JPH09227383A - 直腸病変組織治療用座薬 - Google Patents

直腸病変組織治療用座薬

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JPH09227383A
JPH09227383A JP8035930A JP3593096A JPH09227383A JP H09227383 A JPH09227383 A JP H09227383A JP 8035930 A JP8035930 A JP 8035930A JP 3593096 A JP3593096 A JP 3593096A JP H09227383 A JPH09227383 A JP H09227383A
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suppository
lesion tissue
rectum
acid
treating
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Kinuko Oku
キヌ子 奥
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CHIYUUYAKUKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特に直腸や肛門の直腸病変組織を治療するのに
有効な直腸病変組織治療用座薬を提供すること。 【解決手段】タンニン酸と硫酸アルミニウムカリウムと
からなる薬効成分と、座薬基剤成分とからなることを特
徴とする直腸病変組織治療用座薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直腸病変組織治療
用座薬に関するものであり、更に詳細には、特に直腸や
肛門の直腸病変組織を治療するのに有効な直腸病変組織
治療用座薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】直腸や肛門の病変組織としては、例え
ば、直腸下部または肛門の粘膜下にある痔静脈叢の瘤状
拡張に起因する痔核などの病変組織が挙げられる。痔患
者の多くは、常に血便、痔痛、内痔脱出、外痔の炎症、
粘液血便などによって健康を害していて、また仕事にも
支障を来している。肛門直腸の疾病には10余種類あると
いわれている。まず、疾病の原因に基づいて、有菌性と
非菌性とに分けられる。次に、疾病のメカニズムによっ
て特異性と非特異性とに分けられる。また、病理変化の
部位によって、粘膜区( 無痛区) と肛管皮膚区( 有痛
区) の病理変化に区分される。さらに、病理損害に基づ
いて、有菌性あるいは非菌性炎症がもたらす充血、滲
出、浮腫等に分けられる。また、肛管の機能性と器質性
疾患に基づき直腸肛管狭小によって引き起こされる糞詰
まり、便秘と肛管弛緩による内痔だ脱出、粘膜脱出、粘
液の外部流出に分けられる。したがって、直腸や肛門の
病変組織を治療する際には、上記のような肛門直腸の疾
病の種類を考慮しなければならない。
【0003】痔核などの直腸下部や肛門の病変組織の治
療方法としては、種々の方法が採用されている。その病
状が軽度のものは、温浴や、軟膏等の塗布や座薬挿入な
どによる治療方法が、また重症のものでは、痔核結節へ
の注射療法や痔核摘出などの外科手術による治療方法が
採用されている。しかしながら、痔核摘出による外科手
術以外の治療方法は、いずれも痔核を根本から治療する
ものではなく、あくまでも対症療法にすぎない。また、
外科手術による治療方法は、特に術後に耐え難い苦痛を
与えるもので、できることならこのような外科手術によ
る治療方法は避けたいのが痔に苦しむ患者の願いであ
る。その上、苦痛を伴わないで痔の治療ができるのであ
れば、患者にとって非常に好ましいことである。
【0004】痔核等の直腸下部や肛門の病変組織を外科
手術的に摘除するのではなく、非手術的に治療する方法
に使用される薬剤としては、軟膏等の外用剤や座薬があ
る。軟膏等の外用剤は患部が肛門の外部に露出している
外痔等に適用され、座薬は特に患部が直腸下部や肛門内
部に存在する内痔等に適用されている。しかしながら、
痔等の病変組織治療用として販売されている軟膏や座薬
の種類は非常に少なく、通常使用されているのは僅かに
3ないし4種類である。その内の主なものはいずれも伝
統的な中国医学の処方によっている。その軟膏の基本成
分は九草粉( キクの花粉) であって、タルク、月長石(
硼砂) 、龍骨( 動物骨の化石) 粉、ベイモ、竜脳、バー
ミリオンを含んでいる。この軟膏の薬理作用は主に軽度
の止血と収斂作用であり、制菌、消炎および止痛作用は
認められない。しかしながら、この軟膏で最も問題なの
は水銀が含有されていることである。この軟膏から水銀
を除去し、その成分を加減して、その上麝香を添加した
ものが座薬として通常使用されている。この座薬も中国
医学の伝統的な肛腸の外用薬として広範に使用されてき
