JP2005262312A - 熱間圧延における圧延ロールのサーマルクラウン予測方法および熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

熱間圧延における圧延ロールのサーマルクラウン予測方法および熱延鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱間圧延における圧延ロールのサーマルクラウンの予測を精度良く行い、穴あきのような通板トラブルを防止して圧延を安定化させる。
【解決手段】圧延ロール19が被圧延材8と接触するロール周面の周方向の長さである接触弧長、および圧延ロールの周速により熱間圧延における圧延ロールのサーマルクラウンを予測する、熱間圧延における圧延ロールのサーマルクラウン予測方法において、被圧延材を圧延する際の圧延荷重をその予測に反映する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属板の熱間圧延における、仕上圧延機の圧延ロールのサーマルクラウン予測方法およびそれを用いた熱延鋼板の製造方法に関する。
熱間圧延とは、金属材料を数百〜千数百℃に加熱した後、熱間圧延ライン上に抽出し、一対のロールで挟圧しつつそのロールを回転させ、薄く延ばすことをいう。図9は、従来から多くある帯鋼の熱間圧延ライン100の一例を示す。これは、金属材料(以下、被圧延材8)の搬送方向上流から下流に向かう順に、加熱炉10、粗圧延機(Rougher)12、クロップシャー14、デスケーリング装置16、仕上圧延機(Finisher)18、冷却ゾーン22、コイラー(巻取装置)24を順次配置して成る。各設備間には図示しない多数のテーブルローラがあり、これにより被圧延材8が搬送される。
粗圧延機12、仕上圧延機18は複数あるので、それぞれRougher、Finisherの頭文字を取り、各スタンドのナンバーを付与して、R1、R2、R3、F1、F2 … F7等と略称される。コイラー24も同様に複数あって、号機ナンバーを付与して、DC1、DC2等と略称される。
加熱炉10により数百〜千数百℃に加熱された厚み150〜300mmの被圧延材8は、粗圧延機12、仕上圧延機18により厚み1〜25mmまで圧延されて薄く延ばされる。
粗圧延機12を構成する各粗圧延機は、図9に示す熱間圧延ライン100の場合、R1、R2、R3の3基であるが、必ずしも基数はこれに限らない。多くの場合は4基であり、そのうち一部(多くの場合1基)を往復圧延するものとし、残る圧延機が一方向圧延を行う3/4連続と呼ばれるタイプのものが多い。しかし、4基中3基が一方向のタイプに限らず、例えば3基中1基が一方向のタイプも含め、3/4連続という。
仕上圧延機18を構成する各圧延機(スタンド)は、図9に示す熱間圧延ライン100の場合、F1〜F7の7基であるが、6基の場合もある。
前記のように数百〜千数百℃に加熱された高温の被圧延材8には、加熱炉10から抽出されたとき、その表裏面に酸化鉄の魚鱗状の膜(以下、スケール)が生成している。この他、圧延され薄く延ばされるとともに放熱により降温していく過程でも、被圧延材8は高温の状態で大気に曝されるため、新たなスケールが被圧延材8の表裏面に生成する。このため、粗圧延機12のうちの各粗圧延機の入側には、ポンプからの供給圧にして10〜30MPa内外の高圧水を被圧延材8の表裏面に吹き付けてスケールを除去するデスケーリング装置16が設置され、スケールを除去する。
図において、13、19は、それぞれ粗圧延機12、仕上圧延機18の圧延ロール(単にロールとも称する)、46は、被圧延材8の通過を検知するためのホットメタルディテクタ(HMD)、50は制御装置、70はプロセスコンピュータ、90はビジネスコンピュータである。
仕上圧延機18の圧延ロール19で被圧延材8の先端を噛み込み、圧延し、尾端を圧延し終わり、という動作を断続的に繰り返す熱間圧延のことを、特に、バッチ圧延と称している。
近年、例えば特許文献1に示されるように、図10に示す如く、被圧延材8の搬送方向最下流粗圧延機R3と仕上圧延機18の間に、例えば被圧延材の移動に追従して走行しながら、先行する被圧延材の尾端と後行する被圧延材の先端を接合する走間接合装置(以下、単に接合装置と称する)30を設置し、仕上圧延機18とコイラー24の間に、先行する被圧延材と後行する被圧延材を切断して別々に巻き取るための切断装置(ストリップシャーとも称する)40を設置するものも登場してきた。
