JPH0615318A - 冷間圧延機の走間ゲージ変更セットアップ学習方法 - Google Patents

冷間圧延機の走間ゲージ変更セットアップ学習方法

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JPH0615318A
JPH0615318A JP4175466A JP17546692A JPH0615318A JP H0615318 A JPH0615318 A JP H0615318A JP 4175466 A JP4175466 A JP 4175466A JP 17546692 A JP17546692 A JP 17546692A JP H0615318 A JPH0615318 A JP H0615318A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷間圧延機において、走間ゲージ変更後のオ
フゲージ長を短縮する。 【構成】 データトラッキング処理6により被圧延材5
を数十cm単位に分割し実測値のデータトラッキングを
行い、被圧延材の入側板厚計で板厚計測された個所につ
いてその後のデータ採取を行う。走間ゲージ変更後でか
つロール速度が低速状態での実測値を先端部学習処理7
にて入力し、ロール速度適応修正係数ZVR、荷重適応修
正係数ZPを計算してフィードバックテーブル9へ格納
する。高速圧延状態では、高速圧延部学習処理8にてモ
ータ負荷適応修正係数ZM、ロール速度適応修正係数ZV
R、荷重適応修正係数ZPを演算しフィードバックテーブ
ル9へ格納する。セットアップ処理10は、次圧延材の
先端部の荷重計算及び高速部のモータ負荷計算、最高速
度計算を各々の適応修正係数を用いて計算し、圧下制御
装置11へプリセットする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異なる仕様の板材を接
合して連続圧延し、先行圧延材の実績圧延データを次圧
延材のセットアップ計算にフィードバックする冷間圧延
機の走間ゲージ変更を行う場合のセットアップ学習方法
及びセットアップ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来知られている冷間圧延機における適
応修正方式では、例えば、「板圧延の理論と実際(昭和
59年9月社団法人日本鉄鋼協会発行)」第11.4章
に記載されているように、圧延中のあるタイミングで各
スタンドの板厚、速度、張力等の実測値が入力され、こ
の実測値を用いて圧延荷重式、圧下位置式、圧延トルク
式が演算され、各々の計算値(圧延荷重Pc、圧下位置
Sc、圧延トルクGRC)が求められる。一方、各スタン
ドの圧延荷重(PA)、圧下位置(SA)、圧延トルクG
RA)が入力され、PCとPA、SCとSA、GRCとGRAの比
あるいは差が下記の適応修正係数として算出される。
【0003】 ZP:荷重適応修正係数 ZP=PA/PC (1) ΔS:圧下位置適応修正係数(零点誤差)ΔS=SA−SC (2) ZM:モータ負荷適応修正係数 ZM=GRA/GRC (3) この適応修正係数が次回圧延材の高速圧延部及び低速圧
延部(被圧延材先端部)のセットアップ計算結果に乗じ
または加えられ、高速圧延部及び低速圧延部(被圧延材
先端部)の設定値が予測計算される。従来のセットアッ
プ方法を図1に示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】冷間圧延機に対する設
定値計算の目的は、大別すると圧延能率の向上とオフゲ
ージ長さの短縮である。圧延能率の向上は、モータの能
力を100%使用する最高圧延速度を設定することによ
り達成されるが、この為にはモータ負荷を正確に予測し
なければならない。したがって、モータ負荷計算適応修
正係数が重要であるが、現在このモータ負荷予測計算は
十分な精度を持っている。これに対し、オフゲージ長さ
の短縮は、現在では自動板厚制御の制御能力が向上し製
品の中央部(高速圧延部)でオフゲージが発生すること
はほとんど無くなっている。しかし、材料の先端部(低
速圧延部)に於けるオフゲージ長さはまだ満足できる値
は実現されていない。これは、連続圧延においては母材
板厚、鋼種、板幅等の異なる板が圧延される場合でも圧
延機を止めることなく圧延が行われるようにするため、
それらの板が溶接されて一連の連続した長い板が形成さ
れ、この長い板が一枚の板として連続して圧延されるた