た。しかしながら、信頼できる実験データと臨床データ
が不足している。さらに、この座薬の成分として使用さ
れている麝香が国家の規制によって医薬品として使用で
きなくなっている。
【0005】痔核等の直腸下部や肛門の病変組織を外科
手術的に摘除するのではなく、しかも根本から治療する
方法として、薬物でその直腸病変組織の患部に注射によ
って投与し、その直腸病変組織の患部を硬化させて、そ
の硬化させた細胞が正常細胞から自然に脱落させる治療
方法が提案されている。 このような薬物療法に使用さ
れる薬物としては、中国名”消痔霊”(XIAOZHILING)が
提案されている。この注射剤の組成は、タンニン、ミョ
ウバン( 硫酸アルミニウムカリウム) クエン酸ナトリウ
ム、デキストラン、グリセリンおよびトリクロロブチル
アルコールを含む水溶液からなっている。しかしなが
ら、この注射剤には、トリクロロブチルアルコールが含
まれていることからして注射剤としては好ましくない。
【0006】そこで、この注射剤を改良してより好まし
い組成を有する病変組織治療用硬化剤である注射剤が提
案されている。本特許出願人の出願による特開平4-2259
20号には、タンニンと、ミョウバン( 硫酸アルミニウム
カリウム) と、クエン酸ナトリウムと、亜硫酸水素ナト
リウムと、デキストランと、グリセリンと、安定化剤と
して植物生薬の抽出物とを含有する硬化剤が記載されて
いる。しかし、この硬化剤にしても、安定化剤として植
物生薬の抽出物を含有していることから、品質の一定し
た注射剤を常時調製するのが困難であることが判明し
た。
【0007】したがって、本発明者らは、上記基本組成
を有する硬化剤の品質が一定しかつ製剤安定性が優れた
注射剤を得るべく種々検討し、鋭意研究した結果、植物
生薬の抽出物を安定化剤として添加しなくとも、タンニ
ンと、ミョウバン( 硫酸アルミニウムカリウム) との配
合順序を工夫することによって、製剤としての安定性が
優れかつ品質が常に一定した硬化剤としての注射剤が得
られることを見出した。この注射剤は、基本的には、タ
ンニンと、硫酸アルミニウムカリウムと、クエン酸ナト
リウムと、亜硫酸水素ナトリウムとからなっている。国
際公開番号WO94/06443および病変組織の関連特許公開公
報には、注射剤としてのこの硬化剤についての詳細が記
載されている。
【0008】この直腸病変組織治療用硬化剤は注射剤で
あることから、治療に際しては当然のことながらある程
度の苦痛を伴うのは明らかである。また、治療には医師
による処置が不可欠であることも痔患者にとって苦痛で
ありかつ不便である。そこで、特に軽症の痔患者にとっ
ては、自分自身によって在宅でも簡便な方法で使用でき
る直腸病変組織治療用薬剤が長い間要望されてきた。
【0009】また、重症の痔疾患の患者にとって、外科
的手術によって直腸病変組織を摘出した後の処置も極め
て苦痛である。痔疾患部位は非常に細菌で汚染され易い
ところであるが、また常時清潔に保っておくのが非常に
困難なところでもある。加えて、痔疾患部位が特に肛門
である場合には、排便時や手術部位が汚れた場合に手術
部位に激痛が生じかつその痛みが継続することになる。
したがって、細菌からの汚染を防止するとともに、手術
部位の痛みを緩和することができ、かつ、在宅でも簡便
に適用できる薬剤が長い間待望されてきた。
【0010】かかる要望に応えることができる1つの方
法としては、例えば、直腸病変組織治療用硬化剤を直腸
投与する剤形である座薬にすることが考えられる。座薬
にも種々の剤形があり、例えば、カカオ脂、ウィテップ
ゾールなどの固形脂に、薬物を溶解分散させた剤形の座
薬、マクロゴールなどの親水性基剤に薬物を溶解分散さ
せた剤形の座薬、中長鎖脂肪酸トリグリセリド、植物油
などの液状油に薬物を溶解分散させ、ゼラチン皮膜で被
覆してカプセルとした剤形のゼラチンカプセル座薬など
が知られている。
【0011】薬物を座薬として直腸投与することは、い
ずれの剤形であっても、種々の利点がある。例えば、経
口投与や、注射による投与では副作用の可能性がある場
合でも、直腸投与にすればかかる副作用が回避される場
合が多い。つまり、薬物によっては、経口投与すれば胃
腸障害などの副作用を引き起こす恐れがある場合がある
が、このような場合でも座薬として直腸投与にすれば、
かかる副作用を回避することができる。また、注射によ
る投与においては、筋肉の拘縮などの副作用を起こす可
能性があるが、座薬による直腸投与ではかかる副作用を
予防することができる。また、直腸投与は他の投与形態
に比べて投与が比較的簡単に、かつ、確実に、更に投与
時の制限が少ないという利点もある。経口剤の場合に
は、術後などには投与が困難である場合が多いが、座薬
の場合は術後での投与も比較的容易にかつ確実に行うこ
とができる。また、直腸からの投与には、注射による投
与の場合のような疼痛はない。更に、座薬での直腸投与
には、薬物の吸収率を高くすることができる場合が多い
という利点もある。つまり、直腸内は、胃などとは異な
