JP2812213B2 - 管圧延方法 - Google Patents

管圧延方法

Info

Publication number
JP2812213B2
JP2812213B2 JP23418194A JP23418194A JP2812213B2 JP 2812213 B2 JP2812213 B2 JP 2812213B2 JP 23418194 A JP23418194 A JP 23418194A JP 23418194 A JP23418194 A JP 23418194A JP 2812213 B2 JP2812213 B2 JP 2812213B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
thickness
stand
rolling
mandrel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP23418194A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0871614A (ja
Inventor
憲二 森部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP23418194A priority Critical patent/JP2812213B2/ja
Publication of JPH0871614A publication Critical patent/JPH0871614A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2812213B2 publication Critical patent/JP2812213B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は継目無管、主に継目無鋼
管の製造に使用される管圧延方法に関し、更に詳しく
は、マンドレル等の延伸圧延機を用いた管圧延方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】継目無鋼管を製造する方法の一つとし
て、延伸圧延機を用いたものがある。この方法では、素
材である丸ビレットを加熱炉で加熱後、穿孔機で穿孔し
て中空素管となし、引き続きその素管を延伸圧延機で減
肉加工した後、外径を所定寸法に仕上げる。延伸圧延機
としては、生産性が高いマンドレルミルが使用される場
合が多くなってきている。マンドレルミルを用いた管圧
延を図1に示す。
【0003】マンドレルミルは、通常一対の孔型ロール
を備えた6〜8基の2ロールスタンド10により構成さ
れる。各ロールスタンド10での圧下方向は90°ずつ
順番にずれている。素管20は、心金棒30を挿通した
状態で各スタンド10に通され、各スタンド10に備わ
る一対の孔型ロール11,11と心金棒30との間で順
次減肉加工される。
【0004】ここで圧延材の肉厚を変更する場合、すな
わち同一外径で肉厚が異なる圧延材を製造する場合、通
常は孔型ロールの交換やロール位置の調整を行わず、孔
型に挿入する心金棒の外径を変更して孔型ロールと心金
棒の間隔(溝底肉厚)を変えることが行われる。これを
図2,3に示す。
【0005】図2,3では同一の孔型ロールが使用さ
れ、溝底部の孔型半径R0 は同一である。また、孔型半
径R0 の中心は心金棒の中心に一致しており、これがマ
ンドレルミルを用いた管圧延での基本となる。ロールギ
ャップをS0 に固定し、心金棒の外径をD1 からD2
小さくすることにより、孔型半径R0 の中心が心金棒の
中心に一致したままで、孔型ロールと心金棒の間隔(溝
底肉厚)がtG1からtG2に増大する。
【0006】ところで、圧延材の肉厚を変更する場合、
心金棒の外径を変更する以外に、心金棒の外径を一定に
し、ロール替えにより孔型寸法を変更する方法が考えら
れる。しかし、この方法は、ロール替えに伴い操業停止
を余儀なくされ、更にはロールを組み替える工数、ロー
ル保有数も膨大になるなどの欠点もあり、通常は採用さ
れない。
【0007】また、一対の孔型ロールを備えた圧延スタ
ンドは通常、ロール位置調整機構を装備しており、この
