JPH09225502A - サイジング圧延装置及び圧延方法 - Google Patents

サイジング圧延装置及び圧延方法

Info

Publication number
JPH09225502A
JPH09225502A JP4009196A JP4009196A JPH09225502A JP H09225502 A JPH09225502 A JP H09225502A JP 4009196 A JP4009196 A JP 4009196A JP 4009196 A JP4009196 A JP 4009196A JP H09225502 A JPH09225502 A JP H09225502A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
roll
pass
sizing
forming portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4009196A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3228868B2 (ja
Inventor
Satoru Takeda
了 武田
Hidenori Kindo
秀範 金堂
Tomoyasu Sakurai
智康 桜井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP04009196A priority Critical patent/JP3228868B2/ja
Publication of JPH09225502A publication Critical patent/JPH09225502A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3228868B2 publication Critical patent/JP3228868B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】所定の寸法精度と表面性状を確保しつつ所定の
サイズフリー範囲を確保可能なサイジング圧延を提供す
ることを課題としている。 【解決手段】サイジング圧延装置は直列に配設された3
台の4ロール圧延機から構成される。各4ロール圧延機
は、4本の圧延ロール4,5,6が放射状に配置されて
構成される。各圧延ロール4,5,6の孔型形状は、圧
延のために中央部に設けられた円弧状の真円形成部4
a,5a,6aと、その真円形成部4a,5a,6aの
左右に形成された適当な逃がし部4a,5a,6aとか
ら構成される。第1パスA用の各ロール孔型の真円形成
部4aの中心角θ1 を15度以上に設定している。第2
パス用の各ロール孔型の真円形成部5aの中心角θ2
30度以上に設定している。第3パス用の各ロール孔型
の真円形成部6aの中心角θ3を45度以上に設定して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断面円形の線状や
棒鋼を製造するためのサイジング圧延装置及び圧延方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、4ロール圧延機を使用したサイジ
ング圧延としては、例えば特開昭62−199206号
公報等に記載されたものがある。
【0003】このサイジング圧延装置は、圧下方向を相
互に45度傾けた2台の4ロール圧延機を圧延ラインに
沿って直列に配列して構成され、その各圧延ロールの孔
型は、それぞれ被圧延材の円の直径と同一又は120%
大きな径からなる円弧状の真円形成部と、その真円形成
部の左右に連続する適当な逃がし部とからなる。
【0004】ここで、偏径差を抑える等の目的から、上
記ロール孔型の逃がし部の角度は、疵発生のない範囲で
なるべく大きい方が良いとされ、上記従来のサイジング
圧延では、サイズフリー範囲(同一孔型ロールを用いて
ロール間隙を変更することで製造可能な製品のサイズ範
囲)や製品の寸法許容差(例えばJIS公差)を考慮し
て決定される。
【0005】即ち、1つの圧延ロールでの被圧延材断面
の受持ち角度は90度であるので、上記特開昭62−1