めである。例えば製品板厚(目標板厚)が同じでも母材
板厚が異なれば必要な圧延荷重は変わってくる。従って
母材どうしを溶接した点(溶接点)近傍では圧延機が走
行中(圧延中)に各スタンドの設定替えを行う必要があ
る(走間ゲージ変更)。
【0005】この設定替えは圧下制御装置が、現在の圧
下位置からセットアップ計算により与えられた次材先端
部の圧下位置へロール位置を動かすことにより行われ
る。この間に出側板厚がオフゲージとなるのは避けられ
ないため、溶接点が圧延機に進入してくる前に圧延速度
を下げ低速で圧延を行い、溶接点がミルを出た時点から
ロール回転を加速し設定された最高圧延速度に達するよ
うな圧延が行われている。問題はセットアップ計算によ
り与えられた圧下位置精度が悪い場合、走間ゲージ変更
により発生する避けられないオフゲージ長さ以上のオフ
ゲージ部が発生することである。このオフゲージ長を短
くするには、溶接点直後(材料の先端部)の圧下位置
(荷重)の予測精度を上げる以外に方法がなく、荷重及
び圧下位置の適応修正係数の正しい値を得ることが重要
となる。
【0006】従来の学習制御方式では、圧延が最高圧延
速度に達した時点で圧延機の入側から出側までの各位置
での同一時点での実測値が一度に入力され、この高速部
実測値を使用し圧延荷重、モータ負荷、ロール周速、圧
下位置が計算される。これらの計算値と実測値との誤差
(適応修正係数)が演算され、その結果が修正係数フィ
ードバックテーブルに格納され、次圧延材のセットアッ
プ計算処理が起動される。セットアップ計算処理では、
修正係数フィードバックテーブルに格納された適応修正
係数を用いて次材料先端部の圧延荷重、圧下位置及び高
速部の最高圧延速度が予測される。ところが、適応修正
係数を算出する為の実測値を入力した時の圧延状態は高
速圧延であり、算出された適応修正係数を用いて予測計
算しようとする圧延状態は低速圧延であって、圧延状態
が異なっている。一般的な圧延スケジュールに於いて同
じ圧下量を得るために必要な圧延荷重は、高速部(10
00mpm)と低速部(200mpm)では10%以上
低速部のほうが大きな値が必要となる。
【0007】圧延荷重式には、その入力パラメーターと
して圧延速度が含まれているが、圧延荷重式と現実の圧
延現象とに誤差が有る場合、高速圧延部実測値と圧延荷
重式より計算した適応修正係数と、低速圧延部実測値と
圧延荷重式で計算した適応修正係数とは異なるはずであ
り、従来の方式は最適とはいえない。更に従来の実測値
の収集方式は圧延機入側から出側までの実測値を一度に
入力する方式であるため、集められた実測値はそれぞれ
被圧延材の異なった点に関する同一時点での実測値であ
り、学習計算の入力データに既に誤差が含まれていると
いえる。また、圧下位置適応修正係数(零点誤差)は、
圧延中に材料とロールの摩擦により発生する熱によりロ
ール径が変化する事により生ずる値であって圧延中に変
化し、高速圧延部と低速圧延部では、数十ミクロンも高
速圧延部のほうが大きくなる。従って高速圧延部で求め
た零点誤差を次材の先端部の圧下位置計算に用いている
方式は、高速圧延部から次材の先端部圧延までに変化す
る零点誤差の変化量を無視している事になり圧下位置設
定値の精度が上がらない1つの要因である。
【0008】本発明の課題は、溶接により接合して連続
圧延される材料の溶接接合部近傍のオフゲージ長を短縮
するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)従来同一タイミングで行っていたセットアップ学
習計算を高速部、低速部の2度行い、高速部に於いて、
圧延トルク及び先進率の学習を、低速部に於いては圧延
荷重の学習を、それぞれ行う。
【0010】 PC=fP(HA,hA,TBA,TFA,VRA,R,b) …………(4) PC:圧延荷重計算値 HA:入側板厚実測値 hA:出側板厚実測値 TBA:後方張力 TFA:前方張力 VRA:ロール速度 R:ロール径 b :板幅 ZP=PA/PC …………(5) ZP:圧延荷重適応修正係数 PA:圧延荷重実測値 まず、材料先端部(低速部)の実測値を入力し、(4)
式を用いて圧延荷重計算値PCを求める。圧延荷重計算
値PCと圧延荷重実測値PAの比ZPを(5)式を用いて
求め、これを次材先端部の圧延荷重計算へのフィードバ
ック値としてテーブルへ格納する。次に圧延が高速圧延
に移行した後実測値を入力し、圧延荷重適応修正係数算
出と同様に、圧延トルク計算式を用いて圧延トルク計算
値GRCを求め、計算値と実測値の比ZMを求めてフィー
ドバック値として同じくテーブルに格納し、次材のセッ
トアップ計算を起動する。セットアップ計算では、フィ
ードバック値ZP,ZM及び各計算式を用いて、低速部
(被圧延材先端部)の圧延荷重、ロール速度及び高速部
のロール速度の計算をおこなう。
【0011】(2)低速部(被圧延材先端部)では、走
間ゲージ変更直後の為圧延が安定していない。各スタン
ド入側板厚、圧延荷重、圧下位置、ロール速度、各スタ
ンド出側板厚の各実測値を同一タイミングで収集した場
合、その入側板厚(HA)が実際にロール直下に達した
時点での、圧延荷重、圧下位置、ロール速度等が、前記
入側板厚(HA)を収集した時点で同時に収集した圧延
荷重(PA)、圧下位置(SA)、ロール速度(VRA)と
一致しない。従って、このデータの整合性を保証するた
めに、各スタンド毎に入側板厚計から出側板厚計までの
データトラッキングを行い、被圧延材の入側板厚(H
A)が測定された点が圧延荷重、圧下位置、ロール速
度、各スタンド出側板厚の各測定点に来た時の各測定値
を学習に用いる一つのデータとして扱う。これにより先
端部等の圧延状態が不安定な状態における適応修正係数
のより精度のいい演算可能となる。
【0012】
【作用】
(1)データトラッキングを行うことにより材料先端部
での入り側板厚、圧延荷重、圧下位置、ロール速度、各
スタンド出側板厚の各実測値の整合性が保証され、低速
圧延部の実測値を基に圧延荷重適応修正係数が演算され
る。その結果が次材の先端部セットアップ計算に用いら
れるので、従来高速圧延部の実測値から算出された適応
修正係数を用いて行っていた予測計算に比較し、圧延速
度が異なることにより生じる適応修正係数の不適合が無
くなり、より正確な圧延荷重及び圧下位置の予測が可能
となる。また高速圧延部でのセットアップ学習計算にお
いても入力値から測定位置の相違に基づく誤差を除く事
ができる。
【0013】(2)セットアップ方式を圧下位置のセッ
トアップから圧延荷重のセットアップに変更する事によ
り、圧延中に主としてロールの熱膨張によって変化する
零点誤差の変化量を無視することが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図2、3、4、5
を用いて詳細に説明する。
【0015】図2に、本発明が適用される複数の圧延ス
タンドを含んでなるタンデム冷間圧延機のなかの一つの
圧延スタンド1の構成を示す。図示のスタンド1は、被
圧延材5を圧延する一対のワークロール1A,一対の中
間ロール1B,一対のバックアップロール1Cを含んで
なり、該スタンド1に取り付けられて圧延荷重を検出す
る圧延荷重測定器2、該スタンド1の入り側に配置され
たスタンド入側板厚計3、該スタンド1の出側に配置さ
れたスタンド出側板厚計4及び前記圧延荷重測定器2の
出力に基づいてワークロールの圧下位置を制御する圧下
制御装置12を付属している。被圧延材5は、熱間仕上
げ圧延機出側で巻取られたコイルの形で本プラント(タ
ンデム冷間圧延機)入側に搬送され、その先端部が当該
コイルの前に圧延されるコイルの末端に溶接機で溶接さ
れる。
【0016】データトラッキング処理6は、この溶接点
がスタンド入側板厚計を通過したタイミングで当該コイ
ルの圧延実績データの収集を開始し、次の溶接点がスタ
ンド出側板厚計を通過するまで材料の長手方向に数10
cmピッチ毎に圧延実績データを収集する。図3に記載
したトラッキングテーブルでデータトラッキングの処理
の概念を説明する。まず、当該コイルの先端側の溶接点
が入側板厚計に到達した時点で入側板厚実績値を板厚計
より収集し、トラッキングテーブルの1ケース目(図中
テーブルの左端のケース)のHi欄に格納する。次に材
料が数10cm(本実施例ではこの距離は予め0.2m
に設定されている)移動したとき、トラッキングテーブ
ルの内容を右に1ケースシフトしたのち、次の入側板厚
実績を収集しテーブル移動後の1ケース目のHi欄に格
納する。材料が1ピッチ移動する毎に上記処理を行い、
入側板厚実績が測定された被圧延材の位置がスタンド直
下に到達した時、後方張力(tb)、圧延荷重(P)、
圧下位置(S)、ロール速度(VR)、前方張力(t
f)、材料速度(vo)を各測定装置より取り込み、今
スタンド直下に到達した被圧延材の入側板厚実績が格納
されているケースの、tbi、Pi、Si、VRi、tfi、