調整機構を用いることにより孔型ロールと心金棒の間隔
を調整することが可能である。しかし、心金棒の外径を
変えずにロール位置を変え、孔型ロールと心金棒の間隔
を変えると、その間隔が円周方向で不均一となる。
【0008】図3の状態からロールギャップを締め込ん
だ状態を図4に示す。ロールギャップをS0 からSに小
さくすることにより、孔型半径R0 の中心が心金棒の中
心から外れ、溝底肉厚はtG2から図2と同じtG1に減少
するが、孔型ロールと心金棒の間隔は円周方向で不均一
となり、その結果、円周方向の4ケ所(溝底から45°
の4位置)が肉厚のピークとなる偏肉を生じる。この偏
肉は図5に示すようにギャップの締め込み量を大きくす
るほど顕著になる。逆に間隔を増加させた場合には、円
周方向の4ケ所が薄肉部となる偏肉を生じる。
【0009】偏肉が許容される規格上の公差は管種によ
って異なるが、偏肉は製管ラインの各工程で発生するこ
と、及び寸法精度は製品品質の一部であることなどを考
慮すると、ロール位置調整(圧下位置の変更)で発生す
る偏肉量の許容値は高々2%程度である。このため圧下
位置の変更範囲は狭く、仮に圧下位置の変更により心金
棒の共用化を図ってもその効果は小さい。
【0010】このようなことから、現状では孔型ロール
やその位置を変えずにその孔型に挿入される心金棒の外
径を変える方法により、孔型ロールと心金棒の間隔を変
えて圧延材の肉厚変更に対応している。
【0011】ところが、この方法では圧延する肉厚の種
類に対応する膨大な本数の心金棒を保有する必要があ
る。通常、マンドレルミルによる圧延では0.5mmの肉
厚ピッチで圧延スケジユールが決定されており、心金棒
の外径は1.0mmピッチで変化する。更に1種類の肉厚
を圧延するには、圧延材から心金棒を引き抜いた後に冷
却し、次回の圧延のために潤滑剤を塗布する工程が存在
するために、通常10数本程度の心金棒が必要とされ
る。そのため、膨大な本数の心金棒が必要になる。
【0012】このような問題を解決するために開発され
た技術が、特開昭62−28011号公報に示されるス
タンド列最終段への4ロールスタンドの設置である。こ
の技術では、図6に示すように、素管の減肉を行う2ロ
ールスタンド列の出側に、4つの孔型ロールを組み合わ
せた4ロールスタンドを配置する。この4ロールスタン
ドは、圧下方向が直前の2ロールスタンドでの圧下方向
に対して45°ずれており、これにより2ロールスタン
ド列で生じた偏肉を解消する。図8にその効果を示す。
【0013】2ロールスタンド列でロールギャップを締
め込んだときに円周方向4カ所に生じる増肉が、4ロー
ルスタンド通過により解消されている。これにより2ロ
ールスタンド列ではロールギャップの調整範囲が広が
る。その結果、心金棒の種類を少なくすることが可能と
なる。類似の技術は、特開昭60−87907号公報や
特開平6−87008号公報にも示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】2ロールスタンド列の
出側に、圧下方向を45°ずらせて4ロールスタンドを
配置した従来のマンドレルミルでは、4ロールスタンド
でのロール孔型は、2ロールスタンドでの標準圧延に併
せた設計とされる。図7に両スタンドに設けられる孔型
ロールを示す。特開昭60−87905号公報および特
開平6−87008号公報にはロール孔型についての記
載はないが、特開平62−28011号公報に示された
マンドレルミルでは、4ロールスタンドでの溝底部の孔
型半径R4が、その前段および前々段の2ロールスタン
ドでの溝底部の孔型半径R2 と同じにされている。すな
わちR4 /R2 =1である。
【0015】なお、図7に示されたθ2 ,θ4 は孔型半
径がR2 ,R4 の領域、すなわち溝底部の広さを表わす
孔型半径角度、R2 ′,R4 ′は溝底部の両側に存在す
るフランジ部の孔型半径(R2 ′,R4 ′>R2
4 )である。
【0016】このようなマンドレルミルでマンドレルバ
ーの共用化範囲を大きくするためには、2ロールスタン
ドでの孔型ロールのギャップ締め込み量を大きくする必
要がある。2ロールスタンドでロールギャップを締め込
んだ場合の肉厚分布は、溝底から45°の4位置をピー
