JPH04128219A - 皮膚潰瘍治療用貼付剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、紫雲膏を有効成分として含有する褥癒等の
皮膚潰瘍及び痔疾の治療用貼付剤に関するものである。

すなわち、本発明は、紫雲膏の製剤改良発明であり、医
療の分野において、褥癒及び痔疾の治療のために利用さ
れる発明である。

〈従来技術〉 褥疹は骨突出部の皮膚および皮下組織が持続的に圧迫さ
れ、阻血性壊死をおこした状態であり、脳血管障害によ
り意識レベルが低下したり、骨髄損傷により知覚、運動
が障害されている場合には自分で圧迫を回避できない。

従って、末梢循環不全が持続し、皮膚および皮下組織は
阻血性壊死となり潰瘍を生じる。さらに、長期臥床患者
では潰瘍を生じやすい因子が加わる。

仰臥位患者では、仙骨部、後頭部、肩甲部、踵骨部に、
座位では坐骨結節部、腹臥位では前腸骨練部、側臥位で
は、大転子部に生じる。特殊な例として、ギブスや装具
の無理な装着により発生することがある。好発部位は、
仙骨部、大転子部、坐骨部で、褥創全体の約７５％を占
める。

褥癒の予防および治療のためには、皮膚の圧迫を防ぐた
めに体位変更および脱圧操作をしたり、吸湿性のよいク
ツション材を使用した特殊ベツドを利用したり、皮膚清
拭を励行して皮膚の乾燥をはかり、二次感染に対する予
防を行っている。又、高蛋白、高カロリー食による栄養
の管理改善あるいは貧血の治療をおこなったりしている
。症状がきわめて悪化している場合は、手術がおこなわ
れ、褥癒部を切除し、生じた欠損部を縫締、局所支弁、
遠隔支弁などによって修復することがおこなわれている
。

又、治療手段として、内服薬、注射薬として、末梢循環
改善剤、ビタミン剤、蛋白同化ホルモン、抗生物質が必
ずしも有効ではなく、補助的なものであり、長期使用で
は、副作用の問題点も生じている。

そこで、内服薬、注射薬に比較して副作用の程度及び頻
度も軽度な外用薬が注目され、抗生物質入り軟膏、肉芽
促進剤等が開発され、その一つに紫雲膏がある。

紫雲膏は、皮膚の外傷および疾患に用いる代表的な薬で
あり、褥癒のほか切傷、挫傷、熱傷、凍疹、肌の乾燥、
荒れ、潰瘍、角化性の皮膚疾患にも用いられている。さ
らに、火傷、痔核による疼痛、肛門裂傷にも効能、効果
が認められている。

〈発明が解決しようとる問題点〉 紫雲膏の褥癒に対する治療効果は、数々の臨床報告にて
確認されてはいるが、褥癒面への投与に関して種々の問
題点が生じている。

すなわち、■一定量の投与が難しい ■無菌的に投与することが難しい ■投与後、衣服等を汚すことが多 い（特に紫根エキスの色の浸出 が激しい） ■再投与に際しての、褥癒面から の膏体の取り除きが極めて困難 であり、苦痛を伴う ■投与回数が頻繁であり、看護に 手間がかかる ■患部からの分泌物を吸着するこ とができずに患部を汚染する等 の問題点がある。

〈問題点を解決するための手段〉 この発明は、上記従来の紫雲膏のもつ種々の問題点に鑑
み、紫雲膏自体を貼付剤型の中の薬剤構成因子として組
み込むことによって、紫雲膏の軟膏としての剤型的問題
を解消し、より有用な褥癒治療手段としての紫雲膏貼付
剤を提供せんとするものである。

この発明に係る褥癒治療用紫雲膏貼付剤に使用される紫
雲膏は、シコンとトウキをゴマ油で抽出した油性エキス
にミツロウと豚脂を練合せて製したものである。

貼付割前体内に紫雲膏として５％〜６０％含有するもの
である。

ところで紫雲膏自体は、油を主体とした油性軟膏であり
１本来大量の水分（３０％〜８０％）を含有する貼付側
膏体に、単に混入して練合せても分離し均一に調整する
ことは極めて難しいものであるが、本発明は、水溶性高
分子、特にポリアクリル置ナトリウムと　β−シクロデ
キストリ　ンを用いることによって、この間ド点を解決
した。ポリアクリル置ナトリウムは　１％〜１０％、　
β　−シフ　ロデキストリンは１％〜３０％を用いその
処方比を変えることによって膏体物性、特に硬度・軟度
及び分泌物吸着量を調節することが可能となる。　又両
者に０、１％〜１０％のカルボキシメチルセルトスナト
リウムを添加することにより、相乗的にその効果を高め
ることができる。

く実施例〉 次に、この発明の実施例を図を参照しつつ説明すれば以
下の通りである。

実施例１゜ ゼラチン　　　　　　　　　　　５．０讐／ｌｌ１％カ
オリン　　　　　　　　　　１０．０カルボキシメチル
セルロースナトリウム　　　　　　　　　　　５．０ポ
リアクリル置ナトリウム　　　　　　　　　　　　　　
　　　　２．５β　−シクロデキストリン　　　　　　
　　　　　　　　　　１０．０グリセリン　　　　　　
　　２０．０ 紫雲膏　　　　　　　　　　　２０．０精製水を加え　
　　　　全量１００．０上記処方成分と常法により練合
せ、均質な粘土状とし、得られた膏体（１）を不織布等
の支持体（２）に一定厚にて均一に展延して、紫雲膏含
有の貼付剤とした。（第１図） なお、（３）はプロピレンフィルム等からなるライナー
であって、使用時には該ライナー（３）を剥離して、膏
体（１）を患部に貼付するものである。

実施例２゜ ゼラチン　　　　　　　　　　　５．０　Ｗ／Ｗ％カオ
リン　　　　　　　　　　１０．θカルボキシメチルセ
ル０−ズナトリウム　　　　　　　　　　　７．０ポリ
アクリル置ナトリウム　　　　　　　　　　　　　　　
　　　５．０β　−シクロデキストリン　　　　　　　
　　　　　　　　　１０．０グリセリン　　　　　　　
　２０．０ 紫雲膏　　　　　　　　　　　２０．０粘土状とし、一
定厚にて基布（２）に展延し紫雲膏含有の貼付剤とした
。

上記実施例１．２により調整した製剤及び紫雲膏を用い
て以下の製剤機能性評価試験を実施した。

（１）衣服着色度試験（第２図） 実験方法： 年齢３０才男性ボランティアの背部に実施例１、［ＣＵ
−Ｐ（１）］及び実施例２、［Ｃ１１−Ｐ（２）］の製
剤（面積５　ａｍ　Ｘ　５　ａｓ　、膏体重量２．５ｇ
）を貼付し、又紫雲膏は、２．５ｇ（５ｃｓＸ５ａｏ）
の面積に均一に塗布した。その後各薬剤を被覆するよう
に１０ａａＸ１０ｃｍの不織布をあて固定用テープで貼
付固定し１．２及び４時間後に不織布が紫色に着色され
る面積を、染色部の長径、短径をノギスで測定して求め
た。

が拡大したのに対して、貼付剤群は、はとんど染色され
ず推移し処方差は認められなかった。又貼付剤による汚
染部位は、紫雲膏が全面であったのに対して、４辺部位
に限局された。

（２）分泌物吸着試験（吸水性試験）（第３図）２、［
ＣＵ−Ｐ　（２）］の貼付剤（面積３　ｃｓ　Ｘ　３　
ａｎ、膏体重量０．９　ｇ　）を支持体面に上にして胃
き又、紫雲膏はシャーレの底面積（３ａＩＸ　３　ｃｍ
）当りに、膏体０．９　ｇを塗布した。

その上から各々、２０−の生理食塩水を添加して、１０
分、２０分、３０分及び６０分後にそれぞれシャーレ内
の生理食塩水を試験管にとり、その差から、各製剤膏体
の吸水量を求め、かつ初期膏体重量に対する吸水率を求
めた。

実験結果： 貼付剤群は、経時的な吸水力を示し１時間後には、初期
膏体重量に対して［ＣＵ−Ｐ（１）］で約９９、［ＣＵ
−Ｐ（２）］で約１２倍の膏体吸水率を示したのに対し
て紫雲膏は、まったく吸水性を示さなかった。

又［ＣＵ−Ｐ（１）］と［ＣＵ−Ｐ（２）１間の吸水力
の差は、処方構成上の水溶性高分子力ルボキシメチルヤ
ルロースナトリウム及びポリアクリル酸ナトリウムの処
方量に基因するものと考えられた。