粗圧延機12と仕上圧延機18の間で、先行する被圧延材の尾端と後行する被圧延材の先端を接合し、連続的に仕上圧延することを、特に、エンドレス圧延と称している。
このエンドレス圧延のできるエンドレス圧延ライン110は、図10に示すように、先行する被圧延材の尾端と後行する被圧延材の先端を接合するために、接合装置30のほかにコイルボックス26、接合用クロップシャ−28等も備えている。
あるいは更に、バリ取り装置32、シートバーヒータ34、エッジヒータ36、接合部冷却装置38、高速通板装置42等を設置している場合もある。
ここで、接合装置30には、誘導加熱方式によるものや、レーザ方式によるもの等がある。
また、ちなみに高速通板装置42とは、例えば仕上圧延後板厚2mm未満の薄物の被圧延材に使用して好適な通板安定化のための装置で、薄ストリップ状の被圧延材が切断直後に剛性が弱く丸まってコイラー24の付帯設備間に詰まり巻き取れなくなるのを防止する。仕上圧延後板厚の薄い被圧延材は概して搬送速度が高速のため、この名称がある。原理はエアジェットにより生ずる負圧部に搬送中の薄ストリップ状の被圧延材を吸引し、ガイドに真直ぐに沿わせることで丸まるのを防止するというものである。
図10中、44で示されているのはトラッキング用センサである。一例としてメジャーリングロールを使用した場合を図示しているが、レーザ板速計等その他の種類のトラッキング用センサを用いてもよい。トラッキングとは、搬送、仕上圧延による被圧延材の最先端部や最尾端部あるいは接合部、更には走間変更部の移動を制御装置50内で仮想的に捉え、そのエンドレス圧延ライン110上の位置の移動を制御装置50内で時々刻々と認識することであるが、ちなみに図示した例のメジャーリングロール44は搬送中の被圧延材8に接触して回転され、一定周長回転されるごとにパルスを発する仕組みであり、そのパルス数を制御装置50内で時々刻々にカウントする原理である。
これらトラッキング用センサの連続熱間圧延ライン110上への設置位置は、仕上圧延機18の搬送方向入側の場合もあれば出側の場合もある。トラッキングは、接合部の移動のほか、別途同制御装置50内で接合部の近傍に仮想的に生成させる切断予定部の移動も時々刻々と捉え、認識する。
かような各種の熱間圧延ラインで製造される金属材料としては、JISG3131に規定される熱延鋼板(鋼帯を含む)が代表的であり、その他、JISG3141に規定される冷延鋼板(鋼帯を含む)他(例えばぶりき原板)の素材熱延板も多く製造される。本発明にいう熱延鋼板は、これらを総称したものとするが、本発明は、帯鋼に限らず、アルミニウムその他の金属板の熱間圧延ラインにも勿論適用可能である。
ところで、本発明で問題としているサーマルクラウンの話に移るが、サーマルクラウンとはそもそも、高温の被圧延材8を圧延する際に圧延ロールが被圧延材8に接触することによる熱膨張する量またはその圧延ロール回転軸方向の分布のことを言い、本発明では、圧延ロール回転軸の中央での圧延ロール半径あたりの熱膨張量のことを指して言う。
熱間圧延の仕上圧延機においては、圧延ロール(図9中ではロール19と略記)は、それよりはるかに高温の被圧延材と接触することにより熱膨張するが、過剰な熱膨張を抑制するため圧延ロールにロールクーラント(冷却水)を噴射し圧延ロールを冷却している。
サーマルクラウンを予測するためには、圧延ロールへの入熱量、および圧延ロールからの抜熱量を予測計算し、圧延ロール回転軸方向の圧延ロール熱膨張量分布を高精度で求める必要がある。
圧延ロールへの入熱量は、第一義的には圧延ロールが被圧延材と接触するロール周面の周方向の長さである接触弧長、および圧延ロールの周速により圧延ロールと被圧延材の接触時間を求め、圧延ロール表面と被圧延材との温度差、更に圧延ロールと被圧延材間の熱伝達係数より求められる。温度差と熱伝達係数は簡単のため定数に固定して計算する場合もある。また圧延ロールからの抜熱量は、圧延ロールの外周から入熱部である接触弧長を引いた長さ、圧延ロール表面とロールクーラントとの温度差、更に圧延ロールとロールクーラント間の熱伝達係数より求められる。この他、空冷による抜熱量も求められる。ちなみに入熱量と抜熱量の計算には、解析的方法による場合と、差分法による場合と、有限要素法による場合がある。
