JP3082672B2 - 継目無鋼管の圧延方法 - Google Patents

継目無鋼管の圧延方法

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JP3082672B2
JP3082672B2 JP08166049A JP16604996A JP3082672B2 JP 3082672 B2 JP3082672 B2 JP 3082672B2 JP 08166049 A JP08166049 A JP 08166049A JP 16604996 A JP16604996 A JP 16604996A JP 3082672 B2 JP3082672 B2 JP 3082672B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、継目無鋼管の圧延
方法に関し、より詳しくは、一対の孔型ロールを備えた
複数の2ロールスタンド列からなるマンドレルミルなど
の延伸圧延機における継目無鋼管の圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】継目無鋼管を製造する方法の一つとし
て、延伸圧延機を用いる方法がある。この方法では、素
材である丸ビレットを加熱炉で所定温度に加熱し、この
ビレットを穿孔圧延機に供して中空素管となし、引き続
きその中空素管を延伸圧延機で減肉加工した後、仕上げ
圧延機により所定寸法の外径に仕上げる。この時、上記
の延伸圧延機としては、生産性の高いマンドレルミルが
使用される場合が多くなってきている。
【0003】図4は、マンドレルミルを用いた管圧延を
示す図である。図4に示すように、マンドレルミルは、
通常、一対の孔型ロール11、11を備えた2ロールス
タンド10を6〜8基連設して構成されている。各ロー
ルスタンド10での圧下方向は、相互に90゜ずつ順番
にずれている。素管20は、心金棒30を挿入した状態
で各スタンド10に通され、各スタンド10に備わる一
対の孔型ロール11、11と心金棒30とによりその肉
厚(外径)が順次減じられ、いわゆる減肉加工される。
【0004】ここで、圧延後の管肉厚を変更する場合、
すなわち同一外径で肉厚の異なる管を製造する場合に
は、通常、外径の異なる心金棒30を用い、孔型ロール
11、11と心金棒30の間隔(溝底肉厚)を変えるこ
とが行われる。
【0005】図5および図6は、上記の方法を説明する
ための図で、図5および図6に示すように、一対の孔型
ロール11、11としては、直径と長さが同一のものが
使用され、その孔型溝底部の孔型半径R0 は同一であ
る。また、孔型半径R0 の中心は、心金棒30の中心に
一致させてあり、これがマンドレルミルを用いた管圧延
の仕上げスタンドでの圧延の基本となる。
【0006】そして、厚肉管を圧延する場合には、ロー
ルギャップをS0 に固定したまま、心金棒30の外径を
1 からD2 に小さくする一方、その中心を孔型半径R
0 の中心に一致させることで、孔型ロール11と心金棒
30の間隔(溝底肉厚)をtG1からtG2に増大させる。
【0007】なお、圧延後の管肉厚を変更する他の方法
としては、所定の外径の心金棒を用い、孔型半径R0
異なる孔型ロールに取り替える方法がある。しかし、こ
の方法は、孔型ロールの取り替えに伴って操業停止を余
儀なくされる。また、その孔型ロールの組み替えに多大
の工数を要するのみならず、孔型ロールの保有数も膨大
になるなどの欠点があり、通常、採用されることはほと
んどない。
【0008】さらに、他の方法としては、通常、上記マ
ンドレルミルが孔型ロールの圧下位置調整機構を備える
ものであるので、この圧下位置調整機構を用いて上記の
ロールギャップS0 、換言すれば孔型ロールの圧下位置
を変更する方法もある。しかし、この方法は、一定外径
の心金棒の中心と孔型ロールの孔型半径R0 の中心が一
致しなくなるので、孔型ロールの孔型と心金棒との間隔
が孔型円周方向で不均一になる。
【0009】図7は、前述の図6に示す状態のロールギ
ャップをS0 からSに小さくした状態を示す図である。
図7で明らかなように、孔型半径R0 の中心が心金棒3
0の中心から外れ、孔型ロール11と心金棒30の間隔
は溝底部の間隔がtG2から前述の図5に示したのと同じ
G1に減少するものの、溝底部以外の部分の間隔が大き
くなり、円周方向で不均一になる。この結果、円周方向
の4ヶ所(溝底からほぼ45゜偏位した4位置)の肉厚
1 ’が最も厚くなる円周方向偏肉が発生する。逆に、
上記のロールギャップをS0 よりも大きくすると、円周
方向の上記4ヶ所の肉厚が薄肉になる円周方向偏肉が発
