JPH09227568A - ヘリオキサンチンの製造法 - Google Patents

ヘリオキサンチンの製造法

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JPH09227568A
JPH09227568A JP8041761A JP4176196A JPH09227568A JP H09227568 A JPH09227568 A JP H09227568A JP 8041761 A JP8041761 A JP 8041761A JP 4176196 A JP4176196 A JP 4176196A JP H09227568 A JPH09227568 A JP H09227568A
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JP
Japan
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compound represented
acid
compound
atom
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Withdrawn
Application number
JP8041761A
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English (en)
Inventor
Hironaga Masuya
浩大 桝屋
Norichika Matsumoto
憲親 松本
Eigo Muto
英吾 武藤
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ヘリオキサンチンを効率的に、収率よくかつ工
業的に有利な方法で製造する方法を提供する。 【解決手段】式 【化1】 [式中、Xは水素原子またはハロゲン原子を示し、Yは
ハロゲン原子を示す。]で表される化合物を還元し、得
られる式 【化2】 [式中、各記号は前記と同意義を示す。]で表される化
合物を低級脂肪酸塩の存在下、接触還元に付すことを特
徴とする、式 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬特に骨粗鬆
症、骨折、骨再建、アルツハイマー病、脳血管性痴呆、
筋萎縮性側索硬化症(ロウ・ゲーリッヒ病)、糖尿病性
の末梢神経障害(ニューロパシー)などの治療に有効な
分化誘導因子作用増強剤であるヘリオキサンチンの製造
法および新規中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘリオキサンチンはM. Jacobson[ジ
ャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイア
ティ,(J.Amer. Chem. Soc.),73巻,100
頁(1951年)]によって、Heliopsis scabraから
単離され、L.Crombieら[ジャーナル・オブ・ザ・ケ
ミカル・ソサイアティ・セクションC(J.Chem.So
c.(C)),693−701頁(1961年)]によ
って構造決定されたが、その単離収率は僅か0.028
%であった。また、本願目的物(ヘリオキサンチン)は
台湾スギ(Taiwanin cryptomerioides)にも含まれる
が、その含量は0.025%と低く、天然物から本願目
的物を大量に入手することは極めて困難である。さらに
ヘリオキサンチンは漢方処方用薬として精神神経用薬・
保健強壮薬とみなされる処方に使用されるイトヒメハギ
[Polygala tenuifolia Willdenow (Polygalaceae)]の
根にも含まれることが知られている[第十二改正、日本
薬局方解説書(1991年)]。一方、ヘリオキサンチ
ンの全合成はT.L.Holmes[ジャーナル・オブ・ザ
・ケミカル・ソサイアティ・セクションC(J.Che
m.Soc.(C)),2091−2094頁(1971
年)]らによって下記(スキーム1)で表わされる合成
法が報告されている。 (スキーム1)
【化9】 [(スキーム1)中、Jはヨード原子を示す。] 上記の方法はジブロモ酸無水物を塩化アルミニウム存在
下水素化リチウムアルミニウム還元に付し、ジオール体
に導くと共に脱ブロモ化し、ついでFetizon酸化により
ヘリオキサンチンに導いている。しかしながらこの方法
はジオール体への還元脱ブロモ化工程が低収率のみなら
ず、次工程のFetizon酸化によるラクトン環形成もカル
ボニル基の位置選択性が低いという問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ヘリオキサンチンに優
れた骨形成因子や神経栄養因子の作用を増強する活性の
あることが見出され、骨疾患治療薬として有用と考えら
れるため(特願平7−032703号)、本願目的物で
あるヘリオキサンチンの効率的な大量合成法の開発が望
まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み、数多くの反応条件について鋭意検討を重ね、ヘ
リオキサンチンを効率的に、収率よくかつ工業的に有利
に製造できる合成法を検討した結果、式
【化10】 [式中、各記号は前記と同意義を示す。]で表わされる