こうして求められた圧延ロールへの入熱量、および抜熱量を考慮し、圧延ロール回転軸方向および回転軸に垂直な方向の圧延ロール内部の温度分布の計算を行い、更に圧延ロール内部の温度分布と圧延ロールの材質により決まる熱膨張率により圧延ロールの熱膨張量、およびサーマルクラウンは求められる(特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5等参照)。
特許3103260号公報 特開2002−346620号公報 特開昭55−94715号公報 特開昭61−154708号公報 特開昭63−20109号公報
板厚が薄い金属板(被圧延材)を圧延する際、被圧延材が蛇行したり、被圧延材に穴があいて破断したりすることがある。これは、圧延ロール回転軸方向中央に接触する被圧延材部分での板厚と、被圧延材両幅端部位置における板厚との差が予測と異なるためである。そして、特許文献2乃至5に示すサーマルクラウンの予測方法を用いても、依然としてこの問題は残っている。
例えば予測に比べこの差が大きい(サーマルクラウンが予測より大きい)場合、被圧延材は幅中央が予測より大目に薄く伸ばされる結果、長手方向に長くなるため、形状が腹伸びになり、この程度がひどくなると、図11に示すように、搬送方向下流側に別の圧延機があれば、被圧延材8が折り重なって3枚噛みの状態に達し、急激に長手方向に引張られて開口してしまう。この現象は図12に示すように被圧延材長手方向に断続的に発生し、開口部80を更に下流側の圧延機で圧延する時のショックによる激しい音と振動とともに遂には開口部分が被圧延材全幅にわたって裂け、破断に至る。
逆に予測に比べこの差が小さい場合、被圧延材は形状が耳伸びになり、この程度がひどくなると、図示しないが被圧延材の幅端部がささくれ状に裂け、長手方向に断続的に、これが起こる。
ちなみに、被圧延材の幅中央の板厚と、両幅端部近傍(多くの場合、最幅端部から25mmの場合が多いが、これに限るものではない。)の相加平均板厚と、の差を板クラウンと称するが、板クラウンは、圧延ロール回転軸方向熱膨張量分布、圧延荷重の作用による圧延ロールの回転軸方向の撓みや、圧延ロールの扁平による変形、圧延ロールの回転軸方向の摩耗の深さの分布等を考慮し、予測計算される。
特に特許文献1で述べたエンドレス圧延ライン110にてエンドレス圧延する場合、接合装置30により被圧延材8を何本も接合し、連続的に圧延するため、予測計算と実際との誤差が大きくなり、被圧延材が蛇行したり、被圧延材に穴があいたりする問題は、いよいよ顕著になる。
本発明は、熱間圧延における圧延ロールのサーマルクラウンの予測を精度良く行うことを課題とする。
上記のような従来技術の問題を解決するための本発明は、圧延ロールが被圧延材と接触するロール周面の周方向の長さである接触弧長、および圧延ロールの周速により熱間圧延における圧延ロールのサーマルクラウンを予測する、熱間圧延における圧延ロールのサーマルクラウン予測方法において、被圧延材を圧延する際の圧延荷重をその予測に反映することを特徴とする、熱間圧延における圧延ロールのサーマルクラウン予測方法であり、そして、それを用いた熱延鋼板の製造方法である。
本発明によれば、熱間圧延における圧延ロールのサーマルクラウンの予測を精度良く行うことができ、穴あきのような通板トラブルを防止して圧延を安定化させることができる。
圧延ロールへの入熱量を調べるため、様々な条件下において圧延ロールの表面温度測定を行った。図1は、その結果から算出した、圧延ロールが被圧延材と接触する接触弧内での、圧延ロールと被圧延材との間の熱伝達係数と、被圧延材を圧延する際の圧延荷重を接触弧長と被圧延材幅で除した、被圧延材に作用する面圧との関係を示したものである。熱伝達係数と被圧延材に作用する面圧には相関関係があることがわかる。その理由は、図2に示す如く、被圧延材8に作用する面圧が高いほど圧延ロール19は扁平し、被圧延材との微視的な接触面積が大きくなるためと考えられる。
面圧でなくても、被圧延材を圧延する際の圧延荷重を被圧延材幅で除した、被圧延材に作用する線圧や、あるいは、被圧延材に作用する圧延荷重そのものであっても、図1と同様な右上がりの相関があるため、面圧、線圧、圧延荷重そのもの、とにかく、被圧延材を圧延する際の圧延荷重に関係する量を、サーマルクラウンの予測に反映する。このことを、本発明では圧延荷重をサーマルクラウンの予測に反映する、と称する。
