JPH09227961A - 酸化亜鉛含有廃棄物の処理方法 - Google Patents

酸化亜鉛含有廃棄物の処理方法

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JPH09227961A
JPH09227961A JP5422396A JP5422396A JPH09227961A JP H09227961 A JPH09227961 A JP H09227961A JP 5422396 A JP5422396 A JP 5422396A JP 5422396 A JP5422396 A JP 5422396A JP H09227961 A JPH09227961 A JP H09227961A
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JP
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zinc
lead
recovery step
waste
heating
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Toshikatsu Hara
敏勝 原
Hirohiko Sasamoto
博彦 笹本
Yuji Okada
裕二 岡田
Kazuhiro Suzuki
和弘 鈴木
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Toyokin Co Ltd
Toyota Motor Corp
Aichi Steel Corp
Original Assignee
Toyokin Co Ltd
Toyota Motor Corp
Aichi Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化亜鉛を含有する廃棄物から,高い純度の
金属亜鉛を回収することができ,かつオンサイト処理す
ることができる,酸化亜鉛含有廃棄物の処理方法を提供
すること。 【解決手段】 廃棄物7と還元材8とを混合して混合処
理材を得る混合工程90と,次いで,上記混合処理材を
加熱することにより塩素,水分を回収する塩素回収工程
91と,次いで,真空状態において上記混合処理材を加
熱することによりフッ素,鉛を回収する鉛回収工程92
と,次いで,上記真空状態を維持した状態で,上記混合
処理材を鉛回収工程92よりも高温で加熱することによ
り,亜鉛を還元,蒸発させ,金属亜鉛を回収する亜鉛回
収工程93と,次いで,上記混合処理材の残渣を回収す
る残渣回収工程94とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,亜鉛が酸化物の状態で含まれて
いる廃棄物から,亜鉛を金属状態で回収する,廃棄物の
処理方法に関する。
【0002】
【従来技術】工業生産によって種々の廃棄物が発生する
が,その中でも特に亜鉛,鉛等の有害物質を含んでいる
廃棄物は,安全上問題のないように処理する必要があ
る。亜鉛を含有する廃棄物としては,例えば自動車用亜
鉛メッキ鋼板のプレス屑のように亜鉛を金属状態で含有
するものと,製鋼ダストのように亜鉛を酸化物の状態で
含有するものとがある。
【0003】前者の亜鉛を金属状態で含有する廃棄物の
場合は,例えば特開平4−346681号公報に示され
たごとく,廃棄物を真空加熱することにより亜鉛を鋼か
ら蒸発させ,回収することが可能であり,比較的容易に
金属亜鉛の回収を行うことができる。
【0004】一方,後者の亜鉛を酸化物の状態で含有す
る酸化亜鉛含有廃棄物の場合は,上記の方法によっては
金属亜鉛を回収することは困難である。そのため,酸化
亜鉛含有廃棄物を処理する場合には,例えば,ロータリ
ーキルン方式により,上記廃棄物をバーナーにより12
00℃以上に加熱し,コークスあるいは石炭等とZnO
(酸化亜鉛)を還元反応させる方法がある。
【0005】しかしながら,この方法においては,極め
て高温に加熱する必要があるために,エネルギーコスト
が非常に高くなるという問題がある。さらに,一旦還元
させた金属亜鉛が回収時に再酸化してしまい,亜鉛を金
属状態で回収することが困難であるという問題もある。
また,大量に集めて処理しなければ経済的に成り立ちに
くい。
【0006】またその他の方法として,プラズマの高温
処理により亜鉛を蒸発させ,鉛スプラッシュコンデンサ
で亜鉛を金属状態で回収する方法がある。しかしなが
ら,この方法においては,処理時の環境への悪影響が避
けられないため,例えば廃棄物が発生した工場等におい
てそのまま発生した量を処理する,いわゆるオンサイト
処理を行うことが困難である。それ故,環境対策を施し
た専用の処理場に運んで処理しなければならない。
【0007】以上の状況から,酸化亜鉛を含有する廃棄
物は,一部については,ロータリーキルン方式によりZ
nOの形で亜鉛を回収した後,精錬して再利用している
が,その他については,法的規制を考慮しながら管理埋
め立てを行っているのが現状である。
【0008】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の廃
棄物の管理埋め立てによる処理方法は,埋め立て地不
足,高い処理コスト等の問題があり,将来的に継続させ
ることは困難である。また,廃棄物に含まれる亜鉛等の
材料をリサイクルせずに廃棄することは,材料経済上も
好ましくない。
【0009】このような状況の下,酸化亜鉛を含有する
廃棄物から,他の有害物質と共に亜鉛を回収し,しかも