生する。
【0010】図8は、その一例を示す図であり、同図
(a)は上記のロールギャップS0 をSに小さくして圧
延して得られた管の円周方向偏肉の発生程度を、同図
(b)に示す各位置で測定した結果を示している。この
図8(a)から明らかなように、上記のロールギャップ
0 をSに小さくすればするほど、換言すればギャップ
締め込み量を大きくすればするほど円周方向偏肉が顕著
になることがわかる。
【0011】なお、同図(a)における縦軸の肉厚偏差
値は、ロールギャップを種々変化させて圧延を行った場
合の実測値で、ロールギャップ締め込み量が0(ゼロ)
の場合の平均肉厚からの偏差で示した値である。また、
横軸のロールギャップ締め込み量は、実圧延中のロール
ギャップを実測した値である。さらに、同図(b)中の
X−XおよびX’−X’は、隣合う2ロールスタンドの
圧下方向を示している。
【0012】上記の円周方向偏肉が許容される規格(含
む顧客仕様)上の公差は、製品管の用途などによって異
なりさまざまであるが、円周方向偏肉がマンドレルミル
による延伸圧延以外の各種の圧延工程においても発生す
ること、および寸法精度が製品品質の一部であることな
どを考慮した場合、マンドレルミルによる延伸圧延にお
いて発生させ得る偏肉量の許容値は高々2%程度であ
る。従って、上記孔型ロールの位置調整機構を用いての
ロールギャップ変更、換言すれば孔型ロールの圧下位置
変更による場合の肉厚変更の許容範囲は極めて狭く、仮
にこの方法を用いて心金棒の共用化を図ったとしてもさ
ほどの効果は得られない。
【0013】このようなことから、現状では孔型ロール
やそのロールギャップ変更を行わずに外径の異なる心金
棒を用いて孔型ロールと心金棒との間隔を変えて圧延後
の管肉厚を変更するようにしている。
【0014】ところが、この外径の異なる心金棒を用い
る方法による場合には、得るべき肉厚に対応する数の膨
大な本数の心金棒を保有する必要がある。すなわち、マ
ンドレルミルによる延伸圧延では、通常、0.5mmの
肉厚ピッチで圧延スケジュールが決定されており、心金
棒の外径は1.0mmピッチで変化する。また、この心
金棒は、圧延後の管から引き抜いて冷却した後、その外
面に潤滑剤を塗布して次回の圧延に供するというように
循環使用されるので、1種類の肉厚の管を圧延するため
には通常10数本程度の心金棒が必要とされる。以上の
理由から、膨大な本数の心金棒が必要になるのである。
【0015】このような問題を解決する方法としては、
従来から種々の方法が提案されており、例えば特開昭6
2−28011号公報には、次に示すような方法が提案
されている。
【0016】図9は、その方法を示す図であり、図9に
示すように、素管の減肉を行う一対の孔型ロール11、
11を備える2ロールスタンド列を構成する最終スタン
ド(同図(a)参照)の出側に、圧下方向が直交する二
対の孔型ロール21、21、21、21を備える4ロー
ルスタンドを、両者の孔型溝底の圧下方向が45°位相
するように配置(同図(b)参照)したマンドレルミル
を用い、2ロールスタンド列で生じた偏肉を4ロールス
タンドによって解消する方法である。
【0017】すなわち、この方法による場合には、同一
外径D2 の心金棒30を用い、2ロールスタンド列での
ロールギャップをS0 からSに締め込んだときに発生す
る円周方向4ヶ所の増肉部分が、ロールギャップを締め
込んでも心金棒30と孔型ロール21の孔型との間隔変
化が孔型円周方向で小さい4ロールスタンドでの圧延に
よって解消され、円周方向偏肉のない管が得られる。
【0018】また、特開平6−87008号公報にも、
上記同様の4ロールスタンドを用いた類似の方法が提案
されている。しかし、そこに示される方法の基本的な技
術思想は、上記特開昭62−28011号公報に示され
る方法と同じである。
【0019】しかし、上記いずれの公報にも、各スタン
ドのロール圧下量を変更する旨の記載はあるが、その具
体的な変更手段、特に4ロールスタンドの各孔型ロール
の圧下位置の変更手段については何等の記載もない。従
って、そのロール圧下量の変更方法は、4ロールスタン
ドに対しても、2ロールスタンドでの公知技術が適用さ
れているにすぎないものと推定される。すなわち、圧延
後の管の円周方向の実測平均肉厚、あるいは圧延後の管
長さの実測値から求められる平均肉厚と目標肉厚との偏
差値に制御用の補正係数を乗じて補正値を求め、この補
正値に基づいて次回圧延材圧延時の4つの孔型ロールの
圧下位置を一律に修正するにすぎないものと推定され
る。
【0020】また、管の軸長方向の肉厚を均一化する方
