JP3267198B2 - 断面形状が円形の金属材の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

断面形状が円形の金属材の製造方法及びその製造装置

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JP3267198B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断面形状が円形の
金属材の製造方法及びその製造装置に関し、上流側の圧
延機群とその圧延機群の下流側に設置された仕上げ圧延
機群によって断面形状が円形の金属材を製造する方法及
びその製造装置に関する。より詳しくは、同一のロール
(孔型ロール)を用いるとともにロールの圧下位置及び
ロール軸の傾斜角を無段階で変更して、仕上げ圧延後の
被圧延材(断面形状が円形の金属材)の直径を無段階で
変更できるようにした無段階連続圧延方法とその圧延装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】断面形状が円形の金属材、例えば各種の
金属材料を母材とする線材や棒材などは、圧延などの
「1次加工」によって所望の寸法(直径)に仕上げられ
た後、更に、所謂「2、3次加工」を施されて所望の形
状を有する最終的な産業用製品に仕上げられる。このた
め、「2、3次加工」での歩留まりと作業能率の向上を
図るため、「1次加工」仕上げままの断面形状が円形の
金属材には細かいピッチで高い精度の寸法が要求され
る。
【0003】したがって、断面形状が円形の金属材を圧
延する場合、一般に圧延製品の寸法(直径)毎にロール
(孔型ロール)を準備し、仕上げ直径(以下、仕上げ径
という)のわずかな変更に応じてロール替えを実施する
ことが行われてきた。しかし、この一般的な圧延方法の
場合、ロール替えのために生産能率が低下するし、更に
は数多くのロールを保有する必要がある。
【0004】こうした問題を解決するために、同一のロ
ールを用いてロール圧下位置を無段階に調整し、これに
よって仕上げ径を無段階で変更できる所謂「サイズフリ
ー圧延」に関する技術が、例えば、特開平1−2101
02号公報や特開平6−134502号公報に開示され
ている。
【0005】特開平1−210102号公報には、圧下
調整機能を備える2又は3パスの2ロール圧延機を成形
圧延機群(仕上げ圧延機群)として用いる「条鋼の保持
案内具無し圧延方法」が提案されている。この公報に記
載の技術(以下、従来技術1という)によれば、確かに
仕上げ寸法精度を高くすることが可能であるし、保持案
内具機能を省略できるため圧延機の構造が簡便になると
いった効果が得られる。しかし、成形圧延機群の合計減
面率が15%以下と小さく、しかも、各パス間における
圧延ロールの回転軸心間距離を被圧延材寸法の30倍以
下の小さいものとする必要があるので、圧延製品のサイ
ズに自ずと制約が生じて仕上げ径の小さな製品には適用
し難いものである。又、たとえ成形圧延機群をコンパク
トな構造にして仕上げ径の小さな製品に適用できるよう
にしても、成形圧延機群で圧延できる程度にまで粗圧延
機群や中間圧延機群での減面率を大きくして圧延する必
要があるため、圧延パススケジュールが極めて複雑なも
のとなる。更に、成形圧延機群が通常の垂直ロールを有
する垂直圧延機と通常の水平ロールを有する水平圧延機
との組み合わせで構成されるものであるので、成形圧延
後の製品形状は図5に示すようにほぼ4角形となってし
まう。
【0006】特開平6−134502号公報には、90
゜位相で連続配置された複数段の2ロール圧延機群で圧
延し、次いで前記2ロール圧延機群の圧延方向に対し4
5゜傾斜した4方向からロール圧延機で圧延して成形
し、径偏差(目的とする直径との出入り量)を減少させ
る「丸棒・線材の圧延方法およびそれに用いる圧延装
置」が提案されている。この技術(以下、従来技術2と
いう)によれば、断面がほぼ4角形となる通常の2ロー
ル圧延機群を仕上げ圧延機群として用いた場合の「サイ
ズフリー圧延」法と比べて径偏差が約1/4に減少し、
サイズフリー領域を広げることが可能ではある。しか
し、この従来技術2によっても、その仕上げ製品の断面
形状は、図6に示すようにほぼ8角形であり、通常の2
ロール圧延機群を仕上げ圧延機群として用いる仕上げ断
面形状がほぼ4角形となる前記した従来技術1などの
「サイズフリー圧延」と定性的に変わるものではない。
ラウンド孔型ロールにおいてロール孔型の溝部真円領域
(以下、単にロール孔型の真円領域という)の半径rが
仕上げ径dの1/2に等しい場合、仕上げ断面形状は真
円に近いものになるが、圧下量を増加させて製品寸法を
小さくするにつれて、断面がほぼ8角形になり、偏径差
(仕上げ製品の同一断面における直径の最大と最小との
差)が増大してしまう。
【0007】断面形状が円形の金属材に対して、「1次
加工」としての圧延のままでその寸法精度を高めたいと
する要求は極めて大きい。更に、偏径差の許容値もます
ます小さくなる傾向にある。このような要求に対して仕
上げ断面形状がほぼ4角形や8角形となる従来の「サイ
ズフリー圧延」技術で対応することは極めて難しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みなされたもので、サイズフリー領域が広く、圧下量
が変化しても仕上げ断面形状がほぼ真円で偏径差が小さ
い、断面形状が円形の金属材の製造方法としての「サイ
ズフリー圧延」方法、及びその製造装置としての圧延機
群、なかでも仕上げ圧延機群を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)〜(3)に示す断面形状が円形の金属材の製造方
法及び(4)〜(6)に示す断面形状が円形の金属材の
製造装置にある。
【0010】(1)90゜位相で連続配置された2基の
2ロール圧延機を仕上げ圧延機群における最終の2基の
圧延機とする複数基の連続圧延機群で断面形状が円形の
金属材を製造する方法であって、前記仕上げ圧延機群に
おける最終の2基の圧延機の下流側の2ロール圧延機の
1対の圧延ロールの各ロール軸を被圧延材の進行方向に
対して、相互に逆方向に傾斜配置又は、両方とも同一方
向に傾斜配置して仕上げ圧延することを特徴とする断面
形状が円形の金属材の製造方法。
【0011】(2)90゜位相で連続配置された2基の
2ロール圧延機を仕上げ圧延機群における最終の2基の
圧延機とする複数基の連続圧延機群で断面形状が円形の
金属材を製造する方法であって、前記仕上げ圧延機群に
おける最終の2基の圧延機の上流側の2ロール圧延機の
1対の圧延ロールの各ロール軸を被圧延材の進行方向に
対して相互に逆方向に傾斜配置し、更に、下流側の2ロ
ール圧延機の1対の圧延ロールの各ロール軸を、被圧延
材の進行方向に対して相互に逆方向でしかも前記上流側
の2ロール圧延機の場合とは逆の方向に傾斜配置、又
は、被圧延材の進行方向に対して両方とも同一方向に傾
斜配置して仕上げ圧延することを特徴とする断面形状が
円形の金属材の製造方法。
【0012】(3)90゜位相で連続配置された2基の
2ロール圧延機を仕上げ圧延機群における最終の2基の
圧延機とする複数基の連続圧延機群で断面形状が円形の
金属材を製造する方法であって、前記仕上げ圧延機群に
おける最終の2基の圧延機の上流側の2ロール圧延機の
1対の圧延ロールの各ロール軸を被圧延材の進行方向に
対して両方とも同一方向に傾斜配置し、更に、下流側の
2ロール圧延機の1対の圧延ロールの各ロール軸を、被
圧延材の進行方向に対して両方とも同一方向に傾斜配
置、又は、被圧延材の進行方向に対して相互に逆方向に
傾斜配置して仕上げ圧延することを特徴とする断面形状
が円形の金属材の製造方法。
【0013】(4)90゜位相で連続配置された複数基
の2ロール圧延機からなる圧延機群と、前記圧延機群の
下流側に90゜位相で連続配置された2基以上の2ロー
ル圧延機からなる仕上げ圧延機群とで構成される断面形
状が円形の金属材を製造する装置であって、前記仕上げ
圧延機群における最終の2基の圧延機の各2ロール圧延
機がロール圧下調整機構を有し、且つ、最終の2基の圧
延機のうち下流側の2ロール圧延機がロール軸傾斜配置
機構を有するとともにその圧延機の1対の圧延ロールの
各ロール軸が被圧延材の進行方向に対して、相互に逆方
向に傾斜配置又は、両方とも同一方向に傾斜配置されて
いることを特徴とする断面形状が円形の金属材の製造装
置。
【0014】(5)90゜位相で連続配置された複数基
の2ロール圧延機からなる圧延機群と、前記圧延機群の
下流側に90゜位相で連続配置された2基以上の2ロー
ル圧延機からなる仕上げ圧延機群とで構成される断面形
状が円形の金属材を製造する装置であって、前記仕上げ
圧延機群における最終の2基の圧延機の各2ロール圧延
機がロール圧下調整機構及びロール軸傾斜配置機構を有
し、最終の2基の圧延機のうち上流側の2ロール圧延機
の1対の圧延ロールの各ロール軸が被圧延材の進行方向
に対して相互に逆方向に傾斜配置され、更に、下流側の
2ロール圧延機の1対の圧延ロールの各ロール軸が、被
圧延材の進行方向に対して相互に逆方向でしかも前記上
流側の2ロール圧延機の場合とは逆の方向に傾斜配置、
又は、被圧延材の進行方向に対して両方とも同一方向に
傾斜配置されていることを特徴とする断面形状が円形の
金属材の製造装置。
【0015】(6)90゜位相で連続配置された複数基
の2ロール圧延機からなる圧延機群と、前記圧延機群の
下流側に90゜位相で連続配置された2基以上の2ロー
ル圧延機からなる仕上げ圧延機群とで構成される断面形
状が円形の金属材を製造する装置であって、前記仕上げ
圧延機群における最終の2基の圧延機の各2ロール圧延
機がロール圧下調整機構及びロール軸傾斜配置機構を有
し、最終の2基の圧延機のうち上流側の2ロール圧延機
の1対の圧延ロールの各ロール軸が被圧延材の進行方向
に対して両方とも同一方向に傾斜配置され、更に、下流
側の2ロール圧延機の1対の圧延ロールの各ロール軸
が、被圧延材の進行方向に対して両方とも同一方向に傾
斜配置、又は、被圧延材の進行方向に対して相互に逆方
向に傾斜配置されていることを特徴とする断面形状が円
形の金属材の製造装置。
【0016】以下、上記の(1)〜(6)をそれぞれ
(1)〜(6)の発明という。
【0017】ここで、「90゜位相で連続配置された2
ロール圧延機」とは、圧下方向が相互に直交する連続配
置された2ロール圧延機のことを指し、例えば、所謂
「水平圧延機」と「垂直圧延機」の組み合わせがこれに
当てはまる。なお、上記の「水平圧延機」と「垂直圧延
機」のいずれか一方又は双方の1対の圧延ロールの各ロ
ール軸を傾斜配置した場合の圧下方向も、上記各ロール
軸を傾斜配置しない場合と同じであるため、各圧延機の
圧下方向は相互に直交することになる。
【0018】「上流側の2ロール圧延機の1対の圧延ロ
ールの各ロール軸を被圧延材の進行方向に対して相互に
逆方向に傾斜配置し、更に、下流側の2ロール圧延機の
1対の圧延ロールの各ロール軸を、被圧延材の進行方向
に対して相互に逆方向でしかも前記上流側の2ロール圧
延機の場合とは逆の方向に傾斜配置する」とは、1対の
圧延ロールの各ロール軸を、例えば図2(a)に示す向
きで被圧延材の進行方向に対して相互に逆方向に傾斜配
置した上流側の2ロール圧延機に対して、下流側の2ロ
ール圧延機の1対の圧延ロールの各ロール軸を、被圧延
材の進行方向に対して相互に逆方向で、しかも、図2
(a)に示す向きに傾斜配置することをいう。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明者らは、構造が簡単でミル
剛性が高く、しかも噛出しを生じ難いため大きな圧下量
(減面率)が取れるという特徴を有する2ロール圧延機
を仕上げ圧延機群に用いて「サイズフリー圧延」を実現
するために種々検討を行った。その結果、次の事項が明
らかになった。
【0020】90゜位相で連続配置された2基の2ロ
ール圧延機で仕上げ圧延機群における最終の2基の圧延
機を構成し、前記仕上げ圧延機群における最終の2基の
圧延機のいずれにもロール孔型がほぼ円形の所謂「ラウ
ンド形状」である孔型(以下、ラウンド孔型という)を
有するロール(以下、このラウンド孔型を有するロール
を「ラウンド孔型ロール」という)を用いれば、少なく
とも前記最終の2基の圧延機の下流側の2ロール圧延機
の1対の圧延ロールの各ロール軸を被圧延材の進行方向
に対して傾斜配置して圧延することで、被圧延材の断面
形状をほぼ真円にして「サイズフリー圧延」を実現する
ことができる。
【0021】ここで、ロール孔型が「ラウンド形状」と
は、図17に断面図を示すように、角度θで表される所
謂「サイドリリーフ部」3を除く孔型底部が、半径rの
円弧からなる真円領域を持つ孔型形状であることをい
う。なお、通常の場合、サイドリリーフ部3の断面は、
半径が上記孔型底部の半径rの2倍である円弧、あるい
は、前記孔型底部の半径rの円弧に接する直線であるこ
とが多く、サイドリリーフ部3を表す角度θ(以下、サ
イドリリーフ角という)は10〜45゜であることが多
い。
【0022】次いで、更に詳細な検討を行い下記の知見
を得た。
【0023】1対の圧延ロールのラウンドロール孔型
の被圧延材の進行方向の投影形状は、仕上げ寸法を小さ
くするために圧延ロールのギャップを変化させた場合で
も、前記ギャップ変化に応じて圧延ロール軸を傾斜配置
することによりほぼ真円に保つことができる。
【0024】図7に、ラウンド孔型ロールを用いて圧延
ロールのギャップを変化させた場合におけるロール孔型
の被圧延材の進行方向の投影形状を示す。図7(a)に
示すように、ラウンド孔型ロールにおいてはロール孔型
の真円領域の半径rが仕上げ径dの1/2に等しい場
合、ロール孔型の投影形状はサイドリリーフ部3を除く
と真円になる。この状態のままで、仕上げ径をhまで小
さくするためにロールで圧下すると、つまり、ロールの
ギャップを小さくしてロールの溝底間距離をhにする
と、図7(b)に示すように、ロール孔型の投影形状は
楕円形状となる。しかし、ロールのギャップを小さくし
てロールの溝底間距離をhにした場合でも、図7(c)
に示すように、ロール軸を傾斜配置するとロール孔型の
投影形状を真円に近づけることができる。なお、図7
(c)では、1対のロール軸を相互に逆方向に傾斜配置
した場合を示したが、1対のロール軸の両方を同一方向
に傾斜配置した場合でもロール孔型の投影形状は真円に
近づく。
【0025】上記のと同様に、90゜位相で連続配
置された2基の2ロール圧延機において、各圧延ロール
孔型がラウンド孔型である場合のロール孔型の被圧延材
の進行方向の投影形状は、仕上げ寸法を小さくするため
に2基それぞれの圧延ロールのギャップを変化させた場
合でも、前記ギャップ変化に応じて圧延ロール軸を傾斜
配置することによりほぼ真円に保つことができる。
【0026】図8に、90゜位相で連続配置された2基
の2ロール圧延機において、同じ形状のラウンド孔型ロ
ールを用いて圧延ロールのギャップを同じだけ変化させ
た場合についてロール孔型の被圧延材の進行方向の投影
形状を示す。図8(a)に示すように、同じ形状のラウ
ンド孔型ロールにおいて、ロール孔型の真円領域の半径
rが圧延機での仕上げ径dの1/2に等しい場合、各1
対ずつのロール孔型の投影形状を重ね合わせた形は真円
となる。この状態のままで、仕上げ径をhまで小さくす
るためにロールで圧下すると、つまり、ロールのギャッ
プを小さくして各2ロール圧延機におけるロールの溝底
間距離をhにすると、図8(b)に示すように、ロール
孔型の投影形状はほぼ4角形となる。しかし、ロールの
ギャップを小さくしてロールの溝底間距離をhにした場
合でも、図8(c)に示すように、ロール軸を傾斜配置
するとロール孔型の投影形状をほぼ真円にすることがで
きる。
【0027】なお、図8(c)では、上流側の圧延機の
各ロール軸を相互に逆方向に傾斜配置し、下流側の圧延
機の各ロール軸も相互に逆方向でしかも上流側の圧延機
の場合とは逆の方向に傾斜配置した場合を示したが、
(イ)上流側の圧延機の各ロール軸は両方とも同一方向
に傾斜配置、下流側の圧延機の各ロール軸も両方とも同
一方向に傾斜配置、(ロ)上流側の圧延機の各ロール軸
は相互に逆方向に傾斜配置、下流側の圧延機の各ロール
軸は両方とも同一方向に傾斜配置、(ハ)上流側の圧延
機の各ロール軸は両方とも同一方向に傾斜配置、下流側
の圧延機の各ロール軸は相互に逆方向に傾斜配置、の各
場合にも同様にロール孔型の投影形状は真円に近づく。
【0028】90゜位相で連続配置された2基の2ロ
ール圧延機において、各圧延ロール孔型がラウンド孔型
である場合、各圧延ロールのロール孔型の被圧延材の進
行方向の投影形状をほぼ真円にして圧延する際、サイド
リリーフ角θが例えば30゜以下の小さな値であれば、
被圧延材の円周方向全域をほぼ真円に精度良く成形でき
る。
【0029】上記の場合、各ロールで圧延する際の
サイドリリーフ角θが例えば25゜以下の小さな値であ
れば、被圧延材の円周方向全域を一層精度良く成形でき
る。
【0030】90゜位相で連続配置された2基の2ロ
ール圧延機において、各圧延ロール孔型がラウンド孔型
である場合において、上流側の2ロール圧延機で通常の
圧延を行う際、つまり1対の圧延ロールの各ロール軸を
傾斜配置せずに圧延する際、サイドリリーフ角θが例え
ば30゜以下の小さな値であれば、下流側の1対の圧延
ロールの各ロール軸を傾斜配置してロール孔型の被圧延
材の進行方向の投影形状をほぼ真円にして圧延する際の
サイドリリーフ角θを例えば25゜以下の小さな値にす
れば、被圧延材の円周方向全域をほぼ真円に精度良く成
形できる。
【0031】上記の〜の知見は、90゜位相で連続
配置された2基の2ロール圧延機において、下流側の圧
延ロールの孔型がラウンド形状、つまりラウンド孔型で
あれば、上流側の圧延ロールの孔型がラウンド形状に近
いオーバル形状の場合においてもほぼ当てはまることが
分かった。このため、仕上げ圧延機群を構成する圧延機
に関し、90゜位相で連続配置された最終の2基の2ロ
ール圧延機のうち上流側の圧延ロールの孔型がラウンド
形状に近いオーバル形状の場合においても、少なくとも
下流側の2ロール圧延機の1対の圧延ロールの各ロール
軸を被圧延材の進行方向に対して傾斜配置して圧延する
ことで、「サイズフリー圧延」を実現することができ
る。
【0032】なお、本発明でいうロール孔型が「ラウン
ド形状に近いオーバル形状」とは、図18に断面図を示
すような、孔型溝底の真円部を形成する円の中心が、ロ
ールの最も深い溝底を結ぶ線の中点の位置から距離δだ
けずれた所謂「オーバル形状」の孔型のうち、δとロー
ルの溝底間距離hの関係が0<(δ/h)<0.20で
ある形状のことをいう。
【0033】本発明は上記の知見に基づいて完成された
ものである。
【0034】以下、図面を参照しながら本発明の断面形
状が円形の金属材の製造方法及びその製造装置について
説明する。
【0035】図1は、(1)の発明に係る断面形状が円
形の金属材の製造方法及び(4)の発明に係る断面形状
が円形の金属材の製造装置を説明する図(正面図)であ
る。図1(a)は仕上げ圧延機群6における最終の2基
の2ロール圧延機のうち、下流側の圧延機Sn+2 の1対
の圧延ロール1の各ロール軸4を被圧延材2の進行方向
に対して、相互に逆方向に傾斜配置した場合を、又、図
1(b)は、両方とも同一方向に傾斜配置した場合を示
すものである。
【0036】被圧延材2は、連続配置された複数基の圧
延機からなる圧延機群(以下、前段の圧延機群という)
5で繰り返しの減面圧延加工を受けた後、90゜位相で
連続配置された2ロール圧延機Sn+1及びSn+2を最終の
2基の圧延機とする仕上げ圧延機群6で所望の仕上げ径
を有する断面形状が円形の金属材に仕上げられる。2ロ
ール圧延機Sn+1 のロール孔型は既に述べたラウンド形
状又はラウンドに近いオーバル形状であり、2ロール圧
延機Sn+2 のロール孔型はラウンド形状である。
【0037】上記した前段の圧延機群5を構成する圧延
機及び仕上げ圧延機群6における最終の2基の圧延機S
n+1及びSn+2を除く圧延機は、(1)の発明の場合に
は、特に規定されるものではない。
【0038】しかし、(4)の発明の場合には前段の圧
延機群5を構成する圧延機は90゜位相で連続配置され
た複数基の2ロール圧延機からなる圧延機群とする。更
に、仕上げ圧延機群6における最終の2基の圧延機S
n+1及びSn+2を除く圧延機も2ロール圧延機とする。こ
の理由は、2ロール圧延機の場合、構造が簡単で設備コ
ストが低く、ロールの交換や芯出しなどのメンテナンス
が容易で、しかもミル剛性が大きいという特徴を有する
からである。
【0039】なお、(1)の発明、(4)の発明のいず
れの場合も、仕上げ圧延機群6が上記した最終の2基の
2ロール圧延機Sn+1及びSn+2以外の圧延機を含まなく
ても良い。つまり、仕上げ圧延機群6が2基の2ロール
圧延機Sn+1及びSn+2だけから構成されていても良い。
【0040】仕上げ圧延機群6における最終の2基の2
ロール圧延機のうち、上流側の圧延機Sn+1 は1対の圧
延ロール1の圧下調整機構(図示せず)を有するもので
あり、この圧延機Sn+1 のロール溝底間距離h(図7参
照)は目標仕上げ径(以下、サイジング寸法という)に
近くなるように設定される。前記の設定値は、予め実験
などにより求めておいたその圧延機Sn+1のミル剛性及
び下流側の圧延機Sn+2による圧延での幅広がりを考慮
に入れて決定される。
【0041】下流側の2ロール圧延機Sn+2 は1対の圧
延ロール1の圧下調整機構(図示せず)を有するととも
に、前記ロール1の各ロール軸を被圧延材2の進行方向
に対して傾斜配置する機構(図示せず)を有している。
この圧延機Sn+2 における1対の圧延ロール1の圧下調
整は、予め実験などにより求めておいたミル剛性を考慮
して行われる。
【0042】なお、上記の各1対ずつの圧延ロール1の
圧下調整機構には、例えば、圧下スクリューと偏心スリ
ーブなどを用いた機構を用いれば良い。
【0043】サイズフリー領域は2ロール圧延機Sn+2
のロール孔型の真円領域の半径rn+2の2倍以下の範囲
に設定できる。既に図7(a)について述べたように、
サイジング寸法が圧延機Sn+2 のロール孔型の真円領域
の半径rn+2 の2倍に等しい場合、ロール軸の傾斜角を
0゜とすると、被圧延材の進行方向から見たロール孔型
の投影形状はサイドリリーフ部3を除くと真円になる。
ロールのギャップを狭くしてサイジング寸法を小さくし
た場合には、図9に示すように、ロール軸を適正角度傾
斜配置することにより、ロール孔型の投影形状をサイド
リリーフ部を除いてほぼ真円にすることができる。圧延
機Sn+2 による圧延での自由表面部7の形状は、2ロー
ル圧延機Sn+1 のロール孔型の形状により決まってしま
う。したがって、偏径差を小さくするために、圧延機
n+1 にラウンド孔型ロールを用いる場合には、圧延機
n+1のロール孔型の真円領域の半径rn+1 を圧延機S
n+2のロール孔型の真円領域の半径rn+2 の近傍、例え
ば0.95rn+2≦rn+1≦1.05rn+2に設定してお
くことが望ましい。又、圧延機Sn+1にラウンドに近
いオーバル形状のロール孔型のロールを用いる場合に
は、圧延機Sn+1 のロール孔型の真円領域の半径rn+1
を圧延機Sn+2のロール孔型の真円領域の半径rn+2の近
傍、例えば0.95rn+2≦rn+1≦1.05rn+2 に設
定するとともに、既に図18について述べた(δ/h)
の値を小さい値、例えば0<(δ/h)<0.10とし
ておくことが望ましい。
【0044】仕上げ圧延機群6における最終の2基の2
ロール圧延機のうち、下流側の2ロール圧延機Sn+2
1対の圧延ロール1の各ロール軸4を被圧延材2の進行
方向に対して傾斜配置するには、例えば、図1(a)と
図1(b)に示す方法がある。又、図1の場合とは向き
が異なる図4に示す方法で傾斜配置しても良い。図1
(a)と図4(a)は、上記2ロール圧延機Sn+2 の1
対の圧延ロール1の各ロール軸4を被圧延材2の進行方
向に対して、相互に逆方向に傾斜配置した場合を、又、
図1(b)と図4(b)は、両方とも同一方向に傾斜配
置した場合を示すものである。なお、図4の(a)−
1、(b)−1は正面図、(a)−2、(b)−2は平
面図である。
【0045】後述の実施例で詳しく述べるように、ロー
ルの圧下量が大きくなるにつれて、つまり、ロールのギ
ャップが狭くなってサイジング寸法が小さくなるにつれ
て、ロール軸の傾斜角φ(例えば、図4参照)は大きく
設定する必要があるが、製品である被圧延材に疵を発生
させないために、前記φは0〜8゜の範囲で設定すれば
良い。なお、図4に例示するように、2ロール圧延機S
n+2 の1対の圧延ロール1の各ロール軸4を被圧延材2
の進行方向に対して、相互に逆方向に傾斜配置する場
合、両方とも同一方向に傾斜配置する場合、のいずれ
の場合においても各ロールに関する前記の傾斜角φは同
じ値とする必要がある。
【0046】上記の2ロール圧延機Sn+2 の1対の圧延
ロール1の各ロール軸4を被圧延材2の進行方向に対し
て傾斜配置する機構としては、例えば、慣用手段である
ジャッキ機構や油圧機構などを用いれば良い。
【0047】図2は、(2)の発明に係る断面形状が円
形の金属材の製造方法及び(5)の発明に係る断面形状
が円形の金属材の製造装置を説明する図である。図2
(a)は仕上げ圧延機群における最終の2基の圧延機の
うち、上流側の2ロール圧延機Sn+1 の1対の圧延ロー
ル1の各ロール軸4を被圧延材2の進行方向に対して相
互に逆方向に傾斜配置し、更に、下流側の2ロール圧延
機Sn+2 の1対の圧延ロール1の各ロール軸4を、被圧
延材2の進行方向に対して相互に逆方向でしかも前記上
流側の2ロール圧延機Sn+1 の場合とは逆の方向に傾斜
配置する1つの方法を示す図である。図2(b)と図2
(c)は、上流側の2ロール圧延機 Sn+1の1対の圧延
ロール1の各ロール軸4を被圧延材2の進行方向に対し
て相互に逆方向に傾斜配置し、更に、下流側の2ロール
圧延機Sn+2 の1対の圧延ロール1の各ロール軸4を、
被圧延材2の進行方向に対して両方とも同一方向に傾斜
配置する場合を例示したものである。
【0048】なお、図2の(a)−1、(b)−1、
(c)は正面図、(a)−2、(b)−2は平面図であ
る。
【0049】図3は、(3)の発明に係る断面形状が円
形の金属材の製造方法及び(6)の発明に係る断面形状
が円形の金属材の製造装置を説明する図である。図3
(a)と図3(b)は仕上げ圧延機群における最終の2
基の圧延機のうち、上流側の2ロール圧延機Sn+1 の1
対の圧延ロール1の各ロール軸4を被圧延材2の進行方
向に対して両方とも同一方向に傾斜配置し、更に、下流
側の2ロール圧延機Sn+2 の1対の圧延ロール1の各ロ
ール軸4を、被圧延材2の進行方向に対して両方とも同
一方向に傾斜配置する場合を例示したものである。図3
(c)と図3(d)は、上流側の2ロール圧延機Sn+1
の1対の圧延ロール1の各ロール軸4を被圧延材2の進
行方向に対して両方とも同一方向に傾斜配置し、更に、
下流側の2ロール圧延機Sn+2 の1対の圧延ロール1の
各ロール軸4を、被圧延材2の進行方向に対して相互に
逆方向に傾斜配置する場合を例示したものである。
【0050】なお、図3の(a)−1、(b)、(c)
−1、(d)は正面図、(a)−2、(c)−2は平面
図である。
【0051】被圧延材2は、前段の圧延機群5で繰り返
しの減面圧延加工を受けた後、90゜位相で連続配置さ
れた2ロール圧延機Sn+1及びSn+2を最終の2基の圧延
機とする仕上げ圧延機群6で所望の仕上げ径を有する断
面形状が円形の金属材に仕上げられる。2ロール圧延機
n+1 のロール孔型はラウンド形状又はラウンドに近い
オーバル形状であり、2ロール圧延機Sn+2 のロール孔
型はラウンド形状である。
【0052】上記した前段の圧延機群5を構成する圧延
機及び仕上げ圧延機群6における最終の2基の圧延機S
n+1及びSn+2を除く圧延機は、(2)の発明及び(3)
の発明の場合には、特に規定されるものではない。
【0053】しかし、(5)の発明及び(6)の発明の
場合には前段の圧延機群5を構成する圧延機は90゜位
相で連続配置された複数基の2ロール圧延機からなる圧
延機群とする。更に、仕上げ圧延機群6における最終の
2基の圧延機Sn+1及びSn+2を除く圧延機も2ロール圧
延機とする。この理由は、既に述べた(4)の発明の場
合におけると同様、2ロール圧延機の場合、構造が簡単
で設備コストが低く、ロールの交換や芯出しなどのメン
テナンスが容易で、しかもミル剛性が大きいという特徴
を有するからである。
【0054】なお、(2)の発明、(3)の発明、
(5)の発明、(6)の発明のいずれの場合にも、仕上
げ圧延機群6が上記した最終の2基の2ロール圧延機S
n+1 及びSn+2 以外の圧延機を含まなくても良い。つま
り、仕上げ圧延機群6が2基の2ロール圧延機Sn+1
びSn+2だけから構成されていても良い。
【0055】圧延機Sn+2による圧延での自由表面部7
の形状は、2ロール圧延機Sn+1のロール孔型の形状に
より決まってしまう。したがって、圧延機Sn+2 の1対
の圧延ロール1の各ロール軸4だけではなく、圧延機S
n+1 の場合にも1対の圧延ロール1の各ロール軸4を被
圧延材2の進行方向に対して傾斜配置することが可能な
構造にしておけば、圧延機Sn+2 の1対の圧延ロール1
の各ロール軸4だけを傾斜配置する場合に比べて、断面
形状が円形の金属材の偏径差を一層小さくできる。
【0056】このため、仕上げ圧延機群6における最終
の2基の圧延機Sn+1とSn+2はいずれも1対の圧延ロー
ル1の圧下調整機構(図示せず)を有するとともに、前
記ロール1の各ロール軸4を被圧延材2の進行方向に対
して傾斜配置する機構(図示せず)を有しているものと
する。
【0057】上流側の圧延機Sn+1 のロール溝底間距離
hの設定、すなわち圧下調整は、予め実験などにより求
めておいたその2ロール圧延機Sn+1 のミル剛性及び下
流側の圧延機Sn+2 による圧延での幅広がりを考慮に入
れて決定すれば良い。又、圧延機Sn+2 における1対の
圧延ロール1の圧下調整は、予め実験などにより求めて
おいたミル剛性を考慮して行えば良い。
【0058】なお、上記圧延機Sn+1、Sn+2の1対ずつ
の圧延ロール1の圧下調整機構にも、例えば、圧下スク
リューと偏心スリーブなどを用いた機構を用いれば良
い。
【0059】サイジング寸法が仕上げ圧延機群6におけ
る最終の2基の圧延機のうち、下流側の2ロール圧延機
n+2のロール孔型の真円領域の半径rn+2に等しい場合
には、上流側の2ロール圧延機Sn+1 のロール孔型の真
円領域の半径rn+1とrn+2とを同じにしておけば、既に
図8(a)について述べたように、圧延機Sn+1 及び圧
延機Sn+2 のロール孔型の被圧延材の進行方向から見た
投影形状を真円にすることができる。ロールのギャップ
を狭くしてサイジング寸法を小さくして行くと、被圧延
材の進行方向からみたロール孔型の投影形状は図8
(b)に示すようにほぼ4角形となってしまう。しか
し、図8(c)に示すように、圧延機Sn+1 及び圧延機
n+2 の1対ずつの圧延ロールの各ロール軸を傾斜配置
することにより、ロール孔型の投影形状を真円に近づけ
ることができる。
【0060】仕上げ圧延機群6における最終の2基の圧
延機Sn+1 及びSn+2 の1対ずつの圧延ロール1の各ロ
ール軸4を被圧延材2の進行方向に対して傾斜配置する
ためには既に述べた図2や図3の方法などによれば良
い。
【0061】以下、実施例により本発明を更に詳しく説
明する。
【0062】
【実施例】
(実施例1)仕上げ径25mmを基準とする孔型のロー
ルを用いて、従来技術1及び従来技術2の方法で圧延す
る場合の偏径差を幾何学的に求めた。つまり、幅広がり
を考慮せずロール孔型の被圧延材の進行方向の投影形状
により仕上げ形状(製品形状)が決まると仮定して、従
来技術1及び従来技術2の方法で圧延する場合の偏径差
を求めた。この結果を図10に示す。従来技術1の方法
で圧延する場合には、仕上げ径つまり製品径の変化に応
じて偏径差は図10中にL1で示す線となり、大きく変
化する。従来技術2のうち「2ロールミル群の圧延方向
に対して45゜傾斜した4方向から仕上げの2ロールミ
ル2スタンドで圧延し成形する方法」では、偏径差は図
10中にL2で示す線になって製品径とともに変化する
が、前記の従来技術1の方法に比べて偏径差を1/4に
まで小さくできる。
【0063】次に、仕上げ径25mmを基準とする孔型
のロールを用いて、(1)の発明の方法で圧延する場合
の偏径差を幾何学的に求めた。表1に、この時の各ラウ
ンド孔型ロールの形状の詳細を示す。表1におけるロー
ル直径とは、ロール溝底部における直径を指す。なお、
この場合、仕上げ圧延機群における最終の2基の圧延機
のうち、下流側の2ロール圧延機Sn+2 の1対の圧延ロ
ールの各ロール軸を、被圧延材の進行方向に対して相互
に逆方向に傾斜配置しても、両方とも同一方向に傾斜配
置しても、幾何学的に求められる偏径差は等しいものと
なる。
【0064】
【表1】
【0065】この(1)の発明の方法においては、圧下
量を増加させるにつれて、つまり、ロールギャップを狭
めてサイジング寸法を小さくするにつれて、ロール軸の
傾斜角φを大きく設定する必要がある。そして、幾何学
的な偏径差が最小となる傾斜角(以下、適正傾斜角とい
う)を求めると、図13中にAP1で示す線となる。こ
の適正傾斜角を用いた場合の偏径差を幾何学的に仕上げ
径毎に求めると図11中のLP1で示す線になる。
【0066】上記のLP1で示される線を図10中のL
1で示される線と比較すれば、(1)の発明によって、
0.92d〜dの範囲において、偏径差を従来技術1の
方法で圧延する場合の3/16に抑制できることが明ら
かである。同様に、LP1で示される線を図10中のL
2で示される線と比較すれば、(1)の発明によって、
0.92d〜dの範囲において、偏径差を従来技術2の
方法で圧延する場合の3/4に抑制できることが明らか
である。この結果、(1)の発明によればサイズフリー
領域は従来の「サイズフリー圧延」技術、なかでも従来
技術2の場合に比べても1.3倍以上広くなることがわ
かる。
【0067】次に、通常の方法で溶製、分塊圧延して作
製したJISのS45Cのビレットを、通常の方法によ
って前段の圧延機群で圧延した後、表1に示した各ラウ
ンド孔型ロールを有する2ロール圧延機Sn+1及びSn+2
を用いて、(1)の発明の方法によって仕上げ径22〜
25mmに仕上げ圧延して偏径差を測定した。
【0068】仕上げ圧延機群における最終の2基の圧延
機のうち、下流側の2ロール圧延機Sn+2 の1対の圧延
ロールの各ロール軸を被圧延材の進行方向に対して相互
に逆方向に傾斜配置して圧延した場合の偏径差を、図1
1中にRP1aとして示す。又、圧延機Sn+2 の1対の
圧延ロールの各ロール軸を被圧延材の進行方向に対して
両方とも同一方向に傾斜配置して圧延した場合の偏径差
を、図11中にRP1bとして示す。
【0069】図11によれば、実機で圧延した場合の偏
径差(RP1a、RP1b)は、幾何学的に求めた偏径
差(LP1)よりも少し大きい。しかし、圧延機Sn+2
の1対の圧延ロールの各ロール軸を被圧延材の進行方向
に対して相互に逆方向に傾斜配置した場合(RP1a)
と、両方とも同一方向に傾斜配置した場合(RP1b)
とで偏径差に殆ど差は認められない。この(1)の発明
の方法によれば、偏径差0.1mm以下に対してサイズ
フリー領域は1.5mm以上である。
【0070】(実施例2)仕上げ径25mmを基準とす
る孔型のロールを用いて、(2)の発明の中で、仕上
げ圧延機群における最終の2基の圧延機の上流側の2ロ
ール圧延機Sn+1の1対の圧延ロールの各ロール軸を被
圧延材の進行方向に対して相互に逆方向に傾斜配置し、
更に、下流側の2ロール圧延機Sn+2 の1対の圧延ロー
ルの各ロール軸を、被圧延材の進行方向に対して相互に
逆方向でしかも前記上流側の圧延機Sn+1 の場合とは逆
の方向に傾斜配置して仕上げ圧延する方法(以下の圧
延方法という)、及び、(3)の発明の中で、仕上げ
圧延機群における最終の2基の圧延機の上流側の2ロー
ル圧延機Sn+1 の1対の圧延ロールの各ロール軸を被圧
延材の進行方向に対して両方とも同一方向に傾斜配置
し、更に、下流側の2ロール圧延機Sn+2 の1対の圧延
ロールの各ロール軸を、被圧延材の進行方向に対して両
方とも同一方向に傾斜配置して仕上げ圧延する方法(以
下の圧延方法という)、の2つの場合について偏径差
を幾何学的に求めた。
【0071】表2に、この時の各ラウンド孔型ロールの
形状の詳細を示す。表2におけるロール直径も、ロール
溝底部における直径を指す。なお、上記した及びの
2つの圧延方法で仕上げ圧延する場合の幾何学的に求め
られる偏径差は等しいものとなる。
【0072】
【表2】
【0073】上記の圧延方法及びの圧延方法の場合
にも、圧下量を増加させるにつれて、つまり、ロールギ
ャップを狭めてサイジング寸法を小さくするにつれて、
傾斜角φを大きく設定する必要がある。そして、幾何学
的な偏径差が最小となる適正傾斜角を求めると、図13
中にAP2で示す線となる。なお、上記との方法に
おいては、2ロール圧延機Sn+1及びSn+2のロール孔型
形状は同じものであるため、ロール孔型の投影形状をほ
ぼ真円にするためのロール軸の適正傾斜角は圧延機S
n+1及びSn+2について同じ値、つまり、AP2で示す線
になる。この適正傾斜角を用いた場合の偏径差を幾何学
的に仕上げ径毎に求めると図12中のLP2で示す線に
なる。
【0074】このLP2で示される線を図10中のL1
で示される線と比較すれば、上記のの圧延方法やの
圧延方法によって偏径差を従来技術1の方法で圧延する
場合の1/60に抑制できることが明らかである。同様
に、LP2で示される線を図10中のL2で示される線
と比較すれば、前記の圧延方法やの圧延方法によっ
て偏径差を従来技術2の方法で圧延する場合の1/15
に抑制できることがわかる。
【0075】次に、通常の方法で溶製、分塊圧延して作
製したJISのS45Cのビレットを、通常の方法によ
って前段の圧延機群で圧延した後、表2に示した各ラウ
ンド孔型ロールを有する2ロール圧延機Sn+1及びSn+2
を用いて、前記のの圧延方法との圧延方法によって
仕上げ径(製品径)22〜25mmに仕上げ圧延して偏
径差を測定した。
【0076】前記の圧延方法で圧延した場合の偏径差
を、図12中にRP2として示す。又、前記の圧延方
法で圧延した場合の偏径差を、図12中にRP3として
示す。図12によれば、実機で圧延した場合の偏径差
(RP2、RP3)は、幾何学的に求めた偏径差(LP
2)よりも少し大きい。しかし、前記したの圧延方法
の場合(RP2)との圧延方法の場合(RP3)とで
偏径差に殆ど差は認められない。
【0077】更に、図12から前記の圧延方法やの
圧延方法によれば、25〜22mmの全ての製品径(仕
上げ径)の範囲における偏径差を0.05mm(50μ
m)未満の極めて小さい値に抑えることができ、サイズ
フリー領域が極めて大きくなることが明らかである。更
に、図12から、前記の圧延方法やの圧延方法の場
合には、サイズフリー領域は偏径差によって制約され
ず、ロール軸の傾斜角φの設定によって制約を受けるこ
とが想定される。
【0078】ロール孔型の投影形状をほぼ真円にするた
めには、サイジング寸法が小さくなるに連れてロール軸
の傾斜角φを大きく設定する必要がある。しかし、ロー
ル軸の傾斜角φを大きく設定すると、ロール溝底部にお
けるロールと被圧延材との接触領域8が図15に示すよ
う斜めに広がり、このため被圧延材に疵が生ずることが
ある。
【0079】そこで、被圧延材に疵を生じさせないロー
ル軸の傾斜角φを求めるために、通常の方法で溶製、分
塊圧延して作製したJISのS45Cのビレットを、通
常の方法によって前段の圧延機群で圧延した後、前記の
表2に示した各ラウンド孔型ロールを有する2ロール圧
延機Sn+1及びSn+2を用いて、前記のの圧延方法によ
って、ロール軸の傾斜角φを0〜10゜の範囲で変えて
仕上げ圧延し、被圧延材の表面における疵発生の有無を
目視観察した。この結果、被圧延材に疵が発生しないロ
ール軸の傾斜角φは最大8゜であることが分かった。
【0080】図14は、上記したの圧延方法及びの
圧延方法で仕上げ圧延する場合の適正傾斜角を0〜10
゜の範囲で変化させた場合の適正傾斜角と仕上げ径(製
品径)との関係を示す図である。上記したように被圧延
材に疵が発生しない最大傾斜角は8゜であるので、図1
4及び図12から、偏径差を0.05mm未満とした場
合でも、上記の圧延方法やの圧延方法におけるサイ
ズフリー領域は基準の仕上げ径である25mmに対して
3mm以上の極めて大きなものとすることができる。
【0081】(実施例3)通常の方法で溶製、分塊圧延
して作製したJISのS45Cのビレットを、通常の方
法によって前段の圧延機群で圧延した後、表3に示した
各ラウンド孔型ロールを有する2ロール圧延機Sn+1
びSn+2を用いて、(1)の発明のうち、仕上げ圧延機
群における最終の2基の圧延機のうち、下流側の圧延機
n+2 の1対の圧延ロールの各ロール軸を、被圧延材の
進行方向に対して相互に逆方向に傾斜配置して仕上げ圧
延する方法を対象に、サイドリリーフ部が偏径差に及ぼ
す影響を調査した。すなわち、圧延機Sn+1のロール孔
型は一定とし、圧延機Sn+2のロール孔型におけるサイ
ドリリーフ角を5〜40゜の範囲で変えてサイジング寸
法を23mmに設定して仕上げ圧延し、偏径差を測定し
た。
【0082】
【表3】
【0083】偏径差の測定結果を図16に示す。この図
16から、サイドリリーフ角θが30゜を超えると偏径
差が急激に増加することが分かる。したがって、(1)
の方法で「サイズフリー圧延」を行う場合には、圧延機
n+2 の圧延ロールのサイドリリーフ角θは30゜以下
にすることが望ましい。前記のサイドリリーフ角θは2
5゜以下に設定するのがより好ましい。
【0084】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、2ロール圧
延機によって仕上げ断面形状がほぼ真円で偏径差が小さ
く、しかも広いサイズフリー領域を有する実用的なサイ
ズフリー圧延を行うことができる。このためロール保有
数を削減できるし、ロール替えの省略が可能なため圧延
作業能率を大幅に高めることもできる。更に、本発明の
製造装置の圧延機群は2ロール圧延機で構成されるもの
で、構造が簡単、ロールの交換や芯出しなどのメンテナ
ンスが容易、ミル剛性が大きいなどの優れた利点を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧延方法を説明する正面図であ
る。(a)は、仕上げ圧延機群の下流側の圧延機の1対
の圧延ロールの各ロール軸を被圧延材の進行方向に対し
て相互に逆方向に傾斜配置した場合を、(b)は、前記
の各ロール軸を被圧延材の進行方向に対して、両方とも
同一方向に傾斜配置した場合を示す。
【図2】本発明に係る圧延方法を説明する別の図であ
る。(a)は、仕上げ圧延機群の上流側の圧延機の1対
の圧延ロールの各ロール軸を被圧延材の進行方向に対し
て相互に逆方向に傾斜配置し、更に、下流側の圧延機の
1対の圧延ロールの各ロール軸を、被圧延材の進行方向
に対して相互に逆方向でしかも上流側の圧延機の場合と
は逆の方向に傾斜配置した場合を示し、(a)−1は正
面図、(a)−2は平面図である。(b)は、上流側の
圧延機の各ロール軸を被圧延材の進行方向に対して相互
に逆方向に傾斜配置し、更に、下流側の圧延機の各ロー
ル軸を、被圧延材の進行方向に対して両方とも同一方向
に傾斜配置した場合を示し、(b)−1は正面図、
(b)−2は平面図である。(c)は、上流側の圧延機
の各ロール軸を被圧延材の進行方向に対して相互に逆方
向に傾斜配置し、更に、下流側の圧延機の各ロール軸
を、被圧延材の進行方向に対して両方とも同一方向に傾
斜配置した場合を示す別の正面図である。
【図3】本発明に係る圧延方法を説明する更に別の図で
ある。(a)は、上流側の圧延機の1対の圧延ロールの
各ロール軸を被圧延材の進行方向に対して両方とも同一
方向に傾斜配置し、更に、下流側の圧延機の1対の圧延
ロールの各ロール軸を、被圧延材の進行方向に対して両
方とも同一方向に傾斜配置した場合を示し、(a)−1
は正面図、(a)−2は平面図である。(b)は上流側
の圧延機の1対の圧延ロールの各ロール軸を被圧延材の
進行方向に対して両方とも同一方向に傾斜配置し、更
に、下流側の圧延機の1対の圧延ロールの各ロール軸
を、被圧延材の進行方向に対して両方とも同一方向に傾
斜配置した場合を示す別の正面図である。(c)は、上
流側の圧延機の各ロール軸を被圧延材の進行方向に対し
て両方とも同一方向に傾斜配置し、更に、下流側の圧延
機の各ロール軸を、被圧延材の進行方向に対して相互に
逆方向に傾斜配置した場合を示し、(c)−1は正面
図、(c)−2は平面図である。(d)は、上流側の圧
延機の各ロール軸を被圧延材の進行方向に対して両方と
も同一方向に傾斜配置し、更に、下流側の圧延機の各ロ
ール軸を、被圧延材の進行方向に対して相互に逆方向に
傾斜配置した場合を示す別の正面図である。。
【図4】仕上げ圧延機群の下流側の圧延機の1対の圧延
ロールの各ロール軸を被圧延材の進行方向に対して傾斜
配置する方法の別の説明図である。(a)は、下流側の
圧延機の各ロール軸を被圧延材の進行方向に対して、相
互に逆方向に傾斜配置した場合を示し、(a)−1は正
面図、(a)−2は平面図である。(b)は、前記の各
ロール軸を被圧延材の進行方向に対して、両方とも同一
方向に傾斜配置した場合を示し、(b)−1は正面図、
(b)−2は平面図である。
【図5】従来法でサイズフリー圧延して得られた製品の
断面形状を示す図である。
【図6】別の従来法でサイズフリー圧延して得られた製
品の断面形状を示す図である。
【図7】ラウンド孔型ロールを用いて圧延ロールのギャ
ップを変化させた場合のロール孔型の被圧延材の進行方
向の投影形状を示す図である。(a)はロール孔型の真
円領域の半径rが仕上げ径dの1/2に等しい場合の投
影形状、(b)は、ロールのギャップを小さくしてロー
ルの溝底間距離をhにした場合のロール孔型の投影形
状、(c)は、ロールのギャップを小さくする際にロー
ル軸を相互に逆方向に傾斜配置した場合のロール孔型の
投影形状である。
【図8】90゜位相に配置された2基の2ロール圧延機
において、同じ形状のラウンド孔型ロールを用いて圧延
ロールのギャップを同じだけ変化させた場合のロール孔
型の被圧延材の進行方向の投影形状を示す図である。
(a)は、ロール孔型の真円領域の半径rが仕上げ径d
の1/2に等しい場合の投影形状、(b)は、ロールの
ギャップを小さくして各圧延機におけるロールの溝底間
距離をhにした場合のロール孔型の投影形状、(c)
は、ロールのギャップを小さくする際にロール軸を傾斜
配置した場合のロール孔型の投影形状である。
【図9】ロール孔型の真円領域の半径rが仕上げ径dの
1/2に等しい場合に、ロール軸を傾斜配置し、ロール
孔型の被圧延材の進行方向の投影形状をほぼ真円にした
状態を説明する図である。
【図10】従来のサイズフリー圧延方法で圧延した場合
の製品径(仕上げ径)と幾何学的に求めた偏径差との関
係を示す図である。
【図11】本発明に係る方法で圧延した場合の製品径
(仕上げ径)と偏径差との関係を示す図である。
【図12】本発明に係る別の方法で圧延した場合の製品
径と偏径差との関係を示す図である。
【図13】本発明に係る方法で圧延した場合の製品径
(仕上げ径)と適正傾斜角の関係を説明する図である。
【図14】本発明に係る方法で圧延した場合の製品径
(仕上げ径)と適正傾斜角の関係を説明する別の図であ
る。
【図15】ロール溝底部におけるロールと被圧延材との
接触領域を示す図である。
【図16】仕上げ圧延機群の上流側の圧延機のロール孔
型は一定とし、下流側の圧延機のロール孔型におけるサ
イドリリーフ角を5〜40゜の範囲で変えてサイジング
寸法を23mmに設定して仕上げ圧延した場合の偏径差
を示す図である。
【図17】「ラウンド形状」のロール孔型の断面図であ
る。
【図18】「ラウンド形状に近いオーバル形状」のロー
ル孔型の断面図である。
【符号の説明】
1:圧延ロール 2:被圧延材 3:サイドリリーフ部 4:ロール軸 5:前段の圧延機群 6:仕上げ圧延機群 7:自由表面部 8:ロールと被圧延材との接触領域 θ:サイドリリーフ角 φ:ロール軸の傾斜角 d:仕上げ径 h:ロール溝底間距離 Sn+1:上流側の仕上げ圧延機 Sn+2:下流側の仕上げ圧延機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 将之 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−57803(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/16 B21B 1/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】90゜位相で連続配置された2基の2ロー
    ル圧延機を仕上げ圧延機群における最終の2基の圧延機
    とする複数基の連続圧延機群で断面形状が円形の金属材
    を製造する方法であって、前記仕上げ圧延機群における
    最終の2基の圧延機の下流側の2ロール圧延機の1対の
    圧延ロールの各ロール軸を被圧延材の進行方向に対し
    て、相互に逆方向に傾斜配置又は、両方とも同一方向に
    傾斜配置して仕上げ圧延することを特徴とする断面形状
    が円形の金属材の製造方法。
  2. 【請求項2】90゜位相で連続配置された2基の2ロー
    ル圧延機を仕上げ圧延機群における最終の2基の圧延機
    とする複数基の連続圧延機群で断面形状が円形の金属材
    を製造する方法であって、前記仕上げ圧延機群における
    最終の2基の圧延機の上流側の2ロール圧延機の1対の
    圧延ロールの各ロール軸を被圧延材の進行方向に対して
    相互に逆方向に傾斜配置し、更に、下流側の2ロール圧
    延機の1対の圧延ロールの各ロール軸を、被圧延材の進
    行方向に対して相互に逆方向でしかも前記上流側の2ロ
    ール圧延機の場合とは逆の方向に傾斜配置、又は、被圧
    延材の進行方向に対して両方とも同一方向に傾斜配置し
    て仕上げ圧延することを特徴とする断面形状が円形の金
    属材の製造方法。
  3. 【請求項3】90゜位相で連続配置された2基の2ロー
    ル圧延機を仕上げ圧延機群における最終の2基の圧延機
    とする複数基の連続圧延機群で断面形状が円形の金属材
    を製造する方法であって、前記仕上げ圧延機群における
    最終の2基の圧延機の上流側の2ロール圧延機の1対の
    圧延ロールの各ロール軸を被圧延材の進行方向に対して
    両方とも同一方向に傾斜配置し、更に、下流側の2ロー
    ル圧延機の1対の圧延ロールの各ロール軸を、被圧延材
    の進行方向に対して両方とも同一方向に傾斜配置、又
    は、被圧延材の進行方向に対して相互に逆方向に傾斜配
    置して仕上げ圧延することを特徴とする断面形状が円形
    の金属材の製造方法。
  4. 【請求項4】90゜位相で連続配置された複数基の2ロ
    ール圧延機からなる圧延機群と、前記圧延機群の下流側
    に90゜位相で連続配置された2基以上の2ロール圧延
    機からなる仕上げ圧延機群とで構成される断面形状が円
    形の金属材を製造する装置であって、前記仕上げ圧延機
    群における最終の2基の圧延機の各2ロール圧延機がロ
    ール圧下調整機構を有し、且つ、最終の2基の圧延機の
    うち下流側の2ロール圧延機がロール軸傾斜配置機構を
    有するとともにその圧延機の1対の圧延ロールの各ロー
    ル軸が被圧延材の進行方向に対して、相互に逆方向に傾
    斜配置又は、両方とも同一方向に傾斜配置されているこ
    とを特徴とする断面形状が円形の金属材の製造装置。
  5. 【請求項5】90゜位相で連続配置された複数基の2ロ
    ール圧延機からなる圧延機群と、前記圧延機群の下流側
    に90゜位相で連続配置された2基以上の2ロール圧延
    機からなる仕上げ圧延機群とで構成される断面形状が円
    形の金属材を製造する装置であって、前記仕上げ圧延機
    群における最終の2基の圧延機の各2ロール圧延機がロ
    ール圧下調整機構及びロール軸傾斜配置機構を有し、最
    終の2基の圧延機のうち上流側の2ロール圧延機の1対
    の圧延ロールの各ロール軸が被圧延材の進行方向に対し
    て相互に逆方向に傾斜配置され、更に、下流側の2ロー
    ル圧延機の1対の圧延ロールの各ロール軸が、被圧延材
    の進行方向に対して相互に逆方向でしかも前記上流側の
    2ロール圧延機の場合とは逆の方向に傾斜配置、又は、
    被圧延材の進行方向に対して両方とも同一方向に傾斜配
    置されていることを特徴とする断面形状が円形の金属材
    の製造装置。
  6. 【請求項6】90゜位相で連続配置された複数基の2ロ
    ール圧延機からなる圧延機群と、前記圧延機群の下流側
    に90゜位相で連続配置された2基以上の2ロール圧延
    機からなる仕上げ圧延機群とで構成される断面形状が円
    形の金属材を製造する装置であって、前記仕上げ圧延機
    群における最終の2基の圧延機の各2ロール圧延機がロ
    ール圧下調整機構及びロール軸傾斜配置機構を有し、最
    終の2基の圧延機のうち上流側の2ロール圧延機の1対
    の圧延ロールの各ロール軸が被圧延材の進行方向に対し
    て両方とも同一方向に傾斜配置され、更に、下流側の2
    ロール圧延機の1対の圧延ロールの各ロール軸が、被圧
    延材の進行方向に対して両方とも同一方向に傾斜配置、
    又は、被圧延材の進行方向に対して相互に逆方向に傾斜
    配置されていることを特徴とする断面形状が円形の金属
    材の製造装置。
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