亜鉛は高純度の金属状態で回収してリサイクルに寄与す
ることができる技術の開発が切望されていた。
【0010】これに対し,東北大学阿座上氏らにより,
酸化亜鉛含有廃棄物から金属亜鉛を回収する方法とし
て,2段階真空還元法が提唱されている(出典;日本鉱
業会誌104巻1203号,104巻1206号,10
4巻1209号)。しかしながら,この2段階真空還元
法においては,第1段階において廃棄物中の鉄酸化物を
還元することを目的としてCOガスを使用し,その後第
2段階において,上記還元された鉄を用いて亜鉛を還元
するために,約3時間以上の長時間の還元反応を行う必
要がある。それ故,その時間的な制約等により経済面を
考慮すると,工業化してオンサイト処理することが困難
である。
【0011】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,酸化亜鉛を含有する廃棄物から,高い純
度の金属亜鉛を短時間に回収することができ,かつオン
サイト処理することができる,酸化亜鉛含有廃棄物の処
理方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,酸化物状態の亜
鉛を含むと共に鉛,塩素,フッ素,水分を含有する酸化
亜鉛含有廃棄物から,亜鉛を金属状態で回収するための
処理方法であって,上記廃棄物と還元材とを混合して混
合処理材を得る混合工程と,次いで,上記混合処理材を
加熱することにより塩素,水分を回収する塩素回収工程
と,次いで,真空状態において上記混合処理材を加熱す
ることによりフッ素,鉛を回収する鉛回収工程と,次い
で,上記真空状態を維持した状態で,上記混合処理材を
上記鉛回収工程よりも高温で加熱することにより,亜鉛
を還元,蒸発させ,金属亜鉛を回収する亜鉛回収工程
と,次いで,上記混合処理材の残渣を回収する残渣回収
工程とからなることを特徴とする酸化亜鉛含有廃棄物の
処理方法にある。
【0013】本発明において最も注目すべきことは,最
初に上記混合処理材を作製し,次いで上記塩素回収工程
の後,真空状態において上記鉛回収工程及び亜鉛回収工
程を行い,かつ上記亜鉛回収工程における加熱は上記鉛
回収工程よりも高温で行うことである。
【0014】上記混合工程及び塩素回収工程は,真空状
態で行う必要はなく,大気雰囲気中において行う。一
方,上記鉛回収工程と亜鉛回収工程とは,真空状態にお
いて行うことが必要であり,これらの工程移行時におい
ても,その真空状態を維持させる。また,上記残渣回収
工程については,大気中において行ってもよいが,後述
するごとく,ブリケットに圧縮成形する場合には,上記
亜鉛回収工程における真空状態を維持した状態で行うこ
とが好ましい。
【0015】また,上記各工程における加熱を行うため
の加熱炉は,それぞれ別の加熱炉を利用してもよいし,
1つの加熱炉を複数の工程に兼用させてもよい。加熱炉
を兼用させる場合には,順次加熱条件を変化させる方法
をとることができる。ただし,上記加熱炉としては,少
なくとも上記鉛回収工程から亜鉛回収工程までは,工程
移行時も含めて真空状態を維持する機能を有するものを
用いる。
【0016】また,上記加熱炉は,蒸発等した分離物を
回収するための回収器を有することが必要である。特
に,上記亜鉛回収工程を行う加熱炉には,金属亜鉛回収
器を設ける。また,上記還元材としては,後述するごと
く,例えば,炭素を含有する種々の産業廃棄物,カーダ
スト等を用いる。
【0017】なお,還元材の混合量は,上記廃棄物に対
して30〜100重量%とすることが好ましい。30重
量%未満の場合には,酸化亜鉛の還元反応が起こりにく
いという問題があり,100重量%を超える場合には,
残渣中に残る還元材の割合が多くなりすぎるという問題
がある。
【0018】次に,本発明の作用につき説明する。本発
明においては,まず上記混合工程において上記廃棄物と
還元材とを混合して,上記塩素回収工程を行うための加
熱炉に入れる。次いで,上記塩素回収工程においては,
塩素及び水分が回収できる温度まで加熱する。これによ
り,混合処理材から塩素及び水分が分離され,回収され
る。
【0019】次に,上記鉛回収工程においては,上記混
合処理材を入れた加熱炉内を真空状態にした後,鉛,フ
ッ素が回収可能で,かつ酸化亜鉛の還元温度よりも低い
温度に加熱する。これにより,酸化状態にある鉛は,還
元,蒸発し,又は酸化状態のまま揮発し,回収される。
【0020】次に,上記亜鉛回収工程においては,上記
真空状態を維持した状態で,上記鉛回収工程よりも高温
で加熱する。即ち,酸化亜鉛の還元温度以上の温度で加
熱する。これにより,酸化亜鉛は上記還元材により還元
されて金属状態となり,蒸発する。そのため,上記金属
亜鉛回収器により,亜鉛を金属状態で回収することがで
きる。
【0021】次に,残った残渣は,上記残渣回収工程に
おいて回収され,可能なものは例えば鉄鋼材料の原料と
して再利用することができる。
【0022】また,上記のごとく,本発明においては,
有害物質を順次回収できるため,環境に悪影響を与える
ことがなく,かつ各工程の処理時間は比較的短い。それ
故,容易にオンサイト処理を実現することができる。
【0023】次に,請求項2の発明のように,上記塩素
回収工程における加熱は,40〜600℃で行うことが
好ましい。40℃未満の場合には塩素を十分に回収する
ことができないという問題があり,好ましくは200℃
以上が良い。一方600℃を超える場合には,後工程に
おいて回収すべきZnまで回収されるという問題があ
る。
【0024】また,請求項3の発明のように,上記鉛回