99206号では、ロール孔型の真円形成部の中心角
(以下,単に中心角という)は、サイズフリー範囲や寸
法許容差を考慮してなるべく小さい値を選択することが
述べられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記中
心角は、サイズフリー範囲や寸法許容差のみで決定され
るものではなく、4ロール圧延機で表面疵等が生ずるこ
となく正常に圧延されるかどうかも大きな要因となる。
【0007】即ち、4ロール圧延機においては、放射状
に配置された4つのロール孔型の中心に被圧延材を通過
させないと、図8に示すように噛み出しが起こり、圧延
後の製品に表面疵が付いて不良品となる。ここで、図8
中、50は圧延ロールを、51は被圧延材を示してい
る。図9でも同様である。
【0008】また、各パス間で被圧延材が回転すると被
圧延材に捩じれが生じ、図9に示すように、被圧延材が
寸法不良となる。このように、正常に圧延が出来て初め
てサイズフリー範囲や寸法許容差を考慮した孔型が設計
できるが、従来技術では、その点の考慮がされていない
という問題がある。
【0009】即ち、後述のように噛み出しの発生等によ
って、従来のサイジング圧延では、所望の寸法精度と表
面性状を確保しつつ実際に使用できるサイズフリー範囲
は、幾何学的推論による範囲よりも狭くなる。
【0010】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、所定の寸法精度と表面性状を確保しつ
つ所定のサイズフリー範囲を確保可能なサイジング圧延
を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のサイジング圧延装置は、中央に形成された
円弧状の真円形成部とその真円形成部の左右に連続する
適当な逃がし部とからなる孔型を備えた圧延ロールを使
用する4ロール圧延機を、圧延ラインに沿って複数台設
置して、断面がほぼ円形に圧延された被圧延材をサイジ
ング圧延するサイジング圧延装置であって、上記4ロー
ル圧延機を直列に3台以上設置し、各圧延ロール孔型の
真円形成部の中心角を、第1パスで15度以上とし、最
終パスで45度以上とし、その中間のパスで30度以上
に設定したことを特徴としている。
【0012】ここで、上記真円形成部の中心角とは、放
射状に配置された4つの圧延ロールの中心からみた、真
円形成部の円弧の角度である。なお、上記逃がし部の輪
郭形状は、例えば、上記真円形成部と内接する直線又は
上記真円形成部よりも曲率が小さな曲線で構成される。
【0013】真円形成部の輪郭形状が円弧状の場合には
角形に比べてセンタリング性は良くないが、本発明にお
いては、上記のように孔型の真円形成部の中心角を限定
することで、孔型の形状に基づく被圧延材のセンタリン
グ性の悪影響が抑えられ、また、パス間での被圧延材の
回転(倒れ)も低減可能となる。
【0014】ここで、上記作用の根拠、及び上記数値の
限定について説明する。図2(a)に示すような4ロー
ル圧延機において、ほぼ断面円形の被圧延材を、ロール
孔型の真円形成部の中心角θ1 を色々と変更して圧延し
たみたところ、図4に示すような結果を得た。
【0015】上記実験は、圧延後の被圧延材のセンタリ
ング性を、圧下方向に対する45度方向ずれた位置での
寸法の最大径と最小径との差Δbで表現したものであ
る。この図4から分かるように、中心角θ1 が約15度
を境として、15度より小さくなる場合には上記差Δb
が急に大きくなり孔型によるセンタリング効果が低下し
ていることが分かる。
【0016】この傾向は、図5に示すように被圧延材の
先端部と尾端部に顕著に現れ、これが噛み出しを起こし
た場合には不良部として切り捨てることになる。従っ
て、上記図4から、第1パスの真円形成部の中心角θ1
を15度以上に設定することで、センタリングを向上さ
せることができることが分かる。このため、本発明で
は、第1パスの中心角を15度以上とした。
【0017】次に、図2(a)(b)に示すように、圧
下方向が相互に45度ずらし且つ直列に配置した2台の
4ロール圧延機において、第2パス目の圧延ロール5で
の真円形成部5aの中心角θ2 を変化させて、第2パス
