JP3309807B2 - 外周部の断面形状が円形の金属材の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

外周部の断面形状が円形の金属材の製造方法及びその製造装置

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JP3309807B2 JP22017198A JP22017198A JP3309807B2 JP 3309807 B2 JP3309807 B2 JP 3309807B2 JP 22017198 A JP22017198 A JP 22017198A JP 22017198 A JP22017198 A JP 22017198A JP 3309807 B2 JP3309807 B2 JP 3309807B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外周部の断面形状
が円形の金属材の製造方法及びその製造装置に関し、圧
延機群とその圧延機群の下流側に設置されたサイジング
ローラによって外周部の断面形状が円形の金属材を製造
する方法及びその製造装置に関する。より詳しくは、同
一のローラ(孔型ローラ)を用いるとともにローラの圧
下位置及びローラ軸の傾斜角を無段階で変更して、サイ
ジング後の被圧延材(外周部の断面形状が円形の金属
材)の直径を無段階で変更できるようにした無段階連続
サイジング方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】外周部の断面形状が円形の金属材、例え
ば各種の金属材料を母材とする線材や棒材、鋼管など
は、圧延などの「1次加工」によって所望の寸法(直
径)に仕上げられた後、更に、所謂「2、3次加工」が
施されて所望の形状を有する最終的な産業用製品に仕上
げられる。このため、「2、3次加工」での歩留まりと
作業能率の向上を図るため、「1次加工」仕上げままの
断面形状が円形の金属材には細かいピッチで高い精度が
要求される。
【0003】したがって、外周部の断面形状が円形の金
属材を圧延する場合、一般に圧延製品の寸法(直径)毎
にロール(孔型ロール)を準備し、仕上げ直径(以下、
仕上げ径という)のわずかな変更に応じてロール替えを
実施することが行われてきた。しかし、この一般的な圧
延方法の場合、ロール替えのために生産能率が低下する
し、更には数多くのロールを保有する必要がある。な
お、以下の説明においては簡単のために、「外周部の断
面形状が円形の金属材」を単に「断面形状が円形の金属
材」という。
【0004】上記のような問題を解決するために、同一
のロールを用いてロール圧下位置を無段階に調整し、こ
れによって仕上げ径を無段階で変更できる所謂「サイズ
フリー圧延」に関する技術が種々提案されている。この
うち、仕上げ圧延に4ロール圧延機を用いる技術が、例
えば、特開昭62−199206号公報や特開平5−3
8501号公報に開示されている。
【0005】特開昭62−199206号公報には、4
ロール圧延機の2台による圧延方法において、素材を円
形、上記2台の圧延機の8本のロールの孔型を素材の円
に対し、同一ないし120%の直径の円弧と適当なサイ
ドリリーフ部を配した形状とし、ロールの圧下を任意に
選択することにより、素材を素材直径ないし素材直径の
80%の範囲でサイジングする「棒線材のサイジング圧
延方法」が提案されている。この技術(以下、従来技術
1という)によれば、通常の90゜位相に2ロール圧延
機を連続配置する圧延方法(以下、2ロール圧延法とい
う)に比べて偏径差(仕上げ製品の同一断面における直
径の最大と最小の差)が減少し、偏径差を2.1%とし
た場合のサイジング可能範囲が素材直径ないし素材直径
の80%の範囲に拡大する。
【0006】特開平5−38501号公報には、断面が
ほぼ円形に圧延された素材に対して、圧下方向を相互に
45゜ずらした2台の4ロール圧延機によって直列に圧
延するサイジング圧延方法において、少なくとも2パス
目の4ロール圧延機の各ロールの孔型を、素材の直径よ
りも1〜14%小さい直径の円弧と適当なサイドリリー
フを配した形状とし、ロール間隙を調整してサイジング
する「丸棒鋼のサイジング圧延方法」が提案されてい
る。この技術(以下、従来技術2という)の場合、孔型
の円弧の直径(孔型の真円部の直径)が素材の直径より
小さいため、上記従来技術1を初めとする孔型の円弧の
直径を素材の直径より大きくした4ロール圧延機による
サイジング技術のように製品径の小さい方向に偏径差の
許容範囲を持たせるばかりでなく、製品径の大きい方向
にも偏径差の許容範囲を取ることができる。したがっ
て、この従来技術2によればロール間隙の調整だけで整
形可能な製品のサイズ(直径)範囲、つまりサイジング
可能範囲が従来技術1などに比べて2倍近く拡大でき
る。
【0007】上記した従来技術1、従来技術2のいずれ
についても図6(a)に示すように4本のロールの孔型
で、「孔型底部における直径D1 =サイドリリーフ部に
おける寸法s1 」の円を形成することができるロール間
隙の状態では製品をほぼ真円に圧延する(つまり製品形
状をほぼ真円にする)ことができる。しかし、例えば図
6(a)に示す状態から、図6(b)に示すようにロー
ル間隙を縮めた状態にすると、孔型底部における直径
(対向するロール孔型の溝底間距離)D2 とサイドリリ
ーフ部における寸法s2 に差が生じてしまう。このた
め、従来技術1や従来技術2の方法ではサイジング可能
