ保持機構8gが単独で、また
は冷却ガス吹き出し口8hとともにウェハ保持機構8g
が設けられており、ウェハ10とウェハステージ8との
間の熱伝達を向上しウェハ10とウェハステージ8との
間の温度差を低減できるようになっている。
【0053】冷却ガス吹き出し口8hにつながる配管は
図示しないガス供給系に接続される。また、Tiターゲ
ット5aは、Tiスパッタ成膜室5から電気的に絶縁さ
れた状態で保持され、図示しない電源に接続される。T
iターゲット5aには、電界は直流あるいは交流の電界
が印加されてプラズマを生成する。このとき、ウェハス
テージ8は接地され、Tiターゲット5aとウェハステ
ージ8とは互いに対向する平行平板電極を構成する。
【0054】第1のAlスパッタ成膜室6は、Alター
ゲット6aと冷却可能なウェハステージ8とを有するも
のである。ウェハステージ8およびその他電極構造等
は、Tiスパッタ成膜室5の場合と同様であるため、説
明を省略する。
【0055】第2のAlスパッタ成膜室7は、図2に示
すとおり、Alターゲット7aと加熱可能なウェハステ
ージ11とを有するものである。
【0056】ウェハステージ11の内部には、冷却水導
入用の流路11aが形成されており、流路11aは、冷
却水温度調節器11bに接続されている。さらにウェハ
ステージ11には、抵抗加熱ヒータ11eおよび熱電対
11fが設置されており、冷却水との併用により、例え
ば400℃程度に温度を調整し保持することが可能とな
っている。
【0057】一方、ウェハステージ11の表面には、例
えば静電チャック等のウェハ保持機構11gが単独で、
または温調用ガス吹き出し口11hとともにウェハ保持
機構11gが設けられており、ウェハ10とウェハステ
ージ11との間の熱伝達を向上しウェハ10とウェハス
テージ11との間の温度差を低減できるようになってい
る。
【0058】ガス供給系、電極構造については、Tiス
パッタ成膜室5の場合と同様であるため、説明を省略す
る。
【0059】なお、ここでは、ウェハステージ11内部
に冷却水導入用の流路11aを設け、ウェハ10の温度
制御に用いているが、これは用いても、用いなくても良
い。
【0060】上記した本実施の形態の薄膜形成装置によ
れば、以下のような効果が得られる。
【0061】(1)ウェハステージ8を冷却することが
可能となり、表面被覆率が高く、表面平坦性に優れたT
iあるいはAlのスパッタ膜を得ることができる。
【0062】(2)冷媒8dとして、0℃以下において
も凝固しないフロリナートを利用するため、ウェハ10
を室温以下の温度に保持することができ、より表面被覆
率が高く、表面平坦性に優れたTiあるいはAlのスパ
ッタ膜を形成することができる。
【0063】(3)冷媒8dを用いるため、装置の構造
を簡略化することができ、保守等が容易になることに加
え、高周波プラズマ等を生成する場合であっても、その
プラズマ発生用の電界に影響されることなく温度制御が
可能になる。
【0064】(4)ウェハステージ11を加熱すること
ができるので、従来同様、導電率の高いAlスパッタ膜
を得ることができる。
【0065】(5)マルチチャンバ方式を採用するた
め、低温にてTiおよびAlスパッタ膜を形成した後、
高温にてAlスパッタ膜を形成することが可能である。
これにより、開孔のAlによる埋込の際にボイドを形成
しない良好な埋込膜を形成することができる。
【0066】(6)ロードロック室2を備えるため、ウ
ェハ10あたりのタクトタイムを短縮し、スループット
を向上することができる。
【0067】(7)前処理加熱室3を備えるため、ウェ
ハ10の表面に吸着したガスあるいは水蒸気を除去する
ことができる。また、総タクトタイムの短縮によるスル
ープットの向上を図ることができる。
【0068】(8)前処理スパッタエッチ室4を備える
ため、前処理加熱室3による加熱処理では除去しきれな
い数分子層の水分子をスパッタイオンの作用により除去
することができる。また、ウェハ10の表面の薄膜被形
成表面の薄い自然酸化膜をスパッタイオンの作用により
除去することができる。
【0069】なお、第2のAlスパッタ成膜室7には、
100気圧以上たとえば500〜700気圧の加圧機構
を設けてもよい。このとき、同時にウェハ10を加熱す
る場合には、ウェハ10の温度を400〜500℃に保
持できる加熱機構を備えることが望ましい。