Bでの材料の倒れ(パス間での材料の回転)を測定した
ところ、図6に示すような結果を得た。
【0018】ここで、図6中、実線は、第1パスAでの
真円形成部4aの中心角θ1 を15度に設定したもので
あり、破線は、第1パスAでの真円形成部4aの中心角
θ1を30度に設定したものであり、一点鎖線は、第1
パスAでの真円形成部4aの中心角θ1 を45度に設定
したものである。
【0019】また、上記倒れ角βは、図7に示すαを測
定することで、間接的に計算したものである。ここで、
図7中、20は被圧延材を、21は圧延ロールを表して
しる。また、上記αとは、逃がし面の角度である。
【0020】上記図6から分かるように、15度以上に
設定した第1パスAでの中心角θ1の値に関係なく、第
2パスBでの真円形成部5aの中心角θ2 が30度未満
となると急に倒れ角βが大きくなり、以降の圧延の続行
が困難となるおそれがあること、及び、噛み出しによる
表面疵の発生の可能性が高くなるなどの不安定圧延領域
となる。
【0021】逆に、中間パスでの中心角が大きくなるに
つれて倒れ角βは小さくなり、45度を超えると倒れ角
βが殆ゼロとなることが分かる。従って、中間パスでの
真円形成部の中心角を30度以上に設定することで、倒
れの影響が低減する。これに基づき中間パスの中心角を
30度以上とした。
【0022】また、最終パスでは、真円形成部の中心角
を45度以上に設定に設定することで、倒れがゼロに近
づき製品寸法精度が向上する。これに基づき最終パスの
中心角を45度以上とした。
【0023】なお、各ロール孔型の中心角は、真円形成
部と逃がし部とを合わせて90度以内の値であるので、
上記各パスの真円形成部の中心角は90度よりは大きく
はとれない。
【0024】次に、請求項2に記載した発明は、請求項
1に記載した構成に対して、上記各圧延ロール孔型の真
円形成部の中心角は、後段のパスに向かうにつれて大き
くなることを特徴としている。
【0025】上記第2パスでの真円形成部の中心角と倒
れ角との関係(図6参照)から分かるように、第2パス
での真円形成部の中心角よりも第1パスでの真円形成部
の中心角の方が小さい方が倒れが小さくなることが判明
した。
【0026】そこで、本発明のように設定することで、
さらに、圧延中に生じる被圧延材の捩じれ発生は抑えら
れ、製品に生じる表面疵は低減する。次に、請求項3に
記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載した構成
に対して、隣合う4ロール圧延機の圧下方向が相互に4
5度傾いていることを特徴としている。
【0027】本発明においては、隣合う4ロール圧延機
の圧下方向が相互に45度傾けることで、一つ前のパス
における圧延ロールのロール間隙方向から圧下、即ち、
一つ前のパスにおける非圧延部分を中心に圧延を行うこ
とで、偏径差が小さな断面やや8角形に近い真円に成形
される。
【0028】即ち、45度ずつ傾けることで、偏径差を
小さく抑えることが可能となる。これは、被圧延材全周
面をロール孔型面で整形することになるからである。次
に、請求項4に記載した発明は、請求項1から請求項3
のいずれかに記載した構成に対して、上記4ロール圧延
機の上流側に複数台の2ロール圧延機が配置されること
を特徴としている。
【0029】これは、4ロール圧延機が2ロール圧延機
に比較して設備費が高価であるため、必ずしも圧延ライ
ン全体の4ロール化を必要としないことを提案している
ものである。
【0030】特に、既設の2ロール圧延機を設置した圧
延ラインを改造する際には、下流側のみを4ロール圧延
機にすればよい。このようにすることで、設備費の削減
上、極めて大きなメリットがある。
【0031】次に、請求項5に記載した発明である圧延
方法は、上記請求項1から請求項4に記載した圧延装置
を使用して、1台以上の4ロール圧延機のロール間隙を
変更することで、異なった製品径の線状又は棒鋼を圧延
することを特徴としている。
【0032】本発明においては、ロール間隙を変更する
ことで、同一の孔型ロールを使用しても、異なった製品