収工程における加熱は,200〜600℃で行うことが
好ましい。この温度が200℃未満の場合には,鉛の回
収が困難であるという問題であるという問題がある。一
方600℃を超える場合には,次工程において回収すべ
きZnが還元材によって還元され,回収されるおそれが
あるという問題がある。
【0025】次に,上記還元材を加えずに塩素回収工程
及び鉛回収工程を行った後に,還元材を混合する混合工
程を設け,次いで亜鉛回収工程及び残渣回収工程を行う
方法として,次の方法がある。即ち,請求項4の発明の
ように,酸化物状態の亜鉛を含むと共に鉛,塩素,フッ
素,水分を含有する酸化亜鉛含有廃棄物から,亜鉛を金
属状態で回収するための処理方法であって,上記廃棄物
を加熱することにより塩素,水分を回収する塩素回収工
程と,次いで,真空状態において上記廃棄物を加熱する
ことによりフッ素,鉛を回収する鉛回収工程と,次い
で,上記真空状態を維持した状態で,別途準備した還元
材を上記廃棄物に混合させることにより混合処理材を得
る混合工程と,次いで,上記真空状態を維持した状態
で,上記混合処理材を加熱することにより,亜鉛を還
元,蒸発させ,金属亜鉛を回収する亜鉛回収工程と,次
いで,上記混合処理材の残渣を回収する残渣回収工程と
からなることを特徴とする酸化亜鉛含有廃棄物の処理方
法がある。
【0026】本発明において最も注目すべきことは,上
記のごとく,亜鉛回収工程前まで上記還元材を上記廃棄
物に混合させないことである。これにより,上記鉛回収
工程以前においては,酸化亜鉛の還元反応の進行を極力
抑えることができる。そのため,亜鉛の還元,蒸発反応
は,上記亜鉛回収工程に集中させることができ,金属亜
鉛の回収率を向上させることができる。
【0027】一方,上記還元材を最初から混合させる前
記の方法の場合には,上記鉛回収工程においても,還元
材の存在により,どうしても若干量の酸化亜鉛が還元,
蒸発してしまう。そのため,次工程の亜鉛回収工程にお
いて回収できる金属亜鉛が若干減少するという不具合が
ある。したがって,本発明においては,この点を改善す
ることができる。
【0028】また,上記鉛回収工程においては,還元材
が無くても,鉛を回収することができる。これは,廃棄
物中の鉛の殆どは酸化物の状態で揮発するためであると
考えられる。なお,鉛回収工程は,上記のごとく真空状
態で行うため,大気圧中における処理の場合よりも低い
温度で容易に上記揮発反応を行うことができる。その他
の作用は,上記請求項1の発明の場合と同様である。
【0029】次に,請求項4の発明における,各工程の
加熱温度は以下のように設定することが好ましい。即
ち,まず,請求項5の発明のように,上記塩素回収工程
における加熱は,40〜900℃で行うことが好まし
い。この温度が40℃未満の場合には,塩素を十分に回
収できないという問題があり,好ましくは200℃以上
が良い。一方,900℃を超える場合には,後工程にお
いて回収すべきZnがこの工程において回収されるとい
う問題があり,好ましくは750℃未満とすることが望
ましい。
【0030】また,請求項6の発明のように,上記鉛回
収工程における加熱は,200〜900℃で行うことが
好ましい。この温度が200℃未満の場合には,鉛の回
収が困難であるという問題がある。一方900℃を超え
ても鉛等の回収効率向上効果が低いため,それ以上の高
温にする意味がない。なお,塩素回収工程,鉛回収工程
共に請求項2,3の発明に比べ上限温度が高いのは,請
求項2,3の発明とは異なり還元材を混入することなく
処理が行われるからである。
【0031】次に,請求項7の発明のように,請求項1
〜6のいずれか1項の発明における,上記亜鉛回収工程
における加熱は,いずれも600〜1100℃で行うこ
とが好ましい。この温度が600℃未満の場合には,亜
鉛の還元反応が起こりにくいという問題があり,一方1
100℃を超える場合には,加熱のためのエネルギーコ
ストが増加するという問題がある。
【0032】次に,さらに別の方法として以下のものが
ある。即ち,請求項8の発明のように,酸化物状態の亜
鉛を含むと共に鉛,塩素,フッ素,水分を含有する酸化
亜鉛含有廃棄物から,亜鉛を金属状態で回収するための
処理方法であって,上記廃棄物と還元材とを混合して混
合処理材を得る混合工程と,次いで,上記混合処理材を
加熱することにより鉛,塩素,フッ素,水分を回収す
る,塩素・鉛回収工程と,次いで,真空状態において上
記混合処理材を加熱することにより,亜鉛を還元,蒸発
させ,金属亜鉛を回収する亜鉛回収工程と,次いで,上
記混合処理材の残渣を回収する残渣回収工程とからなる
ことを特徴とする酸化亜鉛含有廃棄物の処理方法があ
る。
【0033】本発明において最も注目すべきことは,上
記鉛,塩素,フッ素,水分の回収を一つの工程(塩素・
鉛回収工程)で行った後,真空状態にして上記亜鉛回収
工程を行うことである。これにより,わずか2回の加熱
によって金属亜鉛を高純度で回収することができ,さら
に処理時間の短縮を図ることができる。それ故,上記オ
ンサイト処理の実現を一層容易にすることができる。
【0034】また,本発明においては,上記塩素・鉛回
収工程は,大気中において行う。即ち,真空状態にする
ことなく,フッ素,鉛の回収を行うことができる。これ
は,還元材が還元反応を起こしながら揮発作用を示すた
めと考えられる。また,亜鉛回収工程及び残渣回収工程
における作用は,請求項1の発明と同様である。
【0035】次に,請求項9の発明のように,上記塩素
・鉛回収工程における加熱は,40〜750℃で行うこ