範囲は2ロール圧延法に比べて大きく広がるものの、同
じロールを用いて圧延すると大きな偏径差が生じること
を避けられず、同じロールでのサイジング可能範囲をよ
り一層広くしたいとする産業界の要求に充分に応えるこ
とができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みなされたもので、サイジングを圧延ロールではなく
サイジングローラで行い、同じローラを用いてのサイジ
ング可能範囲(以下、サイズフリー領域という)が広
く、サイジングのための圧下量が変化しても孔型底部に
おける直径とサイドリリーフ部における寸法の差が小さ
いために仕上げ断面形状がほぼ真円で偏径差が極めて小
さい、断面形状が円形の金属材料の製造方法としての
「サイズフリー圧延」方法、及びその製造装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】なお、本発明でいう「ローラ」は駆動系を
有さないものであり、駆動系を有する「ロール」とは区
別されるものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)、(2)に示す断面形状が円形の金属材の製造方
法及び(3)、(4)に示す断面形状が円形の金属材の
製造装置にある。
【0011】(1)4方サイジングローラを最終の仕上
げ圧延機の下流側に有する複数基の連続圧延機群で断面
形状が円形の金属材を製造する方法であって、前記4方
サイジングローラの対向するローラ対のうち、1対のロ
ーラの各ローラ軸を被圧延材の進行方向に対して相互に
逆方向に傾斜配置し、更に、もう一方の1対のローラの
各ローラ軸を、被圧延材の進行方向に対して相互に逆方
向で、しかも前記の別の1対のローラの場合とは逆の方
向に傾斜配置してサイジングすることを特徴とする断面
形状が円形の金属材の製造方法。
【0012】(2)4方サイジングローラを最終の仕上
げ圧延機の下流側に有する複数基の連続圧延機群で断面
形状が円形の金属材を製造する方法であって、前記4方
サイジングローラの対向するローラ対のうち、1対のロ
ーラの各ローラ軸を被圧延材の進行方向に対して両方と
も同一方向に傾斜配置し、更に、もう一方の1対のロー
ラの各ローラ軸も被圧延材の進行方向に対して両方とも
同一方向に傾斜配置してサイジングすることを特徴とす
る断面形状が円形の金属材の製造方法。
【0013】(3)複数基の圧延機からなる圧延機群
と、前記圧延機群の最終の仕上げ圧延機の下流側に連続
配置された4方サイジングローラとで構成される断面形
状が円形の金属材を製造する装置であって、前記4方サ
イジングローラがローラ圧下調整機構及びローラ軸傾斜
配置機構を有し、且つ、対向するローラ対のうち、1対
のローラの各ローラ軸が被圧延材の進行方向に対して相
互に逆方向に傾斜配置され、更に、もう一方の1対のロ
ーラの各ローラ軸が、被圧延材の進行方向に対して相互
に逆方向で、しかも前記の別の1対のローラの場合とは
逆の方向に傾斜配置されていることを特徴とする断面形
状が円形の金属材の製造装置。
【0014】(4)複数基の圧延機からなる圧延機群
と、前記圧延機群の最終の仕上げ圧延機の下流側に連続
配置された4方サイジングローラとで構成される断面形
状が円形の金属材を製造する装置であって、前記4方サ
イジングローラがローラ圧下調整機構及びローラ軸傾斜
配置機構を有し、且つ、対向するローラ対のうち、1対
のローラの各ローラ軸が被圧延材の進行方向に対して両
方とも同一方向に傾斜配置され、更に、もう一方の1対
のローラの各ローラ軸も被圧延材の進行方向に対して両
方とも同一方向に傾斜配置されていることを特徴とする
断面形状が円形の金属材の製造装置。
【0015】以下、上記の(1)〜(4)をそれぞれ
(1)〜(4)の発明という。
【0016】なお、既に述べたように、「ローラ」とは
駆動系を有さないものであり、駆動系を有する「ロー
ル」とは明確に区別されるものである。
【0017】「4方サイジングローラ」とは、圧延方向
の同一位置に90゜間隔で配置された孔型が同じである
4個のサイジングのためのローラを有する装置を指す。
【0018】「4方サイジングローラの対向するローラ
対のうち、1対のローラの各ローラ軸を被圧延材の進行
方向に対して相互に逆方向に傾斜配置し、更に、もう一
方の1対のローラの各ローラ軸を、被圧延材の進行方向
に対して相互に逆方向で、しかも前記の別の1対のロー
ラの場合とは逆の方向に傾斜配置する」とは、例えば図
3に示すように、サイジングローラの各ローラ軸を逆方
向に捻って配置することをいう。
【0019】又、「4方サイジングローラの対向するロ
ーラ対のうち、1対のローラの各ローラ軸を被圧延材の
進行方向に対して両方とも同一方向に傾斜配置し、更
に、もう一方の1対のローラの各ローラ軸も被圧延材の
進行方向に対して両方とも同一方向に傾斜配置する」と
は、例えば図4に示す向きにサイジングローラの各ロー
ラ軸を傾斜配置することをいう。
【0020】本発明者らは、簡単な設備構造で、「サイ
ズフリー圧延」を実現するための手段について種々検討
を行い、下記の知見を得た。
【0021】駆動系を持たないローラでサイジングす
れば、駆動系を有する圧延ロールでサイジングする場合
に比べて設備構造を簡単にすることができる。
【0022】ローラでサイジングする場合、4方サイ
ジングローラを用いれば、2方サイジングローラや3方
サイジングローラを用いる場合に比べて幅広がりを小さ
くでき、しかも歪分布の偏りを少なくできるために均質
な製品が得られる。
【0023】そこで、4方サイジングローラを最終の仕
上げ圧延機の下流側(出側)に設置する「サイズフリー
圧延」について更なる検討を加えた。その結果、次の事
項が明らかになった。
【0024】仕上げ圧延機の下流側(出側)にサイジ
ングのためのローラとして4方サイジングローラを用
い、前記4方サイジングローラにローラ孔型がほぼ円形
の所謂「ラウンド形状」である孔型(以下、ラウンド孔
型という)を有するローラ(以下、このラウンド孔型を
有するローラを「ラウンド孔型ローラ」という)を用い
れば、その4方サイジングローラの対向するローラ対の
うち、1対のローラの各ローラ軸を被圧延材の進行方向
に対して相互に逆方向に傾斜配置し、更に、もう一方の
1対のローラの各ローラ軸を、被圧延材の進行方向に対
して相互に逆方向でしかも前記の別の1対のローラの場
合とは逆の方向に傾斜配置してサイジングすることで、
製品の断面形状をほぼ真円にして「サイズフリー圧延」
を実現することができる。
【0025】ここで、4方サイジングローラのローラ孔
型が「ラウンド形状」とは、図7に示すように、角度θ
により表されるサイドリリーフ部3を除く孔型底部が、
単一の半径r1 の円弧からなる真円領域を持つ孔型形状
のことをいう。なお、サイドリリーフ部3の断面は、半
径が上記孔型底部の単一半径r1 の2倍の半径r2 であ
る円弧、あるいは、前記孔型底部の単一半径r1 の円弧
に接する直線であることが多く、サイドリリーフ部3を
表す角度θ(以下、サイドリリーフ角という)は、通常
5〜25゜である。なお、4方サイジングローラによる
サイジングでの自由表面部7もこの図7中に示した。
【0026】図5に、ラウンド孔型ローラを用いてロー
ラ間隙を変化させた場合におけるローラ孔型の被圧延材
の進行方向の投影形状を示す。図5(a)に示すよう
に、ラウンド孔型ローラにおいてはローラ孔型の真円領
域の半径r1 が仕上げ径dの1/2に等しい場合、ロー
ラ孔型の被圧延材の進行方向の投影形状はサイドリリー
フ部3を除くと真円になる。この状態から、仕上げ径を
hまで小さくするためにローラで圧下すると、つまり、
ローラ間隙を小さくして対向するローラの溝底間距離を
hにすると、図5(b)に示すように、ローラ孔型の被
圧延材の進行方向の投影形状は四角形状に近づきサイド
リリーフ部における寸法s2 は溝底部での直径hよりも
大きくなる。しかし、ローラ間隙を小さくしてローラの
溝底間距離をhにした場合でも、図5(c)に示すよう
にローラ軸を適正量傾斜配置すると、h=s3 となって
ローラ孔型の被圧延材の進行方向の投影形状を真円に近
づけることができる。
【0027】上記のと同様に、仕上げ圧延機の下流
側(出側)にサイジングのためのローラとして4方サイ
ジングローラを用い、前記4方サイジングローラにラウ
ンド孔型ローラを用いれば、その4方サイジングローラ
の対向するローラ対のうち、1対のローラの各ローラ軸
を被圧延材の進行方向に対して両方とも同一方向に傾斜
配置し、更に、もう一方の1対のローラの各ローラ軸も
被圧延材の進行方向に対して両方とも同一方向に傾斜配
置してサイジングすることで、製品の断面形状をほぼ真
円にして「サイズフリー圧延」を実現することができ
る。
【0028】図5(a)の状態からローラ間隙を小さく
して対向するローラの溝底間距離をhにすると、図5
(b)に示すように、ローラ孔型の被圧延材の進行方向
の投影形状は四角形状に近づきサイドリリーフ部におけ
る寸法s2 は溝底部での直径hよりも大きくなることは
既に述べたとおりである。しかし、ローラ間隙を小さく
してローラの溝底間距離をhにした場合に、図5(d)
に示すようにローラ軸を適正量傾斜配置しても、h=s
4 となってローラ孔型の被圧延材の進行方向の投影形状
を真円に近づけることができる。
【0029】2方サイジングローラの場合には、対向
するローラの各ローラ軸を被圧延材の進行方向に対して
相互に逆方向に傾斜配置すると、被圧延材に回転力が生
じて捻れが発生する可能性がある。
【0030】しかし、4方サイジングローラにおいて
は、「対向するローラ対のうち、1対のローラの各ロー
ラ軸を被圧延材の進行方向に対して相互に逆方向に傾斜
配置し、更に、もう一方の1対のローラの各ローラ軸
を、被圧延材の進行方向に対して相互に逆方向でしかも
前記の別の1対のローラの場合とは逆の方向に傾斜配
置」しても被圧延材には捻れが殆ど発生しない。これ
は、4方サイジングローラの場合にはローラ対が2つあ
るため、両者の回転力を相殺させることによって被圧延
材に対して発生する回転力を抑制できるからである。
【0031】本発明は上記の知見に基づいて完成された
ものである。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の断面形状が円形の金属材の製造方法及びその製造装置
について説明する。
【0033】図1は、(1)の発明に係る断面形状が円
形の金属材の製造方法及び(3)の発明に係る断面形状
が円形の金属材の製造装置を説明する図である。つま
り、図1は、最終の仕上げ圧延機の下流側(出側)に設
置した4方サイジングローラSnの対向するローラ対の
うち、1対のローラ1の各ローラ軸4を被圧延材2の進
行方向に対して相互に逆方向に傾斜配置し、更に、もう
一方の1対のローラ1の各ローラ軸4を、被圧延材2の
進行方向に対して相互に逆方向でしかも前記の別の1対
のローラの場合とは逆の方向に傾斜配置する1つの方法