径の線状又は棒鋼を圧延可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。本実施の形態の圧延設備は、図1に
示すように、通常の線状用ブロックミル1の後方に、本
発明のサイジング圧延装置2が配設されて構成される。
【0034】上記線状用ブロックミル1は、上記図1で
はパスラインLに沿って10台の2ロール圧延機が直列
に配置されて構成され、各2ロール圧延機による圧下方
向は、隣合う2ロール圧延機と相互に90度傾いて設定
されている。
【0035】また、上記サイジング圧延装置2は、パス
ラインLに沿って直列に配設された3台の4ロール圧延
機3から構成される。各4ロール圧延機3は、図2に示
すように、それぞれ4本の圧延ロール4,5,6が放射
状に配置されて構成される。各圧延ロール4,5,6の
孔型形状は、圧延のために中央部に設けられた円弧状の
真円形成部4a,5a,6aと、その真円形成部4a,
5a,6aの左右に形成された適当な逃がし部4a,5
a,6aとから構成される。上記真円形成部4a,5
a,6aの輪郭形状は、被圧延材7の径とほぼ同一径の
円弧から形成される。また、上記左右の逃がし部4a,
5a,6aの輪郭形状は、それぞれ上記真円形成部4
a,5a,6aに内接するように連続した直線状又は上
記真円形成部4a,5a,6aの円弧よりも曲率の小さ
な曲線によって形成されている。
【0036】ここで、上記真円形成部4a,5a,6a
の円弧の径は、必ずしも被圧延材7の径と同径である必
要はなく、被圧延材7の径よりも若干小さな径や大きな
径に設定してもよい。
【0037】さらに、第1パスA用の4ロール圧延機3
では、対をなす2組のロール孔型の対向方向をそれぞれ
上下方向及び左右方向に配置して、圧下方向を上下及び
左右に設定している。また、各ロール孔型の真円形成部
4aの中心角θ1 を15度以上に設定する。
【0038】また、第2パス(中間パス)B用の4ロー
ル圧延機3では、対をなす2組のロール孔型の対向方向
をそれぞれ水平方向から45ずつ傾けて配設されて、圧
下方向を45度傾いた方向に設定している。また、各ロ
ール孔型の真円形成部5aの中心角θ2 を30度以上に
設定する。
【0039】また、第3パス(最終パス)用の4ロール
圧延機3では、対をなす2組のロール孔型の対向方向を
それぞれ上下方向及び左右方向に配置して、圧下方向を
上下及び左右に設定している。また、各ロール孔型の真
円形成部6aの中心角θ3 を45度以上に設定する。
【0040】次に、上記圧延設備での圧延について説明
する。被圧延材7が線状用ブロックミル1による圧延に
よって略断面円形に圧延され、順次サイジング圧延装置
2に送られる。
【0041】サイジング圧延装置2では、第1パスAに
おいて被圧延材7はやや四角形に近い円に整形される。
このとき、第1パスAでの真円形成部4aの中心角θ1
を15度以上に設定することで、真円形成部4aの輪郭
形状として円弧形状を採用してもセンタリング効果の低
下が回避される。
【0042】次に、第2パスBにおいて第1パスA通過
後の最大径部である第1パスAで圧下された面の境界部
を圧下して、被圧延材7はやや8角形に近い真円に整形
される。このとき、第2パスBでの真円形成部5aの中
心角θ2 を30度以上に設定することで、サイジング圧
延の中間圧延中の被圧延材7に対し噛み出しが生じる程
の大きな倒れが発生することはない。
【0043】ここで、第2パスBでの真円形成部5aの
中心角は、30度以上の値が設定可能であるが、大きく
なるにつれて逃がし部5aの角度が小さくなって被圧延
材7の最大偏差径が大きくなるので、被圧延材7に要求
される真円度に応じて決定される。
【0044】次いで、第3パスCにおいて第2パスB通
過後の最大径部である第2パスBで圧下された面の境界
部を圧下して、さらに被圧延材7を真円に近似した断面
形状に整形する。
【0045】このとき、最終パスである第3パスCでの
真円形成部6aの中心角θ3 を45度以上に設定するこ
とで、第3パスCの圧延による被圧延材7の倒れ発生が
確実に回避されて製品寸法精度を高めることが可能とな
る。
【0046】ここで、上記実施の形態では、サイジング
圧延装置2を3台の4ロール圧延機3で構成した例で説