法としては、例えば特開昭61−74719号公報に示
されるように、圧延中に検出した圧延荷重とミル定数か
らミルの伸び量を求め、このミル伸び量に基づいて孔型
ロールの圧下位置を設定し制御するようにした方法があ
る。しかし、そこに示される方法は、一対の孔型ロール
を備える2ロールスタンド列からなるマンドレルミルを
対象とするものでしかなく、2ロールスタンドによる管
圧延とはその圧延特性が全く異なる4ロールスタンドに
よる管圧延の際の管軸長方向の肉厚を均一化する手段に
ついては一切示されていない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、2ロ
ールスタンド列の出側に4ロールスタンドを配置したマ
ンドレルミルを用いる心金棒共用化圧延法においては、
2ロールスタンド列でロールギャップを締め込み、孔型
半径の中心が心金棒の中心から外れた状態で圧延を行う
ことにより、孔型半径の中心と心金棒の中心が一致して
いる通常圧延で得られる肉厚より薄い肉厚の管を得る。
その後、2ロールスタンド列でロールギャップを締め込
んだことによって発生した溝底から45゜の4位置の増
肉部分を、その心金棒と孔型ロールの孔型との間隔変化
が円周方向で小さい1基の4ロールスタンドによる圧延
によって解消する。
【0022】すなわち、4ロールスタンドは各孔型ロー
ルに圧下調整機構を有しており、同一外径の心金棒で異
なった肉厚の管に圧延するために2ロールスタンドで孔
型ロールの圧下位置を変化させてロールギャップを締め
込んだ場合、4ロールスタンドでもその孔型ロールの圧
下位置を変化させてそのロールギャップを調整すること
によって、2ロールスタンド列で発生した円周方向の肉
厚変動を減少解消させる。
【0023】従って、この心金棒共用化圧延法では、4
ロールスタンドでの高精度なロールギャップ調整、換言
すれば高精度な各孔型ロールの圧下位置調整の可否が、
2ロールスタンドでの肉厚変更範囲を拡大させ得て心金
棒共用化効果を引き出し得るか否かを決定する重要な因
子になる。
【0024】さらに、実際の圧延では圧延荷重が変動す
るのに加え、素管に挿通した心金棒の外径が磨耗や熱膨
張などによって変動するため、2ロールスタンド列によ
る圧延後の管の軸長方向肉厚が変動し、この肉厚変動に
伴って4ロールスタンドでの圧下量が変動する。この4
ロールスタンドにおける圧下量の変動は、4ロールスタ
ンドでは比較的小さな圧下量で円周方向偏肉の矯正圧延
を行うので、その変動量が大きいと2ロールスタンド列
で発生した円周方向偏肉を十分に矯正できない場合や、
過大な圧下を加える場合があるという問題があった。
【0025】しかし、上記の特開昭62−28011号
公報および特開平6−87008号公報には、前述した
ように、上記4ロールスタンドでの管軸長方向の圧下量
不均一に起因する問題点を解決する方策については何ら
も示唆開示されておらず、4ロールスタンドに対しても
2ロールスタンドでの公知技術が適用されているにすぎ
ないので、4ロールスタンドを有効かつ十分に機能させ
得ていないという欠点があった。
【0026】また、上記特開昭61−74719号公報
には、前述したように、2ロールスタンドによる管圧延
時の軸長方向肉厚の変動を解決する手段が示されるのみ
で、2ロールスタンドによる管圧延とはその圧延特性が
全く異なる4ロールスタンドによる管圧延時における軸
長方向肉厚の変動を解決する方策については何らの手段
も示唆していない。
【0027】本発明は、上記の実情に鑑みてなされたも
ので、その課題は、2ロールスタンド列の出側に4ロー
ルスタンドを連設したマンドレルミルによる心金棒共用
化圧延時に、2ロールスタンド列で顕著に発生する円周
方向偏肉を、4ロールスタンドにおいて管全長にわたっ
てより効果的に矯正できる継目無鋼管の圧延方法を提供
することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の継
目無鋼管の圧延方法にある。
【0029】一対の孔型ロールを備えた複数の2ロール
スタンド列の出側に、圧下方向が直交する二対の孔型ロ
ールを備え、かつ直前の2ロールスタンドに対してその
圧下方向が45゜ずれた4ロールスタンドを配置し、心
金棒を挿通した状態の素管をこれらのスタンド列に通し
て2ロールスタンド列で肉厚を減少させ、4ロールスタ
ンドで円周方向の肉厚変動を減少させる継目無鋼管の圧
延方法において、その圧延中に上記4ロールスタンドの
直交する二対の各孔型ロールの圧下位置を変更するに際
し、直交する二対の孔型ロール間の圧延荷重に及ぼす相
互干渉係数を用いて各孔型ロールに作用する圧延荷重の
変化量を予測し、この予測結果に基づいて二対の孔型ロ
ール対毎の圧下位置を決定することを特徴とする継目無
鋼管の圧延方法。
【0030】本発明者は、2ロールスタンド列と4ロー
ルスタンドによる管圧延の特性を詳細に調べた結果、次
のことを知見し、本発明をなすにいたった。
【0031】一対の孔型ロールを備える2ロールスタン
ド列のロールギャップを締め込んで圧延した場合に発生
する肉厚変動を、圧下方向が直交する二対の孔型ロール
を備える4ロールスタンドによって効率よく圧延し、か
つ広い肉厚範囲にわたって同一外径の心金棒を共通して
用いるには、4ロールスタンドで加えるべき各孔型ロー
ルの圧下量を適切な値に設定するとともに、管の円周方
向と軸長方向に均一に圧下を加えることが必要であるこ
とを見い出した。
【0032】すなわち、2ロールスタンドのロールギャ
ップを締め込んで圧延した場合、管の円周方向の4箇所
に発生する増肉部分の肉厚と孔型ロールの溝底部分に対
応する薄肉部分の肉厚との肉厚差は、ロールギャップの
締め込み量を大きくすればするほど大きくなる。
【0033】一方、上記の肉厚差が小さい場合、4ロー
ルスタンドにおける各孔型ロールで付与する圧下量とし
ては小さな値で十分で、その増肉部分の肉厚を容易に減
じ得て円周方向偏肉をなくすことができる。しかし、上
記の肉厚差が大きい場合には、2ロールスタンドで発生
した4箇所の増肉部分を4ロールスタンドの各孔型ロー
ルでより均等かつ適切な圧下量で圧下しないと、2ロー
ルスタンドで発生した円周方向偏肉が解消しないばかり
か、4ロールスタンドで新たな円周方向偏肉を発生させ
るので、各孔型ロールの圧下量が過大にならないように
精度良く各孔型ロール圧下位置を設定する必要がある。
【0034】さらに、4ロールスタンドによる管圧延の
特性として、二対の孔型ロールのうちの一方の孔型ロー
ル対のみの圧下位置を変化させた場合には、その孔型ロ
ール対に作用する圧延荷重が圧下量の変更分だけ変化す
るだけでなく、圧下位置を変化させなかった他方の孔型
ロール対に作用する圧延荷重が変化するという現象が発
生する。従って、その圧延中、一方の孔型ロール対のみ
の圧下位置を目標肉厚との偏差を修正すべく変化させる
と、他方の孔型ロール対の目標肉厚との間に偏差が発生
することになる。この結果、二対の孔型ロールによる圧
下量が変動するだけでなく、極端な場合には二対の孔型
ロールが圧下位置の開閉を交互に繰り返すという共振現
象が発生し、目標肉厚との偏差を修正するのに必要な補
正量を小さな値に制限する必要が生じて孔型ロールの圧
下位置を高精度に設定できなくなる。
【0035】しかし、その圧延中に圧下方向が直交する
二対の各孔型ロールの圧下位置を変更するに際し、直交
する二対の孔型ロール間の圧延荷重に及ぼす相互干渉係
数を用いて各孔型ロール対に作用する圧延荷重の変化量
を予測し、この予測結果に基づいて二対の孔型ロール毎
の圧下位置を設定する場合には、その圧下位置を高精度
に設定でき、円周方向偏肉と円周方向偏肉の軸長方向変
動を4ロールスタンドにおいてより効果的に矯正できる
ことを知見した。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の方法を、添付図面
を参照して詳細に説明する。
【0037】一対の孔型ロールを備える2ロールスタン
ドの管圧延機では、通常、圧延荷重によるミルスプリン
グ量の分だけ一対の孔型ロールをパスラインに対して均
等に締め込んだ状態にして、目標肉厚の仕上げ管を圧延
するようにしている。さらに、目標肉厚と肉厚実測値、
または目標肉厚とロール圧下位置、圧延荷重実績値、ミ
ル剛性値とから計算された肉厚とが異なる場合は、一対
の孔型ロールの圧下位置を調整して目標肉厚と実績肉厚
が等しくなるように制御されている。
【0038】これに対して、二対の孔型ロールを備える
4ロールスタンドの管圧延機では、その孔型が圧下方向
の直交する二対4個の孔型ロールで構成されている。こ
のため、前述したように、圧延中に一方の孔型ロール対
のみの圧下位置を調整した場合には、圧下位置調整を行
わなかった他方の孔型ロール対に作用する圧延荷重が変
化するので、他方の孔型ロール対の圧下位置が変化す
る。従って、圧下方向の直交する二対の孔型ロールの圧
下位置をそれぞれ所定の目標位置に設定するためには二
対の孔型ロールが相互に影響する度合いを予測し、二対
の孔型ロールの圧下位置を別々に決定して制御すること
が必要である。
【0039】本発明は、2ロールスタンド列の出側に4
ロールスタンドが配置されたマンドレルミルによる管の
延伸圧延時に、4ロールスタンドに対して上記の圧下位
置制御を施す方法であり、これによって4ロールスタン
ドでの管軸長方向の肉厚変動に起因する圧下量変動を可
及的に減少させることができ、管全長にわたっての円周
方向偏肉と円周方向偏肉の軸長方向変動の修正精度を格
段に高めることが可能になる。
【0040】図1は、本発明の方法を実施するための4
ロールスタンドとその制御装置の構成例を示す図であ
り、同図(a)は4ロールスタンドの構成例を示す正面
図、同図(b)はその制御装置の構成例を示す図であ
る。また、図2は、制御装置を構成する計算機内におけ
る信号処理フローを示す図である。
【0041】図1(a)に示すように、本発明で用いる
4ロールスタンドは、図示しない2ロールスタンド列か
ら排出され、心金棒1が挿通された状態の圧延材2を二
対の孔型ロール3、3、3、3により圧延するようにな
っている。各孔型ロール3は、いずれも荷重検出器6を
備える圧下機構5a、5aと5b、5bに軸支されてい
る。
【0042】また、図1(b)に示すように、その制御
装置は上記の各圧下機構5a、5bを統括制御する圧下
制御系7と、この圧下制御系7に指令を発する計算機8
とで構成されている。
【0043】以下、上記のように構成された4ロールス
タンドと制御装置を用いる本発明の方法について、図2
を参照して詳細に説明する。
【0044】図2に示すように、本発明においては、圧
延に先立ち、制御装置を構成する計算機7に、圧延材2
の材質(変形抵抗kf )と温度T、および得るべき管の
目標外径Dと目標肉厚t、並びに使用する心金棒の外径
M を入力する。これらの値が入力された計算機7は、
2ロールスタンド列の各スタンドの基準ロールギャップ
0 (前述の図5参照)を、予め定められたテーブルか
ら選定するか、もしくは実験などにより予め定められた
適宜な計算式により求めるとともに、心金棒共用化圧延
に必要なロールギャップ締め込み量Gi を決定する。
【0045】ここで、心金棒共用化圧延に必要な2ロー
ルスタンド列の各スタンドのロールギャップの締め込み
量Gi は、締め込み後のロールギャップと、孔型溝底中
央部における孔型と心金棒との隙間(管肉厚)をそれぞ
れSおよびtG1(前述の図7参照)とすると、例えば下
記(1) 式によって求めることができる。
【0046】 Gi =S0 −S=2(R0 −tG1)−DM ・・・・ (1) この2ロールスタンド列の各スタンドのロールギャップ
締め込み量Gi の決定後、2ロールスタンド列での圧延
により発生する円周方向の4箇所を増肉部分とする肉厚
変動の発生量、すなわち増肉部分の最大肉厚t1 ’と孔
型溝底部分の肉厚tG1(前述の図6参照)との肉厚差△
tを予測計算する。
【0047】ここで、上記の増肉部分の最大肉厚t1
は、予め2ロールスタンド列でロールギャップを締め込
んだ圧延を行い、この時に得られた管の円周方向の肉厚
分布とロールギャプとの関係から適宜な実験式を作成
し、この実験式を用いて予測計算する。
【0048】なお、増肉部分の最大肉厚t1 ’は、上記
実験式による予測計算に代えて、2ロールスタンド列の
仕上げスタンドの孔型形状から幾何学的に予測計算する
ことも可能である。しかし、この幾何学的予測計算は、
ロールギャップ締め込み量の小さい領域では精度が劣る
ので、推奨できない。
【0049】次いで、圧延後の管に要求される許容偏肉
率を基準に、4つの孔型ロール3、3、3、3の各孔型
溝底位置における目標肉厚tG1’を計算し、4ロールス
タンドで減少させるべき肉厚変動減少必要量△t’を求
める。
【0050】さらに、上記肉厚変動減少必要量△t’を
得るために必要な4つの孔型ロール3、3、3、3の圧
延荷重Pi を予測計算する。また更に、この予測計算し
て求められた圧延荷重Pi と予め測定したミル剛性値M
G とに基づいて二対の孔型ロール対毎のミルスプリング
量MS を計算し、このミルスプリング量MS に相当する
分だけロールギャップを締め込んだ圧下位置GP に二対
の孔型ロール対を設定する。
【0051】一方、用いる心金棒1については、その圧
延使用中の熱膨張後における外径DMiの軸長方向分布を
4ロールスタンド到達時点の予測温度を用いて予測計算
して求めておき、しかる後に圧延を行う。
【0052】なお、心金棒1の熱膨張前の外径分布は、
その循環使用中、圧延に供する前ににその都度実測する
などして知った既知値を用いればよい。また、循環使用
に際しての摩耗量が無視できる程度である場合には、そ
の切削製作後に実測した既知値をそのまま用いてもかま
わない。
【0053】ここで、上記の肉厚変動減少必要量△
