JPH09295020A - 連続式タンデム圧延機の走間板厚変更方法 - Google Patents

連続式タンデム圧延機の走間板厚変更方法

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JPH09295020A
JPH09295020A JP8109057A JP10905796A JPH09295020A JP H09295020 A JPH09295020 A JP H09295020A JP 8109057 A JP8109057 A JP 8109057A JP 10905796 A JP10905796 A JP 10905796A JP H09295020 A JPH09295020 A JP H09295020A
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stand
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rolling mill
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JP8109057A
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English (en)
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Hideo Kijima
秀夫 木島
Kazuhito Kenmochi
一仁 剣持
Moriyuki Miyahara
盛行 宮原
Yasumichi Sunamori
泰理 砂盛
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続式タンデム圧延機における走間板厚変更
の際のオフゲージ長さを減少する。 【解決手段】 先行材の圧延機入側の設定板厚hI0及び
最終第5スタンド出側の設定板厚hI5が、後行材の圧延
機入側及び最終第5スタンド出側における板厚公差に対
応する範囲内の板厚であるか否かを各々判別し、一つで
も範囲外にあれば、全スタンドにおいて、走間板厚変更
(FGC)制御により、圧延モデルを用いてセットアッ
プ計算した圧下位置及びロール速度の変更を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板厚変更点の通過
に伴い、例えばセットアップで圧延モデルにより計算し
た圧下位置及びロール速度の変更を行う走間板厚変更
(Flying GageChange :FGC)制御又は、自動
板厚制御(Automatic Gage Control:AGC)の
目標板厚のみの変更を行うようにした連続式タンデム圧
延機の走間板厚変更方法に係り、特に、先行材の後端と
後行材の先端と接合して、連続的に圧延する完全連続式
タンデム圧延機に用いるのに好適な、板厚が目標範囲か
ら外れたオフゲシージ部分を減少させることが可能な完
全連続式タンデム圧延機の走間板厚変更方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱間圧延ラインにおいては、加熱
炉から抽出した鋼片を、一本ずつ粗圧延機で数パス圧延
した後、仕上げ圧延機で所定の寸法に圧延していたが、
このような圧延方法は、仕上げ圧延機における圧延材の
噛み込み不良や尻抜け不良によるラインの停止が避けら
れず、又、圧延材の先・後端の形状不良に起因した歩留
りの低下を招く不利があった。
【0003】このため最近では、仕上げ圧延機における
圧延材の噛み込み、尻抜け時の不安定要因を排除し、生
産性や歩留りを向上するべく、同一又は異なった寸法の
シートバーを接合し、連続して圧延する完全連続式の圧
延方法が採用されるようになってきた。
【0004】このような完全連続式のタンデム圧延機に
おいて、圧延機を止めることなく板厚を変更する方法に
は、次の2つの方法がある。
【0005】1つは、前記FGC制御であり、板厚変更
点が各スタンドを通過する際に、セットアップで圧延モ
デルにより算出した圧下位置とロール速度に変更すると
共に、所定のタイミングで、各スタンドのAGCの目標
板厚を変更する方法である。
【0006】もう一つは、所定のタイミングで、AGC
の目標板厚のみを変更する方法である。
【0007】従来は、板厚を変更する場合、各スタンド
における出側目標板厚や圧下位置やロール速度の変化量
のいずれか一つでも、それぞれの所定の基準値を越える
と、前記FGC制御で板厚を変更し、各スタンドにおけ
る出側目標板厚や圧下位置やロール速度の変化量が、全
て、それぞれの所定の基準値の範囲内にある場合には、
前記AGCの目標板厚のみを変更していた。
