JP4289062B2 - 熱間圧延における被圧延材幅の制御方法 - Google Patents

熱間圧延における被圧延材幅の制御方法 Download PDF

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本発明は熱間圧延における被圧延材幅の制御方法に関する。
熱間圧延とは、金属材料を数百〜千数百℃に加熱した後、熱間圧延ライン上に抽出し、一対のロールで挟圧しつつその一対のロールを回転させ、薄く延ばすことをいう。
鋼をはじめとする金属板の熱間圧延は、図6に示すような、金属材料を加熱炉10で加熱後、熱間圧延ライン100上に抽出し、サイジングプレス11で幅圧下して幅寸法を調整する場合もあるし、そうでない場合もあるが、粗圧延機(Rougher)12、仕上圧延機(Finisher)18などの圧延機により順次圧延し、コイラー(巻取装置)24で巻き取る、という一連のプロセスを1本1本の金属材料(以下、被圧延材8)に対して施すことで行われる。
図6の例では、粗圧延機12は3基、仕上圧延機18は7基と複数あるので、それぞれRougher、Finisherの頭文字を取り、各圧延スタンドのナンバーを付与して、R1、R2、R3、F1、F2…F7等と略称される。コイラー24も同様に複数あって、号機ナンバーを付与して、DC1、DC2等と略称される。ところで、粗圧延機12、仕上圧延機18、コイラー24はそれぞれ、ここでは3基、7基、2基の場合を例として示したが、異なる基数の場合もある。
ここで、粗圧延機12には、拡大して示すと図7のように、その入側にエッジャー13という、被圧延材を幅方向に圧延(以下、幅圧下)するための、一対のロールを縦向きに配した圧延機も付設されている(特許文献1、2、3、4参照)。この縦向きに配した一対のロールはエッジャーロール135(図8参照)と称される。エッジャー13は、粗圧延機12のほかに、仕上圧延機18の第1スタンドF1の入側にも付設されている場合がある。それぞれ各圧延スタンドのナンバーを付与して、E1、E2、E3、F1E等と略称される。
また、粗圧延機12には一部、往復圧延するものがある場合が多く、上記図7の例では、R1とR2で、それぞれ例えば計3パスずつの往復圧延を行う場合を示している。場合によっては、R1あるいはR2では5パス以上の往復圧延を行う場合もあるほか、1パスだけの一方向圧延を行うこともできる。もちろん、これらはほんの一例であり、R3あるいはさらに別の粗圧延スタンドがある場合は、適宜それらでも往復圧延を行ってよいし、6基以上の多数の粗圧延機を設置して、一方向圧延だけを行ってもよい。
粗圧延機12で往復圧延する場合は、概して、エッジャー13による幅圧下は順方向すなわち奇数パスでだけ行い、偶数パスすなわち逆方向パスでは行わない。
それは、各粗圧延機12とそれに付設のエッジャー13による幅圧下とは、一つの被圧延材8に対して同時に行われる(いわゆるタンデム状態になる)ため、粗圧延機12のワークロール19と、その粗圧延機に付設のエッジャーロール135との間の被圧延材8を確実に引っ張り勝手にできる順方向パスでは大きな幅圧下量を取っても問題ないのに対し、必ずしも粗圧延機12のワークロールとその粗圧延機12に付設のエッジャーロール135との間の被圧延材8を引っ張り勝手にできない逆方向パスでは、被圧延材8がワークロール19とエッジャーロール135との間で圧縮され、しかもそれが被圧延材幅方向両サイドで均等にならなくなることが少なくないため、被圧延材8に大きなキャンバ(長さ方向に見たときに幅方向に湾曲していること)が生じてしまう、という問題があるからである。
逆方向パスでは必ずしも粗圧延機12のワークロールとその粗圧延機12に付設のエッジャーロール135との間の被圧延材8を引っ張り勝手にできないのは、概して粗圧延機12のワークロール19の駆動トルクに対してエッジャー13の駆動トルクは仕様上の容量が小さく、力が不足してしまうからである。
最後に、粗圧延機12には、図7に示すように、進入してくる被圧延材8に向け、デスケーリング水を噴射するためのデスケーリングヘッダー125が設置されている。ここに登場する例では、往復圧延を行うR1とR2は、入側と出側、両方に設置されている。ただ、全ての圧延パスにてデスケーリング水を噴射するとは限らず、例えば1パス目だけ噴射する、とか奇数パス目だけ噴射する、とか被圧延材の材質等に応じて、所定のデスケーリングパターンがとられる。
熱間圧延ライン100上には、このほか、図6に示すように、クロップシャー14、デスケーリング装置16、冷却ゾーン22、などの付帯設備も配置されている。
そして、各圧延機をはじめとする各設備間には図示しない多数のテーブルローラ(以下、搬送ロール)が配置され、これにより、被圧延材8は、粗圧延機12(図7の例ではR1とR2)での往復圧延の偶数パス目を除いて、矢印Aで示す搬送方向、すなわち、熱間圧延ライン100の上流側から下流側に向かって搬送される。
なお、本発明において、被圧延材とは熱間圧延ライン100上にて正に圧延加工されつつある金属材料を称することばであり、最終的な製品厚まで圧延され巻き取られつつある段階以降のものは金属板と称する。なお、金属板は金属帯をも含む意味である。
従来、熱間圧延における被圧延材幅の制御は、次に述べる2つの制御が併せて行われていた。
(1)セットアップ
(2)先尾端でのショートストローク制御
ちなみに、ショートストローク制御とは、図9に示すような、フレアーと呼ばれる、水平圧延(ワークロール19による被圧延材8の厚さ方向の圧延:以下、厚み圧下)によって被圧延材8の先端と尾端にできる、局部的な幅の広い部分B、Cや、逆に図8に示すような、幅不足な部分B’やC’が生じるのを可及的に防止すべく、局部的にエッジャーによる幅圧下量を変更する、局部補償制御のことである。