酸無水物のカルボニル基を位置選択に還元し、式
【化11】 [式中、各記号は前記と同意義を示す。]で表わされる
製造中間体を合成する方法を初めて見出すとともに、該
式[II]で表わされる化合物の接触還元的脱ハロゲン化
法を見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、
(1)式
【化12】 [式中、Xは水素原子またはハロゲン原子を示し、Yは
ハロゲン原子を示す。]で表される化合物を還元に付す
ことを特徴とする、式
【化13】 [式中、各記号は前記と同意義を示す。]で表される化
合物の製造法、(2)酸アミド類を溶媒として用いる前
記(1)記載の製造法、(3)酸アミド類がジメチルホ
ルムアミドである前記(2)記載の製造法、(4)水素
化金属塩を還元剤として用いる前記(1)記載の製造
法、(5)水素化金属塩が水素化ホウ素ナトリウムであ
る前記(4)記載の製造法、(6)式
【化14】 [式中、各記号は前記(1)記載と同意義を示す。]で
表される化合物を低級脂肪酸塩の存在下接触還元に付す
ことを特徴とする、式
【化15】 で表される化合物の製造法、(7)酸アミド類を溶媒と
して用いる前記(6)記載の製造法、(8)酸アミド類
がジメチルホルムアミドである前記(7)記載の製造
法、(9)低級脂肪酸塩が酢酸塩である前記(6)記載
の製造法、(10)低級脂肪酸の塩がアルカリ金属塩で
ある前記(6)記載の製造法、(11)酢酸塩が酢酸ナ
トリウムである前記(9)記載の製造法、(12)パラ
ジウム系触媒を触媒として用いる前記(6)記載の製造
法、(13)式
【化16】 [式中、各記号は前記(1)記載と同意義を示す。]で
表される化合物を還元に付し、得られる式
【化17】 [式中、各記号は前記(1)記載と同意義を示す。]で
表される化合物を低級脂肪酸塩の存在下、接触還元に付
すことを特徴とする、式
【化18】 で表される化合物の製造法、(14)式
【化19】 [式中、Xは水素原子またはハロゲン原子を示し、Yは
ハロゲン原子を示す(但し、Xが水素原子である場合、
Yはブロム原子ではない)。]で表される化合物、(1
5)Xが水素原子またはブロム原子を示し、Yがハロゲ
ン原子を示す前記(14)記載の化合物、および(1
6)Yがブロム原子である前記(15)記載の化合物に
関する。
【0005】本願明細書中で用いられる用語「ハロゲン
原子」としては、例えばフルオロ原子、クロロ原子、ブ
ロム原子、ヨード原子などが用いられる。Xは水素原子
またはハロゲン原子(例えばフルオロ原子、クロロ原
子、ブロム原子、ヨード原子など)を示し、特に、水素
原子またはブロム原子が好ましい。Yは例えば、フルオ
ロ原子、クロロ原子、ブロム原子、ヨード原子などのハ
ロゲン原子を示し、特にブロム原子が好ましい。また、
Xがハロゲン原子である場合、YはXと同一のハロゲン
原子であるのが好ましい。式[I]で表される化合物を
還元に付し、得られる式[II]で表される化合物を低
級脂肪酸塩の存在下接触還元し、式[III]で表され
る化合物(ヘリオキサンチン)を得る上記の反応は、通
常、反応に不活性な溶媒中で行われる。溶媒としては、
例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、
イソプロパノール等のアルコール類、例えばベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、例えばジク
ロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、
例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭
化水素類、例えばジエチルエーテル、ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、
例えばアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、例
えばアセトニトリル等のニトリル類、例えばジメチルス
ルホキシド等のスルホキシド類、例えばジメチルホルム
アミド、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミ
ド、ヘキサメチルホスホロアミド等の酸アミド類、例え
ば酢酸エチル等のエステル類、例えばギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸等のカルボン酸類等が用いられる。好ましく
は、例えば、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドン、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホロア
ミド等の酸アミド類、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸
等のカルボン酸類が用いられ、更に好ましくは例えばジ
メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチル
アセトアミド、ヘキサメチルホスホロアミド等の酸アミ
ド類、中でもジメチルホルムアミドなどが汎用される。
これらの溶媒は単独で用いることもできるし、また必要
に応じて二種またはそれ以上の多種類を適当な割合例え