【0008】図1は、走間板厚変更が行われる、例えば
4段ミル5スタンドの連続式冷間タンデム圧延機であ
る。図1において、11A〜11Eはワークロール、1
2A〜12Eは、該ワークロール11A〜11Eを補強
するバックアップロール、13A〜13Eは、前記ワー
クロール11A〜11Eの圧下位置を変えるための圧下
装置、14A〜14Eは、前記ワークロール11A〜1
1Eを駆動するロール駆動モータ、15A及び15E
は、それぞれ第1スタンド及び第5スタンド出側の板厚
を検出する板厚計である。
【0009】図1において、被圧延材10は、図中の左
方から右方に向って移動し、溶接点において、先行材の
板厚スケジュールIから後行材の板厚スケジュールIIに
変更するものとする。又、AGCの例として、第1スタ
ンド出側に設置された板厚計15A及び第5スタンド出
側に設置された板厚計15Eにより、これらスタンドの
出側板厚を測定し、該測定板厚とスタンド出側目標板厚
の偏差に基づき、第1スタンドであれば第1スタンドの
圧下装置13Aによりその圧下位置を変更し、第5スタ
ンドであれば第4スタンドのロール駆動モータ14Dに
よりそのロール速度を変更する、モニタAGCを第1ス
タンドと第5スタンドに使用している。
【0010】図1のような連続式冷間タンデム圧延機に
おいて、走間板厚変更を行う際には、図2に示す如く、
まず、溶接点が圧延機から十分手前の位置にある時点
で、セットアップ計算が行われる(ステップ100)。
このセットアップ計算では、スケジュールIとスケジュ
ールIIの板厚スケジュールから、各スタンドの圧延荷重
及び先進率を予測し、過渡時の圧下位置変更量ΔSTi及
びロール速度変更量ΔVTi、スケジュールIIの圧下位置
変更量ΔSIIi 及びロール速度変更量ΔVIIi を計算す
る。計算方法は、例えば特開昭60−227913号公
報等に詳しい記載がある。
【0011】セットアップ計算が終了すると、この計算
結果を基に、FGC制御のオンオフが判定される(ステ
ップ110)。従来、ここでは、各スタンドの圧下位置
変更量ΔSTi、圧延機入側設定(目標)板厚変化量及び
最終第5スタンド出側設定(目標)板厚の変化量に一定
値の基準を設け、各項目の一つでも基準値を越えると、
FGC制御オンと判定されていた。
【0012】例えばステップ110でFGC制御がオン
と判定されると、該判定結果が出力され(ステップ12
0)、図3の上段に示す如く、溶接点が第1スタンド入
側数m手前の時点t1 で第1スタンドAGCがオフとな
る。次いで、溶接点が第1スタンドに到達した時点t2
で、FGC制御により第1スタンド圧下位置がΔST1、
ロール速度がΔVT1変更され、同時に、第1スタンドA
GCの目標板厚が、先行材の値(スケジュールI)から
後行材の値(スケジュールII)に変更される。次いで、
溶接点が第1スタンド出側板厚計15Aに到達した時点
t3 で、第1スタンドAGCがオンとなり、再び制御を
開始する。次いで、溶接点が第2スタンドに到達した時
点t4 で、第1スタンドの圧下位置がΔSII1 、ロール
速度がΔVII1 変更され、同時に第2スタンドの圧下位
置がΔST2、ロール速度がΔVT2変更される。
【0013】以後、第3スタンド以降も同様の操作がな
され、第5スタンドAGCについても、時点t6 〜t8
で、第1スタンドAGCと同様の操作がなされる。
【0014】一方、ステップ110でFGC制御がオフ
と判定されると、該判定結果が出力され(ステップ12
0)、図3の下段に示す如く、溶接点が各スタンドを通
過しても、セットアップ計算に基づく圧下位置やロール
速度の変更は行われず、第1スタンド及び第5スタンド
のモニタAGCもオンのままとされ、溶接点が各スタン
ド出側の板厚計に到達した時点t11、t12で、各AGC
の出側設定板厚が、先行材の値(スケジュールI )から
後行材の値(スケジュールII)に変更される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように、先行材を基準として、例えば出側板厚変化量に
基づく基準範囲内に後行材の出側設定板厚が入っている
かどうかで、FGC制御を行うか否かを判定すると、次
のような問題点があった。
【0016】即ち、圧延された鋼板の圧延機出側目標値
には、公差と呼ばれる偏差の許容範囲があり、圧延され
た鋼板が、要求された板厚精度を有しているか否かも、
目標値に公差を加えた範囲で判断される。この公差は、
鋼種や需要家により異なるため、従来のようにFGC制
御のオン/オフを一定値のリミットで判定すると、後行
材の公差が小さい場合には、FGC制御をオフとした直
後の圧延機出側板厚が公差内に入らないことがあり、
又、後行材の公差が大きい場合には、FGC制御をする