り、酸や酵素がほとんど存在していないので、薬物が分
解されることが少ない。また、経口投与の場合には、食
事の前後もしくは食間とかの投与時間の制限があるが、
直腸投与の場合にはかかる投与時間についての投与制限
はなく、また小児や乳幼児などのように経口投与が困難
な場合でも、投与し易いという利点もある。更に、直腸
投与の場合には、特に注射による投与の場合に比べて、
薬物の吸収速度が緩やかであり、薬効を持続させること
ができるという利点もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、痔疾等の疾
病に起因する直腸病変組織治療用硬化剤としての座薬を
提供することを目的としている。本発明に係る直腸病変
組織治療用座薬は、軽症の痔等に基づく直腸病変組織を
治療するのに有効ばかりでなく、直腸、肛門の手術後に
起こる合併症に照らして、主に術後の括約筋の痙攣によ
って引き起こされる疼痛を防止し、制菌、消炎をし、腫
れを引き、痛みを止め、肉芽細胞の正常でかつ早急な発
育を促し、傷口の癒合を促進するのに有効である。 ま
た、本発明に係る直腸病変組織治療用座薬は、定められ
た方法ならびに処方で患者自身によって在宅でも簡便に
適用することができる極めて有用な座薬である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る直腸病変組
織治療用座薬は、主として、薬効成分化合物と、基剤成
分とからなっている。本発明においては、座薬のいずれ
の剤形のものも適用することができる。つまり、本発明
にかかる座薬としては、例えば、固形基剤に、薬効成分
化合物を溶解分散させた剤形の座薬、親水性基剤に薬効
成分化合物を溶解分散させた剤形の座薬、中長鎖脂肪酸
トリグリセリド、植物油などの液状基剤に薬効成分化合
物を溶解分散させ、ゼラチン皮膜で被覆してカプセルと
した剤形のゼラチンカプセル座薬などが含まれる。更
に、本発明に係る直腸病変組織治療用座薬には、必要に
応じて、座薬に通常使用される、例えば、界面活性剤、
賦形剤、充填剤、増粘剤(高分子化合物)、止痛化剤、
保存剤、着色剤、賦香剤、その他の薬剤などを使用する
ことができる。なお、本明細書において「直腸病変組
織」という用語は、特記ない限り、直腸ならびに肛門の
病変組織を意味するものとする。
【0014】本発明に係る直腸病変組織治療用座薬に使
用される薬効成分としては、タンニン酸と硫酸アルミニ
ウムカリウムとが含有されている。なお、本明細書にお
いて、特記なき限りまた本明細書の文脈から明らかな場
合には、本発明に係る直腸病変組織治療用座薬の主成分
であるタンニン酸と硫酸アルミニウムカリウムとを一括
して単に「 薬効成分化合物」 という場合がある。
【0015】本発明に係る直腸病変組織治療用座薬にお
いて、タンニン酸は、それ自体で割合強い収斂作用があ
り、粘膜の充血、出血を軽減する働きを有している。ま
た、タンニン酸は、グラム陰性菌とグラム陽性菌とに対
して制菌作用と殺菌作用とを有している。また、硫酸ア
ルミニウムカリウムは、水溶液の状態または水溶の状態
で、アルミニウムイオンを放出し、相当強い止血、収斂
作用を及ぼすことができるとともに、傷口の肉芽の正常
な発育を促進する働きがある。この硫酸アルミニウムカ
リウムは、タンニン酸が座薬においてその効果を失うこ
とを防止する役目をも果たしていると考えられる。した
がって、本発明におけるように、タンニン酸と硫酸アル
ミニウムカリウムとを適当に配合することにより、痔な
どに起因する炎症および滲出に対して抗炎、抗滲出作用
を及ぼして、消炎をしおよび腫れを引かせて止血作用を
及ぼすことができる。
【0016】本発明に係る直腸病変組織治療用座薬にお
いて、その座薬に含まれる薬効成分化合物は、いずれの
剤型においても、その薬効成分化合物に対して相溶性を
示す基剤成分である液状または固体状溶剤に溶解状態で
含有されている。その薬効成分化合物の一つである硫酸
アルミニウムカリウムは、水には容易に可溶であるが、
エタノールなどにはほとんど溶解しない。他方、もう一
つの薬効成分であるタンニン酸は、水、エタノール、ア
セトン等に容易に溶解する。なお、硫酸アルミニウムカ
リウムとタンニン酸とを配合する場合に、特に両者を液
状で配合する場合には、その配合の仕方に十分配慮しな
ければならない。特に注意すべきことは、硫酸アルミニ
ウムカリウムを水に溶解すると、硫酸アルミニウムカリ
ウムからアルミニウムイオンが分解して水溶液中に存在
するが、このアルミニウムイオンがタンニン酸と結合し
て水溶液中で沈殿を生成し、タンニン酸の効果が失われ
てしまうという問題を生ずるからである。更に、タンニ
ン酸と硫酸アルミニウムカリウムとが互いに溶解された
状態で接触する場合でも、、硫酸アルミニウムカリウム
からアルミニウムイオンが分解して存在し、このアルミ
ニウムイオンがタンニン酸と結合してタンニン酸と硫酸
アルミニウムカリウムとの作用が著しく損なわれてしま