ば1:1〜1:10の割合で混合して用いてもよい。ま
た、上記溶媒は、通常、実質的に無水の状態で使用され
ることが好ましい。
【0006】式[I]で表される化合物を還元に付し、
式[II]で表される化合物を得るための反応条件として
は、式[II]で表される化合物を製造し得る条件であれ
ばいずれでもよいが、例えば、上記の不活性溶媒中、水
素化金属塩などの還元剤の存在下で行うことができる。
還元剤としての水素化金属塩には、例えば、水素化ホウ
素ナトリウム、水素化ホウ素亜鉛、シアノ水素化ホウ素
ナトリウムなどが含まれる。好ましい水素化金属塩に
は、水素化ホウ素ナトリウムなどが含まれる。還元剤の
使用量は、例えば式[I]で表される化合物に対して
1.0〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.2当量程
度である。反応温度は、通常−30℃ないし50℃、好
ましくは−25℃ないし25℃、更に好ましくは−10
℃ないし10℃であり、特に−10℃ないし−5℃が好
ましく、反応時間は通常15分ないし10時間、好まし
くは30分ないし5時間、更に好ましくは30分ないし
1.5時間である。上記反応において、式[I]で表さ
れる酸無水物の3位カルボニル基が位置選択的に還元さ
れ、式[II]で表される化合物が得られる。すなわち、
式[I]で表される酸無水物を、本発明に従って還元に
付すと、立体障害のより大きいほうのカルボニル基が水
素化され、式[II]で表される化合物が選択的に得られ
ることを意味する。より具体的には、
【化20】 [式中、各記号は前記と同意義を示す。]における反応
において、化合物[II]:[II']が例えば、60:4
0ないし100:0、 好ましくは、 80:20ないし1
00:0、より好ましくは、95:5ないし100:0
の割合で生成される反応を意味する。
【0007】式[II]で表される化合物を接触還元に付
し式[III]で表される化合物(ヘリオキサンチン)を
得る反応は、上記の不活性溶媒中、低級脂肪酸塩の存在
下で行うことができる。低級脂肪酸の塩としては例えば
ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属などが好まし
い。低級脂肪酸塩としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸など
1-6低級(飽和)脂肪酸の塩などが挙げられ、ギ酸、
酢酸、プロピオン酸の塩などが好ましい。中でも例えば
酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの酢酸塩、特に酢酸
ナトリウムが汎用される。これら低級脂肪酸塩の使用量
は、例えば式[II]で表される化合物に対して2〜10
0当量、好ましくは5〜50当量程度である。上記接触
還元反応は通常触媒の存在下行われる。該触媒として
は、例えばパラジウム、パラジウム黒、パラジウム−炭
素、塩化パラジウム等のパラジウム系触媒、例えば、白
金、酸化白金、白金黒などの白金系触媒、ロジウム、ラ
ネーニッケル等が用いられる。なかでも例えばパラジウ
ム、パラジウム黒、パラジウム−炭素、塩化パラジウム
等のパラジウム系触媒が好ましく用いられ、特にパラジ
ウムが汎用される。これら接触還元触媒の使用量は、例
えば式[II]で表される化合物に対して0.02〜1当
量、好ましくは0.1〜0.5当量程度である。反応温
度および反応時間は上記接触還元反応に悪影響を及ぼさ
ない条件であれば、特に制限はされないが、一般には室
温(15℃〜30℃)、5〜40時間であることが好ま
しい。かくして得られた化合物[II]もしくは[III]
は公知の手段、例えば溶媒抽出、液性変換、転溶、塩
析、再結晶、クロマトグラフィーなどによって単離精製
することができる。また、化合物[II]は単離せずに上
記接触還元反応に付してもよい。
【0008】原料化合物[I]は例えば下記の反応Iに
従って合成される。 (反応I)
【化21】 [(反応I)中、Jはヨード原子を示す。] 化合物[I’](好ましくは6−ブロモピペロナール)
はA.M.B.Orrら[ジャーナル・オブ・ザ・ケミカ
ル・ソサイアティ(J.Chem.Soc.),111巻,
946頁(1971年)]の方法またはそれに準じた方
法に従ってピペロナールから合成される。化合物
[I’]はついでD.Brown and R.Stevenson[ジ
ャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.O
rg.Chem.),30巻,1759頁(1965年)]
の方法またはそれに準じた方法に従って化合物[I
I’](好ましくは2−ブロモ−4,5−メチレンジオ
キシフェニルプロピオール酸)に導かれる。本化合物は
ついでアセトニトリル溶媒中ジシクロヘキシルカルボジ
イミド(DCC)で処理することにより、化合物[I]
(好ましくは5−ブロモ−7,8−メチレンジオキシ−
1−(2’−ブロモ−4’,5’−メチレンジオキシフ
ェニル)ナフタレン−2,3−ジカルボン酸無水物)に
導かれる。本無水物の合成は、T.L.Holmes and
R.Stevenson[ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソ
サイアティ・セクションC(J.Chem.Soc.