voiの各欄に格納する。データトラッキングを継続
し、入側板厚計及びスタンド直下でのデータ収集を終え
た被圧延部材が出側板厚計に到達した時、出側板厚計よ
り板厚実績値が取り込まれ、該当ケースのhi欄に格納
されて、材料上のある点の実績データがすべて揃う。
【0017】本処理を材料の長手方向に数10cm毎に
繰り返し行うことにより、圧延材の長手方向全長に亘っ
て圧延実績データが収集され、任意のポイントで学習計
算を実行することが可能となる。先端部学習処理(7)
を行うために必要なデータトラッキングテーブルのケー
ス数は、iスタンドの入側板厚計からiスタンド出側板
厚計までの距離をデータ収集ピッチ(長さ)で割った値
+数ケースのケース数が必要である。溶接点の近傍は溶
接により材料の硬度が高くなっており、この部分のデー
タを使って修正計算を行ってもこの結果を、先端部セッ
トアップ計算に使用することは好ましくない。したがっ
て、先端部学習処理を実行させるタイミングは、溶接点
が次スタンドを通過した時とし、使用する実績データ
は、この時出側板厚計位置に該当するケースの実績デー
タを使用する。出側板厚計位置と次スタンドロール位置
とは、溶接により材料の硬度が高くなっていることの影
響を充分避けることができるだけの距離離れており、か
つ、圧延ロールの速度が加速されるのは溶接点がテンシ
ョンリールに巻き込まれたのちであるから、溶接点が次
スタンド位置にある段階では、圧延速度は低速であっ
て、得られたデータを先端部セットアップ計算に使用す
ることには支障はない。
【0018】高速部学習計算は、従来方式と同様に圧延
速度を数百ミリ秒毎にサンプリング監視し、検出された
圧延速度がある一定値以上でしかもその前のサンプリン
グ値と変わらない時(2回続けて同じ値が検出された
時)に起動され、この時出側板厚計位置にある圧延材部
分の実績データ(データトラッキングテーブルのデー
タ)を使用する。
【0019】図4にセットアップ学習計算のフローチャ
ートを示す。まず、データトラッキングテーブルの出側
板厚計位置に相当するケースより実績データを読み込
み、先端部学習計算タイミングでは、圧延荷重及びロー
ル速度をセットアップ計算で使用する各々のモデル式を
使って算出する。これらのモデル式により求められた圧
延荷重値及びロール速度値とトラッキングテーブルに格
納されたこれらの実績値を比較し、修正係数を算出す
る。高速部学習計算タイミングでは、先端部と同様にデ
ータトラッキングテーブルの出側板厚計位置に相当する
ケースより読み込まれた実績データを用い、下記式
(6),(7)により圧延荷重、ロール速度を計算して
それぞれの修正係数を計算する。また、読み込まれた前
記データを用いて圧延トルク計算値GRCを計算し、電流
と電圧の実測値から圧延トルク実測値GRAを算出する。
修正係数の計算には前記式(1),(3)及び下記式
(8)を用いる。
【0020】 圧延荷重 PC=b・k・κ・dp・R’(H−h) ………(6) P:圧延荷重 b:板幅 k:変形抵抗 κ:張力補正項 dp:摩擦係数補正項 R’:扁平ワークロール半径 H:入側板厚 h:出側板厚 ロール速度VRi'を下記(7)式で算出する。
【0021】
【数1】
【0022】i:スタンド番号を示し、1スタンド〜最
終スタンド F:最終スタンド ri:圧下率(セットアップ計算値) hi:出側板厚(セットアップ計算値) VRi:ロール速度(セットアップ計算値但しZVRで補正
する前の値) hAi:出側板厚実績値 rAi:圧下率実績値(=(HAi−hi)/HAi) fi:先進率(セットアップ計算値) ロール速度適応修正係数 ZVRiを下記(8)式で算出
する。
【0023】
【数2】
【0024】VRAi:iスタンドロール速度実績値 VRAF:最終スタンドロール速度実績値 各々の修正係数は、図5に示した修正係数フィードバッ
クテーブルへ格納される。修正係数は、鋼種、板厚、板
幅によって値が異なるため、修正係数フィードバックテ
ーブルは、鋼種、板幅、製品板厚の層別区分を持ち、各
修正係数の平均値が格納される。学習計算処理は、該当
コイルの製品情報より修正係数フィードバックテーブル
内の該当ケースを決定し、先端部(または高速部)の修
正係数格納値と今回計算値の平均値を計算し格納する。
修正係数フィードバックテーブルは、上記に示した長期
学習用テーブルの他にコイル間学習用テーブルがあり、
このテーブルには、今回計算した修正係数がそのまま格
納される。高速部学習計算終了後セットアップ計算が起
動され、高速部及び先端部の圧延荷重、ロール速度等の
設定値を計算するが、次コイルの製品仕様と前コイルの
製品仕様が異なるならば、次コイルの製品情報より長期
学習用テーブルの該当ケースを求め、その中に格納され
ている先端部及び高速部の修正係数を使用する。
【0025】圧延荷重、ロール速度及びモータ負荷のセ
ットアップ値の計算には、下記の式(9),(10)
(11)をそれぞれ用いる。
【0026】圧延荷重式 P=b・k・κ・dp・R’(H−h)Zp ………(9) Zp:荷重適応修正係数 ロール速度
【0027】
【数3】
【0028】VRi:ロール速度 VOi:iスタンド出側板速度 fi:iスタンド先進率 ZVRi:ロール速度適応修正係数 モータ負荷 HP=0.0002192×VR×GM/R ………(11) HP:モータ負荷 VR:ロール速度 R:ワークロール半径 GM:モータトルク =GR・ZM+GT+GL GR:圧延トルク GT:張力トルク GL:損失トルク ZM:モーター負荷適応修正係数 前コイルと製品仕様が等しいときには、コイル間学習テ
ーブルに格納された内容が使用される。セットアップ計
算結果は、図2の圧下制御装置に送信され、圧下制御装
置は、コイル変更点(溶接点)が該当スタンドに進入し
てきたタイミングで、セットアップ計算により与えられ
た圧延荷重が得られる様に圧延機の圧下位置を操作す
る。
【0029】上記実施例によれば、従来異なる圧延状態
の実測値をもとに計算された適応修正係数を用いて材料
先端部の圧延荷重を予測していたのに比べ、荷重予測精
度を向上させることができる。又セットアップ値を圧下
位置に代えて圧延荷重にすることにより、零点誤差の予
測誤差の影響を無くすことができる。以上により材料先
端部(溶接点付近)におけるオフゲージ長さを低減し、
歩留まりを向上させるという効果がある。高速部と低速
部の圧延状態を比較するとロール速度、張力、ロールと
被圧延材の間の摩擦力の変化により、荷重適応修正係数
が±10%程度異なる場合が多々ある。したがって高速
部の荷重適応修正係数を用いて先端部の圧延荷重を予測
する従来方式では、±10%の荷重誤差が生じる。
【0030】圧延荷重偏差が出側板厚におよぼす影響を
図6に示す。あるスタンドで入側板厚0.700mmを
出側板厚0.550mmに圧延するために必要な荷重が
600tonとする。これに対し荷重予測計算を行った
時、−5%の誤差があると計算荷重は570tonとな
る。これを出側板厚の変化量Δhに換算すると、 Δh=ΔP/M Δh:出側板厚偏差(mm) M:塑性係数(ton/mm) ΔP:荷重偏差(ton) より、塑性係数(M)を800ton/mmとすると、
Δh=(600−570)/800=0.0375mm
となる。
【0031】上述のように、出側板厚目標値0.55m
mに対し約7%程度の誤差となりオフゲージ部が発生し
てしまう。更に高速圧延と先端圧延部の零点誤差を比較
すると0.050mm程度変化することを考えると、こ
の零点の予測誤差により上記誤差は更に増大する。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、低速圧延状態のデータ
をもとに計算された適応修正係数を用いて材料先端部の
圧延荷重を予測するので荷重予測精度が向上し、また、
被圧延材の同一点を対象に採取されたデータをもとに適
応修正係数が算出されるので適応修正係数の精度が向上
し、又セットアップ値を圧下位置に代えて圧延荷重にす
ることにより、零点誤差の予測誤差の影響を無くすこと
ができる。上記荷重予測精度の向上及び零点予測誤差の
排除により、オフゲージ長さを減少させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のセットアップ計算方法を説明する為の概
念図である。
【図2】本発明の実施例の要部構成を示すブロック図で
ある。
【図3】データトラッキングを説明する為の概念図であ
る。
【図4】セットアップ学習計算の計算フローの例を示す
手順図である。
【図5】本発明に適用される修正係数フィードバックテ
ーブル構成例を示す図である。
【図6】圧延荷重変動が板厚におよぼす影響を示す概念
図である。
【符号の説明】