とが好ましい。この温度が40℃未満の場合には,塩
素,鉛を十分に回収することができないという問題があ
り,好ましくは200℃以上が良い。一方,750℃を
超える場合には,還元材の作用によって,次工程におい
て回収すべきZnまで回収されるおそれがある。なお,
請求項2,3の発明の場合に比べて上限温度が高いの
は,請求項2,3の発明と異なり,この工程が真空状態
にすることなく行われるからである。
【0036】また,請求項10の発明のように,上記亜
鉛回収工程における加熱は,600〜1100℃で行う
ことが好ましい。この温度が600℃未満の場合には,
還元反応が十分に起きないという問題があり,一方11
00℃を超える場合には,エネルギーコストが高くな
り,かつ高い加熱能力を要求されるため設備費も高くな
るという問題がある。
【0037】次に,上記のすべての方法において,請求
項11の発明のように,上記残渣回収工程においては,
上記真空状態を維持した状態で,上記残渣をブリケット
に圧縮成形して回収することが好ましい。これにより,
残渣は,酸化を防止した状態でブリケットに圧縮成形す
ることができる。そのため,得られたブリケットは,残
渣中の鉄分等が焼結し,ある程度の強度のある固まりと
なる。それ故,残渣は,ブリケットとして容易に取り扱
うこができ,例えば鉄鋼材料の原料として容易にリサイ
クルすることができる。
【0038】また,請求項12の発明のように,上記還
元材は,Fe,FeOの少なくとも一方を含有する鉄系
産業廃棄物,炭素を含有するカーボン系産業廃棄物のグ
ループから選ばれる1種以上を用いることができる。こ
れにより,特別な還元材を別途新たに作製する必要がな
く,廃棄物利用という本発明の目的に合致させることが
できる。なお,上記鉄系産業廃棄物としては,ショット
屑,ホットスカーファー屑,研磨屑等がある。またカー
ボン系廃棄物としては,木屑,おが粉,タイヤ屑等があ
る。
【0039】また,請求項13の発明のように,上記還
元材は,廃棄された車から有機物を回収してなるカーダ
ストを用いることもできる。これにより,廃棄処理に多
大なコストがかかる等の問題があるカーダストを有効に
利用することができる。
【0040】また,請求項14の発明のように,上記各
工程における真空状態の真空度は,0.001〜20T
orrであることが好ましい。圧力の下限の好ましい範
囲を0.001Torrとしたのは,これ以上の真空度
を達成しようとすると設備費が高くなってしまうと共
に,本処理を実施するのにそのような高い真空度として
も反応効率向上効果が小さいためである。一方,好まし
い範囲の上限を20Torrとしたのは,これ以上の低
い真空度では,十分な回収率が得られないためである。
【0041】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる酸化亜鉛含有廃棄物の処理
方法につき,図1,図2及び表1〜表4を用いて説明す
る。本例は,酸化亜鉛を含有する廃棄物として,鋼を製
造するときに発生する鉄鋼ダストを適用させた場合につ
いて説明する。鉄鋼ダストは,表1に示すごとく,酸化
物状態の亜鉛を含むと共に鉛,塩素,フッ素,水分を含
有する。
【0042】かかる鉄鋼ダストを処理するに当たって
は,図1,図2に示すごとく,鉄鋼ダスト7と還元材8
とを混合して混合処理材70を得る混合工程90と,次
いで,混合処理材70を加熱することにより塩素,水分
を回収する塩素回収工程91と,次いで,真空状態にお
いて混合処理材70を加熱することによりフッ素,鉛を
回収する鉛回収工程92と,次いで,真空状態を維持し
た状態で,混合処理材70を鉛回収工程92よりも高温
で加熱することにより,亜鉛を還元,蒸発させ,金属亜
鉛を回収する亜鉛回収工程93と,次いで,混合処理材
の残渣79を回収する残渣回収工程94とからなる方法
により行う。
【0043】以下,これを詳述する。まず,上記の方法
を実施する設備としては,図2に示すごとく,送入部1
0,第1加熱炉11,第2加熱炉12,第3加熱炉13
及びブリケットマシーン14を備えた処理設備1を用い
る。第1,第2,第3加熱炉11,12,13及びブリ
ケットマシーン14は,それぞれバキュームポンプ21
〜24に連結されている。そして,第2,第3加熱炉1
2,13及びブリケットマシーン14内は,バキューム
ポンプ22,23,24によって真空状態が得られるよ
うになっている。
【0044】また,図2に示すごとく,これらのバキュ
ームポンプ21〜24の排気側には,それぞれ第1〜第
4回収器41〜44を設けてある。さらに,第2加熱炉
12とバキュームポンプ22との間,及び第3加熱炉1
3とバキュームポンプ23との間には金属回収器52,
53をそれぞれ設けてある。
【0045】上記第1回収器41及び第2回収器42
は,それぞれ塩素,フッ素等の吸収剤を充填してあると
共に集じん機能を有しており,一方第3回収器43及び
第4回収器44は,集じん機能を有している。また,金
属回収器52,53は,蒸発した金属を凝着させて,回
収するものであって,回収金属の凝固温度よりも低い温
度に保持されるように構成されている。
【0046】また,図2に示すごとく,各加熱炉の前後
には,混合処理材70を送るための材料通路31〜34
を設けてあり,かつ各材料通路31〜34には,これら
を遮蔽する開閉バルブ301〜304を設けてある。
【0047】次に,上記処理設備1を用いて鉄鋼ダスト
7を処理するに当たっては,まず還元材8として鉄系産
業廃棄物であるホットスカーファー屑(FeO=99.