(C)),2091頁(1971年)]の方法に比較し
て反応溶媒の選択により、その収率が2倍強(44%)
に改良されている。無水物は前述の条件下、ヘリオキサ
ンチン型ラクトン[II]に導かれ、ついで接触還元的脱
ブロム化により定量的にヘリオキサンチン[III]に誘
導される。
【0009】本願製造法におけるもう一つの特徴とし
て、6−モノハロゲン化ピペロナールのみならず5,6
−ジハロゲン化ピペロナールから誘導される化合物
[I]を用いた場合においても、化合物[II]を経由し
て、ヘリオキサンチン(化合物[III])を合成できる
ことが挙げられる。すなわち、ピペロナールのハロゲン
化において通常6%弱のジハロゲン体が副生するが、こ
のものはモノハロゲン体と全く同様に反応が進行しヘリ
オキサンチンが得られることが確認された。かくしてハ
ロゲン化ピペロナールの精製は全く不用であり、ジハロ
ゲン体が混在してもヘリオキサンチンへの変換には何ら
差支えはないので、モノハロゲノ体の単離が必要なT.
L.Holmes and R.Stevenson[ジャーナル・オブ・
ザ・ケミカル・ソサイアティ・セクションC(J.Che
m.Soc.(C)),2091頁(1971年)の方法
と比較して工業的に有利に用いられる。かくして得られ
たこれらの原料化合物またはその塩は、公知の手段例え
ば溶媒抽出、液性変換、転溶、塩析、晶出、再結晶、ク
ロマトグラフィーなどによって単離精製することができ
るが、単離することなくそのまま反応混合物のまま次の
工程の原料として供されてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下において、実施例および参考
例により本発明をより具体的に説明するが、この発明は
これらに限定されるものではない。
【0011】
【実施例】
参考例1 6−ブロモピペロナールおよび5,6−ジブロモピペロ
ナール(6−Bromopiperonalおよび5,6−Dibromopi
peronal)
【化22】 ピペロナール 600g(3.97mol)を酢酸2Lに
溶解し、ヨウ素1.2gを加えた。氷冷撹拌下に3時間
を要して臭素390ml(7.57mol)を内温14
−15℃で滴下した後室温(20℃)で2.5時間反応
させた。ついで反応液を10℃に冷却してヨウ素1.2
gを追加し、撹拌下、臭素100ml(1.94mo
l)を液温10−11℃に保ちながら50分間で滴下し
た。室温でさらに20時間反応させた後、反応液を氷水
4L中に注入し、水10Lを加えた。析出物を濾過し、
水洗、風乾の後メタノール−酢酸エチルから再結晶し6
−ブロモピペロナール(6−bromopiperonal) 537
g(純度98.7%)を第1結晶として得た。 融点:129−130℃. IR(KBr)ν:1670,1485,1255cm
-1 NMR(CDCl3)δ(ppm):6.07(2H,s),7.
04(1H,s),7.34(1H,s),10.2(1
H,s). 母液から第2結晶として5,6−ジブロモピペロナール
(5,6−dibromopiperonal) 154g(純度33.3
%)を、また、第3結晶として5,6−ジブロモピペロ
ナール(5,6−dibromopiperonal) 73g(純度2
7.8%)を得た。第2結晶50gをODSカラムクロ
マトグラフィーに付し、60%アセトニトリルで展開し
て5,6−ジブロモピペロナール(5,6−dibromopiper
onal) 2.5gを得た。 IR(KBr)ν:1680,1481,1259cm
-1. NMR(CDCl3)δ(ppm):6.17(2H,
s),7.36(1H,s),10.22(1H,s).