うことになる。したがって、かかる両者の相互作用を予
防するために、亜硫酸水素ナトリウムをタンニン酸と混
合し、この混合物と硫酸アルミニウムカリウムとを混合
して製剤化するのが好ましい。
【0017】本発明に係る直腸病変組織治療用座薬にお
いて使用される薬効成分化合物の配合量は、薬効成分化
合物の種類、座薬の剤型、適用対象患者の性別、年齢、
疾病の症状等によって種々変えるのが好ましい。本発明
の薬効成分化合物のうち、一つの薬効成分であるタンニ
ン酸の割合は、座薬の剤形によってその割合は変わるけ
れども、座薬の重量に対して、例えば、通常約0.5 %な
いし30%、好ましくは約1%ないし20%、更に好ましく
は約3%ないし15%であるのがよく、それに対して、別
の薬効成分である硫酸アルミニウムカリウムの配合量
は、座薬の剤形によってその割合は変わるけれども、座
薬の重量に対して、例えば、約0.1 %ないし30%、好
ましくは約0.5 %ないし20%、更に好ましくは約1%な
いし15%の範囲内に設定することができる。更に、タ
ンニン酸の硫酸アルミニウムカリウムに対する割合は、
10%ないし100%、好ましくは30%ないし80
%、更に好ましくは40%ないし60%の範囲であるの
がよい。
【0018】本発明に係る直腸病変組織治療用座薬を調
製する際に使用される基剤成分としては、通常用いられ
る基剤であればいずれも使用することができる。基剤成
分としては、座薬の剤形によってその成分が多少異なる
が、例えば、固形基剤、親水性基剤、液状基剤などが挙
げられる。
【0019】更に詳細には、かかる基剤成分としては、
例えば、牛脂、豚油、肝油、卵黄油、還元ラード、ラー
ド、ミツロウ、ラノリン、還元ラノリンなどのロウ類な
どの動物性油脂類;例えば、オリーブ油、椿油、大豆
油、菜種油、ゴマ油、コーン油、落花生油、ハッカ油、
ひまし油、サフラフー油、カカオ脂、ヤシ脂、パーム
脂、パーム核脂、ココナッツ油、ユーカリ油、ウィテッ
プゾールなどの高級脂肪酸トリグリセリドを含む植物性
油脂類;例えば、ミツロウ、ラノリン、還元ラノリンな
どのロウ類、ワセリン、流動パラフィン、スクワレン、
スクワランなどの炭化水素類;常温で固体を示す炭素数
10個ないし28個の、好ましくは炭素数10個ないし
18個の脂肪族カルボン酸、例えば、カプリン酸、ラウ
リン酸、ミリステン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、ベヘン酸、モンタン酸、エライジン酸などの中長鎖
脂肪族カルボン酸類;例えば、ラウリルアルコール、セ
チルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアル
コールなどの炭素数が12個ないし22個の高級脂肪族
アルコール類ならびに、例えば、リナロールなどのモノ
テルベンアルコール、フアルネノールなどのセスキテル
ペンアルコールなどのテルペンアルコールなどの高級ア
ルコール類;常温において固体状の一価脂肪酸エステル
および多価脂肪酸エステルであって、かつ、一般に、炭
素数4ー22個、好ましくは炭素数8ー18個程度の飽
和または不飽和の直線状もしくは分岐状の一価または多
価脂肪酸の炭素数18個程度までの高級アルコールエス
テルであって、その脂肪酸成分としては、酪酸、乳酸、
オクタン酸、イソオクタン酸、ジメチルオクタン酸、ノ
ナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、インステアリン酸、オレイン
酸、ベヘン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸
等であり、また、そのアルコール成分としてはエタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘ
キサノール、デカノール、ミリスチルアルコール、ドデ
カノール、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコー
ル、ベヘニルアルコール等である脂肪族カルボン酸エス
テル、例えば、酪酸イソプロピルなどの酪酸エステル、
乳酸ミリスチル等の乳酸エステル、オクタン酸セチルな
どのオクタン酸エステル、イソオクタン酸セチルなどの
イソオクタン酸エステル、ジメチルオクタン酸へキシル
デシル等のジメチルオクタン酸エステル、ノナン酸デシ
ルなどのノナン酸エステル、カプリン酸イソプロピル等
のカプリン酸エステル、ラウリン酸へキシル等のラウリ
ン酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン
酸イソドデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリ
スチン酸ミリスチル等のミリスチン酸エステル、パルミ
チン酸イソプロピル等のパルミチン酸エステル、ステア
リン酸ブチル等のステアリン酸エステル、イソステアリ
ン酸ヘキシルデシル等のイソステアリン酸エステル、オ