t’、目標肉厚tG1’、圧延荷重Pi 、ミルスプリング
量MS 、位置GP および熱膨張後の心金棒外径DMi
は、目標偏肉率をβ、材料の変形抵抗をkf 、材料の圧
延温度をT、使用中の心金棒温度をTDi、上記DMi測定
時または心金棒製作時の心金棒温度をT0 、心金棒の熱
膨張係数をγとすると、例えば下記(2) 〜(7) 式によ
り、それぞれ求めることができる。
【0054】 △t’=t1 ’−tG1’ ・・・・・・・・・・・ (2) tG1’=tG1×β ・・・・・・・・・・・・・・ (3) Pi =f(△t’,kf(T)) ・・・・・・・・・ (4) MS =Pi /MG ・・・・・・・・・・・・・・ (5) GP =S0 −Gi −MS ・・・・・・・・・・・ (6) DMi’=DMi×{1+γ(TDi−T0 )} ・・・ (7) そして、上記の設定による圧延中には、直交する二対の
孔型ロール対毎の圧延荷重実績値Pijと圧下位置実績値
Pjとを、荷重検出器6と圧下機構5a、5aおよび5
b、5bに設けられた図示しない位置検出手段とによっ
て一定の時間間隔をおいて検出し、検出した圧延荷重実
績値Pijと上記の予め測定されたミル剛性係数MG とを
用い、直交する二対の孔型ロール対毎のミルスプリング
量MSjを計算する。
【0055】続いて、計算により求められたミルスプリ
ング量MSjと上記熱膨張後の心金棒外径DMi’および孔
型ロール3に形成された孔型寸法諸元とを用い、ゲージ
メータ肉厚と称される計算上の孔型溝底位置の実績肉厚
GMを計算する。
【0056】次いで、計算により求められた孔型溝底位
置の実績肉厚tGMと孔型溝底位置の目標肉厚tとから二
対の各孔型ロールの溝底位置における溝底肉厚修正量△
jを求め、この溝底肉厚修正量△tj に基づいて二対
の孔型ロール対毎の圧下位置をGP ’に補正設定する。
この圧下位置の補正設定は、4ロールスタンドによる圧
延開始から完了まで一定の間隔をおいて繰り返し行う。
【0057】ここで、上記のミルスプリング量MSj、ゲ
ージメータ肉厚tGM、溝底肉厚修正量△tj は、例えば
下記(8) 〜(10)式により、それぞれ求めることができ
る。また、二対の各孔型ロールのゲージメータ肉厚tGM
に差がない場合の圧下位置GP’は、圧延荷重の変化予
測値を△Pとすると、例えば下記(11)式により求めるこ
とができる。
【0058】 MSj=Pij/MG ・・・・・・・・・・・・・・・ (8) tGM=R0 −{(S0 −S)/2} +(MSj/2)−(DMi’/2) ・・・・ (9) △tj =tGM−tG1’ ・・・・・・・・・・・・・ (10) GP ’=GP −2×△tj −(△P/MG ) ・・・ (11) 一方、二対の各孔型ロールの孔型溝底位置の実績肉厚
(ゲージメータ肉厚)tGMに差がある場合には、上記の
溝底肉厚修正量△tj の小さいロール対の圧延荷重は、
溝底肉厚修正量△tj の大きい他方のロール対の影響を
受けるので、各孔型ロールの圧下位置を精度よく設定で
きなくなる。このため、二対のロール対の圧下位置は、
P から上記GP ’とは異なるGP1’とGP2’とに設定
する必要がある。この場合、上記のGP1’とGP2’は、
一方のロールの圧延荷重が他方のロールの圧延荷重実績
値に与える影響をなくするために、予め実験により求め
た圧延荷重の相互干渉係数αを用いて補正計算する必要
がある。
【0059】すなわち、圧延荷重の相互干渉係数αを用
い、二対の孔型ロールの各孔型ロールの圧下位置GP1
とGP2’を、その圧延荷重実績値Pijに相当するミルス
プリング量MS に対応した圧下位置として計算する必要
がある。
【0060】ここで、上記の圧下位置GP1’とGP2
は、一方ロール対の変更前の圧下位置をGP1、ゲージメ
ータ肉厚tGM1 、圧延荷重の変化予測値を△P1 、他方
ロール対の変更前の圧下位置をGP2、ゲージメータ肉厚
GM2 、圧延荷重の変化予測値を△P2 とすると、△t
j1>△tj2の場合、例えば下記(12)式および(13)式によ
り、それぞれ求めることができる。
【0061】 GP1’=GP1−2×△tj1−(△P1 /MG ) ・・・・ (12) GP2’=GP2−2×△tj2−(△P2 ’/MG ) ・・・ (13) ただし、 △tj1=tGM1 −tG1’ △tj2=tGM2 −tG1’ △P2 ’=△P2 −α×△P2 (△tj1−△tj2) なお、上記の圧延荷重の相互干渉係数αは、上記の各圧
延実績値を用い、学習計算を行うことにより、さらなる
精度向上を図るのが好ましい。また、圧延荷重の相互干