【0070】このような場合には、開孔等に堆積したA
lスパッタ薄膜にボイドを有する場合であっても、この
圧力の力学的な作用により、ボイドを埋め込むことが可
能となる。
【0071】また、本実施の形態では、TiおよびAl
のスパッタ膜を低温で形成でき、Alスパッタ膜を高温
で形成できる薄膜形成装置の例について説明したが、T
iの代わりにTiNあるいはTi/TiNの積層膜が形
成できる装置であっても構わない。この場合、目的物質
に応じてターゲットを変更すれば実現できる。また、高
温Alスパッタ膜の代わりにCVD−W薄膜が形成でき
る装置であってもよい。
【0072】(実施の形態2)図4は、本発明の一実施
の形態である半導体集積回路装置の一例を示した断面図
である。
【0073】ウェハ10の主面には図示しない半導体集
積回路素子が形成され、その半導体集積回路素子は、絶
縁膜10aを介して第1層配線層である金属膜12に接
続されている。金属膜12は、層間絶縁膜13に穿孔し
た開孔14を介して第2層配線層に接続される。第2層
配線層は、Ti膜15、低温スパッタ成膜によるAl膜
16および高温スパッタ成膜によるAl膜17から構成
されている。
【0074】次に、前記半導体集積回路装置の製造方法
を図5〜図8を用いて説明する。なお、本実施の形態の
半導体集積回路装置の製造方法は、実施の形態1で説明
した薄膜形成装置を利用するものである。
【0075】図5は、本発明の一実施の形態である半導
体集積回路装置の製造工程の一例を示した要部断面図で
ある。図6〜図8は、図5における開孔14部分の製造
工程の一例を示した要部断面図である。
【0076】ウェハ10の主面に公知の半導体集積回路
装置の製造方法を用いて半導体集積回路素子を形成し、
絶縁膜10a、第1層配線層である金属膜12を形成す
る。半導体集積回路素子と金属膜12との接続のための
絶縁膜10aに形成される開孔、および金属膜12のパ
ターニングは、公知のリソグラフィ技術およびエッチン
グ技術を用いることができる。その後、層間絶縁膜13
を形成し、そこに第1層配線層の金属膜12に達する開
孔14を穿孔する(図5)。
【0077】次に、ウェハ10を前記実施の形態1で説
明した薄膜形成装置のロードロック室2に導入し、排気
機構により真空に減圧する。
【0078】次に、ウェハ10を真空搬送室1を介して
ロードロック室2から前処理加熱室3に移動する。前処
理加熱室3ではウェハ10を例えば400℃に加熱する
ことにより、ウェハ10の表面に吸着している水分や気
体分子を除去する。
【0079】次に、ウェハ10を真空搬送室1を介して
前処理加熱室3から前処理スパッタエッチ室4に移動す
る。前処理スパッタエッチ室ではアルゴンを導入しRF
電界を印加してプラズマを生成し、ウェハ10を例えば
−200V程度のバイアス下でスパッタエッチを行う。
これにより、開孔14の底面に露出した金属膜12の表
面に形成された自然酸化膜を除去することができる。
【0080】次に、ウェハ10を真空搬送室1を介して
Tiスパッタ成膜室5に移動する。Tiスパッタ成膜室
5ではウェハ10をウェハステージ8に搭載した後、ウ
ェハ保持機構8gである静電チャックに電圧を印加し、
ウェハ10をウェハステージ8に静電吸着する。
【0081】次に、ウェハステージ8の冷却ガス吹き出
し口8hからアルゴンガスを導入する。この時のウェハ
10とウェハステージ8の間の空隙部でのアルゴンガス
の圧力は、例えば1torr以上とすることができる。
ここでウェハステージ8は冷媒温度調節器8bを用いた
熱交換と抵抗加熱ヒータ8eおよび熱電対8fとの併用
により、例えば−10℃程度に温度を調整し保持するこ
とが可能となっている。したがってアルゴンガスによる
熱伝達の作用を利用し、例えばガス導入後60秒以降の
ウェハ10の温度を、例えば0℃に保つことが可能とな
っている。
【0082】次に、ウェハ10の温度が所望の温度であ
る0℃に達した後、例えばウェハ10の直径程度の間隔
をあけてウェハ10と対向に配置したTiターゲット5
aに電力を印加し、Tiのスパッタリングを開始する。
ここで、成膜条件は、例えば、圧力を0.5torr、電
力密度を14W/cm2 、成膜速度を200nm/mi
n、成膜量を200nmとすることができる。ウェハ1
0に達したTi粒子(クラスタ)はウェハ10上に堆積