必要がないにも拘らず、FGC制御をしてしまい、その
セットアップ計算から生じる誤差により歩留りが低下す
るという問題点を有していた。
【0017】即ち、図4に示すようなケースでは、後行
材の設定板厚hIIが、先行材の設定板厚hI に対してF
GC制御のオフ範囲に入っているため、FGC制御によ
る変更は行われず、AGCのみで板厚が変更される。し
かしながら、先行材の設定板厚hI は、後行材の板厚公
差範囲hIIU 〜hIIL 内に入っていないので、後行材の
先端部はオフゲージとなる。一方、このような問題点を
解消するべくFGC制御のオフ範囲を狭めてしまうと、
図5に示す如く、先行材の設定板厚hI が後行材の板厚
公差範囲hIIU 〜hIIL 内にあるにも拘らず、FGC制
御を行ってしまい、そのセットアップ計算から生じる誤
差等により先端部がオフゲーシとなる可能性がある。
【0018】本発明は、前記従来の問題点を解消するべ
くなされたもので、FGC制御のオンオフを後行材の板
厚公差により判定することで、本来の必要な板厚精度を
確保して、歩留りを向上することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、板厚変更点の
通過に伴い、圧延モデルにより計算した圧下位置及びロ
ール速度の変更を行うFGC制御、又は、AGCの目標
板厚のみの変更を行うようにした連続式タンデム圧延機
の走間板厚変更方法において、スタンド毎に、先行材の
板厚スケジュールが、後行材の板厚スケジュールの公差
範囲内に入っているか判別し、一つでも範囲外にあれ
ば、圧延モデルにより計算した圧下位置及びロール速度
の変更を行うFGC制御を行うようにして、前記課題を
解決したものである。
【0020】又、圧延機入側板厚と最終スタンド出側板
厚のみを判定基準とし、どちらかあるいは双方が公差範
囲外であれば、全スタンドで圧延モデルにより計算した
圧下位置及びロール速度の変更を行うFGC制御を行う
ようにしたものである。
【0021】即ち、FGC制御では、セットアップ計算
における誤差によって、時には圧下位置やロール速度の
変更の増減を誤ってしまい、板厚を増加させるべきとこ
ろを減少させたり、板厚を減少させるべきところを増加
させたりして、板厚を反対方向に変更してしまうことが
あるが、このようなことが発生する確率は小さく、発明
者等が調査したところ、板厚を反対方向に変更してしま
う確率は5%未満であることが判明した。
【0022】FGC制御により板厚を正しい方向に変更
する際の板厚の変化は、本来、板厚を一定値に制御する
ために行われているAGCの目標板厚のみを変更する方
法に比べて、圧下位置及びロール速度を迅速に最適値に
変更できるため、出側板厚が後行材の目標板厚に近づく
のが早い。
【0023】一方、AGCの目標板厚のみを変更する方
法では、先行材の目標板厚から後行材の目標板厚に設定
値を変更するだけであるので、FGC制御のように板厚
を反対方向に変更してしまうことはないが、AGCは、
本来、板厚を一定値に維持するための制御であるため、
FGC制御による板厚の変更に比べて、出側板厚が後行
材の目標板厚に近づくのは遅い。
【0024】以下、従来法と本発明法のオフゲージ長さ
を、例えば先行材の板厚が厚く、後行材の板厚が薄い場
合について比較して示す。
【0025】ケース1、2は、従来法と本発明法のオフ
ゲージ長さが同じ場合、ケース3、4は、本発明のオフ
ゲージ長さが従来法に比較して短い場合であり、本発明
が優れていることを示す。
【0026】図6に示すケース1は、従来法並びに本発
明法共に、FGC制御で板厚を変更する場合である。従
来法では、後行材の出側設定板厚hIIが、従来の先行材
の出側設定板厚hI の基準変化量に基づく基準上限板厚
h1Uと基準下限板厚h1Lの範囲外にあるので、FGC制
御で板厚を変更する。又、本発明法でも、先行材の出側
設定板厚hI が、後行材の出側設定板厚hIIの公差上限
板厚hIIU と公差下限板厚hILの範囲外にあるので、F
GC制御で板厚を変更する。
【0027】FGC制御では、発生する確率は小さいも
のの、セットアップ計算における誤差によって、図6中
に曲線Aで示す如く、板厚を反対方向に変更してしまう
ことがある。この場合、板厚が一旦、点Bまで逆方向に
増大した後、正常な減小方向への制御が開始され、板厚
が後行材の目標板厚hIIに近づくので、板厚が後行材の
公差上限板厚hIIU に到達するまでのオフゲージ長さは
Laとなる。
【0028】一方、発生する確率が高い、板厚を正しい
方向に変更する場合には、図6中の曲線Cに示す如く、
出側板厚が後行材の目標板厚hIIに近づくのが早く、オ
フゲージ長さはほぼゼロと見做せる。
【0029】従って、従来法並びに本発明法共に、FG