【0012】参考例2 2−ブロモ−4,5−メチレンジオキシフェニルプロピ
オール酸(2−Bromo−4,5−methylenedioxyphenylp
ropiolic acid)
【化23】 水素化ナトリウム(約60%)126.7g(3.14m
ol)をジメトキシエタン(DME)1.8Lに懸濁
し、内温0℃−5℃でジエチルホスホノ酢酸エチル71
0.3g(3.17mol)を滴下した後、30分間撹拌
した。同温度でヨウ素804.8g(3.17mol)の
DME溶液1.8Lを滴下し、30分間撹拌した。水素
化ナトリウム(約60%)253.5g(6.34mo
l)を少しずつ加え、内温を25℃とした。6−ブロモ
ピペロナール(6−Bromopiperonal) 721.5g
(3.14mol)の溶液を滴下し、40℃で2時間撹
拌した。室温で一晩放置後、氷冷下に水酸化ナトリウム
水溶液(140g/460mlH2O)を滴下し、室温
で2時間撹拌した。溶媒を減圧下に留去後、残留物を水
3Lに溶解し、酢酸エチル1Lで洗浄した。水層を濾過
し、さらに酢酸エチル1Lで洗浄した。水層を氷冷し、
撹拌しながら濃塩酸(約300ml)を滴下した。次い
で1.5時間撹拌した後、一晩放置した。析出した結晶
を濾過し、減圧乾燥(60℃,7日間)した。 収量(率) 702.4g(2.61mol) 83% NMR(DMSO−d6) δ(ppm) 6.17(s,
2H),7.29(s,1H),7.39(s,1H)
【0013】参考例3 5−ブロモ−7,8−メチレンジオキシ−1−(2’−
ブロモ−4’,5’−メチレンジオキシフェニル)−ナ
フタレン−2,3−ジカルボン酸無水物(5−Bromo−
7,8−methylenedioxy−1−(2’−bromo−4’,
5’−methylenedioxyphenyl)−naphthalene−2,3−
dicarboxylic acid anhydride)
【化24】 2−ブロモ−4,5−メチレンジオキシフェニルプロピ
オール酸(2−Bromo−4,5−methylenedioxyphenylp
ropiolic acid) 55.0g(204.4mM)をアセト
ニトリル1.9Lに懸濁し、−40℃でかき混ぜながら
ジシクロカルボジイミド25g(121mM)のアセト
ニトリル(100ml)溶液を20分で滴下し、同温度
で1時間かき混ぜた。ついで50分を要して−15℃ま
で昇温し、同温度で3時間かき混ぜた後N,N−ジメチ
ルアセトアミド(DMA)200mlを10分間で滴下
した。さらに30分を要して0℃まで昇温し、5℃で一
夜静置した。反応液を減圧下に濃縮して橙色のスラリー
を得、ついでトルエン200mlずつを用い2回共沸下
に濃縮した。残留物をトルエン4Lに溶解して200m
lの乾燥シリカゲル層を通過させ、さらにトルエン3L
で展開した。トルエン溶液を減圧下に濃縮した後析出物
を濾過、ついでアセトンから再結晶して標記化合物の2
3.6g(44.2%)を得た。 融点:245−247℃. IR(KBr)ν:1840,1780,1240cm
-1. NMR(CDCl3)δ(ppm):6.03(2H,A
Bq.,J=1.4 and4Hz),6.09(2H,AB
q.,J=1.4 and 5.4Hz),6.72(1H,
s),7.11(1H,s),7.77(1H,s),
8.94(1H,s).