し、Ti膜15となるがTiターゲット5aとウェハ1
0の間隔が広いためTi粒子のウェハ10への入射方向
がウェハ10に垂直な方向に偏っているのに加えて、ウ
ェハ10の温度が低いため、Ti粒子の泳動や粒成長が
抑制され、図6に示すように開孔14内部で良好な段差
被覆性を示す。
【0083】次に、ウェハ10を真空搬送室1を介して
Alスパッタ成膜室6に移動する。Alスパッタ成膜室
6では、ウェハ10をウェハステージ8に搭載した後、
静電チャック等のウェハ保持機構8gに電圧を印加し、
ウェハ10をウェハステージ8に静電吸着する。
【0084】次に、ウェハステージ8の冷却ガス吹き出
し口8hからアルゴンガスを導入する。この時のウェハ
10とウェハステージ8との間の空隙部でのアルゴンガ
スの圧力は、例えば1torr以上とすることができ
る。ここでウェハステージ8は冷媒温度調節器8bを用
いた熱交換と抵抗加熱ヒータ8eおよび熱電対8fとの
併用により、例えば−10℃程度に温度を調整し保持す
ることが可能となっている。したがってアルゴンガスに
よる熱伝達の作用を利用し、例えばガス導入後60秒以
降のウェハ10の温度を、例えば0℃に保つことが可能
となっている。ウェハ10の温度が所望の温度である0
℃に達した後、例えばウェハ10の直径程度の間隔をあ
けてウェハ10と対向に配置したAlターゲット6aに
電力を印加し、Alのスパッタリングを開始する。ここ
で、成膜条件は、例えば、圧力を0.5torr、電力密
度を14W/cm2 、成膜速度を200nm/min、
成膜量を400nmとすることができる。ウェハ10に
達したAl等のターゲット粒子(クラスタ)は、ウェハ
10上に堆積し、Al膜16となるが、Alターゲット
6aとウェハ10との間隔が広いため、Al等の粒子の
ウェハ10への入射方向がウェハ10に垂直な方向に偏
っているのに加えて、ウェハ10の温度が低いため、A
l等のターゲット粒子の泳動や粒成長が抑制され、図7
に示すように開孔14内部で良好な段差被覆性を示す。
なお、比較のため、一般的な高温成膜装置で堆積した場
合の高温スパッタAl膜の段差被覆性を図9に示す。
【0085】次に、ウェハ10を真空搬送室1を介して
Alスパッタ成膜室7に移動する。この時、真空搬送室
1およびAlスパッタ成膜室7の真空度と搬送時間は搬
送中に基板表面に入射する水や酸素などの不純物がAl
膜表面を被覆してしまわないよう非酸化性雰囲気に制御
することができる。本実施の形態の場合の具体的な数値
として、真空度は例えば1×10-7torr以下、搬送
時間は例えば30秒以内とすることができる。また、前
記のような非酸化性雰囲気とする代わりに水素ガスで置
換する等、還元性雰囲気とすることもできる。
【0086】Alスパッタ成膜室7ではウェハ10をウ
ェハステージ11に搭載した後、ウェハ保持機構11g
である静電チャックに電圧を印加し、ウェハ10をウェ
ハステージ11に静電吸着する。
【0087】次に、ウェハステージ11の温調用ガス吹
き出し口11hからアルゴンガスを導入する。この時の
ウェハ10とウェハステージ11との間の空隙部でのア
ルゴンガスの圧力は、例えば1torr以上とすること
ができる。ここでウェハステージ11は、抵抗加熱ヒー
タ11e、熱電対11f、冷却水11dの併用により、
例えば420℃程度に温度を調整し保持することが可能
となっている。したがってアルゴンガスによる熱伝達の
作用を利用し、例えばガス導入後60秒以降のウェハ1
0の温度を、例えば400℃に保つことができる。
【0088】ウェハ10の温度が所望の温度である40
0℃に達した後、例えばウェハ10の直径の1/4程度
の間隔をあけてウェハ10と対向に配置したAlターゲ
ット7aに電力を印加し、Alのスパッタリングを開始
する。ここで、成膜条件は、例えば、圧力を1.5tor
r、電力密度を14W/cm2 、成膜速度を200nm
/min、成膜量を400nmとすることができる。ウ
ェハ10に達したAl等のターゲット粒子(クラスタ)
はウェハ10上に堆積しAl膜17となるが、ウェハ1
0の温度が高いため、Al等のターゲット構成原子の泳
動や粒成長が加速され、その結果開孔14内部に流動性
を持ったAl粒子が引きずりこまれ、図8に示すように
開孔14内部を埋め込むことができる。
【0089】なお、比較のため、一般的な成膜装置で堆