クとする肉厚変動であり、ロールギャップの締め込み量
を大きくするとそのピークも大となり、肉厚公差を外れ
る場合も発生し、肉厚公差を外れない場合でも偏肉率が
著しく悪化する。そのため、2ロールスタンドでロール
ギャップの締め込み量を大きくした場合には、4ロール
スタンドでも肉厚圧下量を大きくする必要がある。
【0017】しかし、4ロールスタンドで肉厚圧下量を
大きくすると、そのスタンドで偏肉が新たに発生する。
そのため、4ロールスタンドでの肉厚圧下量が制限さ
れ、その結果として2ロールスタンドでのギャップ締め
込み量が制限される。従って、マンドレルバー共用化の
範囲は期待されるほど広くはない。
【0018】本発明の目的は、2ロールスタンドでロー
ルギャップを締め込んだ場合に発生する円周方向の肉厚
変動を4ロールギャップで効果的に解消し、これにより
広い範囲にわたって心金棒の共用化を可能にする管圧延
方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、1組の孔型ロ
ール対を備えた複数の2ロールスタンドの出側に、圧下
方向が直交する2組の孔型ロール対を備え且つ直前のス
タンドに対して圧下方向が45°ずれた4ロールスタン
ドを配置し、心金棒を挿通した状態で素管をこれらのス
タンド列に通し、2ロールスタンド列で肉厚を減少さ
せ、4ロールスタンドで円周方向の肉厚変動を減少させ
る管圧延を対象とする。
【0020】この管圧延では、2ロールスタンドでロー
ルギャップを締め込み、孔型半径の中心が心金棒の中心
から外れた状態で圧延を行うことにより、孔型半径の中
心と心金棒の中心が一致している通常圧延で得られる肉
厚より薄い肉厚の仕上げ管を得る。その後、2ロールス
タンドでロールギャップを締め込んだことよって発生す
る溝底から45°の4位置をピークとする肉厚変動を、
肉厚のピークと孔型ロールの溝底位置とが一致した1基
の4ロールスタンドによる圧延で解消する。
【0021】すなわち、4ロールスタンドは各孔型ロー
ルに圧下調整機構を有しており、同一外径の心金棒で異
なった肉厚を圧延するために2ロールスタンドでロール
圧下位置を変化した場合は、4ロールスタンドについて
も圧下調整を行って、2ロールスタンドにて発生した肉
厚変動を減少させる。
【0022】ここで、2ロールスタンドでロールギャッ
プ締め込み量が大きいと、そのスタンドで発生する偏肉
も顕著となり、4ロールスタンドでも大きな肉厚圧下量
が必要になる。これに対して、2ロールスタンドでのロ
ールギャップ締め込み量が小さい場合は、偏肉のピーク
の高さも低く、4ロールスタンドの圧下量も小さくな
り、そのスタンドでは溝底部近傍だけの圧延となる。
【0023】2ロールスタンドでロールギャップの締め
込み量を小さくしたときに4ロールスタンドで行われる
軽圧下圧延での現象を基礎として、本発明者は次のよう
な知見を得ることができた。
【0024】4ロールスタンドで上述したような軽圧下
圧延が行われる場合には、そのロール孔型の設計寸法に
よって決まる設計ロールギャップより開いた状態で圧延
を行っても、その圧延で目標肉厚公差を外れる偏肉を発
生させることがない。そのため、4ロールスタンドでの
ロール孔型は、2ロールスタンドでの標準圧延に合わせ
た孔型設計とする必要がなく、2ロールスタンド列の仕
上げスタンドにおける孔型半径より小さい孔型半径とす
ることができる。これにより、4ロールスタンドで肉厚
圧下量を大きくしたときの新たな偏肉の発生がより効果
的に抑制され、その結果、同一外径の心金棒でより肉厚
が薄い圧延を行うことが可能になり、心金棒の共用化範
囲が薄肉側に拡大される得る。
【0025】本発明はかかる知見に基づきなされたもの
で、1組の孔型ロール対を備えた複数の2ロールスタン
ドの出側に、圧下方向が直交する2組の孔型ロール対を
備え且つ直前のスタンドに対して圧下方向が45°ずれ
た4ロールスタンドを配置し、心金棒を挿通した状態で
素管をこれらのスタンド列に通し、2ロールスタンド列
で肉厚を減少させ、4ロールスタンドで円周方向の肉厚
変動を減少させる管圧延において、2ロールスタンド列
の仕上げスタンドにおける溝底部の孔型半径R2 と、4
ロールスタンドにおける溝底部の孔型半径R4 とが、0.