【0014】実施例1 8−ブロモ−5,6−メチレンジオキシ−4−(2’−
ブロモ−4’,5’−メチレンジオキシフェニル)−3
−ヒドロキシメチルナフタレン−2−カルボン酸ラクト
ン(8−Bromo−5,6−methylenedioxy−4−(2’
−bromo−4’,5’−methylenedioxyphenyl)−3−hy
droxymethylnaphtalene−2−carboxylic acid lacton
e)
【化25】 水素化ホウ素ナトリウム3.70g(88.1mmol)をD
MF450mlに溶解し、−25℃まで冷却した。同温
度で5−ブロモ−7,8−メチレンジオキシ−1−
(2’−ブロモ−4’,5’−メチレンジオキシフェニ
ル)−ナフタレン−2,3−ジカルボン酸無水物(5−
Bromo−7,8−methylenedioxy−1−(2’−bromo−
4’,5’−methylenedioxyphenyl)−naphthalene−
2,3−dicarboxylic acid anhydride) 45.8g(8
8.1mmol)を撹拌しながら加えた後、−5℃〜−
10℃で1.5時間撹拌し、室温まで昇温した。得られ
た反応液に酢酸10mlを加え、発泡が止むまで撹拌し
た後、減圧濃縮した。濃縮液に、水500mlを加え、
析出した結晶を濾取した。 収量(率) 25.3g(49.9mmol)67% NMR(CDCl3) δ(ppm) 5.15(s,2
H),5.96(d,J=6.4Hz,1H),5.97
(d,J=6.4Hz,1H),6.09(d,J=4.
6Hz,1H),6.10(d,J=4.6Hz,1
H),6.74(s,1H),7.13(s,1H),
7.65(s,1H),8.92(s,1H)
【0015】実施例2 5,6−メチレンジオキシ−4−(3’,4’−メチレン
ジオキシフェニル)−3−ヒドロキシメチル−ナフタレ
ン−2−カルボン酸ラクトン(ヘリオキサンチン)
(5,6−Methylenedioxy−4−(3’,4’−methyle
nedioxyphenyl)−3−hydroxymethyl−naphthalene−
2−carboxylic acid lactone(Helioxanthin))
【化26】 8−ブロモ−5,6−メチレンジオキシ−4−(2’−
ブロモ−4’,5’−メチレンジオキシフェニル)−3
−ヒドロキシメチルナフタレン−2−カルボン酸ラクト
ン(8−Bromo−5,6−methylenedioxy−4−(2’
−bromo−4’,5’−methylenedioxyphenyl)−3−hy
droxymethylnaphthalene−2−carboxylicacid lacton
e) 13.26gをN,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)1Lに溶解し、酢酸ナトリウム12.6gおよび1
0%パラジウム炭素6.6gを加え、20℃〜25℃で
水素気流中8.5時間かきまぜた。反応液を濾過し、固
形物をDMF300mlで洗浄した。濾液を酢酸30m
lを含む水5L中にかきまぜながら加えた。20分後に
析出物を濾過、水洗した後塩化メチレン0.4Lに溶解
し硫酸マグネシウムで乾燥した。塩化メチレンを留去
し、ついでメタノールから再結晶してヘリオキサンチン
8.01g(98.0%)を得た。 mp:240−241℃. IR(KBr)ν:1760,1630,1500,1
230,1070cm-1 NMR(CDCl3)δ(ppm):5.20(2H,A
Bq.,J=15.4and 20.4Hz),5.96(2
H,ABq.,J=1.4 and 4.8Hz),6.
06(2H,ABq.,J=1.4 and 5.8Hz),
6.78−6.92(3H,m),7.31(1H,d,
J=8.4Hz),7.70(1H,d,J=8.4H
z),8.416(1H,s). 元素分析値 C20126・0.2H2Oとして 計算値(%):C,68.26; H,3.55. 実測値(%):C,68.19; H,3.63.