C制御で板厚を変更するので、オフゲージ長さは同じと
なる。
【0030】一方、図7に示すケース2は、従来法並び
に本発明法共にAGCのみで板厚を変更する場合であ
る。即ち、従来法では、後行材の出側設定板厚hIIが、
先行材の出側設定板厚hI に対する基準上限板厚hIUと
基準下限板厚hILの範囲内にあるので、AGCのみで板
厚を変更する。又、本発明でも、先行材の出側設定板厚
hI が、後行材の出側設定板厚hIIの公差上限板厚hII
U と公差下限板厚hIILの範囲内にあるので、AGCの
みで板厚を変更する。
【0031】このAGCの目標板厚のみを変更する方法
では、先行材の設定板厚hI から後行材の設定板厚hII
に設定値を変更するだけであるので、板厚を反対方向に
変更してしまうことはなく、図7中の曲線Dで示す如
く、先行材の出側設定板厚hIが、後行材の出側設定板
厚hIIの公差上限板厚hIIU と公差下限板厚hIIL の範
囲内にあるので、従来法と本発明法のオフゲージ長さ
は、共にゼロとなる。
【0032】又、図8に示すケース3の場合、従来法で
は、後行材の出側設定板厚hIIが、先行材の出側設定板
厚hI に対する所定の基準上限板厚hIUと基準下限板厚
hILの範囲内にあるので、AGCのみで板厚を変更す
る。このAGCの目標板厚を変更する方法では、先行材
の出側設定板厚hI から後行材の出側設定板厚hIIに設
定値を変更するだけであるので、板厚を反対方向に変更
してしまうことはなく、図8中の曲線Eに示す如く、先
行材の出側設定板厚hI から後行材の出側設定板厚hII
に向って単調に近づき、後行材の公差上限板厚hIIU に
到達するまでの長さLeがオフゲージ長さとなる。
【0033】一方、本発明法では、先行材の出側設定板
厚hI が、後行材の出側設定板厚hIIの公差上限板厚h
IIU と公差下限板厚hIIL の範囲外にあるので、FGC
制御で板厚を変更する。このFGC制御では、発生する
確率が小さいものの、セットアップ計算における誤差に
よって、図8中の曲線Fで示す如く、板厚を反対方向に
変更してしまうことがあるため、ケース1と同様に、点
Gまで一旦、逆方向に板厚が増大した後、板厚が減少し
て後行材の出側設定板厚hIIに近づき、板厚が公差上限
板厚hIIU に到達するまでの長さLfがオフゲージ長さ
となる。このオフゲージ長さLfは、従来法のオフゲー
ジ長さLeよりも大きく、本発明者等の調査によると、
概ね3倍の長さであることが分った。一方、発生する確
率が高い、板厚を正しい方向に変更する場合には、ケー
ス1と同様に、図8中の曲線Hで示す如く、板厚が後行
材の出側設定板厚hIIに近づくのが早く、オフゲージ長
さがゼロと見做せる。
【0034】そこで、従来法と本発明法のオフゲージの
長さを比較すると、例えば、板厚変更を100回行った
場合、従来法のオフゲージ長さは、合計で、 100×La(m) であり、本発明法のオフゲージ長さは、最大でも、合計
で、 100×(0×0.95+3×La×0.05)=15
×La(m) となり、本発明法のオフゲージ長さの方が短いことがわ
かる。
【0035】次に、図9に示すケース4の場合、従来法
では、後行材の出側設定板厚hIIが、先行材の出側設定
板厚hI に対する所定の基準上限板厚hIUと基準下限板
厚hILの範囲外にあるので、FGC制御で板厚を変更す
る。このFGC制御では、発生する確率は小さいもの
の、セットアップ計算における誤差によって板厚を反対
方向に変更してしまうことがあるため、図9中の曲線I
で示す如く、ケース1と同様に、一旦、点Jまで板厚が
逆方向に増大した後、板厚が減少して、後行材の出側設
定板厚hIIに近づき、板厚が公差上限板厚hIIU に到達
するまでの長さLiがオフゲーシの長さとなる。一方、
発生する確率が高い、板厚を正しい方向に変更する場合
は、図9中の曲線Kに示す如く、板厚が先行材の出側設
定板厚hIから後行材の出側設定板厚hIIに、公差上限
板厚hIIU と公差下限板厚hIIL の範囲内で近づくの
で、オフゲージ長さはゼロである。
【0036】これに対して、本発明法では、先行材の出
側設定板厚hI が、後行材の出側設定板厚hIIの公差上
限板厚hIIU と公差下限板厚hIIL の範囲内にあるの
で、AGCのみで板厚を変更する。このAGCの目標板
厚のみを変更する方法では、先行材の出側設定板厚hI
から後行材の出側設定板厚hIIに設定値を変更するだけ
であるので、板厚を反対方向に変更してしまうことはな
く、図中の曲線Lに示す如く、先行材の出側設定板厚h
I から後行材の出側設定板厚hIIに向って、単調に公差
上限板厚hIIU と公差下限板厚hIIL の範囲内で近づく
ので、オフゲージ長さはゼロである。