90≦R4 /R2 ≦0.99の関係を満足する孔型ロール
により圧延を行うことを特徴とする管圧延方法を要旨と
する。
【0026】2ロールスタンド列の仕上げスタンドは、
通常そのスタンド列の後段側の2スタンドである。この
2スタンドでは孔型ロールの溝底部の孔型半径を同一に
するのが通例である。この2ロール仕上げスタンドでの
溝底部の孔型半径R2 より、4ロールスタンドでの溝底
部の孔型半径R2 を小さくして圧延を行うのが、本発明
の管圧延方法であり、その半径比(R4 /R2 )は0.9
0〜0.99である。
【0027】
【作用】本発明の管圧延方法では、2ロール仕上げスタ
ンドでの溝底部の孔型半径R2より、4ロールスタンド
での溝底部の孔型半径R4 を小さくして圧延を行うこと
により、同一外径の心金棒でより肉厚が薄い圧延を行う
ことが可能になり、心金棒の共用化範囲が薄肉側に拡大
され得る。そして、この効果を決定づける4ロールスタ
ンドにおける溝底部の孔型半径R4 は、得られる効果と
発生する偏肉との関係で決定される。
【0028】マンドレルミルラインで製造される寸法の
範囲のうち、小径側は絶対的な肉厚が薄く、許容される
偏肉の値も小さい。このような領域では、4ロールスタ
ンドによる圧延を適用して心金棒の共用化を行おうとし
ても、可能な肉厚変更量の範囲はせいぜい1mm以下で
あり、4ロールスタンド適用の効果は得られない。この
領域より絶対的な肉厚の大きい領域で、4ロールスタン
ド圧延による心金共用化が工業的に意味を持つようにな
る。そして、このような比較的偏肉の許容値が小さく、
その偏肉の許容値による制限を受ける領域でも、心金棒
共用化の範囲拡大効果を得るためには、R4 /R2 を0.
99以下にする必要がある。R4 /R2が0.99を超え
ると、偏肉の許容値が小さい薄肉の領域で、肉厚変更量
の増大、心金棒共用化の効果が十分に得られない。
【0029】これに対して、R4 /R2 の下限値は、4
ロールスタンドでの圧延で偏肉量が零となるロールギャ
ップから、どの程度までギャップを開放しても圧延が可
能であるかによって決定される。すなわち、偏肉量が零
の状態からロールギャップを開放していくと、4ロール
スタンドでの孔型ロールの溝底で肉厚が大となる偏肉が
発生するようになり、2ロールスタンド列で発生した偏
肉(この偏肉は4ロールスタンドでの孔型ロールの溝底
で肉厚が大となる)を4ロールスタンドで解消できなく
なる。2ロールスタンド列で発生する偏肉の方が、4ロ
ールスタンドで発生する偏肉より大きいので、直ちに偏
肉解消が不可能になるわけではないが、R4 /R2 の値
が小さくなるに従って、偏肉が解消されにくくなり、心
金棒共用化範囲の拡大効果が薄れる。そのため、R4
2 を0.90以上にする必要がある。
【0030】特に望ましいR4 /R2 は、上限について
は工業的に意味のある共用化範囲を得るために0.97以
下、下限については偏肉率の増加を最小限にするために
0.93以上である。
【0031】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、比較例と対比
することにより、本発明の効果を明らかにする。
【0032】6基の2ロールスタンドにおいて、外径が
81mmの心金棒を用いて、外径143mm×肉厚29
mmの素管を外径125mm×肉厚20mmの仕上げ管
に圧延する場合を通常圧延として、心金棒共用化圧延を
実施し比較した。心金棒共用化圧延では、6基の2ロー
ルスタンドの出側に4ロールスタンドを配置し、各スタ
ンドでロールギャップを段階的に締め込んで圧延を実施
した。
【0033】そのときの圧延条件を表1に示す。6スタ
ンドのうち後段の2スタンドが仕上げスタンドである。
仕上げスタンドでの溝底部の孔型半径R2 は60.5m
m、孔型半径角度θは50°とした。
【0034】
【表1】
【0035】通常圧延では、図3に示すように、周方向
に均一な仕上げ管肉厚が得られるように、孔型半径R0
=60.5mmから決定される外径D2 =81mmの心金
棒で圧延を行った。このときのロールギャップS0 は、
孔型を設計したときのギャップである15mmの設定で
ある。図5に通常圧延として示す仕上げ管の肉厚分布が
得られた。
【0036】これに対し、図4に示すように、この2ロ
ールスタンド圧延でロールギャップを設計ギャップS0
=15mmからS=9mmに締め込んで圧延を行った。
ギャップ締め込み量は6mmである。溝底肉厚tG1は1
7mmとなっているが、溝底から45°の位置に近づく
にしたがって肉厚t1 ′はtG1より大きくなっており、
その結果、仕上げ管の肉厚分布は、図5にギャップ締め
込み量6mmとして示すように、肉厚変動の大きなもの
になった。
【0037】4ロールスタンド併用の心金棒共用化圧延
では、2ロール最終スタンドに対して圧下方向が45°
ずれた4ロールスタンドで圧延を行うことにより、2ロ
ール圧延にて発生した溝底から45°の4位置ピークと
する偏肉を解消し、寸法精度の良好な仕上げ管を得る。
【0038】4ロールスタンドでの溝底部の孔型半径R
4 は、2ロール仕上げスタンドでの孔型半径R4 と同じ
60.5mm(R4 /R2 =1)と、これより小さい56.