(第1の実施の形態)
サーマルクラウンの予測計算は、次に述べるようにして行う。圧延ロール19を円柱に見立て、例えば、図3(a)に示すように、圧延ロール19をある切断面で仮想的に切断して見た、円柱半径方向3分割、円柱軸方向46分割のメッシュに仮想的に分割することで、円柱座標系で表した熱伝導方程式(1)を2次元的に差分化し、例えば時間増分を5秒として、各メッシュ毎の代表温度を、その時間増分5秒毎に計算する。これにより、圧延ロール内部の温度分布を求める。
Figure 2005262312
ここに、
x:軸方向座標
r:半径方向座標
θ:各メッシュ毎の代表温度
t:時間
κ:熱伝導率
c:比熱
ρ:密度
をそれぞれ表す。
メッシュ分割の各寸法や時間増分は、この例に限るものではなく、また、本例のような円柱座標系を適用しての2次元差分解法に限らず、要は、圧延ロールの時間的な温度変化を計算できる方法であれば、その他の計算方法によってもよい。
境界条件処理について説明する。
上記した円柱座標系を適用しての2次元差分解法に従えば、まず圧延ロール19と被圧延材8が接触する部分では、図3(b)に示す通り、適宜な定常ロール温度θ∞(固定定数として例えば60℃というように決めてしまう場合が多いが、これに限るものではない)と、圧延ロール19最表層のメッシュにおける代表温度θとの差に、被圧延材接触部(圧延ロール19と被圧延材8が接触する部分のこと)の熱伝達係数αrollingを掛け算することで、次に示すような方程式(2)により、被圧延材8の側から圧延ロール19の側に単位時間に流入する熱流束(圧延ロールへの入熱量)qrollingを計算し、これを圧延ロール19と被圧延材8が接触する部分での境界条件として、先述の熱伝導方程式(1)の円柱座標系を適用しての2次元差分解法に反映する。
qrolling=αrolling(θ∞-θ) …(2)
ここに、
qrolling :圧延ロールと被圧延材が接触する部分における、被圧延材側から圧延ロール側に単位時間に流入する熱流束
αrolling:圧延ロールと被圧延材が接触する部分における熱伝達係数
θ∞:定常ロール温度
θ:圧延ロール最表層のメッシュにおける代表温度
をそれぞれ表す。αrolling及びθ∞と熱膨張の関係の例を図4に示す。
一方、圧延ロール19と被圧延材8の非接触部分では、図3(c)に示す通り、適宜な冷却水温度θw(固定定数として例えば30℃というように決めてしまう場合が多いが、これに限るものではなく、実測する等してもよい)と、圧延ロール19最表層のメッシュにおける代表温度θとの差に、被圧延材非接触部(圧延ロール19と被圧延材8が接触しない部分のこと)の熱伝達係数αwaterを掛け算することで、次に示すような方程式(3)により、圧延ロール19から単位時間に流出する熱流束(圧延ロールからの抜熱量)qwaterを計算し、これを圧延ロール19と被圧延材8が接触しない部分での境界条件として、先述の熱伝導方程式(1)の円柱座標系を適用しての2次元差分解法に反映する。
先行する被圧延材の尾端が抜けた後、後行する被圧延材の先端が噛み込むまでの圧延ロールと被圧延材が接触しない時間帯、即ちインターバル時間では、冷却水を停止する場合もあるため、そういう場合は、次の方程式(4)により、圧延ロール19から単位時間に流出する熱流束(圧延ロールからの抜熱量)qairを計算し、これを圧延ロール19と被圧延材8が接触する部分としない部分両方での境界条件として、先述の熱伝導方程式(1)の円柱座標系を適用しての2次元差分解法に反映する。インターバル時間で冷却水を停止しない場合は、(3)式の方を使えば良い。
qwater=αwater(θw-θ) …(3)
qair=αair(θA-θ) …(4)
ここに、
qwater:圧延ロールと被圧延材の非接触部分における、圧延ロールから単位時間に流出する熱流束(水冷時)
qair:圧延ロールと被圧延材が接触しない時間帯における、圧延ロールから単位時間に流出する熱流束(空冷時)
αwater:圧延ロールと被圧延材の非接触部分における、熱伝達率(水冷時)
αair:圧延ロールと被圧延材が接触しない時間帯における、熱伝達率(空冷時)
θw:冷却水温度
θA:雰囲気温度(固定定数として例えば20℃というように決めてしまう場合が多いが、これに限るものではなく、実測する等してもよい)
をそれぞれ表す。
以上のようにして、圧延ロール19の各部の温度を計算により求めたら、その圧延ロール19を圧延機に組み込んで圧延を開始する前の該圧延ロール19各部の温度との差をとり、それと線膨張係数とを掛け算することにより、図5中にuで示す、圧延ロール19の半径あたりの熱膨張量、即ちサーマルクラウンを計算する。正確には、次に示すような方程式(5)により、計算する。
Figure 2005262312
ここに、
u:半径あたりサーマルクラウン(圧延ロールの軸方向xに分布をもつため、u(x)とも表す。)
β:線膨張係数
θO:圧延ロールを圧延機に組み込んで圧延を開始する前の圧延ロール各部の温度
θ:圧延ロールを圧延機に組み込んで圧延した後の圧延ロール各部の温度
rw:圧延ロール半径
をそれぞれ表す。
以上の計算を、圧延ロール1本毎にまず行う。
本発明では、ここで、被圧延材を圧延する際の圧延荷重をサーマルクラウンの予測に反映する。
そのためには、例えば、図1に示したような、被圧延材に作用する面圧に対し、圧延ロールと被圧延材が接触する部分における熱伝達係数が、直線的に増加する関係を数式化し、例えば、先述(2)式中のαrollingを、式(6)のようにする。
αrolling=a×Pm+b …(6)
ここに、
Pm:被圧延材に作用する面圧(線圧、圧延荷重そのもの等でも良い)
a、b:定数
をそれぞれ表す。
上記第1の実施の形態にて説明した、サーマルクラウン予測計算結果に基き、図9に示した熱間圧延ライン100の仕上圧延機18の各スタンドの圧延ロール19の間隙を、各被圧延材1本毎に、その先端の噛み込みに先立って設定する。
図9中、46で示すホットメタルディテクタ(HMD)の直下に被圧延材8の先端が達し、高温の被圧延材8の発する赤外線にホットメタルディテクタ46が感応したタイミングで、ホットメタルディテクタ46から伝送経路を通じて、制御装置50経由でプロセスコンピュータ70に電気信号が伝達され、これを受けたプロセスコンピュータ70内では、該被圧延材8を仕上圧延するための各スタンドの圧延ロール間隙や板クラウン制御用アクチュエータ等の各種設定を行うための設定計算が詳説しないロジックにより行われる。
その際、例えば、各スタンドの被圧延材搬送速度は、最終スタンドの被圧延材搬送速度については、図6に例示するスレッディング速度、トップ速度がビジネスコンピュータ90からプロセスコンピュータ70に伝達される等し、各スタンドの圧延ロール間隙を設定するための設定計算を行うには、プロセスコンピュータ70内での詳説しない予測計算により、各スタンドの圧延荷重の予測計算が行われ、その結果が、各スタンドの圧延ロール間隙を設定するための設定計算に反映される等する。これら実施の形態の詳細や制御装置50、プロセスコンピュータ70、ビジネスコンピュータ90の機能分担等については、ここで述べた方法は一つの例にすぎず、本発明の実施の形態はこれに限るものではない。
(第2の実施の形態)
差分計算は大変なため、実際に熱間圧延ラインが操業中、即ち、数十秒のピッチで被圧延材を次々圧延するような状況下では、プロセスコンピュータ70の計算速度が追いつかなくなる場合もある。よって、差分計算に比べ、簡易なサーマルクラウン予測方法を用いるのも好ましい。
例えば、次に述べるように、先述(2)式中のθ∞を、式(7)のようにする。
θ∞=c×(a×Pm+b)×tλ+d …(7)
ここに、
θ∞:定常ロール温度
Pm:被圧延材に作用する面圧(線圧、圧延荷重そのもの等でも良い)
t:圧延ロールと被圧延材の接触時間(圧延ロールと被圧延材との接触弧長を、圧延ロール周速で除して求められる)
a、b、c、d、λ:定数
をそれぞれ表す。
図7(a)は本発明による圧延荷重をその予測に反映するサーマルクラウン予測方法を使用しない、(6)式の代わりに従来通り(2)式を用い、θ∞は(7)式を用いずに、θ∞、θw、θAは60℃、30℃、20℃に固定した場合の圧延ロール回転軸方向中央での予測熱膨張量と実測熱膨張量との相関図をバッチ圧延材について示したものである。また、図7(b)は本発明の第1の実施の形態によるサーマルクラウン予測方法を使用し、θ∞、θw、θAは60℃、30℃、20℃に固定した場合の圧延ロール回転軸方向中央での予測熱膨張量と実測熱膨張量との相関図をバッチ圧延材について示したものである。