【0037】即ち、従来法と本発明法のオフゲージ長さ
を比較すると、従来法では、発生する確率は小さいが、
オフゲージ長さLiとなることがあるのに対して、本発
明では、オフゲージ長さはゼロであり、本発明のオフゲ
ージ長さの方が短い。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図1と同様の4段ミル5ス
タンドの連続式冷間タンデム圧延機に適用した場合を例
にとって、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0039】本実施形態における処理手順は図10に示
す如くであり、図2に示した従来法と同様のセットアッ
プ計算(ステップ100)に続く、FGC制御のオンオ
フ判定手順(ステップ210)が、従来法とは異なる。
他の点に関しては、従来法と同様である。
【0040】本発明では、図10に示す如く、ステップ
100のセットアップ計算が終了した後、ステップ21
0のFGC制御オンオフ判定手順により、先行材の板厚
スケジュールが、後行材の板厚スケジュールの公差範囲
内に入っているか否かを判定する。
【0041】即ち、まず、後行材の最終第5スタンド出
側の板厚公差hIIU5、hIIL5、圧延機入側の設定板厚h
II0 及び各スタンド出側の設定板厚hIIi (i =1〜
5)から、次式により、圧延機入側及び各スタンド出側
での、板厚公差に対応する範囲hIIUi、hIILiを計算す
る。
【0042】 hIIUi=(hIIi /hII5 )hIIU5 …(1) hIILi=(hIIi /hII5 )hIIL5 …(2) ここで、hIIUi:後行材第iスタンド板厚公差上限相当 hIILi:後行材第iスタンド板厚公差下限相当(i=0
〜4、i=0は圧延機入側を示す) hIIi :後行材第iスタンド出側設定板厚(i=0〜
5、i=0は圧延機入側を示す) hIIU5:後行材圧延機出側板厚公差上限 hIIL5:後行材圧延機出側板厚公差下限
【0043】次いで、次式に示す如く、スタンド毎に、
先行材の各スタンド出側の設定板厚hIi(i=0〜5、
i=0は圧延機入側を示す)が、(1)、(2)式で算
出された、後行材の各スタンド出側の板厚公差hIILi、
hIIUiに対応する範囲内か否かを判定する。
【0044】hIILi≦hIi≦hIIUi …(3)
【0045】そして、全スタンド共(3)式を満す場合
には、FGC制御をオフとして、AGCの目標板厚の変
更のみを行う。一方、一つでも(3)式を満たさないス
タンドがある場合には、全スタンドのFGC制御をオン
とする。
【0046】ステップ210による判定後、溶接点が圧
延機を通過する際の操作は、従来技術と同様であるの
で、説明を省略する。
【0047】本実施形態では、(3)式による判定対象
を、全スタンドに対して行っていたが、発明者等の調査
によると、圧延機入側(i=0)と最終スタンド(i=
5)のみとしても、全スタンドを判定対象とした場合と
判定結果が相違ないので、これらの2つのみを判定対象
として、判定を簡略化することも可能である。
【0048】なお、以上の説明では、本発明が、4段ミ
ルが5スタンド配置された冷間タンデム圧延機に適用さ
れていたが、本発明の適用対象は、これに限定されず、
スタンド数に関して言えば、4スタンド、6スタンド、
7スタンド等、任意スタンド数の圧延機に適用できる。
又、圧延スタンドの段数も4段に限定されず、2段、6
段、12段、20段等でもよい。更には、冷間圧延機だ
けでなく、熱間圧延機にも同様に適用できる。
【0049】
【実施例】図1に示した4段ミル5スタンドの連続式冷
間タンデム圧延機において、先行材の板厚スケジュール
を4.0mm→2.0mm、後行材の圧延スケジュール
を4.0mm→1.95mmとして、低炭素鋼板を圧延
した第1実施例における、溶接点前後の第5スタンド出
側板厚を、図11に示す従来法と比較して図12に示
す。後行材の板厚公差は+20μm〜−20μmであ
り、図中に破線で示している。なお、従来法におけるF
GC制御オンオフ判定範囲は、±60μmである。
【0050】図11から明らかなように、従来法ではF
GC制御を行わず、AGCの目標値変更のみを行うた
め、後行材先端部で、先行材と後行材の設定板厚差に相
当する50μmの板厚偏差を生じ、オフゲージとなって
いる。一方、本発明法によれば、図12から明らかなよ
うに、先行材の出側設定板厚が後行材の板厚公差範囲内
にないことから、FGC制御を行い、後行材先端部から
オフゲージがなくなっている。
【0051】次に、図1に示した4段ミル5スタンドの
連続式冷間タンデム圧延機において、低炭素鋼板を圧延
した場合の第2実施例を説明する。この第2実施例で
は、圧延機入側板厚4.0〜2.0mm、出側板厚2.