明しているが、これに限定されるものではない。例えば
4台以上の4ロール圧延機3を直列に配置して構成して
もよい。
【0047】また、上記サイジング圧延装置2における
各パスでの真円形成部4a,5a,6aの中心角は、後
段のパスに向かうにつれて順次大きくなるように設定す
る方が好ましい。このように設定することで、さらにパ
ス間での被圧延材7の倒れが抑えられて表面疵の発生を
低減させることができる。例えば、第1パスAでの中心
角θ1 を15度とし、第2パスB(中間パス)での中心
角θ2 を33度とし、最終パスでの中心角θ3 を45度
と設定する。
【0048】なお、各中心角θ1 ,θ2 ,θ3 を大きく
取った方が、倒れ防止及び製品の真円度の点で望ましい
が、サイズフリー範囲が狭くなる欠点もあるので、本発
明の範囲内で適正な値を選択すればよい。
【0049】
【実施例】実際に、第1パスAでの真円形成部4aの中
心角θ1 を15度、第2パスBでの真円形成部5aの中
心角θ2 を33度、第3パスCでの真円形成部6aの中
心角θ3 を45度に設定し、また、第1パスAと第2パ
スBとの距離を470mm、第2パスBと第3パスCとの
距離を230mmと設定した。さらに、ロール径を220
mmに設定して、サイジング圧延前の被圧延材7の直径を
6.8mmφとし製品径を5.5mmφとしてサイジング圧
延を行ってみたところ、噛み出しによる表面疵も発生せ
ず且つ高寸法精度の製品が得られた。
【0050】また、上記と同じ条件で減径量と寸法精度
との関係を求めてみたところ、図3に示すような結果を
得た。ここで、図3中○は本願発明に基づくものであ
る。また、△は、比較のために、第1パスAのみを平ロ
ール(中心角=0)とし、第2,第3パスB,Cでの中
心角θ2 ,θ3 を33度及び45度とした場合を示して
いる。さらに、□は、第2パスBでの中心角θ2 を20
度とし第1及び第3パスA,Cでの中心角θ1 ,θ3
それぞれ15度及び45度とした比較例である。
【0051】この図3から分かるように、本願発明に基
づく設定から外れた2つの比較例では、倒れ発生のため
に、高圧下になるほど寸法精度が低下し且つ表面疵発生
が見られた。この結果、実際に使用可能なサイズフリー
範囲が小さくなる。
【0052】即ち、第1パスAを平ロールのパスとすれ
ば、サイズフリー範囲は幾何学的に推定すれば広くなる
ように思えるが、センタリング性が低下して噛み出しが
発生するので、逆にサイズフリー範囲は狭くなる。ま
た、中間パスでも真円形成部5aの中心角θ2 を小さく
しすぎると倒れによる寸法精度の低下を招き、寸法不良
が多発することとなる。
【0053】これに対して、本発明に基づく装置を使用
すると、高圧下でも所定の寸法精度が確保され且つ噛み
出しが生じないことが分かる。即ち、本発明に基づく装
置を使用すると、所定の寸法精度を確保し有害な表面疵
も発生しない範囲で且つ同一ロール寸法で製造可能な製
品径の実際のサイズフリー範囲が広がる。
【0054】以上のことから、製品寸法の精度向上及び
製品表面疵の防止ができる範囲でのサイズフリー範囲が
従来よりも拡大し、もって、目標製品径を変更する際の
ロール交換の頻度が減少する。この結果、ロール交換工
数、や設備停止時間を減少させることが可能となる。
【0055】さらに、圧延ロールとして同一ロール寸法
を使用し、且つ、JISの寸法公差内で且つ有害な表面
疵も生じないという条件において、製造可能な製品径の
サイズフリー範囲は、従来のようにサイジング圧延装置
を2台の4ロール圧延機で構成した場合には、例えば
5.5〜6.0mmφであるのに対し、上記本願発明に基
づく場合には5.5〜6.3mmφとなり、実際に使用可
能なサイズフリー範囲が約1.6倍も広くなることも確
認した。
【0056】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のサイ
ジング圧延装置及び圧延方法においては、所定の製品寸
法精度を確保し且つ製品表面に疵の発生を防止しつつサ
イジング圧延可能なサイズフリー範囲を、従来よりも向
上させることができるという効果がある。
【0057】これにより、目標製品径の変更に伴うロー
ル効果の頻度が減少し、ロール交換の工数や設備停止時
間を減少させることが可能となる。特に、請求項2に記
載した発明を採用することで、被圧延材7の倒れが防止
されて、さらに、製品寸法精度を向上し且つ製品表面疵
発生を防止してサイジング圧延可能なサイズフリー範囲
が広がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る圧延設備のパススケ
ジュールを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るサイジング圧延で使
用されるロール形状を示す図であり、(a)は第1パス
のものを、(b)は第2パスのものを、(c)は第3パ
スのものをそれぞれ示している。
【図3】減径量と寸法精度との関係を示す図である。
【図4】第1パスでの中心角とセンタリングとの関係を
示す図である。
【図5】被圧延材の長手方向でのセンタリングの状態を
示す図である。
【図6】第2パス以降の中心角と倒れ角との関係を示す
図である。
【図7】倒れ角を説明するための図である。
【図8】従来の噛み出しの状態を示す図である。
【図9】従来のセンタリング不良を示す図である。
【符号の説明】
2 サイジング圧延装置 3 4ロール圧延機 4,5,6圧延ロール 4a,5a,6a真円形成部 4b,5b,6b逃がし部 7 被圧延材 L パスライン θ1 第1パスでの中心角 θ2 第2パスでの中心角 θ3 第3パスでの中心角 A 第1パス B 第2パス C 第3パス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央に形成された円弧状の真円形成部と
    その真円形成部の左右に連続する適当な逃がし部とから
    なる孔型を備えた圧延ロールを使用する4ロール圧延機
    を、圧延ラインに沿って複数台設置して、断面がほぼ円
    形に圧延された被圧延材をサイジング圧延するサイジン
    グ圧延装置であって、 上記4ロール圧延機を直列に3台以上設置し、各圧延ロ
    ール孔型の真円形成部の中心角を、第1パスで15度以
    上とし、最終パスで45度以上とし、その中間のパスで
    30度以上に設定したことを特徴とするサイジング圧延
    装置。
  2. 【請求項2】 上記各圧延ロール孔型の真円形成部の中
    心角は、後段のパスに向かうにつれて大きくなることを
    特徴とする請求項1に記載したサイジング圧延装置。
  3. 【請求項3】 隣合う4ロール圧延機の圧下方向が相互
    に45度傾いていることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載したサイジング圧延装置。
  4. 【請求項4】 上記4ロール圧延機の上流側に複数台の
    2ロール圧延機が配置されることを特徴とする請求項1
    から請求項3のいずれかに記載したサイジング圧延装
    置。
  5. 【請求項5】 上記請求項1から請求項4に記載した圧
    延装置を使用し、1台以上の上記4ロール圧延機のロー
    ル間隙を変更することで、異なった製品径の線状又は棒
    鋼を圧延することを特徴とする圧延方法。
JP04009196A 1996-02-27 1996-02-27 サイジング圧延装置及び圧延方法 Expired - Fee Related JP3228868B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04009196A JP3228868B2 (ja) 1996-02-27 1996-02-27 サイジング圧延装置及び圧延方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04009196A JP3228868B2 (ja) 1996-02-27 1996-02-27 サイジング圧延装置及び圧延方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09225502A true JPH09225502A (ja) 1997-09-02
JP3228868B2 JP3228868B2 (ja) 2001-11-12