1 iスタンド 2 荷重計 3 入側板厚計 4 出側板厚計 5 被圧延材 6 データトラッキング処理 7 先端部学習処理 8 高速部学習処理 9 フィードバックテーブル 10 セットアップ処理 11 圧下制御装置 ZP 荷重適応修正係数 ZM モータ負荷適応修正係数 ΔS 零点誤差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡引 高重 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立情報制御システム内 (72)発明者 中島 正明 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる仕様の板材を接合して連続圧延
    し、先行圧延材の実績圧延データを次圧延材のセットア
    ップ計算にフィードバックする冷間圧延機の走間ゲージ
    変更セットアップ学習計算において、学習項目別に最適
    なデータ採集タイミングを選定して学習計算を行う事を
    特徴とする冷間圧延機の走間ゲージ変更セットアップ方
    法。
  2. 【請求項2】 異なる仕様の板材を接合して連続圧延
    し、先行圧延材の実績圧延データを次圧延材のセットア
    ップ計算にフィードバックする冷間圧延機の走間ゲージ
    変更セットアップのための学習計算において、圧延機の
    高速圧延状態を対象とするセットアップのための学習計
    算と、圧延機の低速圧延状態を対象とするセットアップ
    のための学習計算とを、別々に行うことを特徴とする冷
    間圧延機の走間ゲージ変更セットアップ学習方法。
  3. 【請求項3】 低速圧延状態は、被圧延材の先端部の先
    行圧延材との溶接点が当該スタンドを通過してから圧延
    ロールの加速開始までの圧延状態であることを特徴とす
    る請求項2に記載の冷間圧延機の走間ゲージ変更セット
    アップ学習方法。
  4. 【請求項4】 低速圧延状態での学習計算は、少なくと
    も圧延荷重及びロール速度について行われ、高速圧延状
    態での学習計算は、少なくとも圧延荷重、ロール速度及
    び圧延トルクについて行われることを特徴とする請求項
    2または3に記載の冷間圧延機の走間ゲージ変更セット
    アップ学習方法。
  5. 【請求項5】 異なる仕様の板材を接合して連続圧延
    し、先行圧延材の実績圧延データを次圧延材のセットア
    ップ計算にフィードバックする冷間圧延機の走間ゲージ
    変更セットアップのための学習計算において、学習に使
    用する実績圧延データは、被圧延材のある部分が圧延機
    のデータ採取点を通過する都度当該部分に関して採取さ
    れたものであって、被圧延材の同一部分について採取さ
    れたことを共通点とするものであることを特徴とする冷
    間圧延機の走間ゲージ変更セットアップ学習方法。
  6. 【請求項6】 低速圧延状態に対するセットアップ計算
    のための学習計算は、低速圧延状態で採取された実績圧
    延データに基づいて行われ、高速圧延状態に対するセッ
    トアップ計算のための学習計算は、高速圧延状態で採取
    された実績圧延データに基づいて行われることを特徴と
    する請求項2乃至4のうちのいずれかに記載の冷間圧延
    機の走間ゲージ変更セットアップ学習方法。
  7. 【請求項7】 実績圧延データは、被圧延材のある部分
    が圧延機のデータ採取点を通過する都度当該部分に関し
    て採取されたものであって、被圧延材の同一部分につい
    て採取されたことを共通点とするものであることを特徴
    とする請求項6に記載の冷間圧延機の走間ゲージ変更セ
    ットアップ学習方法。
  8. 【請求項8】 セットアップ計算のための学習計算は、
    少なくとも圧延荷重計算値と実績値、ロール速度計算値
    と実績値、圧延トルク計算値と実績値からそれぞれ修正
    係数を算出するものであることを特徴とする請求項2乃
    至7のいずれかに記載の冷間圧延機の走間ゲージ変更セ
    ットアップ学習方法。
  9. 【請求項9】 異なる仕様の板材を接合して連続圧延
    し、先行圧延材の実績圧延データを次圧延材のセットア
    ップ計算にフィードバックする冷間圧延機の走間ゲージ
    変更のためのセットアップ方法において、圧下制御装置
    に対して圧延荷重値をセットアップする冷間圧延機の走
    間ゲージ変更セットアップ方法。
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