積した場合のAl膜の開孔14の埋込の状況を図10に
示す。
【0090】その後、ウェハ10を真空搬送室1を介し
てAlスパッタ成膜室7からロードロック室2に移動す
る。ロードロック室2を大気開放してウェハ10を取り
出し、本実施の形態の工程は終了する。
【0091】上記した本実施の形態の半導体集積回路装
置およびその製造方法によれば、以下のような効果が得
られる。
【0092】(1)ウェハ10を0℃に保持しつつTi
およびAlをスパッタ成膜するため、ウェハ10の表面
の薄膜が堆積される被形成表面でのそれらスパッタ粒子
(クラスタ)の泳動が抑制され、表面被覆率が高く、表
面平坦性に優れたスパッタ薄膜を形成することができ
る。
【0093】(2)ウェハ10を0℃に保持しつつTi
およびAlをスパッタ成膜した後に、ウェハ10を40
0℃程度の温度に保持した状態でAlスパッタ薄膜を形
成するため、開孔14の埋込を行うことができる。
【0094】(3)ウェハ10の移動に際して、真空搬
送室1およびAlスパッタ成膜室7の真空度と搬送時間
を、搬送中に基板表面に入射する水や酸素などの不純物
がAl膜16の表面を被覆してしまわないよう非酸化性
雰囲気になるよう制御するため、Al膜16の表面を酸
化することがない。
【0095】(4)配線を構成するTi膜15およびA
l膜16が、基板を室温以下の温度に保持した状態でス
パッタ成膜されたものであるため、開孔14内のTi膜
15およびAl膜16の表面被覆率が高く、表面平坦性
にも優れたものとなる。このため、半導体集積回路装置
の信頼性および製造歩留まりを高くすることができる。
【0096】(5)配線を構成するAl膜17が、基板
を400℃程度の高い温度に保持した状態でスパッタ成
膜されたものであるため、Al膜17の導電率は十分高
く、半導体集積回路装置の基本的な性能を発揮すること
ができる。
【0097】なお、Al膜17を高温スパッタ成膜した
後、100気圧以上の高い圧力、たとえば400〜50
0気圧の下に保持してもよい。その場合、開孔14に存
在するボイドを前記圧力により押しつぶし、ボイドを消
滅させることができる。このとき、低温スパッタによる
Ti膜15およびAl膜16の存在は、圧力および温度
の条件を緩和し、より低い圧力より低い温度でボイドを
消滅させることが可能となるという効果に寄与する。
【0098】以上、本発明者によってなされた発明を発
明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を
逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでも
ない。
【0099】たとえば、上記実施の形態では、低温スパ
ッタ膜としてTi膜15およびAl膜16を例示した
が、Ti膜15の代わりにTiN膜、Ti/TiN積層
膜あるいはW膜であってもよい。この場合、前記薄膜は
低温スパッタ膜であることを要する。また、Ti膜15
は無くてもよい。この場合、低温スパッタAl膜16は
必要である。
【0100】また、上記実施の形態では、高温スパッタ
によるAl膜17によって、開孔14を埋め込む例を説
明したが、CVD法を用いたW膜、ハイドープポリシリ
コン膜によって開孔14を埋め込んでもよい。
【0101】上記低温スパッタ膜と開孔14の埋込膜と
の組合せは、任意の組合せでよいことはいうまでもな
い。
【0102】また、Al膜16,17は、Al合金をタ
ーゲットとするAl合金膜であってもよい。
【0103】以上の説明では、主として本発明者によっ
てなされた発明をその背景となった利用分野である半導
体集積回路装置とその製造方法に適用した場合について
説明したが、これに限定されるものではなく、たとえ
ば、一般の薄膜の形成全般にも適用することが可能であ
る。
【0104】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以
下のとおりである。
【0105】(1)基板を冷却することが可能となり、
表面被覆率が高く、表面平坦性に優れたスパッタ膜を得
ることができる。
【0106】(2)0℃以下においても凝固しない冷媒
を利用するため、基板を室温以下の温度に保持すること
ができ、より表面被覆率が高く、表面平坦性に優れたス
パッタ膜を形成することができる。
【0107】(3)冷媒を用いるため、装置の構造を簡