0〜0.5mm、板幅700〜1800mmの被圧延材
を圧延し、本発明法によるものと従来法によるものの、
板厚公差内に収まった長さによる製品歩留りを比較した
ところ、本発明法では、97%であったのが、従来法で
は、91%であり、本発明法の方が従来法に比べて歩留
りが良いことが確認できた。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、先行材ではなく後行材
の板厚公差に基づいた走間での板厚変更が可能となり、
オフゲージ長さを削減して、製品歩留りを著しく向上す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象の一例である、4段ミル5ス
タンドの連続式冷間タンデム圧延機の構成を示す正面図
【図2】従来の走間板厚変更におけるセットアップ計算
及びFGC制御のオンオフ判定処理を示す流れ図
【図3】従来法におけるFGC制御がオンである時とオ
フである時の信号の状態を比較して示すタイムチャート
【図4】従来の問題点を説明するための、先行材の設定
板厚が後行材の設定板厚公差範囲内に入っていない状態
を示す線図
【図5】同じく、FGC制御をオフとする基準値の範囲
を狭めた状態を示す線図
【図6】本発明の原理を説明するための、従来法、本発
明法共に、FGC制御で板厚を変更しているケース1を
示す線図
【図7】同じく、従来法、本発明法共に、AGCの目標
板厚の変更のみにより板厚を変更しているケース2を示
す線図
【図8】同じく、従来法ではAGCの目標板厚の変更の
みにより、本発明法ではFGC制御により、板厚を変更
している状態を示す線図
【図9】同じく、従来法ではFGC制御により、本発明
法ではAGCの目標板厚の変更のみにより、板厚を変更
しているケース4を示す線図
【図10】本発明の実施形態における、セットアップ計
算及びFGC制御のオンオフ判定処理を示す流れ図
【図11】従来法における制御結果を示す線図
【図12】本発明の第1実施例における制御結果を示す
線図
【符号の説明】
10…被圧延材 11A〜11E…ワークロール 13A〜13E…圧下装置 14A〜14E…ロール駆動モータ 15A〜15E…板厚計
フロントページの続き (72)発明者 宮原 盛行 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 砂盛 泰理 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板厚変更点の通過に伴い、圧延モデルによ
    り計算した圧下位置及びロール速度の変更を行う走間板
    厚変更制御、又は、自動板厚制御の目標板厚のみの変更
    を行うようにした連続式タンデム圧延機の走間板厚変更
    方法において、 スタンド毎に、先行材の板厚スケジュールが、後行材の
    板厚スケジュールの公差範囲内に入っているか判別し、 一つでも範囲外にあれば、圧延モデルにより計算した圧
    下位置及びロール速度の変更を行う走間板厚変更制御を
    行うことを特徴とする連続式タンデム圧延機の走間板厚
    変更方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、圧延機入側板厚と最終
    スタンド出側板厚のみを判定基準とし、どちらかあるい
    は双方が公差範囲外であれば、全スタンドで圧延モデル
    により計算した圧下位置及びロール速度の変更を行う走
    間板厚変更制御を行うことを特徴とする連続式タンデム
    圧延機の走間板厚変更方法。
JP8109057A 1996-04-30 1996-04-30 連続式タンデム圧延機の走間板厚変更方法 Pending JPH09295020A (ja)

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