Family

ID=12571225

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04009196A Expired - Fee Related JP3228868B2 (ja) 1996-02-27 1996-02-27 サイジング圧延装置及び圧延方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3228868B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000048756A1 (fr) * 1999-02-16 2000-08-24 Kawasaki Steel Corporation Chaine de laminage a fil machine
EP1123756A1 (en) * 1999-08-19 2001-08-16 Kawasaki Steel Corporation Wire sizing-rolling method
JP2007190561A (ja) * 2006-01-17 2007-08-02 Sanyo Special Steel Co Ltd 直径の異なる複数の条鋼の製造方法
JP2013146787A (ja) * 2011-12-22 2013-08-01 Jfe Steel Corp 圧延設備および線材の圧延方法
CN103357661A (zh) * 2013-08-01 2013-10-23 中冶赛迪工程技术股份有限公司 一种圆钢的万能法轧制工艺
CN107297390A (zh) * 2017-08-17 2017-10-27 中冶赛迪工程技术股份有限公司 一种四辊轧机轧制圆钢工艺

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000048756A1 (fr) * 1999-02-16 2000-08-24 Kawasaki Steel Corporation Chaine de laminage a fil machine
US6405573B1 (en) 1999-02-16 2002-06-18 Kawasaki Steel Corporation Wire rod rolling line
EP1123756A1 (en) * 1999-08-19 2001-08-16 Kawasaki Steel Corporation Wire sizing-rolling method
EP1123756A4 (en) * 1999-08-19 2005-07-06 Jfe Steel Corp METHOD OF CALIBRATING-WIRE ROLLING
JP2007190561A (ja) * 2006-01-17 2007-08-02 Sanyo Special Steel Co Ltd 直径の異なる複数の条鋼の製造方法
JP4713349B2 (ja) * 2006-01-17 2011-06-29 山陽特殊製鋼株式会社 直径の異なる複数の条鋼の製造方法
JP2013146787A (ja) * 2011-12-22 2013-08-01 Jfe Steel Corp 圧延設備および線材の圧延方法
CN103357661A (zh) * 2013-08-01 2013-10-23 中冶赛迪工程技术股份有限公司 一种圆钢的万能法轧制工艺
CN103357661B (zh) * 2013-08-01 2016-07-20 中冶赛迪工程技术股份有限公司 一种圆钢的万能法轧制工艺
CN107297390A (zh) * 2017-08-17 2017-10-27 中冶赛迪工程技术股份有限公司 一种四辊轧机轧制圆钢工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP3228868B2 (ja) 2001-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09225502A (ja) サイジング圧延装置及び圧延方法
US6442989B1 (en) Wire sizing rolling method
JP3365348B2 (ja) 金属管の圧延方法
JP5037418B2 (ja) フランジを有する形鋼の圧延方法
JP2527283B2 (ja) 丸棒鋼のサイジング圧延方法
JPH07100501A (ja) 丸棒鋼のサイジング圧延方法
JP3309807B2 (ja) 外周部の断面形状が円形の金属材の製造方法及びその製造装置
JP3266062B2 (ja) 断面形状が円形の金属材の製造方法及びその製造装置
JPH09108704A (ja) H形鋼の熱間圧延方法
JP3606825B2 (ja) 棒鋼及び線材の精密圧延方法
JPH07214101A (ja) フランジを有する形鋼の自在圧延方法
JPH0538502A (ja) 丸棒鋼のサイジング圧延方法
JPH07164004A (ja) H形鋼の圧延方法
JP5742652B2 (ja) フランジを有する形鋼の圧延方法
JP3098886B2 (ja) フランジを有する形材の自在圧延方法
KR100214730B1 (ko) 에이치형 비임의 압연방법
JPH0716616A (ja) 鋼管の絞り圧延方法
JP5831139B2 (ja) H形鋼製造用粗圧延機
JP3098877B2 (ja) H形鋼の圧延方法
JPH0663601A (ja) 丸棒鋼のサイジング圧延方法
JPH07265904A (ja) 棒線材のフリーサイズ圧延方法
JP3056627B2 (ja) フランジを有する形鋼の自在圧延方法
JP2003039101A (ja) 棒鋼及び線材の仕上げ圧延方法
JPH0679301A (ja) フランジを有する形鋼の自在圧延方法
JPH08155512A (ja) 4ロール圧延機の駆動側のロール圧下量設定方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070907

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080907

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080907

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090907

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090907

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110907

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110907

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120907

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120907

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130907

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees