JPH09225509A - ワークロールにおける熱膨張量計算方法 - Google Patents

ワークロールにおける熱膨張量計算方法

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JPH09225509A
JPH09225509A JP8031847A JP3184796A JPH09225509A JP H09225509 A JPH09225509 A JP H09225509A JP 8031847 A JP8031847 A JP 8031847A JP 3184796 A JP3184796 A JP 3184796A JP H09225509 A JPH09225509 A JP H09225509A
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roll
work roll
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rolling
thermal expansion
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Yasuyuki Takamachi
恭行 高町
Shigeru Ogawa
茂 小川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明では、圧延操業中に実用的な時間で高
精度にワークロールの熱膨張量を計算する方法を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 ワークロールの熱膨張量を計算する方法
として、熱間圧延に使用されるワークロールにおいて、
圧延時にワークロールと圧延材とが接触することにより
発生するロール表層近傍でのロール半径方向温度勾配に
よる熱応力に起因したワークロールの弾性変形を、ワー
クロール半径の変化量のロール軸方向位置における分布
として、圧延操業条件、およびワークロール半径方向平
均温度を用いて計算した推定値と、熱応力を無視した熱
膨張によるワークロール半径の変化量のロール軸方向分
布をロール半径方向平均温度から計算した推定値とを合
わせてワークロールの熱膨張量とする計算方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延において
圧延操業中にワークロールの熱膨張量を計算する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延におけるワークロールの熱膨張
量計算方法としては、ロール半径方向温度分布の平均温
度を計算し、その計算結果とワークロールの線膨張係数
およびロール半径から一般化平面歪問題または平面歪問
題として、それぞれ次式で計算する方法が知られてい
る。 uθ=(θm −θ0 )・β・R [一般化平面歪問題] (1) uθ=(θm −θ0 )・(1+ν)・β・R [平面歪問題] (2) ここで、uθはワークロール半径あたりの熱膨張量、θ
m はワークロール半径方向平均温度、θ0 はワークロー
ル初期温度、βはワークロールの線膨張係数、Rはワー
クロール半径、νはワークロールのポアソン比である。
【0003】上記熱間圧延におけるワークロール半径方
向温度分布の平均温度の計算方法としては、たとえば、
ロール半径方向の温度勾配を零とし、軸方向のみを要素
分割した軸対称有限要素法や差分法により、計算する方
法が知られている。その他の方法では、昭和58年塑性
加工春季講演大会、P 301 に発表されているように、ロ
ール半径方向の温度分布を多項式近似し、軸方向のみを
要素分割した軸対称有限要素法により、ワークロールの
半径方向温度分布の平均温度を計算する方法が知られて
いる。
【0004】また、たとえば特開平07−080517
号公報に開示されているように、異なる物性値を有する
芯材と外層材から構成されるワークロールの半径方向温
度分布を、芯材と外層材との境界において双方の熱伝導
率の違いにより、熱流速の連続性から必然的に生じるロ
ール半径方向温度勾配の不連続性を表現できる多項式で
近似し、軸方向のみを要素分解した、たとえば軸対称有
限要素法によりワークロール半径方向温度分布の芯材と
外層材の平均温度を計算し、ついでその計算結果とワー
クロールの線膨張係数およびロール半径から一般化平面
歪問題として次式を用いて熱膨張量を計算する方法が知
られている。 uθ={(θm1−θ0 )・β1 ・r1 2 +(θm2−θ0 )・β2 (R2 −r1 2 )}/R (3) ここで、r1 はワークロール芯材半径、θm1,θm2はそ
れぞれワークロール芯材および外層材の平均温度、
β1 ,β2 はそれぞれワークロール芯材および外層材の