（３）薬剤膏体回収試験（第４図） 実験方法： 体重２．５瞳の雄性ウサギの除毛背部に［ＣＵ−Ｐ（１
）］及び［Ｃυ−Ｐ（２）］は（而面積　ｃｏ　Ｘ　５
　ｔｙｔｒ　、膏体重量２．５　ｇ　）を各々貼付し、
紫雲膏は背部（５ｃｓ　Ｘ　５　ａｍ　）当りに膏体２
．５ｇを均一に塗布した。

塗布３時間後に薬剤を剥離除去し、初期投与量（膏体重
量）に体する回収率を求め、かつその回収に要した時間
を測定した。

尚、膏体からの水分揮散量をあらかじめガラス板貼付に
て求めておき最終補正を行った。

膏体回収率も良く、回収に要した時間も短かかった。又
標準偏差値は、紫雲膏が貼付剤群に比較して高く、回収
に対する個人差が顕著であった。貼付側間では［ＣＵ−
Ｐ　（２）］が［ＣＵ−Ｐ（１）］に比較して有意差は
無いものの、回収率が低く、かつ逆に回収時間は長い傾
向を示したのは処方構成に伴う膏体の粘度変化によるも
のと考えられる。

次いで、この発明による紫雲膏含有の貼布剤を患者に適
用した例を以下に示す。

症例１゜ ７５歳男性：臀部６　ＱＩ　Ｘ　７　ｃｍ、深さ筋膜、
程度壊死では、毎日［ＣＵ−Ｐ（１）］を貼付した。投
与２週間で深さ皮下まで改善し投与２力月で滲出液もほ
とんど認められなくなり、投与３力月目には肉芽形成が
完了した。

症例２゜ ８０歳男性、ｒ４硬塞後に意ｌＮ障害を起こす、発症後
１年を経て多発性褥癒が左下背部にみられた。他剤の２
力月半に及ぶ塗布治療を実施したが、病状に改善はみら
れず、本治療開始時には深い潰瘍を形成し壊死皮膚片が
６皮となっていた。紫雲膏貼付剤［ＣＬｌ−Ｐ（１）］
の投与を開始したところ急速に潰瘍の治癒が始まった。

２カ月間同じ処置を繰り返したところ潰瘍面は著しく縮
小し、かつ表皮化が起り、痘痕治癒も促進された。

症例３゜ ７７オの女性、脳出血後３０日目頃より仙骨部に褥癒が
発生したため局所消毒の後、軟膏塗布による治療を１ケ
月半程行っていたが改善せず、むしろ褥癒面の拡大傾向
にあった。そこで実施例１で得た紫雲膏貼付剤［ｃｕ−
ｐ（１）］を褥癒部に貼付する処置を１日２回行った。

その結果１０σＸ　８ａｎの大きさの褥疹が２ケ月で５
　ｃｘｎ　Ｘ　４　ａｎの大きさに縮小し、その後も経
口的に縮小し貼付開始６ケ月後には完治した。

〈効　果〉 上記のようにこの発明によれば、皮膚潰瘍４゜ に対して有効な治療効果をもつ紫雲膏自体に貼付剤型の
中の薬剤構成因子として組み込んで皮膚潰瘍治療用貼付
剤としたので、患部に対して一定量の投与を極めて容易
にし、しかも無菌的な投与を可能とする効果を奏するも
のである。

加えて、１回の投与で長時間の患部への浸透が実現し、
従来の軟膏型の紫雲膏より投与回数が減り、看護に手間
がかからず、その上、再投与時に患部からの膏体の除去
が簡単で、苦痛を伴うこともない。

更に、投与後に膏体が浸出して衣服を汚すことがなく、
患部からの分泌物を吸着して患部を汚染することもない
。

以上のように、紫雲膏のもつ褥癒等の皮膚潰瘍に対する
治療効果を些かも損うことなく、紫雲膏を軟膏として使
用した場合の不具合や問題点をすべて解消できるという
優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例の平面図及び断面図であり、
第２図以下はこの発明にょる紫雲膏含有の貼付剤の性能
試験図であり、第２図は衣服着色試験図、第３図は吸水
性試験図、第４図は薬剤膏体回収試験図である。 （１）・・・・・・・・・膏体 （２）・・・・・・・・・支持体 （３）・・・・・・・・・ライナー 特許出願人　　ダイヤ製薬株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）紫雲膏を有効成分として含有することを特徴とす
   る皮膚潰瘍治療用貼付剤。