レイン酸デシル、オレイン酸オレイル等のオレイン酸エ
ステル、ベヘン酸ベヘニルなどのベヘン酸エステル、ア
ジピン酸オレイル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジ
イソブチル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジオ
クチル、アジピン酸ジベンジル、アジピン酸ジ(2―メト
キシエチル) 等のアジピン酸エステル、セバシン酸ジメ
チル、アゼライン酸ジイソプロピル、アゼライン酸ジイ
ソオクチル等のアゼライン酸エステル、セバシン酸ジイ
ソプロピル、セバシン酸ジオクテル等のセバシン酸エス
テルなどの脂肪酸エステル類;トリオレフィン、トリス
テアリンなどのグリセリン中長鎖カルボン酸エステル
類;例えば、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フ
タル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル等などの芳香
族カルボン酸エステル類;例えば、リン酸トリオレイ
ル、リン酸トリドデシル、リン酸トリオクチル等のリン
酸エステル類;前記した多価アルコールの部分エステル
やそのアルキレンオキシド付加物などの油性物質なども
挙げることができる。
【0020】本発明に係る直腸病変組織治療用座薬は、
必要に応じ、界面活性剤、賦形剤、充填剤、増粘剤(高
分子化合物)、止痛化剤、保存剤、着色剤、芳香剤、そ
の他の薬剤等を含有することができる。
【0021】本発明の直腸病変組織治療用座薬に必要に
応じて使用することができる界面活性剤としては、陰イ
オン性、陽イオン性、非イオン性および両性の各種界面
活性剤が挙げられるが、適用部位の皮膚に対する刺激性
が低いというの点から、非イオン性界面活性剤を使用す
るのが好ましい。かかる非イオン性界面活性剤として
は、エチレンオキシド系界面活性剤、ポリヒドロキシ系
界面活性剤、高分子系界面活性剤等が挙げられる。エテ
レンオキシド系界面活性剤としては、例えば、高級アル
コールのエチレンオキシド付加物、高級脂肪酸のエチレ
ンオキシド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキ
シド付加物、脂肪族アミンのエチレンオキシド付加物、
脂肪族アミドのエチレンオキシド付加物、多価アルコー
ルのエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドもしく
はプロピレンオキシドブロック共重合体等が挙げられ
る。ポリヒドロキシ系界面活性剤としては、例えば、グ
リセリンモノ脂肪酸エステル、ぺンタエリスリトール脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪
酸エステル、エタノールアミンの脂肪酸アミドおよ直腸
病変組織れらのアルキレンオキシド付加物等が挙げられ
る。本発明に係る直腸病変組織治療用座薬においては、
特に、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレングリセリルモノ脂肪酸エステル、ポ
リオキシプロピレンモノ脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステルポリオキシエチレンアルコールエーテル等
が好適に使用される。また、これらの界面活性剤は単独
または混合物の形で用いることができる。また、本発明
においては固体状の界面活性剤も使用することができ、
かかる固体状界面活性剤としては、例えば、モノステア
リン酸ポリオキシエチレングリセリル等のポリオキシエ
チレングリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸テ
トラグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル、モ
ノミリスチン酸グリセリル、ジステアリン酸ジグルセリ
ル等のグリセリン脂肪酸エステル、モノパルミチン酸ソ
ルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリスステ
アリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル、ト
リスステアリン酸ソルビタン等のポリオキシエチレン脂
肪酸ソルビタン、ヘキサステアリン酸ソルビット等のポ
リオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ジステア
リン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコ
ール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチ
レンセチルエーテル等のポリオキシエテレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール等のポリ
オキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレン
フィトスタノール等のポリオキシエチレンフィトスタノ
ール、ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンオクチルフエニルエーテル等のポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンラノリンアルコール等のポリオキシエテレンラノ
リンアルコール、ポリオキシエチレンソルビツトミツロ
ウ等のポリオキシエチレンミツロウ誘導体、ジポリオキ
シエチレンアルキルエーテルリン酸等のポリオキシエチ
レンアルキルエーテルリン酸等が挙げられる。
【0022】また、賦形剤としては、医薬製剤に通常使
用されている賦形剤であればいずれも用いることができ
るが、特にデキストラン、グリセリンなどを使用するの
が好ましい。更に、中国医学において座薬の添加剤また
は賦形剤として繁用されている香果脂、竜脳等も好適に
使用することができる。更にまた、充填剤としては、有
機系および無機系の微粉末、例えば、酸化亜鉛、シリ
カ、アルミナ、チタニア、樹脂粉末、ケイ酸塩粉末、ク
レー粉末、セピオライト粉末、モンモリロナイト粉末、
含フツ素マイカ粉末、ヒドロキシプロピルセルロース粉
末等が挙げちれる。この充填剤の粒径は、通常、約0.1-
20μm、好ましくは約0.5-10μmである。また、増粘剤
としては、水溶性高分子、例えば、カルボキシビニルポ
リマー、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、
アルギン酸プロピレングリコールエステル、キトサン、
ポリビニルアルコール、デンプングリコール酸ナトリウ
ム等が挙げられる。本発明における座薬に止痛化剤とし
ては、局所麻酔薬として通常使用されているものが利用
でき、かかる局所麻酔薬としては、例えば、リドカイ
ン、塩酸リドカイン、プロカイン、ジブカイン、テトラ
カインなどが挙げられる。また、着色剤、芳香剤まどに
しても、製剤、特に座薬に慣用されているものであれ
ば、本発明においても使用することができる。
【0023】更にまた、前記座薬には、特に皮膚疾患の
治療に用いられている各種のその他の薬剤を添加するこ
とができる。かかる薬剤としては、例えば、抗生物質、
殺菌・ 抗かび剤、ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド
系抗炎症剤などが挙げられる。抗生物質としては、例え
ば、ペニシリン、エリスロマイシン、テトラサイクリ
ン、クロラムフェニコール、塩酸フラジオマイシンなど
が挙げられ、抗菌・ 抗かび剤としては、例えば、ニトロ
フラゾン、ナイスタチン、ピロールニトリン、クロトリ
マゾール、ミコナゾール、イソコナゾール、エコナゾー
ル、トリフォナゾール、トルナフテートなどが挙げら
れ、ステロイド系抗炎症剤としては、例えば、プレドニ
ゾロン、パラメタゾン、フルメタゾン、デキサメタゾ
ン、フルメタゾン、吉草酸ベタメサゾン、フルオシノニ
ド、フルオシノロナセトリド、酢酸ヒドロコルチゾン、
プロピオン酸クロベタゾール、ハイドロコーチゾン、ト
リアムシノロン、トリアムシノロナセトニドなどが挙げ
られ、非ステロイド系抗炎症剤としては、例えば、サリ
チル酸メチル、サリチル酸グリコールエステル、アセチ
ルサリチル酸、インドメタシン、イブプロフェン、フル
ルビプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカム、ジクロ
フェナック、アルクロフェナック、オキシフェンブタゾ
ン、フェニルブタゾンなどが挙げられる。また、本発明
に係る直腸病変組織治療用座薬には、酢酸プレドニゾロ
ン、グリチルレチン酸、塩酸クロルヘキシジン、アミノ
安息香酸エチル、アラントイン、酢酸トコフェロール、
レシチンなどの痔用座剤に繁用されているその他の薬剤
もまた本発明の薬効成分化合物と一緒に使用することが
できる。
【0024】次に、本発明に係る直腸病変組織治療用座
薬の製剤化方法について説明する。本発明における製剤
化方法には座薬の製剤化に通常適用されている方法であ
ればいずれも適用することができる。そこで、その方法
の1例をここに説明するが、前述したように、タンニン
酸と硫酸アルミニウムカリウムとが溶解した状態、特に
液体の状態で互いに接触すれば、タンニン酸が硫酸アル
ミニウムカリウムから分解したアルミニウムと結合して
沈殿して、タンニン酸と硫酸アルミニウムカリウムとが
不活性化される恐れがあるので、製剤化するに当たって
は、タンニン酸と硫酸アルミニウムカリウムから分解し
たアルミニウムイオンが結合しないように配慮をする必
要がある。本発明に係る直腸病変組織治療用座薬の製剤
化方法の1例としては、タンニン酸を亜硫酸水素ナトリ
ウムと混合すると共に、これとは別に硫酸アルミニウム