線膨張係数である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ワークロールの熱膨張
量の計算は、圧延操業中に実用的な時間で行わなければ
ならないため、上記従来法では軸対称問題を基本形とし
てワークロール内の温度分布を計算し、その計算結果か
ら求めたロール半径方向平均温度を用いて平面歪問題ま
たは一般化平面歪問題として計算が行われている。
【0006】ところで、実操業では圧延時にロールバイ
ト内でワークロールと圧延材とが接触することにより図
8に示すようなロール表層近傍でロール半径方向温度勾
配が存在することが知られている。従来の熱膨張量計算
では、上記ロール表層近傍でロール半径方向温度勾配に
起因した弾性変形が考慮されておらず、これがワークロ
ールの熱膨張量計算に対して工業的に有意な誤差を生じ
ることが問題であった。
【0007】本発明では、上記従来法による問題を解決
し、かつ圧延操業中に実用的な時間でワークロールの熱
膨張量を計算することができる方法を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の要旨とするところは、 (1)ワークロールの熱膨張量を計算する方法であっ
て、熱間圧延に使用されるワークロールにおいて、圧延
操業条件、およびワークロール半径方向平均温度を用い
て計算した、ワークロール表層近傍での圧延時に発生す
るロール半径方向温度勾配による熱応力に起因した弾性
変形によるワークロール半径の変化量のロール軸方向分
布の推定値と、ワークロール半径方向平均温度から計算
した熱応力を考慮しない熱膨張によるワークロール半径
の変化量のロール軸方向分布の推定値とを足し合わせて
ワークロールの熱膨張量とすることを特徴とするワーク
ロールにおける熱膨張量計算方法。 (2)ワークロールの熱膨張量を計算する方法であっ
て、熱間圧延に使用されるワークロールにおいて、圧延
操業条件、ワークロール半径方向平均温度、および定常
状態におけるワークロール半径方向平均温度を用いて計
算した、ワークロール表層近傍での圧延時に発生するロ
ール半径方向温度勾配による熱応力に起因した弾性変形
によるワークロール半径の変化量のロール軸方向分布の
推定値と、ワークロール半径方向平均温度から計算した
熱応力を考慮しない熱膨張によるワークロール半径の変
化量のロール軸方向分布の推定値とを足し合わせてワー
クロールの熱膨張量とすることを特徴とするワークロー
ルにおける熱膨張量計算方法。 (3)前記圧延時にワークロール表層近傍での圧延時に
ロール半径方向温度勾配に起因した弾性変形を推定する
ための圧延操業条件が、圧延材温度、入出側板厚、接触
弧長、板幅、圧延時間であることを特徴とする上記
(1)または(2)に記載のワークロールにおける熱膨
張量計算方法。である。
【0009】
【発明の実施の形態】発明者らは、実操業の圧延で生じ
るワークロールの熱膨張量を詳細に分析するために、ロ
ール内温度分布および熱弾性応力・変形解析を3次元有
限要素法を用いて行った。表1にはそのときの解析条件
を、図3には圧延開始から40秒後のロールバイト直下
でのワークロール熱膨張量の上記解析結果とロールバイ
ト直下でのロール半径方向平均温度を用いて、式(1)
で示した一般化平面歪問題としてワークロール熱膨張量
を求めた結果との比較を示す。
【0010】
【表1】
【0011】図3より、3次元有限要素解析による熱膨
張量は、ロールバイト直下でのロール半径方向平均温度
を用いて、式(1)で示した一般化平面歪問題として求
めたそれに比べて、板幅内では大きく、板幅外では小さ
いことが分かった。発明者らは、図3に示したこのよう
な特徴的なロールプロフィルが発生するメカニズムにつ
いて詳細な考察を行った。図7(a)は、ロールバイト
直下におけるワークロールのロール軸心を含みこれに平
行な断面(L断面)の図であり、発明者らは、図7
(a)のA部、すなわち図7(b)に示すようなワーク
ロール断面内(1/4断面)には、せん断応力の分布が
存在することを知見し、その分布が上述した特徴的なロ
ールプロフィルと関係していることを見いだした。以下
には、その発生メカニズムについて図6を用いて説明す
る。
【0012】ここで、上記のせん断応力分布による変形
を無視した場合、すなわち熱応力を無視した場合の熱膨
張量は、図6(a)で示すようなロール内温度分布と線
膨張係数のみで決まる変形(一般化平面歪問題)とな
る。
【0013】一方、図7(b)に示したようなワークロ
ールL断面内(1/4断面)でのせん断応力による変
形、すなわち熱応力によるロールの弾性変形は、次式に
示すようにせん断歪の成分として大きく2つの項に分け
ることができる。 τ=G・γ (4) γ=∂uz /∂r+∂ur /∂z (5) ここで、τはせん断応力、Gは横弾性係数、γはせん断
歪、uz はロール軸方向変位、ur はロール半径方向変