27mm(R4 /R2 =0.93)の2種類とした。孔型
半径角度θは2ロールの半分である25°とした。56.
27mmの孔型半径R4 は、ギャップ締め込み量を4.2
4mmとした場合、すなわち4.24mmの肉厚変更(肉
厚減少)を行った場合に、偏肉量が零となる寸法であ
る。
【0039】なお、心金棒の外径は通常圧延と同じ81
mmであり、許容される偏肉率は2%である。
【0040】それぞれにつき、仕上げ管肉厚が20mm
から10mmになるまで肉厚変更を行い、そのときの仕
上げ管の偏肉量と圧下量(肉厚変更量)との関係を調査
した。なお、素管寸法は肉厚変更を行ってもその変更量
が同一となるように調整した。それぞれについての調査
結果および前述した通常圧延でロールギャップを締め込
んだときの結果を図9に示す。
【0041】基準肉厚(20mm)からロールギャップ
を締め込んで行く状態で説明すると、本発明例である4
ロールスタンドでの孔型半径R4 が56.27mm(R4
/R2 =0.93)の場合は、当初、2ロールスタンドで
ロールギャップを締め込むだけでは偏肉が許容値の2%
に達しない範囲がある(A)。この範囲では、4ロール
スタンドを使用しないで肉厚変更を行う。
【0042】2ロールスタンドでのロールギャップ締め
込み量をこのまま大きくすると、偏肉率が2%を超える
ので、4ロールスタンドを使用して肉厚変動量を減少さ
せる。この場合、4ロールスタンドでの孔型形状は4.2
4mmの肉厚変更を行ったときに偏肉量が零となる形状
であるので、4.24mmの肉厚変更までは4ロールスタ
ンドでのギャップの締め込みに伴い偏肉量が低下し、4.
24mmのギャップ締め込み量(肉厚変更量)のときに
偏肉量が零となる(B)。
【0043】4ロールスタンドでのギャップ締め込み量
を更に大きくして行くと、今度は4ロールスタンドでの
偏肉量がその締め込みに伴って増大する(C)。そし
て、偏肉率が許容値である2%に達したところがこの孔
型形状での肉厚変更の限界となり、ここでは7.6mmで
ある。
【0044】これに対し、従来技術の孔型形状であるR
4 /R2 =1.0の場合は、肉厚変更量が零の基準状態の
ところで、4ロールスタンドでの偏肉量が零となるた
め、肉厚変更量が零から増大するに伴って偏肉量が増大
し、4.2mmで偏肉率の限界値(2%)に達する。
【0045】本発明例では、従来技術の1.8倍に肉厚変
更の範囲が薄肉側へ拡大されたわけである。
【0046】4ロールスタンドでの孔型半径を56.27
mmだけでなく種々に変更したときの結果を表2に示
す。
【0047】
【表2】 *)AとBの交点の位置が許容偏肉率2%を超える
【0048】2ロールスタンドでの孔型半径R2 と4ロ
ールスタンドでの孔型半径R4 とが、R4 /R2 =0.9
0〜0.99を満足する場合に肉厚変更範囲の拡大効果が
得られることが分かる。
【0049】なお、肉厚変更範囲は、4ロールスタンド
での孔型ロールの孔型形状によって変化するが、一般的
に使用されている孔型形状、すなわち、溝底部の孔型半
径角度θ=15〜35°、フランジ部の孔型半径R4
=R4 ×(1.2〜3.0)の範囲内では、本発明の効果を
大幅に減少させるものではない。
【0050】
【発明の効果】以上に説明した通り、本発明の管圧延方
法は、2ロールスタンド列での圧延で生じた円周方向の
偏肉を、2ロールスタンド列の出側に配置した4ロール
スタンドでの圧延により解消する際に、4ロールスタン
ドでの偏肉解消効果を高めることにより、同一外径の心
金棒で圧延できる肉厚範囲を大幅に拡大する。従って、
心金棒を変更する作業が大幅に減少し、且つ、心金棒お
よびその置場を保有することによるコストが大幅に減少
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】マンドレルミルによる圧延を示す模式図であ
る。
【図2】2ロール仕上げスタンドでの圧延状況を示す模
式図である。
【図3】心金棒の外径を変更して肉厚を変更した状態を
示す模式図である。
【図4】ロールギャップを締め込んで肉厚を変更した状
態を示す模式図である。
【図5】ロールギャップ締め込み量と偏肉との関係を示
す図表である。
【図6】4ロールスタンドを併用した心金棒共用化圧延
を示す模式図である。
【図7】4ロール仕上げスタンドおよび4ロールスタン
ドにおける孔型ロールの孔型形状を示す模式図である。
【図8】心金棒共用化圧延の効果を示す図表である。
【図9】心金棒共用化圧延で本発明を実施したときの効
果を示す図表である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1組の孔型ロール対を備えた複数の2ロ
    ールスタンドの出側に、圧下方向が直交する2組の孔型
    ロール対を備え且つ直前のスタンドに対して圧下方向が
    45°ずれた4ロールスタンドを配置し、心金棒を挿通
    した状態で素管をこれらのスタンド列に通し、2ロール
    スタンド列で肉厚を減少させ、4ロールスタンドで円周
    方向の肉厚変動を減少させる管圧延において、 2ロールスタンド列の仕上げスタンドにおける溝底部の
    孔型半径R2 と、4ロールスタンドにおける溝底部の孔
    型半径R4 とが、0.90≦R4 /R2 ≦0.99の関係を
    満足する孔型ロールにより圧延を行うことを特徴とする
    管圧延方法。
JP23418194A 1994-09-02 1994-09-02 管圧延方法 Expired - Fee Related JP2812213B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23418194A JP2812213B2 (ja) 1994-09-02 1994-09-02 管圧延方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23418194A JP2812213B2 (ja) 1994-09-02 1994-09-02 管圧延方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0871614A JPH0871614A (ja) 1996-03-19
JP2812213B2 true JP2812213B2 (ja) 1998-10-22

Family

ID=16966949

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23418194A Expired - Fee Related JP2812213B2 (ja) 1994-09-02 1994-09-02 管圧延方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2812213B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2087949B1 (en) 2006-10-16 2014-01-22 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Mandrel mill and process for manufacturing seamless pipe

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0871614A (ja) 1996-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2897652B2 (ja) マンドレルミルおよびそれを用いた管圧延方法
JP2812213B2 (ja) 管圧延方法
US5513511A (en) Method of producing seamless steel tube by using mandrel mill
US4685320A (en) Method of rolling steel rods and wires with grooveless rolls and grooveless rolling entry guide
JP2976831B2 (ja) 管圧延方法
JP2812216B2 (ja) 管圧延方法
JP3365348B2 (ja) 金属管の圧延方法
JPH10137804A (ja) 丸鋼、線材の圧延設備およびその圧延方法
JP3082673B2 (ja) 継目無鋼管の圧延方法
JPH09174118A (ja) 管圧延機およびロール位置設定方法
JP2973851B2 (ja) 管の連続圧延方法および3ロールマンドレルミル
JP2897653B2 (ja) 管圧延方法
JP3339434B2 (ja) 金属管の圧延方法
JP3624505B2 (ja) 継目無金属管の延伸圧延方法
JP4474744B2 (ja) 金属管の絞り圧延方法
JP3082672B2 (ja) 継目無鋼管の圧延方法
JP3111901B2 (ja) 継目無鋼管の圧延方法
JP3076700B2 (ja) 円管の冷間絞り圧延機列
JPH07171602A (ja) 外法一定平行フランジ溝形鋼の製造方法
US5548988A (en) Multi-stand roll train
JP2002035810A (ja) 継目無鋼管の圧延方法
JP2002035818A (ja) 継目無管の圧延装置および圧延制御方法
JP2819832B2 (ja) H形鋼の熱間圧延方法および装置
JP3266062B2 (ja) 断面形状が円形の金属材の製造方法及びその製造装置
JP2002035809A (ja) 継目無鋼管の圧延方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070807

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080807

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees