JP2001293511A - 金属管の延伸圧延法および延伸圧延機 - Google Patents

金属管の延伸圧延法および延伸圧延機

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JP2001293511A
JP2001293511A JP2000109285A JP2000109285A JP2001293511A JP 2001293511 A JP2001293511 A JP 2001293511A JP 2000109285 A JP2000109285 A JP 2000109285A JP 2000109285 A JP2000109285 A JP 2000109285A JP 2001293511 A JP2001293511 A JP 2001293511A
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elongation
tube
elongation rolling
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Toshio Asano
俊雄 浅野
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長手方向への肉厚分布の不均一が解消された
複数本の同じ仕様の継目無鋼管を、マンドレルミルを用
いて固体差を生じずに圧延できない。 【解決手段】 素管44aの内部に芯金棒21aを挿設
して延伸圧延を行った後に芯金棒21aを、延伸圧延を
行われる前の他の素管44bの内部に挿設して延伸圧延
を行うことを順次繰り返して、延伸圧延機10により同
じ仕様の継目無鋼管44を製造する際に、2番目以降の
いずれかの順序で延伸圧延を行われる素管44bに対し
て設定された圧延条件を、素管44bの内部に挿設され
る芯金棒21b、および素管21bよりも先に延伸圧延
を行われる素管44aの内部に挿設される芯金棒21a
それぞれの、延伸圧延に起因して変動した寸法情報に基
づいて、修正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属管の延伸圧延
法および延伸圧延機に関する。より具体的には、本発明
は、例えば、長手方向への肉厚分布の不均一が解消され
た複数本の同じ仕様の金属管を、固体差を生じることな
く圧延することができる、金属管の延伸圧延法および延
伸圧延機に関する。
【0002】
【従来の技術】図11は、金属管2の製造工程1の一例
を模式的に示す説明図である。なお、以降の説明では、
金属管2が継目無鋼管である場合を例にとる。
【0003】同図に示すように、継目無鋼管2は、一般
的に、例えばピアサ等の穿孔圧延機(図示しない)によ
り穿孔された管材3に、延伸圧延機4により延伸圧延を
行った後に、さらに例えばサイザ等の定径圧延機5によ
り定径圧延を行うことによって、製造される。なお、以
降の説明では、延伸圧延機4がマンドレルミルである場
合を例にとる。
【0004】この製造工程1において用いられるマンド
レルミル4は、通常は5基から8基程度の複数基のスタ
ンドをタンデムに配置された圧延機である。各スタンド
には、それぞれ、複数個(通常2個)の孔型ロールが配
設されており、2個の場合には、各孔型ロールは、隣接
するスタンド間で圧下方向が90度異なる方向になるよ
うに、配設される。このマンドレルミル4は、所定のロ
ール周速度で駆動される各孔型ロール対に、内部に芯金
棒を挿設された中空の素管を順次送ることにより、各孔
型ロール対と芯金棒とによって、複数本の同じ仕様の鋼
管を圧延して製造する。
【0005】図12は、このマンドレルミル4を用いた
鋼管のロット生産の状況を模式的に示す説明図である。
同図に示すように、マンドレルミル4は、内部に芯金棒
6をそれぞれ挿設される素管7(1本から、多い場合に
は1000本程度)に順次延伸圧延を行うが、芯金棒6
の保有本数を低減して製造コストの上昇を抑制するた
め、延伸圧延を終了した素管7aから芯金棒6を抜き出
し、この芯金棒6をこの後に延伸圧延を行われる素管7
bの内部に挿設して延伸圧延を行うことを、各芯金棒6
について順次行っている。なお、本明細書では、芯金棒
6のこのような使用態様を「循環使用」という。
【0006】ところで、このマンドレルミ4により延伸
圧延を行われて製造された鋼管7aの中心軸方向(長手
方向)への肉厚は、圧延時の様々な要因により変動し易
く、一定値になり難い。このため、これまでにも、延伸
圧延された鋼管7aの中心軸方向への肉厚の変動を抑制
するための発明が多数提案されている。
【0007】本出願人も、特開昭55−88910号公
報により、同一スケジュールで同じ仕様の素管を延伸圧
延するに際し、延伸圧延を終了した先行する素管の肉厚
等の中心軸方向への変動パターンを求め、この変動パタ
ーンに基づいて決定した相補的な変更パターンを制御パ
ターンとして、例えば一組の孔型ロールの圧下位置また
はロール周速度を変更することによって、後行する素管
の肉厚等の中心軸方向への変動を抑制する発明を、提案
した。
【0008】しかし、各芯金棒は、いずれも、循環使用
を行われるために不均一に摩耗するとともに、圧延時の
素管からの熱伝導や孔型ロールによる圧下に伴う加工熱
等により、発熱して不均一に熱膨張する。このために、
各芯金棒それぞれの摩耗や熱膨張等に起因した肉厚等の
中心軸方向への変動パターンは一定ではない。このた
め、後行する素管の延伸圧延に供される各芯金棒の肉厚
等の中心軸方向への変動パターンと、変更パターンを決
定した際に用いた先行する素管の延伸圧延に供される各
芯金棒の肉厚等の中心軸方向への変動パターンとの偏差
も一定しない。このため、この変更パターンに基づいて
変更された孔型ロールの圧下位置またはロール周速度
が、後行する素管の延伸圧延に供される各芯金棒の肉厚
等の中心軸方向への変動を補うことができず、延伸圧延
された鋼管の肉厚の変動を抑制できないことが多かっ
た。
【0009】そこで、本出願人は、特開昭57−228
13号公報により、長手方向における直径の分布が既知
である基準芯金棒を使用して延伸圧延を行った場合に延
伸圧延を行われた素管の長手方向の肉厚分布を均一にす
る、孔型ロールの圧下位置またはロール周速度の基準パ
ターンを予め定めておき、ある素管の延伸圧延に供され
た芯金棒の外径の変動パターンに基づいて、基準パター
ンを修正することにより、延伸圧延された素管の肉厚の
変動を抑制する発明を、提案した。この提案にかかる発
明では、その明細書の第2図のグラフに明記されている
ように、基準芯金棒として延伸圧延に供される前の新品
の芯金棒を用いている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】近年、継目無鋼管に対
しては、高強度鋼の採用による薄肉化を図ることによっ
て材料使用量を低減し、これによって、コスト低減が図
られるようになってきた。したがって、継目無鋼管の肉
厚を高精度で制御することは、これまで以上に極めて重
要になってきた。
【0011】ところで、特開昭57−22813号公報
により提案された発明では、延伸圧延に供される前の芯
金棒、すなわち、循環使用による摩耗に起因した外径の
変動が一切発生していない、いわば新品の芯金棒を基準
芯金棒として用い、この基準芯金棒に対する各芯金棒の
外径の偏差に基づいて、各芯金棒を用いる延伸圧延の圧
延条件の設定値を、それぞれ微調整する。
【0012】しかし、前述したように、循環使用される
芯金棒の外径の摩耗の程度は一定ではない。このため、
基準芯金棒の外径の変動パターンと、各芯金棒の外径の
変動パターンとの偏差に基づいて各芯金棒毎に求められ
る、孔型ロールの圧下位置またはロール周速度の変更量
も、各芯金棒毎に大きく変動する。ここで、一般的に、
孔型ロールの圧下位置またはロール周速度の変更量が大
きい場合は、孔型ロールの圧下位置またはロール周速度
の変更量が小さい場合に比較すると、延伸圧延される素
管の肉厚の制御精度が低下する。
【0013】このため、この発明に基づいて同じ仕様の
素管を延伸圧延しようとしても、得られる各素管間の長
手方向への肉厚が大きく変動し、同一ロットの継目無鋼
管の肉厚を高精度で同じ値に制御することができない。
【0014】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、長手方向への肉厚分布の不均一が解消された
複数本の同じ仕様の、例えば継目無鋼管等の金属管を、
固体差を生じることなく圧延することができる、金属管
の延伸圧延法および延伸圧延機を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部に、循環
使用される芯金棒をそれぞれ挿設された複数の素管に順
次延伸圧延を行う際に、先行する素管に挿設された芯金
棒の寸法情報と、この先行する素管の後に延伸圧延を行
われる後行する素管に挿設された芯金棒の寸法情報とに
基づいて、後行する素管に対して設定された圧延条件を
修正することを、複数の素管それぞれに対して順次行
う、いわゆる学習制御を適用することにより、上述した
課題を解決することができるという、新規かつ重要な知
見に基づくものである。
【0016】本発明は、複数本の素管の内部に複数本の
芯金棒をそれぞれ挿設して順次延伸圧延を行うととも
に、複数本の素管のうちの一つの素管の内部に挿設され
る芯金棒を延伸圧延後に延伸圧延前の他の素管の内部に
挿設することを複数本の芯金棒のうちの少なくとも1本
の芯金棒について行う循環使用を行うことによって、複
数本の同じ仕様の金属管を製造する際に、複数本の素管
のうちで2番目以降のいずれかの順序で延伸圧延を行わ
れる素管に対して設定された延伸圧延の圧延条件を、循
環使用に起因して変動した、素管の内部に挿設される第
2の芯金棒の寸法情報と、循環使用に起因して変動し
た、前記の素管よりも先に延伸圧延を行われる素管の内
部に挿設される第1の芯金棒の寸法情報とに基づいて、
修正することを特徴とする金属管の延伸圧延法である。
【0017】この本発明にかかる金属管の延伸圧延法で
は、前記の寸法情報が、第1の芯金棒または第2の芯金
棒の外径偏差の中心軸方向への分布であることが望まし
い。また、この本発明にかかる金属管の延伸圧延法で
は、第2の芯金棒と第1の芯金棒とは、互いに同一の芯
金棒であることが望ましく、特に、第2の芯金棒は、第
1の芯金棒を供された延伸圧延の次の延伸圧延に供され
ることがより望ましい。
【0018】また、この本発明にかかる金属管の延伸圧
延法では、前記の圧延条件が、延伸圧延を行う複数の孔
型ロール対のうちの少なくとも一つの孔型ロールの圧下
位置およびロール周速度のうちの少なくとも一方である
ことが望ましい。
【0019】さらに、別の観点からは、本発明は、複数
本の素管に順次延伸圧延を行って複数本の同じ仕様の金
属管を製造する延伸圧延機であって、複数本の素管に対
して延伸圧延を行う複数組の孔型ロール対と、複数本の
素管の内部にそれぞれ挿設されて順次延伸圧延に供され
るとともに、少なくとも1本が複数本の素管のうちの一
つの素管の内部に挿設されて延伸圧延に供された後に延
伸圧延前の他の素管の内部に挿設される循環使用を行わ
れる複数本の芯金棒と、複数本の素管のうちで2番目以
降のいずれかの順序で延伸圧延を行われる素管に対して
設定された延伸圧延の圧延条件を、循環使用に起因して
変動した、素管の内部に挿設される第2の芯金棒の寸法
情報と、循環使用に起因して変動した、前記の素管より
も先に延伸圧延を行われる素管の内部に挿設される第1
の芯金棒の寸法情報とに基づいて、修正する制御装置と
を備えることを備えることを特徴とする金属管の延伸圧
延機である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる金属管の延
伸圧延法および延伸圧延機の実施の形態を、添付図面を
参照しながら詳細に説明する。なお、以降の説明では、
金属管が継目無鋼管であるとともに、延伸圧延機がいわ
ゆるマンドレルミルである場合を例にとる。
【0021】図1は、本実施形態の継目無鋼管43の延
伸圧延機10の構成を簡略化して示す斜視図である。ま
た、図2は、この延伸圧延機10の主要部を模式的に示
す説明図である。
【0022】図1および図2にそれぞれ示すように、本
実施形態の延伸圧延機10は、複数組の孔型ロール対1
1と、複数本の芯金棒21と、制御装置31とを備え
る。以下、本実施形態の延伸圧延機10のこれらの構成
要素について順次説明する。
【0023】[複数組の孔型ロール対11]図1および
図2に示すように、本実施形態では、例えばピアサ等の
穿孔圧延機(図示しない)により穿孔された管材41
に、延伸圧延機であるマンドレルミル10により延伸圧
延を行った後に、さらに例えばサイザ等の定径圧延機4
2により定径圧延を行うことによって、同じ仕様の複数
本の継目無鋼管43がロット生産されている。なお、定
径圧延機42は、本実施形態の延伸圧延機10の特徴に
は直接的には関連しないため、図1および図2では、簡
略化して示してある。
【0024】この延伸圧延機10は、本実施形態では、
8基のスタンドがタンデムに配置された圧延機である。
なお、説明の便宜上、図1および図2では3基のスタン
ドF6〜F8がタンデムに配置された状態を示してい
る。スタンドF6が入側のスタンドであり、スタンドF
8が出側の最終スタンドである。以降の説明では、スタ
ンドF6〜F8について説明し、スタンドF1〜F5の
各スタンドについては説明を省略する。
【0025】各スタンドF6〜F8には、それぞれ、孔
型ロール12aおよび12bからなる孔型ロール対1
2、孔型ロール13aおよび13bからなる孔型ロール
対13、孔型ロール14aおよび14bからなる孔型ロ
ール対14が、それぞれ設けられている。
【0026】孔型ロール対12および孔型ロール対14
それぞれの圧下方向は、いずれも、垂直方向であり、一
方、孔型ロール対13の圧下方向は、水平方向である。
このように、各孔型ロール対12〜14は、隣接するス
タンド間で圧下方向が90度異なる方向になるように、
配設される。
【0027】図1および図2にそれぞれ示すように、孔
型ロール12bにはロール圧下位置制御装置15−6が
設けられ、孔型ロール13bにはロール圧下位置制御装
置15−7が設けられ、さらに孔型ロール14bにはロ
ール圧下位置制御装置15−8が設けられる。各ロール
圧下位置制御装置15−6、15−7、15−8は、そ
れぞれ、後述する制御装置31から圧下制御信号C、す
なわち圧下制御信号C6、C7、C8を入力されること
により、孔型ロール12b〜14bそれぞれの圧下位置
を個別に変更する。
【0028】また、孔型ロール12bには駆動モータ1
6−6が設けられ、孔型ロール13bには駆動モータ1
6−7が設けられ、さらに孔型ロール14bには駆動モ
ータ16−8が設けられる。さらに、各駆動モータ16
−6〜16−8には、それぞれ、回転数制御装置17−
6〜17−8が接続される。各回転数制御装置17−6
〜17−8は、それぞれ、後述する制御装置31から回
転数制御信号R、すなわち回転数制御信号R6、R7、
R8を入力されることにより、孔型ロール12b〜14
bそれぞれの回転数、すなわちロール周速度を個別に変
更する。
【0029】なお、図2では省略してあるが、図1に示
すように、孔型ロール12a〜14aについても、上述
した孔型ロール12b〜14bと同様に、ロール圧下位
置制御装置15−6〜15−8、駆動モータ16−6〜
16−8および回転数制御装置17−6〜17−8がそ
れぞれ設けられている。
【0030】また、本実施形態では、延伸圧延機10の
出側に延伸圧延を終了した素管44の肉厚を測定するこ
とができる肉厚計18a、または定径圧延機42の出側
に定径圧延を終了した鋼管43の肉厚を測定することが
できる肉厚計18bが配置されている。
【0031】肉厚計18aまたは18bの出力は、電気
信号に変換された後、制御装置31へ入力される。制御
装置31では、肉厚計18aまたは18bから入力され
た肉厚に基づいて、延伸圧延を行われた素管44aの中
心軸方向への肉厚の分布、すなわち素管44aの中心軸
方向への肉厚偏差の分布が求められる。
【0032】さらに、本実施形態では、延伸圧延機10
の入側に、後述する芯金棒21の外径を測定する外径測
定器19が配置される。この外径測定器19は、本実施