位である。
【0014】式(5)の第1項は主にロール表面近傍で
発生するせん断歪であり、図6(b−1),(b−2)
に示したようにワークロールの板幅内に相当する部分で
は、ロール表面が高温部であることからロール軸方向に
伸びようとするのに対し、ロール軸心側の低温部に拘束
され、その方向にせん断歪が発生する。それと共役なロ
ール半径方向のせん断歪により、ロール胴長中央部から
ロール半径方向の変化量が徐々に増加し、ワークロール
の板幅外に相当する部分になると徐々に飽和して行く変
形を起こす。
【0015】また、式(5)の第2項は、主に圧延材の
端部近傍におけるワークロール軸方向位置で発生するせ
ん断歪であり、図6(c−1),(c−2)に示したよ
うにワークロールの板幅内に相当する部分では、ロール
半径方向に膨張しようとするのに対して、ワークロール
の板幅外に相当する部分の低温部に拘束され、その方向
にせん断歪が生じ、圧延材端部近傍で図6(c−1)に
示した変形を起こす。つまり、発明者らは、図6
(a),(b−1),(c−1)で示した変形を重ね合
わせる(足し合わせる)ことにより、図6(d)に示す
ようにワークロールの板幅内に相当する部分では、ロー
ル半径方向の変化量は増加し、板幅外に相当する部分で
は、逆に減少する変形になることを知見した。
【0016】すなわち、ロールバイト直下でのロール半
径方向温度分布を用いて計算できる平均温度から、式
(1)で示した一般化平面歪問題として求めた図6
(a)に示すようなワークロールプロフィルと、上述し
たせん断変形に起因した図6(b−1),(c−1)に
示した変形とを重ね合わせる(足し合わせる)ことによ
り、図3に示すようなロールプロフィルを推定できるこ
とが分かる。
【0017】さらに、発明者らは、上述した特徴的なロ
ールプロフィルを詳細に把握するために、3次元有限要
素法を用いて圧延操業条件を変更した数多くのロール内
温度分布および熱弾性応力・変形解析を行った。
【0018】図5(a)には、同一操業条件における上
記解析結果について分析した結果を示す。図5(b)に
はワークロール胴長中心位置におけるワークロール半径
方向平均温度と弾性変形量の最大値との関係を示した。
ここで、図5(a)の縦軸に示した弾性変形量の最大値
とは、図5(b)に示すようなロール表層近傍でのロー
ル半径方向温度勾配に起因した弾性変形によるロール半
径方向の変化量の増加と減少との差の最大値として定義
した。このとき、図5(a)で示した弾性変形量の最大
値は、当該圧延開始時からの30秒後の値として整理し
た。図5(a)より、発明者らは、図6(b−1),
(c−1)に示したようなロール表層近傍でのロール半
径方向温度勾配に起因した弾性変形は、同一圧延操業条
件であれば、ワークロール半径方向平均温度に大きく関
係していることを知見した。
【0019】さらに、発明者らは、上記ワークロール半
径方向平均温度の他に圧延操業条件として材料温度、入
出側板厚、接触弧長、板幅、圧延時間、アイドル時間、
ワークロールヤング率、ワークロールポアソン比、ワー
クロール線膨張係数などがあるが、少なくとも材料温
度、入出側板厚、接触弧長、板幅、圧延時間を考慮する
ことによって、ロール表層近傍でのロール半径方向温度
勾配に起因した弾性変形によるワークロール半径の変化
量のロール軸方向分布を次式で表現できることを知見し
た。 uτ=uτ(z,θm ,θ,h,H,ld ,W,t) (6) ここで、uτはロール表層近傍でのロール半径方向温度
勾配に起因した弾性変形のロール半径あたりのロール軸
方向分布、zはロール胴長中心を原点とする軸方向位
置、θm はワークロール半径方向平均温度、θは材料温
度、hは出側板厚、Hは入側板厚、ld は接触弧長、W
は板幅、tは圧延時間である。
【0020】また、発明者らは、上述したロール表層近
傍でのロール半径方向温度勾配に起因した弾性変形およ
びワークロール半径方向平均温度を、同一操業条件で時
系列的に観察した。図4(a)には、その結果について
弾性変形量の最大値として観察した場合の時系列変化を
示す。図4(b)には、そのときのワークロール半径方
向平均温度の時系列変化を示す。図4(a)に示したよ
うに弾性変形量の最大値は圧延開始時から、圧延時間が
経過するに従って一旦は増加するが、その後減少し、あ
る一定値に収束していくことが分かる。一方、そのとき
の図4(b)に示したワークロール半径方向平均温度
は、圧延開始時から時間が経過するに従って徐々に増加
し、その後ある値に飽和(定常状態)していくことが分
かる。つまり、圧延時にワークロール半径方向平均温度
が変化している時は、弾性変形量の最大値も変化し、ワ
ークロール半径方向平均温度が定常状態に達している時
は、それ以降の圧延では、弾性変形量の最大値は変化し
ないことが分かる。すなわち、これらのことから、ワー
クロール半径方向平均温度と定常状態におけるワークロ
ール半径方向平均温度がロール表層近傍でのロール半径
方向温度勾配に起因した弾性変形に大きく関わることが
分かる。
【0021】したがって、発明者らは、前述の圧延操業
条件とワークロール半径方向平均温度の他に、上記定常
状態におけるワークロール半径方向平均温度を考慮し、
圧延操業条件としては材料温度、入出側板厚、接触弧
長、板幅、圧延時間、アイドル時間、ワークロールヤン
グ率、ワークロールポアソン比、ワークロール線膨張係
数などがあるが、少なくとも材料温度、入出側板厚、接
触弧長、板幅、圧延時間を考慮することによって、ロー
ル表層近傍でのロール半径方向温度勾配に起因した弾性
変形による、ワークロール半径の変化量のロール軸方向
分布を次式で表現できることを知見した。 uτ=uτ(z,θm ,θsm,θ,h,H,ld ,W,t) (7) ここで、θsmは当該圧延を行ったときの定常状態でのワ
ークロール半径方向平均温度である。このとき、θsm
あらかじめ解析的に圧延操業条件の関数として次式で表
現しておくことが好ましい。 θsm=θsm(θ,h,H,ld ) (8)
【0022】また、上記ワークロール半径方向平均温度
θsmは、たとえば当該圧延での板幅内におけるワークロ
ール軸方向代表位置でのロール半径方向平均温度を用い
て計算すれば、上述したロール表層近傍でのロール半径
方向温度勾配に起因した弾性変形を算出することができ
る。
【0023】本発明による場合、実操業で圧延時にロー
ルバイト内においてワークロール表層近傍におけるロー
ル半径方向温度勾配に起因した弾性変形を、式(6),
(7)に示すような間単な形として表現することができ
る。さらに、式(6),(7)によるワークロール表層
近傍におけるロール半径方向温度勾配に起因した弾性変
形の推定値と上述した従来法によるロール半径方向平均
温度から計算できる熱膨張量のロール軸方向分布の推定
値(たとえば式(1),式(3))とを重ね合わせる
(足し合わせる)ことにより、圧延操業中にロールプロ
フィルを高精度に予測することができる。
【0024】ところで、上述したワークロール半径方向
温度分布の平均温度を計算するモデルやワークロール半
径方向平均温度から計算できるワークロール半径の変化
量のロール軸方向分布を推定する熱膨張量計算モデルに
関しては、〔従来の技術〕で示した幾つかの計算方法が
ある。この中で最も好ましいモデルとしては、本発明者
らが発明した特開平07−080517号公報に開示さ
れているように、異なる物性値を有する芯材と外層材か
ら構成されるワークロールの半径方向温度分布を、芯材
と外層材との境界において双方の熱伝導率の違いによ
り、図9に示すような熱流速の連続性から必然的に生じ
るロール半径方向温度勾配の不連続性を表現できる多項
式で近似し、軸方向のみを要素分割した、たとえば軸対
称有限要素法により、ワークロール半径方向温度分布の
芯材と外層材との平均温度を計算し、ついでその計算結
果とワークロールの線膨張係数およびロール半径から、
たとえば一般化平面歪問題として、式(3)を用いて熱
膨張量を計算する方法がある。このモデルを用いれば、
上述した当該圧延開始時のワークロール半径方向平均温
度やロール半径方向平均温度から計算できるワークロー
ル半径の変化量のロール軸方向分布を熱膨張量推定値を
高精度に求めることができる。
【0025】
【実施例】
(実施例1)本発明により熱膨張量を推定した結果とロ
ール内温度分布および熱弾性応力・変形解析を3次元有
限要素法を用いて解析した熱膨張量の解析結果の比較を
図1に示す。表2にはこのときの解析条件を示す。
【0026】
【表2】
【0027】このとき、ワークロール表層近傍における
ロール半径方向温度勾配に起因した弾性変形は式(6)
を用いて推定計算した。また、ロール半径方向平均温度
から計算できるワークロール半径の変化量のロール軸方
向分布の熱膨張量推定値は、特開平07−080517
号公報に開示されている熱膨張量計算モデルを使用し
た。
【0028】図1より、本発明を用いた場合、従来法に
よるロール半径方向平均温度から計算できるワークロー
ル半径の変化量のロール軸方向分布の熱膨張量推定値だ
けでは表現することができなかった、図3に示すような
ワークロールの板幅内に相当する部分では、ロール半径
方向の変化量は増加し、板幅外に相当する部分では、逆
に減少する変形を表現することができる。
【0029】(実施例2)本発明による式(7)を用い
て推定したワークロール表層近傍におけるロール半径方
向温度勾配に起因した弾性変形のロール軸方向分布とロ
ール内温度分布および熱弾性応力・変形解析を3次元有
限要素法を用いて解析したロールプロフィルから、ロー
ルバイト直下でのロール半径方向平均温度を用いて式
(1)で示した一般化平面歪問題として求めた熱膨張量
を除いた変形とを比較した結果を図2に示す。解析条件
は(実施例1)と同様である。
【0030】図2より、本発明を用いた場合、従来法に
よるロール半径方向平均温度から計算できるワークロー
ル半径の変化量のロール軸方向分布の熱膨張量推定値だ
けでは表現することができなかったワークロールの板幅
内に相当する部分では、ロール半径方向の変化量は増加
し、板幅外に相当する部分では、逆に減少する変形を表
現することができ、かつ時系列的に圧延時の熱膨張量を
高精度に求めることができる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、従来法によるロール半
径方向平均温度から計算できるワークロール半径の変化
量のロール軸方向分布の熱膨張量推定値だけでは表現す
ることができなかったワークロールの板幅内に相当する
部分では、ロール半径方向の変化量は増加し、板幅外に
相当する部分では、逆に減少する変形を表現することが
でき、さらに本発明と従来法による熱膨張量の推定値と
組み合わせることにより、高精度にワークロールの熱膨
張量を計算することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により熱膨張量計算の例を示す
図。
【図2】同じく本発明による熱膨張量計算の例を示す
図。
【図3】従来の方法によって計算された熱膨張量のロー
ル軸方向分布を示す図。
【図4】ワークロール内せん断応力によって生じる弾性
変化量とロール半径方向平均温度の時間変化を示す図。
【図5】(a)はワークロール内せん断応力によって生
じる弾性変化量とロール半径方向平均温度との関係を示
す図。(b)はワークロール内せん断応力によって生じ
る弾性変化量のロール軸方向分布を示す図。
【図6】ワークロール内せん断応力によって生じる弾性
変形のメカニズムを説明する図。
【図7】圧延中のワークロール内せん断応力分布を示す
図で、(a)はワークロールのロール軸心を含む平行な
断面図(L断面)であり、(b)は(a)のA部におけ
るせん断応力分布を示す図である。
【図8】圧延中に生じるワークロール半径方向温度分布
を示す図。
【図9】従来法の熱膨張量計算モデルにおけるワークロ
ール内半径方向温度分布を示す図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークロールの熱膨張量を計算する方法
    であって、熱間圧延に使用されるワークロールにおい
    て、圧延操業条件、およびワークロール半径方向平均温
    度を用いて計算した、ワークロール表層近傍での圧延時
    に発生するロール半径方向温度勾配による熱応力に起因
    した弾性変形によるワークロール半径の変化量のロール
    軸方向分布の推定値と、ワークロール半径方向平均温度
    から計算した熱応力を考慮しない熱膨張によるワークロ
    ール半径の変化量のロール軸方向分布の推定値とを足し
    合わせてワークロールの熱膨張量とすることを特徴とす
    るワークロールにおける熱膨張量計算方法。
  2. 【請求項2】 ワークロールの熱膨張量を計算する方法
    であって、熱間圧延に使用されるワークロールにおい
    て、圧延操業条件、ワークロール半径方向平均温度、お
    よび定常状態におけるワークロール半径方向平均温度を
    用いて計算した、ワークロール表層近傍での圧延時に発
    生するロール半径方向温度勾配による熱応力に起因した
    弾性変形によるワークロール半径の変化量のロール軸方
    向分布の推定値と、ワークロール半径方向平均温度から
    計算した熱応力を考慮しない熱膨張によるワークロール
    半径の変化量のロール軸方向分布の推定値とを足し合わ
    せてワークロールの熱膨張量とすることを特徴とするワ
    ークロールにおける熱膨張量計算方法。
  3. 【請求項3】 前記圧延時にワークロール表層近傍での
    圧延時にロール半径方向温度勾配に起因した弾性変形を
    推定するための圧延操業条件が、圧延材温度、入出側板
    厚、接触弧長、板幅、圧延時間であることを特徴とする
    請求項1または2記載のワークロールにおける熱膨張量
    計算方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012171012A (ja) * 2011-02-24 2012-09-10 Jfe Steel Corp 熱間圧延における圧延ロールのサーマルクラウン予測方法
CN111523212A (zh) * 2020-04-15 2020-08-11 吉林省北金机械科技有限公司 一种电主轴热误差预测模型的建立方法

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