図7(c)は本発明による圧延荷重をその予測に反映するサーマルクラウン予測方法を使用しない、(6)式の代わりに従来通り(2)式を用い、θ∞は(7)式を用いずに、θ∞、θw、θAは60℃、30℃、20℃に固定した場合の圧延ロール回転軸方向中央での予測熱膨張量と実測熱膨張量との相関図をエンドレス圧延材について示したものである。また、図7(d)は本発明の第2の実施の形態によるサーマルクラウン予測方法を使用し、θw、θAは30℃、20℃に固定するとともにθ∞は(7)式を用いた場合の圧延ロール回転軸方向中央での予測熱膨張量と実測熱膨張量との相関図をエンドレス圧延材について示したものである。
本発明によるサーマルクラウン予測方法を使用しない場合に対し、本発明によるサーマルクラウン予測方法を使用した場合では明らかに測定値と予測値の差異が小さく、サーマルクラウン予測精度が向上することがわかる。
本発明を適用することで、今まで10000本の被圧延材を圧延するごとに発生していた穴あきによる通板トラブルを大幅に減らすことができるようになり、200,000本に1本の割合にまで減らすことができた。
以上の説明は、熱間圧延ライン100やエンドレス圧延ライン110に本発明を適用する場合を例に行ってきたが、本発明はそれらに限らず、図8(a)に示した半連続、図8(b)に示した完全連続、図8(c)に示したステッケルミルと呼ばれる各種タイプの他、図8(d)に示したスラブ連続鋳造設備と直結したヌーコアタイプと呼ばれる熱間圧延ライン等、各種の熱間圧延ラインに適用可能であることは言うまでもない。図8において、48は、仕上圧延機18の入側と出側に配設されたファーネスコイラー、49は、加熱炉10に被圧延材8を直接供給するためのスラブ連続鋳造設備である。
また、本発明は、帯鋼に限らず、アルミニウムその他の金属板の熱間圧延ラインにも勿論適用可能である。
圧延ロールと被圧延材との間の熱伝達率と、被圧延材を圧延する際の圧延荷重を接触弧長と被圧延材幅で除した、被圧延材に作用する面圧との相関図 被圧延材に作用する面圧が高いほど圧延ロールは扁平し、被圧延材との微視的な接触面積が大きくなることを模式的に示した図 圧延ロール温度の計算の方法について図解して示した図 θ∞とαrollingの関係の例を示す図 サーマルクラウンの計算の方法について図解して示した図 スレッディング速度とトップ速度の説明図 本発明のサーマルクラウン予測方法を使用した場合と使用しない場合の圧延ロール回転軸方向中央での予測熱膨張量と実測熱膨張量との相関図 熱間圧延ラインの例を示した図 従来からある熱間圧延ラインの例を示した図 エンドレス圧延ラインの例を示した図 被圧延材に穴があく理由を説明するための図 被圧延材に穴があいた様子を説明するための図
符号の説明
8…被圧延材
10…加熱炉
12…粗圧延機
13…粗圧延機圧延ロール(ロール)
14…クロップシャー
16…デスケーリング装置
18…熱間仕上圧延機
19…仕上圧延機圧延ロール(ロール)
22…冷却ゾーン
24…コイラー
26…コイルボックス
28…接合用クロップシャー
30…接合装置
32…バリ取り装置
34…シートバーヒータ
36…エッジヒータ
38…接合部冷却装置
40…切断装置
42…高速通板装置
44…メジャーリングロール
46…ホットメタルディテクタ(HMD)
48…ファーネスコイラー
49…スラブ連続鋳造設備
50…制御装置
70…プロセスコンピュータ
90…ビジネスコンピュータ

Claims (2)

  1. 圧延ロールが被圧延材と接触するロール周面の周方向の長さである接触弧長、および圧延ロールの周速により熱間圧延における圧延ロールのサーマルクラウンを予測する、熱間圧延における圧延ロールのサーマルクラウン予測方法において、
    被圧延材を圧延する際の圧延荷重をその予測に反映することを特徴とする、
    熱間圧延における圧延ロールのサーマルクラウン予測方法。
  2. 前記請求項1に記載の圧延ロールのサーマルクラウン予測方法を用いて被圧延材を圧延することを特徴とする、
    熱延鋼板の製造方法。
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