【0016】実施例3 2,3−ジブロモ−4,5−メチレンジオキシフェニルプ
ロピオール酸(2,3−Dibromo−4,5−methylenedio
xyphenylpropiolic acid)
【化27】 水素化ナトリウム(約60%)0.30%(7.48mm
ol)をDME5mlに懸濁し、内温0℃〜5℃でジエ
チルホスホノ酢酸エチル1.68g(7.48mmol)
を滴下し、30分間撹拌した。同温度でヨウ素1.90
g(7.48mmol)のDME溶液5mlを滴下し、
30分間撹拌した。水素化ナトリウム(ca.60%)
0.60g(14.95mmol)を少しづつ加え、内温
を25℃とした。参考例1で得た5,6−ジブロモピペ
ロナール(5,6−Dibromopiperonal) 2.28g
(7.40mmol)のDME溶液(30ml)を滴下
し、40℃で2時間撹拌した。氷浴下、水酸化ナトリウ
ム水溶液(0.33g/1.5mlH2O)を滴下し、室
温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下にて留去し、残留物を
水3Lに溶解し、酢酸エチルで洗浄した。水層を氷冷し
塩酸酸性とした。しばらく撹拌した後、析出した結晶を
濾過し、減圧乾燥した。 収量(率) 2.19g(6.29mol) 85% NMR(DMSO−d6) δ(ppm) 6.17
(m,2H),7.35(s,1H)
【0017】実施例4 5,6−ジブロモ−7,8−メチレンジオキシ−1−
(2',3'−ジブロモ−4',5’−メチレンジオキシフ
ェニル)ナフタレン−2,3−ジカルボン酸無水物(5,
6−Dibromo−7,8−methylenedioxy−1−(2',3'
−dibromo−4',5’−methylenedioxyphenyl)naphtha
lene−2,3−dicarboxylic acid anhydride)
【化28】 2,3−ジブロモ−4,5−メチレンジオキシフェニルプ
ロピオール酸(2,3−Dibromo−4,5−methylenedio
xyphenylpropiolic acid) 2.10g(6.03mmol)
をアセトニトリル(75ml)に懸濁させ、15分間撹
拌した後、−40℃に冷却した。ジシクロヘキシルカル
ボジイミド0.75g(3.62mmol)のアセトニト
リル溶液(5ml)を−40℃で撹拌しながら滴下し
た。同温度で1時間撹拌した後、1時間で徐々に−15
℃まで昇温し、−15℃で3時間撹拌した。DMA7.
6mlを同温度で加え、1時間で0℃まで昇温し、0℃
で1時間撹拌した。反応液を濃縮後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィーに付し、トルエンで展開した。トル
エン溶液を濃縮して得られた粗結晶を酢酸エチルから再
結晶した。 収量(率) 0.42g(0.62mmol) 10.3
% NMR(CDCl3) δ(ppm) 6.12(s,2
H),6.20(d,J=2.6Hz,2H),6.71
(s,1H),9.06(s,1H)
【0018】実施例5 7,8−ジブロモ−5,6−メチレンジオキシ−4−
(2’,3’−ジブロモ−4’,5’−メチレンジオキシ
フェニル)−3−ヒドロキシメチルナフタレン−2−カ
ルボン酸ラクトン(7,8−Dibromo−5,6−methylen
edioxy−4−(2’,3’−dibromo−4’,5’−methy
lenedioxyphenyl)−3−hydroxymethylnaphtalene−2
−carboxylic acid lactone)
【化29】 水素化ホウ素ナトリウム2.31g(0.055mmo
l)をDMF5mlに溶解し、−25℃まで冷却した。
同温度で5,6−ジブロモ−7,8−メチレンジオキシ−
1−(2',3'−ジブロモ−4',5’−メチレンジオキ
シフェニル)ナフタレン−2,3−ジカルボン酸無水物
(5,6−Dibromo−7,8−methylenedioxy−1−
(2’,3’−dibromo−4’,5’−methylenedioxyphe
nyl)−naphthalene−2,3−dicarboxylic acid anhyd
ride) 27.8mg(0.041mmol)を撹拌しな
がら加え、−10℃まで昇温した。さらに、−5℃〜1
0℃で2時間撹拌し、室温まで昇温した。得られた反応
液に酢酸0.5mlを加え、発泡が止むまで撹拌した
後、減圧濃縮した。濃縮液に水を加え、析出した結晶を
濾取した。 収量(率) 15.2mg(0.023mmol) 5
5.4% NMR(CDCl3) δ(ppm) 5.13(s,2
H),5.96−6.20(m,4H),6.71(s,
1H),9.02(s,1H)
【0019】実施例6 5,6−メチレンジオキシ−4−(3’,4’−メチレン
ジオキシフェニル)−3−ヒドロキシメチル−ナフタレ
ン−2−カルボン酸ラクトン(ヘリオキサンチン)
(5,6−Methylenedioxy−4−(3’,4’−methyle
nedioxyphenyl)−3−hydroxymethylnaphtalene−2−
carboxylic acid lactone(Helioxanthin))
【化30】 7,8−ジブロモ−5,6−メチレンジオキシ−4−
(2’,3’−ジブロモ−4’,5’−メチレンジオキシ
フェニル)−3−ヒドロキシメチルナフタレン−2−カ
ルボン酸ラクトン(7,8−Dibromo−5,6−methylen
edioxy−4−(2’,3’−dibromo−4’,5’−methy
lenedioxyphenyl)−3−hydroxymethylnaphtalene−2
−carboxylic acid lactone) 0.13g(0.20mm
ol)をDMF10mlに溶解し、酢酸ナトリウム0.
