JP2013146787A - 圧延設備および線材の圧延方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この発明は、被圧延材を段階的に圧延していき、最終製品である線材に仕上げる圧延設備である。そして、被圧延材は第1圧延機5で圧延され、第1圧延機5からは断面が円形の棒鋼が得られる。第2圧延機6は、その棒鋼を断面形状が長方形であって、その長方形の角が丸められた角棒に圧延する。ブロックミル8は、その角棒を予め設定した直径からなる線材に圧延する。
【選択図】 図1
Description
また、仕上げ圧延機(ブロックミル)で圧延した後に、最終仕上げ圧延機(サイジングミル)にてさらに圧延する場合もある(例えば特許文献1参照)。
そこで、本発明は、線径の小さな線材の要求に際し、既存の設備を活用させて移行でき、その移行の際の期間の短縮化、その移行に係る費用の抑制が図れるようにした圧延設備および線材の圧延方法を提供することにある。
すなわち、本発明の一態様の圧延設備は、被圧延材を段階的に圧延していき、最終製品である線材に仕上げる圧延設備であって、前記被圧延材を断面が円形の棒鋼に圧延する第1圧延機と、前記第1圧延機で圧延された前記棒鋼を断面形状が長方形であって、当該長方形の角が丸められた形状の角棒に圧延する第2圧延機と、前記第2圧延機で圧延された角棒を断面が円形の線材に圧延するブロックミルである第3圧延機と、を備える。
ここで、前記第2圧延機は、4ロールミルであることが好ましく、さらに、圧下率が25%以下であることが好ましい。
また、本発明の一態様の方法は、被圧延材を段階的に圧延していき、最終製品である線材に仕上げる線材の圧延方法であって、前記被圧延材を断面が円形の棒鋼に圧延する第1工程と、前記第1工程で圧延された前記棒鋼を断面形状が長方形であって、当該長方形の角が丸められた形状の角棒に圧延する第2工程と、ブロックミルを使用し、前記第2工程で圧延された角棒を断面が円形の線材に圧延する第3工程と、を含む。
ここで、前記第2工程においては、4ロールミルを用いて圧延することが好ましく、さらに、圧下率が25%以下であることが好ましい。
このため、本発明の一態様では、線径の小さな線材の要求に対して、被圧延材(ビレット)のサイズを小型化せず、また、第2圧延機やブロックミル以外の圧延機の孔型の変更を必要とせず、さらに、仕上げ圧延機や最終仕上げ圧延機の増強の必要もなく、線径の小さな線材の圧延が可能となる。
したがって、本発明の一態様によれば、線径の小さな線材の要求に際し、既存の設備をできるだけ活用して移行でき、その移行の際の期間の短縮化、その移行に係る費用の抑制を図ることができる。
(圧延設備の構成)
本発明の実施形態が適用される圧延設備は、図1に示すように、被圧延材であるビレットを段階的に圧延していき、最終製品として棒鋼または線材に仕上げることができるものである。
このため、この実施形態に係る圧延機は、図1に示すように、被圧延材を加熱する加熱炉1を備えている。そして、被圧延材を段階的に圧延して目的の直径からなる棒鋼に仕上げるために、加熱炉1から被圧延材の第1搬送経路2が延びており、その第1搬送経路2には、粗圧延機3、中間圧延機4、4ロールミル6が順に配置されている。
ここで、粗圧延機3、中間圧延機4が、断面が円形の棒鋼に圧延する第1圧延機5であり、4ロールミル6が第1圧延機5で圧延された棒鋼を断面が長方形であって、当該長方形の角が丸められた形状の角棒に圧延する第2圧延機6である。
4ロールミル6は、第1圧延機5から排出される断面が円形の棒鋼を、断面形状が正方形または菱形のような長方形であって、その長方形の角が丸くなっている角棒に圧延する第2圧延機を形成している。その圧延された角棒は、第2搬送路7を通過した後、ブロックミル8に供給されるようになっている。
次に、4ロールミル6の具体的な構成について、図2を参照して説明する。
4ロールミル6は、図2(A)に示すようなロール21〜24を備えた4ロールの第1スタンド20と、この第1スタンド20の後段に配置され、図2(B)に示すようなロール31〜34を備えた4ロールの第2スタンド30とを備えている。
ロール21〜24は、図2(A)に示すように、上下の一対のロール21、22と左右の一対のロール23、24のロール軸(図示せず)が同一垂直面内で直交するように配置されている。そして、ロール21〜24には、第1圧延機5で圧延された棒鋼25が導入されるようになっている。ロール21〜24の各孔型面(圧延面)は、棒鋼25の噛み込みが容易になるように湾曲に形成されている(図2(A)参照)。
ここで、ロール21〜24とロール31〜34は、ロール隙間が任意の値に調整(設定)できるようになっている
この4ロールミル6では、図2(A)に示すロール21〜24を備えた第1スタンド20と、図2(B)に示す4つのロール31〜34を備えた第2スタンド30とからなる。そして、第1スタンド20のロール21〜24には第1圧延機5で圧延された棒鋼25が導入され、第2スタンド30のロール31〜34から排出されたときには、その棒鋼25は断面形状が正方形であって、その正方形の各角が丸められた角棒35となる。
S=〔(D0−D)/D0〕×100〔%〕 ・・・(1)
ここで、D0は母材である棒鋼25の直径(径)であり、Dは第2スタンド30のロール31〜34の対向するロール間の距離(隙間)である(図3参照)。
そして、4ロールミル6の第2スタンド30、すなわち、平ロールが組み込まれた4ロール圧延機の圧下率Sの範囲は、被圧延材を円形断面から正方形断面に圧延できるように設定されている。なお、4ロールミル6の第1スタンド20は、第2スタンド30への被圧延材を送り込むためのピンチロール的な役割を担わせている。
次に、図1に示す圧延設備を適用し、被圧延材であるビレットを段階的に圧延していき、最終製品として予め設定した目標の直径の線材に仕上げる方法について図面を参照して説明する。
被圧延材は加熱炉1で予め設定した所定の温度まで加熱され、この加熱された被圧延材は粗圧延機2に供給される。その供給された被圧延材は、粗圧延機3および中間圧延機4からなる第1圧延機5で段階的に圧延され(第1工程)、第1圧延機5から排出されるときには図4に示すような断面が円形の棒鋼25となる。この棒鋼25は、図4のように直径がD0からなり、この直径D0は例えば17〔mm〕である。
すなわち、ブロックミル8、線材4ロールミル10など既存の設備を使用する場合には、例えばブロックミル8の全体の圧下率を大きく変更することは困難である。このようなブロックミル8などを活用し、線径の小さな線材の製造に対処するには、ブロックミル8の入側の被圧延材の断面積を小さくする必要がある。例えば、最終線径が4.0〜4.5mmの線材に圧延するには、ブロックミル8の入側の被圧延材の断面形状が円形である場合には15mmφである必要がある場合を考える。その際、第1圧延機5で圧延可能な最小寸法が17mmφであるときは、第2圧延機6では、17mmφから15mmφへの圧延が必要となる。この場合、第2圧延機6での断面減少率は、〔π×(17/2)2 −π×(15/2)2 〕/〔π×(17/2)2 〕×100=22.1%である。
この実施形態では、被圧延材を段階的に圧延して目的の直径(線径)からなる線材に仕上げるために、中間圧延機4とブロックミル8との間に、4ロールミル6を配置するようにした。また、4ロールミル6は、断面形状が円形の棒鋼25を、断面形状が正方形であってその正方形の角が丸められた角棒35に圧延する。さらに、4ロールミル6は、4ロールの2つのスタンド20、30とを備え、スタンド20は圧延を行わずにスタンド20へ棒鋼25を送り込むためのピンチロールとして作用させ、スタンド30はその圧下率を25%以下とした。
これにより、この実施形態では、線材中間圧延機6から排出される角棒35がブロックミル8の初段のロールに噛み込まれる際にその噛み込み性が良好となる上に、線材4ロールミル10で圧延される線材50の品質が確保できることが確認された。
したがって、この実施形態によれば、線径の小さな線材の要求に際し、既存の圧延機をできるだけ活用して移行でき、その移行の際の期間の短縮化、その移行に係る費用の抑制を図ることができる。
上記の実施形態では、第2圧延工程で用いる第2圧延機6として、4ロールミルを用いているが、第2圧延工程において、断面形状が長方形であって、その長方形の角が丸められた形状の角棒に圧延できるのであれば、必ずしも4ロール圧延機を用いる必要はなく、例えば長方形形状の孔型を有する2個一対のロールを有する2ロール圧延機であっても良い。
また、上記の実施形態では、ブロックミル(第3圧延機)にて圧延を行った後、さらに線材4ロールミルを用いて最終の仕上げ直径にまで圧延しているが、ブロックミルによる圧延で最終の仕上げ直径にまで圧延できるのであれば、線材4ロールミルは必ずしも必要はない。
2・・・第1搬送経路
3・・・粗圧延機
4・・・中間圧延機
5・・・第1圧延機
6・・・第2圧延機(4ロールミル)
7・・・第2搬送経路
8・・・ブロックミル
10・・・線材4ロールミル
20、30・・・スタンド
21〜24、31〜34・・・ロール
25・・・棒鋼
35・・・各棒
40、50・・・線材
100・・・角部
110・・・噛み出し
Claims (7)
- 被圧延材を段階的に圧延していき、最終製品である線材に仕上げる圧延設備であって、
前記被圧延材を断面が円形の棒鋼に圧延する第1圧延機と、
前記第1圧延機で圧延された前記棒鋼を断面形状が長方形であって、当該長方形の角が丸められた形状の角棒に圧延する第2圧延機と、
前記第2圧延機で圧延された角棒を断面が円形の線材に圧延するブロックミルである第3圧延機と、
を備えることを特徴とする圧延設備。 - 前記第2圧延機は、4ロールミルであることを特徴とする請求項1に記載の圧延設備。
- 前記第2圧延機は、圧下率が25%以下であることを特徴とする請求項2に記載の圧延設備。
- 前記第2圧延機は、
前記棒鋼が導入される4ロールの第1スタンドと、
前記第1スタンドの後段に配置され4ロールの第2スタンドと、を備え、
前記第2スタンドの各ロールの孔型面は平坦であり、
前記第2スタンドで前記角棒に圧延することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の圧延設備。 - 被圧延材を段階的に圧延していき、最終製品である線材に仕上げる線材の圧延方法であって、
前記被圧延材を断面が円形の棒鋼に圧延する第1工程と、
前記第1工程で圧延された前記棒鋼を断面形状が長方形であって、当該長方形の角が丸められた形状の角棒に圧延する第2工程と、
ブロックミルを使用し、前記第2工程で圧延された角棒を断面が円形の線材に圧延する第3工程と、
を含むことを特徴とする線材の圧延方法。 - 前記第2工程では、4ロールミルを用いて圧延することを特徴とする請求項5に記載の線材の圧延方法。
- 前記第2工程における圧下率を25%以下とすることを特徴とする請求項6に記載の線材の圧延方法。
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