略化することができ、保守等が容易になることに加え、
高周波プラズマ等を生成する場合であっても、そのプラ
ズマ発生用の電界に影響されることなく温度制御が可能
になる。
【0108】(4)基板を加熱することができるので、
従来同様、導電率の高い金属スパッタ膜を得ることがで
きる。
【0109】(5)低温にてスパッタ膜を形成した後、
高温にてスパッタ膜を形成することができるため、開孔
の埋込の際にボイドを形成しない良好な埋込膜を形成す
ることができる。
【0110】(6)100気圧以上の加圧機構を備える
ため、開孔等に堆積した埋込膜にボイドを有する場合で
あっても、この圧力の力学的な作用により、ボイドを消
滅させることが可能となる。
【0111】(7)基板の移動に際して、非酸化性雰囲
気になるよう制御するため、スパッタ膜が酸化されるこ
とを抑制することができる。
【0112】(8)表面被覆率が高く、表面平坦性にも
優れたスパッタ膜により開孔の接続が行われるので、半
導体集積回路装置の信頼性を高くすることができる。ま
た、半導体集積回路装置の製造プロセスの安定性が向上
し、半導体集積回路装置の良品率が向上する。さらに、
開孔の埋込みに際して、従来法に比べ1.5倍程度のアス
ペクト比の高い開孔の埋込みが達成でき、従来と同様の
アスペクト比の開孔の埋込みに適用して、製造歩留まり
を約2倍向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である薄膜形成装置の成
膜室の一例を示した側面断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態である薄膜形成装置の成
膜室の別の一例を示した側面断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態である薄膜形成装置の一
例を示した上面図である。
【図4】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装
置の一例を示した断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装
置の製造工程の一例を示した要部断面図である。
【図6】図5における開孔部分の製造工程の一例を示し
た要部断面図である。
【図7】図5における開孔部分の製造工程の一例を示し
た要部断面図である。
【図8】図5における開孔部分の製造工程の一例を示し
た要部断面図である。
【図9】開孔部分を一般的な高温薄膜形成装置を用いて
製造した場合の高温スパッタ膜の一例を示した要部断面
図である。
【図10】開孔部分を一般的な高温薄膜形成装置を用い
て製造した場合の高温スパッタ膜の一例を示した要部断
面図である。
【符号の説明】
1 真空搬送室 1a ロボットアーム 1b ゲートバルブ 2 ロードロック室 3 前処理加熱室 4 前処理スパッタエッチ室 5 Tiスパッタ成膜室 5a Tiターゲット 6 Alスパッタ成膜室 6a Alターゲット 7 Alスパッタ成膜室 7a Alターゲット 8 ウェハステージ 8a 流路 8b 冷媒温度調節器 8c 断熱材 8d 冷媒 8e 抵抗加熱ヒータ 8f 熱電対 8g ウェハ保持機構 8h 冷却ガス吹き出し口 10 ウェハ 10a 絶縁膜 11 ウェハステージ 11a 流路 11b 冷却水温度調節器 11d 冷却水 11e 抵抗加熱ヒータ 11f 熱電対 11g ウェハ保持機構 11h 温調用ガス吹き出し口 12 金属膜 13 層間絶縁膜 14 開孔 15 Ti膜 16,17 Al膜

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その内部の圧力を大気圧以下の圧力に保
    持することができる一または二以上の真空容器と、 前記真空容器内の気体を排気する排気手段と、 前記真空容器のうち少なくとも一の真空容器に一定流量
    のガスを供給するガス供給手段と、 前記ガスを排気し、前記一の真空容器内の圧力を所定の
    圧力に保持する圧力調整手段と、 前記ガスの全部もしくは一部をプラズマ状態にすること
    ができるプラズマ生成手段と、 前記プラズマに接し、薄膜の原料となる物質を主成分と
    する材料をその表面に有するターゲットと、 前記プラズマの作用によって前記ターゲットからスパッ