13gおよび10%パラジウム炭素0.10gを加え、
20℃〜25℃で15時間水素添加した。反応液を濾過
し、残査をDMFで洗浄した。濾液を酢酸を含む水に注
ぎ、析出物を濾過、水洗した後、塩化メチレンに溶解し
て硫酸マグネシウムで乾燥した。塩化メチレンを除去
後、メタノールから再結晶してヘリオキサンチンを得
た。得られたヘリオキサンチンの物理定数は別途合成品
と完全に一致した。 収量(率) 55.9mg(0.16mmol) 80.
3%
【0020】
【発明の効果】本発明の方法では、式[II]および
[III](ヘリオキサンチン)をそれぞれ効率的に、
収率よくかつ工業的に有利な方法で製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C07D 493/14 307:88 317:48)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 [式中、Xは水素原子またはハロゲン原子を示し、Yは
    ハロゲン原子を示す。]で表される化合物を還元に付す
    ことを特徴とする、式 【化2】 [式中、各記号は前記と同意義を示す。]で表される化
    合物の製造法。
  2. 【請求項2】酸アミド類を溶媒として用いる請求項1記
    載の製造法。
  3. 【請求項3】酸アミド類がジメチルホルムアミドである
    請求項2記載の製造法。
  4. 【請求項4】水素化金属塩を還元剤として用いる請求項
    1記載の製造法。
  5. 【請求項5】水素化金属塩が水素化ホウ素ナトリウムで
    ある請求項4記載の製造法。
  6. 【請求項6】式 【化3】 [式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す。]で表
    される化合物を低級脂肪酸塩の存在下接触還元に付すこ
    とを特徴とする、式 【化4】 で表される化合物の製造法。
  7. 【請求項7】酸アミド類を溶媒として用いる請求項6記
    載の製造法。
  8. 【請求項8】酸アミド類がジメチルホルムアミドである
    請求項7記載の製造法。
  9. 【請求項9】低級脂肪酸塩が酢酸塩である請求項6記載
    の製造法。
  10. 【請求項10】低級脂肪酸の塩がアルカリ金属塩である
    請求項6記載の製造法。
  11. 【請求項11】酢酸塩が酢酸ナトリウムである請求項9
    記載の製造法。
  12. 【請求項12】パラジウム系触媒を触媒として用いる請
    求項6記載の製造法。
  13. 【請求項13】式 【化5】 [式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す。]で表
    される化合物を還元し、得られる式 【化6】 [式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す。]で表
    される化合物を低級脂肪酸塩の存在下、接触還元に付す
    ことを特徴とする、式 【化7】 で表される化合物の製造法。
  14. 【請求項14】式 【化8】 [式中、Xは水素原子またはハロゲン原子を示し、Yは
    ハロゲン原子を示す(但し、Xが水素原子である場合、
    Yはブロム原子ではない)。]で表される化合物。
  15. 【請求項15】Xが水素またはブロム原子を示し、Yが
    ハロゲン原子を示す請求項14記載の化合物。
  16. 【請求項16】Yがブロム原子である請求項15記載の
    化合物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1107961A1 (en) * 1998-08-25 2001-06-20 Yale University Inhibition and treatment of hepatitis b virus and flavivirus by helioxanthin and its analogs
EP1107961A4 (en) * 1998-08-25 2002-01-30 Univ Yale INHIBITION AND TREATMENT OF HEPATITIS B-VIRUS AND FLAVIVIRUS BY HELIOXANTHIN AND ANALOGA OF THEM

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