を示す図である。なお、図1(a)は正面図、図1
(b)は側面図である。
【0034】図2は、(2)の発明に係る断面形状が円
形の金属材の製造方法及び(4)の発明に係る断面形状
が円形の金属材の製造装置を説明する図である。つま
り、図2は前記4方サイジングローラSnの対向するロ
ーラ対のうち、1対のローラ1の各ローラ軸4を被圧延
材2の進行方向に対して両方とも同一方向に傾斜配置
し、更に、もう一方の1対のローラ1の各ローラ軸4も
被圧延材2の進行方向に対して両方とも同一方向に傾斜
配置する1つの方法を示す図である。この図において
(a)は正面図、(b)は側面図である。
【0035】被圧延材2は、連続配置された複数基の圧
延機からなる圧延機群5で繰り返しの減面圧延加工を受
ける。そして、圧延機群5における最終の仕上げ圧延機
で減面圧延加工を受けた後、この最終の仕上げ圧延機の
下流側(出側)に設置した4方サイジングローラSnで
所望の仕上げ径を有する断面形状が円形の金属材にサイ
ジングされる。4方サイジングローラSnのロール孔型
は既に述べたラウンド形状である。
【0036】本発明においては、最終の仕上げ圧延機の
下流側に設置する4方サイジングローラSnで所望の仕
上げ径を有する断面形状が円形の金属材に仕上げるが、
サイジングのためのローラは1基である必要はない。上
記最終の仕上げ圧延機の下流側に複数基のサイジングロ
ーラからなる所謂「サイジングローラユニット」6を設
置しても良く、サイジングローラユニット6における最
終のサイジングローラが4方サイジングローラSnであ
りさえすれば良い。
【0037】前記の圧延機群5を構成する圧延機は特に
規定されるものではなく、通常の2ロール圧延機、3ロ
ール圧延機や4ロール圧延機からなるもので良い。但
し、圧延機が90゜位相で連続配置された2ロール圧延
機の場合には、3ロール圧延機又は4ロール圧延機と比
べて、各圧延スタンド毎の減面率が大きくとれるため必
要となるスタンド数が少なく、更に、2ロール圧延機の
場合、構造が簡単で設備コストが低く、ロールの交換や
芯出しなどのメンテナンスが容易であるため、大量生産
に適している。
【0038】なお、(3)、(4)の発明の場合に、圧
延機群5を構成する圧延機をすべて45゜位相で連続配
置された4ロール圧延機からなる圧延機群とし、サイジ
ングローラユニット6におけるサイジングローラもすべ
て45゜位相で連続配置された4方サイジングローラか
らなるものとすれば、被圧延材は4方向から圧下される
ため断面内の歪が均等に分布する。このため、難加工材
料であっても疵などを生ずることなく所望の仕上げ径を
有する断面形状が円形の金属材に仕上げることができ
る。したがって、上記のようにした製造装置は、例え
ば、チタンなど難加工材料の圧延に適している。
【0039】最終のサイジングローラである4方サイジ
ングローラSnはローラ1の圧下調整機構(図示せず)
を有するとともに、前記ローラ1の各ローラ軸4を被圧
延材2の進行方向に対して傾斜配置する機構(図示せ
ず)を有しているものである。
【0040】4方サイジングローラSnにおけるローラ
1の圧下調整は、予め実験などにより求めておいたミル
剛性を考慮して行えば良い。なお、このローラ1の圧下
調整機構には、例えば、圧下スクリューと偏心スリーブ
などを用いた機構を用いれば良い。又、ローラ1の各ロ
ーラ軸4を被圧延材2の進行方向に対して傾斜配置する
機構としては、例えば、慣用手段であるジャッキ機構や
油圧機構などを用いれば良い。
【0041】サイズフリー領域は最終のサイジングロー
ラである4方サイジングローラSnのローラ孔型の真円
領域の半径rn の2倍以下の範囲に設定できる。既に図
5(a)について述べたように、サイジング寸法が4方
サイジングローラSnのローラ孔型の真円領域の半径r
n の2倍に等しい場合、ローラ軸の傾斜角を0゜とする
と、被圧延材の進行方向から見たローラ孔型の投影形状
はサイドリリーフ部3を除くと真円になる。ローラ間隙
を狭くしてサイジング寸法を小さくした場合には、図5
(c)や図5(d)に示すように、ローラ軸を適正角度
傾斜配置することにより、ローラ孔型の被圧延材の進行
方向の投影形状をサイドリリーフ部を除いてほぼ真円に
することができる。
【0042】4方サイジングローラSnによる圧延での
形状は、その前に位置する仕上げ圧延機Sn-1(あるい
はサイジングローラSn)のロール孔型(あるいはロー
ラ孔型)の形状により決まってしまう。したがって、偏
径差を小さくするために、4方サイジングローラSnの
1基前の圧延機Sn-1のロール孔型(あるいはサイジン
グローラSnのローラ孔型)もラウンド孔型とし、その
真円領域の半径rn-1を4方サイジングローラSnの真
円領域の半径rn の近傍、例えば0.95rn≦rn-1
≦1.05rn に設定しておくことが望ましい。
【0043】最終のサイジングローラである4方サイジ
ングローラSnの対向するローラ1の各ローラ軸4を被
圧延材2の進行方向に対して傾斜配置するには、例え
ば、図1や図2に示す方法がある。これらの場合の詳細
をそれぞれ図3、図4に示す。
【0044】すなわち、図3は、4方サイジングローラ
の対向するローラ対のうち、1対のローラの各ローラ軸
を被圧延材の進行方向に対して相互に逆方向に傾斜配置
し、更に、もう一方の1対のローラの各ローラ軸を、被
圧延材の進行方向に対して相互に逆方向でしかも前記の
別の1対のローラの場合とは逆の方向に傾斜配置する場
合の1つの例の詳細を示す図である。
【0045】図4は、4方サイジングローラの対向する
ローラ対のうち、1対のローラの各ローラ軸を被圧延材
の進行方向に対して両方とも同一方向に傾斜配置し、更
に、もう一方の1対のローラの各ローラ軸も被圧延材の
進行方向に対して両方とも同一方向に傾斜配置する場合
の1つの例の詳細を示す図である。
【0046】なお、図3、図4において(a)は正面
図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【0047】後述の実施例で詳しく述べるように、ロー
ラの圧下量が大きくなるにつれて、つまり、ローラ間隙
が狭くなってサイジング寸法が小さくなるにつれて、ロ
ーラ軸の傾斜角φ(例えば、図3参照)は大きく設定す
る必要があるが、製品である被圧延材に疵を発生させな
いために、前記φは0〜8゜の範囲で設定すれば良い。
なお、図3、図4に例示するように4方サイジングロー
ラのローラ1の各ローラ軸4を被圧延材の進行方向に対
して傾斜配置する場合、各ローラに関する前記の傾斜角
φはすべて同じ値にする必要がある。
【0048】既に述べたように、ローラは駆動系を有し
ない。このため、最終の仕上げ圧延機Sn-1あるいはサ
イジングローラSn-1と4方サイジングローラSnの間
では被圧延材に圧縮力が作用する。したがって、この圧
縮力による被圧延材の座屈を防止するために、最終の仕
上げ圧延機Sn-1あるいはサイジングローラSn-1と4
方サイジングローラSnの距離を小さく設定することが
望ましい。例えば、最終の仕上げ圧延機Sn-1のロール
軸あるいはサイジングローラSn-1のローラ軸と4方サ
イジングローラSnのローラ軸の距離Lは、4方サイジ
ングローラSnでサイジングされる直前の被圧延材の径
d0 に対して、L≦(40〜50)d0、好ましくはL
≦(10〜20)d0 とするのが良い。なお、後述の実
施例4及び5で明らかにするが、L/d0 が下記の式
を満たせば座屈を発生させることなく所望の仕上げ径d
にサイジングできる。
【0049】 L/d0 ≦8.1/{1−(d/d0 )20.5・・・・・ 以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
【0050】
【実施例】(実施例1)素材直径25mmに対して、孔
型の真円領域の半径が12.5mmであるラウンド孔型
ローラを用いる従来技術1に類似の方法及び、孔型の真
円領域の半径が12.0mmであるラウンド孔型ローラ
を用いる従来技術2に類似の方法でサイジングする場合
の偏径差を幾何学的に求めた。なお、孔型底部における
直径(対向するローラ孔型の溝底間距離)Dとサイドリ
リーフ部における寸法sとの差の絶対値が偏径差になる
と仮定した。以下、このようにして求めた偏径差を幾何
学的偏径差という。
【0051】結果を図8に示す。従来技術1に類似の方
法でサイジングする場合には、仕上げ径つまり製品径の
変化に応じて幾何学的偏径差は図8中にL1の線で示す
ように変化する。この図から、例えば幾何学的偏径差を
50μm以下に抑えるためには、従来技術1に類似の方
法でサイジングする場合、サイズフリー領域は24.1
〜25.0mmの範囲となることがわかる。
【0052】従来技術2に類似の方法でサイジングする
場合には、幾何学的偏径差は図8中にL2で示す線とな
って製品径とともに変化する。したがって、幾何学的偏
径差を50μm以下に抑えるためには、従来技術2に類
似の方法でサイジングする場合、サイズフリー領域は2
3.1〜25.0mmの範囲となることがわかる。
【0053】次に、仕上げ径25mmを基準とする孔型
のローラ、つまり孔型の真円領域の半径が12.5mm
であるラウンド孔型ローラを用いて、(1)の発明及び
(2)の発明の方法でサイジングする場合の偏径差を幾
何学的に求めた。
【0054】表1に、この時の4方サイジングローラに
おけるラウンド孔型ローラの形状の詳細を示す。表1に
おけるローラ直径とは、ローラ孔型底部における直径を
指す。なお、この場合、(1)の発明の方法でローラ軸
を傾斜配置して仕上げ圧延しても、(2)の発明の方法
でローラ軸を傾斜配置して仕上げ圧延しても、幾何学的
偏径差は等しいものとなる。
【0055】
【表1】
【0056】(1)の発明及び(2)の発明の方法にお
いては、圧下量を増加させるにつれて、つまり、ローラ
間隙を狭めてサイジング寸法を小さくするにつれて、ロ
ーラ軸の傾斜角φを大きく設定する必要がある。そし
て、幾何学的偏径差が最小となる傾斜角(以下、適正傾
斜角)を求めると、図9中に示す線となる。この適正傾
斜角を用いた場合の幾何学的偏径差を仕上げ径毎に求め
ると図8中のLPで示す線になる。
【0057】このLPで示される線の傾きを図8中のL
1で示される線の傾きと比較すれば、(1)の発明や
(2)の発明の方法によって、幾何学的偏径差を従来技
術1に類似の方法でサイジングする場合の1/20に抑
制できることがわかる。同様に、LPで示される線を図
8中のL2で示される線と比較すれば、(1)の発明や
(2)の発明の方法によって、幾何学的偏径差を従来技
術2に類似の方法でサイジングする場合に比べて極めて
小さい値に抑制できることがわかる。
【0058】(実施例2)通常の方法で溶製、分塊圧延
して作製したJIS G 4051に規定されたS45Cのビレッ
トを、通常の方法によって2ロール圧延機群で直径25
mmに圧延した後、表1に示したラウンド孔型ローラを
有する4方サイジングローラSnを用いて、前記(1)
の発明のサイジング方法と(2)の発明のサイジング方
法によって仕上げ径(製品径)20〜24.6mmにサ
イジングして偏径差を測定した。なお、2ロール圧延機
群における最終の仕上げ圧延機Sn-1のロール軸と4方
サイジングローラSnのローラ軸の距離Lは、最終の仕
上げ圧延機Sn-1で圧延された後の被圧延材の直径、つ
まり、4方サイジングローラSnでサイジングされる直
前の被圧延材の直径d0 (25mm)の10倍(10d
0 =250mm)となるように設定した。
【0059】図10及び図11に、それぞれ(1)の発
明の方法及び(2)の発明の方法でサイジングした場合
の偏径差を示す。
【0060】この図10、図11によれば、実機でサイ
ジングした場合の偏径差は、幾何学的偏径差(図8のL
P線)よりも少し大きい。これはベアリングの所謂「が
た」などに起因し、従来技術1や従来技術2においても
実機で圧延した場合の偏径差は、幾何学的偏径差よりも
少し大きくなる。なお、前記した(1)の発明の方法で
サイジングした場合と(2)の発明の方法でサイジング
した場合とで偏径差に殆ど差は認められない。
【0061】更に、図10と図11から、(1)の発明
や(2)の発明のサイジング方法によれば、20〜2
4.6mmのすべての製品径(仕上げ径)の範囲におけ
る偏径差を0.05mm(50μm)未満の極めて小さ
い値に抑えることができ、サイズフリー領域が極めて大
きくなることが明らかである。加えて、図10、図11
から、(1)の発明や(2)の発明のサイジング方法の
場合には、サイズフリー領域は偏径差によって制約され
ず、ローラ軸の傾斜角φの設定によって制約を受けるこ
とが想定される。
【0062】ローラ孔型の投影形状をほぼ真円にするた
めには、サイジング寸法が小さくなるにつれてローラ軸
の傾斜角φを大きく設定する必要がある。しかし、ロー
ラ軸の傾斜角φを大きく設定すると、ローラ溝底部にお
けるローラと被圧延材との接触領域8が図12に示すよ
うに広がり、このため被圧延材に疵が生じることがあ
る。
【0063】そこで次に、被圧延材に疵を生じさせない
ローラ軸の傾斜角φを求めるために、通常の方法で溶
製、分塊圧延して作製したJIS G 4051に規定されたS4
5Cのビレットを、通常の方法によって2ロール圧延機
群で圧延した後、前記の表1に示したラウンド孔型ロー
ラを有する4方サイジングローラSnを用いて、前記
(1)の発明のサイジング方法と(2)の発明のサイジ
ング方法によって、ローラ軸の傾斜角φを0〜10゜の
範囲で変えて仕上げ圧延して、被圧延材の表面における
疵発生の有無を目視観察した。この結果、被圧延材に疵
が発生しないローラ軸の傾斜角φは最大8゜であること
がわかった。
【0064】既に示した図9から、ローラ軸の傾斜角φ
が8゜の時の仕上げ径(製品径)は21.2mmであ
る。したがって、図10及び図11から、偏径差を0.
05mm未満とした場合でも、上記(1)の発明のサイ
ジング方法や(2)の発明のサイジング方法におけるサ
イズフリー領域は基準の仕上げ径である25mmに対し
て3mmを超える極めて大きなものとすることができ
る。
【0065】(実施例3)通常の方法で溶製した純チタ
ンのビレットを通常の方法で直径25mmに熱間圧延
し、次いで、45゜位相で連続配置された4ロール圧延
機からなる圧延機群で圧延し、最後に表1に示したラウ
ンド孔型を有する4方サイジングローラSnを用いて、
前記(1)の発明のサイジング方法と(2)の発明のサ
イジング方法によって仕上げ径(製品径)21.5〜2
4.6mmに仕上げて偏径差を測定した。更に、被圧延
材の表面における疵発生の有無を目視観察した。
【0066】その結果、偏径差と製品径(仕上げ径)と
の関係は図10、図11とほぼ同等であり、又、仕上げ
た製品の表面に疵は認められなかった。
【0067】(実施例4)通常の方法で溶製、分塊圧延
して作製したJIS G 4051に規定されたS45Cのビレッ
トを、通常の方法によって2ロール圧延機群で直径25
mmに圧延した後、表1に示したラウンド孔型ローラを
有する4方サイジングローラSnを用いて、前記(1)
の発明のサイジング方法によって仕上げ径(製品径)2
0.5〜24.5mmに仕上げて座屈の発生状況を調査
した。なお、2ロール圧延機群における最終の仕上げ圧
延機Sn-1のロール軸と4方サイジングローラSnのロ
ーラ軸の距離Lは、最終の仕上げ圧延機Sn-1で圧延さ
れた後の被圧延材の直径、つまり、4方サイジングロー
ラSnでサイジングされる直前の被圧延材の直径d0
(25mm)の10倍〜50倍(10d0 〜50d0 =
250〜1250mm)の範囲で変えて、上記距離Lの
座屈発生に及ぼす影響について検討した。
【0068】図13にL/d0 と製品径(仕上げ径)d
の違いによる座屈発生状況の差を示す。図において
「○」は座屈が生じなかったことを、「×」は座屈が生
じたことを示す。
【0069】この図13によれば、L/d0 が小さい、
換言すれば、最終の仕上げ圧延機Sn-1のロール軸と4
方サイジングローラSnのローラ軸の距離Lが小さいほ
ど、広い範囲の製品径に亘って座屈を発生させることな
くサイジングできることが明らかである。例えば、L/
d0 =40の場合には、座屈を発生させることなくサイ
ジングできる製品径は24.5mmだけであったが、L
/d0 =10の場合には、20.5〜24.5mmのす
べての製品径で座屈は生じなかった。
【0070】同様に、前記(2)の発明のサイジング方
法によって仕上げ径(製品径)20.5〜24.5mm
に仕上げて座屈の発生状況を調査した。その結果、L/
d0と製品径(仕上げ径)dの違いによる座屈発生状況
は図13と同じであった。
【0071】(実施例5)通常の方法で溶製、分塊圧延
して作製したJIS G 4051に規定されたS45Cのビレッ
トを、通常の方法によって2ロール圧延機群で直径50
mmに圧延した後、表2に示したラウンド孔型ローラを
有する4方サイジングローラSnを用いて、前記(1)
の発明のサイジング方法によって仕上げ径(製品径)4
5.5〜49.5mmに仕上げて座屈の発生状況を調査
した。なお、2ロール圧延機群における最終の仕上げ圧
延機Sn-1のロール軸と4方サイジングローラSnのロ
ーラ軸の距離Lは、最終の仕上げ圧延機Sn-1で圧延さ
れた後の被圧延材の直径、つまり、4方サイジングロー
ラSnでサイジングされる直前の被圧延材の直径d0
(50mm)の10倍〜60倍(10d0 〜60d0 =
500〜3000mm)の範囲で変えて、上記距離Lの
座屈発生に及ぼす影響について検討した。
【0072】
【表2】
【0073】図14にL/d0 と製品径(仕上げ径)d
の違いによる座屈発生状況の差を示す。図において
「○」は座屈が生じなかったことを、「×」は座屈が生
じたことを示す。
【0074】この図14からも、L/d0 が小さい、換
言すれば、最終の仕上げ圧延機Sn-1のロール軸と4方
サイジングローラSnのローラ軸の距離Lが小さいほ
ど、広い範囲の製品径に亘って座屈を発生させることな
くサイジングできることが明らかである。例えば、L/
d0 =50の場合には、座屈を発生させることなくサイ
ジングできる製品径は49.5mmだけであったが、L
/d0 ≦20の場合には、45.5〜49.5mmのす
べての製品径で座屈は生じなかった。
【0075】同様に、前記(2)の発明のサイジング方
法によって仕上げ径(製品径)45.5〜49.5mm
に仕上げて座屈の発生状況を調査した。その結果、L/
d0と製品径(仕上げ径)dの違いによる座屈発生状況
は図14と同じであった。
【0076】実施例4及び実施例5の結果から、最終の
仕上げ圧延機Sn-1のロール軸あるいはサイジングロー
ラSn-1のローラ軸と4方サイジングローラSnのロー
ラ軸の距離Lは、4方サイジングローラSnでサイジン
グされる直前の被圧延材の径d0 に対して、L≦(40
〜50)d0 とすれば良く、L≦(10〜20)d0と
すればより好ましいことがわかる。
【0077】なお、既に述べたように、L/d0 が下記
式を満たせば座屈を発生させることなく所望の仕上げ
径dにサイジングできることも明らかである。
【0078】 L/d0 ≦8.1/{1−(d/d0 )20.5・・・・・
【0079】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、仕上げ断面
形状がほぼ真円で偏径差が極めて小さく、しかも広いサ
イズフリー領域を有する実用的なサイズフリー圧延を行
うことができる。本発明の製造方法は、本発明の製造装
置を使用することによって比較的容易に実施することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサイジング方法を説明する図で、
(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図2】本発明に係るサイジング方法を説明する別の図
で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図3】4方サイジングローラの対向するローラ対のう
ち、1対のローラの各ローラ軸を被圧延材の進行方向に
対して相互に逆方向に傾斜配置し、更に、もう一方の1
対のローラの各ローラ軸を、被圧延材の進行方向に対し
て相互に逆方向で、しかも前記の別の1対のローラの場
合とは逆の方向に傾斜配置する場合の1つの例の詳細を
示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は
平面図である。
【図4】4方サイジングローラの対向するローラ対のう
ち、1対のローラの各ローラ軸を被圧延材の進行方向に
対して両方とも同一方向に傾斜配置し、更に、もう一方
の1対のローラの各ローラ軸も被圧延材の進行方向に対
して両方とも同一方向に傾斜配置する場合の1つの例の
詳細を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図、
(c)は平面図である。
【図5】4方サイジングローラにラウンド孔型ローラを
用いてローラ間隙を変化させた場合のローラ孔型の被圧
延材の進行方向の投影形状を示す図である。(a)はロ
ーラ孔型の真円領域の半径r1 が仕上げ径dの1/2に
等しい場合の投影形状、(b)は、ローラ間隙を小さく
してローラの溝底間距離をhにした場合のローラ孔型の
投影形状、(c)は、ローラ間隙を小さくする際に、サ
イジングローラの各ローラ軸を傾斜配置した場合のロー
ラ孔型の投影形状、(d)はローラ間隙を小さくする際
に、サイジングローラの各ローラ軸を別の方法で傾斜配
置した場合のローラ孔型の投影形状である。
【図6】4ロール圧延機を用いた従来法でサイズフリー
圧延して得られた製品の断面形状を示す図で、(a)は
ほぼ真円、(b)は4角形状である。
【図7】4方サイジングローラにおける「ラウンド形
状」のローラ孔型の断面図である。
【図8】従来のサイズフリー圧延に類似の方法と本発明
に係る方法でサイジングした場合の製品径(仕上げ径)
と幾何学的に求めた偏径差との関係を示す図である。
【図9】本発明に係る方法でサイジングした場合の製品
径(仕上げ径)と適正傾斜角の関係を説明する図であ
る。
【図10】本発明に係る方法でサイジングした場合の製
品径(仕上げ径)と偏径差との関係を示す図である。
【図11】本発明に係る別の方法でサイジングした場合
の製品径(仕上げ径)と偏径差との関係を示す図であ
る。
【図12】ローラ溝底部におけるローラと被圧延材の接
触領域を示す図である。
【図13】本発明に係る方法でサイジングした場合の、
L/d0 (L:最終の仕上げ圧延機のロール軸と4方サ
イジングローラのローラ軸の距離、d0 :4方サイジン
グローラでサイジングされる直前の被圧延材の直径)と
製品径(仕上げ径)dの違いによる座屈発生状況を示す
図である。
【図14】本発明に係る方法でサイジングした場合の、
L/d0 (L:最終の仕上げ圧延機のロール軸と4方サ
イジングローラのローラ軸の距離、d0 :4方サイジン
グローラでサイジングされる直前の被圧延材の直径)と
製品径(仕上げ径)dの違いによる座屈発生状況を示す
別の図である。
【符号の説明】
1:ロール、 2:被圧延材、 3:サイドリリーフ部、 4:ローラ軸、 5:圧延機群、 6:サイジングローラユニット、 7:自由表面部、 8:ローラと被圧延材との接触領域、 θ:サイドリリーフ角、 φ:ローラ軸の傾斜角、 d:仕上げ径、 h:ローラ溝底間距離、 Sn:最終の仕上げ圧延機の下流側に設置する最終の4
方サイジングローラ Sn-1:圧延機群5における最終の仕上げ圧延機 Sn-2、Sn-3:圧延機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−57803(JP,A) 特開 平11−28504(JP,A) 特開 平4−316831(JP,A) 特開 平5−38501(JP,A) 特開 昭62−199206(JP,A) 特開 平7−189151(JP,A) 特開 平9−66302(JP,A) 特開 平5−212403(JP,A) 特開 平5−200403(JP,A) 特開 平5−277512(JP,A) 特開 昭57−41807(JP,A) 特開 平8−187501(JP,A) 実開 昭63−174910(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/00 - 11/00 B21C 1/00 - 19/00 B21B 19/10 B21D 3/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4方サイジングローラを最終の仕上げ圧延
    機の下流側に有する複数基の連続圧延機群で外周部の断
    面形状が円形の金属材を製造する方法であって、前記4
    方サイジングローラの対向するローラ対のうち、1対の
    ローラの各ローラ軸を被圧延材の進行方向に対して相互
    に逆方向に傾斜配置し、更に、もう一方の1対のローラ
    の各ローラ軸を、被圧延材の進行方向に対して相互に逆
    方向で、しかも前記の別の1対のローラの場合とは逆の
    方向に傾斜配置してサイジングすることを特徴とする外
    周部の断面形状が円形の金属材の製造方法。
  2. 【請求項2】4方サイジングローラを最終の仕上げ圧延
    機の下流側に有する複数基の連続圧延機群で外周部の断
    面形状が円形の金属材を製造する方法であって、前記4
    方サイジングローラの対向するローラ対のうち、1対の
    ローラの各ローラ軸を被圧延材の進行方向に対して両方
    とも同一方向に傾斜配置し、更に、もう一方の1対のロ
    ーラの各ローラ軸も被圧延材の進行方向に対して両方と
    も同一方向に傾斜配置してサイジングすることを特徴と
    する外周部の断面形状が円形の金属材の製造方法。
  3. 【請求項3】複数基の圧延機からなる圧延機群と、前記
    圧延機群の最終の仕上げ圧延機の下流側に連続配置され
    た4方サイジングローラとで構成される外周部の断面形
    状が円形の金属材を製造する装置であって、前記4方サ
    イジングローラがローラ圧下調整機構及びローラ軸傾斜
    配置機構を有し、且つ、対向するローラ対のうち、1対
    のローラの各ローラ軸が被圧延材の進行方向に対して相
    互に逆方向に傾斜配置され、更に、もう一方の1対のロ
    ーラの各ローラ軸が、被圧延材の進行方向に対して相互
    に逆方向で、しかも前記の別の1対のローラの場合とは
    逆の方向に傾斜配置されていることを特徴とする外周部
    の断面形状が円形の金属材の製造装置。
  4. 【請求項4】複数基の圧延機からなる圧延機群と、前記
    圧延機群の最終の仕上げ圧延機の下流側に連続配置され
    た4方サイジングローラとで構成される外周部の断面形
    状が円形の金属材を製造する装置であって、前記4方サ
    イジングローラがローラ圧下調整機構及びローラ軸傾斜
    配置機構を有し、且つ、対向するローラ対のうち、1対
    のローラの各ローラ軸が被圧延材の進行方向に対して両
    方とも同一方向に傾斜配置され、更に、もう一方の1対
    のローラの各ローラ軸も被圧延材の進行方向に対して両
    方とも同一方向に傾斜配置されていることを特徴とする
    外周部の断面形状が円形の金属材の製造装置。
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