    タリングされた原料物質がその表面に堆積される基板を
    保持する基板ホルダと、 を含む薄膜形成装置であって、 前記基板ホルダは、前記基板を冷却する冷却機構を備え
    るものであることを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の薄膜形成装置であって、 前記冷却機構は、0℃以下においても凝固しない冷媒を
    利用して前記基板ホルダを冷却する機構を有するもので
    あり、前記基板を室温以下の温度に保持できるものであ
    ることを特徴とする薄膜形成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の薄膜形成装置で
    あって、 前記真空容器のうち少なくとも1つの真空容器は、前記
    基板を加熱する基板加熱手段を備えていることを特徴と
    する薄膜形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の薄膜形成装
    置であって、 前記真空容器のうち少なくとも1つの真空容器は、その
    真空容器内の圧力を大気圧以上の加圧状態に保持するこ
    とができる加圧手段を備えていることを特徴とする薄膜
    形成装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の薄膜形
    成装置を用いて基板に薄膜を形成する薄膜形成方法であ
    って、 前記基板を室温以下の温度に保持した状態で、前記プラ
    ズマの作用により前記ターゲットから原料物質をスパッ
    タし、前記基板に薄膜を堆積する工程、を含むことを特
    徴とする薄膜形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項3または4記載の薄膜形成装置を
    用いて基板に薄膜を形成する薄膜形成方法であって、 (a)前記基板を室温以下の温度に保持した状態で、前
    記プラズマの作用により前記ターゲットから原料物質を
    スパッタし、前記基板に薄膜を堆積する工程、 (b)前記(a)の工程の後、前記基板を100℃以上
    の温度に保持した状態で、前記プラズマの作用により前
    記ターゲットから原料物質をスパッタし、前記基板に薄
    膜を堆積する工程、 を含むことを特徴とする薄膜形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の薄膜形成装置を用いて基
    板に薄膜を形成する薄膜形成方法であって、 (a)前記基板を室温以下の温度に保持した状態で、前
    記プラズマの作用により前記ターゲットから原料物質を
    スパッタし、前記基板に薄膜を堆積する工程、 (b)前記(a)の工程の後、前記基板を100℃以上
    の温度に保持した状態で、前記プラズマの作用により前
    記ターゲットから原料物質をスパッタし、前記基板に薄
    膜を堆積する工程、 (c)前記(b)の工程の後、前記基板を大気圧以上の
    加圧状態に保持する工程、 を含むことを特徴とする薄膜形成方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の薄膜形成方法で
    あって、 前記(a)の工程から(b)の工程、または(b)の工
    程から(c)の工程に移行する際に、前記基板は、非酸
    化性または還元性雰囲気に置くことを特徴とする薄膜形
    成方法。
  9. 【請求項9】 基板の主面に半導体素子を有し、前記半
    導体素子を覆う絶縁層に設けられた開孔を介して前記半
    導体素子または下層配線に接する配線を有する半導体集
    積回路装置であって、 前記配線は、 前記基板を室温以下の温度に保持した状態で、プラズマ
    の作用によるターゲットからの原料物質のスパッタリン
    グにより、前記基板に堆積された第1の導電層と、 前記基板を100℃以上の温度に保持した状態で、プラ
    ズマの作用によるターゲットからの原料物質のスパッタ
    リングにより、前記基板に堆積された第2の導電層と、 を含む導電体からなることを特徴とする半導体集積回路
    装置。
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