(1)セットアップの説明
各エッジャーパス直後の被圧延材幅の目標値を予め計算により決定して設定し、実際に被圧延材を幅圧下する際(先尾端を除く)の該各エッジャーパスのエッジャー開度を設定する。
それには、表1に示すような、幅スケジュールと呼ばれるプロセスコンピュータ70中のテーブルを、上位のビジネスコンピュータ90から伝送される、材質、製品幅等をキーに索引し、さらに計算することで行う。表1中、E1、E2、E3はそれぞれ、R1、R2、R3に付設のエッジャーを意味する。
Figure 0004289062
上記表1は、SUS304のものである。SUS304が被圧延材であれば、ビジネスコンピュータ90から伝送される、SUS304であるという材質の属性をキーに、まず上記表1を索引してくる。しかるのち、今度は同じくビジネスコンピュータ90から伝送される、製品幅のデータをキーに、上記表1の該当する行を索引する。例えば、製品幅が1060mmであれば、表1中の1000〜1199に相当する行を索引する。表1中の1000〜1199に相当する行は、実は製品幅が1100mmの場合の各パス圧延後の被圧延材幅を代表して示したものである。
そこで、これを基に製品幅1060mm用に、各パス圧延後の被圧延材幅を補正して設定する。それには、製品幅の差である40mm分、上記表1の該当するパスの幅の値から差し引いたものとしてもよいし、あるいは、その差40mmに1.1等の幅圧下効率を表すような係数を掛け算し、その値を差し引いたものとする等してもよい。
なお、例えば、表1中の1000〜1199に相当する行は、実は製品幅が1100mmの場合の各パス圧延後の被圧延材幅を代表して示したものであることは先にも述べたが、この行のE1−1、E1−2等の各値は、それぞれE1の1パス目、E1−2パス目等を意味し、どれもエッジャー13による幅圧下とそれにつづく粗圧延機12による厚み圧下の両方を経た後の予定幅のを目標値として定めたものである。よって、例えばE1−1で1095だったのがE1−2で1097になっているのは、E1−1で2mmしか圧下しないわけではなく、別途の詳説しないロジックにより、それ以上幅圧下するのであるが、R1−1パス目とR1−2パス目(後者はエッジャーによる幅圧下なし)の厚み圧下に伴う幅広がりによって幅が戻ってしまう分も加味された予定幅を目標値として定めたものである。
(2)先尾端でのショートストローク制御の説明
上記図9は、ちなみに被圧延材8の全長にわたり、幅圧下しなかった場合について示したものである。一方、粗圧延機12の入側に付設の先述のエッジャー13にて、その一対のエッジャーロール135の開度を、例えば、被圧延材8の全長にわたり、一つ前のパスでの圧延後の被圧延材8の幅よりも若干狭い開度で一定にして、被圧延材8の幅圧下(エッジャーの開度一定制御)と、それにつづく厚み圧下を行うと、今度は、先端も尾端も図8にB’、C’で示すように局部的に幅狭になる。
幅圧下を行わず、厚み圧下だけを行えば、被圧延材8の先端と尾端では、先述の図9に示した通り、若干、幅が広がる方向にフレアーができる作用があるはずであるが、多くの場合、厚み圧下に先立って行われるエッジャー13による幅圧下によって生じた被圧延材8の幅端部の局部的な増厚分(いわゆるドッグボーンD)は、図10に示すように被圧延材8の先端と尾端では小さく、先端と尾端を除いた中間では大きいため、エッジャー13による幅圧下につづく厚み圧下でその増厚分が幅外側に広がるいわゆる幅戻り量も先端と尾端では小さく、先端と尾端を除いた中間部分では大きくなり、先端と尾端を除いた中間部分の幅戻りが先端と尾端の幅戻りに勝ってそのようになるのである。
上記問題の解決策として、先尾端のフレアー量あるいは幅不足量を計算により予測し、この計算により予測したフレアー量あるいは幅不足量をもとに被圧延材長さ方向に、局部的にエッジャーによる幅圧下量を変更する、局部補償制御がショートストローク制御である。
ショートストローク制御は、例えば、先述のエッジャーの開度一定制御を行ったのでは被圧延材8の先端と尾端が局部的に幅狭になってしまうのを防止する目的で、その幅狭になりそうな分に相当する開度だけ、幅狭になりそうな被圧延材長さについて、エッジャー13の開度を広くするようして行われる。
非特許文献1には、図11に示すように、被圧延材8の先端でかつ幅端からΔVs・s/2だけ幅方向に入った位置を始点とし、被圧延材長さ方向にlsだけ入り、かつ幅端からΔV/2だけ幅方向に入った位置を終点として、両者を結ぶように、エッジャーロール周面が軌跡を描いて動くようにした、ショートストローク制御の例が示されている(被圧延材8の長さ方向に対してエッジャーロール135の周面の軌跡は結果的に図12中の角度θsをなすようにテーパ状に幅中央側に動く)。
図11の例の場合、一対すなわち2つあるエッジャーロール135の双方合わせて、被圧延材8の最先尾端でのエッジャー開度の、同中間部分でのエッジャー開度に対する広さ、すなわち、Vs=(ΔVE/2−ΔVs・s/2)×2を、先述の幅狭になりそうな分に相当する開度(以下、ショートストローク量)としているわけである。また、先述のlsはショートストローク長と以下称することにする。
また、被圧延材8を幅圧下しなかったのでは被圧延材8の先端と尾端に局部的に幅の広い部分ができてしまうのを防止する目的で、その局部的な幅広になりそうな分に相当する開度だけ、幅広になりそうな被圧延材長さについて、エッジャー13の開度を狭くする制御も、勝手逆に(ΔVs・sよりΔVEの方が大きくなる)同様の要領で行われる。
特開平8−90030号公報 特開平3−71909号公報 特開2002−153907号公報 特開昭57−72714号公報 技術講座通信教育 熱間圧延方法 p104 (学校法人鉄鋼学園 産業技術短期大学 人材開発センター)
しかしながら、従来のセットアップと非特許文献1のショートストローク制御の併用では、金属板の長さ方向全般にわたって、エッジシーム量が大きくなる場合があったり、エッジシーム量が製品金属板の長さ方向に局部的に大きくなる場合がある、という問題点があった。
エッジシームとは、被圧延材8の粗圧延、仕上圧延のパスの進展により、被圧延材8の側面にできる皺が表裏面に回り込んでできる、製品金属板幅端部の筋状の表面欠陥のことで、概して、高温下でも酸化しにくいために酸化物スケールの剥離と新生面の露出が起こりにくいステンレス鋼に多く発生し、極低炭素鋼でもたまに発生することがある。
ステンレス鋼はJIS G 4304に定義されるもの、極低炭素鋼はJIS G 3131等の一般加工用の鋼板にてCを0.01mass%未満としたものと考えてよい。
エッジシーム量dESは、例えば、巻取り後の金属板の長さ方向中央域において、図12に示すように、30m間隔で20ヶ所、最も製品金属板幅方向中央寄りで発生したエッジシーム疵12から近隣の幅エッジまでの距離dESi(dES1、dES2、…)を金属板表裏面左右両側で、それぞれ測定し、平均したり、最大値をとる等することで様々に定義できる。
エッジシーム量は幅圧下量と密接な関係がある。幅圧下量が大きくなるほど、図13(a)に示すように、ドッグボーンD部が大きくなり、ドッグボーンD部に生ずるエッジシームESDも大きくなり、図13(b)に示すように、その後厚み圧下によって被圧延材8の表裏面に回り込んでくるエッジシームESDの量dESDも大きくなる。パスがさらに進展しても、さらに被圧延材8の側面のエッジシームESSが回り込んできてそれに追加される形となるから、結局、幅圧下量が大きくなるほど、エッジシーム量も大きくなる。
従来のセットアップと非特許文献1のショートストローク制御の併用では、金属板の長さ方向全般にわたって、エッジシーム量が大きくなる場合があったり、エッジシーム量が製品金属板の長さ方向に局部的に大きくなる場合があるのは、エッジシーム量が幅圧下量と密接な関係があること、それに先述のようなショートストローク制御による被圧延材8の長さ方向のエッジャー開度の変化パターン、に原因があると推定される。それについて以下に説明する。
一つ前の粗圧延パス後の被圧延材平面形状について、図14(a)に点線で示すものを予定し、本来であれば、同図14(a)のエッジャーロール135とワークロール19を挟んで右側の圧延後目標に示すように、点線のごとく先端に幅不足の部分ができようとするのを、ショートストローク制御で補償して、可及的に破線に示すような矩形に近づけようとする制御を行う予定であったところ、実際には図14(b)のエッジャーロール135とワークロール19を挟んで左側に実線で示すように被圧延材長さ方向全般にわたり、予定していたよりも幅の広いものがきた、とする。そういう場合には、先述のセットアップのロジックに従えば、そのパスで目標となる幅に圧下するには、予定通りの幅のものがきた場合に比べ、被圧延材長さ方向全般にわたり、幅圧下量が結果的に大きくならざるを得ない。
また、図14(b)に実線で示すものは、単に被圧延材長さ方向全般にわたり幅が広いだけでなく、先端部分の平面形状が矩形でなくフレアー部分を有する場合が殆どである。この部分は、ショートストローク制御が予定通り行われても、矩形のものがきた場合に比べ、やはり幅圧下量が大きくなる。
エッジシームの発生しやすい先述のステンレス鋼や極低炭素鋼について、もしも、先端と尾端を除いた部分の幅圧下量を極度に小さくする、あるいは全く幅圧下しないようにすることで、エッジシーム量を小さくするように先述のセットアップロジックを構築しておくと、一見よさそうであるが、この場合、先端と尾端の部分について行われるショートストローク制御が、同部だけ局部的に幅圧下するように行われてしまうことになり、すると、被圧延材8の先端と尾端にだけ集中的にエッジシームが生じることにつながり、矩形に圧延されたとしても、後述の図1(c)に示すように、先端と尾端に生じたエッジシームを除去するために、被圧延材全長にわたってそれを除去後の幅に揃えざるを得ない。
本発明は、上記したような従来の問題を解決すべくなされたものである。すなわち、本発明は、熱間圧延における被圧延材幅の制御方法において、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材幅の長さ方向変動にならって、予め設定された一定の幅圧下量だけ、長さ方向全般にわたり、各粗圧延機に付設のエッジャーにより、幅圧下して、エッジシーム量を低減することを特徴とする、熱間圧延における被圧延材幅の制御方法である。
又、前記幅圧下に際して、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して、幅の狭い箇所は、その狭い分だけエッジャー開度を狭くし、広い箇所はその広い分だけエッジャー開度を広くするよう制御するようにしたものである。
又、前記幅圧下に際して、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して、幅の狭い箇所は、その狭い分よりさらにエッジャー開度を狭くするよう制御し、広い箇所は、逆に、その広い分よりさらにエッジャー開度を広くするよう制御するようにしたものである。
又、前記幅圧下に際して、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して、幅の狭い箇所は、目標通りに実績幅が推移した場合の予定幅、および、前記一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅を比較し、いずれか小さい側よりもさらに幅が狭い場合は幅圧下しないようにし、そうでない場合は、前記一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の幅に対し、前記予め設定された幅圧下量だけ幅圧下し、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して、幅の広い箇所はその広い分だけエッジャー開度を広くするよう制御するようにしたものである。
又、前記幅圧下に際して、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して、幅の狭い箇所は、目標通りに実績幅が推移した場合の予定幅、および、前記一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅を比較し、いずれか小さい側よりもさらに幅が狭い場合は幅圧下しないようにし、そうでない場合は、前記一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の幅に対し、前記予め設定された幅圧下量だけ幅圧下し、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して幅が広い箇所はその広い分よりさらにエッジャー開度を広くするよう制御するようにしたものである。
又、前記幅圧下に際して、エッジャー開度の増減調整に伴う荷重の変動を考慮し、幅の狭い箇所はその狭い分だけエッジャー開度を狭くするとともに、荷重増によってエッジャー開度が大きくなろうとする分を補償するため、さらにその分エッジャー開度を狭くし、幅の広い箇所はその広い分だけエッジャー開度を広くするとともに、荷重減によってエッジャー開度が小さくなろうとする分を補償するため、さらにその分エッジャー開度を広くするようにしたものである。
又、前記幅圧下に際して、被圧延材の先端の幅に代えて、中間部分の幅との差を計算し、その差に基づいて制御するようにしたものである。
本発明においては、熱間圧延における被圧延材幅の制御方法において、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材幅の長さ方向変動にならって、予め設定された幅圧下量だけ、長さ方向全般にわたり、各粗圧延機に付設のエッジャーにより、幅圧下する。
これにより、被圧延材長さ方向に局部的に幅圧下量が大きくなる箇所ができるのを防止し、エッジシーム量が大きくなるのも抑制する。
このことを模式的に図解して示したのが図1である。従来例の場合(b)、あるいは、先述のように先端と尾端を除いた部分の幅圧下量を極度に小さくする、あるいは全く圧下しないようにした比較例の場合(c)に対し、本発明の場合(a)は、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材幅の長さ方向変動をもとに、その変動分に相当する分だけ、長さ方向全般にわたり幅圧下するため、局部的に幅圧下量が大きくなる箇所ができるのを防止でき、エッジシーム量が大きくなるのも抑制できることがわかる。これにより、耳切後に製品として採取できる幅(耳切後製品幅)も本発明の方が大きく、歩留まりが高いことがわかる。
本発明によれば、熱間圧延における被圧延材の幅制御、中でも、ステンレス鋼や極低炭素鋼のような、エッジシームの発生するものの幅制御に際して、エッジシーム量を低減することができるようになるから、製品の歩留まり向上に寄与する。
本発明を図6に示した熱間圧延ライン100に適用する場合を実施形態として、以下、順を追って説明する。
圧延により製造される金属板には、熱間圧延終了後にさらに冷間圧延されるものとそうでないものとがある。需要家の要求する製品幅は、需要家からオーダを受けた段階でビジネスコンピュータ90に入力されるが、需要家の要求する製品幅は、基準値と、それを何mmまでならオーバーしてよいかの許容値によって、合格範囲を決められている。基準値を下回ってはならず、下回った場合はその需要家に納入できず、他の用途に転用せざるを得ない。下回ったのが被圧延材全長の一部だけなら、その需要家のオーダー重量範囲の下限を下回らない限度において、その下回った部分を切り捨てることで対応できるが、その場合、歩留まりロスになる。
ビジネスコンピュータ90内には、その製品が、熱間圧延終了後にさらに冷間圧延されるものであるか、熱間圧延終了後に冷間圧延を経ないで需要家に納入されるものか、の情報が、需要家からオーダを受けた段階で入力される。その中に製品幅(常温における)も含まれる。
熱間圧延終了後にさらに冷間圧延されるものであれば、冷間圧延による幅変動分を見越して熱間圧延終了後の金属板の幅の基準値が決められる。熱間圧延終了後に冷間圧延を経ないで需要家に納入されるものであれば、冷間圧延による幅変動分を見越して熱間圧延終了後の金属板の幅の基準値を決定する必要はない。がしかし、熱間圧延終了後までの被圧延材幅の制御方法は両者で共通しているため、以下、後者の場合を例に説明する。
ビジネスコンピュータ90から伝送経路Fを通じてそれら製品に関する情報を受信する、熱間圧延ライン100に付設のプロセスコンピュータ70内では、詳説しないロジックにより、需要家の要求する製品幅に対し、余幅と呼ばれる安全代(いわゆるスキッドマークによる幅変動分や、制御の誤差分を見越した値)を足し算した値を目標に、仕上圧延後の被圧延材幅を可及的にそれに近づけるよう、エッジャーを主とする(他に仕上圧延機間の張力等もある)各種アクチュエータの各種設定値を計算し、それらは制御装置50に伝送され、制御装置50からの指令を受けて各種アクチュエータが制御される。仕上圧延後の被圧延材幅の目標値としては、正確には、仕上圧延終了後の被圧延材の温度の目標値と常温との温度差による、被圧延材幅の熱膨張分だけ広めの値がプロセスコンピュータ70内で設定される。
同じく、プロセスコンピュータ70内においては、別途の詳説しないロジックにより、仕上圧延中、仕上圧延機間で被圧延材にはたらく張力によって起こる幅縮みを、ある値に設定し、仕上圧延後の被圧延材幅の目標値に足し算して、仕上圧延前すなわち粗圧延後の被圧延材幅の目標値として設定する。
図2は、仕上圧延後の被圧延材幅の目標値を基に、以上述べた各種の上乗せ分について、粗圧延後の被圧延材幅の目標値が決まるまでの、それらの関係を模式的に示したものである。
例えば、極低炭素鋼の製品幅970mm(基準値)、許容代(−側ゼロmm、+側20mm)の場合の例でいえば、余幅を15mm見越して985mmとし、さらに熱膨張分を、線膨張係数1.0×10-5(1/m/℃)×仕上圧延後の被圧延材幅の目標値0.985m×仕上圧延終了後の被圧延材の温度の目標値と常温との温度差900℃=8.865mm上乗せし、少数点以下四捨五入して994mmとし、最後に仕上圧延機間で被圧延材にはたらく張力による幅縮みを6mmと見込んで上乗せし、最終的に粗圧延後の被圧延材幅の目標値を1000mmと設定した場合の例である。
ここで、本発明の第1のポイントである、セットアップロジックについて、以下に説明する。
本発明においては、予め設定された幅圧下量だけ、長さ方向全般にわたり、各粗圧延機に付設のエッジャーにより、幅圧下する。このため、セットアップロジックを従来とは変更し、各パス後の被圧延材幅ではなくて、各パスの幅圧下量で規定するようにしている。
粗圧延後の被圧延材1本単位に、プロセスコンピュータ70内において、各粗圧延機に付設のエッジャーの各パスについて、目標とする幅圧下量を、材質、製品幅をキーとして(製品厚等、その他のキーを設けてもよい。)、同じプロセスコンピュータ70内に記憶してあるテーブル値を索引することで、例えば下表2に示すように設定する。表2中、下欄は、例えば、粗圧延後の被圧延材幅の目標値が1000mmのとき、目標(予定)通りに実績幅が推移した場合の各パス後の被圧延材幅の予定値を参考までに示したものである。参考値であるため、括弧書きしている。あくまで、幅圧下制御は上欄の各パス幅圧下量に基づいて行われる。
Figure 0004289062
充当すべきスラブは1200mmのものとし、表2の最左欄に示す通り、サイジングプレス11で125mm幅圧下して1075mmにすればよい計算になることを付記しておく。
また、表2中、E1の1パス目の幅圧下量が5mmと小さくなっているのは、E1の1パス目では、サイジングプレスによってできる微小な幅の段差(段差プレス分を除く)をならすために行っているものだからである。
各パスについて、目標とする幅圧下量を設定したら、各エッジャーパスでの幅方向の圧延後の被圧延材幅も簡単に決まるから、本発明を実施するのに用いる、幅圧下と被圧延材変形のモデルについて、以下に登場する各パラメータの幾何学的関係も含めて、図3に図解して示すが、以下に述べる設定計算ロジックにより、各エッジャーパスにおける、エッジャー開度の設定値を決める。
ただし、各パスについて、目標とする幅圧下量を設定したら、そのときの反力(荷重)を詳説しないロジックにより予測し、その荷重によりエッジャー開度が増加する分を予測計算し、それを見越したエッジャー開度を設定するようにする。
ここにおいて、各エッジャーパス後の被圧延材幅をWとすると、1つ前のエッジャーパスによる幅方向の圧延後の被圧延材幅がWi-1に相当し、各エッジャーの各パス(各エッジャーパス)について、上記表1の目標値が設定され、それに向かって各設定計算が行われる。
設定計算のタイミングは、例えば、まだ対象である被圧延材8が加熱炉10内にあり、次々抽出の番になった時、等とすればよいが、これに限るものではない。そして、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計15で実測した被圧延材幅の情報が制御装置50に伝送されたタイミング、すなわち、被圧延材8の先端が各粗圧延機に付設のエッジャーに噛み込む直前に、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計15で実測した、被圧延材先端の幅をもとに、上記表2上欄の幅圧下量に相当する分だけ、該エッジャーで幅圧下後の被圧延材先端の幅が狭めになるよう、下記(1)式におけるエッジャー開度Xを設定する。
=Wi−(ΔW+ΔW)−P/M ・・・(1)
ΔW=f(W、Hi-1、Hi、R
ΔW=g(Wi-1、W、RE、Hi-1
:エッジャー開度の設定値
W:幅圧下後水平圧延前被圧延材予定幅
i:水平圧延後被圧延材幅
ΔW:水平圧延により被圧延材が幅広がりする量(矩形幅広がり)
ΔW:エッジャーによる幅方向の圧延でできるドッグボーンが水平圧延により被圧延材が幅広がりする量
P:被圧延材を幅圧下時にエッジャーにかかる荷重によるエッジャー開度の増加分
M:エッジャーミル定数
i-1:水平圧延前板厚
i:水平圧延後板厚
E:エッジャーロール半径
:ワークロール半径
i-1:エッジャー入側被圧延材幅
ここで、Wi-1に相当するのは、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計による被圧延材先端の幅の実測結果である。図7を参照すると、今、E2の1パス目の被圧延材8の先端でのエッジャー開度を設定しようとしている場合は、E1の出側の幅計で実測した、E1の最終パスによる幅圧下後の被圧延材先端の幅の実測結果がWi-1に相当する。もしもE3(一方向にしか圧延しない)における、被圧延材8の先端でのエッジャー開度を設定しようとしている場合は、E2の出側の幅計で測定した、E2の最終パスによる幅圧下後の被圧延材先端の幅の実測結果がWi-1に相当する。同様に、E1の1パス目の被圧延材8の先端でのエッジャー開度は、サイジングプレスを一つ前の粗圧延機に見立て、サイジングプレス後の被圧延材先端の幅の実測結果が、F1エッジャーF1Eの被圧延材8の先端でのエッジャー開度を設定しようとしている場合は、E3の出側の幅の実測結果が、Wi-1に相当する。
次に、本発明の第2のポイントである、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した被圧延材幅の、長さ方向変動にならって、予め設定された幅圧下量だけ、長さ方向全般にわたり、各粗圧延機に付設のエッジャーにより、幅圧下する方法について、以下に、具体的に説明する。
一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計による被圧延材8の幅の実測結果は、図4に一例を示すような長さ方向分布をしている。これを制御装置50内で一時的に記憶し、先端の幅に対して、先端を除いた部分の幅は、被圧延材8の長さ方向にどう変動しているか、その記憶した情報に従い、以下の要領でエッジャー開度を被圧延材8の長さ方向全般にわたり、増減調整するようにリアルタイムに制御する。
エッジャー開度を増減しても、その量が直ちに被圧延材8の幅の増減に等しくなるわけではないので、本発明にいう、予め設定された幅圧下量だけ、とは以下の各実施例のいずれか、あるいはさらにその要旨を逸脱しない範囲内での改善を加えたもの、のロジックによるものとする。
一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して、幅の狭い箇所は、その狭い分だけエッジャー開度を狭くし、広い箇所はその広い分だけエッジャー開度を広くするよう、エッジャー開度を被圧延材8の長さ方向全般にわたり、増減調整するようにリアルタイムに制御する。
一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して、幅の狭い箇所は、その狭い分に対して、幅圧下効率(図3の例で示せば、(Wi-1−Wi)/(Wi-1−WE))を考慮して、例えば1.1倍だけエッジャー開度を狭く、すなわちエッジャー開度を狭くする分が多めになるように、幅の広い箇所は逆に、その広い分に対して、1.1分の1倍になるように、エッジャー開度を広く、すなわちエッジャー開度を広くする分が少なめになるように、エッジャー開度を被圧延材8の長さ方向全般にわたり、増減調整するようにリアルタイムに制御する。
幅圧下効率とは、幅圧下してもドッグボーンができていたりすると、つづく水平圧延により、その分幅が広がってしまったり、水平圧延自体にも幅が広がろうとする作用があるため、幅圧下した量に対して、水平圧延後に実質的にどれだけ幅を狭くできたか、その比率のことを指すものであるが、本実施例は、幅圧下した量に対して、実質的に幅を狭くできる量は小さいから、その分を見越して多めあるいは少なめに幅圧下する、というものである。
一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して、幅の狭い箇所は、先述の表2の下の行に示した予定幅、および、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅と比較し、いずれか小さい側よりもさらに幅が狭い場合は幅圧下しないようにし、そうでない場合は、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の幅に対し、表2の上の行に示した予め設定された幅圧下量だけ幅圧下し、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して、幅の広い箇所は、その広い分だけエッジャー開度を広くするよう、エッジャー開度を被圧延材8の長さ方向全般にわたり、増減調整するようにリアルタイムに制御する。幅の狭い箇所は幅圧下量を小さくするのがエッジシーム量低減に好ましいため、そのようにするものである。
一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して、幅の狭い箇所は、先述の表2の下の行に示した予定幅、および、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅と比較し、いずれか小さい側よりもさらに幅が狭い場合は幅圧下しないようにし、そうでない場合は、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の幅に対し、表2の上の行に示した予め設定された幅圧下量だけ幅圧下し、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して、幅の広い箇所は、その広い分に対して、1.1分の1倍になるように、エッジャー開度を広く、すなわちエッジャー開度を広くする分が少なめになるように、エッジャー開度を被圧延材8の長さ方向全般にわたり、増減調整するようにリアルタイムに制御する。実施例2と実施例3の組み合わせである。
実施例1から実施例4のいずれかにおいて、エッジャー開度の増減調整に伴う荷重の変動を考慮し、幅の狭い箇所はその狭い分だけエッジャー開度を狭くするとともに、荷重増によってエッジャー開度が大きくなろうとする分を補償するため、さらにその分エッジャー開度を狭くし、幅の広い箇所はその広い分だけエッジャー開度を広くするとともに、荷重減によってエッジャー開度が小さくなろうとする分を補償するため、さらにその分エッジャー開度を広くする。
実施例1から実施例5のいずれかにおいて、被圧延材8の先端の幅に代えて、中間部分の幅との差を計算し、その差に基づいて被圧延材長さ方向の幅変動を求め、それに基づいて、エッジャー開度を被圧延材8の長さ方向全般にわたり、増減調整するようにリアルタイムに制御する。
中間部分の幅とは、被圧延材8の十分に中間の箇所すなわち、先端や尾端の局部的な幅狭や幅広がりが起こらないある箇所でもって代表させ、例えば、被圧延材8がサイジングプレスすらもまだされないスラブの段階での、被圧延材8の先端から尾端側に向かって1.5mのポイントとする。先端の幅の検出結果には誤差が生じる場合もあるため、それに対応するための予備的な機能である。
以上、各種の実施例を説明したが、被圧延材8に対するエッジャー開度を最先端から長さ方向に調整していくに際して、被圧延材8の長さ方向の搬送のトラッキングは、次のようにして行う。
プロセスコンピュータ70にオペレータにより手入力あるいはグラインダから自動入力されるエッジャーロール直径に円周率を掛け、さらに、エッジャーロールによる被圧延材8の最先端噛み込みによる荷重の起立タイミングを起点とするエッジャーロールの延べ回転数(微小角度回転ごとにパルスを発するパルスジェネレータやロータリーエンコーダ等の回転検出センサをエッジャーロール軸に取り付け、制御装置50でパルス数をカウントすることで可能)を掛け算することで行う。
あとは、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計により、実測した被圧延材8の幅の、長さ方向の変動をもとに、先端の幅あるいは中間部分の幅に対する偏差と、被圧延材の長さ方向のどこを幅圧下しているのか、のトラッキング情報と、に従い、実施例1から実施例6他の適宜な幅圧下量に相当する分だけ、エッジャー開度を被圧延材8の長さ方向全般にわたり、増減調整するようにリアルタイムに制御する。
あるいは、被圧延材の長さ方向のどこを幅圧下しているのか、のトラッキングは、次のようにして行ってもよい。
スラブ段階で実貫した被圧延材重量を図示しない秤量計で実測した値がプロセスコンピュータ70に自動送信され、それを比重(材質をキーに、プロセスコンピュータ70内のテーブル値を索引する)で割り算して体積を求め、体積熱膨張係数(材質をキーに、プロセスコンピュータ70内のテーブル値を索引する)と各パスでの温度予測値(詳説しない予測計算ロジックによる)の常温との差を掛け算したものを、各粗圧延機の各パスの出側での被圧延材幅、被圧延材厚の設定値(予定値)でそれぞれ割り算して被圧延材長を求める(被圧延材幅、被圧延材厚は設定値通りに実際になるものと想定する)。
エッジャーロールによる被圧延材8の最先端噛み込みによる荷重の起立タイミングを起点とするエッジャーロールの延べ回転数(微小角度回転ごとにパルスを発するパルスジェネレータやロータリーエンコーダ等の回転検出センサをエッジャーロール軸に取り付け、制御装置50でパルス数をカウントすることで可能)を掛け算したもので、被圧延材の長さ方向の該当する位置に対して、実施例1から実施例6他の適宜な幅圧下量に相当する分だけ、エッジャー開度を被圧延材8の長さ方向全般にわたり、増減調整するようにリアルタイムに制御する。
さらに、レーザ板速計にてトラッキングを行う方法もある。
(実施結果)
本発明(実施例4〜6全部)を実施した結果、図5に示すようになった。従来に比べ、本発明を適用した場合は、エッジシーム量が低減できていることがわかる。
以上の通りであるが、本発明は、E1の1パス目でサイジングプレスの出側の幅計での実測結果に基づき、E2の1パス目でE1の出側の幅計での実測結果に基づき、E3でE2の出側の幅計での実測結果に基づき、F1エッジャーでE3の出側の幅計での実測結果に基づき、という具合に行うことができるが、これら全てを行っても、一部だけ行っても良い。
本発明は、熱間圧延における被圧延材幅の制御に用いることができる。
本発明の作用を模式的に図解して示した図 目標幅の決定の仕組について図解した図 本発明を実施するのに用いる、幅圧下と被圧延材変形のモデルについて図解した図 被圧延材幅の長さ方向分布の実測結果の一例を示した図 本発明の効果を示した図 本発明の適用される熱間圧延ラインの概要を示した図 本発明の適用される熱間圧延ラインを、粗圧延機のゾーンについて拡大して示した図 従来の被圧延材幅の制御によって、被圧延材8の先端と尾端にできる、局部的な幅不足な部分B’やC’の様子を示した図 従来の被圧延材幅の制御によって、被圧延材8の先端と尾端にできる、局部的な幅の広い部分B、Cの様子を示した図 粗圧延で被圧延材にできるドッグボーンの様子を示した図 ショートストローク制御の方法を示した図 被圧延材に生ずるエッジシームの様子とエッジシーム量の定義につて図解して示した図 エッジシームのできる様子を示した図 従来技術の問題について図解して示した図
符号の説明
8…被圧延材
10…加熱炉
12…粗圧延機
125…デスケーリングヘッダー
13…エッジャー
135…エッジャーロール
14…クロップシャ
15…幅計
16…デスケーリング装置
18…仕上圧延機
19…ワークロール
22…冷却ゾーン
24…コイラー
50…制御装置
70…プロセスコンピュータ
90…ビジネスコンピュータ
100…熱間圧延ライン
A…搬送方向
B、C…フレアー
B’、C’ …幅狭
D…ドッグボーン
E…エッジャー軌跡
ES、ESS、ESD…エッジシーム
F…伝送経路

Claims (7)

  1. 熱間圧延における被圧延材幅の制御方法において、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材幅の長さ方向変動にならって、予め設定された一定の幅圧下量だけ、長さ方向全般にわたり、各粗圧延機に付設のエッジャーにより、幅圧下して、エッジシーム量を低減することを特徴とする、熱間圧延における被圧延材幅の制御方法。
  2. 熱間圧延における被圧延材幅の制御方法において、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材幅の長さ方向変動にならって、予め設定された幅圧下量だけ、長さ方向全般にわたり、各粗圧延機に付設のエッジャーにより、幅圧下する際に、
    つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して、幅の狭い箇所は、その狭い分だけエッジャー開度を狭くし、広い箇所はその広い分だけエッジャー開度を広くするよう制御することを特徴とする、熱間圧延における被圧延材幅の制御方法。
  3. 熱間圧延における被圧延材幅の制御方法において、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材幅の長さ方向変動にならって、予め設定された幅圧下量だけ、長さ方向全般にわたり、各粗圧延機に付設のエッジャーにより、幅圧下する際に、
    つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して、幅の狭い箇所は、その狭い分よりさらにエッジャー開度を狭くするよう制御し、広い箇所は、逆に、その広い分よりさらにエッジャー開度を広くするよう制御することを特徴とする、熱間圧延における被圧延材幅の制御方法。
  4. 熱間圧延における被圧延材幅の制御方法において、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材幅の長さ方向変動にならって、予め設定された幅圧下量だけ、長さ方向全般にわたり、各粗圧延機に付設のエッジャーにより、幅圧下する際に、
    つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して、幅の狭い箇所は、目標通りに実績幅が推移した場合の予定幅、および、前記一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅を比較し、いずれか小さい側よりもさらに幅が狭い場合は幅圧下しないようにし、そうでない場合は、前記一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の幅に対し、前記予め設定された幅圧下量だけ幅圧下し、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して、幅の広い箇所は、その広い分だけエッジャー開度を広くするよう制御することを特徴とする、熱間圧延における被圧延材幅の制御方法。
  5. 熱間圧延における被圧延材幅の制御方法において、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材幅の長さ方向変動にならって、予め設定された幅圧下量だけ、長さ方向全般にわたり、各粗圧延機に付設のエッジャーにより、幅圧下する際に、
    つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して、幅の狭い箇所は、目標通りに実績幅が推移した場合の予定幅、および、前記一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅を比較し、いずれか小さい側よりもさらに幅が狭い場合は幅圧下しないようにし、そうでない場合は、前記一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の幅に対し、前記予め設定された幅圧下量だけ幅圧下し、一つ前の粗圧延機出側に設置されている幅計で実測した、被圧延材の先端の幅に対して幅が広い箇所は、その広い分よりさらにエッジャー開度を広くするよう制御することを特徴とする、熱間圧延における被圧延材幅の制御方法。
  6. 前記幅圧下に際して、エッジャー開度の増減調整に伴う荷重の変動を考慮し、幅の狭い箇所はその狭い分だけエッジャー開度を狭くするとともに、荷重増によってエッジャー開度が大きくなろうとする分を補償するため、さらにその分エッジャー開度を狭くし、幅の広い箇所はその広い分だけエッジャー開度を広くするとともに、荷重減によってエッジャー開度が小さくなろうとする分を補償するため、さらにその分エッジャー開度を広くすることを特徴とする、請求項2乃至5のいずれかに記載の熱間圧延における被圧延材幅の制御方法。
  7. 前記幅圧下に際して、被圧延材の先端の幅に代えて、中間部分の幅との差を計算し、その差に基づいて制御することを特徴とする、請求項2乃至6のいずれかに記載の熱間圧延における被圧延材幅の制御方法。
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