渉係数αは、圧延後の管外径、肉厚および材質毎に異な
った値とするのが望ましい。
【0062】上記のようにして4ロールスタンドの二対
の孔型ロールの圧下位置をその圧延中に変更設定する場
合には、孔型ロールのフランジ面がそのロール軸心に対
して平行でないので、圧下位置の零点調整を精度よく行
うことが困難な各孔型ロールの圧下位置を高精度に設定
できる。この結果、4ロールスタンドによる円周方向偏
肉修正効果が一段と向上するのみならず、管軸長方向の
偏肉修正効果も向上し、偏肉率の小さい製品を得ること
ができる。
【0063】なお、4ロールスタンドの出側に二対の各
孔型ロールの孔型溝底位置の肉厚を実測する肉厚測定器
を設置し、この肉厚測定器による実測肉厚とゲージメー
タ肉厚との偏差に基づいて次回圧延材のゲージメータ肉
厚を補正する学習を行う場合には、その孔型ロールの圧
下位置をより高精度に設定することが可能である。
【0064】
【実施例】6基の2ロールスタンドを連設したマンドレ
ルミルを用い、外径173mm、肉厚36mmの素管を
外径151mm、肉厚25mmの仕上げ管に圧延する場
合を通常圧延として心金棒共用化圧延を行った。この
際、心金棒共用化圧延時には6基の2ロールスタンド列
の出側に1基の4ロールスタンドを配置し、各スタンド
でのロールギャップを締め込んで圧延を行った。
【0065】そのときの圧延条件を表1に示す。
【0066】なお、6基の2ロールスタンドのうちの後
段2スタンドが仕上げスタンドであり、この2スタンド
の孔型ロールの孔型を、その溝底部の孔型半径R2 が7
3.5mmで、溝底中央からフランジ方向への角度θが
50゜の孔型とした。また、4ロールスタンドの孔型ロ
ールの孔型は、その溝底部の孔型半径R4 が73.5m
mで、溝底中央からフランジ方向への角度θが30゜の
孔型とした。
【0067】
【表1】
【0068】通常圧延では、前述の図5に示すように、
2ロールスタンド列出側で円周方向に均一な管肉厚が得
られるように、その孔型半径(R0 =R2 =73.5m
m)から決定される外径D1 が97mmの心金棒30
(1)を用いて圧延を行った。このとき、そのロールギ
ャップS0 は、孔型を設計したときの基準ギャップであ
る15mm(ギャップ締め込み量=0mm)に設定し
た。その結果、前述の図8(a)中に●印で示す円周方
向の肉厚分布を有する管が得られた。
【0069】これに対し、前述の図7に示すように、外
径D2 が87mmの心金棒30(1)を用いる一方、2
ロールスタンド列のロールギャップを締め込み、後段2
段のスタンドのロールギャップを基準ギャップS0 の1
5mmから10mm締め込んでS=5mmに設定して、
2ロールスタンド列のみで心金棒共用化圧延を行ったと
ころ、孔型溝底部分の管肉厚tG1は25mmで上記通常
圧延の場合と同じであった。しかし、溝底中央からほぼ
45゜離間した最大肉厚部分の管肉厚t1 ’は26.3
mmと大きくなっており、円周方向の肉厚分布の変動量
が極めて顕著であった。
【0070】そこで、上記2ロールスタンド列のみでの
心金棒共用化圧延に際し、その出側に4ロールスタンド
を1基連設し、この4ロールスタンドの各孔型ロールの
圧下位置を従来の方法と本発明の方法とを用いて調整制
御する心金棒共用化圧延をそれぞれ100本ずつ行い、
4ロールスタンドによる円周方向と軸長方向の偏肉矯正
効果を、下式によって求められる偏肉率で評価した。
【0071】偏肉率(%)={(最大肉厚−最小肉厚)
/平均肉厚}×100 なお、2ロールスタンド列および4ロールスタンドのミ
ルセンター調整は、実生産時と同様にロール組み替え時
にハウジングと孔型ロールの孔型センターを調整した
後、ハウジングを圧延ラインに組み込んで、その各孔型
センターを一致させた。
【0072】また、2ロールスタンド列での各孔型ロー
ルの圧下位置の零点調整は、実生産時と同様に一対の孔
型ロールのフランジ部同士を接触させ、一定の負荷を加
えたときの圧下位置を零点とした。一方、4ロールスタ
ンドについては、2ロールスタンドと同様な零点調整が
孔型ロール形状(フランジ面がロール軸心に対して平行
でない)の制約により行えないため、無負荷時のロール
ギャップを実測し、この実測値と各孔型ロールの圧下機
構中に組み込まれた位置検出器の指示値とから補正を行
って得られた圧下位置を零点とした。
【0073】さらに、本発明の方法を適用した場合、そ
のロールギャップ締め込み量を10mmにした2ロール
スタンド列出側での円周方向の4箇所に増肉部分を有す
る管の円周方向偏肉をなくすには、4ロールスタンドの
孔型溝底部分で前記増肉部分の肉厚を2mm減肉させる
必要があったので、これをもとに図2に示す手順によっ
てその圧下位置を調整制御した。
【0074】結果を、表2および図3に示した。
【0075】
【表2】
【0076】表2に示す結果から明らかなように、マン
ドレルミルで圧延された管の円周方向偏肉は、例えば素
管の円周方向偏肉など様々な要因で発生し、本実施例に
おいても円周方向偏肉が発生している。しかし、従来方
法により2ロールスタンド列で心金棒共用化圧延を行
い、4ロールスタンドで円周方向偏肉を矯正圧延した場
合には、その偏肉率が6.15%であった。これに対
し、2ロールスタンド列で心金棒共用化圧延を行い、本
発明の方法に従って4ロールスタンドで円周方向偏肉を
矯正圧延した場合には、その偏肉率が4.20%と大幅
に向上した。
【0077】また、図3に明らかなように、その軸長方
向の偏肉率についても、従来方法によって圧延した場合
に比べて本発明の方法で圧延した場合は大幅に向上し
た。
【0078】
【発明の効果】本発明の方法によれば、圧下位置の零点
調整を高精度に行うことが困難な4ロールスタンドの直
交する二対の孔型ロール対毎の圧下位置を、直交す二対
の孔型ロール間の圧延荷重に及ぼす相互干渉係数をもち
いて予測した圧延荷重変化量に基づいて調整設定しつつ
圧延を行うので、4ロールスタンドの肉厚変動減少効果
をより効果的に発揮させることができる。その結果、円
周方向および軸長方向ともに偏肉の小さい管が得られる
のみならず、心金棒の共用化圧延可能な寸法範囲が拡大
し、仕上げ管肉厚が一定ピッチで変化する毎に行われて
いた心金棒替え作業の大幅減少が図れる。また、心金棒
の保有数およびその置き場面積が少なくてすみ、これに
よる大幅なコスト低減が図れるなど、本発明は多大の効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法において用いられる4ロールスタ
ンドと制御装置の構成例を示す図で、同図(a)は4ロ
ールスタンドの構成例を示す模式的正面図、同図(b)
はその制御装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明の方法における4ロールスタンドの孔型
ロールの圧下位置制御のフローチャートを示す図であ
る。
【図3】実施例の結果を示す図である。
【図4】マンドレルミルによる管の圧延状態を示す模式
的斜視図である。
【図5】2ロールスタンド列の仕上げスタンドにおい
て、基準ロールギャップ下で大径の心金棒を用いた管の
圧延状態を示す模式的正面図である。
【図6】2ロールスタンド列の仕上げスタンドにおい
て、基準ロールギャップ下で小径の心金棒を用いた管の
圧延状態を示す模式的正面図である。
【図7】2ロールスタンド列の仕上げスタンドにおい
て、基準ロールギャップよりも小さいロールギャップ下
で小径の心金棒を用いた管の圧延状態を示す模式的正面
図である。
【図8】ロールギャップの締め込み量が円周方向偏肉に
及ぼす影響を示す図で、同図(a)はロールギャップの
締め込み量と円周方向偏肉分布の一例を示す図、同図
(b)は肉厚測定位置を示す図である。
【図9】4ロールスタンドを用いた心金棒共用化圧延を
説明するための図で、同図(a)は2ロールスタンド列
の最終仕上げスタンドを示す模式的正面図、同図(b)
は4ロールスタンドを示す模式的正面図である。
【符号の説明】
1:心金棒、 2:圧延材、 3:孔型ロール、 4:駆動軸、 5a、5b:圧下機構、 6:荷重検出器、

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の孔型ロールを備えた複数の2ロール
    スタンド列の出側に、圧下方向が直交する二対の孔型ロ
    ールを備え、かつ直前の2ロールスタンドに対してその
    圧下方向が45゜ずれた4ロールスタンドを配置し、心
    金棒を挿通した状態の素管をこれらのスタンド列に通し
    て2ロールスタンド列で肉厚を減少させ、4ロールスタ
    ンドで円周方向の肉厚変動を減少させる継目無鋼管の圧
    延方法において、その圧延中に上記4ロールスタンドの
    直交する二対の各孔型ロールの圧下位置を変更するに際
    し、直交する二対の孔型ロール間の圧延荷重に及ぼす相
    互干渉係数を用いて各孔型ロールに作用する圧延荷重の
    変化量を予測し、この予測結果に基づいて二対の孔型ロ
    ール対毎の圧下位置を決定することを特徴とする継目無
    鋼管の圧延方法。
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