5%)を準備し,これを鉄鋼ダスト7に対して1:1の
割合で混合する。この混合処理は,図2に示すごとく,
材料送入部10に,鉄鋼ダスト7及び還元材8を送入
し,混合することにより行う。
【0048】次に,上記混合工程により得られた混合処
理材70は,処理設備1における材料通路31の開閉バ
ルブ301を開くことにより,第1加熱炉11に送入さ
れる。次いで,開閉バルブ301を閉じた後,混合処理
材70を約200℃で1時間加熱すると共に,バキュー
ムポンプ21を作動させて第1加熱炉11内の雰囲気を
回収器41側へ排気する。これにより,塩素,水分が混
合処理材70から分離し,回収器41に回収される。
【0049】次に,上記塩素回収工程を終えた混合処理
材70は,材料通路32の開閉バルブ302を開くこと
により,第2加熱炉12に送入される。次いで,開閉バ
ルブ302を閉じた後,バキュームポンプ22を作動さ
せて第2加熱炉12内を0.5Torrの真空状態とす
る。
【0050】次いで,混合処理材70を約600℃で1
時間加熱する。これにより,混合処理材70中の鉛は,
還元材8の作用により金属鉛に還元され,蒸発する。そ
して,金属鉛の凝固温度よりも低い200℃に保持され
た金属回収器52に凝着,回収される。また混合処理材
70から分離したフッ素は,バキュームポンプ22の排
気側の回収器42によって回収される。
【0051】次に,上記鉛回収工程を終えた混合処理材
70は,処理設備1における材料通路33の開閉バルブ
303を開くことにより,第3加熱炉13に送入され
る。このとき,第3加熱炉13内は,バキュームポンプ
23を作動させて予め0.5Torrの真空状態にして
おく。これにより,真空状態を維持したまま鉛回収工程
から亜鉛回収工程へと移行させることができる。
【0052】次いで,開閉バルブ303を閉じた後,混
合処理材70を約900℃で2時間加熱する。これによ
り,酸化亜鉛が金属状態に還元され,蒸発する。蒸発し
た金属亜鉛は,その凝固温度以下の400℃に保持され
た金属回収器53により凝着回収される。その他の分離
物はバキュームポンプ23の排気側の回収器43により
回収される。
【0053】次に,上記亜鉛回収工程を終えた残渣79
は,材料通路34の開閉バルブ304を開くことによ
り,ブリケットマシーン14に送入される。このとき
も,ブリケットマシーン14内は,バキュームポンプ2
4を作動させて予め0.5Torrの真空状態にしてお
く。これにより,上記真空状態を維持したまま残渣回収
工程に移行することができる。
【0054】次いで,送られた残渣79は,ブリケット
マシーン14の圧縮機141により,ブリケット795
に圧縮成形され,一連の処理が終了する。なお,得られ
たブリケット795は,鉄鋼材料製造用の鉄源としてリ
サイクルされる。
【0055】次に,各工程終了後の混合処理材70及び
金属回収器53より回収された回収物をサンプリングし
て分析した結果を表2〜表4に示す。表2は,上記鉛回
収工程直後の混合処理材70の代表成分値を示す。表2
より知られるごとく,表1に示した初期の鉄鋼ダスト7
に含有されていた鉛(Pb),フッ素(F)が十分に回
収されていることが分かる。
【0056】表3は,上記亜鉛回収工程直後の混合処理
材70,即ち残渣79の代表成分値を示す。表3より知
られるごとく,表1に示した初期の鉄鋼ダスト7に含有
されていた亜鉛(Zn)が十分に回収されていることが
分かる。
【0057】表4は,上記亜鉛回収工程において金属回
収器53に回収された回収物の成分値を示す。表4より
知られるごとく,回収物は,89.2%の高純度の金属
亜鉛であることが分かる。
【0058】したがって,本例においては,回収した金
属亜鉛を,その後特に精錬等の処理を施すことなく,再
利用することができる。また,上記のごとく,本例にお
いては,鉛等の有害物質を順次回収でき,かつ処理時間
も比較的短いため,オンサイト処理に適している。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】実施形態例2 本例は,実施形態例1において,還元材8の混合量と,
得られた金属亜鉛の回収率との相関関係について調査し
た。調査に当たっては,1molのZn(亜鉛)を還元
するのに必要な還元材の量を1グラム当量とし,そのグ
ラム当量比を約2.4〜24の範囲で数種類変化させて
混合処理材70を作製し,これを実施形態例1に示した
手順により処理した。得られた金属亜鉛の回収率は,残
渣中における亜鉛の比率(at%)を混合処理材中にお
ける亜鉛の比率(at%)により割って算出した亜鉛の
除去率の値を用いた。
【0064】また,本例においては,亜鉛回収工程にお
ける加熱温度を900℃と750℃の2種類行い,その
影響を調べた。結果を図3に示す。図3は,横軸に還元
材のグラム当量比,縦軸に亜鉛の回収率(除去率)を取
った。そして,亜鉛回収工程における加熱温度が900
℃の場合の分布状態を点線E1で示し,750℃の場合
の分布状態を実線E2により示した。
【0065】図3により知られるごとく,亜鉛回収工程
の加熱温度が900℃の場合には,グラム当量比の値に
関わらず,測定した全域においてほぼ良好な亜鉛回収率
が得られた。一方,上記加熱温度が750℃の場合に
は,グラム当量比が高い場合には良好であるが,グラム
当量比が低くなるにつれて回収率が低下した。以上よ
り,亜鉛回収工程における加熱温度を900℃以上に設
定した場合には,少なくともグラム当量比が2.4以上
になるように還元材を混合させることにより常に高い亜
鉛回収率が得られることが分かる。
【0066】実施形態例3 本例においては,図4に示すごとく,実施形態例1にお
ける還元材として,カーダスト82を用いた。また,残
渣回収工程94においては残渣を用いたブリケットの成
形を行わなかった。その他は,実施形態例1と同様であ
る。
【0067】カーダストは,廃棄された車から,ボディ
等の金属部分を除いた有機物を主体とした廃棄物であっ
て,表5に示すごとき成分よりなる。表5より知られる
ごとく,カーダストは還元材の主成分となる炭素(C)
の他に,鉛(Pb)等の有害物質を含有しており,有効
な処理方法が求められていた。本例は,かかる問題を有
するカーダストを還元材として用いることにより,鉄鋼
ダストの処理とともにカーダスト自体の処理を行うこと
ができる方法である。
【0068】即ち,本例においては,第2加熱炉12に
おける鉛回収工程において,実施形態例1と同様に真空
状態で加熱処理することにより,鉛を回収することがで
きる。その他,塩素回収工程,亜鉛回収工程において
は,実施形態例1と同様の作用が得られ,最終的に表6
に示した成分値の残渣が得られる。
【0069】表6より知られるごとく,残った残渣は,
有害物質が十分に取り除かれた状態となっていることが
分かる。また,本例の亜鉛回収工程において得られた金
属亜鉛は,実施形態例1の場合と同様に,高純度のもの
であった。
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】実施形態例4 本例は,図5に示すごとく,実施形態例1において,鉄
鋼ダスト7に還元材8を加える前に塩素回収工程91及
び鉛回収工程92を行い,その後,還元材8を混合する
混合工程90を行い,次いで亜鉛回収工程93及び残渣
回収工程94を行う例を示す。また本例における鉄鋼ダ
スト7,還元材8は,実施形態例1と同様である。
【0073】即ち,処理設備としては,図6に示すごと
く,実施形態例1における処理設備1の第3加熱炉13
に対して還元材送入部15を設けた処理設備102を用
いる。還元材送入部15は,開閉バルブ305を有する
還元材通路35を介して第3加熱炉13に連結されてい
る。その他は,実施形態例1と同様である。
【0074】次に,処理設備1を用いて鉄鋼ダスト7を
処理するに当たっては,まず,鉄鋼ダスト7を送入部1
0から第1加熱炉11に送入し,約400℃で1時間加
熱することにより塩素,水分を回収する。次いで,予め
0.5Torrまで真空状態にした第2加熱炉12に鉄
鋼ダスト7を送入し,これを約600℃で1時間加熱す
ることにより,フッ素,鉛を回収する。
【0075】次いで,予め還元材送入部15から還元材
8を送入した第3加熱炉13を0.5Torrの真空状
態にし,該第3加熱炉13に鉛回収工程を終えた鉄鋼ダ
スト7を送入して混合させることにより混合処理材70
を得る。次いで,真空状態を維持した状態の第3加熱炉
13内において,混合処理材70を鉛回収工程よりも高
温の900℃で2時間加熱する。これにより,亜鉛を還
元,蒸発させ,金属亜鉛を金属回収器53により回収す
る。
【0076】次いで,亜鉛回収工程を終えた残渣79
は,真空状態を維持したブリケットマシーン14によ
り,ブリケット795に圧縮成形され,一連の処理が終
了する。なお,上記各工程移行時においては,実施形態
例1と同様に,各開閉バルブを開閉して材料を移動さ
せ,処理時には,常に開閉バルブを閉じた状態で行う。
その他は実施形態例1と同様である。
【0077】次に,各工程終了後の鉄鋼ダスト7,混合
処理材70及び金属回収器53より回収された回収物を
サンプリングして分析した結果を表7〜表9に示す。表
7は,上記鉛回収工程直後の鉄鋼ダスト7の代表成分値
を示す。表7より知られるごとく,表1に示した初期の
鉄鋼ダスト7に含有されていた鉛(Pb)及びフッ素
(F)が十分に回収されていることが分かる。
【0078】表8は,上記亜鉛回収工程直後の混合処理
材70,即ち残渣79の代表成分値を示す。表8より知
られるごとく,表1に示した初期の鉄鋼ダスト7に含有
されていた亜鉛(Zn)が十分に回収されていることが
分かる。
【0079】表9は,上記亜鉛回収工程において金属回
収器53に回収された回収物の成分値を示す。表9より
知られるごとく,回収物は,92.0%の高純度の金属
亜鉛であることが分かる。この純度は,実施形態例1の
場合よりも高い。これは,上記鉛回収工程における亜鉛
の還元反応を抑制することができるため,亜鉛の回収を
亜鉛回収工程に集中させることができ,その分亜鉛の回
収率が向上したことを示していると考えられる。その
他,実施形態例1と同様の作用が得られる。
【0080】
【表7】
【0081】
【表8】
【0082】
【表9】
【0083】実施形態例5 本例においては,図7に示したごとく,実施形態例1に
おける塩素回収工程及び鉛回収工程を,大気雰囲気中に
おいて,1回の加熱処理により,塩素・鉛回収工程91
0として行う。
【0084】また,本例における鉄鋼ダスト7,還元材
8は,実施形態例1と同様である。また,使用する処理
設備は,実施形態例1における処理設備1の第2加熱炉
12を取り除いたタイプのものを用いた。その他は,実
施形態例1と同様である。
【0085】次に,本例において鉄鋼ダスト7を処理す
るに当たっては,まず,鉄鋼ダスト7と還元材8とを混
合して混合処理材70を得る。次いで,混合処理材を第
1加熱炉に送入し,これを大気雰囲気中において600
℃で2時間加熱することにより鉛,塩素,フッ素,水分
を回収する,塩素・鉛回収工程を行う。
【0086】次いで,塩素・鉛回収工程を終えた混合処
理材を,予め0.5Torrの真空状態にした第3加熱
炉に送入する。次いで,混合処理材70を塩素・鉛回収
工程より高温の900℃で2時間加熱することにより,
亜鉛を還元,蒸発させ,金属亜鉛を回収する亜鉛回収工
程を行う。次いで,実施形態例1と同様に残渣回収工程
においてブリケットを成形し,一連の処理が終了する。
【0087】次に,各工程終了後の混合処理材70及び
金属回収器53より回収された回収物をサンプリングし
て分析した結果を表10〜表12に示す。表10は,上
記塩素・鉛回収工程直後の混合処理材70の代表成分値
を示す。表10より知られるごとく,表1に示した初期
の鉄鋼ダスト7に含有されていた塩素(Cl),鉛(P
b),フッ素(F)が十分に回収されていることが分か
る。
【0088】なお,本例においては,真空にすることな
く大気雰囲気中において塩素・鉛回収工程を行うが,高
温に保持して還元雰囲気におくことによって鉛,塩素,
フッ素,水分が揮発するので,その揮発時間を確保する
ことによって,確実に鉛,フッ素等の回収を行うことが
できる。
【0089】表11は,上記亜鉛回収工程直後の混合処
理材70,即ち残渣79の代表成分値を示す。表11よ
り知られるごとく,表11に示した初期の鉄鋼ダスト7
に含有されていた亜鉛(Zn)が十分に回収されている
ことが分かる。
【0090】表12は,上記亜鉛回収工程において金属
回収器53に回収された回収物の成分値を示す。表12
より知られるごとく,回収物は,92.0%の高純度の
金属亜鉛であることが分かる。この純度は,実施形態例
1の場合よりも高い。これは,上記塩素・鉛回収工程を
大気中において行うことにより,亜鉛の還元反応を抑制
することができるため,亜鉛の回収が亜鉛回収工程に集
中し,その分亜鉛の回収率が向上したことを示している
と考えられる。その他,実施形態例1と同様の作用が得
られる。
【0091】
【表10】
【0092】
【表11】
【0093】
【表12】
【0094】なお,上記実施形態例1〜5においては,
各工程ごとに専用の加熱炉を使用したが,1つの加熱炉
を兼用し,処理条件を順次変更していく方法をとること
もできる。
【0095】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,酸化亜
鉛を含有する廃棄物から,高い純度の金属亜鉛を回収す
ることができ,かつオンサイト処理することができる,
酸化亜鉛含有廃棄物の処理方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の処理方法の工程を示す説明図。
【図2】実施形態例1における,処理設備の構成を示す
説明図。
【図3】実施形態例2における,還元材のグラム当量比
と亜鉛回収率との関係を示す説明図。
【図4】実施形態例3の処理方法の工程を示す説明図。
【図5】実施形態例4の処理方法の工程を示す説明図。
【図6】実施形態例4における,処理設備の構成を示す
説明図。
【図7】実施形態例5の処理方法の工程を示す説明図。
【符号の説明】
1,102...処理設備, 10...送入部, 11...第1加熱炉, 12...第2加熱炉, 13...第3加熱炉, 14...ブリケットマシーン, 21〜24...バキュームポンプ, 31〜34...材料通路, 301〜304...開閉バルブ, 41〜44...第1〜第4回収器, 52,53...金属回収器, 7...鉄鋼ダスト, 8...還元材, 90...混合工程, 91...塩素回収工程, 911...塩素・鉛回収工程, 92...鉛回収工程, 93...亜鉛回収工程, 94...残渣回収工程,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹本 博彦 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知製 鋼株式会社内 (72)発明者 岡田 裕二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鈴木 和弘 愛知県豊田市鴻ノ巣町3丁目33番地 トヨ キン株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物状態の亜鉛を含むと共に鉛,塩
    素,フッ素,水分を含有する酸化亜鉛含有廃棄物から,
    亜鉛を金属状態で回収するための処理方法であって,上
    記廃棄物と還元材とを混合して混合処理材を得る混合工
    程と,次いで,上記混合処理材を加熱することにより塩
    素,水分を回収する塩素回収工程と,次いで,真空状態
    において上記混合処理材を加熱することによりフッ素,
    鉛を回収する鉛回収工程と,次いで,上記真空状態を維
    持した状態で,上記混合処理材を上記鉛回収工程よりも
    高温で加熱することにより,亜鉛を還元,蒸発させ,金
    属亜鉛を回収する亜鉛回収工程と,次いで,上記混合処
    理材の残渣を回収する残渣回収工程とからなることを特
    徴とする酸化亜鉛含有廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記塩素回収工程に
    おける加熱は,40〜600℃で行うことを特徴とする
    酸化亜鉛含有廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記鉛回収工
    程における加熱は,200〜600℃で行うことを特徴
    とする酸化亜鉛含有廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】 酸化物状態の亜鉛を含むと共に鉛,塩
    素,フッ素,水分を含有する酸化亜鉛含有廃棄物から,
    亜鉛を金属状態で回収するための処理方法であって,上
    記廃棄物を加熱することにより塩素,水分を回収する塩
    素回収工程と,次いで,真空状態において上記廃棄物を
    加熱することによりフッ素,鉛を回収する鉛回収工程
    と,次いで,上記真空状態を維持した状態で,別途準備
    した還元材を上記廃棄物に混合させることにより混合処
    理材を得る混合工程と,次いで,上記真空状態を維持し
    た状態で,上記混合処理材を加熱することにより,亜鉛
    を還元,蒸発させ,金属亜鉛を回収する亜鉛回収工程
    と,次いで,上記混合処理材の残渣を回収する残渣回収
    工程とからなることを特徴とする酸化亜鉛含有廃棄物の
    処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において,上記塩素回収工程に
    おける加熱は,40〜900℃で行うことを特徴とする
    酸化亜鉛含有廃棄物の処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5において,上記鉛回収工
    程における加熱は,200〜900℃で行うことを特徴
    とする酸化亜鉛含有廃棄物の処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項において,
    上記亜鉛回収工程における加熱は,600〜1100℃
    で行うことを特徴とする酸化亜鉛含有廃棄物の処理方
    法。
  8. 【請求項8】 酸化物状態の亜鉛を含むと共に鉛,塩
    素,フッ素,水分を含有する酸化亜鉛含有廃棄物から,
    亜鉛を金属状態で回収するための処理方法であって,上
    記廃棄物と還元材とを混合して混合処理材を得る混合工
    程と,次いで,上記混合処理材を加熱することにより
    鉛,塩素,フッ素,水分を回収する,塩素・鉛回収工程
    と,次いで,真空状態において上記混合処理材を加熱す
    ることにより,亜鉛を還元,蒸発させ,金属亜鉛を回収
    する亜鉛回収工程と,次いで,上記混合処理材の残渣を
    回収する残渣回収工程とからなることを特徴とする酸化
    亜鉛含有廃棄物の処理方法。
  9. 【請求項9】 請求項8において,上記塩素・鉛回収工
    程における加熱は,40〜750℃で行うことを特徴と
    する酸化亜鉛含有廃棄物の処理方法。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9において,上記亜鉛回
    収工程における加熱は,600〜1100℃で行うこと
    を特徴とする酸化亜鉛含有廃棄物の処理方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項におい
    て,上記残渣回収工程においては,上記真空状態を維持
    した状態で,上記残渣をブリケットに圧縮成形して回収
    することを特徴とする酸化亜鉛含有廃棄物の処理方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項におい
    て,上記還元材は,Fe,FeOの少なくとも一方を含
    有する鉄系産業廃棄物,炭素を含有するカーボン系産業
    廃棄物のグループから選ばれる1種以上であることを特
    徴とする酸化亜鉛含有廃棄物の処理方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか1項におい
    て,上記還元材は,廃棄された車から有機物を回収して
    なるカーダストであることを特徴とする酸化亜鉛含有廃
    棄物の処理方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1項におい
    て,上記各工程における真空状態の真空度は,0.00
    1〜20Torrであることを特徴とする酸化亜鉛含有
    廃棄物の処理方法。
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