形態では、例えばレーザ光を照射することによる既設の
外径測定器をそのまま流用した。外径測定器19によ
り、各芯金棒21の延伸圧延の直前における中心軸方向
への外径偏差が測定される。そして、測定値は、制御装
置31へ入力される。
【0033】このように、本実施形態では、各スタンド
F6〜F8にそれぞれ設けられて所定のロール周速度で
駆動される孔型ロール対12〜14に、後述する複数本
の素管44を順次送ることにより、全ての素管、すなわ
ち、先行して延伸圧延を行われる素管44aおよびこの
素管44aの直後に延伸圧延を行われる素管44bのい
ずれに対しても、延伸圧延が行われる。これにより、延
伸圧延後の素管44の肉厚または長さが制御される。
【0034】本実施形態の複数組の孔型ロール11の構
成は、周知慣用のマンドレルミルの孔型ロールと同じで
あるため、これ以上の説明は省略する。本実施形態で
は、複数組の孔型ロール対11は、以上のように構成さ
れる。
【0035】[複数本の芯金棒21]本実施形態の延伸
圧延機10は、複数本の芯金棒21を有する。図1で
は、2本の芯金棒21a、21bが図示されているが、
これ以外に芯金棒21c、21d(いずれも図示しな
い)も用いており、合計4本の芯金棒21を循環使用す
ることにより、延伸圧延が行われている。
【0036】芯金棒21aは、本発明における第1の芯
金棒であり、延伸圧延前に素管44aの内部に挿設さ
れ、延伸圧延機10の各スタンドF6〜F8の孔型ロー
ル対12〜14とともに素管44aに対して延伸圧延を
行う。また、芯金棒21bは、本発明における第2の芯
金棒であり、延伸圧延前に素管44bの内部に挿設さ
れ、延伸圧延機10の各スタンドF6〜F8の孔型ロー
ル対12〜14とともに素管44bに対して延伸圧延を
行う。
【0037】本実施形態においては、4本の芯金棒21
a〜21dを循環使用することにより、12本の素管4
4a〜44l(素管44c〜44lは図示しない)に対
して延伸圧延を行う。すなわち、素管44a〜44dに
対して芯金棒21a〜21dをそれぞれ挿設して延伸圧
延を順次行い、延伸圧延を終了した素管44aから芯金
棒21aを抜き出して素管44eの内部に挿設して延伸
圧延を行い、次に延伸圧延を終了した素管44bから芯
金棒21bを抜き出して素管44fの内部に挿設して延
伸圧延を行い、以下、この手順を素管44lの延伸圧延
が終了するまで、芯金棒21a〜21dを3回循環使用
することにより、順次行う。
【0038】このように、本実施形態の延伸圧延機10
では、少なくとも、先行する素管44aの内部に挿設さ
れる第1の芯金棒21aと、後行する素管44bの内部
に挿設される第2の芯金棒21bとが用いられる。
【0039】本実施形態の複数組の芯金棒21a、21
bの構成は、公知のマンドレルミルにおいて用いる周知
慣用の芯金棒21a、21bと同じであるため、これ以
上の説明は省略する。
【0040】本実施形態では、複数本の芯金棒21は、
以上のように構成される。 [制御装置31]本実施形態の延伸圧延機10は、制御
装置31を有する。
【0041】制御装置31は、肉厚計18aにより測定
された、延伸圧延を終了した先行する第1の素管44a
の肉厚、または肉厚計18bにより測定された、定径圧
延を終了した先行する第1の素管44aの肉厚に基づい
て、延伸圧延を終了した先行する素管44aの中心軸方
向への肉厚の分布を算出する。
【0042】そして、制御装置31は、素管44a、4
4bのうちで2番目に延伸圧延を行われる第2の素管4
4bの圧延条件、すなわちこの延伸圧延を行う複数の孔
型ロール対12〜14のうちの少なくとも一つの孔型ロ
ール12a〜14bの圧下位置およびロール周速度のう
ちの少なくとも一方を、この素管44bよりも先に延伸
圧延を行われる素管44aの中心軸方向への肉厚の分布
に基づいて、設定する。この設定手順は、例えば、前述
した特開昭55−88910号公報により提案された発
明と同じ手順で行えばよいため、ここでは、これ以上の
説明は省略する。
【0043】一方、この制御装置31は、外径測定器1
9から入力される芯金棒21aの外径の中心軸方向への
測定値に基づいて、先行する素管44aに挿設された芯
金棒21aの延伸圧延の前における中心軸方向への外径
偏差の分布と、後行する素管44bに挿設された芯金棒
21bの延伸圧延の前における中心軸方向への外径偏差
の分布とを、ともに算出する。
【0044】次に、制御装置31は、先行する素管44
aに挿設された芯金棒21aの延伸圧延の前における中
心軸方向への外径偏差の分布の算出値と、後行する素管
44bに挿設された芯金棒21bの延伸圧延の前におけ
る中心軸方向への外径偏差の分布の算出値と、延伸圧延
を終了した先行する素管44aの延伸圧延後における中
心軸方向への肉厚の分布とに基づいて、延伸圧延を終了
した時点の素管44bの肉厚の変動が抑制されて均一化
されるように、素管44bに対して設定した延伸圧延の
圧延条件、すなわち、各スタンドF6〜F8の孔型ロー
ル対12〜14のうちの少なくとも一つの孔型ロール1
2a、12b、13a、13b、14a、14bの圧下
位置およびロール周速度のうちの少なくとも一方を、修
正制御する。
【0045】換言すれば、制御装置31は、素管44b
の内部に挿設される芯金棒21b、および素管44bよ
りも先に延伸圧延を行われる素管44aの内部に挿設さ
れる芯金棒21aそれぞれの、延伸圧延に起因して変動
した寸法情報と、延伸圧延を終了した先行する素管44
aの延伸圧延後における中心軸方向への肉厚の分布とに
基づいて、延伸圧延を終了した時点の素管44bの肉厚
の変動が抑制されて均一化されるように、素管44bに
対して設定した延伸圧延の圧延条件を、修正制御する。
【0046】このように、本実施形態の制御装置31
は、複数本の素管44a、44bのうちで2番目の順序
で延伸圧延を行われる素管44bに対して設定された圧
延条件を、修正制御する。
【0047】この修正の際、先行する素管44aの中心
軸方向(長手方向)への肉厚の分布は、サイズや材質毎
に複数本の平均値として求めておくと、さらに制御精度
を向上させることができる。
【0048】そして、制御装置31は、修正された圧延
条件に基づいて、各ロール圧下位置制御装置15−6、
15−7、15−8に圧下制御信号C6〜C8を出力す
ることにより、孔型ロール12b〜14bそれぞれの圧
下位置を個別に制御し、また、各回転数制御装置17−
6〜17−8に回転数制御信号R6〜R8を出力するこ
とにより、孔型ロール12b〜14bそれぞれの回転
数、すなわちロール周速度を個別に変更する。
【0049】具体的には、本実施形態の制御装置31
は、以下の演算処理により、孔型ロール対12〜14の
うちの少なくとも一つの孔型ロール12a、12b、1
3a、13b、14a、14bの圧下位置およびロール
周速度のうちの少なくとも一方を、修正制御する。
【0050】(1)肉厚計18a、18bの出力値に基
づく素管44bの圧延条件の設定 制御装置31は、素管44bの圧延条件、すなわち孔型
ロール12a、12b、13a、13b、14a、14
bの圧下位置を、先行する素管44aの中心軸方向(長
手方向)の肉厚の分布の測定結果とその目標値との偏差
が零となるように、素管44aの圧延条件から距離ΔS
p だけ修正・変更して、設定する。
【0051】図3は、先行する素管44aの中心軸方向
(長手方向)の肉厚の分布の測定結果とその目標値との
間の偏差を示す、延伸圧延後または定径圧延後肉厚偏差
(mm)と、材料先端からの距離(mm)との関係の一
例を示すグラフである。
【0052】延伸圧延後または定径圧延後肉厚偏差aが
図3にグラフで示すように素管44aの中心軸方向へ向
けて分布していた場合、延伸圧延時の先行する素管44
aの位置は、スタンドF6〜F8の孔型ロール12a〜
14bのロール回転数Nに基づいて、第iスタンドにお
けるトラッキング量LLi LLi =2 πRi (1+fi)∫Ni (t)dt ・・・・・・・ として求められる。この式において、符号LLは先行
する素管44aの先端から該当スタンドiの直下までの
距離であり、符号Nはロール回転数であり、符号Rはロ
ール半径であり、符号fiは先進率であり、符号iはス
タンドナンバを示す。
【0053】したがって、このトラッキング量LL
i と、各スタンドF6〜F8による延びとによって、先
行する素管44aの先端からの距離が決定され、先行す
る素管44aの位置がわかる。このため、各位置におけ
る肉厚の偏差分だけ、スタンドF6〜F8の孔型ロール
12a〜14bの圧下位置を修正・変更すべく、設定す
る。
【0054】図4は、このようにして設定されたスタン
ドF8の孔型ロール14a、14b圧下位置の設定量の
一例を示すグラフである。このようにして、各スタンド
F6〜F8の孔型ロール12a〜14bの圧下位置を設
定する替わりに、またはこの圧下位置の設定とともに、
各孔型ロール12a〜14bの回転数N、すなわちロー
ル周速度を、 ΔNi-1 /Ni-1 =Ksi ・ΔSi ・・・・・・・ だけ修正・変更して設定してもよい。この式におい
て、符号Nはロール回転数(ロール周速度)であり、符
号Sは圧下位置であり、符号iはスタンドナンバであ
り、符号Ksは圧下位置変更時回転数補正ゲインであ
る。ロール回転数の変更は、少なくとも仕上側の2スタ
ンド、すなわち下流側の2スタンドについて設定する。
【0055】(2)外径測定器19の出力値に基づく、
設定値の修正 本実施形態の制御装置31は、外径測定器19により、
先行する素管44aに挿設された芯金棒21aおよび後
行する素管44bに挿設された芯金棒21bそれぞれの
中心軸方向(長手方向)への外径の分布をいずれも測定
し、これらの芯金棒21a,21bの中心軸方向(長手
方向)の同一位置における外径偏差をそれらの全長にわ
たって演算しておく。
【0056】そして、延伸圧延前の後行する素管44b
に挿設された芯金棒の後端に位置センサ21eを装着し
ておく。この位置センサ21eから出力される信号によ
り、各スタンドF6〜F8それぞれの直下における芯金
棒21bの位置を演算し、その位置での芯金棒21bの
外径偏差分に相当する量だけ、各スタンドF6〜F8そ
れぞれの圧下ロール対12〜14の圧下位置を修正す
る。具体的には、第iスタンドの直下の芯金棒21bの
位置Bi は、位置センサ21e等を利用することによっ
て、 Bi =Li −BB ・・・・・・・ として求められる。この式において、符号BBは基準
位置から芯金棒21bの最後端までの距離であり、符号
i は基準位置からiスタンドまでの距離である。
【0057】図5は、式により求められる位置Bi
距離Li との関係の一例を模式的に示す説明図である。
このため、外径偏差の分布が既知である芯金棒21a
と、外径偏差の分布が既知である芯金棒21bとの、位
置Bi における外径偏差量ΔDBi が求められる。この
ため、この芯金棒外径偏差量ΔDBi に基づいて、 ΔSq,i =ΔDBi /2 ・・・・・・・ として、圧下位置修正量ΔSq が各スタンドF6〜F8
毎に求められる。
【0058】このようにして求めた圧下位置修正量ΔS
q を圧下位置修正量ΔSp に付加することにより、最終
的に必要な圧下位置修正量ΔSi が、 ΔSi =ΔSp,i +ΔSq,i ・・・・・・・ として、各スタンドF6〜F8毎に求められる。
【0059】図6は、最終スタンドF8において最終的
に必要な圧下位置修正量ΔSi の算出結果の一例を示す
グラフであり、図6(a)はスタンドの孔型ロール12
a〜14bの圧下位置の設定量の一例を示すグラフ、図
6(b)は先行する素管44aおよび後行する素管44
bそれぞれのスタンドF8の直下の芯金棒外径偏差量の
一例を示すグラフ、図6(c)は算出された最終スタン
ドF8の圧下位置修正量ΔSi の一例を示すグラフであ
る。なお、図6(a)および図6(c)における位置l
は、時刻Tでの仕上スタンドF8直下の圧延中の材料位
置を示す。
【0060】式や図6にグラフで示すように、圧下位
置修正量ΔSi は、スタンドF6〜F8の孔型ロール1
2a〜14bの圧下位置の設定量に芯金棒外径偏差量Δ
DB i を加算することにより、求められる。
【0061】この際、 ΔNq,i-1 /Ni-1 =Ksbi ・ΔSq,i ・・・・・・・ ΔNi =ΔNp,i +ΔNq,i ・・・・・・・ として、各孔型ロール12a〜14bの回転数N、すな
わちロール周速度を修正してもよい。なお、式におい
て、符号ΔNは回転数修正量であり、符号Ksbは、圧
下位置変更の回転数修正率への影響係数である。
【0062】図7は、制御装置31による以上の処理の
流れを示すフローチャートである。同図に示すように、
ステップ(以下、「S」と略記する)1において、延伸
圧延後もしくは定径圧延後の素管44aの長手方向への
肉厚分布が、肉厚計18aまたは18bにより測定され
る。そして、S2へ移行する。
【0063】S2において、S1において測定された素
管44aの長手方向への肉厚分布に基づいて、式によ
り、延伸圧延後の素管44bの長手方向への肉厚分布が
均一となるように、素管44bの延伸圧延時における各
スタンドF6〜F8の圧下位置修正量ΔSp が演算され
て設定される。そして、S3へ移行する。
【0064】S3において、外径測定器19により予め
外径分布を測定された芯金棒21a〜21dのうちで、
S1において肉厚を測定された芯金棒21aと、この芯
金棒21aの次に延伸圧延に供される芯金棒21bとを
選び出し、芯金棒21aおよび21bそれぞれの同一位
置の外径偏差を、全長にわたって演算する。そして、S
4へ移行する。
【0065】S4において、芯金棒21bを内部に挿設
された素管44bの延伸圧延が開始されたことを確認す
る。そして、延伸圧延の開始が確認された後、S5へ移
行する。
【0066】S5において、素管44bの圧延中に、芯
金棒21bの後端に装着された位置センサ21eの信号
に基づき、スタンドF8の直下の芯金棒21bの位置を
演算し、その位置での芯金棒外径偏差を演算する。そし
て、S6へ移行する。
【0067】S6において、S5において演算した芯金
棒外径偏差分に相当する量を、S2において設定した圧
下位置修正量ΔSp に付加し、素管44b以降に延伸圧
延を行われる素管44b〜44lの延伸圧延時の各スタ
ンドF6〜F8の孔型ロール12a〜14bの圧下位置
を修正する。
【0068】このように、本実施形態の制御装置31
は、素管44aの内部に挿設される芯金棒21、および
素管44bの内部に挿設される芯金棒21a、21bそ
れぞれの延伸圧延の前における中心軸方向への外径偏差
の分布に基づいて、素管44に対して設定された延伸圧
延の圧延条件を、修正制御する。
【0069】このように、本実施形態の延伸圧延機10
は、複数組の孔型ロール対11と、複数本の芯金棒21
と、制御装置31とを備え、内部に芯金棒をそれぞれ挿
設された複数の素管44a〜44lに順次延伸圧延を行
う延伸圧延機である。
【0070】本実施形態の延伸圧延機10は、以上のよ
うに構成される。次に、この延伸圧延10を用いて、素
管に延伸圧延を行う状況を説明する。前述したように、
本実施形態では、延伸圧延機10により、素管44aの
内部に芯金棒21aを挿設して延伸圧延を行った後にこ
の芯金棒21aを、延伸圧延を行われる前の他の素管4
4bの内部に挿設して延伸圧延を行うことを順次繰り返
す循環使用を採用することによって、複数本の同じ仕様
の素管44が製造されている。
【0071】この際に、本実施形態では、図1および図
2にそれぞれ示すように、延伸圧延を行われた素管44
aの中心軸方向への肉厚の分布を求め、これに基づいて
素管44bに対する延伸圧延の条件を設定する。
【0072】次に、本実施形態では、内部に芯金棒21
a、21bをそれぞれ挿設された複数の素管44a〜4
4lに順次延伸圧延を行う際に、複数の素管44a〜4
4lのうちで先行して延伸圧延を行われる素管44aの
内部に挿設される芯金棒21a、およびこの素管44a
よりも後で延伸圧延を行われる素管44bの内部に挿設
される芯金棒21bそれぞれの寸法情報、すなわち延伸
圧延を行われる前における芯金棒21a、21bの中心
軸方向への外径偏差の分布を求める。
【0073】延伸圧延を行われる前の外径偏差を用いた
のは、圧延時の孔型ロール12a〜14bの圧下位置お
よびロール周速度のうちの少なくとも一方を制御するた
めには、延伸圧延を行われる前に寸法情報を得ることが
有利だからである。なあ、本実施形態とは異なり、延伸
圧延の最中または延伸圧延後、もしくは延伸圧延に供さ
れる前(循環使用中)に寸法情報を得るようにしてもよ
い。
【0074】そして、得られたこれらのデータに基づい
て、素管44bに対して設定された延伸圧延の圧延条
件、すなわち、延伸圧延を行う複数の孔型ロール対12
〜14のうちの少なくとも一つの孔型ロール12a〜1
4bの圧下位置およびロール周速度のうちの少なくとも
一方を、変更して修正制御する。
【0075】このため、素管44aの内部に挿設される
芯金棒21a、およびこの素管44aよりも後で延伸圧
延を行われる素管44bの内部に挿設される芯金棒21
bそれぞれの外径偏差は小さくなり、これにより、孔型
ロール12a〜14bの圧下位置またはロール周速度の
変更量も、各芯金棒21a〜21cのいずれについても
小さくなる。ここで、一般的に、孔型ロール12a〜1
4bの圧下位置またはロール周速度の変更量が小さくな
ると、延伸圧延される素管の肉厚の制御精度が向上す
る。
【0076】このため、本実施形態によれば、同一スケ
ジュールで同じ仕様の素管44a〜44lを延伸圧延す
る場合に、得られる各素管44a〜44lの間の長手方
向への肉厚が一定化され、同一ロットの継目無鋼管の肉
厚を高精度で制御することが可能となる。
【0077】このため、本実施形態によれば、長手方向
への肉厚分布の不均一が解消された複数本の同じ仕様の
鋼管43または素管44を、固体差を生じることなく圧
延することができる。
【0078】また、第2の芯金棒21bと第1の芯金棒
21aとを互いに同一の芯金棒とすること、すなわち、
第2の芯金棒21bを挿設された素管44bの圧延の際
に、この素管44bを用いて先に延伸圧延を行われた素
管44aの延伸圧延時の情報を用いることにより、芯金
棒21の違いによる誤差を可及的に小さく抑制すること
ができる。このため、芯金棒の違いに起因した固体差
を、最小限に抑制することができる。
【0079】また、本実施形態において、素管44aの
延伸圧延の際に用いた芯金棒21aを、素管44bの後
に引き続いて延伸圧延を行われる素管44bの延伸圧延
に供するようにしてもよい。これにより、素管44aお
よび素管44bがそれぞれ延伸圧延を行われるタイミン
グのずれを最小限とすることができる。このため、延伸
圧延を行われるタイミングのずれに起因した肉厚の制御
精度の低下に起因した固体差を、最小限に抑制すること
ができる。
【0080】
【実施例】さらに、本発明を実施例を参照しながら詳細
に説明する。図8は、前述した特開昭57−22813
号公報により開示された発明により、継目無鋼管の延伸
圧延後の肉厚分布を一定に制御しようとした場合の肉厚
分布を示すグラフである。
【0081】同図にグラフで示すように、この場合、延
伸圧延中の芯金棒や圧延ロールの膨張等によって、先端
から後端へ向けて肉厚が先端の肉厚よりも約2mm程度
小さくなっており、所望の程度の均一な肉厚分布を得る
ことはできなかった。
【0082】これに対し、図1および図2に示す本実施
形態の方法、すなわち複数本の素管のうちで2番目以降
のいずれかの順序で延伸圧延を行われる素管44bに対
して設定された圧延条件を、この素管44bの内部に挿
設される芯金棒21b、およびこの素管44bよりも先
に延伸圧延を行われる素管44aの内部に挿設される芯
金棒21aそれぞれの、延伸圧延に起因して変動した外
径偏差に基づいて、修正した場合の肉厚分布を、図9に
グラフで示す。
【0083】図9にグラフで示すように、本発明によ
り、図8にグラフで示す従来例よりも、継目無鋼管の延
伸圧延後の肉厚分布を明らかに一定に制御できた。ま
た、図10は、12本の素管44a〜44lそれぞれに
ついて、後端面における肉厚偏差を測定した結果を示す
グラフである。
【0084】図10にグラフで示すように、本発明では
いわゆる学習制御を行うため、圧延本数が増加するに伴
って、素管44の延伸圧延後の肉厚分布を向上すること
ができ、これにより、同一ロット内における継目無鋼管
43同士の間の固体差を著しく抑制することができた。
【0085】(変形形態)実施形態および実施例の説明
では、金属管が継目無鋼管であるとともに、延伸圧延機
がいわゆるマンドレルミルである場合を例にとった。し
かし、本発明は継目無鋼管以外の他の金属管についても
等しく適用され、また、本発明はマンドレルミル以外の
他の延伸圧延機についても等しく適用される。
【0086】また、実施形態の説明では、12本の素管
に対して4本の芯金棒を循環使用する場合を例にとった
が、本発明はこの形態には限定されず、複数本の素管の
内部に複数本の芯金棒をそれぞれ挿設して順次延伸圧延
を行う場合に等しく適用される。
【0087】また、第1の芯金棒21aを延伸圧延後に
挿設する素管は、第1の芯金棒21aを供された延伸圧
延の後の延伸圧延を行われる素管であればよく、特定の
素管には限定されない。
【0088】また、芯金棒の循環使用は複数の芯金棒全
てについて行う必要はなく、少なくとも一本であっても
よい。例えば6本の素管に対して4本の芯金棒を循環使
用する場合には、2本の芯金棒は循環使用されないこと
になるが、この場合にも本発明は適用される。
【0089】また、実施形態の説明では、芯金棒の寸法
情報が、芯金棒の外径偏差の中心軸方向への分布である
場合を例にとった。しかし、本発明は、芯金棒の外径偏
差の中心軸方向への分布には限定されず、循環使用に起
因して変動する寸法情報であれば、等しく適用される。
【0090】また、実施形態の説明では、肉厚計から入
力された肉厚に基づいて求められた、延伸圧延を行われ
た素管の中心軸方向への肉厚の分布により、延伸圧延の
圧延条件を設定する場合を例にとった。しかし、本発明
はこの形態には限定されず、公知の延伸圧延の圧延条件
の設定手段であれば、等しく適用される。
【0091】さらに、本発明の作用効果を奏する範囲で
各種の変形が可能であるが、それらも本発明に包含され
る。
【0092】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
り、長手方向への肉厚分布の不均一が解消された複数本
の同じ仕様の、例えば継目無鋼管等の金属管を、固体差
を生じることなく圧延することができる、金属管の延伸
圧延法および延伸圧延機を提供することができた。
【0093】かかる効果を有する本発明の意義は、極め
て著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の継目無鋼管の延伸圧延機の構成を簡
略化して示す斜視図である。
【図2】実施形態の継目無鋼管の延伸圧延機の主要部を
模式的に示す説明図である。
【図3】先行する素管の中心軸方向(長手方向)の肉厚
の分布の測定結果とその目標値との間の偏差を示す、延
伸圧延後or定径圧延後肉厚偏差(mm)と、材料先端
からの距離(mm)との関係の一例を示すグラフであ
る。
【図4】設定されたスタンドの孔型ロール圧下位置の設
定量の一例を示すグラフである。
【図5】式により求められる位置と距離との関係を模
式的に示すグラフである。
【図6】最終スタンドにおいて最終的に必要な圧下位置
修正量の算出結果の一例を示すグラフであり、図6
(a)はスタンドの孔型ロールの圧下位置の設定量の一
例を示すグラフ、図6(b)は先行する素管および後行
する素管それぞれのスタンドの直下の芯金棒外径偏差量
の一例を示すグラフ、図6(c)は算出された圧下位置
修正量の一例を示すグラフである。
【図7】制御装置による処理の流れを示すフローチャー
トである。
【図8】特開昭57−22813号公報により開示され
た発明により、継目無鋼管の延伸圧延後の肉厚分布を一
定に制御しようとした場合の肉厚分布を示すグラフであ
る。
【図9】本発明により、継目無鋼管の延伸圧延後の肉厚
分布を一定に制御しようとした場合の肉厚分布を示すグ
ラフである。
【図10】本発明により、継目無鋼管の延伸圧延後の肉
厚分布を一定に制御しようとした場合の肉厚分布を1ロ
ットについて示すグラフである。
【図11】金属管の製造工程の一例を模式的に示す説明
図である。
【図12】マンドレルミルによる延伸圧延の状況を模式
的に示す説明図である。
【符号の説明】
10 延伸圧延機 21a、21b 芯金棒 44 継目無鋼管 44a、44b 素管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の素管の内部に複数本の芯金棒を
    それぞれ挿設して順次延伸圧延を行うとともに、前記複
    数本の素管のうちの一つの素管の内部に挿設される前記
    芯金棒を延伸圧延後に延伸圧延前の他の素管の内部に挿
    設することを前記複数本の芯金棒のうちの少なくとも1
    本の芯金棒について行う循環使用を行うことによって、
    複数本の同じ仕様の金属管を製造する際に、 前記複数本の素管のうちで2番目以降のいずれかの順序
    で前記延伸圧延を行われる素管に対して設定された前記
    延伸圧延の圧延条件を、前記循環使用に起因して変動し
    た、前記素管の内部に挿設される第2の芯金棒の寸法情
    報と、前記循環使用に起因して変動した、前記素管より
    も先に前記延伸圧延を行われる素管の内部に挿設される
    第1の芯金棒の寸法情報とに基づいて、修正することを
    特徴とする金属管の延伸圧延法。
  2. 【請求項2】 前記寸法情報は、前記第1の芯金棒また
    は前記第2の芯金棒の外径偏差の中心軸方向への分布で
    ある請求項1に記載された金属管の延伸圧延法。
  3. 【請求項3】 前記第2の芯金棒と前記第1の芯金棒と
    は、互いに同一の芯金棒である請求項1または請求項2
    に記載された金属管の延伸圧延法。
  4. 【請求項4】 複数本の素管に順次延伸圧延を行って複
    数本の同じ仕様の金属管を製造する延伸圧延機であっ
    て、 前記複数本の素管に対して前記延伸圧延を行う複数組の
    孔型ロール対と、 前記複数本の素管の内部にそれぞれ挿設されて順次前記
    延伸圧延に供されるとともに、少なくとも1本が前記複
    数本の素管のうちの一つの素管の内部に挿設されて延伸
    圧延に供された後に延伸圧延前の他の素管の内部に挿設
    される循環使用を行われる複数本の芯金棒と、 前記複数本の素管のうちで2番目以降のいずれかの順序
    で前記延伸圧延を行われる素管に対して設定された前記
    延伸圧延の圧延条件を、前記循環使用に起因して変動し
    た、前記素管の内部に挿設される第2の芯金棒の寸法情
    報と、前記循環使用に起因して変動した、前記素管より
    も先に前記延伸圧延を行われる素管の内部に挿設される
    第1の芯金棒の寸法情報とに基づいて、修正する制御装
    置とを備えることを特徴とする金属管の延伸圧延機。
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