カリウムを竜脳などの賦形剤と混合し、得られた両混合
物を配合し、この配合物を溶融した後に座薬用型枠に入
れて冷却して座薬を作製することができる。または、か
かる配合物を溶融した後座薬用ゼラチンカプセルにいれ
て製剤化することもできる。なお、基剤成分や充填剤な
どの補助成分は、製剤化方法のいずれの工程において
も、必要に応じて、添加することができる。つまり、か
かる基剤成分や充填剤などの補助成分の1つまたはそれ
以上を、タンニン酸を亜硫酸水素ナトリウムと混合する
工程で添加して混合することもできるし、または、硫酸
アルミニウムカリウムを混合する工程において添加する
こともできる。また、これらの両工程においていずれ
も、かかる基剤成分や充填剤などの補助成分の1つまた
はそれ以上を添加することもできる。さらには、両混合
物を配合した後に、かかる基剤成分や充填剤などの補助
成分の1つまたはそれ以上を添加することもできる。
【0025】本発明に係る座薬は、病気の症状、患者の
年令、剤型などによって、1日数回、例えば1ないし3
回肛門内に挿入することによって適用することができ
る。なお、適用回数は適用する疾患の重篤度または剤型
によリ適宜増減することができる。
【0026】本発明の座薬は、それに含まれる薬効成分
化合物が安全性の高いものであリ、しかも有機液体また
は有機固体中に溶解しているため、起炎性を示さず、す
ぐれた直腸粘膜からの吸収性を有し、高い治療効果を示
すものである。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例によリさら
に詳細に説明する。
【0028】実施例1 タンニン酸200gおよび亜硫酸水素ナトリウム40gを乳鉢
で細かく磨り潰して粉末にした。これとは別に、硫酸ア
ルミニウムカリウム100g、リドカイン40g および竜脳40
g を乳鉢で磨り潰して粉末とし、篩に掛けて一定の粒度
のものを集めた。このようにして得られた両方の粉末を
合わせて均一になるまで十分に混合した。この混合物を
更に細かく粉砕してよく混合した後、これに溶融した香
果脂を全量が2000gになるように添加し、得られた配合
物を撹拌して混合物を十分に溶融した。これを座薬用型
コンテナーに入れて座薬製剤を作製した。なお、座薬製
剤1個の重量は2gとした。その座薬製剤1個中には、
タンニン酸0.2g、硫酸アルミニウムカリウム0.1g、リド
カイン0.04g および竜脳0.04g が含まれている。
【0029】実施例2 タンニン酸100gおよび亜硫酸水素ナトリウム20g を乳鉢
で細かく磨り潰して粉末にした。これとは別に、硫酸ア
ルミニウムカリウム50g 、リドカイン20g および竜脳20
g を乳鉢で磨り潰して粉末とし、篩に掛けて一定の粒度
のものを集めた。このようにして得られた両方の粉末を
合わせて均一になるまで十分に混合した。この混合物を
更に細かく粉砕してよく混合した後、これに溶融したカ
カオ脂を全量が1000gになるように添加し、得られた配
合物を撹拌して混合物を十分に溶融した。これを座薬用
コンテナーに入れて座薬製剤を作製した。なお、座薬製
剤1個の重量は1.5 gとした。その座薬1個中には、タ
ンニン酸0.15g 、硫酸アルミニウムカリウム0.075g、リ
ドカイン0.03g および竜脳0.03g が含まれている。
【0030】実施例3 タンニン酸200g、亜硫酸水素ナトリウム20g およびグリ
セリン100ml を混合して、得られた混合物を加熱した
後、乳鉢に入れて細かく磨り潰して粉末にした。これと
は別に、硫酸アルミニウムカリウム20g 、リドカイン40
g,ペニシリン1g 、竜脳20g を乳鉢で磨り潰して粉末
とし、篩に掛けて一定の粒度のものを集めた。このよう
にして得られた両方の粉末を合わせて均一になるまで十
分に混合した。この得られた混合物を溶融した後、ウィ
テップゾールを全量が1000g になるまで添加して得られ
た混合物を均一に混合した。この混合物を、2gづつ座
薬用カプセルに充填した。
【0031】実施例4 タンニン酸100gおよび亜硫酸水素ナトリウム20g を混合
して、得られた混合物を加熱した後、乳鉢に入れて磨り
潰して粉末にした。これとは別に、硫酸アルミニウムカ
リウム20g 、塩酸ジブカイン、プレドニゾロン20g,竜脳
20g を乳鉢で磨り潰して粉末とし、篩に掛けて一定の粒
度のものを集めた。このようにして得られた両方の粉末
を合わせて均一になるまで十分に混合した。この得られ
た混合物を溶融した後、ワセリンを全量が1000g になる
まで添加して得られた混合物を座薬の形状にして冷却し
た。
【0032】実施例5 タンニン酸100g、亜硫酸水素ナトリウム20g およびグリ
セリン100ml を混合して、得られた混合物を加熱後、乳
鉢に入れて磨り潰して粉末にした。これとは別に、硫酸
アルミニウムカリウム20g 、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノオレエート40g、ラウリル硫酸ナトリウムなら
びにラウリン酸トリグリセリド555 gおよび塩酸リドカ
イン20gを乳鉢で磨り潰して粉末とし、篩に掛けて一定
の粒度のものを集めた。このようにして得られた両方の
粉末を合わせて70℃に加温しながら均一になるまで十分
に混合した後、更にホモジナイザーで均一に分散させ
た。この得られた混合物を200 メッシュの篩に掛けて、
得られた混合物をカプセルに充填してゼラチンソフトカ
プセルを得た。このゼラチンソフトカプセルには、上記
混合物を2gづつ充填した。
【0033】実施例6 タンニン酸100 gおよび亜硫酸水素ナトリウム20gを乳
鉢に入れて細かく磨り潰して粉末に均一になるまで混合
した。また、硫酸アルミニウムカリウム30g、塩酸ジブ
カインおよび次硝酸ビスマスを乳鉢で磨り潰して粉末と
し、篩に掛けて一定の粒度のものを集めた。このように
して得られた両方の粉末を合わせて均一になるまで十分
に混合した。これとは別に、ウィテップゾールを40℃で
溶解させた後、これにカプリル酸ナトリウムを添加して
十分に混合して、互いを均一に分散させた。このように
して得られた混合物を、上記に作製した粉末の混合物に
添加した。この混合物を座剤用コンテナーに充填した。
【0034】実施例7 カプリル酸ナトリウムの代わりにカプリン酸ナトリウム
を用いて、実施例6と同様にして座剤を作製した。
【0035】実施例8 カプリル酸ナトリウムの代わりにラウリン酸ナトリウム
を用いて、実施例6と同様にして座剤を作製した。
【0036】
【発明の効果】本発明に係る直腸病変組織治療用座薬
は、当然のことながら、例えば、注射による投与では惹
起する可能性のある副作用を回避することができる。つ
まり、注射による投与において起こり得る筋肉の拘縮な
どの副作用を予防することができる。また、直腸からの
投与には、注射による投与の場合のような疼痛はない。
また、本発明に係る直腸病変組織治療用座薬は、他の投
与形態に比べて、投与が比較的簡単に、かつ、確実に、
更に投与時の制限が少ないという利点もある。例えば、
経口剤の場合には術後などには投与が困難である場合が
多い。また、経口投与の場合には、食事の前後もしくは
食間とかの投与時間の制限があるが、直腸投与の場合に
はかかる投与時間についての投与制限はない。更にまた
小児や乳幼児などのように経口投与が困難な場合でも、
座薬による投与の場合には、経口投与に比べて、投与し
易いという利点もある。更に、本発明に係る直腸病変組
織治療用座薬は、薬物の吸収率を高くすることができる
場合が多いという利点もある。更に、直腸投与の場合に
は、特に注射による投与の場合に比べて、薬物の吸収速
度が緩やかであり、薬効を持続させることができるとい
う利点もある。これらに加えて、本発明に係る直腸病変
組織治療用座薬は、軽症の痔等に基づく直腸病変組織を
治療するのに有効ばかりでなく、直腸、肛門の手術後に
起こる合併症に照らして、主に術後の括約筋の痙攣によ
って引き起こされる疼痛を防止し、制菌、消炎をし、腫
れを引き、痛みを止め、肉芽細胞の正常でかつ早急な発
育を促し、傷口の癒合を促進するのに有効である。 ま
た、本発明に係る直腸病変組織治療用座薬は、定められ
た方法ならびに処方で患者自身によって在宅でも簡便に
適用することができる極めて有用な座薬である。更にま
た、本発明に係る直腸病変組織治療用座薬は、病変組織
を硬化させて、その硬化させた病変組織を脱落させると
いう極めて有用な効果を有している。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンニン酸と硫酸アルミニウムカリウム
    とからなる薬効成分化合物と、座薬用基剤成分とからな
    ることを特徴とする直腸病変組織治療用座薬。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の直腸病変組織治療用座
    薬において、前記薬効成分化合物の割合が、座薬に対し
    て、0.6%から6 0重量%までの範囲の割合で含有され
    ていること。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の直腸病変組織
    治療用座薬において、前記タンニン酸が、前記座薬に対
    して、0.5 %ないし30重量%の割合で含有されている
    こと。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の直腸病変組織
    治療用座薬において、前記硫酸アルミニウムカリウム
    が、前記座薬に対して、0.1 %ないし30重量%の割合
    で含有されていること。 【請求項5 】 請求項1または2に記載の直腸病変組織
    治療用座薬において、前記タンニン酸が、前記硫酸アル
    ミニウムカリウムに対して、10%ないし100%の割合で
    含有されていること。
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